JP6409701B2 - 蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法に関する。
有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。そして、金属から構成される蒸着マスクの製造に用いられる金属板も大型化している。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板にスリットを精度よく形成することは困難であり、スリットの高精細化への対応はできない。また、金属のみからなる蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
このような状況下、特許文献1には、スリットが設けられた金属マスクと、金属マスクの表面に位置し蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクが提案されている。特許文献1に提案がされている蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができ、また、高精細な蒸着パターンの形成を行うことができるとされている。
また、上記特許文献1には、蒸着マスクを用いた蒸着作製時におけるシャドウの発生を抑制すべく、開口部の断面形状、或いはスリットの断面形状が蒸着源側に広がりを持つ形状であることが好ましい点について開示がされている。なお、シャドウとは、蒸着源から放出された蒸着材の一部が、金属マスクのスリットや、樹脂マスクの開口部の内壁面に衝突して蒸着対象物へ到達しないことにより、目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる未蒸着部分が生ずる現象のことをいう。さらに、上記特許文献1には、樹脂マスクの開口部における下底先端と樹脂マスクの開口部における上底先端を結ぶ直線と、樹脂マスクの表面とのなす角が5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜80°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい点について開示がされている。上記特許文献1の内容を検討すると、シャドウの発生を効果的に防止するためには、開口部の断面形状が蒸着源側に向かってより大きな広がりをもつ形状とすることが好ましいと考えられる。換言すれば、樹脂マスクの開口部における下底先端と、樹脂マスクの開口部における上底先端を結ぶ直線と、樹脂マスクの金属マスクと接しない側の面とのなす角を可能な限り小さい角度とすることが好ましいと考えられる。
ところで、開口部の断面形状を蒸着源側に向かって広がりをもつ形状とした場合であっても、樹脂マスクの厚みが厚い場合には、シャドウの発生を十分に防止することができない場合が生じうる。したがって、シャドウの発生を十分に抑制するためには、開口部の断面形状を蒸着源側に向かってより大きな広がりをもつ形状としつつも、樹脂マスクの厚みを薄くする対策を施すことが必要であると考えられる。しかしながら、この対策を行った場合には、樹脂マスクの開口部の強度が低下し、また、樹脂マスクの金属マスクと接しない側の面における開口部の寸法精度が悪化していくこととなる。また、上記樹脂マスクの開口部における下底先端と、樹脂マスクの開口部における上底先端を結ぶ直線と、樹脂マスクの表面とのなす角を小さくしていくことにともない、金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法は大きくなっていく。樹脂マスクの金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法は大きくなっていった場合には、隣接する開口部間のピッチも狭くなり、縦方向、或いは横方向に隣接する開口部間に金属マスクのスリットを構成するための金属部分を配置させる際の支障となる場合もある。
特許第5288072号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たし、かつ、開口部の強度を保ちつつも、シャドウの発生を抑制することができる蒸着マスクや、フレーム付き蒸着マスクを提供すること、及び、有機半導体素子を精度よく製造することができる有機半導体素子の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクの前記開口部を構成するための内壁面は、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点を有しており、前記厚み方向断面において、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面である第1面と前記内壁面との交点を第1交点とし、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面である第2面と前記内壁面との交点を第2交点とし、前記屈折点のうち前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、前記第1交点と前記第1屈折点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)は、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、前記内壁面は、厚み方向断面において前記第1面から前記第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴とする。
また、前記第1屈折点と前記第1交点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)が60°〜90°の範囲であり、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)が30°〜70°の範囲内であってもよい。
また、前記金属マスクには、複数のスリットが設けられ、前記樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、各前記スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられていてもよい。
また、前記金属マスクには、1つのスリットが設けられ、前記樹脂マスクには、複数の開口部が設けられ、前記複数の開口部の全ては、前記1つのスリットと重なる位置に設けられていてもよい。
また、上記の発明において、樹脂マスクの厚みが、3μm以上10μm未満であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、有機半導体素子の製造方法であって、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程において、前記フレームに固定される前記蒸着マスクが、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂マスクの前記開口部を構成するための内壁面は、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点を有しており、前記厚み方向断面において、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面である第1面と前記内壁面との交点を第1交点とし、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面である第2面と前記内壁面との交点を第2交点とし、前記屈折点のうち前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、前記第1交点と前記第1屈折点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)は、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、前記内壁面が、厚み方向断面において前記第1面から前記第2面側に向かって広がりをもつ形状を有する蒸着マスクであることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、フレームに蒸着マスクが固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂マスクの前記開口部を構成するための内壁面は、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点を有しており、前記厚み方向断面において、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接しない側の面である第1面と前記内壁面との交点を第1交点とし、前記樹脂マスクの前記金属マスクと接する側の面である第2面と前記内壁面との交点を第2交点とし、前記屈折点のうち前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、前記第1交点と前記第1屈折点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)は、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、前記内壁面は、厚み方向断面において前記第1面から前記第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクや、フレーム付き蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たし、かつ、開口部の強度を保ちつつも、シャドウの発生を抑制することができる。また、本発明の有機半導体素子の製造方法によれば、有機半導体素子を精度よく製造することができる。
一実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 図1に示す蒸着マスクのA−A部分概略断面図であり、開口部の内壁面の厚み方向断面の形状を説明するための図である。 開口部の内壁面の厚み方向断面の形状を説明するための図である。 開口部の内壁面の厚み方向断面の形状を説明するための図である。 開口部の内壁面の厚み方向断面の形状を説明するための図である。 一実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 図1に示す蒸着マスクのB−B断面の一例である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第2実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第2実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 一実施形態の蒸着マスクの製造方法を説明するための図であり、(a)〜(c)はそれぞれ断面図である。 一実施形態のフレーム付き蒸着マスクを樹脂マスク側から見た正面図である。 一実施形態のフレーム付き蒸着マスクを樹脂マスク側から見た正面図である。
<<蒸着マスク>>
以下に、本発明の一実施形態の蒸着マスク100について具体的に説明する。
本発明の一実施形態の蒸着マスク100は、図1に示すように、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスクの20一方の面上に、スリット15が設けられた金属マスク10が積層された構成をとる。以下、一実施形態の蒸着マスクにおける各構成について説明する。
(樹脂マスク)
図1に示すように、樹脂マスク20には、複数の開口部25が設けられている。図1は、一実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。そして、本発明は、図2〜図5に示すように、樹脂マスク20の開口部25を構成するための内壁面は、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点(S1)を有しており、当該厚み方向断面において、樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面である第1面と内壁面との交点を第1交点(Q1)とし、樹脂マスク20の金属マスク10と接する側の面である第2面と内壁面との交点を第2交点(Q2)とし、屈折点のうち第1交点(Q1)から第2交点(Q2)にむかって最初に位置する第1屈折点(S1)としたときに、第1交点(Q1)と第1屈折点(S1)を結ぶ直線(T1)と第1面とのなす角(θ1)は、第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、内壁面は、厚み方向断面において第1面から第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴としている。なお、図2〜図5は、図1のA−A部分概略断面図であり、開口部25の内壁面の断面形状を説明するための図である。本願明細書で言う「開口部を構成するための内壁面」とは、樹脂マスク20を厚さ方向に貫通する開口部において、当該開口部そのものを形作っている樹脂マスクの面、換言すれば、開口部内の空間に面している面のことをいう。
上記特徴を有する一実施形態の蒸着マスクによれば、開口部の強度を保ちつつも、シャドウの発生を十分に抑制することができる。以下、開口部を構成するための内壁面が、厚み方向断面において屈折点を有しない場合を例に挙げ(以下、比較の例と言う)本発明の優位性について説明する。
比較の例において、シャドウの発生を抑制するためには、各図で示される第1交点(Q1)と第2交点(Q2)とを結ぶ直線と、第1面とのなす角によって、樹脂マスクの金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法が決定される。シャドウの発生を抑制するためには、第1交点(Q1)と第2交点(Q2)とを結ぶ直線と第1面とのなす角を小さくしていくことが必要であるものの、当該角を小さくしていった場合、例えば、当該角を各図で示される(θ2)に近似する程度まで小さくしていった場合には、開口部の強度が低下し、蒸着マスクを用いた蒸着作製時において、蒸着パターン不良等の不具合を生じさせる原因となる。また、金属マスクと接しない側の樹脂マスクにおける開口部の開口寸法精度が低下する原因となる。なお、金属マスクと接しない側の樹脂マスクにおける開口部の開口寸法は、蒸着マスクを用いて蒸着作製するパターン形状に対応する。
また、比較の例において、各図で示される第1交点と第2交点を結ぶ直線と第1面とのなす角を、各図で示される(θ2)に近似する角まで小さくしていった場合には、金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法は、本発明における開口部の開口寸法よりも大きな寸法となる。開口部を横方向、或いは縦方向に規則的に配置する場合に、金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法が大きくなっていった場合には、隣接する開口部間の距離が狭くなり、隣接する開口部間に金属マスクのスリットを構成するための金属部分を配置する際の支障となる場合もある。
なお、本願明細書で言う「縦方向」、「横方向」とは、図面の上下方向、左右方向をさし、蒸着マスク、樹脂マスク、金属マスクの長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよい。例えば、蒸着マスク、樹脂マスク、金属マスクの長手方向を「縦方向」としてもよく、幅方向を「縦方向」としてもよい。また、本願明細書では、蒸着マスクを平面視したときの形状が矩形状である場合を例に挙げて説明しているが、これ以外の形状、例えば、円形状、ひし形形状等としてもよい。この場合、対角線の長手方向や、径方向、或いは、任意の方向を「長手方向」とし、この「長手方向」に直交する方向を、「幅方向(短手方向と言う場合もある)」とすればよい。
一方、本発明では、内壁面の厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点を有しており、かつ、第1交点(Q1)と第1屈折点(S1)を結ぶ直線(T1)と第1面とのなす角(θ1)>第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)の関係を満たしていることから、上記比較の例における第1交点(Q1)と第2交点(Q2)とを結ぶ直線と第1面とのなす角よりも、当該(θ1)の角度を大きくとることができ、樹脂マスクの厚みを薄くしていった場合であっても、開口部の強度を十分に満足させることができる。また、本発明によれば、比較の例において第1交点(Q1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線と第1面とのなす角を(θ2)と同じ角度とした場合に、金属マスクと接する側の樹脂マスク表面における開口部25の開口寸法は、比較の例の開口部の開口寸法よりも小さくなる。これにより、隣接する開口部間に金属マスクのスリットを構成するための金属部分を配置するときの支障とならない開口部間の距離(ピッチ)を確保しつつも、シャドウの発生を十分に抑制することができる。
