JP6409613B2 - 情報処理装置,マルチパス制御方法及びマルチパス制御プログラム - Google Patents
情報処理装置,マルチパス制御方法及びマルチパス制御プログラム Download PDFInfo
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Description
また近年では、マルチパス接続において最適なパス選択となるようTPGS(Target Port Group Support)を用いたマルチパス管理が知られている。
図7及び図8はTPGSを用いた従来のパス管理方法を説明するための図である。
ストレージ装置は、REPORT TARGET PORT GROUPコマンドを受信すると、論理ボリュームを担当するコントローラ(CM:Controller Module)に備えられているホストポートを推奨(Optimized)パスとすることで、ストレージ装置にとって適切なパス情報を報告する。
ホスト装置からコントローラAに対してREPORT TARGET PORT GROUPコマンドが発行されると、コントローラAは自身が備えるポートについて、アクセスステート(Access state)として“Active/Optimized”を応答する。
また、近年では、記憶領域や管理費用を削減するために、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)技術にシンプロビジョニング(Thin Provisioning)機能を加えたストレージ装置が採用されている。シンプロビジョニング機能とは、ストレージシステムにおいて、物理ボリューム容量以上の容量をサーバに見せる技術であって、サーバ等の上位装置から見えるボリューム容量を仮想化する機能である。
図8に示す例においては、シンプロビジョニングボリュームである論理ボリュームVA2について示しており、その物理領域がコントローラAに接続された物理ボリュームAとコントローラBに接続された物理ボリュームBとに分散されている。すなわち、論理ボリュームVA2を構成する物理領域の一部がコントローラAに接続された物理ボリュームAに存在し(符号b1参照)、また、他の一部がコントローラBに接続された物理ボリュームBに存在している(符号b2参照)。
図8に示す例においては、コントローラBからコントローラAに対して、物理ボリュームBの物理ブロックb2のデータの移動が生じる。以下、このようなコントローラ間でデータの移動を行なうことをクロスアクセスという。
そこで、このようなクロスアクセスによる性能低下を防止するための手法として、リファラル(Referrals)仕様が知られている。
図9はリファラル仕様を説明するための図である。
ストレージ装置は、受信したREPORT REFERRLASコマンドに対して、ブロック(チャンク)単位での推奨パス情報を応答する。なお、チャンクとは、複数ブロックをまとめたものでブロック管理の制御単位となる。
ホスト装置においては、REPORT REFERRALSコマンドを発行することによって取得した「チャンク単位のパス管理情報」を、そのメモリ上にパス情報キャッシュとして記憶しておく。
パス情報キャッシュで使用できるメモリサイズ以上にストレージ側がチャンク分割されている場合には、ストレージの全てのチャンク情報をパス情報キャッシュに置くことができず、パス情報キャッシュにおいて古いものや使用頻度の低いものから上書きされる。
具体的には、パス情報キャッシュから削除されたチャンクへIOを発行する際には、ホスト装置のマルチパスドライバにおいて以下の(i)〜(iv)の処理が行なわれる。
(ii)パス情報キャッシュにチャンクが存在しないため、ストレージにREPORT REFERRALSコマンドを発行
(iii)REPORT REFERRALSコマンドに対してストレージから応答された情報からパスを選択
(iv)IO発行
このように、パス情報キャッシュから削除されたチャンクへIOを発行する際には、特に上記(ii),(iii)の処理が実行されることにより、REPORT REFERRALSコマンドを発行することでIO発行に時間を要することになる。
1つの側面では、本発明は、ストレージ装置に対するデータアクセス命令を効率的に処理することを目的とする。
図1は実施形態の一例としてのストレージシステム1の機能構成を示す図、図2はそのハードウェア構成を示す図である。
実施形態の一例としてのストレージシステム1は、図2に示すように、ホスト装置(情報処理装置)2に、複数のパス(経路)4を介して複数(図1に示す例では2つ)のストレージ装置3が通信可能に接続されている。
ストレージ装置3は、それぞれ、ホスト装置2に対して記憶領域を提供するものであり、例えば、RAID装置である。
ストレージ装置3は、物理ボリュームを用いて仮想的なボリュームである論理ボリュームを構築し、この論理ボリュームを記憶領域としてホスト装置2に提供する。
ドライブエンクロージャ110は、1以上(図2に示す例では2つ)の記憶装置(物理ディスク)111を搭載可能であり、これらの記憶装置111の記憶領域(物理ボリューム,実ボリューム)を、ストレージ装置3に対して提供する。
