JP6412240B2 - 建材、その建材を備える構造体 - Google Patents

建材、その建材を備える構造体 Download PDF

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Description

本発明は、保水・気化による冷却機能を具備する建材と、その建材を上下に複数備える構造体に関する。
近年、省エネルギーや地球温暖化対策の観点から、空調機器や換気装置を用いずに、建物の各部屋の窓やドアを開放して自然換気を行うことによって建物内に快適な居住環境を形成したいという要望がある。ところが、夏場においては建物内に導入する外気が温暖であるため、さらに市街地においてはヒートアイランド化現象による気温上昇のため、自然換気による効果を得にくい場合があった。
そこで、例えば特許文献1に記載のように、フェンスや門、柵、手摺、ルーバー等の外構構造物を構成する建材として、吸水性を有する多孔質材層が表面に設けられたものが用いられている。
特許文献1における建材、またこれを用いた外構構造物によれば、建材表面の多孔質材層に水を含ませると、その水の気化熱によって外構構造物の表面および周囲の空気を冷却することができる。そして、冷却された空気を建物内に導入することによって夏場でも快適な居住環境を形成することができる。
他に、緑化ルーバーで保水させ、気化冷却して風を冷やす技術もある。
特開2015−121074号公報
ところが、特許文献1に記載された建材は、疎水性もしくは親水性を有する接着層や吸水性を有する多孔質材層などの特殊な層を基材の表面に設けなければならず、材料や製造に掛かるコストが増加する場合があった。
また、緑化ルーバーで保水させ、気化冷却して風を冷やす技術では、コストが嵩み、植栽が必要なことからメンテナンスも面倒となる問題がある。
本発明の課題は、材料や製造に掛かるコストを低減しつつメンテナンスが簡単で、かつ保水・気化による冷却が効果的に行える建材を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図10に示すように、
下面が外気に晒されている受水板81を備える建材8であって、
前記受水板81の下面には、孔81aが形成されており、
前記受水板81の下面の孔81a径は、給水される水が前記受水板81の下面の孔81aから表面張力で水滴として下垂する径であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、給水される水が下面の孔81aから表面張力で水滴として下垂する受水板81を備える建材8であり、受水板81に供給された水が、外気に晒されている下面の孔81aから表面張力で水滴として下垂するため、給水する水の使用量を減らしながら保水・気化により冷却することができる。
したがって、建材の材料や製造に掛かるコストを低減しつつメンテナンスが簡単に行えて、保水・気化による冷却を効果的に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図10に示すように、
請求項1に記載の建材8において、
前記受水板81の上面が外気に晒されており、
前記受水板81の下面の孔81aは前記受水板81の上面まで貫通する貫通孔であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、受水板81の下面の孔81aは、受水板81の外気に晒されている上面まで貫通する貫通孔なので、供給された水が、受水板81の外気に晒されている上面で冷却されて、その上面から貫通孔81aに流れ込んだ水が、受水板81の外気に晒されている下面の貫通孔81aから表面張力で水滴として下垂する。
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図10に示すように、
請求項1又は2に記載の建材8において、
前記受水板81の上方に配置され、前記受水板81に水を滴下する給水手段7を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、受水板81に水を滴下する給水手段7を備えており、給水手段7から滴下した水が、受水板81の下面の孔81aから表面張力で水滴として下垂するため、給水手段7から滴下する水の使用量を減らしながら保水・気化により冷却することができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図2、図5、図7、図8、図10に示すように、
請求項1から3のいずれか一項に記載の建材8において、