一実施形態の蒸着マスクは、1つの開口部を構成するための全ての内壁面の厚み方向断面が上記特徴を有していることを必須の条件とするものではなく、1つの開口部を構成するための内壁面の少なくとも1つの内壁面が厚み方向断面において上記特徴を有していればよい。例えば、開口部25を構成するための内壁面のうち、横方向、或いは縦方向において対向する内壁面の厚み方向断面が上記特徴を有するものであってもよく、1つの開口部25を構成するための全ての内壁面の厚み方向断面が上記特徴を有するものであってもよい。例えば、本発明の蒸着マスクを用いた蒸着パターンの形成において、蒸着マスクの横方向を走査方向とするリニアソース蒸着源を用いる場合には、開口部を構成するための内壁面のうち、縦方向に対向する内壁面の厚み方向断面が上記特徴を有していることが好ましい。
また、各図に示す形態では、開口部25の開口形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、開口部25の開口形状は、ひし形、多角形状であってもよく、円や、楕円等の曲率を有する形状であってもよい。なお、矩形や、多角形状の開口形状は、円や楕円等の曲率を有する開口形状と比較して発光面積を大きくとれる点で、好ましい開口部25の開口形状であるといえる。
また、本願明細書で言う内壁面の「厚み方向断面」とは、開口部の開口形状が、矩形、或いは多角形状である場合には、当該開口部の内壁面を直交する厚み方向断面を意味し、円や、楕円等曲率を有する形状である場合には、接線に直交する厚み方向断面を意味する。
図2〜図5に示すように、内壁面は、厚み方向断面において、少なくとも1つの屈折点を有している。なお、図2で示す形態では、内壁面は厚み方向断面において1つの屈折点を有しており、図3〜図5で示す形態では、内壁面は厚み方向断面において2つ以上の屈折点を有している。
θ1>θ2の関係を満たすものであれば、θ1、θ2の具体的な角について特に限定はなく、この関係を満たす範囲内で適宜設定することができる。なお、θ1の角度が60°未満である場合には、樹脂マスクの厚みによっては開口部25の強度が低下し、また、樹脂マスクと接しない側の面における開口部の寸法精度が低下していく傾向にある。したがって、この点を考慮すると、第1屈折点と第1交点とを結ぶ直線と第1面とのなす角(θ1)は60°以上であることが好ましい。上限値について特に限定はなく、90°である。
また、上記関係を満たす場合であっても、第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)が70°を超える場合には、シャドウの発生を抑制する効果が低下していく傾向にある。したがって、この点を考慮すると、θ2は、70°以下であることが好ましい。下限値について特に限定はないが、金属マスクと接する側の面における開口部の開口寸法、及び蒸着源から放出される蒸着材の拡がりを考慮すると、30°以上であることが好ましい。
また、図3〜図5に示すように、内壁面の厚み方向断面が複数の屈折点を有する場合において、第1屈折点(S1)以外の屈折点と第2交点(Q2)とを結ぶ直線と、第2面とのなす角についていかなる限定もされることはない。例えば、図3に示す形態では、第2屈折点(S2)と第2交点(Q2) とを結ぶ直線と、第2面とのなす角は90°未満となっており、図4に示す形態では略90°となっている。また、図5では、第2屈折点(S2)と第3屈折点(S3)を結ぶ直線と第1面とのなす角は、θ1より小さく、第4屈折点(S4)と第2交点を結ぶ直線と第2面とのなす角よりも小さい角となっているが、第2屈折点(S2)と第3屈折点(S3)を結ぶ直線と第1面とのなす角は、θ1、第4屈折点(S4)と第2交点を結ぶ直線と第2面とのなす角よりも大きい角となっていてもよい。つまり、θ1、θ2以外の角についていかなる限定もされることはない。
樹脂マスク20の厚みについて特に限定はないが、シャドウの発生の抑制効果をさらに向上せしめる場合には、樹脂マスク20の厚みは、25μm以下であることが好ましく、10μm未満であることがより好ましく、8μm以下であることが特に好ましい。下限値の好ましい範囲について特に限定はないが、樹脂マスク20の厚みが3μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。特に、樹脂マスク20の厚みを、3μm以上10μm未満、より好ましくは4μm以上8μm以下とすることで、上記の開口部25を構成する内壁面の厚み方向の断面形状と相俟って、400ppiを超える高精細パターンを形成する際のシャドウの影響をより効果的に防止することができる。樹脂マスク20と後述する金属マスク10とは、直接的に接合されていてもよく、粘着剤層を介して接合されていてもよいが、粘着剤層を介して樹脂マスク20と金属マスク10とが接合される場合には、樹脂マスク20と粘着剤層との合計の厚みが上記好ましい厚みの範囲内であることが好ましい。
第1面から第1屈折点(S1)までの厚み方向(垂直方向)の距離(図2で示されるD1)について特に限定はないが、樹脂マスク全体の厚みを100としたときに、20〜80程度であることが好ましい。距離(D1)をこの範囲内とすることで、開口部25の強度を十分に満足させつつも、シャドウの発生をより効果的に抑制することができる。第1屈折点(S1)から第2面までの厚み方向の距離は、上記距離(D1)に応じて適宜設定することができる。
樹脂マスク20は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されないが、レーザー加工等によって高精細な開口部25の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。
また、樹脂マスク20の開口部25を構成する内壁面にバリア層を設けることもできる。バリア層としては、無機酸化物や無機窒化物、金属の薄膜層または蒸着層を用いることができる。無機酸化物としては、アルミニウムやケイ素、インジウム、スズ、マグネシウムの酸化物を用いることができ、金属としてはアルミニウム等を用いることができる。
なお、上記で説明した形態では、開口部25は、縦方向、及び横方向に規則的に配置されているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、開口部25が互い違いに配置された形態をとることもできる。開口部25を互い違いに配置することにより、樹脂マスク20が熱膨張した場合にあっても、各所において生じる膨張を開口部25によって吸収することができ、膨張が累積して大きな変形が生じることを防止することができる。
(金属マスク)
図7に示すように、樹脂マスク20の一方の上には、金属マスク10が積層されている。金属マスク10は、金属から構成され、縦方向或いは横方向に延びるスリット15が配置されている。スリット15は開口と同義である。スリットの配置例について特に限定はなく、図2に示すように縦方向、及び横方向に延びるスリットが、縦方向、及び横方向に複数列配置されていてもよく、縦方向に延びるスリットが、横方向に複数列配置されていてもよく、横方向に延びるスリットが縦方向に複数列配置されていてもよい。また、縦方向、或いは横方向に1列のみ配置されていてもよい。なお、図7は、図1で示される蒸着マスクのB−B断面であり、横方向に対向する内壁面の厚み方向断面が、それぞれ図2〜図5等で例示した形状を呈している。
金属マスク10の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。
金属マスク10の厚みについても特に限定はないが、シャドウの発生をより効果的に防止するためには、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、35μm以下であることが特に好ましい。なお、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる傾向にある。
