JP6401147B2 - 固形描画材 - Google Patents

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Description

本発明は、ワックスと、体質材と、顔料とを固形に成形してなる固形描画材に関する。
従来、クレヨンやクレパスのような固形描画材については種々のものが提供されてきた。
たとえば、下記特許文献1には、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂20〜40%、パラフィン、硬化ロウ等のワックス類20〜40%、顔料と体質材(タルク、炭酸カルシウム、粘土類)からなる書写可能な成形用組成物が開示されており、複雑な形に成形しても強度的に十分である、とされている。
また、下記特許文献2には、顔料とエチレン酢酸ビニル共重合体ワックスとから少なくともなる固形描画材が開示されており、アート紙、コート紙などの平滑な紙面に描いても濃度が高い、とされている。
さらに、下記特許文献3には、融点の異なるワックス2種類と65〜120℃の融点のフィルム形成ポリマー硬化剤(エチレン酢酸ビニルポリマー等)と不透明顔料(二酸化チタン)とを含む固体修正組成物が開示されており、紙表面に容易に沈着かつ結合される、とされている。
特開昭48−35914号公報 特開平4−63880号公報 特表平5−501384号公報
上記のいずれも、固形描画材で筆記して得られた描線が濃く、また、筆記面への定着性を問題としている。しかし、一旦筆記面へ筆記された描線が消去可能であるかどうか、また、どのような手段により消去できるかについては全く想定がされていない。
そこで本発明は、筆記面に付着させた塗膜をこの固形描画材自身で除去することができるようなものを提供することを課題とする。さらに、隠蔽性が高く、筆記面としての紙面やコート紙面を修正テープのように被覆することができ、被膜描線の上から他の筆記具で筆記することができる固形描画材を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明は、
融点52〜85℃であるワックス10〜40重量%と、
体質材10〜20重量%と、
色材としての隠蔽性顔料15〜30重量%と、
テルペン樹脂、テルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から成る群から選ばれる1つ又は2以上の混合物である粘着性付与剤と、
基材としての融点62〜79℃であるエチレン酢酸ビニル共重合体5〜30重量%と、
2〜15重量%の融点30℃以下の潤滑成分とを含み、
前記エチレン酢酸ビニル共重合体のJIS K7210:1999で定めるメルトフローレートが400〜800g/10minであることを特徴とする。
本発明における「ワックス」とは、固形描画の構成成分のうち一般的にワックスとして分類されるものをいう。固形描画材の成分としてのワックスは、非使用時には形状保持に寄与するが、力が加えられると速やかに崩壊して筆記時の潤滑性を付与するものである。また、後述の粘着性付与と相溶して筆記面への定着性を付与する。このワックス融点は5285である。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ウルシロウ、ミツロウ、モクロウ、モンタンワックス、硬化ヒマシ油、パーム硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が本発明におけるワックスとして使用可能である。また、その配合量は全体の10〜40重量%である
本発明における「体質材」とは、固形筆記具の強度向上、筆記性向上に寄与する成分である。また、後述の隠蔽性顔料の補助的な作用も発揮する。具体的には、タルク、カオリン、マイカ、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカーなどが本発明における体質材として使用可能である。また、その配合量は全体の10〜0重量%である。
また、本発明における「色材」としては「隠蔽性顔料」が使用される。本発明における「隠蔽性顔料」とは、この固形描画材により得られた塗膜が、下地を隠蔽することに寄与する成分である。具体的には、二酸化チタンが本発明における隠蔽性顔料として使用可能である。本発明における「二酸化チタン」としてはルチル、アタナーゼを問わず従来公知の二酸化チタンをすべて用いることができる。また、その配合量は全体の10重量%が望ましい。この他の隠蔽性顔料としては、酸化亜鉛、カーボンブラック、白色樹脂粒子、着色樹脂粒子等が挙げられるが、隠蔽力等の観点から、二酸化チタンが最も好ましい。
