JP6414425B2 - エンボス版の製造方法、レーザ彫刻用データの作成装置、レーザ彫刻用データの作成方法、プログラム - Google Patents

エンボス版の製造方法、レーザ彫刻用データの作成装置、レーザ彫刻用データの作成方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、壁紙や合成皮革の製造に用いられるエンボス版の製造技術に関し、特に、化学エッチングとレーザ彫刻により所望のエンボス形状を形成するエンボス版の製造方法等に関する。
従来、織物柄、石目柄等のテクスチュアの凹凸形状を再現した壁紙等のシートを製造するために、エンボス版(ロール状の形態のものは、エンボスロールとも呼ばれる)が用いられている。このエンボス版の表面には、テクスチュアの凹凸形状に応じたエンボス形状が形成されており、このエンボス版を紙、樹脂、合成皮革、金属等から構成される所望のシートに対して押圧するエンボス加工を行うことにより、凹凸形状を有するシートを製造することが可能となる。
エンボス版の表面にエンボス形状を形成する方法としては、化学エッチングによる方法と、レーザ彫刻による方法を挙げることができる。
上記の化学エッチングとは、主にウェットエッチングと呼ばれる手法であり、例えば、レジスト等のエッチングマスクにより開口部以外の表面をマスキングした版材(エンボス版がエンボスロールの場合は、その版材はエンボスシリンダとも呼ばれる)を、腐食液(エッチング液とも呼ぶ)を用いてエッチングして、エンボス版の表面に窪みを形成する手法である。
なお、本明細書においては、最終形態のエンボス版と区別する目的で、表面を加工する前のエンボス版を、適宜、版材と呼ぶことにする。
例えば、図24に示すように、版材101の表面にレジスト層102を形成し(図24(a))、所定の位置(マスク部102bに相当する位置)に露光用レーザ103を照射する(図24(b))。するとマスク部102bのレジスト層102が硬化するので、現像処理等を行い非露光部(開口部102aに相当する部))のレジスト層102を除去すると、開口部102aとマスク部102bを有するレジストパターンが形成される(図24(c))。
その後、版材101の表面に腐食液を作用させると、露出した版材面が腐食を受けて窪む(図24(d))。最後に洗浄処理等により、レジストパターンのマスク部102bの除去を行うと、表面に開口部102aに応じた窪み104が形成されたエンボス版105が得られる(図24(e))。
なお、上記はネガ型のレジストの場合である。ポジ型のレジストを用いる場合は露光部のレジストが軟化し、現像処理等により除去されることになる。
上記の化学エッチングを用いれば、1回のエッチング工程で複数個の窪みをエンボス版表面に形成することができる。それゆえ、表面積が大きいエンボスロールに対し、膨大な数の窪みを形成する場合であっても、エンボス版の製造時間を短くすることが可能である。
ただし、形成される窪みは、例えば、図24(d)に示すように、開口部102aに応じた単調な凹型の形態に限定され、例えば、底に向かって細くなっていく形態や、さらには非対称な形態(例えば底面の中心位置と開口面の中心位置がずれている形態)のような複雑なエンボス形状を、1回の化学エッチング工程で形成することは困難である。
一方、上記のレーザ彫刻とは、高出力の彫刻用レーザにより版材を構成する金属等を焼き飛ばして、エンボス版の表面に直接、所望のエンボス形状を形成する手法である。
例えば、図25に示すように、所望のエンボス形状112となるように、照射位置に応じて出力等を制御した彫刻用レーザ111を、版材101の表面に照射することにより(図25(a))、版材101を構成する金属等を所望量焼き飛ばして、エンボス版105の表面に直接、所望のエンボス形状112を形成する(図25(b))。
レーザ彫刻は、例え複雑な形態であっても、所望のエンボス形状を直接形成できる点において優れているが、製造時間が長いという欠点を有する。特に、壁紙等のシート製造に用いられるエンボスロールは、その表面積が大きく、設けられるエンボス形状の数も膨大な数であることから、全てのエンボス形状をレーザ彫刻で形成することは、現実的ではない。
そこで、エンボスロールの表面に、上記のような複雑な形態(例えば、底に向かって細くなっていく形態)のエンボス形状を形成する方法としては、上記の化学エッチングを複数回行う多段エッチングが、一般に用いられている。
多段エッチングとは、開口部のサイズや形状が異なる複数のマスクデータを用いて、複数回のエッチングを行なうことで、エンボス版の表面に多段の窪みを形成する手法である。
例えば、図24に示す化学エッチング工程により得られたエンボス版105に対し(図26(a))、2回目以降の化学エッチング工程、即ち、レジスト層形成、露光用レーザによるパターン露光、腐食液による化学エッチング、レジストパターン除去の一連の工程を、露光用レーザに用いるマスクデータを変えながら複数回繰り返すと、図26(c)に示すように、エンボス版105の表面に多段の窪みから構成されるエッチング形状106が形成される。
上記のような化学エッチング工程において、レジスト層102に露光用レーザ103を照射して、開口部102aとマスク部102bを有するレジストパターンを形成する工程(パターン露光工程)では、開口部102aとマスク部102bの位置を定めるマスクデータが用いられる。このマスクデータは、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データを、閾値により2値化して生成することができる。多段エッチングでは、閾値を変更して複数のマスクデータが生成される(例えば、特許文献1、2、3)。
特開2001−58459号公報 特開2001−179825号公報 特開2001−113891号公報
しかしながら、上記のような多段エッチングの方法では、エンボス版に形成されるエッチング形状は階段状の段差を有する多段形状になってしまい、曲面から構成されるテクスチュアに応じた所望のエンボス形状を忠実に形成できないという問題があった。
また、腐食液を用いる化学エッチングは、等方性のエッチングであることから、レジストパターンの開口部の下のみならず、マスク部の下もエッチングが進行してしまうという現象(サイドエッチング)が生じる。
例えば、図24(d)に示すように、腐食液を用いて化学エッチングを施した場合は、レジストパターンの開口部102aの下の部分のみならず、開口部102aとマスク部102bの境界近傍におけるマスク部102bの下の部分の金属等も、サイドエッチングにより除去されてしまう。
それゆえ、所望のエンボス形状を忠実に形成するためには、このサイドエッチングによる形状変化も考慮する必要がある。
なお、上記のサイドエッチングを抑制可能な異方性のエッチングとして、反応性イオンを用いるドライエッチングという技術もあるが、このドライエッチングは真空装置内での加工を要し、巨大なエンボスロールの加工には適さない。また、通常、数ミクロン程度の浅い加工しかできず、壁紙等に用いられる凹凸形状に応じたエンボス形状(例えば、100μm〜1500μm深さ)の形成は困難である。
