JP6405675B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、冷却装置に関し、特に、膨張弁と、蒸発器と、蒸発器から流出する冷媒量を調整する流量調整弁とを備えた冷却装置に関する。
従来、膨張弁と、蒸発器と、蒸発器から流出する冷媒量を調整する流量調整弁とを備えた冷却装置などが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、液冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張弁により膨張された冷媒を蒸発させる冷却器(蒸発器)と、冷却器の蒸発圧力を調整する蒸発圧力調整弁(流量調整弁)とを備えたショーケース(冷却装置)が開示されている。この特許文献1に記載のショーケースでは、蒸発圧力調整弁を使用せず冷却器の能力を効果的に得て庫内を冷凍温度帯に維持する運転モードと、蒸発圧力調整弁を使用して冷却器の能力を抑制しながら庫内を冷蔵温度帯に維持する運転モードとが、切替可能に構成されている。
ここで、蒸発圧力調整弁(EPR)は、蒸発器と圧縮機との間を流通する冷媒に流通抵抗(圧力損失)を付与することにより、圧縮機の吸入圧力に対して蒸発圧力調整弁が生じさせる圧力損失分だけ蒸発器内の蒸発圧力(蒸発温度)を高める役割を有する。そして、蒸発温度の上昇が冷却能力の抑制をもたらす。なお、蒸発圧力調整弁には絞り部を開閉する弁体が内蔵されており、弁体を押圧するばねの押圧力の分だけ蒸発圧力が高められる。また、ユーザ(運転管理者)が運転前に調節ねじを回すことによってばね圧が所定値(固定値)に設定される。したがって、冷凍サイクル装置の運転中は、通常、固定値に設定されたままの状態で蒸発圧力調整弁は動作されて、蒸発圧力(蒸発温度)は、ほぼ一定に保たれる。なお、上記特許文献1に記載されたショーケースにおいては、この一般的な蒸発圧力調整弁が用いられていると考えられる。
特開平5−332658号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたショーケースでは、ユーザにより予めばね圧が所定値(固定値)に設定された蒸発圧力調整弁を用いているので、ばね圧は、ショーケースの運転中には変更されない。このため、庫内の熱負荷に応じて冷却器(蒸発器)の蒸発温度の適正値が変化する場合であっても、蒸発温度(蒸発圧力)が一定値に保たれたまま運転が継続されてしまう。特に、庫内の熱負荷が小さくて冷却能力を抑制したいにも拘らず冷媒の蒸発温度が低すぎる(蒸発温度と庫内温度との差が大きすぎる)運転状態では、庫内の冷却温度を安定的に制御することができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、熱負荷の変動に応じて冷却温度を安定的に制御することが可能な冷却装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる電子膨張弁と、電子膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、開度に応じて蒸発器から流出する冷媒の流量を調整する流量調整弁と、蒸発器の入口近傍の冷媒温度または蒸発器内部の冷媒温度の少なくとも一方を検出する第1冷媒温度検出部と、蒸発器の出口近傍の冷媒温度を検出する第2冷媒温度検出部と、第1冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づく蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度に基づいて流量調整弁の開度を制御することにより、蒸発器における冷媒の蒸発温度を制御するように構成された制御部と、を備え、制御部は、流量調整弁の開度制御により調整された蒸発温度のもとで、第1冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づいて蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度が所定値になるように電子膨張弁の開度を制御するように構成されている。
この発明の一の局面による冷却装置では、上記のように、蒸発器における冷媒の過熱度に基づいて流量調整弁の開度を制御することにより、蒸発器における冷媒の蒸発温度を制御するように構成された制御部を設ける。これにより、蒸発器における冷媒の過熱度に基づいて制御中の蒸発器の冷却能力と実際に要求される冷却能力との差分を把握しながら、流量調整弁の開度を制御して適正な蒸発圧力(蒸発温度)を有するように蒸発器の状態を調整することができる。その結果、熱負荷の変動に応じて蒸発器の蒸発温度を追従させることができるので、冷却温度を安定的に制御することができる。
これにより、第1冷媒温度検出部と第2冷媒温度検出部とにより把握される冷媒の過熱度に基づいて蒸発器の状態を正確に把握することができる。この結果、正確に把握された熱負荷の変動に応じて蒸発器の蒸発温度を適切に追従させることができる。
これにより、熱負荷の変動に応じて適切に調整された蒸発温度のもとで、蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度をさらに微調整制御することができる。すなわち、蒸発温度が調整された蒸発器内の冷媒の蒸発具合を把握しながら電子膨張弁の開度を調整して冷媒の蒸発具合を最適化することができる。この結果、蒸発器を冷媒の蒸発に関して最も有効かつ高効率に使用することができる。その結果、蒸発器全体の熱交換効率を高く維持することができる。
上記第1冷媒温度検出部と第2冷媒温度検出部とをさらに備える構成において、好ましくは、第1冷媒温度検出部は、蒸発器内部の冷媒温度を検出する内部冷媒温度検出部を含み、制御部は、内部冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づく蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度に基づいて流量調整弁の開度を制御するとともに、流量調整弁の開度制御により調整された蒸発温度のもとで、内部冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づいて電子膨張弁の開度を制御するように構成されている。このように構成すれば、蒸発器内部の圧力損失を考慮した上で、蒸発器の出口における冷媒の過熱度制御を行うことができる。すなわち、蒸発器のサイズ(伝熱管の長さ)によっては冷媒流路の圧力損失(蒸発圧力降下)に起因して蒸発器の入口部近傍での蒸発温度よりも蒸発器内部での冷媒の蒸発温度が低い場合が生じる。したがって、入口部近傍での冷媒温度ではなく内部冷媒温度検出部により検出される蒸発器内部の冷媒温度(蒸発温度)を基準とした場合の蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度に基づいた冷媒の流量制御を行うことにより、蒸発器出口での冷媒の過熱度制御をより精度よく行うことができる。これにより、蒸発器内の冷媒の蒸発完了点をより確実に蒸発器の出口近傍に位置させることができるので、蒸発器の入口から出口に亘る略全ての冷媒流路を蒸発領域として使用することができる。この結果、蒸発器の熱交換性能(冷却能力)を最大限に発揮させることができる。