また、図1に示す形態では、スリット15の開口形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、スリット15の開口形状は、台形状、円形状等いかなる形状であってもよい。
金属マスク10に形成されるスリット15の断面形状についても特に限定されることはないが、図7に示すように蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスクの面において、樹脂マスク20と接する側の面から、樹脂マスク20と接しない側の面に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。より具体的には、金属マスク10のスリット15における下底先端と、同じく金属マスク10のスリット15における上底先端とを結んだ直線と、金属マスク10の底面とのなす角度、換言すれば、金属マスク10のスリット15を構成する内壁面の厚み方向断面において、スリット15の内壁面と金属マスク10の樹脂マスク20と接する側の面(図示する形態では、金属マスクの下面)とのなす角度は、5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜80°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。
樹脂マスク上に金属マスク10を積層する方法について特に限定はなく、樹脂マスク20と金属マスク10とを各種粘着剤を用いて貼り合わせてもよく、自己粘着性を有する樹脂マスクを用いてもよい。樹脂マスク20と金属マスク10の大きさは同一であってもよく、異なる大きさであってもよい。なお、この後に任意で行われるフレームへの固定を考慮して、樹脂マスク20の大きさを金属マスク10よりも小さくし、金属マスク10の外周部分が露出された状態としておくと、金属マスク10とフレームとの固定が容易となり好ましい。
以下、より高精細な蒸着パターンの作製が可能となる蒸着マスクの形態について第1実施形態、及び第2実施形態を例に挙げ説明する。なお、本発明の蒸着マスク100は、以下で説明する形態に限定されるものではなく、スリット15が形成された金属マスク10と、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層されており、開口部25を構成するための内壁面の断面形状が上記で説明した条件を満たすものであればいかなる形態であってもよい。例えば、金属マスク10に形成されているスリット15は、ストライプ状(図示しない)であってもよい。また、1画面全体と重ならない位置に、金属マスク10のスリット15が設けられていてもよい。1画面については後述する。
<第1実施形態の蒸着マスク>
図8に示すように、本発明の第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、樹脂マスク20の一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられ、各スリット15が、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられていることを特徴とする。さらに、第1実施形態の蒸着マスク100は、樹脂マスク20の開口部25を構成するための内壁面が、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点(S1)を有しており、樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面である第1面と内壁面との交点を第1交点(Q1)とし、樹脂マスク20の金属マスク10と接する側の面である第2面と内壁面との交点を第2交点(Q2)とし、屈折点のうち第1交点(Q1)から第2交点(Q2)にむかって最初に位置する第1屈折点(S1)としたときに、第1交点(Q1)と第1屈折点(S1)を結ぶ直線(T1)と第1面とのなす角(θ1)は、第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、内壁面は、厚み方向断面において第1面から第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴としている。
第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するために用いられる蒸着マスクであり、1つの蒸着マスク100で、複数の製品に対応する蒸着パターンを同時に形成することができる。第1実施形態の蒸着マスクで言う「開口部」とは、第1実施形態の蒸着マスク100を用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、開口部25の形状は当該有機層の形状となる。また、「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体からなり、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。そして、第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成すべく、樹脂マスク20には、上記「1画面」が、所定の間隔をあけて複数画面分配置されている。すなわち、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられている。
第1実施形態の蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が設けられ、各スリットは、それぞれ少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられている点を特徴とする。換言すれば、1画面を構成するのに必要な開口部25間において、横方向に隣接する開口部25間に、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、縦方向に隣接する開口部25間に、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在していないことを特徴とする。以下、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分のことを総称して、単に金属線部分と言う場合がある。
第1実施形態の蒸着マスク100によれば、1画面を構成するのに必要な開口部25の大きさや、1画面を構成する開口部25間のピッチを狭くした場合、例えば、400ppiを超える画面の形成を行うべく、開口部25の大きさや、開口部25間のピッチを極めて微小とした場合であっても、金属線部分による干渉を防止することができ、高精細な画像の形成が可能となる。なお、1画面が、複数のスリットによって分割されている場合、換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、1画面を構成する開口部25間のピッチが狭くなっていくことにともない、開口部25間に存在する金属線部分が蒸着対象物へ蒸着パターンを形成する際の支障となり高精細な蒸着パターンの形成が困難となる。換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合は、当該金属線部分が、シャドウの発生を引き起こし高精細な画面の形成が困難となる。
次に、図8〜図11を参照して、1画面を構成する開口部25の一例について説明する。なお、図示する形態において破線で閉じられた領域が1画面となっている。図示する形態では、説明の便宜上少数の開口部25の集合体を1画面としているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、1画面に数百万画素の開口部25が存在していてもよい。
図8に示す形態では、縦方向、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。図9に示す形態では、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。また、図10に示す形態では、縦方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。そして、図8〜図10では、1画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。