前記受水板81の下面の孔81a径は直径6mm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、受水板81の下面の孔81aの径を直径6mm以下とすることで、その直径6mmまで受水板81の下面の孔81aから水の表面張力により水滴を下垂させ、保水することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図2、図5、図7、図8、図10に示すように、
請求項1から4のいずれか一項に記載の建材8において、
前記受水板81の下面の孔81a径は直径4mm以上であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、受水板81の下面の孔81aの径を直径4mm以上とすることで、重力の影響を受けて下方に水滴を滴下しやすくなる。したがって、直径4mmから受水板81下面の孔81aから水の表面張力により確実に水滴を下垂させることができる。また、受水板81の下面の冷却もしやすくなる。
請求項6に記載の発明は、例えば図2、図5、図7、図8、図10に示すように、
請求項2から5のいずれか一項に記載の建材8において、
前記貫通孔81aの前記受水板81上面の孔径は直径4mm以上であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、貫通孔81aの受水板81上面の孔径を直径4mm以上とすることで、受水板81の外気に晒されている上面で冷却された水が貫通孔81aに流れ込む。
請求項7に記載の発明は、例えば図2、図5、図7、図8、図10に示すように、
請求項4から6のいずれか一項に記載の建材8において、
前記受水板81に対する前記孔81aの開口率が35%以上であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、受水板81に対する孔81aの開口率を35%以上とすることで、その開口率35%から孔81aによる保水量を向上させて水滴の保水・気化が良好に行える。
なお、開口率35%以上とすることで、効果を最大化できるが、開口率の下限を条件とするものではない。
請求項8に記載の発明は、例えば図2、図5、図7、図8、図10に示すように、
請求項7に記載の建材8において、
前記開口率が50%以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、受水板81に対する孔81aの開口率を50%以下とすることで、その開口率50%まで受水板81の強度を確保することができる。
なお、開口率50%以下とすることで、効果を最大化できるが、開口率の上限を条件とするものではない。
請求項9に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項1から8のいずれか一項に記載の建材8において、
前記受水板81の下方に配置され、かつ上面が外気に晒される第二受水板83を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、受水板81の下方に、上面が外気に晒される第二受水板83が配置されているので、上方の受水板81の孔81aから滴下した水滴が、下方の第二受水板83の外気に晒された上面で弾かれやすくなる。その結果、水滴の飛散により濡れる範囲が拡がって第二受水板83の外気に晒された上面の濡れ面を大きくすることができる。
請求項10に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項9に記載の建材8において、
前記第二受水板83は、前記受水板81の前記孔81aから滴下した水に表面張力が生じる径の孔83aが形成されていることを特徴とする建材。
請求項10に記載の発明によれば、第二受水板83は、上方の受水板81の下面の孔81aから滴下した水に表面張力が生じる径の孔83aが形成されているので、上方の受水板81の下面の孔81aから滴下した水滴が、下方の第二受水板83の上面で弾かれて孔83aで表面張力が生じ、外気に晒されて冷却される。
請求項11に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項10に記載の建材8において、
前記第二受水板83は、上面と下面が外気に晒されており、
前記第二受水板83の前記孔83aは、上面から下面までの第二貫通孔83aとして形成されており、
前記第二貫通孔83aの下面の径は、前記貫通孔83aから給水された水が前記第二貫通孔83aの下面側から表面張力で水滴として下垂する径であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、外気に晒されている上面に給水された水が第二貫通孔83aの下面から表面張力で水滴として下垂する第二受水板83を備え、その第二受水板83の上面から第二貫通孔83aに流れ込んだ水が、外気に晒されている下面から表面張力で水滴として下垂するため、給水する水の使用量を減らしながら保水・気化により冷却することができて、蒸発冷却面の拡大を図るとともに、保水することができる。