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、複数の蒸発器の各々が互いに並列接続されるとともに、各々の蒸発器よりも上流に電子膨張弁が設けられており、流量調整弁は、複数の蒸発器の各々に対応して設けられており、制御部は、蒸発器毎に有する冷媒の過熱度に基づいて各々に対応する流量調整弁の開度を制御することにより、蒸発器毎の冷媒の蒸発温度を個別に制御するように構成されている。このように構成すれば、蒸発器毎に要求される冷却能力を個々に把握しながら各々に適した蒸発圧力(蒸発温度)になるように冷却装置全体を運転制御することができる。また、蒸発器毎の冷却温度を安定的に制御することができるので、冷却装置の効率的な運転を行うことができる。
上記流量調整弁が複数の蒸発器の各々に対応して設けられる構成において、好ましくは、流量調整弁と並行して設けられ、流量調整弁を迂回して蒸発器の出口側と圧縮機の吸入側とを接続するバイパス流路をさらに備え、制御部は、複数の蒸発器のうち、バイパス流路が設けられた冷媒流路に対応する蒸発器の冷媒の蒸発温度が最も低い場合に、バイパス流路と並行する流量調整弁に冷媒を流通させることなくバイパス流路に冷媒を流通させた状態で、冷媒の蒸発温度が最も低い蒸発器以外の蒸発器に関して、各々に対応した冷媒の過熱度に基づいて流量調整弁の開度を制御することにより、蒸発器毎の冷媒の蒸発温度を個別に制御するように構成されている。このように構成すれば、複数の蒸発器のうち特定の蒸発器の蒸発温度が最も低い場合には、流量調整弁による不要な絞り(流通抵抗)がこの蒸発器の下流側の冷媒流路に生じるのを回避することができる。したがって、異なる冷却能力を有する蒸発器が混在する冷却装置を運転する場合であっても、不要な絞り(流通抵抗)に起因して圧縮機に負荷が掛かる(圧縮比が増大する)のを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、熱負荷の変動に応じて冷却温度を安定的に制御することが可能な冷却装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態による冷却装置の概略的な構成を示した図である。 本発明の第1実施形態による冷却装置の制御構成を示したブロック図である。 本発明の第2実施形態による冷却装置の概略的な構成を示した図である。 本発明の第2実施形態による冷却装置の制御構成を示したブロック図である。 本発明の第3実施形態による冷却装置の概略的な構成を示した図である。 本発明の第3実施形態による冷却装置の制御構成を示したブロック図である。 本発明の第4実施形態による冷却装置の概略的な構成を示した図である。 本発明の第4実施形態による冷却装置の制御構成を示したブロック図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による冷却装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による冷却装置100は、図1に示すように、CO冷媒を用いて所定の冷凍サイクルを形成可能に構成されている。具体的には、冷却装置100は、圧縮機10、ガスクーラ(放熱器)20、電子膨張弁30a(30bおよび30c)および蒸発器40a(40bおよび40c)と、これらを接続する冷媒配管(主に吐出管1、液管2および吸入管(ガス管)3)とを備えている。なお、ガスクーラ20は、本発明の「凝縮器」の一例であり、電子膨張弁30a〜30cは、本発明の「膨張弁」の一例である。
また、冷却装置100は、物品(図示せず)を保管する冷蔵倉庫105を所定温度に維持するために設置されている。ここで、冷蔵倉庫105は、互いに異なる温度(冷蔵温度または冷凍温度)に維持可能な複数の収容領域(収容庫)A〜C(2点鎖線で示す)を備えた冷凍冷蔵倉庫である。したがって、冷却装置100は、冷蔵倉庫105の収容領域A〜Cに保管される冷却対象物(物品)をそれぞれ冷却するための蒸発器40a〜蒸発器40cを備えている。なお、蒸発器40aは、冷蔵倉庫105内の収容領域Aを主に冷却するために設けられている。また、蒸発器40bは、収容領域Bを主に冷却するとともに、蒸発器40cは、収容領域Cを主に冷却するために設けられている。
また、蒸発器40a〜40cは、1つの冷凍サイクル(冷却装置100を構成する冷媒回路)の低圧側に互いに並列接続されている。すなわち、高圧側となる液管2は、液管2a、2bおよび2cの3系統に分岐されている。液管2aには、電子膨張弁30aと蒸発器40aとが直列接続され、液管2bには、電子膨張弁30bと蒸発器40bとが直列接続されている。また、液管2cには、電子膨張弁30cと蒸発器40cとが直列接続されている。そして、低圧側となる蒸発器40a〜40cの各々の下流側に接続された冷媒配管5a〜5cは1つに合流して吸入管3となり、吸入管3が圧縮機10に接続されている。
冷却装置100を構成する各機能部品について簡潔に説明する。圧縮機10は、吸入されたガス冷媒を圧縮して高圧側(吐出管1)に吐出する役割を有する。また、圧縮機10には、回転数制御に基づき冷媒吐出量が制御可能なインバータ制御式圧縮機が用いられる。ガスクーラ20は、内部を流通する過熱ガス状態の冷媒を送風機21により送風される外気(空気)を用いて冷却する機能を有する。また、ガスクーラ20内で凝縮(液化)された冷媒は、液管2aを流通して電子膨張弁30aに流入される。
電子膨張弁30aは、ガスクーラ20で冷却(液化)された冷媒を絞り膨張させて蒸発器40aに供給する役割を有する。また、電子膨張弁30aは、パルス制御により駆動されるステッピングモータの駆動力を利用して弁機構を開閉駆動する。また、電子膨張弁30aの開度に応じて蒸発器40aに流入する冷媒流量が制御される。また、電子膨張弁30aにより絞り膨張された液冷媒は、気液二相状態のまま冷媒配管4aを介して蒸発器40aに流入される。
蒸発器40aは、電子膨張弁30aから供給された気液二相冷媒を蒸発させる機能を有する。冷媒は、蒸発器40aを流通する際に蒸発潜熱を得ながら蒸発し、この際、収容領域Aを流通する空気から熱が奪われる。詳細な図示は省略するが、蒸発器40aは、伝熱管内部を冷媒が流通するフィンアンドチューブ型の空気熱交換器である。すなわち、蒸発器40aは、一対の端板(エンドプレート)間を往復蛇行する伝熱管群と、並行配置された伝熱管群の外周壁に固定されるとともに等ピッチ間隔に配置された複数のフィン部材とを備えている。また、蒸発器40aにおける蒸発後の冷媒は、気相を多く含んだガス状態となって冷媒配管5aおよび吸入管3の順に流通されて圧縮機10に戻される。
冷却装置100では、圧縮機10から吐出された冷媒(CO)が、吐出管1、ガスクーラ20、液管2a(2bおよび2c)、電子膨張弁30a(30bおよび30c)、蒸発器40a(40bおよび40c)、冷媒配管5a(5bおよび5c)および吸入管3の順に矢印P方向に流通して再び圧縮機10に帰還されるサイクルを繰り返す。
また、冷却装置100には、図2に示すように、圧縮機10および電子膨張弁30a〜30cの動作制御を行うための制御部70が設けられている。なお、収容領域A〜Cには、各々の現在温度を検出するための空気温度センサ91a〜91cがそれぞれ設けられている。冷却装置100では、空気温度センサ91a〜91cの検出結果に基づいて、制御部70により蒸発器40a〜40cの各々の能力(冷却能力)が個別に制御されるように構成されている。
具体的には、図1に示すように、冷蔵倉庫105内の設定温度に対する現在の冷却負荷に応じて蒸発器40a〜40cの各々の能力が調整されるように構成されている。収容領域A〜Cの各々の設定温度よりも現在温度が高い場合には、圧縮機10の回転数制御と電子膨張弁30a〜30cの各々の開度制御とにより蒸発器40a〜40cの各々の冷却能力を増加させる運転制御が行われる。反対に、収容領域A〜Cの各々の設定温度(目標値)と現在温度との差が小さい場合には、その差に応じて蒸発器40a〜40cの各々の冷却能力を徐々に減少させる運転制御が行われる。