一方、レーザ彫刻の方法では、上記のように製造時間が長いという欠点がある。一例として、所定の壁紙用のエンボス形状をエンボスロールに形成する場合について比較すると、上記の多段エッチングの手法を用いて7段のエッチング形状をエンボスロールに形成する場合は、1週間程度の製造時間であるのに対し、直径数10μm程度の彫刻用レーザでレーザ彫刻する場合は、製造時間に2週間程度かかるという試算結果になる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、製造時間が増えることを抑制しつつ、容易に所望のエンボス形状をエンボス版に形成することが可能なエンボス版の製造方法等を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、化学エッチングを施して、エンボス版の表面に窪みを形成する第1の工程と、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、前記第1の工程により得られる窪みの形状を前記第1の工程のエッチング条件と同一条件を用いてシミュレーションすることにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状を基に、前記第1の工程により窪みを形成したエンボス版にレーザ彫刻を施す第2の工程と、を備えることを特徴とするエンボス版の製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第1の工程が、前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いたパターン露光により、表面にレジストパターンを形成した前記エンボス版に、腐食液を用いて前記化学エッチングを施して、前記窪みを形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のエンボス版の製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記シミュレーションが、前記マスクデータを用いて、前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項2に記載のエンボス版の製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得する手段と、前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換する手段と、前記レーザ彫刻用データを、前記レーザ彫刻を行う装置に設定する手段と、を備えることを特徴とするレーザ彫刻用データの作成装置である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記シミュレーションが、前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項4に記載のレーザ彫刻用データの作成装置である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、コンピュータが、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得するステップと、前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換するステップと、前記レーザ彫刻用データを、レーザ彫刻を行う装置に設定するステップと、を実行することを特徴とするレーザ彫刻用データの作成方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記シミュレーションが、前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項6に記載のレーザ彫刻用データの作成方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、コンピュータを、請求項4または請求項5に記載のレーザ彫刻用データの作成装置として機能させるプログラムである。
本発明によれば、製造時間が増えることを抑制しつつ、容易に所望のエンボス形状をエンボス版に形成することが可能なエンボス版の製造方法等を提供することができる。
本発明に係るエンボス版の製造方法の一例について説明する図 エンボス版製造システム1000の構成を示す図 マスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成を示す図 マスクデータ生成処理部2100の機能構成を示す図 マスクデータ生成処理部2100の処理手順を示すフローチャート マスクデータ22の生成について示す図 エッチング形状データ生成処理部2200の機能構成を示す図 エッチング形状データ生成処理部2200の処理手順を示すフローチャート エッチングシミュレーションS24の処理手順を示すフローチャート 距離データ2223の作成について示す図 サイドエッチングプロファイル2222について説明する図 エッチングデータ2224の算出について示す図 差分形状データ生成処理部2300の機能構成を示す図 差分形状データ生成処理部2300の処理手順を示すフローチャート 差分処理S33について示す図 化学エッチング工程32について示すフローチャート 化学エッチング工程32について示す概略工程図 レーザ彫刻工程34について示すフローチャート レーザ彫刻工程34について示す概略工程図 レーザ彫刻工程部3200の構成を示す図 レーザ彫刻用データ作成装置3300のハードウェア構成を示す図 レーザ彫刻用データ作成装置3300の機能構成を示す図 レーザ彫刻用データ作成装置3300の処理手順を示すフローチャート 化学エッチング工程について示す図 レーザ彫刻について示す図 多段エッチングについて示す図
(エンボス版の製造方法)
本発明に係るエンボス版の製造方法は、化学エッチングを施して、エンボス版の表面に窪みを形成する第1の工程と、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、前記第1の工程により得られる窪みの形状を前記第1の工程のエッチング条件と同一条件を用いてシミュレーションすることにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状を基に、前記第1の工程により窪みを形成したエンボス版にレーザ彫刻を施す第2の工程と、を備えるものである。
そして、上記のような工程を備えることにより、本発明に係るエンボス版の製造方法によれば、製造時間が増えることを抑制しつつ、容易に所望のエンボス形状をエンボス版に形成することができる。
図1は、本発明に係るエンボス版の製造方法について、その一例の概要を説明する図である。図1に示すように、エンボス版製造方法1は、データ処理工程2とエンボス版製造工程3を有している。
データ処理工程2では、まず、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データ21に対して、2値化処理を含むマスクデータ生成処理S1を施して、開口部とマスク部を有するマスクデータ22を生成する。
次に、マスクデータ22を用いてエッチング形状データ生成処理S2を行い、エンボス版製造工程3の化学エッチング工程32により得られるエンボス版の形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データ23を生成する。
その後、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23を用いて差分形状データ生成処理S3を施すことにより、差分形状データ24を生成する。
一方、エンボス版製造工程3では、まず、マスクデータ22を用いた化学エッチング工程(第1の工程)32により、版材31の表面に階段状の段差形状を形成したエンボス版中間体33を製造し、次に、差分形状データ24を用いたレーザ彫刻工程(第2の工程)34により、エンボス形状データ21が表す形状に対し、より忠実な形状が形成されたエンボス版35を得る。
ここで、本明細書においては、最終形態のエンボス版と区別する目的で、化学エッチング工程32を施した後であって、レーザ彫刻工程34を施す前のエンボス版を、適宜、エンボス中間体と呼ぶことにする。
なお、図1に示すエンボス版製造方法1においては、全体の理解を容易とするために、データ処理工程2とエンボス版製造工程3を一括して有している形態を例示したが、本発明においては、データ処理工程2は、エンボス版製造工程3とは独立した工程であってもよく、さらに、マスクデータ生成処理S1、エッチング形状データ生成処理S2、差分形状データ生成処理S3も、それぞれ独立した工程であってもよい。また、化学エッチング工程32とレーザ彫刻工程34も、それぞれ独立した工程であってもよい。
