JP6412223B1 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラズマ処理を基板間で均一化することができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明のプラズマ処理装置10は、チャンバ1と、加熱手段7と、を備え、チャンバ1は、第1の筒体2と、第1の筒体2の下方に設けられ、内部に載置台4が設けられた第2の筒体3と、第1の筒体2と第2の筒体3との間に介設された調整部材6と、を具備し、調整部材6は、第1の筒体2の下端部と第2の筒体3の上端部との間に介設された環状のフランジ部61と、フランジ部61の内縁から載置台4の上方へ向けて延設された下窄まり状の筒部62と、を有して、フランジ部61と筒部62とが一体的に形成されており、加熱手段7は、フランジ部61の大気に露出した部分に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置に関する。
従来、シリコン基板やガラス基板などの基板の表面に対してプラズマ処理を行う装置が知られている。例えば、特許文献1及び2では、シリコン基板の表面にプラズマ処理を行う装置が開示されている。
一般的に、図8に示すように、プラズマ処理装置10Aは、プラズマ生成空間21Aを内部に有する第1の筒体2Aと、第1の筒体2Aの下方に設けられ、基板Sを載置する載置台4Aが内部に設けられた第2の筒体3Aと、を具備するチャンバ1Aを備えている。また、本装置は、プラズマ生成空間21Aに処理ガスを供給する処理ガス供給手段(図示せず)と、前記第1の筒体2Aの外面に沿って巻回されたコイル5Aと、を備えている。
真空環境下でプラズマ生成空間内21Aに処理ガスを供給し、前記コイル5Aに高周波電力を印加することにより、プラズマ生成空間21Aに生じた誘導電界によって処理ガスがプラズマ化される。プラズマ化された処理ガス(以下、単に「プラズマ」と称する)は、プラズマ処理空間31Aに流下して載置台4Aに至り、載置台4A上に載置された基板Sの表面にエッチング処理などのプラズマ処理が施される。なお、図8に示される太黒矢印は、プラズマの流下方向を示している(図1及び図9についても同様)。
一般的に、プラズマ処理は、基板Sの表面内で略均一に施されることが望ましい。しかしながら、プラズマ処理空間21Aで生成されるプラズマの平面内密度(Pm)の大きさは、コイル5Aとの距離に反比例する。そのため、プラズマの平面内密度は、第1の筒体2Aの内面近傍において大きくなり易く、第1の筒体2Aの軸心近傍において小さくなり易い。また、発生したプラズマは鉛直方向に流下する。そのため、上述したプラズマの平面内密度のばらつきに起因して基板Sに流下するプラズマの量にもばらつきが生じるため、基板Sの表面内において略均一にプラズマ処理を施せないという問題がある。
例えば、エッチング処理を施す場合、基板Sのエッチング速度の面内均一性が不良となり得る(即ち、一つの処理基板内においてエッチングのムラが生じ得る)。
このような問題を解決するため、特許文献3には、図9に示すような、調整部材6Bを具備するチャンバ1Bを備えたプラズマ処理装置10Bが開示されている。
調整部材6Bは、プラズマ生成空間21Bとプラズマ処理空間31Bとの境界近傍から載置台4Bの上方に向かって延設された下窄まりの筒状部材である。プラズマ生成空間21Bで生成されたプラズマは、流下する際、調整部材6Bの上端開口部から下端開口部に向かって徐々に集束される。そのため、調整部材6Bの下端開口部において、プラズマの平面内密度が略均一化され、基板Sの表面に対して略均一にプラズマ処理を施すことができる。
しかし、同装置10Bを用いて、複数枚の基板Sについて連続的にプラズマ処理を行った場合、同条件のプラズマ処理が施された複数の基板S(以下、「処理基板」と称する)の処理基板間(ロット内)におけるプラズマ処理の均一性が不良となる場合がある。
例えば、エッチング処理の開始直後に得た処理基板Aとエッチング処理の終了直前に得た処理基板Bを比較すると、同条件のエッチング処理を施しているにも関わらず、処理基板Aと処理基板Bのエッチング速度に差が生じる(即ち、処理基板間でエッチング速度のムラが生じる)場合がある。
特開2006−80504号公報 特開2006−60089号公報 特開2010−238847号公報
本発明の目的は、プラズマ処理を基板間で均一化することができるプラズマ処理装置を提供することである。
本発明者は、基板間でプラズマ処理にムラが生じる原因について鋭意研究した結果、プラズマ処理の開始から終了までの間において、調整部材の温度が大きく変化することがその一因であるという知見を得た。
具体的には、図9に示す従来のプラズマ処理装置10Bでは、プラズマ処理中にコイル5Bに高周波電力を印加するため、第1の筒体2Bが加熱され昇温する。また、第2の筒体3Bもプラズマ処理中にチャンバヒータ(図示せず)などによって加熱され昇温する。