上記で説明したように、スリット15は、1画面のみと重なる位置に設けられていてもよく、図11(a)、(b)に示すように、2以上の画面全体と重なる位置に設けられていてもよい。図11(a)では、図8に示す樹脂マスク10において、横方向に連続する2画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。図11(b)では、縦方向に連続する3画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。
次に、図8に示す形態を例に挙げて、1画面を構成する開口部25間のピッチ、画面間のピッチについて説明する。1画面を構成する開口部25間のピッチや、開口部25の大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。例えば、400ppiの高精細な蒸着パターンの形成を行う場合には、1画面を構成する開口部25において隣接する開口部25の横方向のピッチ(P1)、縦方向のピッチ(P2)は60μm程度となる。また、開口部の大きさは、500μm2〜1000μm2程度となる。また、1つの開口部25は、1画素に対応していることに限定されることはなく、例えば、画素配列によっては、複数画素を纏めて1つの開口部25とすることもできる。
画面間の横方向ピッチ(P3)、縦方向ピッチ(P4)についても特に限定はないが、図8に示すように、1つのスリット15が、1画面全体と重なる位置に設けられる場合には、各画面間に金属線部分が存在することとなる。したがって、各画面間の縦方向ピッチ(P4)、横方向のピッチ(P3)が、1画面内に設けられている開口部25の縦方向ピッチ(P2)、横方向ピッチ(P1)よりも小さい場合、或いは略同等である場合には、各画面間に存在している金属線部分が断線しやすくなる。したがって、この点を考慮すると、画面間のピッチ(P3、P4)は、1画面を構成する開口部25間のピッチ(P1、P2)よりも広いことが好ましい。画面間のピッチ(P3、P4)の一例としては、1mm〜100mm程度である。なお、画面間のピッチとは、1の画面と、当該1の画面と隣接する他の画面とにおいて、隣接している開口部間のピッチを意味する。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクにおける開口部25のピッチ、画面間のピッチについても同様である。
なお、図11に示すように、1つのスリット15が、2つ以上の画面全体と重なる位置に設けられる場合には、1つのスリット15内に設けられている複数の画面間には、スリットの内壁面を構成する金属線部分が存在しないこととなる。したがって、この場合、1つのスリット15と重なる位置に設けられている2つ以上の画面間のピッチは、1画面を構成する開口部25間のピッチと略同等であってもよい。
また、樹脂マスク20には、樹脂マスク20の縦方向、或いは横方向にのびる溝が形成されていてもよい。蒸着時に熱が加わった場合、樹脂マスク20が熱膨張し、これにより開口部25の寸法や位置に変化が生じる可能性があるが、溝を形成することで樹脂マスクの膨張を吸収することができ、樹脂マスクの各所で生じる熱膨張が累積することにより樹脂マスク20が全体として所定の方向に膨張して開口部25の寸法や位置が変化することを防止することができる。溝の形成位置について限定はなく、1画面を構成する開口部25間や、開口部25と重なる位置に設けられていてもよいが、縦画面間に設けられていることが好ましい。また、溝は、樹脂マスクの一方の面、例えば、金属マスクと接する側の面のみに設けられていてもよく、金属マスクと接しない側の面のみに設けられていてもよい。或いは、樹脂マスク20の両面に設けられていてもよい。
また、隣接する画面間に縦方向に延びる溝としてもよく、隣接する画面間に横方向に延びる溝を形成してもよい。さらには、これらを組み合わせた態様で溝を形成することも可能である。
溝の深さやその幅については特に限定はないが、溝の深さが深すぎる場合や、幅が広すぎる場合には、樹脂マスク20の剛性が低下する傾向にあることから、この点を考慮して設定することが必要である。また、溝の断面形状についても特に限定されることはなくU字形状やV字形状など、加工方法などを考慮して任意に選択すればよい。第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。
<第2実施形態の蒸着マスク>
次に第2実施形態の蒸着マスクについて説明する。図12に示すように、第2実施形態の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、1つのスリット(1つの貫通孔16)が設けられた金属マスク10が積層されてなり、当該複数の開口部25の全てが、金属マスク10に設けられた1つの貫通孔と重なる位置に設けられている点を特徴とする。さらに、第2実施形態の蒸着マスクにおいても、樹脂マスク20の開口部25を構成するための内壁面が、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点(S1)を有しており、樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面である第1面と内壁面との交点を第1交点(Q1)とし、樹脂マスク20の金属マスク10と接する側の面である第2面と内壁面との交点を第2交点(Q2)とし、屈折点のうち第1交点(Q1)から第2交点(Q2)にむかって最初に位置する第1屈折点(S1)としたときに、第1交点(Q1)と第1屈折点(S1)を結ぶ直線(T1)と第1面とのなす角(θ1)は、第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、内壁面は、厚み方向断面において第1面から第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴としている。
第2実施形態で言う開口部25とは、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要な開口部を意味し、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要ではない開口部は、1つの貫通孔16と重ならない位置に設けられていてもよい。なお、図12は、第2実施形態の蒸着マスクの一例を示す蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。
第2実施形態の蒸着マスク100は、複数の開口部25を有する樹脂マスク20上に、1つの貫通孔16を有する金属マスク10が設けられており、かつ、複数の開口部25の全ては、当該1つの貫通孔16と重なる位置に設けられている。この構成を有する第2実施形態の蒸着マスク100では、開口部25間に、金属マスクの厚みと同じ厚み、或いは、金属マスクの厚みより厚い金属線部分が存在していないことから、上記第1実施形態の蒸着マスクで説明したように、金属線部分による干渉を受けることなく樹脂マスク20に設けられている開口部25の寸法通りに高精細な蒸着パターンを形成することが可能となる。
また、第2実施形態の蒸着マスクによれば、金属マスク10の厚みを厚くしていった場合であっても、シャドウの影響を殆ど受けることがないことから、金属マスク10の厚みを、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができるまで厚くすることができ、高精細な蒸着パターンの形成を可能としつつも、耐久性や、ハンドリング性を向上させることができる。
(樹脂マスク)
第2実施形態の蒸着マスクにおける樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図12に示すように、1つの貫通孔16と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられている。開口部25は、蒸着作製するパターンに対応しており、蒸着源から放出された蒸着材が開口部25を通過することで、蒸着対象物には、開口部25に対応する蒸着パターンが形成される。なお、図示する形態では、開口部が縦横に複数列配置された例を挙げて説明をしているが、縦方向、或いは横方向にのみ配置されていてもよい。