この場合、蒸発器40aは、収容領域Aを低温域(たとえば冷凍温度が−20℃前後)に維持する役割を担う。蒸発器40bは、収容領域Bを中温域(たとえば冷蔵温度が約−5℃以上約0℃以下の範囲)に維持する役割を担う。蒸発器40cは、収容領域Cを高温域(たとえば冷蔵温度が約5℃以上約8℃以下の範囲)に維持する役割を担う。つまり、蒸発器40aは相対的に最も大きな冷却能力が要求される一方、蒸発器40aに対して蒸発器40bおよび40cは、この順により少ない冷却能力しか要求されない。したがって、蒸発器40a〜40cは、各々の設定温度域(要求される冷却負荷)に応じた冷却能力を発揮するように能力が制御される。
なお、上記した収容領域A、BおよびCと設定温度(低温域、中温域および高温域)との対応関係は一例であり、この対応関係は変更されうる。たとえば、季節により冷蔵倉庫105に保管される物品の種類も変化するので、収容領域A〜Cと、低温域〜高温域との個々の対応関係も変更される。また、保管する物品の種類に応じた収容領域毎の温度設定値にも、ある程度の範囲が設けられている。これによっても蒸発器40a〜40cへの冷却負荷は個別に変動する。すなわち、蒸発器40a〜40cの各々が有する冷媒の蒸発温度(蒸発圧力)は、冷蔵倉庫105の使用態様の変化に合わせて自動的かつこまめに調整されるのが望ましい。なお、以下では、蒸発器40aは低温域(−20℃前後)を担い、蒸発器40bは中温域(約−5℃以上約0℃以下)を担い、蒸発器40cは高温域(約5℃以上約8℃以下)を担う態様を一例として説明を進める。
冷却装置100では、最も冷却能力を必要とする蒸発器40aに要求される目標蒸発温度Tga近傍になるように圧縮機10の回転数(運転周波数)が制御部70(図2参照)の指令に基づき制御される。すなわち、圧縮機10の回転数を増減させて低圧圧力(蒸発圧力)が調整される。これにより、蒸発器40aの蒸発温度Teaが目標蒸発温度Tga付近となって収容領域Aを冷却可能な冷凍サイクル状態が形成される。そして、電子膨張弁30aの開度制御により蒸発器40a内部の冷媒の最適流量が確保される。同時に、蒸発器40a出口における冷媒ガスの過熱度H1aが一定範囲内に保持される。このようにして、収容領域Aを低温域に維持するための冷却能力が蒸発器40aに発揮される。
一方、蒸発器40aよりも冷却能力を必要としない蒸発器40bについては、蒸発器40aを基準に合わせ込まれた圧縮機10の回転数のままでは、蒸発圧力(蒸発温度)が低すぎる。したがって、蒸発器40bの蒸発温度Tebを収容領域Aよりも相対的に高温な収容領域Bの設定温度(約−5℃以上約0℃以下)に合わせて上昇させる制御が行われる。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、蒸発器40bよりも下流側の冷媒配管5bに流量調整弁52が設けている。また、流量調整弁52は、蒸発器40bと圧縮機10との間に配置されている。流量調整弁52は、パルス制御により駆動されるステッピングモータの駆動力を利用して弁機構を開閉駆動する。また、流量調整弁52の開度に応じて蒸発器40bから流出する冷媒流量が制御されるように構成されている。
流量調整弁52は、通過する冷媒を絞って圧力損失(圧力差)を付与する。すなわち、蒸発器40aを基準とした圧縮機10の回転数により決定された低圧圧力(吸入圧力)に対して、流量調整弁52が生じさせる圧力損失分だけ上流側の蒸発器40b内の蒸発圧力(蒸発温度Teb)は上昇される。そして、流量調整弁52を絞ることにより蒸発器40bの蒸発温度Tebが上昇された状態で、蒸発器40bに関する電子膨張弁30bの開度制御(過熱度H1bの微調整制御)が行われる。これにより、収容領域Bを中温域(約−5℃以上約0℃以下)に維持するための冷却能力が蒸発器40bに発揮される。
なお、第1実施形態では、蒸発器40bよりも上流側でかつ電子膨張弁30bの直後の冷媒配管4bに冷媒温度センサ81bが設けられている。また、蒸発器40bよりも下流側でかつ蒸発器40bと流量調整弁52との間の冷媒配管5bに冷媒温度センサ82bが設けられている。冷媒温度センサ81bは、蒸発器40bに流入する入口部近傍の冷媒温度T1bを検出する機能を有する。冷媒温度センサ82bは、蒸発器40bから流出する出口部近傍の冷媒温度T2bを検出する機能を有する。なお、冷媒温度センサ81bおよび82bは、それぞれ、本発明の「第1冷媒温度検出部」および「第2冷媒温度検出部」の一例である。
これにより、蒸発器40bの蒸発温度Tebは、冷媒温度センサ81bにより検出された冷媒温度T1bに基づいて制御的に把握される。したがって、収容領域Bの設定温度と現在の温度との差分により蒸発器40bに要求される冷却能力が制御部70(図2参照)により算出される。また、算出された冷却能力に対応する目標蒸発温度Tgbが設定される。そして、目標蒸発温度Tgbと現在の蒸発器40bの蒸発温度Tebとの差分をゼロにするように蒸発温度Tebが調整される。つまり、蒸発器40bの冷却能力が過剰な場合は、蒸発温度Tebを上昇させる方向に制御が進む。
この際、まず、電子膨張弁30bの開度制御が行われて蒸発器40bへ流入する冷媒流量が適正量付近まで調整される。また、電子膨張弁30bの開度に応じて蒸発器40bの出口近傍に所定量の過熱度H1bが生じる。なお、過熱度H1bは、冷媒温度センサ81bにより検出された冷媒温度T1bと冷媒温度センサ82bにより検出された冷媒温度T2bとに基づき把握される。そして、冷媒の過熱度H1bに基づいて、流量調整弁52の開度がさらに制御される。これにより、蒸発温度Tebが蒸発器40bに要求される冷却能力に見合ったレベルへと近付けられる。この場合、蒸発温度Tebは、蒸発温度Teaよりも大きく(高く)なる。
なお、流量調整弁52が絞る(開度を減少させる)方向に制御されると蒸発温度Tebは上昇される。つまり、流量調整弁52の開度減少とともに冷媒がより絞られて圧力損失(圧力差)が増加する。吸入管3の冷媒圧力(低圧)は圧縮機10側で決定されているので、圧力損失(圧力差)の増加分だけ蒸発器40b内の蒸発圧力(蒸発温度Teb)が上昇される。なお、蒸発温度Tebが上昇されるので蒸発器40bにおける空気側との熱交換時の温度差がより小さくなる。蒸発器40b中の冷媒は、気液二相状態をより長い時間維持しながら蒸発されるので、蒸発器40b出口の過熱度H1bは徐々に減少される。
また、流量調整弁52が開く(開度を増加させる)方向に制御されると蒸発温度Tebは低下される。つまり、流量調整弁52の開度増加とともに冷媒の絞りが緩められて圧力損失(圧力差)は減少する。また、圧力損失(圧力差)の減少分が蒸発器40b内の蒸発圧力(蒸発温度Teb)を低下させる。なお、蒸発温度Tebが低下されるので蒸発器40bにおける空気との熱交換時の温度差がより大きくなる。したがって、蒸発器40b中の冷媒は、気液二相状態がより短い時間で終了して蒸発を完了するので、蒸発器40b出口の過熱度H1bは徐々に増加する。
このように、過熱度H1bを参照しながら流量調整弁52の開度が増加または減少を繰り返すなどして、蒸発温度Tebが目標蒸発温度Tgbへと近付けられていく。
また、第1実施形態では、流量調整弁52の開度制御により調整された蒸発温度Tebのもとで、蒸発器40bの出口近傍における冷媒の過熱度H1b(=冷媒温度T2b−冷媒温度T1b)が所定値になるように電子膨張弁30bの開度が微調整制御される。この際にも、過熱度H1bは、冷媒温度センサ81bにより検出された冷媒温度T1bと冷媒温度センサ82bにより検出された冷媒温度T2bとに基づいて随時把握される。