図2は、図1に示すエンボス版製造方法1を行うためのエンボス版製造システム1000について、その構成を説明する図である。
図2に示すように、エンボス版製造システム1000は、データ処理部2000とエンボス版製造部3000を有している。そして、データ処理部2000は、マスクデータ生成処理部2100、エッチング形状データ生成処理部2200、差分形状データ生成処理部2300を有しており、エンボス版製造部3000は、化学エッチング工程部3100、レーザ彫刻工程部3200を有している。
なお、図2に示すエンボス版製造システム1000においては、一例として、データ処理部2000とエンボス版製造部3000を一括して有している形態を示したが、本発明においては、データ処理部2000は、エンボス版製造部3000とは独立したシステムであってもよく、さらに、マスクデータ生成処理部2100、エッチング形状データ生成処理部2200、差分形状データ生成処理部2300も、それぞれ独立したシステムであってもよい。また、化学エッチング工程部3100、レーザ彫刻工程部3200もそれぞれ独立したシステムであってもよい。
以下、まずは、本発明に係るエンボス版の製造方法において用いられる各データの生成処理工程、即ち、図1に示すデータ処理工程2における各データ処理工程について、詳しく説明する。
<データ処理工程>
(マスクデータ生成処理)
まず、図1に示すマスクデータ生成処理S1について説明する。
(マスクデータ生成処理部のハードウェア構成)
図3は、図2に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、マスクデータ生成処理部2100は、例えば、制御部2101、記憶部2102、メディア入出力部2103、周辺機器I/F(インタフェース)部2104、通信部2105、入力部2106、表示部2107等がバス2108を介して接続されて構成された一般的なコンピュータで実現できる。
制御部2101は、CPU、ROM、RAM等により構成される。
CPUは、記憶部2102、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス2108を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部2101が各種処理を行うため使用するワークエリアを備える。
記憶部2102は、例えばハードディスクドライブであり、後述する処理に際して制御部2101が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部2101により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
メディア入出力部2103は、例えばDVDドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
周辺機器I/F部2104は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部2104を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
通信部2105は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク等との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
入力部2106は、例えば、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部2101へ出力する。
表示部2107は、例えば液晶パネルやCRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部2101の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
バス2108は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
(マスクデータ生成処理部の機能構成)
次に、マスクデータ生成処理部2100の機能構成について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、マスクデータ生成処理部2100は、制御部2101によって実行されるマスクデータ生成処理S1の各要素として、エンボス形状データ取得手段2111、2値化処理手段2112、マスクデータ保存手段2113、終了判定手段2114等を有し、記憶部2102には、エンボス形状データ21、マスクデータ22等を記憶する。
上記のエンボス形状データ取得手段2111、2値化処理手段2112、マスクデータ保存手段2113、終了判定手段2114の各手段は、例えば、記憶部2102に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2101が記憶部2102から取得して実行することにより機能する。
エンボス形状データ取得手段2111は、制御部2101がエンボス形状データ21を記憶部2102から取得するものである。
2値化処理手段2112は、制御部2101が、エンボス形状データ21を、単数又は異なる複数の閾値で2値化して、単数又は各閾値に対応する複数のマスクデータ22を生成するものである。閾値は予め設定されているものであっても良く、作業者によって入力されるものであってもよい。
マスクデータ保存手段2113は、制御部2101が、2値化処理手段2112により生成したマスクデータ22を、記憶部2102に保存するものである。
多段エッチングの場合は、段数に応じた数の異なるマスクデータが保存される。
終了判定手段2114は、制御部2101が、上記のマスクデータ22の生成を終了するか否かを判定するものである。
エンボス形状データ21は、エンボス版に形成しようとする所望のエンボス形状を数値化して表すものである。エンボス形状データ21は、例えば、エンボス形状の各位置における表面深度を256の階調値で表したグレースケールの画像データである。
マスクデータ22は、エッチング対象に対し化学エッチングを行なう箇所(開口部)とエッチングを行なわない箇所(マスク部)を示すデータである。
(マスクデータ生成処理部の処理手順)
次に、マスクデータ生成処理部2100の処理手順について、図5を用いて説明する。
なお、マスクデータ生成処理S1に際し、エンボス形状データ21は、マスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成要素であるメディア入出力部2103等を介して、予め記憶部2102に保存されているものとする。
図5に示すように、マスクデータ生成処理部2100の制御部2101は、まず、記憶部2102からエンボス形状データ21を取得し(S11)、取得したエンボス形状データ21を与えられた閾値で2値化してマスクデータ22を生成し(S12)、生成したマスクデータ22を記憶部2102に保存する(S13)。
次に、制御部2101は、マスクデータ22の生成を終了するか否かを判定する(S14)。例えば、生成したマスクデータ22の数が設定された数よりも少ない場合には、ステップS12に戻って、制御部2101はマスクデータ22の生成を継続する。一方、生成したマスクデータ22の数が設定された数に達した場合には、マスクデータ生成処理S1を終了する。
図6は、マスクデータ22の生成について示す図である。
図6(a)に示すように、マスクデータ22を生成する際は、エンボス形状データ21について、閾値21aによる2値化を行う。図6(b)は、このようにして生成されたマスクデータ22の例である。
例えば、図6(b)に示す、マスクデータ22の開口部22aは、エンボス形状データ21において閾値21aと同じ又は閾値21aよりも深度が大きな領域に相当し、マスクデータ22のマスク部22bは、エンボス形状データ21において閾値21aよりも深度が小さい領域に相当する。