第2実施形態の蒸着マスク100は、1画面に対応する蒸着パターンの形成に用いられるものであってもよく、2以上の画面に対応する蒸着パターンの同時形成に用いられるものであってもよい。第2実施形態の蒸着マスクにおける「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体を意味し、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。第2実施形態の蒸着マスクは、「1画面」のみからなるものであってもよく、当該「1画面」が複数画面分配置されたものであってもよいが、「1画面」が複数画面分配置される場合には、画面単位毎に所定の間隔をあけて開口部25が設けられていることが好ましい(第1実施形態の図11参照)。「1画面」の形態について特に限定はなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、数百万個の開口部25によって1画面を構成することもできる。
(金属マスク)
第2実施形態の蒸着マスク100における金属マスク10は、金属から構成され1つの貫通孔16を有している。そして、本発明では、当該1つの貫通孔16は、金属マスク10の正面からみたときに、全ての開口部25と重なる位置、換言すれば、樹脂マスク20に配置された全ての開口部25がみえる位置に配置されている。
金属マスク10を構成する金属部分、すなわち1つの貫通孔16以外の部分は、図12に示すように蒸着マスク100の外縁に沿って設けられていてもよく、図13に示すように金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも小さくし、樹脂マスク20の外周部分を露出させてもよい。また、金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも大きくして、金属部分の一部を、樹脂マスクの横方向外方、或いは縦方向外方に突出させてもよい。なお、いずれの場合であっても、1つの貫通孔16の大きさは、樹脂マスク20の大きさよりも小さく構成されている。
図12に示される金属マスク10の1つの貫通孔の壁面をなす金属部分の横方向の幅(W1)や、縦方向の幅(W2)について特に限定はないが、W1、W2の幅が狭くなっていくに従い、耐久性や、ハンドリング性が低下していく傾向にある。したがって、W1、W2は、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができる幅とすることが好ましい。金属マスク10の厚みに応じて適切な幅を適宜設定することができるが、好ましい幅の一例としては、第1実施形態の金属マスクと同様、W1、W2ともに1mm〜100mm程度である。
(蒸着マスクの製造方法)
次に、本発明の一実施形態の蒸着マスクの製造方法の一例を説明する。
本発明の一実施形態の蒸着マスクは、図14(a)に示すように、樹脂板30の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10が積層された樹脂板付き金属マスク50を準備し、次いで、図14(b)に示すように、樹脂板付き金属マスク50に対し、金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射して、図14(c)に示すように、樹脂板30に蒸着作製するパターンに対応する開口部25を形成することで得ることができる。
樹脂板付き金属マスク50の形成方法としては、樹脂板30の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10を積層する。樹脂板30は、上記樹脂マスク20で説明した材料を用いることができる。
スリット15が設けられた金属マスク10の形成方法としては、金属板の表面にマスキング部材、例えば、レジスト材を塗工し、所定の箇所を露光し、現像することで、最終的にスリット15が形成される位置を残したレジストパターンを形成する。マスキング部材として用いるレジスト材としては処理性が良く、所望の解像性があるものが好ましい。次いで、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして用いてエッチング法によりエッチング加工する。エッチングが終了後、レジストパターンを洗浄除去する。これにより、スリット15が設けられた金属マスク10が得られる。スリット15を形成するためのエッチングは、金属板の片面側から行ってもよく、両面から行ってもよい。また、金属板に樹脂板が設けられた積層体を用いて、金属板にスリット15を形成する場合には、金属板の樹脂板と接しない側の表面にマスキング部材を塗工して、片面側からのエッチングによってスリット15が形成される。なお、樹脂板が、金属板のエッチング材に対し耐エッチング性を有する場合には、樹脂板の表面をマスキングする必要はないが、樹脂板が、金属板のエッチング材に対する耐性を有しない場合には、樹脂板の表面にマスキング部材を塗工しておく必要がある。また、上記では、マスキング部材としてレジスト材を中心に説明を行ったが、レジスト材を塗工する代わりにドライフィルムレジストをラミネートし、同様のパターニングを行ってもよい。
上記の方法において、樹脂板付金属マスク50を構成する樹脂板30は、板状の樹脂のみならず、コーティングによって形成された樹脂層や樹脂膜であってもよい。つまり、樹脂板は、予め準備されたものであってもよく、金属板と樹脂板30とを用いて樹脂板付き金属マスク50を形成する場合には、金属板上に、従来公知のコーティング法等によって、最終的に樹脂マスクとなる樹脂層、或いは樹脂膜を形成することもできる。
開口部25の形成方法としては、上記で準備された樹脂板付き金属マスク50に対し、レーザー加工法、精密プレス加工、フォトリソ加工等を用いて、樹脂板を貫通させ、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応する開口部25を形成することで、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスク20の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10が積層された、本発明の一実施形態の蒸着マスク100を得る。なお、高精細な開口部25を容易に形成することができる点からは、開口部25の形成には、レーザー加工法を用いることが好ましい。上記で説明した開口部の内壁面の厚み方向断面形状とする方法についても特に限定はなく、多段階のレーザー加工や、フォトリソ加工法を用いて適宜形成することができる。例えば、フォトリソ加工法においては、多段階のエッチング加工時におけるエッチング材、エッチングレート、エッチング時間等を適宜設定することで、開口部の厚み方向断面にサイドエッチングを生じせしめ、開口部の厚み方向断面における上記(θ1)、(θ2)を所定の角度の範囲内とすることもできる。また、レーザー加工と、フォトリソ加工を併用して内壁面の厚み方向断面形状が上記で説明した形状となる開口部を形成することもできる。
また、上記開口部25の形成は、樹脂板付き金属マスク50をフレームに固定した後に行うことが好ましい。この開口部25の形成方法によれば、フレームに固定された状態の樹脂板付き金属マスクに対して、後から上記特徴の開口部25を設けているので、開口部25の位置座標精度を格段に向上せしめることができる。なお、完成した蒸着マスク100をフレームに固定する場合には、開口が決定された金属マスクをフレームに対して引っ張りながら固定するために、開口部25の位置座標精度は低下することとなる。フレームについては後述する。
(有機半導体素子の製造方法)
次に、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法について説明する。本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により蒸着パターンを形成する工程を有し、当該有機半導体素子を形成する工程において以下のフレーム付き蒸着マスクが用いられる点に特徴を有する。フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法についていかなる限定もされることはなく、例えば、反応性スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、熱CVD、プラズマCVD、光CVD法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)等を挙げることができる。
フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により蒸着パターンを形成する工程を有する一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、基板上に電極を形成する電極形成工程、有機層形成工程、対向電極形成工程、封止層形成工程等を有し、各任意の工程においてフレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により基板上に蒸着パターンが形成される。例えば、有機ELデバイスのR,G,B各色の発光層形成工程に、フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法をそれぞれ適用する場合には、基板上に各色発光層の蒸着パターンが形成される。なお、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、これらの工程に限定されるものではなく、蒸着法を用いる従来公知の有機半導体素子の任意の工程に適用可能である。
本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、上記蒸着パターンを形成する工程において、フレームに固定される前記蒸着マスクが、上記で説明した本発明の一実施形態の蒸着マスクであることを特徴とする。
フレーム付き蒸着マスクを構成する蒸着マスクについては、上記で説明した本発明の一実施形態の蒸着マスク100をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。上記で説明した本発明の一実施形態の蒸着マスクによれば、高精細なパターンを有する有機半導体素子を形成することができる。本発明の製造方法で製造される有機半導体素子としては、例えば、有機EL素子の有機層、発光層や、カソード電極等を挙げることができる。特に、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、高精細なパターン精度が要求される有機EL素子のR、G、B発光層の製造に好適に用いることができる。
有機半導体素子の製造に用いられるフレーム付き蒸着マスクは、フレームに、上記で説明した本発明の一実施形態の蒸着マスクが固定されているとの条件を満たすものであればよく、その他の条件について特に限定されることはない。例えば、図15に示すように、フレーム60に、1つの蒸着マスク100が固定されてなるフレーム付き蒸着マスク200を用いてもよく、図16に示すように、フレーム60に、複数の蒸着マスク(図示する形態では4つの蒸着マスク)が縦方向、或いは横方向に並べて固定(図示する形態では横方向に並べて固定)されたフレーム付き蒸着マスク200を用いてもよい。
フレーム60は、略矩形形状の枠部材であり、最終的に固定される蒸着マスク100の樹脂マスク20に設けられた開口部25を蒸着源側に露出させるための開口を有する。フレームの材料について特に限定はなく、蒸着マスクを支持することができる部材であればよく、例えば、金属フレーム、セラミックフレーム等を使用することができる。中でも、金属フレームは、蒸着マスクの金属マスクとの溶接が容易であり、変形等の影響が小さい点で好ましい。金属フレームの材料としては、剛性が大きい金属材料、例えば、SUSや、インバー材などが好適である。
フレームの厚みについても特に限定はないが、剛性等の点から10mm〜30mm程度であることが好ましい。フレームの開口の内周端面と、フレームの外周端面間の幅は、当該フレームと、蒸着マスクの金属マスクとを固定することができる幅であれば特に限定はなく、例えば、10mm〜70mm程度の幅を例示することができる。
また、蒸着マスク100を構成する樹脂マスク20の開口部25の露出を妨げない範囲で、フレームの開口に補強フレーム65等が存在していてもよい。換言すれば、フレーム60が有する開口が、補強フレーム等によって分割された構成を有していてもよい。図15、図16に示す形態では、横方向に延びる補強フレーム65が縦方向に複数配置されているが、この補強フレーム65にかえて、或いは、これとともに縦方向に延びる補強フレームが横方向に複数列配置されていてもよい。補強フレーム65が配置されたフレーム60を用いることで、当該フレーム60に、上記で説明した各種の実施形態の蒸着マスク100を縦方向、及び横方向に複数並べて固定するときに、当該補強フレームと蒸着マスクが重なる位置においても、金属フレーム60に蒸着マスクを固定することができる。
フレーム60と、本発明の一実施形態の蒸着マスク100との固定方法についても特に限定はなく、レーザー光によるスポット溶接、接着剤、ねじ止め等を用いて固定することができる。
<フレーム付き蒸着マスク>
次に、本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスクについて説明する。本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスク200は、図15、図16に示すように、フレーム60に蒸着マスク100が固定されてなり、フレームに固定される蒸着マスク100が、上記で説明した蒸着マスク100であることを特徴としている。つまりは、フレーム60に固定される蒸着マスクとして、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、開口部25と重なるスリット15が設けられた金属マスク10が積層され、さらに、樹脂マスク20の開口部25を構成するための内壁面が、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点(S1)を有しており、当該厚み方向断面において、樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面である第1面と内壁面との交点を第1交点(Q1)とし、樹脂マスク20の金属マスク10と接する側の面である第2面と内壁面との交点を第2交点(Q2)とし、屈折点のうち第1交点(Q1)から第2交点(Q2)にむかって最初に位置する第1屈折点(S1)としたときに、第1交点(Q1)と第1屈折点(S1)を結ぶ直線(T1)と第1面とのなす角(θ1)は、第1屈折点(S1)と第2交点(Q2)を結ぶ直線(T2)と第2面とのなす角(θ2)よりも大きく、内壁面は、厚み方向断面において第1面から第2面側に向かって広がりをもつ形状であることを特徴としている。
フレーム付き蒸着マスク200は、上記有機半導体素子の製造方法で説明したフレーム付き蒸着マスクをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
一実施形態のフレーム付き蒸着マスク200によれば、開口部の強度を保ちつつも、シャドウの発生を十分に抑制することができ、蒸着対象物に高精細な蒸着パターンを作製することができる。
200…フレーム付き蒸着マスク
100…蒸着マスク
10…金属マスク
15…スリット
16…貫通孔
20…樹脂マスク
25…開口部
30…樹脂板
50…樹脂板付き金属マスク
60…フレーム

Claims (27)

  1. 開口部を有する樹脂マスクを含む蒸着マスクの製造方法であって、
    樹脂板を準備する工程と、
    前記樹脂板にレーザーを照射して前記開口部を形成する工程と、を含み、
    前記開口部を形成する工程においては、
    樹脂板の一方の面を第1面、他方の面を第2面とした場合において、
    前記開口部を構成するための内壁面が、厚み方向断面において少なくとも1つの屈折点を有しており、
    前記厚み方向断面において、前記第1面と前記内壁面の交点を第1交点とし、前記第2面と前記内壁面との交点を第2交点とし、前記屈折点のうち前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、
    前記第1交点と前記第1屈折点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)が、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)よりも大きくなり、且つ、前記内壁面が、厚み方向断面において前記第1面から前記第2面側に向かって広がりをもつ形状となるように、
    前記開口部を形成する、蒸着マスクの製造方法。
  2. 前記開口部を形成する工程において、
    前記第1交点から第1屈折点までの距離が、前記第1屈折点から第2交点までの距離よりも短くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  3. 前記開口部を形成する工程において、
