JP6407876B2 - 神経変性疾患を処置する方法および組成物 - Google Patents

神経変性疾患を処置する方法および組成物 Download PDF

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Description

<相互参照>
本出願は、2012年11月21日に出願された米国特許出願第61/729,295号の利益を主張し、該文献は全体として引用されることで本明細書に組み込まれる。
神経変性は、ニューロンの死を含む、ニューロンの構造または機能の進行性の損失を表す包括的な用語である。パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病を含む多くの神経変性疾患は、神経変性過程の結果生じる。神経変性は、分子から全身に至る多種多様なレベルの神経回路で見られる。
アルツハイマー病(AD)は、大脳皮質と特定の皮質下領域のニューロンとシナプスの喪失を特徴とする。ADの個体は、ノルエピネフリンを提供する青斑核細胞の70%の喪失を示す。ノルエピネフリンは、その神経伝達物質の役割に加えて、新皮質と海馬中のニューロン、グリア細胞、および血管のまわりの微小環境における内在性の抗炎症剤として「静脈瘤様腫脹(varicosities)」から局所的に拡散する。ノルエピネフリンはマウスのミクログリアを刺激してサイトカインのβ−アミロイド(Aβ)誘発産生とAβのその食作用を抑制することが分かっている。世界中で約1800万人がADにかかっていると推測される。
1つの態様において、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグを被験体に投与する工程を含む、神経変性疾患を処置するまたはそのリスクを低減するための方法が本明細書で提供され、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチル、または(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
別の態様において、被験体のβ−アミロイドによって誘発された疾患を処置するための方法が本明細書で提供され、該方法は、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグを、これを必要とする高血糖に由来する疾患にかかっている被験体に投与する工程を含み、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NRまたは硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチル、または(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、ORまたはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
別の態様において、被験体のアルツハイマー病を処置するための方法が本明細書で提供され、該方法は、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグを、これを必要としている高血糖に由来する疾患にかかっている被験体に投与する工程を含み、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチルまたは(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
<参照による組み込み>
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および、特許出願は、各々の出版物、特許、または、特許出願が、特異的にかつ個別に参照することによって組み込まれると意図されるのと同じ程度まで、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴および利点は、本発明の原則が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによってより良く理解されるであろう。
典型的な化合物1で処置されたPC12細胞の生存率を示す。細胞は10%の血清(A)または血清のない(B)条件下で培養され、2日間、指示された通り様々な濃度の化合物1で処置された。細胞の生存率は細胞計測キット(Cell Counting Kit)−8(CCK−8)を用いて検出した。エラーバーは、2つの独立した実験からの平均±SEMを表す。 典型的な化合物1で処置されたPC12細胞の生存率を示す。細胞は10%の血清(A)または血清のない(B)条件下で培養され、2日間、指示された通り様々な濃度の化合物1で処置された。細胞の生存率は細胞計測キット(Cell Counting Kit)−8(CCK−8)を用いて検出した。エラーバーは、2つの独立した実験からの平均±SEMを表す。 実例となるβ−アミロイドによって誘発された細胞の生存率における化合物1のような典型的なシクロヘキセノン化合物の例証となる有効な結果を示している。PC12細胞は、10%の血清(A)(B)または血清のない(C)(D)条件下で培養され、24時間、指示されたように、化合物1(A)(C)またはβ−アミロイド(B)(D)で前処理された。細胞の生存率はCCK−8を用いて検出した。エラーバーは、3つの独立した実験からの平均±SEMを表す。* 指示されたP<0.05、** P<0.01、および、*** Aβで処置された対照と比較してP<0.001.
神経変性の過程はあまりよく理解されていないため、それに由来する疾患には依然として治療法が存在しない。複数の実験的な治療薬が臨床試験段階にある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物を被験体(例えば、ヒト)に投与することによって、神経変性疾患の処置のための方法が本明細書で提供される。シクロヘキセノン化合物は、神経変性疾患の治療を受けている被験体に治療効果を与える(実施例1−5を参照)。シクロヘキセノン化合物は、いくつかの実施形態において、天然物の抽出物から得られ、合併症および/または副作用が少ない。いくつかの実施形態では、本発明は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、卒中症候群、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患を処置するために、または、そのリスクを低減するために、典型的なシクロヘキセノン化合物(例えば、化合物1)の治療上・予防的な潜在能力を提供する。
本明細書で使用されるような用語「神経変性疾患(または障害)」は、ニューロンの完全性が脅かされる哺乳動物における異常を指す。神経細胞が生存率の低下を示すとき、または、ニューロンがもはや信号を伝播できないときに、ニューロンの完全性が脅かされ得る。神経変性過程の例としては、卒中症候群、クモ膜下出血、脳機能不全後脳外科手術、低酸素症、低血糖症、脳または脊柱の障害、薬物またはガスの中毒、化学療法の投与、アルコールなどによる神経系の障害が挙げられ、神経変性疾患の例としては、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、重症筋無力症、HIV関連の脳炎、頚部脊水椎症、多発性硬化症、ダウン症候群、および、ハンチントン舞踏病が挙げられる。これらの疾患を治す鍵となるのは、アポトーシスを含む神経細胞の死を制御することである。本発明のシクロヘキセノン化合物は、神経変性疾患で苦しむ人やこうした疾患にかかりやすいと考えられる患者に全身投与されることもある。
原発性の神経培養物またはニューロンのような細胞株からなる細胞モデルは、神経細胞死を研究し、特定の化合物の神経保護特性を試験するために、一般に使用される。細胞モデルは容易に入手可能であり、ニューロンの死に関与するシグナル伝達経路を解剖して調節することができる。ニューロン中のシグナル伝達を研究することが比較的難しいことから、モデルシステムとして褐色細胞腫PC12細胞を用いてニューロトロフィンのシグナル伝達が主に研究されてきた。この細胞株は、神経細胞の生存、分化、および細胞死の機構を研究するのに役立つことが分かった。例えば、こうした機構は2つの共通の神経伝達物質:ドーパミンとノルエピネフリンを合成し、保存し、放出する。PC12細胞は、ニューロンがまさにそうするであるように、カリウムイオン、アセチルコリン、またはニコチンに応じてこれらの神経伝達物質を放出する。さらに、PC12細胞は2つの成長パターンを示す。PC12細胞は未分化細胞として育てられると、約24−48時間ごとに***する。次に、PC12細胞は神経成長因子(NGF)に晒されると、異なる成長パターンを示す。まず、PC12細胞は細胞***を止める。その後、平らに広がり、神経突起として知られる長い突起を成長させる。神経突起は、神経細胞のシナプスに似て、成長して近隣の細胞に密接することが多い。神経成長因子が取り除かれると、PC12細胞はほぼ球形の形状に戻り、細胞***を再開する(Greene et al., (1999) Methodologies for the Culture and Experimental Use of the PC12 Rat Pheochromocytoma Cell Line. In: Culturing Nerve Cells G. Banker, K.Goslin eds., MIT Press, Cambridge, MA pp161−187)。NGFの使用停止は同様に、生体内と生体外の両方で交感神経性のニューロンの死を引き起こす。
NGFによって誘発されたPC12の神経モデルについて典型的な化合物1の濃度を最適化するために、滴定実験を行ってPC12内での化合物1のIC50値を測定した。典型的な本発明の化合物1のIC50値は、細胞生存率アッセイによってそれぞれ57.98μg/ml(10%の血清補足培地中で)、および、13.39μg/ml(無血清培養)であると測定される(図1)。
本発明のシクロヘキセノン化合物(すなわち化合物1)の予防的な潜在能力を評価するために、NGFによって誘発されたPC12細胞を、異なる濃度の化合物1(10%の血清補足培地中の25および50μg/ml;無血清培地中の0.3および3μg/ml)で前処理され、その後、細胞生存率を決定する前に10μMのβ−アミロイド(Aβ)に暴露した。細胞の生存率の結果は、血清培養または無血清培養条件下のいずれかで、Aβに誘発されたニューロンの損傷から細胞を防ぐ(細胞の危険を減らす)際に、典型的な化合物1が著しい影響を及ぼすことを示している(図2のAおよびC)。同様の実験を行って化合物1の治療効果を評価した。PC12細胞を、血清培地と無血清培地で別々に24時間、10μMのAβで別々にまず前処理し、次に、細胞の生存率を決定する前に、様々な濃度の化合物1に暴露した。結果は、低用量の化合物1を用いた処置が、Aβによって誘発された損傷を劇的に抑制し、細胞の生存率を改善することを示す(図2のBおよびD)。
明白に、化合物1のような典型的なシクロヘキセノン化合物は、NGFによって誘発されたPC12のニューロンモデルにおいて治療上・予防的な有効性を示す。したがって、化合物1のように本明細書で提供される本発明のシクロヘキセノン化合物は、ADのような神経変性疾患を予防するまたは処置するのに役立つ。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグを、被験体に投与する工程を含む、神経変性疾患を処置するまたはそのリスクを低減するための方法が本明細書で提供され、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチル、または(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
いくつかの実施形態では、方法は、被験体のβ−アミロイドによって誘発されたニューロンの損傷を抑制する。いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、卒中症候群、および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選ばれる。特定の実施形態では、神経変性疾患はアルツハイマー病である。いくつかの実施形態では、シクロヘキセノン化合物は、被験体のβ−アミロイドによって誘発されたニューロンの損傷を抑制する。いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。実施例2−5を参照する。
いくつかの実施形態では、以下の構造を有するシクロヘキセノン化合物が、任意の適切な出発物質から合成的にまたは半合成的に調製される。
他の実施形態では、シクロヘキセノン化合物は、発酵などによって調製される。例えば、化合物1(アントロキノノール(Antroquinonol)(商標)または「Antroq」としても知られている)、あるいは、例によっては化合物3は、4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−6−メチルシクロヘキサ−2,5−ジエノンから調製される。非限定的な代表的な化合物が以下に例証される。