第1の筒体2B及び第2の筒体3Bに加わった熱は、それと連接する部材に次第に伝導する。しかし、従来の調整部材6Bは、該調整部材6Bとは別体の固定手段(例えば、ネジ)を用いて第2の筒体3Bの内壁に固定されているため、調整部材6Bと第2の筒体3Bの間には微細な間隙が存在し、両者の密着性は低い。そのため、第1の筒体2B及び第2の筒体3Bに加わった熱は、調整部材6Bへ効率的に伝導されない。また、プラズマ処理中においてチャンバ1B内は真空状態であるため、熱は対流によって調整部材6Bに殆ど伝わらない。その結果、調整部材6Bは、第1の筒体2B及び第2の筒体3Bに比して昇温し難い。従い、プラズマ処理の開始時における調整部材6Bの温度(例えば、80℃前後)は、プラズマ処理の終了時における調整部材6Bの温度(例えば、180℃前後)よりも著しく低くなる。
調整部材6Bを用いると、その下端開口部においてプラズマの平面内密度が略均一化されるものの、調整部材6Bの温度変化により、その下端開口部に集束するプラズマの総量(即ち、基板Sに流下するプラズマの総量)が若干変化すると考えられる。即ち、調整部材6Bの下端開口部におけるプラズマの平面内密度は、調整部材6Bが低温の時と高温の時とで相違すると推察される。従い、プラズマ処理の開始直後に得た処理基板とプラズマ処理の終了間際に得た処理基板を比較すると、プラズマ処理にムラがあると考えられる。
本発明者は、以上の知見に基づき、プラズマ処理の開始前に調整部材6Bを加熱し十分に昇温させておくことで、プラズマ処理の開始から終了までにおける調整部材6Bの温度変化を抑制する点に着目し、プラズマ処理空間31Bに調整部材6Bを加熱するための加熱手段を配置することを検討した。具体的には、調整部材6Bの外周面に環状の溝を形成し、この溝内に加熱手段を配置することを検討した。
しかしながら、プラズマ処理中においてチャンバ1B内は真空状態である。そのため、真空状態で使用可能であり且つプラズマに曝露されても劣化し難い加熱手段を使用する必要があるが、このような加熱手段は製造コストが高いという問題がある。また、チャンバ1B内は真空状態であるため、加熱手段から調整部材6Bへ対流によって熱が伝わり難く、調整部材6Bを迅速に加熱することができないという問題もある。
本発明者は、上記のような事情を考慮し、さらに鋭意研究を行った結果、簡便且つ迅速に加熱が可能な調整部材に想到し、本発明を成した。
本発明のプラズマ処理装置は、チャンバと、加熱手段と、を備え、前記チャンバは、内部に処理ガスが供給されてプラズマが生成される第1の筒体と、前記第1の筒体の下方に設けられ、プラズマ処理の対象となる基板を載置する載置台が内部に設けられた第2の筒体と、前記第1の筒体と前記第2の筒体との間に介設され、プラズマ密度を調整する調整部材と、を具備し、前記調整部材は、前記第1の筒体の下端部と前記第2の筒体の上端部との間に介設された環状のフランジ部と、前記フランジ部の内縁から前記第2の筒体の内部に設けられた前記載置台の上方へ向けて延設された下窄まり状の筒部と、を有して、前記フランジ部と前記筒部とが一体的に形成されており、前記加熱手段は、前記調整部材を加熱する手段であり、前記フランジ部の大気に露出した部分に設けられている。
本発明では、環状のフランジ部と、下窄まり状の筒部と、を有する調整部材を用いており、該フランジ部と該筒部とが一体的に形成されている。そのため、フランジ部を加熱することにより、フランジ部から筒部へ効率的に熱伝導が生じる。
また、本発明では、フランジ部の大気に露出した部分に加熱手段が設けられている。そのため、プラズマ処理時における第1及び第2の筒体の内部の雰囲気(以下、「プラズマ処理環境」と称する)に耐久性を有さない汎用的な加熱手段を用いたとしても、簡便且つ迅速にフランジ部を加熱することができ、ひいては、第2の筒体の内部に位置する筒部を簡便且つ迅速に加熱することができる。
従い、本発明では、プラズマ処理の開始前に調整部材の筒部を簡便且つ迅速に昇温させることができ、プラズマ処理の開始から終了までの間における調整部材の筒部の温度変化を抑制することができる。その結果、プラズマ処理を基板間で均一化することができる。
本発明では、加熱手段は、好ましくは、フランジ部の全周に亘る環状の手段である。
このような加熱手段を用いることにより、フランジ部全体を略均一に加熱することができ、ひいては、第2の筒体の内部に位置する筒部全体を均一に加熱し、昇温させることができる。従って、プラズマ処理を基板間でより安定的に均一化することができる。
ここで、基板間でプラズマ処理を均一化するには、プラズマ処理の開始から終了にかけて筒部の温度が一定である状態であることが最も望ましい。しかしながら、筒部は、プラズマ処理中にプラズマ処理環境に曝露されているため、プラズマにより徐々に加熱され、さらに、第1及び第2の筒体から熱伝導の影響を少しずつ受ける。そのため、加熱手段のみを用いて目標とする一定の温度(以下、「目標温度」と称する)に筒部を保つことが難しい場合がある。
上記問題点を考慮し、本発明の好ましい形態では、フランジ部の大気に露出した部分が第1の筒体及び第2の筒体の外部に突出した突出部を有する。