請求項12に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項10又は11に記載の建材8において、
前記第二受水板83の前記孔83aの径は、前記受水板81の下面の前記孔81aの径と異なることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、第二受水板83の孔83aの径は、上方の受水板81の下面の孔81aの径と異なるので、第二受水板83に下垂する水滴が滴下した際に弾かれて拡がった水を径の異なる孔83aによる水の表面張力で水滴を下垂させることができる。
さらに、下方に受水板があった場合に、水滴が落ちて弾かれやすくなる。
請求項13に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項10又は11に記載の建材8において、
前記第二受水板81の前記孔83aの径は、前記受水板81の下面の前記孔81aの径よりも大きいことを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、第二受水板83の孔83aの径は、上方の受水板81の下面の貫通孔81aの径よりも大きいので、第二受水板83に下垂する水滴が大きくなり、滴下した際に弾かれて拡がった水を径の大きな孔83aによる水の表面張力で水滴を下垂させることができる。
さらに、下方に受水板があった場合に、水滴が落ちて弾かれやすくなる。
請求項14に記載の発明は、例えば図1、図3、図5、図6、図10に示すように、
請求項1から13のいずれか一項に記載の建材8において、
前記受水板81・83は傾斜面となっていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、受水板81・83が傾斜面となっているので、その傾斜面により受水板81・83の上面に滴下した水滴を孔81a・83aに流しやすくすることができる。
請求項15に記載の発明は、例えば図1〜図3、図5〜図8、図10に示すように、
請求項1から14のいずれか一項に記載の建材8を用いた構造体1であって、
複数の前記建材8が上下方向に隣接して配置されていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、建材8が上下方向に複数隣接して配置されている構造体1なので、上下方向に隣接して配置された多数の建材8の表面全体に伝わった水の気化熱を利用して、多数の建材8の広い範囲を冷却することができ、これに伴って、建物周囲に並べて設置した構造体1の周囲の空気を冷却する効果を発揮する。
本発明によれば、材料や製造に掛かるコストを低減しつつメンテナンスが簡単で、かつ保水・気化による冷却が効果的に行える建材を提供することができる。
本発明に係る建材を用いた外構構造体を示す正面図である。 図1の支柱部分を横断して建材の取付構造を示す拡大平面図である。 図1の建材を縦断して支柱部分を左側方から見た拡大側面図である。 図3の最上段の建材部分の拡大図である。 図1の最上段を除く本発明に係る建材部分の右端部を示すもので、建材単品の拡大図である。 図5の右側方から見た側面図である。 図5の上方の受水板の孔の配置を示す拡大平面図である。 図5の下側受水板の孔の配置を示す拡大平面図である。 図5の後面板の孔の配置を示す正面図である。 図5の建材による作用を示す縦断側面図である。 直径3mmの孔の上面側を見た状態を示す写真である。 直径3mmの孔の下面側を見た状態を示す写真である。 直径4mmの孔の上面側を見た状態を示す写真である。 直径4mmの孔の上面側を見た状態を示す写真である。 直径3mmピッチ8mmで開口率13%の場合を見た状態を示す写真である。 直径3mmピッチ5mmで開口率38%の場合を見た状態を示す写真である。 直径3mmピッチ8mmで開口率13%の場合を撮影した赤外線写真である。 直径4mmピッチ5mmで開口率38%の場合を撮影した赤外線写真である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態)
図1から図3は本発明に係る建材を用いた外構構造体1を示すもので、図示のように、外構構造体1は、地中の基礎2から建てられた一対のアルミ支柱3・3の外面に各々ネジ止めした溝形ステンレス鋼4・4のそれぞれに対し、工場において予めルーバー状の建材6・8が組み付けられた一対の溝形アルミ材5・5を各々ネジ止めして構成されている。
なお、外構構造体1は、図示しない建物の周囲に沿って並べて設置される。
図4は図3の最上段の建材6部分を拡大したもので、図示のように、最上段の建材6は、横長のアルミ板をプレス成形して上面板61、前面板62、下面板63、上側後面板64及び下側後面板65を形成したもので、上面板61の後端部から下方に延びる上側後面板64で溝形アルミ材5・5にネジ止めされる。