他の実施形態では、以下の構造を有するシクロヘキセノン化合物は、Antrodia camphorateの有機溶媒抽出物から分離される。
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、アルカン(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化アルカン(例えば、クロロメタン、クロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなど)などから選択される。例えば、代表的な化合物1−7は、有機溶媒抽出物から分離される。特定の実施形態において、有機溶媒はアルコールである。特定の実施形態において、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、シクロヘキセノン化合物は、Antrodia camphorateの水性抽出物から分離される。
いくつかの実施形態では、Rは水素、C(=O)C、C(=O)C、または、C(=O)CHである。いくつかの実施形態において、Rは、水素またはメチルである。特定の実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、または、ヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、NH、NHCH、N(CH、OCH、OC、C(=O)CH、C(=O)C、C(=O)OCH、C(=O)OC、C(=O)NHCH、C(=O)NHC、C(=O)NH、OC(=O)CH、OC(=O)C、OC(=O)OCH、OC(=O)OC、OC(=O)NHCH、OC(=O)NHC、または、OC(=O)NHである。いくつかの実施形態では、Rは、CC(CHOH、CC(CHOCH、CHCOOH、CCOOH、CHOH、COH、CHPh、CPh、CHCH=C(CH)(CHO)、CHCH=C(CH)(C(=O)CH)、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、および、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基と随意に置換される。特定の実施形態では、RはCHCH=C(CHである。特定の実施形態において、化合物は
である。
いくつかの実施形態において、被験体のβ−アミロイドによって誘発された疾患を処置するための方法が本明細書で提供され、該方法は、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグを、これを必要とする高血糖に由来する疾患にかかっている被験体に投与する工程を含み、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチルまたは(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
いくつかの実施形態では、β−アミロイドによって誘発された疾患はアルツハイマー病またはダウン症候群である。特定の実施形態では、被験体はヒトである。
<特定の薬学および医学用語>
特に明記しない限り、明細書と請求項を含む本出願で用いられている以下の用語は、下記の定義を備える。明細書および添付の請求項内で用いられる通り、単数形「a」、「an」および「the」は、その文脈が他に明確に指示していない限り、複数の指示対象を含む。特に指示がない限り、質量分析、NMR、HPCL、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、および薬理学の従来の方法が使用される。本出願において、「または」、あるいは「および」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。本明細書で使用された段落の表題は、組織化する目的だけのためで、記載された主題を制限すると解釈されるものではない。
「アルキル」基は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、飽和アルキル基(それが任意の炭素炭素二重結合または炭素炭素三重結合を包含しないことを意味する)であってもよく、あるいは、アルキル基は、不飽和のアルキル基(それが少なくとも1つの炭素炭素二重結合または炭素炭素三重結合を包含することを意味する)であってもよい。アルキル部分は、飽和であろうと不飽和であろうと、分岐鎖または直鎖であってもよい。
「アルキル」基は1〜12の炭素原子を有してもよい(これは本明細書で現れる場合はいつでも、「1〜12」などの数の範囲は指定された範囲のそれぞれの整数を指し、例えば、「1〜12の炭素原子」は、アルキル基が1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、最大で12の炭素原子を有することもあるということを意味するが、本定義は数の範囲が指定されない場合に用語「アルキル」が出てくることも含んでいる)。本明細書に記載されている化合物のアルキル基は、「C−Cアルキル」または同様の表示で指定されることもある。ほんの一例として、「C−Cアルキル」は、アルキル鎖に1、2、3、4、5、6、7、または、8個の炭素原子が存在するということを示す。1つの態様において、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、および、t−ブチルからなる基から選択される。典型的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、第三ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどが挙げられる。1つの態様において、アルキルはC−Cアルキルである。
「アルキレン」との用語は二価アルキルラジカルを指す。上記の言及された一価アルキル基のいくつかは、アルキルから第2の水素原子を除去したアルキレンであってもよい。1つの態様において、アルキレンはC−C12アルキレンである。別の態様において、アルキレンはC−Cアルキレンである。典型的なアルキレン基としては、限定されないが、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、−CHC(CH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−などが挙げられる。
本明細書で使用されているように、用語「アリール」は、環を形成する原子の各々が炭素原子である芳香環を指す。アリール環は、5、6、7、8、9、または9より多い炭素原子によって形成される。アリール基は随意に置換される。1つの態様において、アリールはフェニルまたはナフタレニルである。1つの態様において、アリールはフェニルである。1つの態様において、アリールはC−C10アリールである。構造によって、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アリーレン基)となり得る。1つの態様において、アリーレンはC−C10アリーレンである。典型的なアリーレンとしては、限定されないが、フェニル−1,2−エン、フェニル−1,3−エン、および、フェニル−1,4−エンが挙げられる。
用語「芳香族」は、4n+2π電子を含む(nは整数)、非局在化したπ−電子系を有する平面環を指す。芳香環は、5、6、7、8、9、10、または10より多い原子から形成され得る。芳香族は随意に置換される。用語「芳香族」は、炭素環式アリール(「アリール」、例えばフェニル)および複素環式アリール(または「ヘテロアリール」あるいは「芳香族複素環」)基(例えばピリジン)の両方を含む。この用語は、単環式または融合多環式(すなわち、近接する対の炭素原子を共有する環)基を含む。
用語「ハロ」または代替的に「ハロゲン」または「ハロゲン化物」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、または、ヨードを意味する。
用語「ラクトン」は、同じ分子内のアルコール基−OHとカルボン酸基−COOHの縮合生成物と見なすことができる環状エステルを指す。これは、他の酸素に隣接する炭素の1つにケトン基=Oを含む、2つ以上の炭素原子と1つの酸素原子からなる閉じた環を特徴とする。
用語「複素環」または「複素環式」は、環に1〜4個のヘテロ原子を含む複素芳香環(ヘテロアリールとしても知られている)、および、ヘテロシクロアルキル環(ヘテロ脂環式基)を指し、環内の各々のヘテロ原子は、O、S、およびNから選択され、各々のヘテロ脂環式基は、任意の環が2つの隣接するOまたはS原子を含まないという条件で、環系に4〜10個までの原子を有する。非芳香族複素環式基(ヘテロシクロアルキルとしても知られる)は、その環系内にほんの3個の原子しか備えていない基を含むが、芳香族複素環式基は少なくとも5個の原子をその環系内に備えなければならない。複素環式基は、ベンゾ融合した環系を含む。3員複素環式基の例はアジリジニルである。4員複素環式基の例はアゼチジニルである。5員複素環式基の例は、チアゾリルである。6員複素環式基の例は、ピリジルであり、10員複素環式基の例は、キノリニルである。非芳香族複素環式基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル、及びキノリジニルである。芳香族複素環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。前述の基は、それらが可能な場合にC−付加またはN−付加であることがある。例えば、ピロール由来の基は、ピロール−1−イル(N−付加)またはピロール−3−イル(C−付加)であることがある。さらに、イミダゾル由来の基は、イミダゾル−1−イルまたはイミダゾル−3−イル(両方ともN−付加)、またはイミダゾル−2−イル、イミダゾル−4−イル、またはイミダゾル−5−イル(全てC−付加)であることがある。複素環式基は、ベンゾ融合した環系を含む。非芳香族複素環は、ピロリジン−2−オンなどの1つまたは2つのオキソ(=O)部分で置換されることもある。
本明細書で使用されるような用語「アルケニル」は、2−10の炭素を含み、2つの水素を除去することによって形成された少なくとも1つの炭素炭素二重結合を包含する、直鎖、分枝鎖、または、環状の(この場合、「シクロアルケニル」としても知られている)炭化水素を意味する。いくつかの実施形態では、構造次第で、アルケニル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルケニレン基)である。いくつかの実施形態では、アルケニル基は随意に置換される。アルケニルの実例となる例としては、限定されないが、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、および、3−セセニル(cecenyl)が挙げられる。
本明細書に使用されるような用語「アルキニル」は、2−10の炭素を含み、4つの水素を除去することによって形成された少なくとも1つの炭素炭素三重結合を包含する、直鎖、分枝鎖、または、環状の(この場合、「シクロアルケニル」としても知られている)炭化水素を意味する。いくつかの実施形態において、構造によっては、アルキニル基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルキニレン基)である。いくつかの実施形態では、アルキニル基は随意に置換される。アルキニルの代表的な例としては、限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルなどが挙げられる。
本明細書で使用されるような用語「アルコキシ」は、酸素原子によって親の分子部分に付加する、本明細書で定義されるようなアルキル基を意味する。アルコキシの代表的な例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、および、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書で使用されるような用語「シクロアルキル」は、炭素と水素のみを包含する単環式または多環式のラジカルを意味しており、飽和、一部不飽和、完全不飽和なこうしたラジカルを含んでいる。シクロアルキル基は、3〜10の環原子を有する基を含む。環式の代表的な例は、以下の部分を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、構造次第で、シクロアルキルは、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、シクロアルキレン)である。
