JP6406006B2 - 溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどを用いた化合物系等の集積型薄膜太陽電池を製造する際に用いられる溝加工ツール並びにこの溝加工ツールを取り付けたスクライブ装置に関する。
ここで、カルコパイライト化合物とは、CIGS(Cu(In,Ga)Se)の他に、CIGSS(Cu(In,Ga)(Se,S))、CIS(CuInS)等が含まれる。
化合物半導体を光吸収層として用いる薄膜太陽電池においては、基板上に複数のユニットセルを直列接続した集積型構造が一般的である。
従来のカルコパイライト化合物系集積型薄膜太陽電池の製造方法について説明する。図7は、CIGS薄膜太陽電池の製造工程を示す模式図である。まず、図7(a)に示すように、ソーダライムガラス(SLG)等からなる絶縁基板21上に、プラス側の下部電極となるMo電極層22をスパッタリング法によって形成した後、スクライブ加工により下部電極分離用の溝P1を形成する。
その後、図7(b)に示すように、Mo電極層22上に、化合物半導体(CIGS)薄膜からなる光吸収層23を積層して、その上に、ヘテロ接合のためのZnS薄膜等からなるバッファ層24を形成し、さらにその上に、ZnO薄膜からなる絶縁層25を形成する。そして、下部電極分離用の溝P1から横方向に所定距離離隔した位置に、スクライブ加工によりMo電極層22にまで到達する電極間コンタクト用の溝P2を形成する。
続いて、図7(c)に示すように、絶縁層25の上からZnO:AI薄膜からなる上部電極としての透明電極層26を形成し、スクライブ加工により下部のMo電極層22にまで到達する電極分離用の溝P3を形成する。
上述した集積型薄膜太陽電池を製造する工程において、電極分離用の溝P2およびP3をスクライブにより溝加工する技術として、レーザスクライブ法とメカニカルスクライブ法が用いられてきた。
レーザスクライブ法は、例えば特許文献1で開示されているように、アークランプ等の連続放電ランプによって、Nd:YAG結晶を励起して発信したレーザ光を照射することにより電極分離用の溝を形成するものであるが、スクライブ時にレーザ光の熱によって光吸収層23の光電変換特性が劣化するおそれがあった。
また、メカニカルスクライブ法は、例えば特許文献2および特許文献3で開示されているように、先端が先細り状となった溝加工ツールの刃先を、所定の圧力をかけて基板に押しつけながら移動させることによって、電極分離用の溝を加工する技術である。現在ではこのメカニカルスクライブ法が多く行われている。
特開平11−312815号公報 特開2002−094089号公報 特開2004−115356号公報
メカニカルスクライブ法で用いられる溝加工ツールは、一般的には安いコストで、かつ高精度に仕上げることのできる旋盤を使用した丸断面形状のものが多い。このような丸断面形状の溝加工ツールとして、図8(a)に示すような、棒状のボディ27の下方を先細り状の円錐台形のテーパ部28としてその先端を水平にカットし、水平な底面29の角部を刃先30としたものが特許文献2、3で開示されている。
また、加工される溝の左右側壁の平行度を精密に仕上げるために、図8(b)に示すような、テーパ部28の下部に上下均等な直径の円柱部31を形成し、その先端角部32を刃先としたものがある。ツール先端の水平な底面29は、溝加工の際に鋭利な刃先先端とすることによって、Mo電極層を傷つけないようにするために設けられたものである。
この溝加工ツールを、薄膜太陽電池基板から離れないように一定の圧力で押しつけながら、スクライブ予定ラインに沿って相対的に移動させて溝加工を行うのであるが、被加工面の凹凸で溝加工ツールは慣性力による上下方向の力を受けてバウンドするため、それを抑えるためには一定の押圧力、例えば0.5N以上の力が必要となる。
しかし、溝加工ツールの刃先を上記の押圧力で薄膜太陽電池に押しつけながら使用していると、図9(a)の新品の状態から、加工溝の深さhに相当する外周側面と底面との刃先の角部30、32が太陽電池基板の膜との接触によって摩耗し、図9(b)に示すように、刃先の左右幅が小さくなるとともに切れ味が劣化する。刃先先端部の左右幅が小さくなると、加工される溝幅が狭くなって規定された寸法の溝を精度よく加工することができず、図7の電極分離用の溝P2、P3では充分な絶縁効果が得られない場合も発生する。また、刃先の切れ味が劣化すると、溝をきれいに加工することができないだけでなく、一部の薄膜が不規則に大きく剥がれて必要以上に除去してしまうことがあり、太陽電池の特性および歩留まりが低下するといった問題点があった。