また、下面板63の後端部から上方に延びる下側後面板65を有している。
そして、最上段の建材6には、前側が若干下がった傾斜面による上面板61、前面板62、前側が若干上がった傾斜面による下面板63、上側後面板64及び下側後面板65で囲まれる内部に、給水手段をなすホース7が横方向に沿って配置されている。
このホース7は、溝形アルミ材5の内部を通して建材6内に配置したV形アルミ板71に沿って配置されており、そのV形アルミ板71の溝に沿った部分には図示しない小孔が形成されている。
そのホース7の小孔から出る水がV形アルミ板71の溝に形成された孔71aから下面板63の上面に流れ出て、下面板63の全面に形成した孔63aから水が下方に落ちる。
このように、ホース7をV形アルミ板71の溝に沿わせて配置することで、水圧によるホース7の暴れをV形アルミ板71で抑えることができる。
図5及び図6は最上段を除く本発明に係る建材8部分の右端部を示すもので、図示のように、本発明に係る建材8は、横長のアルミ板をプレス成形して上側受水板81、前面板82、下側受水板83、上側後面板84及び下側後面板85を形成したもので、上側受水板81の後端部から上方に延びる上側後面板84で溝形アルミ材5・5にネジ止めされる。
また、下側受水板83の後端部から上方に延びる下側後面板85と、上側後面板84の上端から前側に折り返した折り返し後片部86と、その折り返し後片部86と上側後面板84との間に形成されて下側後面板85を挿入可能とする溝部87と、下側受水板83の側端部から前面板82の略下半部及び下側後面板85を外側方から覆う立ち上がり側片部88と、を有している。
前側が若干下がった傾斜面による上側受水板81には、多数の孔81aが形成されている。
この孔81aの径は、直径6mm以下で4mm以上が望ましい。
すなわち、上方から滴下した水に孔81aで表面張力が生じる径として、実験結果に基づいて、直径3mmから孔81aの径よりも大きな水滴が生じる効果はあるが、重力による下方への落下及び表面張力の理由から直径4mm以上が好適であり、次の計算式により、孔81aの径よりも大きな水滴が生じる最大限の直径6mmまでとする。
「化学の要点シリーズ12 固体表面の濡れ性 超親水性から超撥水性まで 日本化学会編 中嶋明著」の2.5表面エネルギーの見積もり、2.6ラプラス圧力と毛管長から、液体の毛管長さL(水の場合はおおむね2mm程度)、孔の半径r、液が落下する際の全体の液のうち落下する割合α(0.6程度)とすると、液滴半径Rは、
R=√(3Lr)/2α ・・・計算式(2.30)
から算出される。
前記計算式(2.30)より、孔81aの直径2Rが求められる。
図7は孔81aの配置を示すもので、図示例では、円形で直径4mmの孔81aを、前後方向のショートピッチ4mm・左右方向のロングピッチ8mmで、隣接する三つの孔81aの中心が二等辺三角形の頂点にそれぞれ位置するように多数形成している。
ここで、上側受水板81に対する孔81aの開口率は、35%以上で50%以下である。
すなわち、実験結果に基づいて、直径6mm以下で4mm以上であり、かつ開口率35%以上であれば、水が受水板端部から落下することなく、孔81aによる水滴の滴下が良好に行えることが判明した。
また、開口率50%以下であれば、直径6mm以下で4mm以上の孔81aを有する上側受水板81の強度を確保することができる。
なお、開口率上限を引き上げることで、受水板の強度を維持できない場合は、板の材質の変更、板厚を大きくすることで対応することができる。
ここで、板厚の寸法が大きくなった際に、孔のパンチング加工の都合上、板厚に対する上面と下面とで孔径が同じにならない場合もある。つまり、孔径を6mmとしたい場合は、板厚に対する上面の孔径が6mm より大きくなってしまうこともあるが、下面の孔径を6mmに加工出来れば、表面張力が生じる孔となる。言い換えれば、孔径の寸法とは、上面の孔径と下面の孔径とのいずれかの寸法を指すもので、加工によって一方の孔径が他方の孔径と異なっていても良い。
そして、図5に示すように、前側が若干上がった傾斜面による下側受水板83にも、多数の孔83aが形成されている。
この孔83aの径も、上側受水板81の孔81aと同様、直径6mm以下で4mm以上であるが、上方の孔81aよりも大きい。
すなわち、先ず、上側受水板81の孔81aから滴下した水滴が下側受水板83の上面に集まって大きくなり、落下した際に弾かれて拡がりやすくなって、下側受水板83の孔83aに流れ込んだ水の表面張力で保水することができる。
しかも、その下側受水板83の上面に集まって大きくなり、かつ弾かれて拡がった水を、上方の孔81aの径よりも大きい径の孔83aによる水の表面張力で保水することができる。