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、および、「ハロアルコキシ」は、少なくとも1つの水素がハロゲン原子と取り替えられた、アルキル、アルケニル、アルキニル、および、アルコキシルの構造を含んでいる。2つ以上の水素原子がハロゲン原子に置き換えられる特定の実施形態では、ハロゲン原子は、互いにすべて同じである。2つ以上の水素原子がハロゲン原子に置き換えられる他の実施形態では、ハロゲン原子は、互いにすべてが同じではない。「フルオロアルキル」、「フルオロアルコキシ」という用語は、ハロがフッ素である、ハロアルキルとハロアルコキシの基をそれぞれ含んでいる。特定の実施形態では、ハロアルキルは随意に置換される。
本明細書で使用されるような用語「グルコシル」は、D−またはL型グルコシル基を含んでおり、グルコシル基はグルコース環上の任意のヒドロキシル基によって付けられる。
本明細書で使用されるような製剤、組成物、または、成分に関する「許容可能な」との用語は、処置されている被験体の一般的な健康に対して持続的な悪影響がないことを意味する。
AntrodiaはMeripilaceae科の菌類の属である。Antrodia種は、一般に水平に位置する、または、成長表面で広がる子実体を有しており、子実層は外部に晒されており、端は狭いブラケットを形成するために丸く削られてもよい。ほとんどの種は温暖な北の森林で見られ、褐色腐れを引き起こす。
用語「担体」は、本明細書で使用されるように、細胞または組織へ化合物を組み込むのを促進する、相対的に無毒な化学化合物または薬剤を指す。
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用されるように、一人の患者への選択された治療薬の投与を含むことを意味しており、同じまたは異なる投与経路によって、あるいは、同じまたは異なる時間に、薬剤が投与される処置レジメンを含むように意図されている。
用語「希釈剤」は、送達前に所望の化合物を希釈するために使用される化学化合物を指す。希釈剤は、より安定した環境を提供できるので、化合物を安定させるために使用され得る。(pHを制御または維持することもできる)緩衝液中に溶解した塩は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩溶液を含む、当該技術分野における希釈剤として利用される。
用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、または原因が減少および/または軽減され得るか、あるいは、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療上の使用のための「有効な量」は、疾患の症状を臨床的に有意に減少させるために必要とされる、本明細書で開示される化合物を含む組成物の量である。任意の固体における適切な「有効な」量は、用量増加試験などの技術を使用して定められてもよい。
「増強する(enhannce)」または「増強すること(enhancing)」との用語は、本明細書で使用されるように、効力または持続時間のいずれかにおいて、所望の効果を増加または延長させることを意味する。従って、治療薬の効果を増強することに関して、用語「増強すること」は、効力または持続時間のいずれかで、系に対する他の治療薬の効果を増加または延長させる能力を指す。「増強させる有効な量」は、本明細書で使用されるように、所望の系において別の治療薬の効果を増強するのに十分な量を指す。
本明細書で開示される化合物の「代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される、その化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。用語「代謝される」は、本明細書で使用されるように、有機体によって特定の物質が変化する(限定されないが、加水分解反応および酵素により触媒される反応などを含む)工程の全体を指す。従って、酵素は、化合物に対する特定の構造的変化をもたらし得る。例えば、チトクロームP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方で、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および、遊離スルフィヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の転移を触媒する。本明細書で開示の化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与および宿主から採取した組織サンプルの解析により、または、肝細胞と化合物の生体外でのインキュベーションおよび得られた化合物の分析のいずれかにより、随意に同定される。
「薬学的な組み合わせ(pharmaceutical combination)」との用語は、本明細書で使用されるように、2以上の活性成分の混合または組み合わせから生じる生成物を意味し、活性成分の固定された組み合わせと固定されていない組み合わせの両方を含む。用語「固定された組み合わせ」は、活性成分、例えば、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)と助剤の両方が、単一の実体または用量の形態で患者に同時投与されることを意味する。用語「固定されない組み合わせ」は、活性成分、例えば、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)と助剤が、特別な時間制限の介入なく、同時に、平行して、または、連続して、別の実体として患者に投与されることを意味し、こうした投与は、患者の身体において有効なレベルの2つの化合物を提供する。後者の用語はまた、カクテル療法、例えば、3以上の活性成分の投与にも当てはまる。
用語「医薬組成物」は、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、および/または、賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、有機体への化合物の投与を容易にする。化合物を投与する多くの技術は、以下のものを含むが、これらに限定されない技術に存在する:静脈内、経口、エアロゾル、非経口、経眼、経肺、および、局所的な投与。
「被験体」または「患者」との用語は、哺乳動物を含む。哺乳動物の例は、限定されないが、哺乳動物の分類の任意のメンバーを含んでいる:ヒト、チンパンジーのようなヒト以外の霊長類、および、他の類人猿およびサル類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタのような家畜;ウサギ、イヌ、および、ネコのような家庭動物;ラット、マウスおよびモルモットのようなげっ歯類などを含む実験動物。1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、および「処置(treatment)」との用語は、本明細書で使用されるように、疾患または疾病の少なくとも1つの症状を軽減、緩和、または改善すること、さらなる症状を予防すること、疾患または疾病を抑制すること、例えば、疾患または疾病の進行を停止すること、疾患または疾病を和らげること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病によって引き起こされる状態を和らげること、あるいは、予防的および/または治療的に疾患または疾病の症状を止めることを含む。
<投与経路と投薬>
適切な投与経路は、経口投与、静脈内投与、直腸投与、エアロゾル投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経粘膜投与、経皮投与、膣内投与、経耳投与、経鼻投与、および、局所投与を含むが、これらに限定されない。さらに、ほんの一例ではあるが、非経口送達は、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、および、鼻腔内の注入だけでなく、筋肉内、皮下、静脈内、髄内の注入も含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、しばしばデポ製剤または持続放出性製剤として、例えば、臓器への直接的な化合物の注入を介して、全身よりもむしろ局所に投与される。具体的な実施形態において、長期間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内に)または筋肉内注射により投与される。さらに、他の実施形態において、薬は標的とする薬送達系において、例えば、臓器特異的抗体(organ−specific antibody)で覆われたリポソームにおいて送達される。このような実施形態において、リポソームは、臓器を標的とし、臓器によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、急速放出製剤の形態、拡張放出製剤の形態、または、中間放出製剤の形態で提供される。さらに他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、局所的に投与される。
いくつかの実施形態では、シクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、またはプロドラッグは、非経口的または静脈内に投与される。他の実施形態では、シクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、またはプロドラッグは、注入によって投与される。いくつかの実施形態では、シクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、またはプロドラッグは、経口で投与される。
患者の疾病が改善しない場合、医師の判断で、化合物の投与は、慢性的に、すなわち、患者の疾患または疾病の症状を改善させるか、または、さもなければ抑制または制限するために、患者の寿命が尽きるまでの間を含む長期間、投与され得る。患者の状態が改善する場合、医者の判断に基づいて、化合物の投与は、継続的に与えられ得るか、または、一定期間一時的に中止され得る(すなわち、「休薬期間」)。
個々の処置レジメンに関する変数が大きいため、前述の範囲は単に示唆的なものでしかなく、これらの推奨値からの考慮すべき可動域は珍しいことではない。上記のような投与量は多くの変数に依存して変化することもあるが、この変数とは、用いられる化合物の活性、治療される疾患または疾病、投与方法、個体被験体の要件、治療される疾患または疾病の重篤度、および、実践者の判断に限定されない。
このような治療レジメンの毒性および治療効果は、限定されないが、LD50(個体群の50%が死に至る用量)およびED50(個体群の50%に治療上有効な用量)を決定することを含む、細胞培養物または実験動物における標準の薬学的手順によって測定され得る。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、LD50とED50との間の比率として表現することができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用するための様々な投与量を調剤する際に使用され得る。このような化合物の投与量は、好ましくは、最小の毒性を備えたED50を含む血中濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる投与量および利用される投与の経路によって、この範囲内で変わり得る。
<医薬製剤>
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグ、および、薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物が本明細書で提供され、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチルまたは(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグは、以下の構造を有し、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチルまたは(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