多段エッチングのために複数の異なるマスクデータを生成する場合は、同様の処理を各段に応じた異なる閾値について行って、段数に応じた数のマスクデータを生成する。
(エッチング形状データ生成処理)
次に、図1に示すエッチング形状データ生成処理S2について説明する。
なお、図2に示すエッチング形状データ生成処理部2200のハードウェア構成は、図3に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成と同様な構成を有する一般的なコンピュータで実現できることから、ここでの説明は省略する。
本発明において、マスクデータ生成処理S1とエッチング形状データ生成処理S2は、一のコンピュータで実行されても良く、それぞれが別のコンピュータで実行されてもよい。
(エッチング形状データ生成処理部の機能構成)
図7は、図2に示すエッチング形状データ生成処理部2200の機能構成を示す図である。図7に示すように、エッチング形状データ生成処理部2200は、制御部2201によって実行されるエッチング形状データ生成処理S2の各要素として、マスクデータ取得手段2211、腐食深度データ取得手段2212、サイドエッチングプロファイル取得手段2213、エッチングシミュレーション手段2214、エッチング形状データ保存手段2215、終了判定手段2216等を有し、記憶部2202には、マスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222、エッチング形状データ23等を記憶する。
上記のマスクデータ取得手段2211、腐食深度データ取得手段2212、サイドエッチングプロファイル取得手段2213、エッチングシミュレーション手段2214、エッチング形状データ保存手段2215、終了判定手段2216の各手段は、例えば、記憶部2202に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2201が記憶部2202から取得して実行することにより機能する。
マスクデータ取得手段2211は、制御部2201がマスクデータ22を記憶部2202から取得するものである。
腐食深度データ取得手段2212は、制御部2201が腐食深度データ2221を記憶部2202から取得するものである。
サイドエッチングプロファイル取得手段2213は、制御部2201がサイドエッチングプロファイル2222を記憶部2202から取得するものである。
エッチングシミュレーション手段2214は、制御部2201がマスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222等を用いて、エッチングシミュレーションを行うことにより、エッチング形状データ23を生成するものである。
エッチング形状データ保存手段2215は、制御部2201が、エッチングシミュレーション手段2214により作成したエッチング形状データ23を、記憶部2202に保存するものである。
終了判定手段2216は、制御部2201が、上記のエッチング形状データ23の作成を終了するか否かを判定するものである。
マスクデータ22は、上述のように、エッチング対象に対し化学エッチングを行なう箇所(開口部)とエッチングを行なわない箇所(マスク部)を示すデータである。
腐食深度データ2221は、マスクデータ生成の際の閾値に相当する所定の腐食深度を定めるものである。マスクデータ22の生成に用いる閾値と、マスクデータ22を用いた1段分のエッチングにおける所定の腐食深度が関連付けて定められる。
サイドエッチングプロファイル2222は、化学エッチング時にマスク部側でもエッチングが進行するサイドエッチングの影響を表すもので、特に、化学エッチングを行なった際の、開口部22aとマスク部22bの境界からマスク部22b側におけるエッチング対象の形状を表すものである。
エッチング形状データ23は、化学エッチングにより得られるエッチング形状をエッチングシミュレーションにより生成したものである。多段エッチングの場合には、マスクデータ22の数に応じた段数を有する多段形状になる。
(エッチング形状データ生成処理部の処理手順)
次に、エッチング形状データ生成処理部2200の処理手順について、図8を用いて説明する。
なお、エッチング形状データ生成処理S2に際し、マスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222は、エッチング形状データ生成処理部2200のハードウェア構成要素であるメディア入出力部等を介して、予め記憶部2202に保存されているものとする。
図8に示すように、エッチング形状データ生成処理部2200の制御部2201は、まず、記憶部2202からマスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222を取得する(S21〜S23)。
なお、図8においては、便宜上、マスクデータ取得(S21)、腐食深度データ取得(S22)、サイドエッチングプロファイル取得(S23)の順の処理になっているが、本発明においては、エッチングシミュレーション(S24)の前に、記憶部2202からマスクデータ22、腐食深度データ2221、及びサイドエッチングプロファイル2222を取得してさえいればよく、上記の順番は特に制限はない。また、上記のステップS21〜S23の処理は、並行して進められても良い。
次に、制御部2201は、マスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222等を用いて、エッチングシミュレーションを行うことにより、エッチング形状データ23を生成する(S24)。このエッチングシミュレーションについては、図9〜図12を用いて、後に詳しく説明する。
その後、制御部2201は、生成したエッチング形状データ23を記憶部2202に保存する(S25)。
次に、制御部2201は、エッチング形状データ23の生成を終了するか否かを判定する(S26)。
例えば、生成したエッチング形状データ23の段数がマスクデータ22の数よりも少ない場合には、ステップS21に戻って、制御部2201はエッチング形状データ23の生成を継続する。一方、生成したエッチング形状データ23の段数がマスクデータ22の数に達した場合には、制御部2201はエッチング形状データ生成処理S2を終了する。
(エッチングシミュレーション)
次に、上記のエッチングシミュレーション(S24)について、図9〜図12を用いて説明する。
図9は、エッチングシミュレーション(S24)における処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、エッチングシミュレーション(S24)では、まず、図8に示すステップS21で取得したマスクデータ22の各画素(セル)における、開口部22aとマスク部22bの境界からの距離を算出し、距離データ2223を作成する(S241)。
距離データ2223を作成するには、まず、図10(a)に示すように、マスクデータ22と同じセル配列の距離データ2223aを用意して、全てのセルの値を最大値(図10に示す例においては、「99」としている)で初期化する。
なお、図10(a)において白抜き数字の部分はマスクデータ22においてマスク部22bに当たるセルで、それ以外は開口部22aに当たるセルである。
次に、図10(b)に示すように、マスクデータ22における開口部22aとマスク部22bの境界に対応するセルの値に距離0を格納した、距離データ2223bを作成する。
次に、距離データ2223bの各セルの値を、周囲8近傍のセルに格納された値と周囲8近傍のセルまでの距離(上下左右は1、斜め方向は√2)を周囲8近傍のセルごとに足した値の中で、最も小さい値で更新する。
図10(c)に示す距離データ2223cは、距離データ2223bの上から1行目のセルについて、左から右へと走査しながら上記の処理を行ったものである。
そして1行目のセルについて処理が終わった後は、2行目以降のセルについても、それぞれ左から右へと走査しながら、最終行まで上記の処理を行う。