なお、流量調整弁52の開度制御は、上記のように蒸発温度Tebを上昇または低下させる反面、過熱度H1bの一時的な上昇または低下を副次的にもたらす。しかしながら、過熱度H1bは、最終的には、蒸発器40bに流入する冷媒流量を制御する電子膨張弁30bの開度制御によって維持される。このように、蒸発器40bに関して、流量調整弁52の開度制御によって蒸発温度Tebの大まかなレベルを調整しつつ、その後の電子膨張弁30bの開度制御によって過熱度H1bを細かく調整している。これにより、蒸発器40bは、目標蒸発温度Tgbと過熱度H1bとが安定的に維持された状態で、その冷却能力が細かく調整される。したがって、収容領域Bは、中温域の状態が安定的に維持される。
また、蒸発器40bよりも冷却能力をさらに必要としない蒸発器40cについても、蒸発器40bの能力制御を行った場合と同様の構成および制御が適用される。すなわち、蒸発器40cの蒸発圧力(蒸発温度Tec)を収容領域Cの設定温度(約5℃以上約8℃以下)に合わせて上昇させる制御が同様に行われる。
すなわち、第1実施形態では、蒸発器40cよりも下流側の冷媒配管5cに流量調整弁53を設けている。また、流量調整弁53は、蒸発器40cと圧縮機10との間に配置されている。また、流量調整弁53の開度に応じて蒸発器40cから流出する冷媒流量が制御されるように構成されている。また、冷媒配管4cに冷媒温度センサ81cが設けられるとともに、蒸発器40cと流量調整弁53との間の冷媒配管5cに冷媒温度センサ82cが設けられている。冷媒温度センサ81cは、蒸発器40cに流入する入口部近傍の冷媒温度T1cを検出し、冷媒温度センサ82cは、蒸発器40cから流出する出口部近傍の冷媒温度T2cを検出する機能を有する。なお、冷媒温度センサ81cおよび82cは、それぞれ、本発明の「第1冷媒温度検出部」および「第2冷媒温度検出部」の一例である。
流量調整弁53の役割は、流量調整弁52と同様である。蒸発器40cでは、電子膨張弁30cの開度に応じた過熱度H1cを参照しながら流量調整弁53を絞ることによって、蒸発器40aおよび40bに対して蒸発圧力(蒸発温度Tec)がさらに上昇される。そして、蒸発器40cでは、流量調整弁53を絞ることによって蒸発温度Tecが上昇された状態で電子膨張弁30cの開度制御(蒸発器40cに関する過熱度H1cの微調整制御)がさらに行われる。これにより、収容領域Cを高温域(約5℃以上約8℃以下)に維持するための冷却能力が蒸発器40cに発揮される。
また、この場合も、流量調整弁53の開度制御により調整された蒸発温度Tecのもとで、蒸発器40cの出口近傍における冷媒の過熱度H1c(=冷媒温度T2c−冷媒温度T1c)が所定値になるように電子膨張弁30cの開度が微調整制御される。この際、過熱度H1cは、冷媒温度センサ81cにより検出された冷媒温度T1cと冷媒温度センサ82cにより検出された冷媒温度T2cとに基づいて随時把握される。
流量調整弁53の開度制御は、蒸発温度Tecを上昇または低下させる反面、過熱度H1cの一時的な上昇または低下を副次的にもたらす。しかしながら、過熱度H1cは、最終的には、蒸発器40cに流入する冷媒流量を制御する電子膨張弁30cの開度制御によって維持される。このように、蒸発器40cに関しても流量調整弁53の開度制御によって蒸発温度Tecの大まかなレベルを調整しつつ、その後の電子膨張弁30cの開度制御によって過熱度H1cを細かく調整している。これにより、目標蒸発温度Tgcと過熱度H1cとが安定的に維持された状態で、その冷却能力が細かく調整される。したがって、収容領域Cは、高温域の状態が安定的に維持される。
なお、第1実施形態では、図1に示すように、蒸発器40aが接続された冷媒回路についても、蒸発器40aよりも下流側の冷媒配管5aに流量調整弁51を設けている。また、流量調整弁51の開度に応じて蒸発器40aから流出する冷媒流量が制御されるように構成されている。また、冷媒配管4aに冷媒温度センサ81aが設けられ、蒸発器40aと流量調整弁51との間の冷媒配管5aに冷媒温度センサ82aが設けられている。冷媒温度センサ81aは、蒸発器40aに流入する入口部近傍の冷媒温度T1aを検出し、冷媒温度センサ82aは、蒸発器40aから流出する出口部近傍の冷媒温度T2aを検出する機能を有する。なお、冷媒温度センサ81aおよび82aは、それぞれ、本発明の「第1冷媒温度検出部」および「第2冷媒温度検出部」の一例である。
したがって、たとえば、収容領域Aが低温域(−20℃前後)に保たれているにも拘らず冷却対象物(物品)が少なく熱負荷が小さい場合には、蒸発器40aに関しても流量調整弁51の開度制御が行われる。すなわち、蒸発器40bおよび40cと同様に、蒸発器40aの冷却能力も抑制される。この場合も、過熱度H1aに基づく流量調整弁51の開度制御により調整された蒸発温度Teaのもとで、蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H1a(=冷媒温度T2a−冷媒温度T1a)が所定値になるように電子膨張弁30aの開度が微調整制御される。この際にも、過熱度H1aは、冷媒温度センサ81aにより検出された冷媒温度T1aと冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aとに基づいて随時把握される。
このように、蒸発器40aに関しても、まず、電子膨張弁30aの開度制御が行われて蒸発器40aへ流入する冷媒流量が適正量付近まで調整される。そして、電子膨張弁30aの開度に応じた過熱度H1aに基づく流量調整弁51の開度制御によって、蒸発温度Teaの大まかなレベルが調整される。さらに、蒸発温度Teaが目標蒸発温度Tga近傍に調整された状態で、その後の電子膨張弁30aの開度制御によって過熱度H1aが細かく調整される。これにより、蒸発器40aは、目標蒸発温度Tgaと過熱度H1aとが安定的に維持された状態で冷却能力が抑制される。また、蒸発器40aは、冷却能力が細かく調整される。したがって、収容領域Aは、熱負荷が小さいままの状態で低温域の状態が安定的に維持される。
なお、蒸発器40aの下流に流量調整弁51を設けているので、収容領域Aについても、上記した低温域のみならず中温域や高温域の状態に維持することも可能である。すなわち、冷却装置100では、流量調整弁51を絞ることにより蒸発器40aの冷却能力を大幅に減少させる一方、流量調整弁52または流量調整弁53を全開状態にする(圧力損失を最小にする)ことによって、蒸発器40b内または蒸発器40c内の冷媒圧力(蒸発圧力(蒸発温度Tebまたは蒸発温度Tec))を低下させることも可能である。つまり、蒸発温度Tebおよび/または蒸発温度Tecを、蒸発温度Teaよりも下げることも可能である。これにより、収容領域Aを中温域に設定するとともに収容領域BおよびCを低温域に設定して冷蔵倉庫105を使用することも可能になる。
このように、冷蔵倉庫105では、収容領域A〜Cの間に互いに異なる冷却能力が要求される蒸発器40a〜40cが1つの冷凍サイクル(冷媒回路)に並列接続された冷却装置100を備えている。そして、冷却装置100では、圧縮機10の回転数制御によって最も冷却能力(熱負荷)を必要とする蒸発器40aの蒸発圧力(サイクル低圧)を決定する一方、流量調整弁52を用いて蒸発器40bの蒸発圧力(蒸発温度Teb)を独自に制御するとともに、流量調整弁53を用いて蒸発器40cの蒸発圧力(蒸発温度Tec)を独自に制御する。さらには、収容領域Aの設定温度(熱負荷)が小さい場合には、流量調整弁51を用いて蒸発器40aの蒸発圧力(蒸発温度Tea)についても独自に制御可能である。したがって、物品の保管内容の季節変動のみならず、冷蔵倉庫105が設置された環境が日内変動を起こした場合であっても、冷却装置100は、この日内変動にも追従して運転される。これにより、収容領域A〜Cのいずれに関しても、常に要求される冷却温度(庫内温度)が安定的に維持されるように構成されている。