いくつかの実施形態では、Rは水素、C(=O)C、C(=O)C、または、C(=O)CHである。いくつかの実施形態では、R、R、および、Rは、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、または、オクチルである。いくつかの実施形態において、Rは、水素またはメチルである。特定の実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、または、ヘキシルである。特定の実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、または、ヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、NH2、NHCH、N(CH、OCH、OC、C(=O)CH、C(=O)C、C(=O)OCH、C(=O)OC、C(=O)NHCH、C(=O)NHC、C(=O)NH、OC(=O)CH、OC(=O)C、OC(=O)OCH、OC(=O)OC、OC(=O)NHCH、OC(=O)NHC、または、OC(=O)NHである。特定の実施形態では、Rは、CC(CHOH、CC(CHOCH、CHCOOH、CCOOH、CHOH、COH、CHPh、CPh、CHCH=C(CH)(CHO)、CHCH=C(CH)(C(=O)CH)、5または6員環ラクトン、アリール、または、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、アリール、および、グルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換される。特定の実施形態では、Rは、CHCOOH、CCOOH、CHOH、COH、CHPh、CPh、CHCH=C(CH)(CHO), CHCH=C(CH)(C(=O)CH)、C−Cアルキル、5または6員環ラクトン、アリール、または、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、アリール、および、グルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換される。
特定の実施形態では、化合物は以下からなる群から選択される:
いくつかの実施形態では、化合物は以下からなる群から選択される:
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物へと調剤される。具体的な実施形態において、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用可能な製剤へと処理するのを促進する賦形剤および助剤を含む、1以上の生理学的に許容可能な担体を用いて、従来の方式で処方される。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。薬学的に許容可能なあらゆる技術、担体、および、賦形剤は、本明細書に記載の医薬組成物を処方するのに適したものとして使用される。Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)
本明細書では、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)、および、薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、または、担体を含む医薬組成物が提供される。特定の実施形態において、記載される化合物は、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)が併用療法におけるように他の活性部分と混合される医薬組成物として投与される。本明細書に含まれるものは、下の区分およびこの開示の至る所にある併用療法で説明される、活性分子(actives)の全ての組み合わせである。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)を含む。
医薬組成物は、本明細書に使用されるように、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘安定剤、および/または、賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。特定の実施形態において、医薬組成物は、有機体への化合物の投与を容易にする。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される処置方法または使用法を実施する際、治療上有効な量の化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)は、処置されるべき疾患または疾病にかかっている哺乳動物に医薬組成物として投与される。特定の実施形態において、哺乳動物はヒトである。特定の実施形態において、治療的に有効な量は、被験体の疾患の重症度、年齢、および、相対的な健康状態、使用される化合物の力価、および、他の因子に依存して変化する。本明細書に記載される化合物は、単一で、または、混合物の成分としての1以上の治療薬と組み合わせて使用される。
1つの実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、水溶液で処方される。特定の実施形態において、その水溶液は、ほんの一例であるが、ハンクス溶液、リンガー溶液、または、生理的食塩水などといった生理的に適合する緩衝液から選択される。他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、経粘膜投与のために処方される。特定の実施形態において、経粘膜製剤は、浸透すべきバリアにとって適切な浸透剤を含む。本明細書に記載の化合物が他の非経口投与のために処方されるさらに他の実施形態において、適切な処方は、水溶性または非水溶性の溶液を含む。特定の実施形態において、そのような溶液は、生理学的に適合する緩衝液および/または賦形剤を含む。
別の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、経口投与のために処方される。化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)を含む本明細書に記載される化合物は、例えば、薬学的に許容可能な担体または賦形剤などと、活性な化合物を混合させることによって処方される。様々な実施形態において、本明細書に記載の化合物は、ほんの一例であるが、錠剤、粉剤、丸薬、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤などを含む、経口の投与形態で処方される。
特定の実施形態において、経口で使用される医薬調製物は、1以上の固体の賦形剤を、本明細書中に記載されている1以上の化合物と混合することによって、随意に結果として得られる混合物を粉砕することによって、および、錠剤または糖衣錠コア(dragee cores)を得るために、必要に応じて、適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理することによって、得られる。適切な賦形剤は、特に、ラクトーゼ、ショ糖、マンニトール、または、ソルビトールを含む砂糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース調製物:または、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどの、それ以外のもの。具体的な実施形態において、崩壊剤は任意に加えられる。崩壊剤は、ほんの一例ではあるが、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸あるいはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩を含む。
1つの実施形態において、糖衣錠コアや錠剤などの剤形には、1以上の適切なコーティングが与えられる。具体的な実施形態において、濃縮した糖液は、剤形をコーティングするために用いられる。糖液は、ほんの一例ではあるが、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー溶液、および、適切な有機溶媒、または、混合溶媒などのさらなる成分を任意に含む。染料および/または色素は同様に、同定目的のため、コーティングに任意に加えられる。さらに、染料および/または色素は、活性な化合物の投与量の異なる組み合わせを特徴づけるため任意に利用される。
特定の実施形態において、本明細書中に記載されている少なくとも1つの治療上有効な量の化合物は、他の経口剤形で処方される。経口剤形は、ゼラチン製の押し出しカプセル剤と、ゼラチン製の密封された軟カプセル剤、および、グリセロールやソルビトールなどの可塑剤を含む。具体的な実施態様において、押し出しカプセル剤は、1以上の充填剤との混合物中に活性成分を含む。充填剤は、ほんの一例ではあるが、ラクトース、デンプンなどの結合剤、および/または、タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および、任意に安定剤を含む。他の実施形態において、軟カプセル剤は、適切な液体中に溶解または懸濁した1以上の活性な化合物を含む。適切な液体は、ほんの一例ではあるが、1以上の脂肪油、流動パラフィン、または、液体ポリエチレングリコールを含む。加えて、安定剤が任意に加えられる。
他の実施形態において、本明細書中に記載されている治療上有効な量の少なくとも1つの化合物は、口腔投与または舌下投与のために処方される。口腔投与または舌下投与に適した製剤は、ほんの一例ではあるが、錠剤、ロゼンジ剤、または、ゲル剤を含む。さらに他の実施態様において、本明細書中に記載されている化合物は、ボーラス注入または持続注入に適した製剤を含む、非経口注入のために処方される。具体的な実施形態において、注入用製剤は、単位剤形で(例えばアンプルで)、または複数回用量容器で提供される。保存剤は随意に注入製剤に加えられる。さらなる他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の医薬組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の、滅菌の懸濁剤、溶剤、または、エマルションとして、非経口注入に適した形態で処方される。非経口注入製剤は、懸濁剤、安定剤、および/または、分散剤などの処方剤(formulatory agent)を任意に含む。具体的な実施形態において、非経口投与のための医薬製剤は、水溶性形態の活性な化合物の水溶液を含む。さらなる実施形態において、活性な化合物の懸濁剤は、適切な油性注入懸濁剤として調製される。本明細書に記載されている医薬組成物で使用される適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ほんの一例ではあるが、ごま油などの脂肪油、または、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、あるいは、リポソームを含む。1つの具体的な実施形態において、水性注入懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、または、デキストランのような懸濁剤の粘度を増加させる物質を含む。懸濁剤は、高濃縮溶液の調製を可能にするため、化合物の溶解度を増加させる適切な安定剤または薬剤を任意に含む。代替的に、他の実施形態において、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、発熱物質を含まない滅菌水とともに構成するための粉末形態である。
1つの態様において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、本明細書に記載された、または、当該技術で知られている、非経口注射のための溶液として調製され、自動注射器で投与される。米国特許4,031,893号、5,358,489号、5,540,664号、5,665,071号、5,695,472号、および、WO/2005/087297(その各々はこうした開示のために参照により本明細書に組み込まれる)が知られている。一般に、自動注入器はすべて、注入される化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)を含む大量の溶液を含んでいる。一般に、自動注射器は、溶液を維持するための容器(reservoir)を含み、該容器は、薬物を届けるための注射針との流体連通しており、さらに、自動的に注射針を展開させて、患者に注射針を挿入し、患者へ投与量を送達するための機構とも流体連通している。典型的な注入器は、1mLの溶液あたり、0.5mg乃至50mgの化合物(すなわち本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の濃度で、約0.3mL、約0.6mL、約1.0mL、またはそれ以外の適切な量の溶液を提供する。注射器はそれぞれ、化合物を1回分だけ送達することができる。
さらに他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、局所的に投与される。本明細書中に記載されている化合物は、溶液、懸濁剤、ローション剤、ゲル剤、ペースト剤、薬用スティック、バーム、クリーム、または、軟膏といった様々な局所投与が可能な組成物へと処方される。そのような医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、等張増強剤、緩衝剤、および、保存剤を任意に含む。