最終行の右端のセルまで処理が終わった後は、今度は、最終行のセルについて、右から左へと走査しながら上記の処理を行う。最終行のセルについて処理が終わった後は、最終行から1行上のセルについて、右から左へと走査しながら上記の処理を行い、その後も同様に1行上のセルについてこの処理を繰り返し、最終的に1行目の左端のセルに到達するまでこの処理を行う。
この一連の処理により、図10(d)に示すようにマスクデータ22における開口部22aとマスク部22bの境界からの距離を示す距離データ2223が作成される。
距離データ2223は、実距離に換算されて用いられる。例えば、マスクデータ22の解像度が508dpiの場合、1画素の大きさは50μmに対応するが、この際、距離データ2223の各セルに格納されている値に50μmを掛けた値が境界からの距離として用いられる。
図9に戻り、次に、制御部2201は、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222、距離データ2223に基づき、マスクデータ22を用いて化学エッチングを行った際のエッチングデータ2224の算出を行う(S242)。
図11は、サイドエッチングプロファイル2222について説明する図である。サイドエッチングプロファイル2222は、前述したサイドエッチングの影響を表すもので、特に、化学エッチングを行なった際の、開口部22aとマスク部22bの境界からマスク部22b側におけるエッチング対象41の形状を表すものである。
より具体的には、サイドエッチングプロファイル2222は、図11(a)に示すエッチング対象41において、開口部22aとマスク部22bの境界からマスク部22b側に向かう距離anと腐食深度hnの関係を、例えば、図11(b)のように表すものである。ここで、距離0(すなわち、開口部22aとマスク部22bの境界)における腐食深度はhであり、距離aにおける腐食深度は0である。サイドエッチングプロファイル2222は、所定の腐食深度hごとに定められる。
なお、サイドエッチングプロファイル2222はこれに限ることはなく、化学エッチングを行なった際の、マスク部22b側のエッチング対象41の形状を表すものであればよいが、上記のようなデータとすることにより、正確にサイドエッチングの影響を反映させることができる。
図12は、サイドエッチングプロファイル2222を用いた、エッチングデータ2224の算出について示す図である。図12に示す例では、マスクデータ22の生成に用いた閾値21aに応じて、腐食深度データ2221に基づき、マスクデータ22を用いた1回分(1段分)の化学エッチングにおける腐食深度hを取得し、1つのマスクデータ22を用いた1回分の化学エッチングを行った場合のエッチングデータ2224の算出を行っている。
この際、開口部22aに当たる箇所のエッチングデータ2224の値としては、1回分の腐食深度h(図12(b)に示す例では、「30」)を書き込む。一方、マスク部22bに当たる箇所の腐食深度としては、距離データ2223と、腐食深度hに対応して予め定められているサイドエッチングプロファイル2222を用いて、開口部22aとマスク部22bの境界からの距離anに応じた値hnを書き込む(図12(b)に示す例では、「15」)。
以上のようにして、1回分の化学エッチングにおける、サイドエッチングの影響を考慮したエッチングデータ2224が得られる。なお、エッチングデータ2224は、マスクデータ22と同じセル配列を有する画像データである。
図9に戻り、次に、制御部2201は、エッチングデータ2224を用いて、マスクデータ22の対応する箇所の腐食深度を減算することにより、マスクデータ22を用いて化学エッチングを行った後のエッチング形状を表すエッチング形状データ23を生成する(S243)。
即ち、マスクデータ22の開口部22aに対応する箇所では、所定の腐食深度hを減算し、マスクデータ22のマスク部22bに対応する箇所では、腐食深度hに対応するサイドエッチングプロファイル2222に基づき、開口部22aとマスク部22bの境界からマスク部22b側に向かう距離anに応じた腐食深度hnを減算することにより、エッチング形状データ23を生成する。
このようにして、1つのマスクデータ22を用いた1段分のエッチング形状データ23が生成される。そして、図8に示すように、生成されたエッチング形状データ23は、制御部2201により、記憶部2202に保存される(S25)。
多段エッチングにおいては、この1段分のエッチング形状データ23は、マスクデータ22を変更して行う次のシミュレーションにおけるエッチング対象41の形状となる。そして、図8に示すように、制御部2201は、上記の処理(ステップS21〜S25)を取得した全てのマスクデータについて繰り返し、全てのマスクデータについて上記の処理を行った後、エッチング形状データ生成処理S2を終了する。
なお、化学エッチングにより形成されるエッチング形状は、腐食液(エッチング液)の種類・濃度・温度、エッチング対象であるエンボス版を構成する金属の種類によって変化する。例えば、濃度の異なる腐食液を用いた場合、同じ時間エッチングしても進み具合に差が生じるため、形状が異なってくる。
そのため、サイドエッチングプロファイル2222としては、上記の腐食液の種類・濃度・温度、エンボス版の金属の種類を含むエッチング環境ごとに、これに応じた異なるデータを定めて記憶部2202に記憶させておき、想定されるエッチング環境に応じたものを選択し用いることが好ましい。
(差分形状データ生成処理)
次に、図1に示す差分形状データ生成処理S3について説明する。
なお、図2に示す差分形状データ生成処理部2300のハードウェア構成は、図3に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成と同様な構成を有する一般的なコンピュータで実現できることから、ここでの説明は省略する。
本発明において、マスクデータ生成処理S1、エッチング形状データ生成処理S2、差分形状データ生成処理S3は、一のコンピュータで実行されても良く、それぞれが別のコンピュータで実行されてもよい。
(差分形状データ生成処理部の機能構成)
図13は、図2に示す差分形状データ生成処理部2300の機能構成を示す図である。
図13に示すように、差分形状データ生成処理部2300は、制御部2301によって実行される差分形状データ生成処理S3の各要素として、エンボス形状データ取得手段2311、エッチング形状データ取得手段2312、差分処理手段2313、差分形状データ保存手段2314等を有し、記憶部2302には、エンボス形状データ21、エッチング形状データ23、差分形状データ24等を記憶する。
上記のエンボス形状データ取得手段2311、エッチング形状データ取得手段2312、差分処理手段2313、差分形状データ保存手段2314の各手段は、例えば、記憶部2302に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2301が記憶部2302から取得して実行することにより機能する。
エンボス形状データ取得手段2311は、制御部2301がエンボス形状データ21を記憶部2302から取得するものである。
エッチング形状データ取得手段2312は、制御部2301がエッチング形状データ23を記憶部2302から取得するものである。
差分処理手段2313は、制御部2301が、エンボス形状データ21が表す形状とエッチング形状データ23が表す形状との差分形状を表す差分形状データ24を算出するものである。
差分形状データ保存手段2314は、制御部2301が、差分処理手段2313により算出した差分形状データ24を、記憶部2302に保存するものである。
エンボス形状データ21は、上述のように、エンボス版に形成しようとする所望のエンボス形状を表すものである。
エッチング形状データ23は、上述のように、化学エッチングにより得られるエッチング形状をエッチングシミュレーションにより生成したものである。多段エッチングの場合には、マスクデータの数に応じた段数を有する多段形状になる。