フランジ部が突出部を有すると、該部分から調整部材の熱が放熱するため、筒部が目標温度を超えて昇温した場合でも筒部を迅速に冷却することができ、筒部を目標温度に保ち易くなる。
また、本発明のさらに好ましい形態では、前記突出部に、凹部が設けられている。
突出部に凹部が設けられていると、より調整部材が放熱し易くなり、筒部を目標温度までより迅速に冷却することができる。従って、筒部をより安定的に目標温度に保つことができ、その結果、プラズマ処理を基板間でより安定的に均一化することができる。
以上に説明したように本発明によると、プラズマ処理を基板間で均一化することができるプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明のプラズマ処理装置を表す概略端面図。 本発明の調整部材を示す上面図。 図2のIII−III線拡大端面図。 調整部材のフランジ部について他の実施形態を示す一部拡大概略端面図。 調整部材の筒部について他の実施形態を示す一部拡大概略端面図。 加熱手段について他の実施形態を示す一部拡大概略端面図。 温度計について他の実施形態を示す一部拡大概略端面図。 第1の従来のプラズマ処理装置を表す概略端面図。 第2の従来のプラズマ処理装置を表す概略端面図。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のプラズマ処理装置について説明する。
発明の理解を容易にするため、図面では、プラズマ処理装置の一部の構成要素(例えば、基板搬送手段(搬送口)、処理ガス供給手段、チャンバ内排気手段(排気口)など)を省略して簡略化しており、各構成要素の寸法も適宜変更して表している。本明細書で特に言及しないプラズマ処理装置の構成については、従来用いられているプラズマ処理装置と同様の構成を採用することができる。
図1に示すように、本発明のプラズマ処理装置10は、チャンバ1と、コイル5と、加熱手段7と、を備えている。以下、チャンバ1の各構成要素及びコイル5について分説した後、加熱手段7について説明する。
<チャンバ>
チャンバ1は、その内部でプラズマが生成され且つプラズマ処理が行われる筒状の部材である。チャンバ1は、内部にプラズマ生成空間21を有する第1の筒体2と、内部にプラズマ処理空間31を有する第2の筒体3と、両筒体2,3の間に介設されたプラズマ密度を調整する調整部材6と、を具備する。
(第1の筒体)
第1の筒体2は、内筒部22と、内筒部22の外周面に沿うように設けられた外筒部23と、内筒部22及び外筒部23の上端開口部を塞ぐ天板部24と、内筒部22の下端部と外筒部23の下端部とに架設された環状の中間板部25と、を有する。
内筒部22は、プラズマ生成空間21を区画する一部材である。プラズマは、内筒部22の内部に導入された処理ガスが誘導電界によってプラズマ化されることによって生成される。従って、内筒部22は、その内部に誘導電界が発生することを妨げないような材料、例えば、セラミックスなどの絶縁性を有する材料によって形成されている。
外筒部23は、内筒部22の外面及びコイル5を保護する部材である。外筒部23は、その内面が内筒部22の外面から一定の間隔を開けて位置するように内筒部22の外部に設けられている。外筒部23の材料は特に限定されないが、通常、アルミニウム合金などの金属が用いられる(後述する、天板部24、中間板部25についても同様である)。
天板部24は、内筒部22及び外筒部23の上端開口部を塞ぐ部材であり、プラズマ生成空間21を区画する一部材である。天板部24の略中央部には、下方に窪んだ凹部が形成されている。特に図示しないが、通常、天板部24の凹部を除く上面部には、処理ガス供給口が設けられており、この処理ガス供給口を介して処理ガス供給手段から第1の筒体2の内部に処理ガスが供給される。
中間板部25は、内筒部22の下端部と外筒部23の下端部に架設された環状の部材であり、プラズマ生成空間21を区画する一部材でもある。中間板部25、内筒部22、外筒部23、及び天板部24によって区画された空間にコイル5が収納される。
コイル5は、内筒部22の外面に沿って巻回された線状の部材である。コイル5に高周波電力を印加し且つプラズマ生成空間21に処理ガスを供給することにより、プラズマ生成空間21でプラズマが生成される。
図1に示すように、プラズマ生成空間21は、内筒部22の内面、天板部24の下面、及び中間板部25の内面によって区画された空間である。上述のように、天板部24の略中央部に凹部が形成されているため、プラズマ生成空間21は、図1に示すように、断面視略U字状の空間である。このような断面視略U字状のプラズマ生成空間21を採用することにより、比較的小さい電力で高密度のプラズマを生成することができる。
なお、本発明において、チャンバ1の構造は上述した形態に限定されず、適宜変更することができる。例えば、外筒部23及び中間板部25を省くことも可能である。この場合、プラズマ生成空間21は、内筒部22の内面、天板部24の下面によって区画された空間である。また、天板部24は、その略中央部に凹部を有していなくてもよい。この場合、プラズマ処理空間21は、略円柱状の空間である。
