JP6409802B2 - モータノイズキャンセル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動時に発生するノイズを検出する装置に関する。
モータは、一般的にコイルとコイル、又はコイルと鉄等の強磁性金属、若しくはコイルと永久磁石との間の磁気的な吸引力・反発力を用いて回転力を生成している。モータで回転力を生じさせる磁気的な吸引力・反発力は、回転力以外に機械的な変形力も生じさせため、
http://eprints.whiterose.ac.uk/891/1/zhuzq22.pdf
に示されるように、この機械的な変形力が機械的な共振を誘起し、大きなノイズを発生させる。
また、磁気的な吸引力・反発力が回転方向に対し一定で無いために、コギングやトルクリップルと呼ばれる回転子の回転方向に対する振動現象も発生し、これらも振動やノイズの発生原因となる。この対策として、非特許文献1に示されるように、機械的な共振の発生を抑制する構造の工夫がなされている。
また非特許文献2では、筐体の振動を低減するため、コイルの駆動信号として矩形波ではノイズが大きいが、その高調波を減らすことでノイズが低下することが示唆されている。同様に非特許文献3では、コギングを低減するため高調波を意図的に注入している。
Nau, Sebastiao Lauro, and Hugo Gustavo Gomez Mello. "Acoustic noise in induction motors: causes and solutions." Petroleum and Chemical Industry Conference, 2000. Record of Conference Papers. Industry Applications Society 47th Annual. IEEE, 2000. (論文A)Cameron, Derrick E., Jeffrey H. Lang, and Stephen D. Umans. "The origin and reduction of acoustic noise in doubly salient variable-reluctance motors." Industry Applications, IEEE Transactions on 28.6 (1992): 1250-1255. Stephenson, J. M., A. Hughes, and R. Mann. "Torque ripple minimization in a switched reluctance motor by optimum harmonic current injection." Electric Power Applications, IEE Proceedings-. Vol. 148. No. 4. IET, 2001.
しかしながら、非特許文献1のように構造的な対策を行うと、筐体設計の自由度を下げてしまう問題がある。また、非特許文献2では、高調波を低減するための具体的な手法が開示されていない。そして、非特許文献3では、注入する高調波の振幅及び位相をシミュレーションで決定しているので、高精度なシミュレーションモデルが無い限りノイズを十分に低減することは困難である。また個体差や温度変動,回転数依存等によりノイズが変動する際には、それらについても予めモデル化できていなければ対応できないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの駆動時に発生するノイズを、より容易な手法で低減できるモータノイズキャンセル装置を提供することにある。
請求項1記載のモータノイズキャンセル装置によれば、基底ベクトル出力部は、モータに出力される駆動信号の基本周波数に対する高調波の集合を、基底ベクトルとして生成し出力する。係数生成部は、モータの駆動時に発生するノイズを検出するノイズセンサより得られる検出信号とステップサイズパラメータμとを用いた誤差最小化演算を行うことで、各基底ベクトルにそれぞれ対応する係数を更新しながら生成する。ここで、「モータの駆動時に発生するノイズ」は「振動」等も含むものとする。また、「誤差最小化演算」とは、最小二乗法を用いたLMSアルゴリズムや、その応用であるNormalized LMSアルゴリズム,sign-signLMSアルゴリズム等も含むものとする。
そして、積和演算部が基底ベクトルと各基底ベクトルに対応する係数との積和演算を行うと、演算結果として得られた信号と前記駆動信号とを加算又は減算することで、モータの駆動時に発生するノイズをキャンセルする。すなわち、ノイズセンサより得られる検出信号は、モータの駆動系にノイズが含まれる結果として誤差信号となる。これに対して係数生成部が誤差最小化演算を行い、各基底ベクトルに対応する係数を更新することで、前記誤差信号がゼロレベルに近付くようになり、モータの駆動時に発生するノイズが低減される。したがって、事前に高精度なシミュレーションモデルを用意したり、そのモデルについて個別のノイズの変動要素等を予め考慮して変形等を加える必要が無く、モータの駆動時に発生するノイズをリアルタイム処理によって低減できる。