ドライブエンクロージャ110は、CM100aのデバイスアダプタ(Device Adapter:DA)103,103とCM100bのDA103,103とそれぞれ接続されている。そして、ドライブエンクロージャ110には、CM100a,100bのいずれからもアクセスして、データの書き込みや読み出しを行なうことができる。すなわち、ドライブエンクロージャ110の記憶装置111に対して、CM100a,100bのそれぞれを接続することにより、記憶装置へのアクセス経路が冗長化されている。
CM100a,100bはチャネルアダプタ(Channel Adapter:CA)104を介して、それぞれホスト装置2に接続される。そして、これらのCM100a,100bは、ホスト装置3から送信されるリード/ライト等のIOコマンドを受信し、DA103等を介して記憶装置111の制御を行なう。又、CM100a,100bは、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express) 等の図示しないインタフェースを介して相互に接続されている。このインタフェースを介してCM100aとCM100bと間で通信が行なわれることでクロスアクセスが行なわれる。
CA104は、ホスト装置2等から送信されたデータを受信したり、CM100から出力するデータをホスト装置2等に送信する。すなわち、CA104は、ホスト装置2等の外部装置との間でのデータの入出力(IO)を制御する。CA104は、ホスト装置2と通信可能に接続するネットワークアダプタであり、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェース等である。
また、CA104は、例えば、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)インタフェースやFC(Fibre Channel)インタフェースであってもよく、種々変形して実施することができる。
CM100は、このDA103を介して、記憶装置111に対するデータの書き込みや読み出しを行なう。又、図2に示す例においては、CM100a,100bのそれぞれに2つのDA103,103がそなえられている。そして、CM100a,100bのそれぞれにおいて、各DA103にドライブエンクロージャ110が接続されている。
メモリ102はROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)及び不揮発性メモリを含む記憶メモリである。メモリ102のROMには、ストレージ制御に係るソフトウェアプログラムやこのプログラム用のデータ類が書き込まれている。メモリ102上のソフトウェアプログラムは、CPU101に適宜読み込まれて実行される。又、メモリ102のRAMは、一次記憶メモリあるいはワーキングメモリとして利用される。
例えば、CPU101は、RAIDの実現やホスト装置2からのホストIOに応じた記憶装置111へのアクセス制御等、既知のディスクRAIDコントローラとしての種々の機能を実現する。
そして、CM100のCPU101が、制御プログラムを実行することにより、これらの情報応答部121,リポートリファラル応答処理部122及びボリューム制御部123として機能する。
ボリューム制御部123は、ストレージ装置3にそなえられる記憶装置(物理ディスク)111をストレージプールとして管理する。すなわち、記憶装置111の記憶領域(物理領域)は共有のディスクプールとして管理され、論理ボリュームに書き込まれたデータ量に応じて割り当てられる。これにより、使用されない物理ディスクの無駄をなくし、効率的な運用が可能となる。
論理ボリュームは、ホスト装置2からのアクセス対象となる仮想的な記憶部であり、シンプロビジョニング型のボリュームである。なお、論理ボリュームは、ホスト装置2に対して1つであっても良いし、2つ以上であっても良い。
なお、ボリューム制御部10によるホスト装置2に対するシンプロビジョニング機能を用いた仮想ボリュームの提供手法は、既知の種々の手法で実現することができ、その説明は省略する。
(a)第1の応答情報として、情報応答部121は、当該ストレージ装置3に備えられたCM100aとCM100bとの間に生じるクロスアクセスにおいて生じる遅延時間についての情報を送信する。具体的には、情報応答部121は、単位IOサイズ(例えば512KB)あたりの遅延時間を、遅延基準値としてホスト装置2に送信する。以下、この遅延基準値をクロスアクセス遅延情報131という。
(b)第2の応答情報として、情報応答部121は、ホスト装置2からリポートリファラルが発行された場合において、ホスト装置2においてREPORT REFERRALSコマンドが発行されてから、その応答がホスト装置2に到達するまでに要する時間(予測値)をリポートリファラル応答予測時間132としてホスト装置2に送信する
このリポートリファラル応答予測時間132は、実績から知ることができ、試験等を行なうことにより求められる。また、リポートリファラル応答時間132は、例えば、工場出荷時にメモリ102の不揮発性メモリに記録される。