そこで本発明は上記の課題に鑑み、刃先部分に工夫を加えることによって、耐摩耗性が向上して使用寿命を延ばすことができると共に、溝加工時の膜剥がれ等の現象を抑制することができる溝加工ツール並びにこれを取り付けたスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の薄膜太陽電池用の溝加工ツールは、薄膜太陽電池基板の薄膜を剥離させて溝を形成する溝加工ツールであって、棒状のボディと、当該ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部に形成された刃先領域とを備え、前記刃先領域は、水平な底面と、当該底面と前記円柱部又は前記テーパ部の外周側面との角部に形成された刃先とからなり、前記外周側面はツール素材よりも硬い硬質材料からなる被膜がコーティングされるとともに、前記底面はツール素材の地肌が露出している構成とした。
本発明の溝加工ツールは、スクライブ装置に組み込まれているスクライブヘッドのホルダに取り付けて使用される。スクライブ加工の際、本発明に係る溝加工ツールでは、外周側面がツール素材よりも硬い硬質材料によってコーティングされているので外周側面の耐摩耗性が向上し、前述した刃先部分が摩耗して細くなるようなことが緩和される。また、これにより、加工される溝幅を一定に保持して高精度の溝加工を行うことができると共に、ツール寿命を延ばすことができる。
また、底面はツール素材の地肌が露出した状態で残されていることから、外周側面に形成された硬度の高い被膜の摩耗速度と、この被膜に比べて硬度の低い底面(ツール素材)の摩耗速度とが均衡し、略水平な姿勢でほぼ均等に摩耗が進行することになる。これにより、刃先となる尖った角部を保持して切れ味の劣化を防ぐことができるといった効果がある。
本発明において、前記刃先領域は前記テーパ部の先端部に形成され、当該テーパ部の外周側面の中心角が(20°を中心とした)10°〜30°の範囲内で形成されている構成とするのがよい。
これにより、ツールにかかる振動(衝撃)を実験値で示すように小さく抑えることができるとともに、中心角を小さくすることで加工される溝の左右側壁面の平行度を維持することができ、きれいな溝を精密に加工することができる。また、加工される溝の左右のエッジが斜めに削られるようなことがなくなって膜剥がれの発生を抑制することができる。さらに、テーパ部は、角度は小さいものの底面から上方にかけての直径が太くなっているので、正円柱体のツールに比べて強度を高めることができ、スクライブ中に折れる等の不具合の発生を抑制することができる。
本発明において、前記テーパ部が、上段テーパ部と、当該上段テーパ部より外周側面の中心角度の小さな下段テーパ部とによって2段形状で形成され、下段テーパ部の先端部分が前記刃先領域を形成しており、前記下段テーパ部の中心角が(20°を中心とした)10°〜30°の範囲内で形成され、かつ、当該下段テーパ部の高さが加工すべき溝深さの寸法より大きく、前記底面の直径より小さく形成されている構成とするのがよい。
これにより、ツールにかかる振動(衝撃)を小さく抑えることができるとともに、中心角を小さくすることで加工される溝の左右のエッジが斜めに削られるようなことがなくなって膜剥がれの発生を抑制することができる。しかも下段テーパ部は、加工すべき溝幅に対応して小さい直径で形成された底面よりもさらに小さい寸法の高さ(背丈)で形成され、しかもその上部が下段テーパ部より大きな角度を有する上段テーパ部に連設して補強されているので、スクライブ中に下段テーパ部が中間部から折れる等のトラブルの発生をなくすことができる。また、下段テーパ部の高さが、加工すべき溝深さより大きな寸法で形成されているので、所定深さの溝を確実に加工することができる。