第1実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図 ノイズセンサの取り付け状態を例示する図 モータ回転速度の変動状態を示す図 微分回路の配置を示す図1の一部相当図 論文AのFig.2に開示されている送信波と受信波との関係を示す図 論文AのFig.3に開示されているエコーキャンセラを示す図 送信波と、その反射との関係を示す図 FIRフィルタを模擬して行う積和演算を説明する図 モータの回転周波数の時間波形及び周波数スペクトラムを示す図 モータの回転周波数及びその高調波成分に、図8に示す積和演算を適用したものを示す図 第2実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図 図8に示す積和演算を適用したものを示す図 シミュレーションに使用したモータ駆動信号及びノイズの波形を示す図(条件1) シミュレーションで生成した波形とノイズ波形とを示す図(条件1) シミュレーションで得られた係数を示す図(条件1) シミュレーションに使用したモータ駆動信号及びノイズの波形を示す図(条件2) シミュレーションで生成した波形とノイズ波形とを示す図(条件2) シミュレーションで得られた係数を示す図(条件2) 第3実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図 矩形波の基底ベクトルを用いた積和演算を示す図 シミュレーションに使用したモータ駆動信号及びノイズの波形を示す図 シミュレーションで生成した波形とノイズ波形とを示す図 シミュレーションで得られた係数を示す図 第4実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成の一部を示す機能ブロック図 第5実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図 第6実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図 シミュレーションに使用したモータ駆動信号及びノイズの波形を示す図 シミュレーションで生成した波形とノイズ波形とを示す図 シミュレーションで得られた係数を示す図 第7実施形態であり、ノイズキャンセル装置の構成の一部を示す機能ブロック図 第8実施形態であり、3相モータを駆動する場合の駆動信号とその4倍高調波成分とを示す波形図 同駆動信号とその3倍高調波成分とを示す波形図 ノイズキャンセル装置の構成を示す機能ブロック図
(第1実施形態)
先ず、本実施形態の原理について説明する。一般に、デジタル信号処理によるノイズ低減技術として、例えば下記の論文Aに示されているような、全2重通信で用いられるエコーキャンセラがある。
https://www.researchgate.net/profile/Hector_PerezMeana/publication/4186057_Adaptive_echo_canceller_using_a_modified_LMS_algorithm/links/
54b74bb50cf24eb34f6e9ebf.pdf
図5に示すように、受信信号Rx signalとしてTx2 signalだけを受信したいが、そこに、送信信号Tx1 signalの反射成分であるTx1 signal*がノイズとして混在することがある。このノイズ成分をキャンセルするため、エコーキャンセラでは、図6に示すように、FIR(Finite Impulse Response)フィルタにより構成されたEcho Cancellerブロックで補正信号y(T)を生成する。このy(T)とノイズ成分であるd(T)との差分であるe(T)が0になるように、Echo Cancellerブロックの係数を調整する。
この係数の調整手法として、上記論文Aには(1)式のようなLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いることが開示されている。当該技術分野では、このようなLMSアルゴリズムやその変形のアルゴリズムが一般的に用いられる。LMSアルゴリズムを用いると、Tx1 signalが入力された際に、そのエコーと同じ特性を有するFIRフィルタの係数を決定できる(原理1)。
w(T+1)=w(T)+μx(T)e(T) …(1)
w(T+1):次回のフィルタ係数
w(T):現在のフィルタ係数
x(T):入力信号
e(T):フィルタ誤差信号
μ:ステップサイズパラメータ
以下、本技術を応用してモータの駆動時に発生するノイズをキャンセルする原理を説明する。図7に示すTx1 signal*はTx1 signalとは波形が異なるが、Tx1 signal*の波形はTx1 signalの遅延成分の和として示すことができる。図7(a)にTx1 signalとそのエコーであるTx1 signal*とを示す。両者は波形が異なるが、図7(b)に示すように、波形を分解して1つの孤立pulseに対するエコーを見ると、遅延された信号と、ある割合で振幅の変動を受けた信号との加算であることが分かる。そして、図7(a)に示すように振幅がランダムに変化する波形は、このような孤立pulseが複数加算されたものとなっている。