なお、このREPORT REFERRALSコマンドに応答して推奨パス情報を応答する手法は既知であり、その説明は省略する。また、以下、REPORT REFERRALSコマンドを発行することを単にリポートリファラルを発行するという。また、REPORT REFERRALSコマンドに応答することを、単にリポートリファラルに応答するという。
ホスト装置2は、接続されたストレージ装置3が提供する論理ボリュームにデータの書き込みや読み出しを行なう情報処理装置である。例えば、ホスト装置2はストレージ装置3が提供する論理ボリュームに対してリードやライトのデータアクセス要求を行なう。
ホスト装置2は、図2に示すように、CPU10,メモリ20及び複数のホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)21をそなえる。
メモリ20はROM,RAM及び不揮発性メモリを含む記憶メモリである。メモリ20のROMには、ホスト装置2としての各種機能を実現するためのソフトウェアプログラムやこのプログラム用のデータ類が書き込まれている。本ストレージシステム1においては、後述するマルチパス管理機能を実現するためのソフトウェアプログラムであるマルチパスドライバ(マルチパス制御プログラム)5がメモリ20のROMに格納されている。
メモリ20上のソフトウェアプログラムは、CPU10に適宜読み込まれて実行される。又、メモリ20のRAMは、一次記憶メモリあるいはワーキングメモリとして利用される。
CPU10は、種々の制御や演算を行なう処理装置である。CPU10は、メモリ20等に格納されたOSやプログラムを実行することにより、ホスト装置2としての種々の機能を実現する。
また、ホスト装置2は、例えば、サーバ機能をそなえた情報処理装置であり、ストレージ装置3との間において、NAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)のコマンドを送受信する。このホスト装置2は、例えば、ストレージ装置3に対してNASにおけるリード/ライト等のディスクアクセスコマンドを送信することにより、ストレージ装置3が提供する論理ボリュームにデータの書き込みや読み出しを行なう。
そして、ホスト装置2のCPUが、マルチパスドライバ5を実行することにより、これらのパス管理部11,情報取得部12,リポートリファラル判断部13,リポートリファラル発行部14及びIO処理部15として機能する。
図3は実施形態の一例としてのストレージシステム1の管理情報203を例示する図である。
この図3に示す管理情報203は、リポートリファラル対応フラグ,クロスアクセス遅延時間及びリポートリファラル応答時間を管理する。なお、図3中においては、便宜上、管理情報203をテーブル状に示している。また、管理情報203に記録する情報はこれらに限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。例えば、管理情報203には、装置情報、パス情報、LUN情報等を管理してもよい。
情報取得部12は、この確認の結果を、管理情報203においてリポートリファラル対応フラグに対応付けて記録する。例えば、ストレージ装置3がリポートリファラルに対応している場合には“1”を、またリポートリファラルに対応していない場合には“0”を記録する。
この情報取得要求として、クロスアクセス遅延情報131及びリポートリファラル応答予測時間132の送信をストレージ装置3の情報応答部121に指示するコマンドを新たに作成してもよい。以下、このコマンドを特殊inquiryコマンドという場合がある。
情報取得部12は、受信したリポートリファラル応答予測時間132を、管理情報203においてリポートリファラル応答時間に対応付けて記録する。
さらに、情報取得部12は、ストレージ装置3から取得したクロスアクセス遅延情報131に基づき、CM100aとCM100bとの間におけるCM間通信(コントローラ間通信)を用いてデータ通信を行なう場合、すなわち、クロスアクセスを行なう場合の遅延時間の予測値を算出する。以下、このクロスアクセスを行なう場合の遅延時間の予測値をクロスアクセス遅延時間という。
そこで、情報取得部12は、以下の式(1)を用いて、クロスアクセス遅延時間を算出する。
クロスアクセス遅延時間=(IOサイズ/単位IOサイズ)×遅延基準値×クロスアクセス発生確率 ・・・(1)
ここで、IOサイズはIO処理対象のデータサイズである。また、クロスアクセス発生確率は、クロスアクセスが発生する確率を表す値であり、以下の式(2)により表される。
図4は実施形態の一例としてのストレージシステム1におけるクロスアクセス発生確率を説明するための図である。
図4に示す例においては、ホスト装置2に4つのCM100a〜100dが接続されており、ホスト装置2とCM100aとが2本のパス4で接続されている。また、ホスト装置2とCM100b〜100dのそれぞれとは1本のパス4で接続されている。この場合において、CM100aが担当する論理ボリュームにIOを発行する場合には、ホスト装置から見える全パス数は“5”であり、非担当CMにつながっているパス数は“3”である。