本発明の溝加工ツールを用いたスクライブ装置の一実施形態を示す概略的正面図。 本発明の溝加工ツールを示す全体斜視図と一部拡大断面図。 本発明の溝加工ツールの別実施例を示す全体斜視図と一部拡大断面図。 先端角度が異なる3種のツールを用いて3000m溝加工したときの刃先にかかる振動と膜剥がれ幅を示す表。 図4の実験に使用した3種の溝加工ツールを示す図。 本発明に係る溝加工ツールのさらなる別実施例を示す全体斜視図と一部拡大断面図。 一般的なCIGS系の薄膜太陽電池の製造工程を示す模式図。 従来の溝加工ツールの例を示す正面図。 従来の溝加工ツールの刃先の摩耗を示す説明図。
以下において、本発明の詳細を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る溝加工ツールを用いた集積型薄膜太陽電池用スクライブ装置の実施形態を示す概略的な正面図である。
スクライブ装置Aは、太陽電池基板Wを載置して保持するテーブル1を備えている。テーブル1は、水平なレール2に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示略)によって回転するネジ軸3により駆動される。さらに、テーブル1はモータを内蔵する回転駆動部4により水平面内で回動できるようになっている。
テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱5、5と、X方向に水平に延びるビーム(横桟)6とを備えたブリッジ7が、テーブル1上を跨ぐようにして設けられている。
ビーム6には、X方向に水平に延びるガイド9が設けられ、このガイド9にはスクライブヘッド10がモータMによってX方向に移動できるように取り付けられている。
スクライブヘッド10の下部には、テーブル1上に載置される太陽電池基板Wの薄膜表面をスクライブ加工する溝加工ツール8を保持するホルダ11が設けられている。ホルダ11は、流体シリンダ12によって溝加工ツール8と共に昇降できるように形成されている。
図2は、本発明に係る溝加工ツール8を示すものであって、図2(a)は全体形状を示す斜視図であり、図2(b)は刃先部分の拡大断面図である。この溝加工ツール8は、鋼材や超硬合金等の工具特性に優れた材料で作製される。
溝加工ツール8は、実質的にホルダ11への取付部となる断面円形の棒状のボディ81と、このボディ81の下部に一体的に形成された先細り状のテーパ部82と、テーパ部82の細くなった先端部で一体的に形成された正円柱体からなる細径の円柱部83と、この円柱部83の先端部分に形成された刃先領域84とからなる。ボディ81、テーパ部82並びに円柱部83は、それぞれの軸心が同軸となるように形成するのがよい。これにより、ボディ81を旋盤などの加工機械のチャックで掴んで回転させ、バイトでボディ81の先端部分を研削することにより、容易かつ精密にテーパ部82並びに円柱部83を加工することができる。
溝加工ツール8の刃先領域84は、円柱部83の水平な底面85と、この底面85と円柱部83の外周側面86との角部に形成された刃先87からなる。
そして、円柱部83の外周側面86が、ツール素材よりも硬い硬質材料の被膜88によってコーティングされる。被膜88の厚みは0.5μm〜2μm程度である。
硬質材料としてはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)が好ましいが、TiN(窒化チタン)、TiC(チタンカーバイト)、TiCN(窒化チタンカーバイト)といった硬質セラミックスなどでも効果があり、CVD法やPVD法によりコーティングすることができる。
なお、コーティングされる硬質材料にはツール素材よりも硬度の高いものが選択される。例えば、ツール素材が超硬合金の場合にはDLCが用いられる。
硬質材料による被膜88は、外周側面86で加工すべき溝に嵌まり込む部分を含む一部の周面でよいが、外周側面86の全域、もしくはテーパ部82の外周側面にかけてコーティングしても差し支えない。ただし、底面85はコーティングせず地肌(ツール素材の表面)を残しておくようにする。この場合、例えば、プラズマCVD法でDLCの成膜を行う工程では、ツールを真空チャンバ内に入れて外周側面86に成膜するときに、底面85を含む成膜不要な部分を剥離可能な遮断膜で塞いでおき、後でこの遮断膜を剥離することにより作製することができる。