(第2の筒体)
第2の筒体3は、第1の筒体2の下方に設けられた筒体である。第2の筒体3は、筒状の胴部32と、胴部32の下端開口部を閉塞する底板部33と、を有する。
胴部32は、プラズマ処理空間31を区画する一部材である。特に図示しないが、通常、胴部32の側面には、搬送口や排気口が設けられている。胴部32の外径は特に限定されない。図1では、胴部32の外径は、第1の筒体2の外筒部23の外径と同じである。
底板部33は、チャンバ1全体を支持する部材であり、プラズマ処理空間31を区画する一部材である。胴部32及び底板部33の材料は特に限定されないが、通常、第1の筒体2の外筒部23及び天板部24と同様に、アルミニウム合金などの金属が用いられる。
プラズマ処理空間31は、胴部32の内面及び底板部33の上面によって区画された空間である。第2の筒体3の内部であるプラズマ処理空間31には、プラズマ処理の対象となる基板Sを載置する載置台4が設けられている。載置台4の高さは昇降シリンダなどの昇降手段によって任意の高さに調整することができる。
また、載置台4には、第2のインピーダンス整合器41を介して接続された第2の高周波電源42によって高周波電力が印加される。
第1の筒体2の下端面と後述する調整部材6との間、及び、第2の筒体3の上端面と調整部材6との間には、それぞれ真空シール部材9が介設されている。
真空シール部材9は、第1の筒体2の下端面と調整部材6の上面との間、及び、第2の筒体3の上端面と調整部材6の下面との間に存在する微細な空隙を埋めることで、チャンバ1内部の真空状態を維持する弾性部材である。例えば、真空シール部材9は、第1の筒体2の下端面の全周及び第2の筒体3の上端面の全周に亘る環状のOリングである。
(調整部材)
図2は、本発明で用いられる調整部材6の上面図であり、図3は、その一部拡大端面図
である。なお、図3では、便宜上、調整部材6だけでなく第1の筒体2、第2の筒体3、及び真空シール部材9も図示している。
調整部材6は、プラズマの平面内密度を調整可能な部材である。本発明では、図3に示すように、調整部材6は、第1の筒体2と第2の筒体3との間に介設されている。具体的には、調整部材6は、第1の筒体2の下端部(中間板部25の下面)と第2の筒体3の上端部(胴部32の上端面)との間に介設された環状のフランジ部61と、フランジ部61の内縁から載置台の上方へ向けて延設された下窄まり状の筒部62と、を有している。
第1の筒体2の下端面(中間板部25の下面)と調整部材6のフランジ部61の上面との間、及び、第2の筒体3の上端面(胴部32の上端面)と調整部材6のフランジ部61
の下面との間には、それぞれ真空シール部材9が介設されている。2つの真空シール部材9を境界にして、チャンバ1の内外が空間的に分断されている。
なお、図3では、上側の真空シール部材9は、第1の筒体2の下端面(中間板部25の下面)に形成された嵌入溝に嵌入されており、下側の真空シール部材9は、第2の筒体3の上端面(胴部32の上端面)に形成された嵌入溝に嵌入されている。しかし、上側の真空シール部材9は、調整部材6のフランジ部61の上面に形成された嵌入溝に嵌入されていてもよく、下側の真空シール部材9は、調整部材6のフランジ部61の下面に形成された嵌入溝に嵌入されてもよい(図示せず)。
本発明では、調整部材6のフランジ部61と筒部62とが一体的に形成されている。換言すると、フランジ部61と筒部62との間にはその表面及び内部において繋ぎ目が存在しない。通常、調整部材6のフランジ部61及び筒部62は、同一の材料によって形成されている。従って、フランジ部61を加熱すると、その熱が効率的に筒部62に伝導し、筒部62を迅速に昇温させることができる。フランジ部61と筒部62とが一体的に形成された調整部材6は、例えば、1つの鋳型を用いてフランジ部61及び筒部62を一体成型することによって得ることもできるし、円形板の中央部に筒部の下端開口に対応する孔を穿つと共にプレス加工を行うことで得ることもできる。
調整部材6の形成材料は、特に限定されないが、高い熱伝導率を有し且つプラズマによって浸食され難い金属を用いることが好ましい。このような金属としては、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などが挙げられる。
図3に示すように、フランジ部61は、水平方向(図3の紙面において左右方向)に延出されている。しかし、本発明においてフランジ部61の延出方向は水平方向に限られず、水平面と鋭角を成す方向に延出されていてもよい(図示せず)。