また、例えば、クロスアクセス遅延情報131が、「512KBのIOサイズでの遅延時間が10msである」ことを示す場合に、単位IOサイズが512KBであり、遅延基準値が10msである。
なお、クロスアクセスによる遅延時間は、ストレージ装置3の性能や構成、IOサイズ等に依存する。
クロスアクセス遅延時間=(1MB÷512KB)×10ms×3/5
=(1048÷512)×20×3/5
≒12ms
なお、このクロスアクセス遅延時間が、複数のCM100間におけるCM間通信を用いるデータ通信(クロスアクセス)による遅延時間の予測値である、遅延予測時間に相当する。
クロスアクセス発生確率を考慮しない場合に、仮にクロスアクセスで10msの遅延が発生し、また、リポートリファラルの取得には8ms要する場合には、リポートリファラルを発行した方が短時間でIO処理を実行できる。
なお、上述した情報取得部12が情報取得要求(特殊inquiryコマンド)をストレージ装置3に対して発行する手法においては、ストレージ装置3に、受信した特殊inquiryコマンドに対してクロスアクセス遅延情報131及びリポートリファラル応答予測時間132を応答する機能が備えられている必要がある。
(i)情報取得部12は、IO処理部15にホスト装置2に接続されている全パス4を介して、それぞれ所定の論理ボリュームの固定サイズ(例えば512KB)のリード要求を発行させる。
例えば、パス“0”におけるストレージ装置3からの応答がリードIO発行後20msであり、パス“1”におけるストレージ装置3からの応答がリードIO発行後10msであった場合には、応答時間の差は、パス“0”とパス“1”との間で20-10=10msとなる。
(iii)情報取得部12は、上記(ii)の後のタイミング、または、上位アプリケーション等から初回のIO要求を受信したタイミングで、リポートリファラル発行部14にリポートリファラルを発行させる。
リポートリファラル判断部13は、ホスト装置2に対してリポートリファラルを発行するか否かを判断する。
リポートリファラル応答予測時間132がクロスアクセス遅延時間よりも小さい場合には、リポートリファラルを発行してストレージ装置3から推奨パスの応答を受信するまでに要する時間の方が、クロスアクセスにより遅延する時間の期待値よりも短い。すなわち、リポートリファラルを発行した方が短時間でIO処理を完了できることを意味する。そこで、この場合には、リポートリファラル判断部13は、リポートリファラルを発行すると判断する。
このリポートリファラル発行部14は、上述したリポートリファラル判断部13がリポートリファラルを発行すると判断した場合に、リポートリファラルを発行する。
また、リポートリファラル判断部13がリポートリファラルを発行しないと判断した場合には、リポートリファラル発行部14によるリポートリファラルの発行は抑止される。すなわち、上述したリポートリファラル判断部13はリポートリファラルの発行を抑止する抑止制御部としての機能も備える。
上述したリポートリファラル発行部14が発行したリポートリファラルに対して、ストレージ装置3のリポートリファラル応答処理部122から推奨パス4が応答されると、この推奨パス4がパス管理部11に担当パス4として記憶される。
後述するIO処理部15がストレージ装置3に対してIOコマンド等を発行すると、パス管理部11は、IO処理対象のチャンクや論理ボリュームについてパス管理情報201を参照する。そして、このパス管理情報201に推奨パス4が記憶されている場合(キャッシュヒット)には、パス管理部11は、ホスト装置2に接続された複数のパス4の中から、このパス管理情報201に記憶されているパス4を担当パス4として選択する。以下、パス管理情報201をパス情報キャッシュ201という場合がある。
IO処理部15は、パス管理部11によって選択されたパス4を用いてIOコマンドを発行する。
なお、このIO処理部15によるストレージ装置3に対するIO処理は既知の手法により実現でき、その説明は省略する。
上述の如く構成された実施形態の一例としてのストレージシステム1のシステム起動時におけるマルチパスドライバ5の処理を、図5(a),(b)に示すフローチャートに従って説明する。なお、図5(a)はストレージ装置3の処理を示すフローチャート(ステップB1〜B4)、図5(b)はホスト装置2のマルチパスドライバ5の処理を示すフローチャート(ステップA1〜A8)である。
ホスト装置2において、情報取得部12が、ストレージ装置3にInquiryコマンドを発行する(ステップA2)。
ストレージ装置3において、情報応答部121が、受信したInquiryコマンドに対して、リポートリファラルに対応していることを応答する(ステップB1)。
ステップA4において、情報取得部12は、ストレージ装置3に対して、特殊inquiryコマンドを発行する。
ストレージ装置3においては、情報応答部121が、自装置(ストレージ装置3)が特殊inquiryコマンドに対応しているか否かを確認する(ステップB2)。ストレージ装置3が特殊inquiryコマンドに対応していない場合には(ステップB2のNOルート参照)、情報応答部121はエラーを応答し(ステップB3)、処理を終了する。