なお、成膜不要な部分を剥離可能な遮断膜で塞ぐことによりコーティングする上記の方法に代えて、外周側面86と共に底面85をコーティングしておき、その後底面85のコーティングを摩滅させて除去するようにしてもよい。
上述した溝加工ツール8を用いてスクライブ加工を行う場合は、ツール先端を下方に向けた姿勢で溝加工ツール8をスクライブヘッド10のホルダ11に取り付ける。そして、テーブル1をY方向に移動させて太陽電池基板Wのスクライブ予定ラインが溝加工ツール8の直下になるよう位置決めをした後に、溝加工ツール8を下動させてその先端を流体シリンダ12により太陽電池基板Wの表面に押しつけた状態でX方向に移動させてX方向のスクライブ加工を行う。また、太陽電池基板Wの表面にY方向のスクライブ加工を行う場合には、テーブル1を90度回転させて、上記と同様の動作を行う。
上記のスクライブ加工の際、本実施例の溝加工ツール8では、円柱部83の外周側面86の少なくとも太陽電池基板Wの溝に嵌まり込む部分を含む一部がツール素材よりも硬い硬質材料によってコーティングされているので、スクライブ時に太陽電池基板の溝に嵌まり込んで大きな抵抗を受ける外周側面の耐摩耗性が向上する。これにより、前述した刃先部分が摩耗して細くなるようなことが緩和され、加工される溝幅を一定に保持して高精度の溝加工を行うことができると共に、ツール寿命を延ばすことができる。
また、底面85は地肌が露出した状態で残されているので、外周側面86に形成された硬度の高い被膜88の摩耗速度と、この被膜88に比べて硬度の低い底面85(ツール素材)の摩耗速度とが均衡して、略水平な姿勢で均等に摩耗していくことになる。これにより、刃先87となる角部の形状変化を抑制することができ、これまでよりも長い期間にわたって尖った状態を保持して切れ味の劣化を防ぐことができる。
図3は本発明の別の実施例を示すものであって、図3(a)は全体の斜視図であり、図3(b)は刃先部分の拡大断面図である。この実施例では、ボディ81の下部に形成された先細り状のテーパ部82の先端部分に、直接、刃先領域84が設けられている。また、硬質材料のコーティングによる被膜88は、テーパ部82の刃先領域近傍84の外周側面に形成されている。
テーパ部82の外周側面86の中心角αは、発明者等による下記実験のデータから20°を中心とした10°〜30°の範囲に設定されている。
図4は、発明者等が刃先の角度がそれぞれ異なる超硬合金製の3種の溝加工ツールを用いて、太陽電池基板の溝を3000m加工したときのツールにかかる振動と加工溝の膜剥がれ幅を検証した結果を示す表である。表中、ツール種欄における角度は、実験に用いた3種のツールの外周円錐面(外周側面)の中心角αを示すものである。また、図5は上記実験に用いた溝加工ツールを示すものであって、図5(b)は中心角αが20°のものであり、図5(c)は45°のものである。また図5(a)は刃先を形成する角部を直角にしたものであり、ここでは中心角αを0°とした。
これらの実験から、中心角20°のものが、角度の大きな45°のものに比べて膜剥がれ幅が半分程度と小さいことがわかる。また、刃先先端にかかる荷重の変位量(振動)についても、中心角20°のものが他に比べて小さく、ツールにかかる衝撃が少ないことが判明した。
そして、外周円錐面の中心角αを、20°を中心とした±10°の範囲とすれば、膜剥がれ幅をほぼ同程度に抑えられることが判明した。
そこで、本実施例では、テーパ部の中心角αを、20°を中心とした10°〜30°としている。
この実施例では、ツールにかかる振動(衝撃)を実験値で示すように小さく抑えることができるとともに、中心角αを小さくすることで加工される溝の左右側壁面の平行度を維持することができ、きれいな溝を精密に加工することができる。また、加工される溝の左右のエッジが斜めに削られるようなことがなくなって膜剥がれの発生を抑制することができる。また、テーパ部82は、角度は小さいものの底面から上方にかけて直径が太くなっているので、従来の正円柱体のツールに比べて強度を高めることができ、スクライブ中に折れる等の不具合の発生を抑制することができる。
図6は本発明に係る溝加工ツールのさらに別の実施例を示すもので、図6(a)は全体の斜視図であり、図6(b)は刃先部分の拡大断面図である。