また、冷却装置100の制御的な構成としては、図2に示すように、CPUからなる制御部70に加えて、ROM71およびRAM72が設けられている。制御部70は、冷媒温度センサ81a〜81c、冷媒温度センサ82a〜82c、および、空気温度センサ91a〜91cからの入力信号に基づいて所定の判断を行う。また、判断結果に基づいて、圧縮機10、送風機21、電子膨張弁30a〜30c、流量調整弁51〜53および庫内送風機(図示せず)などの各種機能部品が適切に駆動されるように構成されている。
なお、ROM71には、制御部70が実行する制御プログラムに加えて電子膨張弁30a〜30cおよび流量調整弁51〜53の各々の開度制御に使用される開度制御テーブル(図示せず)や、圧縮機10の回転数制御に関する周波数制御テーブル(図示せず)などが格納されている。なお、開度制御テーブルには、冷媒温度センサ81a〜81c、冷媒温度センサ82a〜82cから算出される過熱度H1a〜H1cの値に応じた電子膨張弁30a〜30cの各々の弁開度の変更量(パルス数)が規定されている。また、開度制御テーブルには、冷媒温度センサ81a〜81cに基づく蒸発温度Tea〜Tecの値(正確には、目標蒸発温度Tga(TgbおよびTgc)と現在の蒸発温度Tea(TebおよびTec)との差分)に応じた流量調整弁51〜53の各々の弁開度の変更量(パルス数)が規定されている。また、RAM72は、制御プログラムが実行される際に用いられる制御上のパラメータが一時的に保存される。第1実施形態における冷却装置100は、上記のように構成されている。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、蒸発器40aにおける冷媒の過熱度H1aに基づいて流量調整弁51の開度を制御することにより、蒸発器40aにおける冷媒の蒸発温度Teaを制御するように構成された制御部70を設ける。これにより、蒸発器40aにおける冷媒の過熱度H1aに基づいて制御中の蒸発器40aの冷却能力と実際に要求される冷却能力との差分を把握しながら、流量調整弁51の開度を制御して適正な蒸発圧力(蒸発温度Tea)を有するように蒸発器40aの状態を調整することができる。その結果、収容領域Aが有する熱負荷の変動に応じて蒸発器40aの蒸発温度Teaを追従させることができるので、冷却温度を安定的に制御することができる。なお、上記の効果は、蒸発器40bが収容領域Bを冷却する場合および蒸発器40cが収容領域Cを冷却する場合についても同様である。
また、第1実施形態では、蒸発器40aの入口近傍の冷媒温度T1aを検出する冷媒温度センサ81aと、蒸発器40aの出口近傍の冷媒温度T2aを検出する冷媒温度センサ82aとを設ける。そして、冷媒温度センサ81aにより検出された冷媒温度T1aと冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aとに基づく蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H1aに基づいて流量調整弁51の開度を制御することにより、蒸発温度Teaを制御するように制御部70を構成する。これにより、冷媒温度センサ81aと冷媒温度センサ82aとにより把握される冷媒の過熱度H1aに基づいて蒸発器40aの状態を正確に把握することができる。したがって、正確に把握された熱負荷の変動に応じて蒸発器40aの蒸発温度Teaを適切に追従させることができる。なお、上記の効果は、蒸発器40bおよび蒸発器40cについても同様である。
また、第1実施形態では、流量調整弁51の開度制御により調整された蒸発温度Teaのもとで、冷媒温度センサ81aにより検出された冷媒温度T1aと冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aとに基づいて蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H1aが所定値になるように電子膨張弁30aの開度を制御するように制御部70を構成する。これにより、熱負荷の変動に応じて適切に調整された蒸発温度Teaのもとで、蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H1aをさらに微調整制御することができる。すなわち、蒸発温度Teaが調整された蒸発器40a内の冷媒の蒸発具合を把握しながら電子膨張弁30aの開度を調整して冷媒の蒸発具合を最適化することができる。これにより、蒸発器40aを冷媒の蒸発に関して最も有効かつ高効率に使用することができる。その結果、蒸発器40a全体の熱交換効率を高く維持することができる。なお、上記の効果は、蒸発器40bおよび蒸発器40cについても同様である。
また、第1実施形態では、蒸発器40a、40bおよび40cの各々に対応して流量調整弁51、52および53をそれぞれ設ける。そして、蒸発器40a、40bおよび40c毎に有する冷媒の過熱度H1a、H1bおよびH1cに基づいて各々に対応する流量調整弁51、52および53の開度を制御することにより、蒸発器40a、40bおよび40c毎の冷媒の蒸発温度Tea、TebおよびTecを個別に制御するように制御部70を構成する。これにより、蒸発器40a、40bおよび40cに各々要求される冷却能力を把握しながら各々に適した蒸発圧力(蒸発温度Tea、TebおよびTec)になるように冷却装置100全体を運転制御することができる。また、蒸発器40a、40bおよび40cの各々の冷却温度を安定的に制御することができるので、冷却装置100の効率的な運転を行うことができる。
(第2実施形態)
図3および図4を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、冷媒配管5a(5bおよび5c)に設けられた冷媒温度センサ82a(82bおよび82c)に加えて、蒸発器40a(40bおよび40c)40a(40bおよび40c)内部の冷媒配管の部分にも冷媒温度センサ83a(83bおよび83c)を設けて電子膨張弁30a(30bおよび30c)の開度制御をそれぞれ行う例について説明する。なお、冷媒温度センサ83a〜83cは、ぞれぞれ、本発明の「内部冷媒温度検出部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第2実施形態による冷却装置200では、図3および図4に示すように、蒸発器40a(40bおよび40c)内部の冷媒配管の部分に冷媒温度センサ83a(83bおよび83c)を設けている。また、冷媒温度センサ83a〜83cは、制御部270(図4参照)にそれぞれ接続されている。また、冷媒温度センサ83a(83bおよび83c)は、蒸発器40a(40bおよび40c)の内部を個々に流通する冷媒の冷媒温度T3a(T3bおよびT3c)を検出する役割を有している。また、冷却装置200は、冷蔵倉庫205(図3参照)に設置されている。
これにより、第2実施形態では、冷蔵倉庫205の収容領域A(低温域:−20℃前後)を冷却する蒸発器40aについては、冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aおよび冷媒温度センサ83aにより検出された冷媒温度T3aに基づいて電子膨張弁30aの開度が制御される。より具体的には、冷媒温度T3aと冷媒温度T2aとに基づく蒸発器40aの出口部近傍における冷媒の過熱度H2a(=冷媒温度T2a−冷媒温度T3a)が所定値に維持されるように電子膨張弁30aの開度が微調整制御される。