ホスト装置2においては、ストレージ装置3からエラーが応答されたかを確認する(ステップA5)。
そこで、情報取得部12は、ステップA6において、ホスト装置2に接続されている全パス4を介して所定の論理ボリュームの固定サイズ(例えば512KB)のリード要求を発行する。また、情報取得部12は、発行したリード要求に対する各ストレージ装置3からの応答を受信し、各パス4において受信した応答時間の差を、メモリ102において管理情報203に、クロスアクセス遅延時間として記録する。
また、ステップA5における確認の結果、エラー応答を受信しなかった場合には(ステップA5のNOルート参照)、ストレージ装置3が特殊inquiryコマンドに対応する機能を備えている。
また、情報取得部12は、ストレージ装置3から受信したリポートリファラル応答予測時間132を、メモリ102において管理情報203に、リポートリファラル応答時間132クロスアクセス遅延時間として記録する。その後、処理を終了する。
なお、図6(a)はストレージ装置3の処理を示すフローチャート(ステップB11)、図6(b)はホスト装置2のマルチパスドライバ5の処理を示すフローチャート(ステップA11〜A20)である。
パス情報キャッシュ201においてキャッシュヒットしたか否かを確認する(ステップA13)。キャッシュヒットした場合には(ステップA13のYESルート参照)、パス管理部11は、パス情報キャッシュ201に記録されている担当パス4を選択し、IO処理部15はこの選択された担当パス4を介してIOコマンド等を送信し、処理を終了する。
ステップA14において、ホスト装置2の情報取得部12は、処理対象のIOサイズと、単位IOサイズあたりの遅延時間であるクロスアクセス遅延情報131とに基づき、前述した式(1)を用いてクロスアクセス遅延時間を算出する。
比較の結果、リポートリファラル応答予測時間がクロスアクセス遅延時間よりも小さい場合には(ステップA15のYESルート参照)、リポートリファラル判断部13は、リポートリファラルを発行すると判断する。
ストレージ装置3においては、リポートリファラル応答処理部122が、リポートリファラルに応答して、ブロック(チャンク)単位での推奨パス4を応答する(ステップB11)。
これにより、ホスト装置2においては、パス管理部11が、例えば、予めデフォルトとして設定された所定のパス4を担当パス4として選択し、IO処理部15はこの選択された担当パス4を介してIOコマンドを発行する(ステップA16)。
ストレージ装置3においては、リポートリファラル応答処理部122が、このリポートリファラルに応答して、ブロック(チャンク)単位での推奨パス4を応答する(ステップB11)。
(C)効果
このように、実施形態の一例としてのストレージシステム1によれば、ホスト装置2からのIO発行時に、クロスアクセス遅延時間とリポートリファラル応答予測時間とを比較することで、ホスト装置2に対してリポートリファラルを発行するか否かを判断する。
これにより、リポートリファラルを発行することにより生じる遅延を排除し、効率的にIO処理を行なうことができる。
シンプロビジョニング機能を備えるストレージ装置3において、シンプロビジョニングボリュームは、一般的に構成時や変更時に担当CM100を意識することなく容易な構成が可能なことを重視するため、クロスアクセスは一般的に発生する。このようなシンプロビジョニング機能を備えるストレージ装置3において、チャンク毎に最適な手法でIO処理を行なうことができる。
開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態において、ストレージシステム1に備えられるストレージ装置3やストレージ装置3の数は、適宜変更して実施することができる。また、ストレージ装置3において備えられるCM100の数も、1つもしくは3つ以上備えてもよく適宜変更して実施することができる。
また、上述した開示により本実施形態を当業者によって実施・製造することが可能である。
(付記1)
ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続される情報処理装置であって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する推奨パス確認部と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する比較部と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する抑止制御部と
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
前記推奨パス確認部が、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間未満の場合に前記推奨パス問い合わせを発行する
ことを特徴とする、付記1記載の情報処理装置。
(付記3)
前記遅延予測時間を算出する基礎となる遅延基準値を取得し、前記遅延基準値に基づき、前記遅延予測時間を算出する第1の算出部を備える