さらに他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、経皮投与のために処方される。具体的な実施形態において、経皮製剤は経皮送達装置および経皮送達パッチを利用し、ポリマーまたは粘着剤の中で溶解および/または分散した親油性エマルションまたは緩衝水溶液であってもよい。様々な実施形態において、このようなパッチは、医薬品の連続送達、パルス送達、または、オンデマンド送達に合わせて構築される。さらなる実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の経皮送達はイオン泳動性パッチなどの手段により達成される。特定の実施形態において、経皮的なパッチは、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の制御送達をもたらす。具体的な実施形態では、吸収速度は、律速膜(rate−controlling membrane)を使用することで、または、化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルの中に閉じ込めることで低減される。代替的な実施形態において、吸収促進剤は、吸収性を高めるために使用される。吸収促進剤または担体は、皮膚を介する通過を補助する薬学的に許容可能な吸収性溶媒を含む。例えば、一つの実施形態において、経皮装置は、支持部材、任意に担体と共に化合物を含むリザーバー、任意に長時間にわたって制御された所定の速度で宿主の皮膚に化合物を送達するための律速用バリア、および、皮膚に装置を固定する手段を含む包帯の形態である。
本明細書に記載の経皮製剤は、当該技術分野で記載されてきた様々な装置を用いて投与されてもよい。例えば、こうした装置は、限定されないが、米国特許第3,598,122号、米国特許第3,598,123号、米国特許第3,710,795号、米国特許第3,731,683号、米国特許第3,742,951号、米国特許第3,814,097号、米国特許第3,921,636号、米国特許第3,972,995号、米国特許第3,993,072号、米国特許第3,993,073号、米国特許第3,996,934号、米国特許第4,031,894号、米国特許第4,060,084号、米国特許第4,069,307号、米国特許第4,077,407号、米国特許第4,201,211号、米国特許第4,230,105号、米国特許第4,292,299号、米国特許第4,292,303号、米国特許第5,336,168号、米国特許第5,665,378号、米国特許第5,837,280号、米国特許第5,869,090号、米国特許第6,923,983号、米国特許第6,929,801号、および、米国特許第6,946,144号を含む。
本明細書に記載の経皮剤形は、当該技術分野では従来技術である、特定の薬学的に許容可能な賦形剤を組み込んでもよい。1つの実施形態において、本明細書に記載される経皮製剤は、少なくとも3つの成分:(1)化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の製剤;(2)浸透促進剤;および、(3)水性のアジュバントを含む。加えて、経皮製剤は、限定されないが、ゲル化剤、クリーム、および、軟膏基剤などの追加成分を含む。いくつかの実施形態において、経皮製剤は、吸収を促進するとともに皮膚から経皮製剤が剥がれ落ちることを防ぐために、織られた裏地または不織布裏地さらに含む。他の実施形態において、本明細書に記載の経皮製剤は、肌への拡散を促進するために飽和状態または過飽和状態を維持することが可能である。
他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、吸入による投与のために処方される。吸入による投与に適した様々な形態は、エアロゾル、ミスト、または粉末を含むが、これら限定されない。化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)の医薬組成物は、適切な推進剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または、それ以外の適切なガス)を使用して、加圧包装からのエアロゾルスプレーまたはネブライザーの形態で都合よく送達される。具体的な実施形態において、加圧されたエアロゾルの用量単位は、計量された量を送達するために、バルブを提供することによって決定される。特定の実施形態において、吸入器または吹き入れ器で使用される、ほんの一例ではあるが、ゼラチンダイナマイトなどのカプセル剤および薬包は、化合物の粉末混合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤とを含んだ状態で処方される。
鼻腔内製剤は当該技術分野では知られており、例えば、米国特許第4,476,116号、5,116,817号、および、6,391,452号に記載されている(その各々は参照により本明細書に具体的に組み込まれる)。これらの、および、それ以外の当該技術分野で周知の技術によって調製される、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)を含む製剤は、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、フルオロカーボン、および/または、当該技術分野で知られているそれ以外の可溶化剤または分散剤を用いて、食塩水中の溶液として調製される。例えば、Ansel, H. C. et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Sixth Ed(1995)を参照のこと。好ましくは、これらの組成物と製剤は、適切な無毒の薬学的に許容可能な成分を用いて調製される。これらの成分は、この分野の標準的な文献である、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY, 21st edition, 2005といったソースで見られる。適切な担体の選択は、望ましい経鼻剤形(例えば、溶液、懸濁液、軟膏剤、または、ゲル剤)の正確な性質に大きく依存する。経鼻剤形は一般に、活性成分の他に大量の水を含有している。pH調節剤、乳化剤または分散剤、保存剤、界面活性剤、ゲル化剤、または、緩衝剤および他の安定剤、ならびに、可溶化剤などの少量の他の成分も存在してもよい。好ましくは、経鼻剤形は鼻の分泌物と等張でなければならない。
吸入による投与のために、本明細書で記載される化合物は、エアロゾル、ミスト、または、粉末の形態であってもよい。本明細書に記載される医薬組成物は、適切な推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の適切なガスを使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレーのような形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投与単位は、測定された量を送達するための弁を提供することによって決定されてもよい。吸入器または吹き入れ器で使用される、ほんの一例として、ゼラチンなどのカプセル剤および薬包は、本明細書に記載される化合物の粉末混合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤を含むように処方される。
さらなる他の実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)は、ポリビニルピロリドン、PEGなどの合成ポリマーだけでなく、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬用基剤を含む、浣腸剤、直腸用ゲル剤、直腸用気泡剤、直腸用エアロゾル、坐薬、ゼリー状坐薬、または停留浣腸剤などの直腸用組成物で処方される。組成物の坐薬形態において、限定されないが、脂肪酸グリセリドの混合物などの低融点ワックスは、随意にココアバターと組み合わされて最初に融解する。
特定の実施形態において、医薬組成物は、活性な化合物を薬学的に使用できる調製物へと処理するのを容易にする賦形剤および助剤を含む、1以上の生理的に許容可能な担体を用いる任意の従来の方法で処方される。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。薬学的に許容可能なあらゆる技術、担体、および、賦形剤は、適切に、当技術分野で理解されているように、任意に使用される。化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)を含む医薬組成物は、従来の方法で、ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、粉砕、乳化、封入、包括、または圧迫の過程などによって生成される。
医薬組成物は、活性成分として、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤、および、本明細書に記載されている少なくとも1つの化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)を含む。活性成分は、遊離酸形態もしくは遊離塩基形態、または薬学的に許容可能な塩の形態である。さらに、本明細書に記載されている方法および医薬組成物は、結晶形態(多形体としても知られている)と、同じタイプの活性を備えるこれら化合物の活性代謝物の使用を含む。本明細書中に記載されている化合物の全ての互変異性体は、本明細書に提示の化合物の範囲内に含まれる。さらに、本明細書中に記載されている化合物は、水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を有する溶媒和形態のみでなく、非溶媒和形態も含む。本明細書に提示の化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。さらに、医薬組成物は、保存剤、安定剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調整する塩、緩衝剤、および/または他の治療上有効な物質などの、他の医薬品または治療剤、担体、アジュバントを随意に含む。
本明細書中に記載されている化合物を含む組成物の調製方法は、固体、半固体、または液体を形成するために、1以上の不活性な薬学的に許容可能な賦形剤または担体と化合物を共に処方する工程を含む。固形組成物は、粉剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤、および坐薬を含むが、これらに限定されない。液体組成物は、本明細書に公開される、化合物を溶解した溶液、化合物を含むエマルション、または化合物を含むリポソーム、ミセル、またはナノ粒子を含む溶液を含む。半固形組成物は、ゲル剤、懸濁剤、およびクリームを含むが、これらに限定されない。本明細書に記載されている医薬組成物の形態は、液体溶液または懸濁液、使用前に液体に溶解もしくは懸濁することに適した固形形態、またはエマルションを含む。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などの微量の非毒性補助物質を任意に含む。
いくつかの実施形態において、化合物(すなわち、本明細書に記載されるシクロヘキセノン化合物)を少なくとも含む医薬組成物は例示的に、薬剤が溶液、懸濁液、またはその両方に存在する液体の形態を取る。一般的に組成物が溶液または懸濁液として投与されると、薬剤の第一の部分は溶液中に存在し、薬剤の第二の部分は液体マトリックス中の懸濁液中に粒子形態で存在する。いくつかの実施形態において、液体組成物はゲル製剤を含む。他の実施形態において、液体組成物は水性である。
特定の実施形態において、医薬品の水性懸濁液は、懸濁剤として1以上のポリマーを含む。ポリマーは、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマーと、架橋カルボキシル含有ポリマーなどの非水溶性ポリマーを含む。本明細書に記載されている特定の医薬組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、および、デキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
医薬組成物はさらに、化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)の溶解性を助けるために可溶化剤を随意に含む。「可溶化剤」という用語は、一般的に、薬剤のミセル溶液または真性溶液をもたらす薬剤を含む。特定の許容可能な非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80は可溶化剤として役立ち、眼科用として許容可能なグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール400、およびグリコールエーテルも役立つ。