図7(b)から分かるように、この遅延させたpulseにある係数を掛けたものの和という特性はFIRフィルタを用いて模擬することができる。FIRフィルタを適用することで、ランダムに変化する波形についてもエコーの再現が可能になる。このFIRフィルタを模したエコーキャンセラでは、図8に示すように、様々な時間で遅延させた信号に対し、最適な振幅の変動(w_1〜w_n)を求めれば良い。
ここで、図8に示す複数の入力信号は、相互に時間方向にシフトしているが、同一時刻同士では相関が無い、つまり時間方向では独立した基底ベクトルと見なせる。よって、それぞれの基底ベクトルの和となる様な係数を求めるのがLMSアルゴリズムであると見なせる。換言すれば、LMSアルゴリズムでは、その和を取ると、エコーと同じ特性を有する基底ベクトルの係数を求める仕組みであると言える(原理2)。
モータにある回転周波数の駆動信号を印加して動作させると、上述のように、前記回転周波数の高次成分を有するノイズが発生する。そのノイズを模擬する信号は駆動信号の遅延波とはならないため、FIRフィルタによる遅延が作れない。したがって、原理1に基づく従来のエコーキャンセラと同じ方法は適用できない。しかし、原理2に基づいて独立な基底ベクトルを合成することでノイズ信号を再現するとすれば、LMSアルゴリズムにより振幅の係数を求めることが可能となる。
本実施形態では、基底ベクトルとして、遅延により生成された波形では無く、それぞれの周波数の波形を駆動信号と同様に生成する。その生成方法は数値計算によるものやテーブルを参照するもの等様々なものがある。図9において、回転周波数f1の波形に対し、ノイズ周波数f2を生成する場合を考える。図10に示すように、それぞれの基底ベクトルに対し、LMSアルゴリズムを用いてノイズ波形を模擬するのに最適な係数(w_1〜w_n)を生成する。これらの積和結果をy(T)とする。
基底ベクトルは、必ずしも全ての高次高調波について用意する必要は無く、事前の解析等によりノイズが発生し易い次数が分かっている場合は、その次数分のみ生成すれば良い。また、次数が非整数倍の高調波成分が含まれている場合でも、同様にその周波数に対応した基底ベクトルを加えれば良い。
図1に示すように、本実施形態のノイズキャンセル装置1は、基底ベクトル生成ブロック2,係数生成ブロック3及び積和ブロック4を備えており、例えばDSP(Digital Signal Processor)等で構成する。基底ベクトル生成ブロック2は、モータ駆動信号の基本周波数及びその基本周波数に対する高調波成分の集合である基底ベクトルx_1〜x_nを生成し、積和ブロック4に出力する。尚、モータの駆動周波数f1が変化するのに応じて、基底ベクトルx_1〜x_nの各周波数も変化する。係数生成ブロック3には、モータに配置されているノイズセンサにより検出された信号が入力される。
図2に示すように、モータ6は、筐体7の内部に回転軸8と、その回転軸8に取り付けられている回転角測定装置9とを備えている。回転角測定装置9は、例えばロータリエンコーダやレゾルバ等である。上記のノイズセンサとして検出対象を音とする場合は、例えばモータ6の近傍において、モータ6には直接接続されていない壁などの固定部10にマイク11Aを取り付けて、空気の振動波であるノイズとしての音を直接検出する。また、固定部10が無い場合は、モータ固定治具12にマイク11Bを取り付ければマイク11B側が振動するので、相対的に振動音を検出できる。同様に、モータ筐体7やモータ固定治具12に加速度センサ13を取り付けて、直接振動を検出することもできる。
係数生成ブロック3では、誤差最小化演算アルゴリズムであるLMSアルゴリズムにより係数w_1〜w_nの更新を行い、これらを積和ブロック4に出力する。ここで、(1)式の右辺各項は、以下のように対応する。
w(T):現在の係数w_1〜w_n
x(T):基底ベクトルx_1〜x_n
e(T):センサ検出信号
積和ブロック4は、各基底ベクトルx_1〜x_nと、それぞれに対応する係数w_1〜w_nとの積和演算を行い、演算結果として生成された信号を減算器5に出力する。すると減算器5において、モータの駆動時に発生したノイズ信号より積和ブロック4より入力される信号が減算され、ノイズセンサはその減算結果を検出することになる。すなわち、係数生成ブロック3がLMSアルゴリズムにより係数w_1〜w_nの更新を行なうことで、生成波形とノイズ波形の誤差が十分小さくなる。つまりノイズキャンセル装置1は、ノイズ波形と同様の波形を生成することになる。
ここで、減算器5は信号モデル的に示したもので、実際には、図中の「ノイズ発生過程」における作用に応じて減算するか、又は加算するかが決まる。すなわち、図10で生成された積和結果y(T)を重畳した信号{x_1(T)+y(T)}をモータ駆動に用いる。すると、y(T)がノイズ発生過程においてz(T)となり、このz(T)が同過程においてノイズ波形から減算されると、z(T)生成波形とノイズ波形の誤差が十分小さくなる。つまり、ノイズ波形と同様の波形が生成される。また、上記のノイズ発生過程ではz(T)はノイズ波形に加算される場合,すなわち、減算器5に替えて加算器5となる場合もあるので、この際にはx_1(T)−y(T)}をモータ駆動信号とすれば良い。