ことを特徴とする、付記1又は2記載の情報処理装置。
前記ストレージ装置から前記遅延基準値及び前記応答予測時間を取得する取得部を備える
ことを特徴とする、付記3記載の情報処理装置。
(付記5)
前記ストレージ装置に対して前記複数のパスのそれぞれからデータアクセス命令を発行し、前記複数のパスのそれぞれにおける前記データアクセス命令に対する応答時間を測定し、前記応答時間の差に基づいて、前記遅延予測時間を算出する第2の算出部を備える
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記抑止制御部により前記推奨パス問い合わせの発行が抑止された場合において、前記ストレージ装置に対して前記データアクセス命令を発行した後に、前記推奨パス確認部が前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行し、前記ストレージ装置から当該推奨パス問い合わせに対して応答される推奨パス情報をパス情報キャッシュに格納する
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続される情報処理装置において、前記複数のパスを制御するマルチパス制御方法であって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する処理と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する処理と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する処理と
を備えることを特徴とする、マルチパス制御方法。
前記応答予測時間が前記遅延予測時間未満の場合に前記推奨パス問い合わせを発行する
処理を備えることを特徴とする、付記7記載のマルチパス制御方法。
(付記9)
前記遅延予測時間を算出する基礎となる遅延基準値を取得し、前記遅延基準値に基づき、前記遅延予測時間を算出する処理
を備えることを特徴とする、付記7又は8記載の情マルチパス制御方法。
前記ストレージ装置から前記遅延基準値及び前記応答予測時間を取得する処理
を備えることを特徴とする、付記9記載のマルチパス制御方法。
(付記11)
前記ストレージ装置に対して前記複数のパスのそれぞれからデータアクセス命令を発行し、前記複数のパスのそれぞれにおける前記データアクセス命令に対する応答時間を測定し、前記応答時間の差に基づいて、前記遅延予測時間を算出する処理
を備えることを特徴とする、付記7〜10のいずれか1項に記載のマルチパス制御方法。
前記推奨パス問い合わせの発行が抑止された場合において、前記ストレージ装置に対して前記データアクセス命令を発行した後に、前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行し、前記ストレージ装置から当該推奨パス問い合わせに対して応答される推奨パス情報をパス情報キャッシュに格納する処理
を備えることを特徴とする、付記7〜11のいずれか1項に記載のマルチパス制御方法。
ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続されるコンピュータに、前記複数のパスを制御するマルチパス制御機能を実行させるプログラムであって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する処理と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する処理と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、マルチパス制御プログラム。
前記応答予測時間が前記遅延予測時間未満の場合に前記推奨パス問い合わせを発行する
処理を
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記13記載のマルチパス制御プログラム。
前記遅延予測時間を算出する基礎となる遅延基準値を取得し、前記遅延基準値に基づき、前記遅延予測時間を算出する処理
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記13又は14記載のマルチパス制御プログラム。
前記ストレージ装置から前記遅延基準値及び前記応答予測時間を取得する処理
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記15記載のマルチパス制御プログラム。
(付記17)
前記ストレージ装置に対して前記複数のパスのそれぞれからデータアクセス命令を発行し、前記複数のパスのそれぞれにおける前記データアクセス命令に対する応答時間を測定し、前記応答時間の差に基づいて、前記遅延予測時間を算出する処理
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記13〜16のいずれか1項に記載のマルチパス制御プログラム。