さらに、本発明における「隠蔽性顔料」としては「隠蔽性白色顔料」が使用可能である。本発明における「隠蔽性白色顔料」とは、この固形描画材により得られた塗膜が、下地を白色で隠蔽することに寄与する成分である。具体的には、二酸化チタンが本発明における隠蔽性白色顔料として使用可能である。本発明における「二酸化チタン」としてはルチル、アタナーゼを問わず従来公知の二酸化チタンをすべて用いることができる。また、この隠蔽性白色顔料を使用する場合、さらに、有機顔料及び無機顔料の少なくとも一方をさらに含むこととしてもよい。隠蔽性白色顔料の配合量は、この有機顔料あるいは無機顔料を含めて全体の10重量%が望ましい。この他の隠蔽性顔料としては、酸化亜鉛、白色樹脂粒子等が挙げられるが、隠蔽力等の観点から、二酸化チタンが最も好ましい。なお、本発明における「有機顔料」としては、アゾ系有機顔料、シアニン系有機顔料など、一般的なものはすべて使用可能である。また、本発明における「無機顔料」としては、弁柄、群青、紺青など、一般的なものはすべて使用可能である。
また、本発明における「隠蔽性顔料」としては「隠蔽性黒色顔料」が使用可能である。本発明における「隠蔽性黒色顔料」とは、この固形描画材により得られた塗膜が、下地を黒色で隠蔽かつ発色することに寄与する成分である。具体的には、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒が本発明における隠蔽性黒色顔料として使用可能である。また、その配合量は全体の10重量%が望ましい。
本発明における「粘着性付与剤」とは、固形描画材による描線の、筆記面への定着性を向上させる目的で用いられる。
本発明における「エチレン酢酸ビニル共重合体」とは、本発明の固形筆記具の基材をなすものである。非使用時には基材として固形筆記具に柔軟性を与え形状保持に寄与する。また、筆記時には筆記面との摩擦熱により塗膜状に摩耗し筆記面に固着することにより、隠蔽性に寄与することとなる。また、この成分は、被膜をこの固形筆記具自身で擦過することで細かく破砕されて除去されてしまう、いわゆる「自己消去性」の発揮にも寄与するものである。これらの性質を発揮すべく、このエチレン酢酸ビニル共重合体の融点は679℃のものが使用され、その配合量は5〜30重量%である。
なお、前記エチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルモノマーを10重量%以上の割合で重合させたものであることが望ましい。
さらに、前記粘着性付与剤は、テルペン樹脂、テルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から成る群から選ばれる1つ又は2以上の混合物である。
また、潤滑成分として融点30℃以下のオイルを2〜15重量%含む。このようなオイルとしては、ホホバ油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等が挙げられる。
本発明は、上記のように構成されているので、擦過時の力を調整することで筆記面に付着させた塗膜をこの固形描画材自身で除去することができるようなものを提供することが可能となる。さらに、色材として隠蔽性顔料を使用するときには、隠蔽性が高く、筆記面としての紙面やコート紙面を修正テープのように被覆することができ、被膜描線の上から他の筆記具で筆記することができる固形描画材を提供することが可能となる。
また、成分として揮発成分を含まないため、外部に紙巻きをしたり、ホルダーに収容したり、また、キャップを装着したりすることが不要であり、裸芯のまま直接手指で保持してもベタついたりすることはない。さらに、特にホルダー等の補強手段を設けずとも、裸芯の状態で筆記するのに十分な強度を有することともなっている。
本発明の実施例及び比較例に係る固形描画材を斜視図で示す。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載における「EVA」とは「エチレン酢酸ビニル共重合体」の略である。また、「メルトフローレート」として記載されている数値の単位は「g/10min」である。
(1)実施例1〜5
(1−1)実施例及び比較例の組成及び製法
(1−1−1)実施例1
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−2)実施例2
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂(融点80℃、商品名:YSポリスターT80、ヤスハラケミカル)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−3)実施例3
基材(EVA(融点73℃、メルトフローレート:800、商品名:EV577、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−4)実施例4
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):5重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):5重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):15重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−5)実施例5
基材であるEVA(EV210)の配合量を10重量%とし、体質材(タルク)の配合量を20重量%及び隠蔽性顔料(二酸化チタン)の配合量を30重量%とした外は、実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−6)比較例1