尚、一般的にノイズは高調波成分からなるため、基本波成分x_1は積和ブロック4での波形生成には用いない。ただし、モータ駆動信号の生成には基本波が必要であるから、基底ベクトル生成ブロック2は駆動信号生成回路と容易一体化できる。また、本実施形態ではLMSアルゴリズムについて説明したが、基底ベクトルとしてモータ回転数の高調波を用いることが特徴であり、係数を決定する誤差最小化演算アルゴリズムはこれに限定されない。例えば、
http://www.cs.tut.fi/~tabus/course/ASP/SGN2206LectureNew5.pdf
に述べられているように、LMSから派生したsign-sign LMSやNormalized LMS等のアルゴリズムも適用可能である。
また、LMSアルゴリズムに使用するconvergence factor;ステップサイズパラメータμを2のべき乗で表現される値に設定することで、LSI内部で行う乗算算をビットシフト演算に置き換えることができ、回路規模を削減できる。
また、図2に示すように回転角測定装置9を用いることで、モータ6の回転軸8を中心とする回転方向の揺れを検出できる。回転角度Φ[rad]と回転速度ω[rad/sec]の間には
ω=dφ/dt
という関係がある。回転速度ωは、ある指示値に対し誤差なく一定であることが望ましいが、図3に示すように時間的に変動することがある。このような回転速度の変動は、振動等の原因になり望ましくないが、本実施形態を適用することで、回転速度の指示値からの変動分をキャンセルすることもできる。この場合、図4に示すように、回転角度を微分回路14に入力すれば回転速度を得ることができる。
以上のように本実施形態によれば、基底ベクトル生成ブロック2は、モータ6に出力される駆動信号の基本周波数に対する高調波の集合を、基底ベクトルx_1〜x_nとして生成し出力する。係数生成ブロック3は、モータ6の駆動時に発生するノイズを検出するノイズセンサ,例えばマイク11や加速度センサ13より得られる検出信号とステップサイズパラメータμとを用いた誤差最小化演算を行うことで、各基底ベクトルx_1〜x_nにそれぞれ対応する係数w_1〜w_nを更新しながら生成する。ここで、「モータの駆動時に発生するノイズ」は「振動」等も含むものとする。
そして、積和ブロック4が基底ベクトルx_1〜x_nと対応する係数w_1〜w_nとの積和演算を行うと、演算結果として得られた信号と駆動信号とを加算又は減算することで、モータ6の駆動時に発生するノイズをキャンセルする。すなわち、ノイズセンサより得られる検出信号は、モータ6の駆動系にノイズが含まれる結果として誤差信号となる。これに対して係数生成ブロック3が誤差最小化演算を行い係数w_1〜w_nを更新することで、前記誤差信号がゼロレベルに近付くようになり、モータ6の駆動時に発生するノイズが低減される。
したがって、事前に高精度なシミュレーションモデルを用意したり、そのモデルについて個別のノイズの変動要素等を予め考慮して変形等を加える必要が無く、モータ6の駆動時に発生するノイズをリアルタイム処理によって低減できる。また、駆動信号が正弦波状であるものに適用することで、モータ6を正弦波駆動する際に発生するノイズを低減できる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。実際に発生するノイズは同じ周波数でもその位相が回転しており、駆動信号の位相と一致するとは限らず様々な位相をとり得る。よって、ノイズ除去のために生成する波形についても任意の位相を付与できることが望ましい。
そこで、図11に示す第2実施形態のノイズキャンセル装置21では、ある一つの周波数の高調波に対する基底ベクトルについて、直交する2つの位相を持つ基底ベクトルを用意し、それらの振幅を独立に調整可能とする。これら2つの基底ベクトルの合成により、各高調波に対する基底ベクトルに任意の位相を付与することができる。
基底ベクトル生成ブロック22は、各基底ベクトルについて、それぞれ互いに位相が90°異なる2つの基底ベクトルx_1〜n_I(T)とx_1〜n_Q(T)とを積和ブロック24に出力する。係数生成ブロック23では、LMSアルゴリズムにより係数w_1〜n_I,w_1〜n_Qの更新を行い、積和ブロック24に出力する。積和ブロック24は、各基底ベクトルx_1〜n_I(T),x_1〜n_Q(T)と、それぞれに対応する係数w_1〜n_I,w_1〜n_Qとの積和演算を行い、演算結果として生成された信号を減算器5に出力する。
図12に一例を示すように、同じ周波数f2を有する2倍高調波について、互いに位相が90°異なる2つの基底ベクトルx_2_I(T)とx_2_Q(T)とがある。これらの振幅を独立して係数w_2_Iとw_2_Qとにより調整することで、その合成波形は同じ周波数f2で任意の位相となる。
尚、x_n_Iとx_n_Qともまた直交しているので、それぞれが独立した基底ベクトルとなる。したがって、上図のように基底ベクトルの数は増えるが、それ以外の回路構成は全く同じとなる。なお、基本波であるx_1_I(T),x_1_Q(T)は第1実施形態と同様にノイズ低減のためには生成しないが、モータ駆動信号のために必要であり、駆動信号生成回路と一体化することが容易である。