また、フランジ部61は、第1の筒体2及び第2の筒体3のうち少なくとも一方の筒体によって開口が閉塞された環状の凹部である収納部63を有することが好ましい。図3に示す例では、フランジ部61は、環状の溝である収納部63を有しており、その開口は、第1の筒体2によって開口が閉塞されている。この収納部63及び第1の筒体2の下端部により、後述する加熱手段7を収納する空間(以下、「収納空間」と称する)が区画される。なお、特に図示しないが、フランジ部61が、第2の筒体3によって開口が閉塞された収納部63を有する場合、該収納部63及び第2の筒体3の上端部により、収納空間が区画される。
上述のように調整部材6は、その構造的な特徴に基づいて2部分(フランジ部61と筒部62)に区画されるが、これとは別に、調整部材6が曝露される環境に基づいて2部分に区画される。つまり、調整部材6は、第1の筒体2及び第2の筒体3の内部(以下、「チャンバ1の内部」と称する)に位置せず大気に露出した部分(以下、「大気露出部」と称する)と、チャンバ1の内部に位置しプラズマ処理環境に曝露される部分(以下、「非大気露出部」と称する)と、の2部分に区画される。なお、図3では、チャンバ1の内部に、「内部」と記しており、チャンバ1の外部に「外部」と記している。図4乃至図7についても同様である。大気露出部は、換言すると、プラズマ処理を行う際、プラズマ処理環境に曝露されない部分である。
チャンバ1の内外は、真空シール部材9によって空間的に分断されているため、真空シール部材9と調整部材6が密着した部分(以下、「シール部」と称する)を基準にして大気露出部と非大気露出部を区画することができる。具体的には、図3に示すように、第1の筒体2の下端面とフランジ部61の上面との間、及び、第2の筒体3の上端面とフランジ部61の下面との間には、それぞれ真空シール部材9が設けられており、この2つのシール部を境界にして、調整部材6は大気露出部と非大気露出部に区画することができる。2つのシール部で挟まれた調整部材6の一部であって、チャンバ1の外部側に存在するのが大気露出部であり、チャンバ1の内部側に存在するのが非大気露出部である。なお、発明の理解を促すため、便宜上、図3において、調整部材6の大気露出部に相当する部分に黒太線を付している。
図3に示す例では、調整部材6の筒部62は、その全面が非大気露出部であり、調整部材6のフランジ部61は、その一部が大気露出部であり且つその他部分が非大気露出部である。本発明では、フランジ部61の大気露出部に、後述する加熱手段7が設けられている。そのため、プラズマ処理環境に耐久性を有さない汎用の加熱手段を使用したとしても、フランジ部61を加熱し、調整部材6の筒部62を迅速に昇温させることができる。従って、プラズマ処理前に筒部62を迅速に昇温させることができるため、プラズマ処理の開始から終了までの間における筒部62の温度変化を抑制することができる。その結果、プラズマ処理を基板間で均一化することができる。
また、図3に示すように、フランジ部61の大気露出部は、好ましくは、チャンバ1の外部に突出した突出部を有する。フランジ部61の大気露出部が、突出部を有することにより、筒部62が目標温度以上に昇温した場合であっても、突出部から調整部材6が効果的に放熱することにより、筒部62の温度を目標温度まで迅速に冷却することができる。
なお、本発明では、フランジ部61の大気露出部は、必ずしも突出部を有していなくてもよい。この場合、フランジ部61は、例えば図4に示すように、その外面が第1の筒体2(図4では、中間板部25)及び第2の筒体3(図4では、胴部32)に覆われており、チャンバ1の外部から視認することができない。
フランジ部61の内縁から外縁までの長さFL(以下、「フランジ長FL」と称する)、及び、フランジ部61の厚みFT(以下、「フランジ厚FT」と称する)は特に限定されず、第1の筒体2及び第2の筒体3の厚みや、後述するフランジ部61の大気露出部の表面積を考慮して適宜設定することができる。もっとも、フランジ長FLの下限値は、通常20mmであり、好ましくは30mmである。またフランジ長FLの上限値は、通常100mmであり、好ましくは60mmである。また、フランジ厚FTの下限値は、通常10mmであり、好ましくは20mmである。また、フランジ厚FTの上限値は、通常50mmであり、好ましくは40mmである。
なお、上述のようにフランジ部61に収納部63が形成されている場合や、後述のようにフランジ部61の大気露出部に凹部64が設けられている場合、フランジ厚FTは、該収納部63及び該凹部64が設けられていない部分の厚みを意味する。
フランジ部61の大気露出部には、放熱に用いられる凹部64が設けられることが好ましく、より好ましくは、図2及び図3に示すように、フランジ部61の突出部に凹部64が設けられる。図2及び図3では、フランジ部61の突出部の上面に、その全周に亘る2筋の環状の凹部64が設けられている。このような凹部64を設けることにより、大気露出部の表面積をより広くすることができ、その結果、調整部材6は、大気露出部を介してより放熱し易くなる。従って、調整部材6の温度調整がより容易となる。