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のポリエチレン(融点115℃、メルトフローレート:2、商品名:ノバテックLF448K、日本ポリエチレン)を配合した外は、実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−7)比較例2
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点40℃、メルトフローレート:65、商品名:EV40LX、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−8)比較例3
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点92℃、メルトフローレート:12、商品名:P1207、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−9)比較例4
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):85重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):5重量%
体質材(タルク):2重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):3重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):5重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−10)比較例5
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):50重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):30重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−11)比較例6
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):30重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−1−12)比較例7
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):15重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):30重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(1−2)評価方法
上記実施例1〜5及び比較例1〜7の固形描画材について、筆記性(紙面)、筆記性(コート紙)、隠蔽性、自己消去性、上書き性、筆記性(PET)、筆記性(ガラス)、筆記性(SUS)、定着性(PET)、定着性(ガラス)、定着性(SUS)、耐熱筆記性(SUS)、折損強度φ10及びブリードについて評価、確認した。
(1−2−1)筆記性(紙面)及び筆記性(コート紙)
上記の各実施例及び比較例に係る固形描画材を、それぞれそのまま用いて黒い画用紙、黒いコート紙に描画し、その時の描線の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:描線が濃く、はっきりと見える。
4:描線に乱れが見られるが、見苦しくない。
3:描線は掠れており、見苦しい。
2:描線はかなり掠れており、注意しないと見えない。
1:描線はほとんど見えない、もしくは描けない。
(1−2−2)隠蔽性
市販のコピー紙に文字「三菱鉛筆」を多色印刷したものを用意し、文字の上から上記の各実施例及び比較例に係る固形描画材を用いて隠蔽し、その時の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:下地の色や文字が完全に隠蔽され、見えない。
4:下地の色や文字がほぼ隠蔽され、注意しないと見えない。
3:下地の色や文字が薄く見える。
2:下地の色や文字がはっきりと見える。
1:下地の色や文字がほとんど見える(ただし、上記(1−2−1)の評価が1又は2であった場合はこの評価とした)。
(1−2−3)自己消去性
上記(1−2−1)で紙面に描いた描線を、それぞれ描画に用いた固形描画材で軽く擦り、その時の消去性を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:良く消えて全く跡が残らない。
4:消えるが少し跡が残る。
3:描線の形が消えずに残る。
2:ほとんど消えない。
1:全く消えない(ただし、上記(1−2−1)の評価が1又は2であった場合はこの評価とした)。
(1−2−4)上書き性