すなわち、第2実施形態では、蒸発器40aの内部を流通する冷媒の圧力損失を考慮した状態で、蒸発器40aの出口部における冷媒の過熱度制御が行われる。換言すると、蒸発器40aのサイズ(往復蛇行する伝熱管の長さ)によっては冷媒配管の圧力損失(蒸発圧力が降下する現象)に起因して蒸発器40aの入口部近傍での冷媒温度T1a(蒸発温度(飽和蒸気温度))よりも蒸発器40aの内部での冷媒の蒸発温度(飽和蒸気温度)が低い場合が生じる。したがって、この場合には、入口部近傍での冷媒温度T1aではなく冷媒温度センサ83aにより検出される蒸発器40a内部(入口から出口までの冷媒配管の中間部)の冷媒温度T3a(蒸発温度Tea)に対する蒸発器40aの出口部近傍における冷媒の過熱度H2aに基づいた冷媒の流量制御が行われる。これにより、蒸発器40aの出口部における冷媒の過熱度制御がより精度よく行われるように構成されている。
なお、蒸発器40bおよび蒸発器40cについても同様である。収容領域Bを冷却する蒸発器40bについては、流量調整弁52の開度制御により調整された蒸発温度Tebのもとで、冷媒温度センサ83bにより検出された冷媒温度T3bと冷媒温度センサ82bにより検出された冷媒温度T2bとに基づいて蒸発器40bの出口近傍における冷媒の過熱度H1b(=冷媒温度T2b−冷媒温度T3b)が所定値になるように電子膨張弁30bの開度が微調整制御される。また、収容領域Cを冷却する蒸発器40cについては、流量調整弁53の開度制御により調整された蒸発温度Tecのもとで、冷媒温度センサ83cにより検出された冷媒温度T3cと冷媒温度センサ82cにより検出された冷媒温度T2cとに基づいて蒸発器40cの出口近傍における冷媒の過熱度H1c(=冷媒温度T2c−冷媒温度T3c)が所定値になるように電子膨張弁30cの開度が微調整制御される。
この場合も、冷却装置200は、圧縮機10の回転数制御によって冷凍サイクルにおける低圧圧力が決定される一方、収容領域A〜Cの設定温度(熱負荷)に応じて、流量調整弁51を用いて蒸発器40aの蒸発圧力(蒸発温度Tea)が独自に制御されるとともに、流量調整弁52を用いて蒸発器40bの蒸発圧力(蒸発温度Teb)が独自に制御される。さらに、流量調整弁53を用いて蒸発器40cの蒸発圧力(蒸発温度Teb)が独自に制御される。この際、冷媒温度センサ83a〜83cにより、リアルタイムでかつ蒸発器40a〜40c内の各々の圧損を考慮して精度よく検出される蒸発温度Tea〜蒸発温度Tecに基づいて、流量調整弁51〜53の弁開度が各々自在に増減される。これにより、蒸発器40a〜40cの各々の冷却能力が所望の大きさになるようきめ細かく調整される。なお、第2実施形態による冷却装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、蒸発器40a内部の冷媒温度T3aを検出する冷媒温度センサ83aを設ける。そして、冷媒温度センサ83aにより検出された冷媒温度T3aと冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aとに基づく蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H2aに基づいて流量調整弁51の開度を制御するとともに、流量調整弁51の開度制御により調整された蒸発温度Teaのもとで、冷媒温度センサ83aにより検出された冷媒温度T3aと冷媒温度センサ82aにより検出された冷媒温度T2aとに基づいて電子膨張弁30aの開度を制御するように制御部270を構成する。
これにより、蒸発器40a内部の圧力損失を考慮した上で、蒸発器40aの出口における冷媒の過熱度制御を行うことができる。すなわち、蒸発器40aのサイズ(伝熱管の長さ)によっては冷媒流路の圧力損失(蒸発圧力降下)に起因して蒸発器40aの入口部近傍での蒸発温度(冷媒温度T1a)よりも蒸発器40a内部での冷媒の蒸発温度(冷媒温度T3a)が低い場合が生じる。したがって、入口部近傍での冷媒温度T1aではなく冷媒温度センサ83aにより検出される蒸発器40a内部の冷媒温度T3aを基準とした場合の蒸発器40aの出口近傍における冷媒の過熱度H2aに基づいた冷媒の流量制御を行うことにより、蒸発器40a出口での冷媒の過熱度制御をより精度よく行うことができる。これにより、蒸発器40a内の冷媒の蒸発完了点をより確実に蒸発器40aの出口近傍に位置させることができるので、蒸発器40aの入口から出口に亘る略全ての冷媒流路を蒸発領域として使用することができる。この結果、蒸発器40aの熱交換性能(冷却能力)を最大限に発揮させることができる。なお、上記の効果は、蒸発器40bおよび40cについても同様である。また、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図3、図5および図6を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態とは異なり、蒸発器40aに対応する冷媒配管5aに流量調整弁51を迂回する冷媒配管5dを設けて冷却装置300を構成した例について説明する。なお、冷媒配管5dは、本発明の「バイパス流路」の一例である。また、図中において、上記第1および第2実施形態と同様の構成には、第1および第2実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第3実施形態による冷却装置300は、冷蔵倉庫305(図5参照)に設置されている。また、図5および図6に示すように、冷却装置300では、流量調整弁51が設けられた冷媒配管5aには、流量調整弁51を迂回して蒸発器40aの出口部と吸入管3とを直接的に繋ぐ冷媒配管5dが設けられている。また、流量調整弁51を介する冷媒の流れと流量調整弁51を介さない冷媒の流れとを択一的に切り替えるための電磁弁54および電磁弁55がそれぞれ設けられている。なお、電磁弁54および55は、制御部370(図6参照)に電気的に接続されている。
ここで、電磁弁54が開状態では電磁弁55は閉状態にされて蒸発器40aを流出した冷媒が流量調整弁51にのみ流通される。反対に、電磁弁54が閉状態では電磁弁55は開状態にされて蒸発器40aを流出した冷媒が流量調整弁51を完全に迂回して吸入管3に流通される。
これにより、第3実施形態では、電磁弁54が開状態でかつ電磁弁55が閉状態の場合には、制御部370(図6参照)の指令に基づき、上記第2実施形態における冷却装置200(図3参照)と同様の運転制御が行われる。すなわち、収容領域A〜Cの設定温度(熱負荷)に応じて、過熱度H2aに基づく流量調整弁51を用いた蒸発器40aの蒸発温度Tea、過熱度H2bに基づく流量調整弁52を用いた蒸発器40bの蒸発温度Teb、および、過熱度H2cに基づく流量調整弁53を用いた蒸発器40cの蒸発温度Tecがそれぞれ独自に制御される。
一方、電磁弁54が閉状態でかつ電磁弁55が開状態の場合には、流量調整弁51を用いずに電子膨張弁30aのみによる過熱度制御に基づいて蒸発器40aの冷却能力が制御されるように構成されている。
すなわち、第3実施形態では、蒸発器40a〜40cのうち、冷媒配管5d(バイパス流路)が設けられた蒸発器40aの冷媒の蒸発温度Teaが最も低い場合に、冷媒配管5dと並行する流量調整弁51に冷媒を流通させることなく冷媒配管5dに冷媒を流通させる制御が行われる。そして、この状態で、過熱度H2bに基づく流量調整弁52を用いた蒸発器40bの蒸発温度Tebと、過熱度H2cに基づく流量調整弁53を用いた蒸発器40cの蒸発温度Tecとが、それぞれ制御される。なお、制御部370(図6参照)においては、収容領域A〜Cの設定温度に基づき把握される目標蒸発温度Tga〜Tgcの大小関係が比較される。そして、Tga<TgbかつTga<Tgcとなった場合に、蒸発器40aの蒸発温度Teaを最も低く維持する必要があると判断される。この場合に、電磁弁54が閉状態でかつ電磁弁55が開状態に切り替えられる。