差分形状データ24は、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23の差分を表すものである。
(差分形状データ生成処理部の処理手順)
次に、差分形状データ生成処理部2300の処理手順について、図14を用いて説明する。
なお、差分形状データ生成処理S3に際し、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23は、差分形状データ生成処理部2300のハードウェア構成要素であるメディア入出力部等を介して、予め記憶部2302に保存されているものとする。
図14に示すように、差分形状データ生成処理部2300の制御部2301は、まず、記憶部2302からエンボス形状データ21とエッチング形状データ23を取得する(S31〜S32)。
なお、図14においては、便宜上、エンボス形状データ取得(S31)、エッチング形状データ取得(S32)の順の処理になっているが、本発明においては、差分処理(S33)の前に、記憶部2302からエンボス形状データ21及びエッチング形状データ23を取得してさえいればよく、上記の順番は特に制限はない。また、上記のステップS31、S32の処理は、並行して進められても良い。
次に、制御部2301は、図15に示すように、エンボス形状データ21が表す形状(図15(a))とエッチング形状データ23が表す形状(図15(b))との差分形状(図15(c)に示す斜線部)を表す差分形状データ24(図15(d))を算出する(S33)。
例えば、制御部2301は、位置が対応する画素(セル)ごとに、エンボス形状データ21が有する値とエッチング形状データ23が有する値との差分をとり、これを全ての画素(セル)に対して行って、差分形状データ24を算出する。
その後、制御部2301は、算出した差分形状データ24を記憶部2302に保存し(S34)、差分形状データ生成処理S3を終了する。
以上、エンボス版製造方法1において用いられる各データの生成処理工程、即ち、図1に示すデータ処理工程2における各データ処理工程について、詳しく説明した。
続いて以下、図1に示すエンボス版製造工程3における各工程について、詳しく説明する。
<エンボス版製造工程>
(化学エッチング工程)
まず、図1に示すエンボス版製造工程3における化学エッチング工程32について、図16及び図17を用いて説明する。ここで、図16は、化学エッチング工程32について示すフローチャートであり、図17は、化学エッチング工程32について示す概略工程図である。なお、この化学エッチング工程32は、従来の多段エッチングと同様の工程とすることができる。
例えば、化学エッチング工程32により、版材31の表面に階段状の多段形状の窪みを形成したエンボス版中間体33を製造するには、まず、版材31を準備し、その表面にレジスト層51を形成する(図16に示す工程32a、図17(a))。なお、図17(a)に示す破線は、エンボス版製造工程3において最終的に形成しようとする所望のエンボス形状61を表している。
次に、図1に示すデータ処理工程2のマスクデータ生成処理S1において生成したマスクデータ22を用いて、レジスト層51に露光用レーザを照射し、現像処理等を施して、開口部51aとマスク部51bを有するレジストパターンを形成する(図16に示す工程32b、図17(b))。
次に、腐食液を用いて化学エッチングを施し(図16に示す工程32c、図17(c))、その後、レジストパターンを除去する(図16に示す工程32d、図17(d))。
図17においては省略するが、多段エッチングの場合には、図16に示すように、上記の工程32a〜32dを、段数に応じて繰り返す。
以上の工程により、表面に階段状の多段形状であるエッチング形状62が形成されたエンボス版中間体33が製造される。
なお、エンボス版中間体33の表面に形成されたエッチング形状62は、サイドエッチングの影響も受けているものである。
(レーザ彫刻工程)
次に、図1に示すエンボス版製造工程3におけるレーザ彫刻工程34について、図18及び図19を用いて説明する。ここで、図18は、レーザ彫刻工程34について示すフローチャートであり、図19は、レーザ彫刻工程34について示す概略工程図である。
このレーザ彫刻工程34は、多段エッチングでエンボス版を製造していた従来の技術とは異なり、本発明の特徴的な技術である。
例えば、このレーザ彫刻工程34により、表面にエッチング形状62を形成したエンボス版中間体33から所望のエンボス形状61を有するエンボス版35を製造するには、まず、上記の化学エッチング工程32により製造したエンボス版中間体33を準備し、図1に示すデータ処理工程2の差分形状データ生成処理S3において生成した差分形状データ24を、レーザ彫刻34aを行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換して、所定の箇所に所定量の彫刻用レーザを照射し(図18に示す工程34a、図19(a))、所望のエンボス形状61とエッチング形状62との差分形状63の部分(図19(a)において斜線部で示す部分)を焼き飛ばして、所望のエンボス形状61を有するエンボス版35を得る(図19(b))。
(レーザ彫刻工程部3200)
図20は、レーザ彫刻工程部3200の構成を示す図である。
図20に示すように、レーザ彫刻工程部3200は、レーザ彫刻用データ作成装置3300とレーザ彫刻装置3400を備えている。そして、レーザ彫刻装置3400は、走査部3401、レーザ照射部3402、回転駆動部3403、回転軸3404等を備えている。
レーザ彫刻用データ作成装置3300は、差分形状データ24をレーザ彫刻用データ3321に変換し、このレーザ彫刻用データ3321をレーザ彫刻用データ作成装置3300に設定する。詳しくは、図21〜図23を用いて後に説明する。
レーザ彫刻装置3400は、レーザ彫刻用データ作成装置3300によって設定されるレーザ彫刻用データ3321に従って、エンボス版中間体33の表面にレーザ彫刻を施すものである。
このレーザ彫刻装置3400は、従来のレーザ彫刻装置と同様の構成とすることができる。ただし、本発明においては、このレーザ彫刻装置3400を用いて焼き飛ばす対象が、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみである点において、従来の技術と相違する。
以下、レーザ彫刻装置3400を構成する各部について説明する。
走査部3401は、レーザ彫刻用データ作成装置3300によって設定されるレーザ彫刻用データ3321に従って、レーザ照射部3402から照射する彫刻用レーザ52の出力を制御するとともに、レーザ彫刻用データ作成装置3300から入力される指示に従って、レーザ照射部3402を回転軸3404に沿った方向(図中A−A方向)に移動させる。
回転駆動部3403は、レーザ彫刻用データ作成装置3300から入力される指示に従って、回転軸3404を駆動し、回転軸3404に支持されたエンボス版中間体33を回転させる。
上記のように、レーザ彫刻装置3400においては、走査部3401によってレーザ照射部3402を回転軸3404に沿った方向(図中A−A方向)に移動させ、回転駆動部3403によって、エンボス版中間体33を回転させることで、エンボス版中間体33の表面の全領域に対して、レーザ彫刻を施すことができる。
そして、レーザ彫刻用データ作成装置3300によって設定されるレーザ彫刻用データ3321に従って、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力を制御することで、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみを焼き飛ばすことができる。