図8は孔83aの配置を示すもので、図示例では、円形で直径5mmの孔83aを、前後方向及び左右方向とも8mmピッチで、隣接する三つの孔83aの中心が正三角形の頂点にそれぞれ位置するように多数形成している。
この下側受水板83に対する孔83aの開口率も、上側受水板81に対する孔81aの開口率と同様、35%以上で50%以下である。
また、図5に示すように、上側後面板84には、多数の横方向に沿った細長いスリット84aが形成されている。
図9はスリット84aの配置を示すもので、図示例では、横方向に沿った細長い長さ22mmで幅2mmのスリット84aを、上下方向のショートピッチ3.5mm・左右方向のロングピッチ24mmで多数形成している。
このスリット84aにより、建材8に風を流通させるとともに、外構構造体1の内側から外側を見ることができる。
以上の構成による建材8は、図3及び図6に示すように、最上段の建材6の下側後面板65を、建材8の上側後面板84と折り返し後片部86間の溝部87に差し込んで、最上段の建材6の下に沿わせて接続する。
その建材8の下側後面板85を、その下の建材8の上側後面板84と折り返し後片部86間の溝部87に差し込んで、建材8の下に沿わせて接続し、以下同様に、建材8を次々に接続する。
こうして、最上段の建材6及びその下に多数の建材8を接続した外構構造体1は、図1に示すように、最上段の建材6及びその下の多数の建材8がルーバー状に見える。
そして、最上段の建材6からは、図3及び図4に示すように、建材6内のホース7の小孔から出る水がV形アルミ板71の溝に形成された孔71aから下面板63の上面に流れ出て、その下面板63の全面の孔63aから水が、その直下の建材8の上側受水板81の上に落ちる。
図10は建材8による作用を示すもので、図示のように、前下がりの傾斜面による上側受水板81の上面に沿って孔81aに流れ込んだ水を、その孔81aから垂れ下がる水の表面張力で保水する。水滴表面の蒸発効率は1であり、他の固相の間隙に保水する他の建材に比べて蒸発する際の抵抗が少ないため、上側受水板81の上面及び下面と孔81aに下垂した水滴と、上側受水板81の上面及び下面に晒される外気と風による気化によって、外気を効率よく冷却することができる。
また、前下がりの傾斜面による上側受水板81の上面及び下面に沿って水が前面板82の前面及び後面に沿って流れるため、前面板82の前面及び後面による保水と、その前面板82の前面及び後面に晒される外気と風による気化によって、外気を冷却することができる。
そして、上側受水板81の孔81aから滴下した水滴が下側受水板83の上面に集まって大きくなり、弾かれて拡がりやすくなって、前上がりの傾斜面による下側受水板83の上面に沿って孔83aに流れ込んだ水を、図示のように、その径の大きな孔83aから垂れ下がる水の表面張力で保水することができる。
こうして、下側受水板83の上面及び下面と孔83aによる保水と、下側受水板83の上面及び下面に晒される外気と風による気化によって、外気を効率よく冷却することができる。
以上、実施形態によれば、外構構造体1に取り付けた建材8が、最上段の建材6内を通したホース7の小孔から滴下した水に表面張力が生じる径の孔81a・83aが形成された上側受水板81及び下側受水板83を備えて、その受水板81・83の孔81a・83aによる水の表面張力で保水するため、ホース7から滴下する水の使用量を減らしながら保水・気化により冷却することができる。
したがって、保水・気化による冷却のための建材の材料や製造に掛かるコストを低減しつつメンテナンスが簡単に行えて、保水・気化による冷却を効果的に行うことができる。
こうして、多数の建材8の表面全体に伝わった水の気化熱を利用して、多数の建材8の広い範囲を冷却することができ、これに伴って、建物周囲に並べて設置した外構構造体1の周囲の空気を冷却する効果を発揮する。
そして、上側受水板81・下側受水板83の孔81a・83aの径を直径4mm以上とすることで、重力の影響を受けて下方に水滴を滴下しやすくなる。したがって、直径4mmから孔81aに水の表面張力により確実に水滴を下垂させることができる。また、受水板81の下面の冷却もしやすくなる。
さらに、上側受水板81・下側受水板83の孔81a・83aの径を直径6mm以下とすることで、その直径6mmまで孔81a・83aに水の表面張力により水滴を下垂させ、保水することができる。
また、上側受水板81の孔81aから滴下した水滴が下側受水板83の上面で弾かれやすくなる。その結果、水滴の飛散により濡れる範囲が拡がって下側受水板83上の濡れ面を大きくすることができる。また、径の大きな孔83aによる水の表面張力で水滴が下垂し、蒸発冷却面の拡大を図るとともに、保水することができる。
さらに、下方に受水板があった場合に、水滴が落ちて弾かれやすくなる。