前記推奨パス問い合わせの発行が抑止された場合において、前記ストレージ装置に対して前記データアクセス命令を発行した後に、前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行し、前記ストレージ装置から当該推奨パス問い合わせに対して応答される推奨パス情報をパス情報キャッシュに格納する処理
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記13〜17のいずれか1項に記載のマルチパス制御プログラム。
2 ホスト装置(情報処理装置)
10 CPU
5 マルチパスドライバ
11 パス管理部
12 情報取得部(比較部)
13 リポートリファラル判断部(抑止制御部)
14 リポートリファラル発行部(推奨パス確認部)
15 IO処理部
20 メモリ
201 パス管理情報
202 クロスアクセス遅延時間
203 管理情報
21 ホストバスアダプタ
3 ストレージ装置
100 CM
101 CPU
121 情報応答部
122 リポートリファラル応答処理部
123 ボリューム制御部
102 メモリ
131 クロスアクセ遅延情報
132 リポートリファラル応答時間
103 デバイスアダプタ(DA)
104 チャネルアダプタ(CA)
110 ディスクエンクロージャ
111 記憶装置
4 パス
Claims (8)
- ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続される情報処理装置であって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する推奨パス確認部と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する比較部と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する抑止制御部と
を備えることを特徴とする、情報処理装置。 - 前記推奨パス確認部が、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間未満の場合に前記推奨パス問い合わせを発行する
ことを特徴とする、請求項1記載の情報処理装置。 - 前記遅延予測時間を算出する基礎となる遅延基準値を取得し、前記遅延基準値に基づき、前記遅延予測時間を算出する第1の算出部を備える
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の情報処理装置。 - 前記ストレージ装置から前記遅延基準値及び前記応答予測時間を取得する取得部を備える
ことを特徴とする、請求項3記載の情報処理装置。 - 前記ストレージ装置に対して前記複数のパスのそれぞれからデータアクセス命令を発行し、前記複数のパスのそれぞれにおける前記データアクセス命令に対する応答時間を測定し、前記応答時間の差に基づいて、前記遅延予測時間を算出する第2の算出部を備える
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記抑止制御部により前記推奨パス問い合わせの発行が抑止された場合において、前記ストレージ装置に対して前記データアクセス命令を発行した後に、前記推奨パス確認部が前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行し、前記ストレージ装置から当該推奨パス問い合わせに対して応答される推奨パス情報をパス情報キャッシュに格納する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続される情報処理装置において、前記複数のパスを制御するマルチパス制御方法であって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する処理と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する処理と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する処理と
を備えることを特徴とする、マルチパス制御方法。 - ストレージ装置に備えられた複数のコントローラと複数のパスを介して接続されるコンピュータに、前記複数のパスを制御するマルチパス制御機能を実行させるプログラムであって、
前記ストレージ装置に対して推奨パス問い合わせを発行する処理と、
前記ストレージ装置に対して発行するデータアクセス命令に関して、前記複数のコントローラ間におけるコントローラ間通信を用いるデータ通信による遅延時間の予測値である遅延予測時間と、前記ストレージ装置に対して前記推奨パス問い合わせを発行する場合の応答時間の予測値である応答予測時間とを比較する処理と、
前記応答予測時間が前記遅延予測時間以上の場合に、前記推奨パス問い合わせの発行を抑止する処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、マルチパス制御プログラム。
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