凹部64の形状は特に限定されず、図3に示すような2筋の環状の凹部64の他、1筋又は3筋以上の凹部や、放射状に延びた複数の凹部64などを採用することもできる(図示せず)。また、凹部64を設ける部分は、フランジ部61の突出部の上面に限定されず、突出部の側周面や下面にも設けることも可能である(図示せず)。フランジ部61全体から均一に放熱させることができるため、フランジ部61の全周に亘って設けられた環状の凹部64を採用することが好ましい。
また、特に図示しないが、フランジ部61の大気露出部に冷却ファンなどの冷却手段を用いて送風することにより調整部材6の放熱を促し、それによって調整部材6の冷却を行うこともできる。
フランジ部61の大気露出部の表面積は、特に限定されず、調整部材6の材料、目標温度、加熱手段7の位置などを考慮して適宜変更することができる。もっとも、大気露出部の表面積の下限値は、通常300cmであり、好ましくは400cmである。また、大気露出部の表面積の上限値は、通常700cmであり、より好ましくは600cmである。
大気露出部の表面積が、300cmを下回る場合、調整部材6の冷却が十分になされず、筒部62が目標温度を超えて昇温した場合、目標温度まで冷却するのに長時間を要する虞がある。他方、大気露出部の表面積が700cmを超える場合、筒部62の冷却速度が速くなり過ぎ、かえって筒部62を目標温度に保ち難くなる虞がある。
筒部62は、フランジ部61の内縁から載置台の上方に向けて延設された下窄まり状の部材である。図3に示す例では、筒部62は、その全体が第1の筒体2及び第2の筒体3の内部に位置している。
筒部62の形状は、下窄まりな筒状であれば特に限定されず、プラズマ処理の対象である基板の形状に合わせて任意に変更することが可能である。例えば、筒部62は、図2に示すような円筒状であってもよく、角筒状であってもよい(図示せず)。もっとも、プラズマ処理の対象となる基板は、一般的には略円形状であるため、筒部は円筒状であることが好ましい。
筒部62の厚み(以下、「筒厚CT」と称する)は特に限定されない。図3に示す例では、筒厚CTは、下端部において先細りとなっているもののそれ以外の部分では略均一である。
筒部は、その体積が大きければ昇温及び冷却に時間がかかる。そのため、筒部62の体積は、その機械的強度を担保できることを条件にできるだけ小さいことが望ましい。体積を小さくし得る筒部62の形態としては、例えば、図5(a)に示すように、その上端から下端にかけて徐々に筒厚CTが小さくなったものや、図5(b)に示すように、その上端から下端にかけてフランジ厚FTよりも小さい(図では、フランジ厚FTの半分程度である)均一な筒厚CTを有するものが挙げられる。
筒厚CTの下限値は、特に限定されないが、通常0.1mmであり、好ましくは1mmである。筒厚CTが0.1mmを下回る場合、筒部62の機械的強度が実用上十分に担保できない虞がある。筒厚CTの上限値は、特に限定されないが、通常10mmであり、好ましくは5mmである。筒厚CTが10mmを上回ると、筒部62の体積が大きくなり過ぎ、筒部62の上端から下端にかける熱伝導が遅くなり、その結果、迅速に筒部を昇温させることができない虞がある。
筒部62の上端から下端までの高さ(以下、「筒長CL」と称する)は特に限定されず、プラズマ処理の対象となる基板の大きさに合わせて適宜変更することができる。もっとも、筒長CLの下限値は、通常10mmであり、好ましくは20mmである。また、筒長CLの上限値は、通常170mmであり、好ましくは100mmである。
筒長CLが170mmを超える場合、筒部62の体積が大きくなり過ぎ、筒部62の上端から下端にかける熱伝導が遅くなり、その結果、迅速に筒部62を昇温させることができない虞がある。他方、筒長CLが10mmを下回る場合、調整部材6としての機能(プラズマの平面内密度の均一化)が十分に発揮できない虞がある。
<加熱手段>
本発明では、フランジ部61の大気露出部に調整部材6を加熱する加熱手段7が設けられている。
加熱手段7は、図3に示すように、フランジ部61の大気露出部のうち、第1の筒体2の真下且つ第2の筒体3の真上に設けられることが好ましい。このような部分に加熱手段7を設けることにより、筒部62をより効率的に昇温させることができる。図3に示す例では、収納部63と第1の筒体2の下端面によって区画された収納空間に加熱手段7が収納されている。収納空間は、その開口が第1の筒体2の下端面によって閉塞されているため、加熱手段7が発した熱は収納空間の開口から放熱され難く、効率的に調整部材6を加熱することができる。もっとも、加熱手段7の位置は変更可能であり、例えば、図6に示すようにフランジ部61の突出部に設けることも可能である。
本発明で用いられる加熱手段7としては、例えば、抵抗加熱式電気ヒーター、赤外線照射装置などが挙げられる。調整部材6に取り付け易いことから、加熱手段7としては平面ヒーターが好ましく用いられる。平面ヒーターは、絶縁性を有する扁平状の基材と、該基材の内部に配置された発熱線と、を有するヒーターである。この基材の材料としては、例えば、マイカ(雲母)、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができ、好ましくはマイカが用いられる。