さらに、医薬組成物は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸のような酸を含む、1以上のpH調節剤または緩衝薬;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、および、トリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;および、クエン酸塩/ブドウ糖、炭酸水素ナトリウム、および、塩化アンモニウムのような緩衝液、を随意に含む。このような酸、塩基、および緩衝液は、組成物のpHを許容可能な範囲で維持することに必要とされる量で含まれる。
さらに、医薬組成物は、組成物の重量モル浸透圧を許容可能な範囲にするために必要とされる量の1以上の塩を随意に含む。このような塩は、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、またはアンモニウムカチオンおよび塩化物アニオン、クエン酸塩アニオン、アスコルビン酸塩アニオン、ほう酸塩アニオン、リン酸塩アニオン、重炭酸塩アニオン、硫酸塩アニオン、チオ硫酸塩アニオンまたは亜硫酸水素塩アニオンを有するものを含み、適切な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および、硫酸アンモニウムを含む。
他の医薬組成物は、微生物の活性を阻害する1以上の保存剤を随意に含む。適切な保存剤は、メルフェン(merfen)とチオマーサルなどの水銀含有物質;安定した二酸化塩素;および、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアミン、および、塩化セチルピリジウムなどの第四級アンモニウム化合物を含む。
さらなる他の医薬組成物は、物理的安定性を強化するために、または、他の目的のために、1以上の界面活性剤を含む。安定した非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド、および、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油等の植物油、および、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40等のポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルフェニルエーテルである。
さらなる他の医薬組成物は、必要に応じて、化学安定性を強化する1以上の抗酸化剤を含んでもよい。適切な抗酸化剤は、ほんの一例ではあるが、アスコルビン酸および二亜硫酸ナトリウムを含む。
特定の実施形態において、薬学的な水性懸濁液組成物は、単回用量用の再密閉できない容器に入れられる。あるいは、複数回用量用の再密閉できる容器が使用され、この場合は、組成物中に保存剤を含めることが一般的である。
代替的な実施形態において、疎水性の医薬組成物のための他の送達系が利用される。リポソームおよびエマルションは、本明細書中で送達用ビヒクルまたは担体の例である。特定の実施形態において、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒も利用される。さらなる実施形態において、本明細書中に記載されている化合物は、治療薬剤を含む固形疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出系を用いて送達される。様々な持続放出物質が本明細書で役立つ。いくつかの実施形態において、持続放出カプセル剤は、数時間から24時間までの間、化合物を放出する。治療試薬の化学的性質と生物学的安定性に依存して、タンパク質を安定化させる追加の方策が利用されてもよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載されている製剤は、1以上の抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、および/または、他の一般的な安定剤を含む。これら安定剤の例としては、限定されないが、(a)約0.5%乃至約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%乃至約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%乃至約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mM乃至約10mMのEDTA、(e)約0.01%乃至約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%乃至約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%乃至約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルフェートおよび他のヘパリン類似物質、(m)マグネシウムや亜鉛のような二価の陽イオン;または、(n)それらの組み合わせが挙げられる。
<併用療法>
一般に、本明細書に記載されている組成物や、併用治療が採用されている実施形態における他の薬剤は、同じ医薬組成物で投与される必要はなく、実施形態によっては、物理的特性や化学的特性が異なることから、異なる経路によって投与される。いくつかの実施形態において、初回の投与は、確立された手順に従って行われ、その後、観察された効果、投与量、投与方法、および、投与時間に基づいて、熟練した臨床医によって修正される。
いくつかの実施形態では、処置の組み合わせに薬物が用いられる場合、治療上有効な量は変動する。併用処置は、さらに、患者の臨床管理を助けるために様々な時点で開始および停止される定期的処置も含む。本明細書に記載されている併用治療に関して、同時投与される化合物の投与量は、併用される薬の種類、用いられる特定の薬物、処置される疾患、障害、または疾病などによって異なる。
いくつかの実施形態において、緩和が求められる疾病を処置、予防、または改善する投与レジメンは、様々な要因に従って修正されることを理解されたい。これらの要因は、年齢、体重、被検体の性別、食事および病状と同様に被検体が苦しむ障害も含む。したがって、他の実施形態では、実際に採用された投与レジメンは大きく異なり、それ故、本明細書で述べられた投与レジメンから逸脱する。他の神経変性疾患治療薬を含む化合物(すなわち、本明細書に記載のシクロヘキセノン化合物)の組み合わせを包含するように意図されている。いくつかの実施形態では、ADなどの神経変性疾患の治療薬の例としては、限定されないが、ドネペジル(アリセプト(登録商標))、ガランタミン(ラザダイン(商標)、レミニール(登録商標))、リバスチグミン(エクシロン(登録商標))、タクリン(コグネックス(Cognex)(登録商標))、メマンチン(ナメンダ(登録商標))などが挙げられる。
シクロヘキセノン化合物と本明細書に記載の神経変性疾患治療薬の組み合わせは、いくつかの実施形態では、他の薬剤を用いる追加の治療および処置レジメンを包含する。こうした追加の治療および処置レジメンは、いくつかの実施形態では、別の神経変性疾患の治療を含むことができる。代替的に、他の実施形態では、追加の治療および処置レジメンは、神経変性疾患に関連した付随する疾病、または、併用治療における上記のような薬剤からの副作用を処置するために用いられる別の薬剤を含む。さらなる実施形態では、アジュバントまたはエンハンサーは、本明細書に記載される併用治療と共に投与される。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、溶媒和物、または、プロドラッグ、および、1つ以上の神経変性疾患の治療薬を含む、神経変性疾患を処置するまたはそのリスクを低減するための組成物が本明細書で提供され、
ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチルまたは(CH−CHであり、
は、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、ハロゲン、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、グルコシルであり、ここで、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、およびグルコシルは、NR、OR、OC(=O)R、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換され、
およびRの各々は、独立して、水素またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、OR、またはNRであり、
m=1−12であり、および、
n=1−12である。
(実施例1.典型的なシクロヘキセノン化合物の調製)
Antrodia camphorateからの100グラムの菌糸体、子実体、またはその両方の混合物を、フラスコに入れた。適切な量の水とアルコール(70−100%のアルコール溶液)をフラスコに加え、少なくとも1時間20−25°Cで撹拌した。その溶液をフィルタを介してろ過し、0.45μmの薄膜とろ液を抽出物として集めた。
Antrodia camphorateの濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析にかけた。分離はRP18カラム上で行い、移動相はメタノール(A)および0.3%酢酸(B)からなり、1ml/分の流速で、勾配条件は95%−20%Bで0−10分、20%−10%Bで10−20分、10%−10%Bで20−35分、10%−95%Bで35−40分であった。カラム流出物は紫外可視検出器で監視した。
21.2〜21.4分に採取した画分を集めて濃縮させ、浅黄色の液体の生成物である化合物5を得た。化合物5を分析すると、分子量が408(分子式: C24H40O5)の4−ヒドロキシ−5−(11−ヒドロキシ−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6−ジエニル)−2,3−ジメトキシ−6−メチルシクロヘキサ(methylcyclohex)−2−エノン(enone)であった。H−NMR(CDCl)δ(ppm)=1.21、1.36、1.67、1.71、1.75、1.94、2.03、2.07、2.22、2.25、3.68、4.05、5.71、および、5.56。13C−NMR(CDCl)δ(ppm):12.31、16.1、16.12、17.67、25.67、26.44、26.74、27.00、30.10、40.27、43.34、59.22、60.59、71.8、120.97、123.84、124.30、131.32、134.61、135.92、138.05、160.45、および、197.11。
化合物5:4−ヒドロキシ−5−(11−ヒドロキシ−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6−ジエニル)−2,3−ジメトキシ−6−メチルシクロヘキサ−2−エノン
23.7〜24.0分に採取した画分を集めて濃縮し、浅黄色液体の生成物である化合物7を得た。化合物7を分析すると、分子量が422(C25H42O5)の4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−5−(11−メトキシ−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6−ジエニル)−6−メチルシクロヘキサ−2−エノンであった。H−NMR(CDCl)δ(ppm)=1.21、1.36、1.71、1.75、1.94、2.03、2.07、2.22、2.25、3.24、3.68、4.05、5.12、5.50、および、5.61。13C−NMR(CDCl)δ(ppm):12.31、16.1、16.12、17.67、24.44、26.44、26.74、27.00、37.81、39.81、40.27、43.34、49.00、59.22、60.59、120.97、123.84、124.30、135.92、138.05、160.45、および、197.12。
化合物7:4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−5−(11−メトキシ−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6−ジエニル)−6−メチルシクロヘキサ−2−エノン
25〜30分に採取された画分を集めて濃縮し、浅黄色の茶色の液体の生成物である、4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−6−メチル−5−(3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニル)シクロヘキサ−2−エノン(化合物1)を得た。化合物1を分析すると、融点が48〜52°Cで分子量が390のC2438の分子式を示した。NMRスペクトルは、H−NMR(CDCl)δ(ppm)=1.51、1.67、1.71、1.75、1.94、2.03、2.07、2.22、2.25、3.68、4.05、5.07、および、5.14;13C−NMR(CDCl)δ(ppm)=12.31、16.1、16.12、17.67、25.67、26.44、26.74、27.00、39.71、39.81、40.27、43.34、59.22、60.59、120.97、123.84、124.30、131.32、135.35、135.92、138.05、160.45、および、197.12を示した。