    前記屈折点が2つ以上存在し、前記屈折点のうち、前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点とし、前記第1屈折点の次に位置する屈折点を第2屈折点としたときに、
    前記第1交点から第1屈折点までの距離が、前記第1屈折点から第2屈折点までの距離よりも長くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  4. 前記開口部を形成する工程において、
    前記屈折点が2つ以上存在し、前記屈折点のうち、前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点とし、前記第1屈折点の次に位置する屈折点を第2屈折点としたときに、
    前記第1交点から第1屈折点までの距離が、前記第1屈折点から第2屈折点までの距離よりも短くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  5. 前記開口部を形成する工程において、
    前記屈折点が4つ以上存在し、前記屈折点のうち、前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、
    前記第1交点から第1屈折点までの厚み方向の距離が、前記第1屈折点から第2交点までの厚み方向の距離よりも短くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  6. 前記開口部を形成する工程において、
    前記屈折点が2つ以上存在し、前記屈折点のうち、前記第1交点から第2交点にむかって最初に位置する屈折点を第1屈折点としたときに、
    前記第1屈折点以外の屈折点が、前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線よりも第1面側に位置するように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  7. 前記開口部を形成する工程において、
    前記第2交点から前記第1面へ垂線をひいたときに、
    前記第1交点から前記垂線と前記第一面との交点までの距離が、前記第2交点から前記垂線と前記第一面との交点までの距離よりも短くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  8. 前記開口部を形成する工程において、
    前記第2交点から前記第1面へ垂線をひいたときに、
    前記第1交点から前記垂線と前記第一面との交点までの距離が、前記第2交点から前記垂線と前記第一面との交点までの距離よりも長くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  9. 前記開口部を形成する工程において、
    前記第1屈折点と前記第1交点を結ぶ直線と前記第1面とのなす角(θ1)が60°〜90°の範囲内となるように、前記開口部を形成する、
    請求項1乃至8の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  10. 前記開口部を形成する工程において、
    前記第1屈折点と前記第2交点を結ぶ直線と前記第2面とのなす角(θ2)が30°〜70°の範囲内となるように、前記開口部を形成する、
    請求項1乃至9の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  11. 前記樹脂板として、第2面側に金属部分が設けられた樹脂板を用いる、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  12. 前記樹脂板として、コーティングにより形成された樹脂板を用いる、
    請求項1乃至11の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  13. 前記樹脂板として、フレームに樹脂板が固定されたフレーム付き樹脂板を用いる、
    請求項1乃至12の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  14. 前記開口部を形成する工程の後に、
    フレームに、前記開口部が形成された樹脂板を固定する工程をさらに含む、
    請求項1乃至12の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  15. 前記開口部を形成する工程において、
    複数の前記開口部を形成する、
    請求項1乃至14の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  16. 前記開口部を形成する工程において、
    複数の前記開口部が、縦方向、及び横方向の両方に並ぶように形成する、
    請求項15に記載の蒸着マスクの製造方法。
  17. 前記開口部を形成する工程において、
    複数の前記開口部が、縦方向、及び横方向の何れか一方にのみに並ぶように形成する、
    請求項15に記載の蒸着マスクの製造方法。
  18. 前記開口部を形成する工程において、
    複数の前記開口部が、縦方向に並んで複数列あり、隣り合う列同士の開口部が、互いに縦方向にずれて配置されるように、又は、横方向に並んで複数行あり、隣り合う行同士の開口部が、互いに横方向にずれて配置されるように、複数の前記開口部を形成する、
    請求項15に記載の蒸着マスクの製造方法。
  19. 前記開口部を形成する工程において、
    1画面分の蒸着パターンを形成するために必要な、前記開口部を形成する、
    請求項1乃至18の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  20. 前記開口部を形成する工程において、
    複数の画面分の蒸着パターンを形成するために必要な、前記開口部を形成する、
    請求項1乃至18の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  21. 前記開口部を形成する工程において、
    1画面分の蒸着パターンを形成するために必要な開口部と、他の1画面分の蒸着パターンを形成するために必要な開口部との間の距離のうちその距離が最も短くなるものを画面間の距離としたときに、前記画面間の距離が、1画面分の蒸着パターンを形成するために必要な開口部において隣接する各開口部間の距離よりも長くなるように、前記開口部を形成する、
    請求項20に記載の蒸着マスクの製造方法。
  22. 前記開口部を形成する工程において、
    前記画面間の距離が、1mm以上で100mm以下の範囲となるように、前記開口部を形成する、
    請求項21に記載の蒸着マスクの製造方法。
  23. 前記樹脂板として、溝が形成された樹脂板を用いる、
    請求項1乃至22の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  24. 前記樹脂板として、厚みが4μm以上で8μm以下の樹脂板を用いる、
    請求項1乃至23の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  25. 前記開口部を形成する工程において、
    前記開口部の大きさが、500μm 2 以上で1000μm 2 以下の範囲となるように、前記開口部を形成する、
    請求項1乃至24の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  26. 蒸着で作製されるパターンの形成方法であって、
    請求項1乃至25の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法で製造された蒸着マスクを用いる、
    パターンの形成方法。
  27. 有機半導体素子の製造方法であって、
    請求項1乃至25の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法で製造された蒸着マスクを用いる、
    有機半導体素子の製造方法。
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