なお、上記においては、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみを焼き飛ばす手法について、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力を制御する方法を例示したが、本発明においてはこれに限定されず、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみを焼き飛ばすことができるものであれば、用いることができる。
例えば、彫刻用レーザ52の出力を制御する方法に替えて、彫刻用レーザ52の照射時間等を制御する方法を用いても良い。
(レーザ彫刻用データ作成装置3300)
次に、図20に示すレーザ彫刻用データ作成装置3300について、図21〜図23を用いて説明する。
(レーザ彫刻用データ作成装置のハードウェア構成)
図21は、図20に示すレーザ彫刻用データ作成装置3300のハードウェア構成を示す図である。図21に示すように、レーザ彫刻用データ作成装置3300は、上述のマスクデータ生成処理部2100等のハードウェア構成と同様に、例えば、制御部3301、記憶部3302、メディア入出力部3303、周辺機器I/F(インタフェース)部3304、通信部3305、入力部3306、表示部3307等がバス3308を介して接続されて構成された一般的なコンピュータで実現できる。
制御部3301は、CPU、ROM、RAM等により構成される。
CPUは、記憶部3302、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス3308を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部3301が各種処理を行うため使用するワークエリアを備える。
記憶部3302は、例えばハードディスクドライブであり、後述する処理に際して制御部3301が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部3301により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
メディア入出力部3303は、例えばDVDドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
周辺機器I/F部3304は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部3304を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
通信部3305は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク等との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
入力部3306は、例えば、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部3301へ出力する。
表示部3307は、例えば液晶パネルやCRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部3301の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
バス3308は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
(レーザ彫刻用データ作成装置の機能構成)
次に、レーザ彫刻用データ作成装置3300の機能構成について、図22を用いて説明する。
図22に示すように、レーザ彫刻用データ作成装置3300は、制御部3301によって実行される各手段として、差分形状データ取得手段3311、データ変換手段3312、レーザ彫刻用データ保存手段3313、レーザ彫刻用データ設定手段3314等を有し、記憶部3302には、差分形状データ24、レーザ彫刻用データ3321等を記憶する。
上記の差分形状データ取得手段3311、データ変換手段3312、レーザ彫刻用データ保存手段3313、レーザ彫刻用データ設定手段3314の各手段は、例えば、記憶部3302に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部3301が記憶部3302から取得して実行することにより機能する。
差分形状データ取得手段3311は、制御部3301が差分形状データ24を記憶部3302から取得するものである。
データ変換手段3312は、制御部3301が差分形状データ24をレーザ彫刻用データ3321に変換するものである。
レーザ彫刻用データ保存手段3313は、制御部3301が、データ変換手段3312により作成したレーザ彫刻用データ3321を、記憶部3302に保存するものである。
レーザ彫刻用データ設定手段3314は、制御部3301が、レーザ彫刻用データ3321を、レーザ彫刻用データ作成装置3300に、予め設定されている設定値に基づいて設定するものである。
差分形状データ24は、上述のように、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23の差分形状を表すものである。
レーザ彫刻用データ3321は、レーザ彫刻装置3400において、エンボス版中間体33の所定の表面位置に対して、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力等を指示するものである。
(レーザ彫刻用データ作成装置の処理手順)
次に、レーザ彫刻用データ作成装置3300の処理手順について、図23を用いて説明する。
なお、レーザ彫刻用データの作成処理に際し、差分形状データ24は、レーザ彫刻用データ作成装置3300のハードウェア構成要素であるメディア入出力部3303等を介して、予め記憶部3302に保存されているものとする。
図23に示すように、レーザ彫刻用データ作成装置3300の制御部3301は、まず、記憶部3302から差分形状データ24を取得し(S3311)、この差分形状データ24をレーザ彫刻用データ3321に変換する(S3312)。
このデータ変換の具体的な処理は、例えば、以下のようなものである。
即ち、制御部3301は、差分形状データ24の各画素(セル)が有する値(差分値)に応じて、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力を算出し、これを差分形状データ24の全ての画素(セル)に対して行う。
また、制御部3301は、エンボス版中間体33の表面に対して彫刻用レーザ52を照射する位置を、差分形状データ24の各画素(セル)の配置に応じて算出し、走査部3401および回転駆動部3403に指示する情報を作成する。
このようにして、制御部3301は、画像データである差分形状データ24を、レーザ彫刻装置3400を駆動させるためのレーザ彫刻用データ3321に変換する。
その後、制御部3301は、作成したレーザ彫刻用データ3321を記憶部3302に保存するとともに(S3313)、レーザ彫刻用データ3321を、レーザ彫刻用データ作成装置3300に、予め設定されている設定値に基づいて設定する(S3314)。
そして、上記のように、レーザ彫刻装置3400においては、回転駆動部3403が、レーザ彫刻用データ作成装置3300から入力される指示に従って、回転軸3404を駆動して回転軸3404に支持されたエンボス版中間体33を回転させ、走査部3401が、レーザ彫刻用データ作成装置3300から入力される指示に従って、レーザ照射部3402を回転軸3404に沿った方向(図中A−A方向)に移動させ、レーザ照射部3402が、レーザ彫刻用データ3321に従って出力等を制御した彫刻用レーザ52を照射することによって、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみを焼き飛ばして、所望のエンボス形状61をエンボス版35に形成することができることになる。