図2に示す例では、収納部63に、フランジ部61の全周に亘る環状の平面ヒーターが収納されている。なお、図2では、環状の基材の内部に配設された発熱線の配線パターンの一例を破線で表している(電源は図示していない)。
このように、フランジ部61の全周に亘る環状の加熱手段を用いることにより、フランジ部61全体を略均一に加熱することができ、ひいては、筒部62全体を均一に加熱し、昇温させることができる。
<その他の構成>
本発明では、調整部材6の筒部の温度を把握するため、温度計が用いられる。温度計は、加熱手段7の一部材であってもよく、加熱手段7とは別の部材であってもよい。図3に示す例では、加熱手段7が温度計を兼用している。本発明では、調整部材6の筒部61とフランジ部62とが一体的に形成されているため、両部分61,62間で熱伝導が迅速に生じる。そのため、筒部62とフランジ部61の温度差はごく僅かとなる。従って、フランジ部61の温度と筒部62の温度は略等しくなり、フランジ部61の温度を測定することで筒部62の温度を把握することが可能である。
温度計によって、筒部62の温度を把握し、プラズマ処理の開始から終了まで筒部62の温度を目標温度に保つことで、プラズマ処理を基板間で均一化することができる。
温度計が加熱手段7とは別の部材である場合、温度計は、筒部62又はフランジ部61の非大気露出部に設けることもできるし、大気露出部に設けることもできる。
もっとも、温度計を非大気露出部に設けると、プラズマ処理環境に耐久性を有する温度計を用いる必要がある。従って、温度計は、加熱手段7と同様に、フランジ部61の大気露出部に設けられることが好ましい。温度計を大気露出部に設けることにより、プラズマ処理環境に耐久性を有さない汎用的な温度計を用いて筒部の温度管理が可能となる。
また、フランジ部61の大気露出部が突出部を有する場合、図7に示すように、温度計8は、フランジ部61の突出部に設けられることが好ましい。
温度計8を突出部に設けると、温度計8が第1の筒体2及び第2の筒体3からの熱伝導の影響を受け難くなり、より正確に筒部62の温度を把握することができる。
本発明では、加熱手段がフランジ部の大気露出部に設けられているため、プラズマ処理時に、加熱手段がプラズマ処理環境に曝露されない。
加熱手段を非大気露出部に設けると、プラズマ処理環境に耐久性を有する加熱手段を用いなければならないが、本発明では、加熱手段がプラズマ処理環境に曝露されないため、大気圧環境下で使用される汎用の加熱手段を用いることができる。従って、汎用的な加熱手段を用いて簡便に調整部材の筒部を昇温させることができる。
また、本発明の調整部材は、フランジ部と筒部とが一体的に形成されているため、加熱手段によってフランジ部に加えられた熱が筒部に迅速に伝導する。
従い、本発明のプラズマ処理装置を用いると、プラズマ処理の開始前に調整部材の筒部を簡便且つ迅速に昇温させることができる。そのため、プラズマ処理の開始から終了までにおける筒部の温度変化を抑制することができ、その結果、プラズマ処理を基板間で均一化することができる。
以上のように、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施態様について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、本明細書では、プラズマ処理装置として誘導結合プラズマ(ICP)処理装置を用いているが、プラズマ処理装置はこれに限定されず、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ処理装置、容量結合プラズマ(CCP)処理装置などを用いることも可能である。
<プラズマ処理装置の使用方法>
本発明のプラズマ処理装置の使用方法は、例えば、予備加熱工程及びプラズマ処理工程を含み、予備加熱工程及びプラズマ処理工程の最中に、並行して、調整部材の温度のフィードバック制御を実施する。以下、各工程について説明する。
(予備加熱工程)
予備加熱工程は、上述した本発明のプラズマ処理装置の調整部材を、プラズマ処理工程を行う前に加熱する工程である。調整部材の加熱は上述した加熱手段を用いて実施する。予備加熱工程では、調整部材の温度に対してフィードバック制御を実施する。該フィードバック制御は、上述した温度計によって測定した調整部材の温度(以下、「実測温度」と称する)と筒部の目標温度との偏差が小さくなるように調整部材の加熱条件を変更する制御である。
具体的には、実測温度が、目標温度未満である場合、加熱手段による加熱を維持し、実測温度が目標温度を超える場合、加熱手段による加熱が中断又は加熱温度が低くなるようにフィードバック制御を実施する。また、プラズマ処理装置が、上述したフランジ部の溝以外に、冷却ファンなどの冷却手段を備えている場合、実測温度が目標温度を超える場合、該冷却手段が作動するようにフィードバック制御を実施してもよい。
温度計による調整部材の温度測定は、連続的に行ってもよく断続的に行ってもよいが、筒部を目標温度に安定して維持するため連続的に行うことが好ましい。