蒸発器40aの目標蒸発温度Tgaが最も低い場合には、制御部370により、目標蒸発温度Tgaに対応する蒸発圧力(低圧圧力)が得られるように圧縮機10の回転数が調整される。これにより、蒸発器40aの蒸発圧力(蒸発温度Tea)は、圧縮機10の回転数によって直接的に決定される。一方、蒸発器40b(40c)については、過熱度H1b(H1c)を参照しながら流量調整弁52(53)の開度が増加または減少されて蒸発温度Teb(Tec)が目標蒸発温度Tgb(Tgc)へと近付けられていく。
このように、冷却装置300では、流量調整弁51を用いて蒸発器40aの蒸発温度Teaを大幅に調整させる場合と、蒸発温度Teaを大幅に調整させずに圧縮機10の回転数により決定された低圧圧力(吸入圧力)をそのまま利用して蒸発器40aに大きな冷却能力を発揮させる場合とが、切替可能に構成されている。冷媒配管5dを設けずに流量調整弁51を全開状態にした場合であっても、流量調整弁51内に少なからず残される不要な絞り(流通抵抗)が発生する。冷媒配管5dを設けて流量調整弁51を迂回させることによって、蒸発器40aの下流側に不要な圧力損失が生じるのが回避されている。また、冷媒配管5dに不要な圧力損失が生じないので、圧縮機10の圧縮比(高圧と低圧との比)が無用に増加するのが防止される。なお、第3実施形態による冷却装置300のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、流量調整弁51と並行して設けられ、流量調整弁51を迂回して蒸発器40aの出口側と吸入管3(圧縮機10の吸入側)とを接続する冷媒配管5dを設ける。そして、蒸発器40a〜40cのうち、冷媒配管5dが設けられた冷媒流路に対応する蒸発器40aの冷媒の蒸発温度Teaが最も低い場合に、冷媒配管5dと並行する流量調整弁51に冷媒を流通させることなく冷媒配管5dに冷媒を流通させた状態で、冷媒の蒸発温度Teaが最も低い蒸発器40a以外の蒸発器40bおよび40cに関して、各々に対応した冷媒の過熱度H2bおよびH2cに基づいて流量調整弁52および53の開度を各々制御することにより、蒸発器40a〜40cの冷媒の蒸発温度Tea〜Tecを個別に制御するように制御部370を構成する。
これにより、蒸発器40a〜40cのうち特定の蒸発器40aの蒸発温度Teaが最も低い場合には、流量調整弁51による不要な絞り(流通抵抗)がこの蒸発器40aの下流側の冷媒配管5dに生じるのを回避することができる。したがって、異なる冷却能力を有する蒸発器40a〜40cが混在する冷却装置300を運転する場合であっても、不要な絞り(流通抵抗)に起因して圧縮機10に負荷が掛かる(圧縮比が増大する)のを抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図1、図5、図7および図8を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、蒸発器40aに対応する冷媒配管5aに流量調整弁51(図1参照)を設けないようにして冷却装置400を構成した例について説明する。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第4実施形態による冷却装置400は、冷蔵倉庫405(図7参照)に設置されている。また、図7および図8に示すように、冷却装置400では、収容領域Bを中温域に冷却する蒸発器40bに対応する冷媒配管5bに流量調整弁52を設けるとともに、収容領域Cを高温域に冷却する蒸発器40cに対応する冷媒配管5cに流量調整弁53を設けている。その一方で、収容領域Aを低温域に冷却する蒸発器40aよりも下流側の冷媒配管5aには流量調整弁51(図1参照)を設けていない。
これにより、蒸発器40aは、常に、圧縮機10の回転数により決定された低圧圧力(吸入圧力)をそのまま利用して蒸発器40a〜40cの中で最も大きな冷却能力が発揮される。また、この状態は、上記第3実施形態における冷却装置300(図5参照)において、電磁弁54が閉状態でかつ電磁弁55が開状態に切り替えられた場合の回路構成に相当する。なお、第4実施形態による冷却装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、蒸発器40a〜40cの中で、最も冷却能力を必要とする蒸発器40aの下流には流量調整弁51を設けていない。これにより、上記第3実施形態のように流量調整弁51を迂回する冷媒配管5dと、流路を切り替える電磁弁54および55とを設ける場合と異なり、冷媒回路の構成を簡素化させた状態で蒸発器40aに大きな冷却能力を発揮させることができる。このように、蒸発器40aが最も冷却能力を必要とする点が既知である場合には、冷却装置400の構成の簡素化を図りつつ、圧縮機10の回転数制御から直接的に得られる蒸発圧力(蒸発温度Tea)を用いて蒸発器40aを機能させることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、3つの蒸発器40a〜40cが1つの冷媒回路に対してその低圧側に互いに並列接続された例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、1つの蒸発器のみからなる冷却装置に対して本発明の「流量調整弁」を設けて蒸発温度の制御を行ってもよいし、4つ以上の蒸発器が並列接続された冷却装置に対して本発明の流量調整弁を設けて各々の蒸発器の蒸発温度(蒸発圧力)の個別制御を行ってもよい。
また、上記第3実施形態では、蒸発器40aに対応する冷媒配管5aにのみ流量調整弁51を迂回する冷媒配管5dを設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明の「バイパス流路」を、蒸発器40aに対応する冷媒配管5aのみならず、蒸発器40bに対応する冷媒配管5bおよび蒸発器40cに対応する冷媒配管5cにも設けてもよい。流量調整弁52を迂回するバイパス流路および流量調整弁53を迂回するバイパス流路が設けられることによって、バイパス流路が設けられた蒸発器40a〜40cのうちいずれの蒸発器においても、冷媒の蒸発温度が最も低い場合には、各々に対応するバイパス流路を開くことができる。すなわち、バイパス流路が開かれた回路中の流量調整弁に冷媒を流通させることなく単なる過熱度制御によって冷却能力の調整を行うことが可能である。
また、上記第4実施形態では、蒸発器40a〜40cのうち蒸発器40aの下流に流量調整弁51を設けないように冷却装置400を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、蒸発器40aおよび40bの下流に流量調整弁51および52を各々設けずに、蒸発器40cの下流にのみ流量調整弁53を設けるように冷却装置400を構成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、圧縮機10に回転数の変更により冷媒吐出量が制御可能なインバータ制御式圧縮機を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、インバータ制御を用いない一定速型(非可変容量型)の圧縮機10を用いて冷却装置100〜400を構成してもよい。