以上、説明したように、エンボス版製造方法1においては、まず、マスクデータ22を用いた化学エッチング工程32を施すことにより、版材31の表面に多段形状のエッチング形状62を形成したエンボス版中間体33を製造し、次に、エンボス版中間体33に対し、サイドエッチングによる形状変化も考慮して生成された差分形状データ24を用いたレーザ彫刻工程34を施すことによって、所望のエンボス形状61とエッチング形状62との差分形状63の部分を焼き飛ばすため、容易に所望のエンボス形状61をエンボス版35に形成することが可能になる。
また、レーザ彫刻工程34において、彫刻用レーザ52の照射によって焼き飛ばす部分は、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみであり、その焼き飛ばす部分の容積は、所望のエンボス形状61の容積に比べて著しく小さい。それゆえ、彫刻用レーザ52を用いて、版材31から直接、所望のエンボス形状61をエンボス版35に形成する場合に比べて、エンボス版製造方法1は、著しく製造時間を短縮することができる。
以上、本発明に係るエンボス版の製造方法、レーザ彫刻用データの作成装置、レーザ彫刻用データの作成方法、プログラムについて、それぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 エンボス版製造方法
2 データ処理工程
3 エンボス版製造工程
21 エンボス形状データ
21a 閾値
22 マスクデータ
22a 開口部
22b マスク部
23 エッチング形状データ
24 差分形状データ
31 版材
32 化学エッチング工程
32a レジスト層形成
32b パターン露光
32c 化学エッチング
32d レジストパターン除去
33 エンボス版中間体
34 レーザ彫刻工程
34a レーザ彫刻
35 エンボス版
41 エッチング対象
51 レジスト層
51a 開口部
51b マスク部
52 彫刻用レーザ
61 エンボス形状
62 エッチング形状
63 差分形状
101 版材
102 レジスト層
102a 開口部
102b マスク部
103 露光用レーザ
104 窪み
105 エンボス版
106 エッチング形状
111 彫刻用レーザ
112 エンボス形状
1000 エンボス版製造システム
2000 データ処理部
2100 マスクデータ生成処理部
2101 制御部
2102 記憶部
2103 メディア入出力部
2104 周辺機器I/F(インタフェース)部
2105 通信部
2106 入力部
2107 表示部
2108 バス
2111 エンボス形状データ取得手段
2112 2値化処理手段
2113 マスクデータ保存手段
2114 終了判定手段
2200 エッチング形状データ生成処理部
2201 制御部
2202 記憶部
2211 マスクデータ取得手段
2212 腐食深度データ取得手段
2213 サイドエッチングプロファイル取得手段
2214 エッチングシミュレーション手段
2215 エッチング形状データ保存手段
2216 終了判定手段
2221 腐食深度データ
2222 サイドエッチングプロファイル
2223、2223a、2223b、2223c 距離データ
2224 エッチングデータ
2300 差分形状データ生成処理部
2301 制御部
2302 記憶部
2311 エンボス形状データ取得手段
2312 エッチング形状データ取得手段
2313 差分処理手段
2314 差分形状データ保存手段
3000 エンボス版製造部
3100 化学エッチング工程部
3200 レーザ彫刻工程部
3300 レーザ彫刻用データ作成装置
3301 制御部
3302 記憶部
3303 メディア入出力部
3304 周辺機器I/F(インタフェース)部
3305 通信部
3306 入力部
3307 表示部
3308 バス
3311 差分形状データ取得手段
3312 データ変換手段
3313 レーザ彫刻用データ保存手段
3314 データ設定手段
3321 レーザ彫刻用データ
3400 レーザ彫刻装置
3401 走査部
3402 レーザ照射部
3403 回転駆動部
3404 回転軸

Claims (8)

  1. 化学エッチングを施して、エンボス版の表面に窪みを形成する第1の工程と、
    所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、前記第1の工程により得られる窪みの形状を前記第1の工程のエッチング条件と同一条件を用いてシミュレーションすることにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状を基に、前記第1の工程により窪みを形成したエンボス版にレーザ彫刻を施す第2の工程と、
    を備えることを特徴とするエンボス版の製造方法。
  2. 前記第1の工程が、
    前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いたパターン露光により、表面にレジストパターンを形成した前記エンボス版に、腐食液を用いて前記化学エッチングを施して、前記窪みを形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のエンボス版の製造方法。
  3. 前記シミュレーションが、
    前記マスクデータを用いて、
    前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
    前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
    前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項2に記載のエンボス版の製造方法。
  4. 所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得する手段と、
    前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換する手段と、
    前記レーザ彫刻用データを、前記レーザ彫刻を行う装置に設定する手段と、
    を備えることを特徴とするレーザ彫刻用データの作成装置。
  5. 前記シミュレーションが、
    前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、
    前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
    前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
    前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項4に記載のレーザ彫刻用データの作成装置。
  6. コンピュータが、
    所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得するステップと、
    前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換するステップと、
    前記レーザ彫刻用データを、レーザ彫刻を行う装置に設定するステップと、
    を実行することを特徴とするレーザ彫刻用データの作成方法。
  7. 前記シミュレーションが、
    前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、
    前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
    前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
    前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項6に記載のレーザ彫刻用データの作成方法。
  8. コンピュータを、請求項4または請求項5に記載のレーザ彫刻用データの作成装置として機能させるプログラム。
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