第1及び第2の筒体の真空排気は、予備加熱工程中又は予備加熱工程より前に実施してもよく、予備加熱工程中又は予備加熱工程より前に実施しなくてもよい。もっとも、調整部材の筒部の昇温を迅速に行うため、真空排気は、予備加熱工程中又は予備加熱工程より前に実施することが好ましい。
また、処理ガスは、予備加熱工程中にプラズマ処理空間に導入してもよいし、後述するプラズマ処理工程で導入してもよい。なお、真空排気されたプラズマ処理空間に処理ガスを導入すると、真空度が若干低下し、筒部の昇温効率が低下する虞がある。そのため、予備加熱工程では処理ガスを導入せず、プラズマ処理工程にて処理ガスを導入することが好ましい。
(プラズマ処理工程)
プラズマ処理工程は、プラズマ処理空間で生成したプラズマによって載置台に載置した基板にプラズマ処理を施し、目標枚数の処理基板を得る工程である。なお、上述した予備加熱工程において、プラズマ処理空間に処理ガスを導入しない場合、プラズマ処理工程において処理ガスの導入が行われる。
実施するプラズマ処理の種類としては、例えば、エッチング処理、化学気相蒸着(CVD)、スパッタリング処理、表面酸化や表面窒化などの表面改質処理などが挙げられる。プラズマ処理工程中にも調整部材の温度をフィードバック制御することにより筒部の目標温度を保つことができる。フィードバック制御の具体的な説明は本欄では省略する。
プラズマ処理工程では、プラズマ処理と並行して、プラズマ処理が施された処理基板とプラズマ処理を施していない基板の交換を実施する。このような基板の交換を任意の回数行うことにより、プラズマ処理の開始から終了までに目標枚数の処理基板を得ることができる。基板の交換は、通常、プラズマ処理装置の第2の筒体が有する搬送口を介して行われる。基板の交換を繰り返し、目標枚数の処理基板が得られると、プラズマ処理工程を終了する。
なお、最初にプラズマ処理の対象となる基板は、予備加熱処理中であってプラズマ処理工程の直前に搬入することが好ましい。
最終的に得られる処理基板の目標枚数は特に限定されない。本発明のプラズマ処理装置を用いれば、プラズマ処理を基板間で均一化することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。
<実施例>
図1に示す構成を有する本発明のプラズマ処理装置とプラズマ処理の対象となる3枚のシリコンウエハ(基板)を準備した。上述した予備加熱工程を経た後、3枚の基板を順にプラズマ処理装置に導入し、同時間のプラズマ処理(エッチング処理)を施した。
得られた3枚のシリコンウエハ(処理基板)を比較したところ、基板間で均一にエッチングが施されていた。
<比較例>
図9に示す構成のプラズマ処理装置を用い、予備加熱工程を行わなかったこと以外は実施例と同様に3枚のシリコンウエハにプラズマ処理(エッチング処理)を施した。
得られた3枚のシリコンウエハ(処理基板)を比較したところ、基板間でエッチングにムラがあった。
10…プラズマ処理装置、1…チャンバ、2…第1の筒体、21…プラズマ生成空間、22…内筒部、23…外筒部、24…天板部、25…中間板部、3…第2の筒体、31…プラズマ処理空間、32…胴部、33…底板部、4…載置台、5…コイル、6…調整部材、61…フランジ部、62…筒部、63…収納部、64…凹部、7…加熱手段、8…温度計、9…真空シール部材

Claims (4)

  1. チャンバと、加熱手段と、を備え、
    前記チャンバは、
    内部に処理ガスが供給されてプラズマが生成される第1の筒体と、
    前記第1の筒体の下方に設けられ、プラズマ処理の対象となる基板を載置する載置台が内部に設けられた第2の筒体と、
    前記第1の筒体と前記第2の筒体との間に介設され、プラズマ密度を調整する調整部材と、を具備し、
    前記調整部材は、前記第1の筒体の下端部と前記第2の筒体の上端部との間に介設された環状のフランジ部と、前記フランジ部の内縁から前記第2の筒体の内部に設けられた前記載置台の上方へ向けて延設された下窄まり状の筒部と、を有して、前記フランジ部と前記筒部とが一体的に形成されており、
    前記加熱手段は、前記調整部材を加熱する手段であり、前記フランジ部の大気に露出した部分に設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記加熱手段は、前記フランジ部の全周に亘る環状の手段であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記フランジ部の大気に露出した部分は、前記第1の筒体及び前記第2の筒体の外部に突出した突出部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記突出部に、凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
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