また、x_n_Iとx_n_Qとの位相差を90°としたが、90°の場合が最も独立性が高いためである。位相差が0°や180°で無い限り、ベクトル加算により任意の位相の信号を生成することは可能である。よって、位相差は必ずしも90°に限定するものではない。
次に、第2実施形態の効果をシミュレーションにより確認した結果を示す。シミュレーションの条件1は以下であり、図13は条件1に対応した時間波形を示している。尚、μはLMSアルゴリズムに使用されるステップサイズパラメータである。
<条件1>
駆動信号周波数:F1[Hz]
ノイズ成分周波数:3F1[Hz]
同位相:45°
同振幅:駆動信号の20%
μ:0.003
制御周期Tに対するLMSアルゴリズムの
更新周波数: F1/720[Hz]
図14に示すように、時間の経過に伴い生成波形がノイズ波形と同一の波形に収束していくことが分かる。また、図15に示す最終的に収束した係数値は、ノイズ成分周波数が3F1[Hz]であることに対応し、その成分が得られている。また、ノイズ成分の位相45°に対応するようにw_3_Iとw_3_Qとの振幅が同一になり、それらのベクトル和により45°の位相が生成されている。
<条件2>
駆動信号周波数:F1[Hz]
ノイズ成分周波数:5F1[Hz]
同位相:60°
同振幅:駆動信号の15%
μ:0.003
LMSアルゴリズムの更新周波数: F1/720[Hz]
この場合も、図17に示すように、生成波形はノイズ波形に収束していくことが分かる。また図18に示す最終的に収束した係数から、ノイズ成分と同じ5xF1[Hz]係数が大きくなり、またノイズの位相60°に対応してw_5_Iとw_5_Qとの振幅比が調整されている。
尚、ステップサイズパラメータμの値0.003に替えて2のべき乗で表現できる近似値を用いるとすれば、0.00390625又は0.001953125となる。これらの値を用いたシミュレーション結果は、μ=0.003の場合とほぼ変わらない。
以上のように第2次実施形態によれば、基底ベクトル生成ブロック22は、各基底ベクトルとして、位相が90°異なる2種類のベクトルx_1〜n_I(T)とx_1〜n_Q(T)とを生成するようにした。これら2つの直交ベクトルを合成することで、任意の位相成分を有するノイズについても抑制することができる。
(第3実施形態)
第1,第2実施形態では、各基底ベクトルの波形を正弦波としている。しかし、正弦波を生成するための回路は規模が大きくなり、また候補となる高調波全てに対し生成する必要があることから、コストを増大させる要因となる。そこで、図19及び図20に示すように、ノイズキャンセル装置31の基底ベクトル生成ブロック32において、例えばn次高調波に対応する基底ベクトルとしてx_n(T)に替えて、基本周波数が等しい矩形波r_n(T)を用いる。この場合、矩形波r_n(T)はx_n(T)以外の高調波成分も含んでいるため、n次高調波ノイズをr_n(T)で除去しても、r_n(T)の余分な例えば3n次高調波によるノイズが残る。
ところが、このr_n(T)の3n次高調波は、この周波数を基本波とするr_3n(T)の基底ベクトルによって除去される。同様に、r_3n(T)の更に高調波である9n次高調波は、r_9n(T)により除去される。以降、再帰的に高調波成分は振幅が小さく且つ高次の高調波に変換されて行き、最後は検出限界以下になるか可聴域より高い周波数となる。例えばフーリエ変換は、矩形波等を正弦波の集合として表現する技術であるが、第3実施形態は、正弦波を矩形波の集合として表す技術と言える。
このような第3実施形態によれば、回路規模が大きくなる正弦波を生成する必要が無く、+1と−1のみ、つまり1bitで表現可能な矩形波を生成すれば良く、回路規模を大幅に削減できる。第3実施形態を、第2実施形態のI,Qベクトルを加算する構成と組み合わせて実施することも容易である。
次に、第3実施形態を適用したシミュレーション結果を示す。尚、係数生成ブロックでは、sign-sign LMSアルゴリズムを用いる。
<条件2>
駆動信号周波数:F1[Hz]
ノイズ成分周波数:2F1[Hz]
同位相:15°
同振幅:駆動信号の30%
μ:0.0002
アルゴリズムの 更新周波数: F1/720[Hz]
ここで、図21に示すモータ駆動信号は、第1実施形態と同様の正弦波x_1(T)である。図19に示す基底ベクトル生成ブロック32は、矩形波の基底ベクトルr_1(T)を出力しているが、これを正弦波に変換しても良いし、予め正弦波の基底ベクトルx_1(T)を出力しても良い。
図22に示すように、基底ベクトルとして用意できる周波数には上限があるため、残留するノイズ成分は第2実施形態よりも大きいが、少なくとも2次高調波成分はほぼ正しく合成できている。基底ベクトルを用意できない周波数領域は、そもそも可聴域を超える等で問題の無い周波数であるから、残留するノイズ成分も同様に問題とはならない。また、第2実施形態と異なる特徴として、図23に破線で囲んだ部分に示すように、2次高調波以外にも6次, 10次及び14次高調波成分が見られる。これは上述したように、これらの次数の矩形波を合成することで、2次高調波の正弦波を生成した結果である。