また、圧縮機10としては、制御方式(インバータ制御式または一定速型)に関係なく、レシプロ式圧縮機、ロータリ式圧縮機、スクロール式圧縮機およびスクリュ式圧縮機などのいずれを用いてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、1台の圧縮機10を用いて冷却装置100〜400を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、1つの冷凍サイクル(冷却装置を構成する冷媒回路)に対して複数台の圧縮機が並列接続(タンデム配置)されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、圧縮機10およびガスクーラ20などからなる冷凍機部(コンデンシングユニット)が内蔵されたいわゆる冷凍機内蔵型(一体型)の冷却装置100〜400を冷蔵倉庫105〜405に設置した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷蔵倉庫105〜405側に電子膨張弁30a〜30c、蒸発器40a〜40cおよび流量調整弁51〜53からなる冷却ユニット(室内機)のみを設けるとともに、圧縮機10およびガスクーラ20などからなる冷凍機(室外機)を屋外に配置してもよい。そして、冷却ユニットと冷凍機とを冷媒配管(液管2および吸入管(ガス管)3)により接続して構成されたセパレート型(分離型)の冷却装置に対して、本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の「冷却装置」を冷蔵倉庫105〜405に適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。冷蔵倉庫以外のたとえば、ショーケース、業務用冷蔵庫、家庭用冷蔵庫、空調機器(特に電算機室など年間を通して冷却運転(冷房運転)が要求される施設の空調システム)などに対して、本発明の「冷却装置」を適用してもよい。また、異なる冷却温度帯に区分けされた冷凍冷蔵室を備えた冷凍車に対しても本発明を適用してもよい。また、本発明の「冷却装置」は、冷却運転と加熱運転との切替が可能なヒートポンプ機器も含まれ、この場合の冷却運転時に適用可能である。
また、上記第1〜第4実施形態では、フィンアンドチューブ型の空気熱交換器が蒸発器に用いられた冷却装置に対して本発明を適用したが、この限りではない。すなわち、冷媒が所定の蒸発温度で蒸発可能な圧力容器を介して他の熱交換流体(水、ブラインなど)との熱交換が可能な蒸発器を備えた冷却装置に対して本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、一例として蒸発器40aにより収容領域Aを低温域に維持し、蒸発器40bにより収容領域Bを中温域に維持し、蒸発器40cにより収容領域Cを高温域に維持するように冷却装置100〜400を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、収容領域A〜Cと、低温域〜高温域との個々の対応関係は、上記以外であってもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、二酸化炭素(CO)冷媒を用いて冷却装置100〜400を動作させる例について示したが、本発明はこれに限られない。二酸化炭素冷媒以外の他の自然冷媒を使用してもよいし、オゾン層破壊係数がゼロの代替フロン冷媒を使用してもよい。
4a、4b、4c 冷媒配管
5a、5b、5c 冷媒配管
5d 冷媒配管(バイパス流路)
10 圧縮機
20 ガスクーラ(凝縮器)
30a、30b、30c 電子膨張弁(膨張弁)
40a、40b、40c 蒸発器
51、52、53 流量調整弁
54、55 電磁弁
70、270、370 制御部
81a、81b、81c 冷媒温度センサ(第1冷媒温度検出部)
82a、82b、82c 冷媒温度センサ(第2冷媒温度検出部)
83a、83b、83c 冷媒温度センサ(第1冷媒温度検出部、内部冷媒温度検出部)
91a、91b、91c 空気温度センサ
100、200、300、400 冷却装置
105、205、305、405 冷蔵倉庫

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    冷媒を凝縮する凝縮器と、
    前記凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる電子膨張弁と、
    前記電子膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    開度に応じて前記蒸発器から流出する冷媒の流量を調整する流量調整弁と、
    前記蒸発器の入口近傍の冷媒温度または前記蒸発器内部の冷媒温度の少なくとも一方を検出する第1冷媒温度検出部と、
    前記蒸発器の出口近傍の冷媒温度を検出する第2冷媒温度検出部と、
    前記第1冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と前記第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づく前記蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度に基づいて前記流量調整弁の開度を制御することにより、前記蒸発器における冷媒の蒸発温度を制御するように構成された制御部と、を備え
    前記制御部は、前記流量調整弁の開度制御により調整された前記蒸発温度のもとで、前記第1冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と前記第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づいて前記蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度が所定値になるように前記電子膨張弁の開度を制御するように構成されている、冷却装置。
  2. 前記第1冷媒温度検出部は、前記蒸発器内部の冷媒温度を検出する内部冷媒温度検出部を含み、
    前記制御部は、前記内部冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と前記第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づく前記蒸発器の出口近傍における冷媒の過熱度に基づいて前記流量調整弁の開度を制御するとともに、前記流量調整弁の開度制御により調整された前記蒸発温度のもとで、前記内部冷媒温度検出部により検出された冷媒温度と前記第2冷媒温度検出部により検出された冷媒温度とに基づいて前記電子膨張弁の開度を制御するように構成されている、請求項に記載の冷却装置。
  3. 複数の前記蒸発器の各々が互いに並列接続されるとともに、各々の前記蒸発器よりも上流に前記電子膨張弁が設けられており、
    前記流量調整弁は、複数の前記蒸発器の各々に対応して設けられており、
    前記制御部は、前記蒸発器毎に有する冷媒の過熱度に基づいて各々に対応する前記流量調整弁の開度を制御することにより、前記蒸発器毎の冷媒の蒸発温度を個別に制御するように構成されている、請求項1または2に記載の冷却装置。
  4. 前記流量調整弁と並行して設けられ、前記流量調整弁を迂回して前記蒸発器の出口側と圧縮機の吸入側とを接続するバイパス流路をさらに備え、
    前記制御部は、複数の前記蒸発器のうち、前記バイパス流路が設けられた冷媒流路に対応する蒸発器の冷媒の蒸発温度が最も低い場合に、前記バイパス流路と並行する前記流量調整弁に冷媒を流通させることなく前記バイパス流路に冷媒を流通させた状態で、冷媒の蒸発温度が最も低い蒸発器以外の蒸発器に関して、各々に対応した冷媒の過熱度に基づいて前記流量調整弁の開度を制御することにより、前記蒸発器毎の冷媒の蒸発温度を個別に制御するように構成されている、請求項に記載の冷却装置。
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