また、上側受水板81及び下側受水板83に対する各々の孔81a・83aの開口率35%から、孔81a・83aによる保水量を向上させて水滴の滴下が良好に行えて、その開口率50%まで、上側受水板81及び下側受水板83の強度をそれぞれ確保することができる。
また、上側受水板81及び下側受水板83の傾斜面によって、その上に滴下した水滴を各々の孔81a・83aにそれぞれ流しやすくすることができる。
また、上方の建材8の下側受水板83から上方に延びる下側後面板85を、下方の建材8の上側後面板84及び折り返し後片部86間の溝部87に挿入して、上下の建材8・8を組み付けることができる。
したがって、上下の建材8・8を釘等の連結具不要で接続することができる。
また、下側受水板83と上方の受水板81との間が孔のない前面板82によって、遠目からルーバーとして見え、意匠性に優れる。
また、上下の建材8・8を組み付ける際において、上方の建材8の下側後面板85と下方の建材8の上側後面板84及び立ち上がり後片部86とによる指の挟み込みを、立ち上がり側片部88の存在により防止することができる。
また、上側後面板84の横方向のスリット84aによって、ルーバーとしての外観を維持しながら、建材8に風を流通させるとともに、外構構造体1の内側から外側を見ることができる。
(実験例)
先ず、直径3mmと4mmの孔径による水滴の付着状態の違いについて説明する。
図11は直径3mmの孔の上面側を見た写真である。
図12は直径3mmの孔の下面側を見た写真である。
図11・12の写真のとおり、水量が少なく水の流下速度が遅い場合、直径3mmでは水にかかる重力に対し、水の表面張力の方が大きく水が落ちない。また、孔同士に跨って水膜が形成される。この結果パンチング裏面に水滴が下垂せず、蒸発冷却面の拡大が図れない。
なお、水量を増やし、水の流下速度が増すと、直径3mmの孔でも水が落下する。
図13は直径4mmの孔の上面側を見た写真である。
図14は直径4mmの孔の上面側を見た写真である。
図13・14の写真のとおり、水量や水の流下速度に依らず、直径4mmでは水の表面張力に比べ水にかかる重力の方が大きく、水が落ちる。
この結果パンチング裏面に水滴が下垂し、蒸発冷却面の拡大が図れる。
すなわち、下方の受水板への水滴の落下が継続され、建材全体の蒸発冷却面の拡大が図れる。
上面に残る水滴は孔間の大きさ以下の水滴となる(矢印の部分参照)。
次に、開口率による水滴の付着状態の違いについてについて説明する。
図15は直径3mmピッチ8mmで開口率13%の場合を見た写真である。
図16は直径3mmピッチ5mmで開口率38%の場合を見た写真である。
直径3mmピッチ8mmで開口率13%の場合、図15の写真のとおり、顕著に、複数の孔に跨った水膜の形成が見られる。また、孔の間を水滴が流れて、その水滴が傾斜により前面部に流れて落ちる。
これに対し、直径3mmピッチ5mmで開口率38%の場合は、図16の写真のとおり、重力の影響を受けて下方に水滴が保持される。また、受水板の下面も冷却される。さらに、水滴の下方の受水板に落下して弾かれる。
次に、開口率による冷却効果について説明する。
図17は直径3mmピッチ8mmで開口率13%の場合を赤外線写真で撮影したものである。
図17の写真のとおり、前面にまでわたって黒い部分(赤外線撮影画像では赤い部分)で示される表面温度が高い(冷却効果が低い)領域が多い。
図18は直径4mmピッチ5mmで開口率38%の場合を赤外線写真で撮影したものである。
図18の写真のとおり、前面にまでわたって黒い部分(赤外線撮影画像では青い部分及び緑色部分)で示される表面温度が低い(冷却効果が高い)領域が多い。
(変形例)
以上の実施形態においては、単に水の気化による冷却としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の液体を含む液媒の気化による冷却であってもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
例えば、地面または床面には、最も下方に位置する建材8から落ちた水を受けて排水する排水手段が設けられていてもよい。
また、建物内の自然換気を行う際には、多数の建材8を通じて屋外側空間から建物側空間に向かって冷却された外気を送り、建物の開口部から、この冷却された外気を建物内に導入する。以上のようにして、建物内の自然換気を行うことができる。
なお、建物の開口部と、外構構造体1とが対向していれば、冷却された外気を建物内に取り込みやすくなるので好ましい。
また、外構構造体1の具体的な用途としては、例えばフェンスや門扉、柵、手摺、ルーバー装置、垣根、塀、建物における窓前の目隠し、建物内部における仕切り壁、建物内部における空気冷却手段、外壁に形成された開口部に設けられる柵など、様々なものが挙げられる。