化合物1:4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−6−メチル−5−(3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニル)シクロヘキサ−2−エノン
化合物1の代謝物である化合物6は、動物研究で化合物1を与えられたラットの尿サンプルから得られた。化合物6は分子量が312(C1624)の4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−6−メチル−5−(3−メチル−2−ヘキセン酸)シクロヘキサ−2−エノンであることが分かった。化合物1が6時間40°C以上の条件下であるときに、3,4−ジヒドロキシ−2−メトキシ−6−メチル−5−(3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニル)シクロヘキサ−2−エノン(分子量が376(C2336)であるとわかった化合物4が得られた。
あるいは、典型的な化合物は、4−ヒドロキシ−2,3−ジメトキシ−6−メチルシクロヘキサ−2,5−ジエノンなどから調製されることもある。同様に、以下の構造を有する他のシクロヘキセノン化合物は、Antrodia camphorateから単離されるか、または、適切な出発物質から合成的にまたは半合成的に調製される。
当業者はこうした合成のための適切な条件を利用するであろう。
(実施例2.PC12培養物の調製と維持)
PC12はラット副腎髄質の褐色細胞腫に由来した細胞株である。PC12細胞は神経成長因子で処理されると分割をやめて末期に分化する。これにより、PC12細胞およびその他同種は神経細胞の分化のモデルシステムとして役に立つようになる。
Bioresource Collection and Research Center(BCRC)から購入したラットの褐色細胞腫PC12細胞は、10%のウシ胎仔血清、5%のウマドナー血清、100μg/mlのストレプトマイシン、100単位/mlのペニシリン、2mMのL−グルタミンを含むRPMI1640培地(Gibco、MD)で培養され、5%COで37°Cで湿らせたインキュベータ内で維持した。細胞は週に二度移し替えた。実験は、細胞粘着しやすくするためにポリDリジン(1mg/mL)でコーティングした96のウェルプレート内で行った。PC12細胞を、48時間、マウス下あご腺神経成長因子(NGF 2.5S、100ng/ml; Invitrogen、Carlsbad、CA)を含む培地で成長させ、この研究ですべての実験を行う前にニューロンのような細胞への分化を誘発した。
(実施例3:PC12培養物上での化合物1とβ−アミロイドの実験的処置)
NGFによって誘発されたPC12の神経モデルのための典型的な化合物1濃度を最適化するために、滴定実験を行ってPC12内での化合物1のIC50価値を決定した。PC12細胞(1×10細胞)を、48時間、様々な濃度の化合物1(10%血清補足培地中の0.001、0.01、0.1、1、10、100μg/ml;無血清培地中の0.3、1、3、10、30、100μg/ml)で培養した。
β−アミロイド1−40(Aβ)(Invitrogen、Carlsbad、CA)を、10mg/mlで水中の0.1%(v/v)のトリフルオロ酢酸(TFA)に溶かし、原液として−20°Cで保存した。Aβをリン酸緩衝生理食塩水(Ca2+を含まないPBS)で0.5mg/mlまで希釈し、使用前に48時間25°Cで凝集させた。生体外でアルツハイマー病(AD)細胞モデルに対する典型的な化合物1の治療効果を調査するために、培養物を24時間Aβで前処理し、その後、細胞の生存率を測定する前に24時間、化合物1を新鮮に調製すべく暴露した。対照的に、AD細胞モデルに対する化合物1の予防的な効果を調査するために、培養物を1〜24時間、化合物で前処理し、その後、細胞の生存率を測定する前に24時間、凝集したAβに暴露した。
(実施例4:CCK−8細胞生存率アッセイ)
細胞計測キット−8(CCK−8)により、細胞増殖における細胞の生存率を決定するための高感度な比色測定法や細胞毒性アッセイが可能となる。CCK−8の検出感度は、MTT、XTT、MTS、またはWST−1のような他のテトラゾリウム塩よりも高い。
細胞の生存率は、細胞計測キット−8(CCK−8、Enzo、Life Sciences)を用いて測定した。細胞中の脱水素酵素によって、高水溶性のテトラゾリウム塩であるWST−8を減少させることで、培地に可溶性の黄色の生成物(ホルマザン)を得た。細胞中の脱水素酵素の活性によって生成されたホルマザン色素の量は、生存細胞の数に正比例する。処置の後、CCK−8溶液をそれぞれのプレートのウェルに加え、インキュベータ内でプレートを4時間培養する。ホルマザン生成物の濃度を450nmの吸光度波長において分光測光法で測定し、細胞の生存率は対応する対照の割合として表した。
典型的な本発明の化合物1のIC50値は、細胞生存率アッセイによって、それぞれ57.98μg/ml(10%の血清補足培地中)と13.39μg/ml(無血清培養)であることが分かっている(図1)。本発明のシクロヘキセノン化合物(すなわち化合物1)の予防的な潜在能力を評価するために、NGFによって誘発されたPC12細胞を、異なる濃度の化合物1(10%の血清補足培地中の25および50μg/ml; 無血清培地中の0.3および3μg/ml)で24時間前処理した。洗浄後、細胞を、細胞生存率を決定する前に、さらに24時間10μMのβ−アミロイド(Aβ)で負荷した。細胞生存率の結果によると、典型的な化合物1は、血清培養条件または無血清培養条件のいずれかにおいて、Aβによって誘発されたニューロンの損傷から細胞を防ぐ(そのリスクを減らす)際に大きな影響を及ぼす(図2のAおよびC)。同様の実験を行い、化合物1の治療効果を評価した。まず、PC12細胞を血清培地と無血清培地で別々に24時間、10μMのAβで前処理した。洗浄後に、PC12細胞を、細胞生存率を決定する前に、さらに24時間、示されるような様々な濃度の化合物1で負荷した。その結果によると、低用量の化合物1を用いた処置では、Aβによって誘発された損傷を劇的に阻害し、細胞生存率が改善された(図2のBおよびD)。
(実施例5:化合物1を用いたパーキンソン病の動物研究)
30匹の成体のウィスターラットを、任意に5つの群、すなわち、対照、6−OHDAモデル、および、化合物1(1mlの0.1%カルボキシメチルセルロース中で懸濁された体重1kg当たり25、50、および100mg)に無作為に分けた。その処置は手術の3日前に始め、その後14日間続けた。6−OHDAを右線条体と右黒質に投与するために、手術はすべての群で3日目に終えるが、対照群は6−OHDAをビヒクルに注入する。様々な行動試験と生化学検査(アポモルヒネによって誘発された回転行動、足踏み検査、開始時間、姿勢バランス検査、および、解放時間(Disengage Time))を用いて、化合物1の神経保護効果を評価する。ダネット検定を伴う一元配置分散分析(分散分析)を用いて、群間の差を比較する。統計的に有意なものとして、P<0.05を考慮する。
分析:200〜250gの重さをした30匹のオスの成体のウィスターラットを、12:12時間の光:暗闇のサイクル下で、食物と水を与えつつ維持した。
実験計画:動物を、それぞれ6匹のラットの5つの群、ビヒクル、6−OHDA、化合物1(体重1kg当たり25、50、および100mg)に任意に割りあてる。ビヒクルと6−OHDAの群は、水中の1mlの0.1%カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液を受け取り、その一方で、化合物1の群を選択された用量で処置し、1mlの水中の0.1%CMCに懸濁させる。処置はすべて経口で、毎日午前10時の朝に、17日間にわたって(手術前に3日間の前処置を含む)与えられる。3日目に、ビヒクルが投与されるビヒクル処置される群を除く6−OHDA投与群すべてにおいて、各処置の60分後に脳外科手術を行う。
手術手順:片側の線条体病変は、既知の手続のアトラスに従って、右線条体に7μgの6−OHDAを、右黒質に7μgの6−OHDAを定位注入することによって生成される。
一時的に、ペントバルビタール麻酔(Sigma、45mg/kg、i.p.)で動物に麻酔をかけ、定位固定器具に置く。0.2mg/mlのアスコルビン酸塩食塩水中に溶液を調製し、1μl/分の速度でHamiltonシリンジで右線条体に注入する。定位の配位は、前頂部より前に1mm、中線から外側に2mm、および、線条体の硬膜より下に4.5mm、および、前頂部より後ろに5.8mm、中線から外側に1.6mm、および、脳のSN部分の硬膜より下に8mmであり、切歯バーは非支配的な側の両耳間の線よりも3.3mm下にある。
回転行動の定量化:14日目に、右線条体に6−OHDAを定位注入後、動物を回転行動テストにかける。ラットに塩酸アマンタジンを皮下注射し(Sigma、0.05mg/kg)、注入から15分後、対側性の回転(contralateral turn)を30分にわたって記録する。アポモルヒネの影響を除外するために、他のすべての行動検査の最後に回転検査を行う。
足踏み検査:この検査は無動症の測定に使用される。ラットを、後肢を固定して(胴体をわずかに上げて)実験者が片手で持ち上げ、監視することができない前肢をもう片方の手で固定する。このようにして、もう1つの前足で体重に耐えなければならない。ラットをテーブルに沿って前と後に5s当たり90cmの速度で動かすと、自由な方の前肢はバランスを保つために実験者の動きと足並みを合わせなければならない。バランスを保つために進めた足取りを調節歩調として記録する。これは対側性と同側性の両方の前足について行われ、最終的に一緒にカウントする。両方の方向について調節歩調の数を数える。
開始時間:ラットを2日間あらかじめ訓練して、木製の傾斜路(1.1m)を家のケージだと思わせる。検査中は、足踏み検査のようにラットを固定する。実験者によって固定されていない前肢を使ってラットが移動を始めるまで、これは測定される。この持続時間を誘導時間として定義し、180sを停止点として使用する。この検査は3日続けてそれぞれの前肢につき一日に一度行い、3回の検査セッションの平均を計算する。
起立検査:足踏み検査について記載されたようにラットを固定し、その後、テーブルに触れる足の方に向かって素早く傾け、バランスを喪失させる。動物は調節歩調でバランスを回復しようとする。これを0〜3の採点システムによって記録する:(0)検知可能な筋肉反応がなく、ラットは片側に倒れる;(1)クリアーな前肢の反応はあるが、ラットは、重心に向かって身体の下に手足を移動させることができず、片側に倒れる;(2)バランスの不完全な回復、すなわち、ラットは身体の下に肢を移動させるが、重心を完全に移動させておらず、したがって、前肢は身体に垂直に並んでいない;さらに、前足はテーブル上の平らな位置に置かれないこともあり、指は互いに交差することもある;(3)バランスの完全な回復。検査は両側で一日6度繰り返し、最大で一日のスコア18を与える。最終結果は3回の検査日のスコアの平均として表される。6匹の動物が3日間にわたって毎日3回繰り返し、その後、それぞれの群の6匹のラットに対する54の値から平均を計算する。
解放時間:ラットを少量のミルクチョコレートを食べることに没頭させているときに、先の丸い木製のプローブで1sのインターバルでラットの感覚毛の下の口周囲の領域に繰り返し触れる。定位反応、すなわち、刺激に対する頭部の回転の潜伏期を記録し、即時の反応は1sとして採点される。その動物が180sの期間内に反応しない場合には、刺激を中止する。その検査は2日間各側で一日に一度行い、2つの部分検査の平均を計算する。
これらの検査(回転検査、足踏み検査、開始時間、起立検査、解放時間)はすべて、動物に施された処置を知らない盲目の調査者によって行なわれる。
ドーパミンとその代謝物の測定:アポモルヒネの効果を除外するために、回転検査の後に動物を安楽死させる。線条体のサンプルを解剖直後に分離して重さを計り、アッセイまで−70°Cで保存する。0.05%エチレンジアミン4酢酸(EDTA)を含む氷のように冷たい0.2Mの過塩素酸中で、線条体のサンプルを超音波処理する。ホモジェネートを10分間4°Cで10,000rpmで迅速に遠心分離機にかける。0.45の−μmポアフィルタを用いて上清をろ過し、電気化学的検出器による高速液体クロマトグラフィーを用いて、ドーパミン(DA)とその代謝物である3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)とホモバニリン酸(HVA)を決定するために使用する。典型的な移動相は、0.1Mのクエン酸一水和物、0.1Mの酢酸ナトリウム、7%メタノール、100mMのEDTA、および、0.01%のナトリウム・オクタン・スルホン酸の混合物からなる。移動相の流速は1ml/分で維持され、注入容量は20mlである。