尚、ステップサイズパラメータμの値0.0002に替えて2のべき乗で表現できる近似値を用いるとすれば、0.000244140625又は0.0001220703625となる。これらの値を用いたシミュレーション結果は、やはりμ=0.0002の場合とほぼ変わらない。
以上のように第3実施形態によれば、基底ベクトル生成ブロック32は、基底ベクトルとして、それぞれに対応する高調波を基本波とする矩形波信号r_n(1)〜r_n(T)を出力するので、回路規模をより削減できる。尚、矩形波のモータ駆動信号r_1(T)を用いてモータ6を駆動しても良い。
(第4実施形態)
例えばブラシレスDCモータでは、ロータには永久磁石が設けられており、角速度ω1で回転しているロータからは角速度ω1の回転磁界が発生する。一方、ノイズを低減するためステータのコイルに角速度ω2の高調波信号を重畳すると、コイルにより生成される磁界は角速度ω2の変調を生じる。この場合、ロータの磁界とステータの磁界との積で決まる吸引力・反発力は、例えばある方向成分では、
(回転力)∝(回転磁界)×(ステータ磁界)
∝sin(ω1・t)×sin(ω2・t+θc)
∝cos{(ω1+ω2)・t+θc}−cos{(ω1−ω2)・t−θc}
…(2)
となる。但し、θcは時刻0におけるロータとステータとの位相角度差である。
つまり、高調波ω2を注入しても角周波数ω2での回転力の変調は得られず、(ω1+ω2)又は(ω1−ω2)での変調となる周波数変換が起きる。したがって、角周波数ωnのノイズが発生している時は、高調波ωnを重畳するのでは無く、周波数変換後に角周波数ωnとなるような波形を重畳する必要がある。
尚、図24において、乗算器33により生成波形に乗じられる信号sin(ω1・t)は周波数変換を意味しており、直接それに対応する乗算器が存在するわけでは無い。この場合、センサ検出信号も、生成波形に対しsin(ω1・t)が乗じられた状態となる。一方、LMSアルゴリズムでは、センサ検出信号に生成波形とノイズ波形の誤差のみを含んでいることを前提としている。したがって、信号sin(ω1・t)が乗じられた状態のセンサ検出信号と生成波形の関係には、そのまま適用できない。そこで、センサ検出信号をsin(ω1・t)により除すことで、センサ検出信号についても生成波形との関係を元に戻すことが考えられる。
しかし、sin(ω1・t)の値域は−1〜+1の範囲であり、値が0になるとsin(ωn・t)/sin(ω1・t)は無限大に発散してしまう。また、完全に0にならないまでもその近傍では、sin(ωn・t)/sin(ω1・t)の値が非常に大きくなるので計算が困難になる。そこで第4実施形態では、センサ検出信号についても、生成波形の関係として上述の除算は用いず、図24に示すように乗算器34を用いる。
これにより、生成波形sin(ω2・t+θc)についてノイズ波形を除いて考えると、変換後のセンサ検出波形は
sin(ω2・t+θc)×sin(ω1・t)×sin(ω1・t)
=sin(ω2・t+θc)×1/2{1−cos(2・ω1・t)}
=1/2sin(ω2・t+θc)
−1/2sin(ω2・t+θc)・cos(2・ω1・t) …(3)
となる。つまり(3)式の右辺第1項は、1/2倍はされるが変換後のセンサ検出波形が生成波形と同一の周波数成分となる。したがって、従来のLMSアルゴリズムをそのまま適用できる。
また、右辺第2項は、ノイズ周波数が別の周波数に変換されることを意味しているが、前述のように、その周波数は再帰的に別の高調波を用いてキャンセルされることを繰り返し、最終的には影響の無い周波数に変換される。尚、ω1はロータ回転数に対応する角周波数であり、x_1_Iはステータへの印加信号であるが、モータが定常回転している時はx_1_Iの周波数とロータの回転周波数とは一致するので、上記の方式により所望の特性を得ることができる。
以上のように第4実施形態によれば、センサ検出信号に駆動信号sin(ω1・t)を乗算した結果を係数生成ブロック3に入力する乗算器34を備えるので、周波数変換後にノイズが除去された信号となるように、周波数変換前の印加高調波を生成できる。
(第5実施形態)
図25に示すように、第5実施形態のノイズキャンセル装置41は、第4実施形態の構成を第2実施形態のノイズキャンセル装置21に適用したもので、係数生成ブロック23の入力側で、乗算器34によりセンサ検出信号とx_1_I(T)とを乗じている。ここで、係数生成ブロック23において例えばsign-sign LMSアルゴリズムのみを用いる場合は、乗算器34の乗算結果の符号のみを用いる。したがって、x_1_I(T)を乗じることに替えて、次に説明する第6実施形態のように、矩形波の基底ベクトルr_1_I(T)を乗じても同じ結果が得られる。これにより、回路規模を削減することも可能である。
(第6実施形態)