つまり、外構構造体1は、空間を一方側空間と他方側空間に分けるものであり、二つの異なる空間の境界にある“仕切り”である。より詳細には、屋外空間を一方側空間(例えば建物側空間)と他方側空間(例えば屋外側空間)に分けるため、もしくは屋内空間を一方側と他方側に分けるため、もしくは屋外空間と屋内空間との境界における仕切りとして用いられるものである。
また、建材8は、以上のような各種外構構造体に使用される建材を指しており、アルミニウムやスチール等の金属材料を棒状または板状に形成し、適宜加工を行ったものである。このような建材によって、屋外空間を建物側空間と屋外側空間に分けるための主要面が構成されている。
屋外空間を建物側空間と屋外側空間に分けるための主要面とは、屋外空間を建物側空間と屋外側空間に分けるために最も大きな働きをする面を指している。
なお、実施形態では、受水板の上方に給水手段を配置したが、他に例えば打ち水やスプリンクラーで受水板に給水するようにしてもよい。
1 外構構造体
2 基礎
3 支柱
4 溝形ステンレス鋼
5 溝型アルミ材
6 最上段の建材
61 上面板
62 前面板
63 下面板
63a 孔
64 上側後面板
65 下側後面板
7 給水手段(ホース)
71 V形アルミ板
71a 孔
8 建材
81 上側受水板
81a 孔
82 前面板
83 下側受水板
83a 孔
84 上側後面板
84a スリット
85 下側後面板
86 折り返し後片部
87 溝部
88 立ち上がり側片部

Claims (15)

  1. 下面が外気に晒されている受水板を備える建材であって、
    前記受水板の下面には、孔が形成されており、
    前記受水板の下面の孔径は、給水される水が前記受水板の下面の孔から表面張力で水滴として下垂する径であることを特徴とする建材。
  2. 請求項1に記載の建材において、
    前記受水板の上面が外気に晒されており、
    前記受水板の下面の孔は前記受水板の上面まで貫通する貫通孔であることを特徴とする建材。
  3. 請求項1又は2に記載の建材において、
    前記受水板の上方に配置され、前記受水板に水を滴下する給水手段を備えることを特徴とする建材。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の建材において、
    前記受水板の下面の孔径は直径6mm以下であることを特徴とする建材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の建材において、
    前記受水板の下面の孔径は直径4mm以上であることを特徴とする建材。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載の建材において、
    前記貫通孔の前記受水板上面の孔径は直径4mm以上であることを特徴とする建材。
  7. 請求項4から6のいずれか一項に記載の建材において、
    前記受水板に対する前記孔の開口率が35%以上であることを特徴とする建材。
  8. 請求項7に記載の建材において、
    前記開口率が50%以下であることを特徴とする建材。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の建材において、
    前記受水板の下方に配置され、かつ上面が外気に晒される第二受水板を備えることを特徴とする建材。
  10. 請求項9に記載の建材において、
    前記第二受水板は、前記受水板の前記貫通孔から滴下した水に表面張力が生じる径の孔が形成されていることを特徴とする建材。
  11. 請求項10に記載の建材において、
    前記第二受水板は、上面と下面が外気に晒されており、
    前記第二受水板の前記孔は、上面から下面までの第二貫通孔として形成されており、
    前記第二貫通孔の下面の孔径は、前記貫通孔から給水された水が前記第二貫通孔の下面側から表面張力で水滴として下垂する径であることを特徴とする建材。
  12. 請求項10又は11に記載の建材において、
    前記第二受水板の前記孔の径は、前記受水板の下面の孔径と異なることを特徴とする建材。
  13. 請求項10又は11に記載の建材において、
    前記第二受水板の前記孔の径は、前記受水板の下面の孔径よりも大きいことを特徴とする建材。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の建材において、
    前記受水板は傾斜面となっていることを特徴とする建材。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の建材を用いた構造体であって、
    複数の前記建材が上下方向に隣接して配置されていることを特徴とする構造体。
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