統計的分析:データは平均±平均の標準誤差(SEM)として表される。一元配置分散分析(分散分析)とその後のダネット検定を用いて、多くのの群の比較を行う。P<0.05は統計的に有意であるとみなされる。
(実施例6:軽度から中程度のアルツハイマー病の被験体において化合物1を評価する無作為化された対照研究)
軽度から中程度のアルツハイマー病の60人の患者がこの研究に参加する。研究の被験体の半数は化合物1を経口で摂取し、もう半数は偽薬を摂取する。
研究設計: 割当:無作為
エンドポイント分類:安全性/効能研究
治療介入モデル:クロスオーバー割当
マスク化:二重盲検(被験体、介護者、調査者)
主目的:処置
主要評価項目:
6週目のアルツハイマー病評価スケール認識サブスケール75(ADAS−Cog75)[時間枠:6週目]
ADにおける認知障害の重症度を評価する12の項目スケール。項目は、語想起、物体と指を呼ぶこと、指令に従うこと、構造的な実践、観念的な実践、見当識、単語認識、口語能力、口語の理解、自発語で単語を探すことが困難なこと、検査指示を思い出すこと、および、濃度/散漫性を含んでいる。全スコアは0−75の範囲であり、75が認知の悪化を示す。
副次的評価項目:
3週目のアルツハイマー病評価スケール認識サブスケール75(ADAS−Cog75)[時間枠:3週目]
AD被験体における認知障害の重症度を評価するように設計された11の項目スケール。項目は、語想起、物体と指を呼ぶこと、指令に従うこと、構造的な実践、観念的な実践、見当識、単語認識、口語能力、口語の理解、自発語で単語を探すことが困難なこと、および、検査指示を思い出すことを含んでいる。全スコアが0−70の範囲であり、70が認知の悪化を示す。
6週目のアルツハイマー病評価スケール認識サブスケール70(ADAS−Cog70)[時間枠:6週目]
AD被験体における認知障害の重症度を評価するように設計された11の項目スケール。項目は、語想起、物体と指を呼ぶこと、指令に従うこと、構造的な実践、観念的な実践、見当識、単語認識、口語能力、口語の理解、自発語で単語を探すことが困難なこと、および、検査指示を思い出すことを含んでいる。全スコアが0−70の範囲であり、70が認知の悪化を示す。
6週目のアルツハイマー病評価スケール認識サブスケール70(ADAS−Cog70)[時間枠:6週目]
AD被験体における認知障害の重症度を評価するように設計された11の項目スケール。項目は、語想起、物体と指を呼ぶこと、指令に従うこと、構造的な実践、観念的な実践、見当識、単語認識、口語能力、口語の理解、自発語で単語を探すことが困難なこと、および、検査指示を思い出すことを含んでいる。全スコアが0−70の範囲であり、70が認知の悪化を示す。
6週目の平均的な臨床的な全体的印象改善(CGI−I)スコア[時間枠:6週目]
CGI−I:7点の臨床医に関連するスケールは、1(非常に改善された)〜7(著しく悪化した)に及ぶ。改善は、1(非常に改善された)、2(かなり改善された)、または3(最小限に改善された)のスコアとして定義される。スコアが高ければ高い=影響が大きい。
3週目の精神神経学的項目(NPI)全スコア[時間枠:3週目]
認知症で生じる12の行動障害を評価する、介護者のインタビューに基づいた評定スケール:妄想、幻覚、激越/攻撃性、うつ病/不快気分、不安、病的爽快/多幸症、無感情/無関心、脱抑制、短気/不安定さ、異常の運動行動、食欲/摂食および睡眠。重症度の頻度*症状の症状によって得られるそれぞれの症状スコア(0−12に及ぶ)。総スコア=症状のスコアの合計;範囲:0−144。スコアが高ければ高いほど、行動障害が大きい。
6週目の精神神経学的項目(NPI)総スコア[時間枠:6週目]
認知症で生じる12の行動障害を評価する、介護者のインタビューに基づいた評定スケール:妄想、幻覚、激越/攻撃性、うつ病/不快気分、不安、病的爽快/多幸症、無感情/無関心、脱抑制、短気/不安定さ、異常の運動行動、食欲/摂食および睡眠。重症度の頻度*症状の症状によって得られるそれぞれの症状スコア(0−12に及ぶ)。総スコア=症状のスコアの合計;範囲:0−144。スコアが高ければ高いほど、行動障害が大きい。
認知(CogState)タスク用のコンピューター化された検査バッテリー:3週目の検出[時間枠:3週目]
30回の試行に対する5分以内のはいまたはいいえ応答(yes or no responses)による認知領域精神運動機能の評価;スコア範囲:0〜3.69.達成変数:達成の速度;正確な反応についてlog10t変換した反応時間の平均。
5秒よりも長い反応時間(log10[5000])は異常に遅い反応を反映するものとして除外された。
認知(CogState)タスク用のコンピューター化された検査バッテリー:6週目の検出[時間枠:6週目]
30回の試行に対する5分以内のはいまたはいいえ応答(yes or no responses)による認知領域精神運動機能の評価;スコア範囲:0〜3.69.達成変数:達成の速度;正確な反応についてlog10t変換した反応時間の平均。5秒よりも長い反応時間(log10[5000])は異常に遅い反応を反映するものとして除外された。
患者の状態が改善する場合、医者の裁量に基づいて、化合物の投与は、以下の目的によって、継続的に与えられるか、または、一定時間の間、一時的に停止される。
適格性
研究の資格のある年齢:55歳〜85歳
研究の資格のある性別:両方
基準
包含基準:男性または女性で55−85歳
1)国立神経疾患・言語障害・脳卒中およびアルツハイマー病および関連精神障害研究所(National Institute of Neurological and Communicable Disease and Stroke and Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association)(NINCDS−ADRDA)と、2)精神障害の診断と統計マニュアル(DSM IV)の両方の基準と一致する高い可能性でありそうなアルツハイマー病の診断。
14−26のミニメンタルステート検査スコアを含む
<または=4のRosen-Modified Hachinski 虚血スコア
除外基準:
他の認知症または神経変性障害の診断または病歴
臨床的に有意な脳血管または心血管性の疾患の診断または病歴
肺疾患の被験体または臨床的に有意な肺の症状の証拠を有する被験体
(実施例7:経口製剤)
経口送達用の医薬組成物を調製するために、100mgの典型的な化合物1を100mgのトウモロコシ油と混合した。経口投与に適したカプセル中に経口投与量単位で混合物を組み込んだ。
いくつかの例においては、本明細書に記載の100mgの化合物を750mgのデンプンと混合する。混合物を、経口投与に適する、例えば、硬ゼラチンカプセルのような経口投与量単位で組み込む。
(実施例8:舌下(硬ロゼンジ)製剤)
例えば、硬ロゼンジのような口腔送達用の医薬組成物を調製するために、本明細書に記載の化合物100mgを、420mgの粉砂糖、1.6mLのライトコーンシロップ、2.4mLの蒸留水、および、0.42mLのミント抽出物と混ぜ合わせる。混合物を、穏やかに混ぜ合わせ、口腔投与に適した錠剤を形成するために型に注ぐ。
(実施例9:吸入組成物)
吸入送達用の医薬組成物を調製するために、本明細書に記載の化合物20mgを、50mgの無水クエン酸と、100mLの0.9%塩化ナトリウム溶液と混合する。混合物を、吸入投与に適した、例えば噴霧器のような吸入送達ユニットに組み込む。
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され記載されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者には明らかであろう。多くの変更、変化および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。当然のことながら、本明細書に記載される発明の実施形態に対する様々な代替物が本発明を実行するために用いられてもよい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。

Claims (15)

  1. 以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的
    に許容可能な塩、代謝物、または溶媒和物からなる、被験体の神経変性疾患を処置し、またはそのリスクを低減させるために使用される医薬組成物であって、
    ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NR、または硫黄であり、
    Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
    、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチル、または(CH−CHであり、
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換される、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリールであり、
    m=1−12であり、および、
    n=1−12である、医薬組成物。
  2. 前記医薬組成物は、被験体におけるβ−アミロイドによって誘発されたニューロンの損傷を抑制する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、および、筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記神経変性疾患は、アルツハイマー病またはパーキンソン病である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 以下の構造を有する治療上有効な量のシクロヘキセノン化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、代謝物、または溶媒和物からなる、被験体におけるβ−アミロイドによって誘発された疾患の処置のために使用される医薬組成物であって、
    ここで、XおよびYの各々は、独立して酸素、NRまたは硫黄であり、
    Rは水素またはC(=O)C−Cアルキルであり、
    、R、およびRの各々は、独立して、水素、メチル、または(CH−CHであり、
    は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換される、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリールであり、
    m=1−12であり、および、
    n=1−12である、医薬組成物。
  6. β−アミロイドによって誘発された疾患は、アルツハイマー病またはダウン症候群である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物は、経口で、非経口で、または静脈内に投与される、請求項1乃至6の
    いずれか1つに記載の医薬組成物。
  8. 前記シクロヘキセノン化合物は、ベニクスノキタケ(Antrodia camphorate)から単離されるか、合成的にまたは半合成的に調製される、請求項1または5に記載の医薬組成物。
  9. Rは水素、C(=O)C、C(=O)C、または、C(=O)CHである、請求項1または5に記載の医薬組成物。
  10. 、R、および、Rの各々は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、または、オクチルである、請求項1または5に記載の医薬組成物。
  11. 、R、および、Rの各々は、独立して、水素またはメチルである、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基で随意に置換される、CHPh、CPh、5または6員環ラクトン、C−Cアルキル、アリールである、請求項1または5に記載の医薬組成物。
  13. は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、および、C−Cハロアルキルから選ばれた1つ以上の置換基によって随意に置換されたC−Cアルキルである、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. はCHCH=C(CHである、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 前記シクロヘキセノン化合物は以下のとおりである、請求項14に記載の医薬組成物。
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