図26に示すように、第6実施形態のノイズキャンセル装置51は、上述のように第4実施形態の構成を第2及び第3実施形態のノイズキャンセル装置に適用したものである。この場合、基底ベクトル生成ブロック22Rは、矩形波の基底ベクトルr_1〜r_nのそれぞれについて、I−Qの直交ベクトルを生成する。また、センサ検出信号に乗じるモータ駆動信号はr_1_I(T)に限定されず、x_1_I(T)でも良い。この場合でも、元々モータ駆動にx_1_I(T)は用いられており、新たに生成する訳ではないため、回路規模を増加させることはない。
図27及び図28に示すシミュレーションの条件は、以下である。
駆動信号周波数:F1[Hz]
ノイズ成分周波数:8F1[Hz]
同位相:45°
同振幅:駆動信号の20%
μ:0.001
アルゴリズムの更新周波数: F1/720[Hz]
周波数変換された後に、図27や図28(b),(d)等に示すノイズ波形に近い信号波形を得ることが目的となる。図28(b)に示すように、第6実施形態で生成した波形とモータ駆動信号との積がノイズ波形に漸近していることが分かる。第6実施形態では、図29に示すように、周波数変換された後の波形が正弦波になる必要があり、第2実施形態のように駆動信号に重畳する波形は単一の正弦波ではなく、複数の正弦波の合成によって生成される。
尚、ステップサイズパラメータμの値0.001に替えて2のべき乗で表現できる近似値を用いるとすれば、0.0009765625となる。
(第7実施形態)
下記の文献でも述べられているように、
http://toshiba.semicon-storage.com/jp/designsupport/e-learning/brushless_motor/chap3/1274521.html
一般にモータを正弦波駆動する方が、矩形波駆動よりも低振動且つ低ノイズとなるが、その代償として回路規模が増大してしまう問題がある。
しかし、本発明の技術を適用することで、振動やノイズを自動的に低減することができるため、元の駆動信号は必ずしも正弦波である必要がなくなる。たとえ矩形波駆動であっても、最終的に最も検出ノイズの小さい状態(正弦波に近いが、正弦波よりも更に検出ノイズが低い状態)に収束するようになる。したがって、大幅な回路低減を達成しつつ、低ノイズ駆動を実現できる。
上記の各実施形態では、説明を簡単にするため、ロータの回転角速度がω1の時に発生する回転磁界の角周波数もω1とした。
http://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/brushless_motor/chap2/1274507.html
でも説明されているように、通常のブラシレスDCモータでは、ロータは複数の極を有し、ステータは複数のスロットを有している。この用語やその定義はメーカ等によって異なるが、ここでは上記文献に示す4極の場合を極対数p=2とする。
極対数pの場合、ロータの回転角周波数がω1であれば回転磁界はp・ω1となる。極対数pは動作状態により変化しない固定値であり、極対数pを導入する場合は、例えば図30に示すように、第4実施形態におけるセンサ検出信号の周波数変換パラメータsin(ω1・t)をパラメータsin(p・ω1・t)に置き換えれば良い。
以上のように第7実施形態によれば、モータ駆動信号の周波数を、モータ6の極対数p倍して乗算器34に与えることで、本発明を極対数pのモータ6についても適用できる。
(第8実施形態)
上記の各実施形態では、全ての高調波成分に対応する基底ベクトルを用意することを原則とした。しかし、ブラシレスDCモータにおいて最も用いられる3相駆動の場合は、3の倍数の高調波を印加しても3相のコイルに同じ波形が印加されるので、回転力に影響が及ばないか、及んだとしてもその寄与度は非常に低くなる。
図31では、3相分のモータ駆動電圧Vu,Vv,Vwに対して、その4倍高調波成分をV4u,V4v,V4wで示している。この場合、4倍高調波V4u,V4v,V4wはそれぞれ明らかに異なる波形である一方、図32に示す3倍高調波V3u,V3v,V3wは、1つに重なっている。
一般にブラシレスDCモータには、スター結線を採用するものが多い。この場合、3倍高調波V3u,V3v,V3wとして同じ波形を与えても、中性点もその電位となるから、流れる電流には何も影響を及ぼさない。つまり、影響を及ぼさないが故に、動作としてこれらの成分が非常に大きくなる可能性がある。そこで、図33に示すノイズキャンセル装置61のように、基底ベクトル生成ブロック62において、3倍数の次数に対応する高調波を基底ベクトルから削除しておくようにすれば、残された基底ベクトルによりノイズ低減に最適な状態に制御されるようになり、好適である。
また、実際には、モータにおける3相の物理的構造が完全に対称であることはなく、その非対称性により3倍高調波の印加が必要となる場合もある。その場合には、ノイズキャンセル装置61のように対応する基底ベクトルを完全に削除しないまでも、値が非常に大きくなり過ぎて合成波の振幅が飽和しないように、3倍数の基底ベクトルの上限を設定したり、係数生成ブロック3において高次の3倍次数高調波に対応する係数値をより小さく設定したり、また他の基底ベクトルよりも変化が遅くなるようにステップサイズパラメータμの値をより小さく設定することも有効である。