この実施例では、棒状ボディ81の下部に中心角度αの大きなテーパ部82と、この上段テーパ部82aより角度の小さな下段テーパ部82bとの2段形状で形成され、下段テーパ部82bの先端部分に上記刃先領域84が形成されている。そして、下段テーパ部82bから上段テーパ部82aにかけてその外周側面に硬質材料からなる被膜88がコーティングにより形成されている。下段テーパ部82bの中心角α1は、図4の実験データで好ましい数値とされた20°を中心とした10°〜30°の範囲内で形成され、上段テーパ部82aの中心角α2は140°以上の大きな角度で形成されている。また、下段テーパ部82bの高さHが加工すべき溝深さの寸法より大きく、前記底面85の直径Dより小さく形成されている。
この2段形状の溝加工ツール8では、硬質材料のコーティングによる耐摩耗性の向上の他に、下段テーパ部82bの中心角α1が、20°を中心とした10°〜30°で設定されているので、上記実験値で示されたように、ツールにかかる振動(衝撃)を小さく抑えることができる。また、中心角α1を小さくすることで、加工される溝の左右のエッジが斜めに削られるようなことがなくなって膜剥がれの発生を抑制することができる。しかも、下段テーパ部82bは、加工すべき溝幅に対応して小さい直径で形成された底面85よりもさらに小さい寸法の高さ(背丈)で形成され、しかもその上部が下段テーパ部82bより大きな角度を有する上段テーパ部82aに連設して補強されているので、スクライブ中に下段テーパ部82bが中間部から折れてしまうようなことがなくなる。また、下段テーパ部82bの高さHが、加工すべき溝深さより大きな寸法で形成されているので、所定深さの溝を確実に加工することができる。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものでなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、カルコパイライト化合物やテルル化カドミウムなどの化合物系半導体膜を用いた集積型薄膜太陽電池の製造に用いることのできる溝加工ツールに適用することができる。
A スクライブ装置
W 太陽電池基板
P1、P2、P3 スクライブ溝
8 溝加工ツール
81 ボディ
82 テーパ部
82a 上段テーパ部
82b 下段テーパ部
83 円柱部
84 刃先領域
85 底面
86 外周側面
87 刃先
88 被膜
10 スクライブヘッド
11 ホルダ

Claims (5)

  1. 薄膜太陽電池基板の薄膜を剥離させて溝を形成する溝加工ツールであって、
    棒状のボディと、前記ボディの下部に形成された先細り状のテーパ部と、前記テーパ部の先端部、もしくは、当該テーパ部に連なって形成される円柱部の先端部に形成された刃先領域とを備え、
    前記刃先領域は、水平な底面と、当該底面と前記円柱部又は前記テーパ部の外周側面との角部に形成された刃先とからなり、
    前記外周側面は、ツール素材よりも硬い硬質材料からなる被膜がコーティングされるとともに、前記底面はツール素材の地肌が露出している溝加工ツール。
  2. 前記刃先領域は前記テーパ部の先端部に形成され、当該テーパ部の外周側面の中心角が10°〜30°の範囲内で形成されている請求項1に記載の溝加工ツール。
  3. 前記テーパ部が、上段テーパ部と、当該上段テーパ部より外周側面の中心角度の小さな下段テーパ部とによって2段形状で形成され、下段テーパ部の先端部分が前記刃先領域を形成しており、
    前記下段テーパ部の中心角が10°〜30°の範囲内で形成され、かつ、当該下段テーパ部の高さが加工すべき溝深さの寸法より大きく、前記底面の直径より小さく形成されている請求項1に記載の溝加工ツール。
  4. 溝加工ツールの素材が超硬合金であり、前記被膜がDLCである請求項1〜3のいずれかに記載の溝加工ツール。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の溝加工ツールを、ホルダを介して保持するスクライブヘッドと、前記薄膜太陽電池基板を載置するテーブルを備え、前記スクライブヘッドを薄膜太陽電池基板に対して相対的に移動させることにより前記溝加工ツールの刃先で前記薄膜太陽電池基板の表面に溝を加工するようにしたスクライブ装置。
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