以上のように第8実施形態によれば、基底ベクトル出力生成ブロック62は、モータが3相構成である際に、基本周波数に対する3倍高調波に対応する基底ベクトルの出力を停止する。したがって、ノイズキャンセル動作を行った際に、3倍次数の高調波成分が過大になることを防止できる。
また、係数生成ブロック3において、次数が3の倍数である基底ベクトルに対応する係数の上限を、その他の基底ベクトルに対応する係数よりも低く設定したり、対応するステップサイズパラメータμの値を、その他の基底ベクトルに対応する値よりもより小さく設定すること等によっても同様の効果が得られる。
本発明は上記した、又は図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変形又は拡張が可能である。
1 ノイズキャンセル装置、2 基底ベクトル生成ブロック,3 係数生成ブロック,4 積和ブロック,5 減算器。

Claims (16)

  1. モータ(6)に出力される駆動信号の基本周波数に対する高調波の集合を、基底ベクトルとして生成し出力する基底ベクトル出力部(2,22,32,62)と、
    前記モータの駆動時に発生するノイズを検出するノイズセンサ(9,11,12)より得られる検出信号とステップサイズパラメータμとを用いた誤差最小化演算を行うことで、前記基底ベクトルにそれぞれ対応する係数を更新しながら生成する係数生成部(3,23)と、
    前記基底ベクトルと各基底ベクトルに対応する係数との積和演算を行う積和演算部(4,24)とを備え、
    前記演算の結果として得られた信号を前記駆動信号に加算するか又は前記駆動信号より減算することで、前記ノイズをキャンセルするモータノイズキャンセル装置。
  2. 前記基底ベクトル出力部(32)は、前記基底ベクトルとして、それぞれに対応する高調波を基本波とする矩形波信号を出力する請求項1記載のモータノイズキャンセル装置。
  3. 前記駆動信号が正弦波状であるものに適用される請求項1又は2記載のモータノイズキャンセル装置。
  4. 前記駆動信号が矩形波であるものに適用される請求項1又は2記載のモータノイズキャンセル装置。
  5. 前記基底ベクトル出力部(22)は、各基底ベクトルとして、周波数が等しく且つ位相が異なる少なくとも2種類のベクトルを生成する請求項1から4の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  6. 前記2つのベクトルの位相差が90°である請求項5記載のモータノイズキャンセル装置。
  7. 前記検出信号に前記駆動信号を乗算した結果を、前記係数生成部に入力する乗算器(33)を備える請求項1から6の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  8. 前記駆動信号の周波数を、前記モータの極対数倍して前記乗算器に与える請求項7記載のモータノイズキャンセル装置。
  9. 前記乗算を行うに当たり、前記検出信号と前記各基底ベクトルとの少なくとも一方を符号で示すことにより簡略化する請求項7記載のモータノイズキャンセル装置。
  10. 前記基底ベクトル出力部(62)は、前記モータが3相構成である際に、前記基本周波数に対する3倍高調波に対応する基底ベクトルの出力を停止する請求項1から9の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  11. 前記係数生成部(3)は、前記モータが3相構成である際に、次数が3の倍数である基底ベクトルに対応する係数の上限を、その他の基底ベクトルに対応する係数よりも低く設定する請求項1から9の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  12. 前記係数生成部(3)は、前記モータが3相構成である際に、次数が3の倍数である基底ベクトルに対応するステップサイズパラメータμの値を、その他の基底ベクトルに対応する値よりもより小さく設定する請求項1から9の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  13. 前記ステップサイズパラメータμを、2のべき乗で表される値に設定する請求項1から12の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  14. 前記ノイズセンサがマイク(11)である請求項1から13の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  15. 前記ノイズセンサが加速度センサ(12)である請求項1から13の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
  16. 前記ノイズセンサが回転速度センサ(9)である際に、当該回転速度センサより得られる検出信号を微分する微分器(14)を備え、
    前記微分器による微分結果を前記係数生成部に入力する請求項1から13の何れか一項に記載のモータノイズキャンセル装置。
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