上記(1−2−2)で隠蔽した塗膜の上から三菱鉛筆製SX−150−05(インク色:黒、商品名:ジェットストリーム)で筆記し、その時の描線と塗膜の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:描線が削れたり剥がれたりせず、上書きした文字がはっきりと見える。
4:描線が削れたり剥がれたりする場合があるが、上書きした文字は見える。
3:描線が削れたり剥がれたりする部分があり、上書きした文字が見づらい。
2:描線が削れたり、剥がれたりしやすく上書き筆記が難しい。
1:描線が削れたり、剥がれたりして上書き筆記できない(ただし、上記(1−2−2)の評価が1又は2であった場合はこの評価とした)。
(1−2−5)筆記性(PET)、筆記性(ガラス)及び筆記性(SUS)
上記の各実施例及び比較例に係る固形描画材を、それぞれそのまま用いてPETフィルム上、ガラス板上及びSUS板上に描画し、その時の描線の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:描線が濃く、はっきりと見える。
4:描線に乱れが見られるが、見苦しくない。
3:描線は掠れており、見苦しい。
2:描線はかなり掠れており、注意しないと見えない。
1:描線はほとんど見えない、もしくは描けない。
(1−2−6)定着性(PET)、定着性(ガラス)及び定着性(SUS)
上記(1−2−5)で描いた描線を、それぞれ手指で軽く擦り、その時の描線の残り方を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:描線は全く消えない。
4:ほとんど消えない。
3:描線の形は消えずに残る。
2:消えてしまうが少し跡が残る。
1:完全に消えて跡が残らない(ただし、上記(1−2−5)の評価が1又は2であった場合はこの評価とした)。
(1−2−7)耐熱筆記性(SUS)
上記(1−2−5)の試験において筆記性(SUS)で使用したSUS板を250℃まで熱し、その上に描画し、その時の描線の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:描線が濃く、はっきりと見える。
4:描線に乱れが見られるが、見苦しくない。
3:描線は掠れており、見苦しい。
2:描線はかなり掠れており、注意しないと見えない。
1:描線はほとんど見えない、もしくは描けない。
(1−2−8)折損強度(φ10)
上記(1−2−1)の試験において紙面に描いた際に筆記圧の調整を行いながら描画した際の各実施例及び比較例に係る固形描画材の様子を観察し、その時の各固形描画材自身の様子を1〜5点の5段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:力を入れて筆記しても折れない(70N以上)。
4:通常の使用でほとんど折れない(60N以上70N未満)。
3:通常の使用で折れる場合がある(50N以上60N未満)。
2:通常の使用で折れやすい(40N以上50N未満)。
1:通常の使用で頻繁に折れて、実用に適さない(40N未満)。
(1−2−9)ブリード
上記(1−2−1)で紙面に描いた描線を、気温25℃湿度65%の環境で1日放置し、描線の外側について油分による滲み(ブリード)の有無を観察し、その様子を1又は5点の2段階で採点した。採点基準は以下の通りとした。
5:ブリードはなかった。
1:ブリードがあった。
(1−2−10)総合評価
各実施例及び比較例について、上記各評価項目の得点の平均値をスコアとし、以下の基準で評価した。
A:4点以上。
B:3点以上4点未満。
C:2点以上3点未満。
D:2点未満。
(1−3)評価結果
実施例1〜5及び比較例1〜7についての評価結果は以下のとおりであった。
Figure 0006401147
Figure 0006401147
Figure 0006401147
上記の通り、本発明の実施例1〜5に係る固形描画材は、いずれの評価方法も概ね良好な結果を示し、総合評価もA又はBと良好であった。すなわち、隠蔽性が高く、筆記面としての紙面やコート紙面を修正テープのように被覆することができ、被膜描線の上から他の筆記具で筆記することができ、さらに、筆記面に付着させた塗膜をこの固形描画材自身で除去することができる固形描画材であった。
これに対し、本発明の範囲外である各比較例はいずれも総合評価がC又はDと芳しくなかった。比較例1、4、5及び7の試験結果は、コピー紙への筆記性が特に劣るものであり、そのため自己消去性の評価においても、劣るものとなってしまった。また、いずれの比較例とも上書き性能の評価が極端に悪く、比較例3、4はコート紙への筆記性が劣るものであった。
まず、比較例1はEVAの代わりにポリエチレンが配合されているので、コピー紙の紙面にもコート紙の表面にも塗膜を粘着させることができず、当然、隠蔽にも供することは不可能であると推測された。
比較例2は、配合されているEVAの融点が40℃と低く、塗膜を、それなりに紙面に粘着させ塗膜を形成させる力はあるものの、その塗膜を維持する力(上書き性)が弱く、折損強度も極端に低いと推測された。
比較例3は、逆に、配合されているEVAの融点が92℃と高く、非吸収面上に付着して粘着させ塗膜を形成させる力が弱く、そのため隠蔽力も低いと推測された。
比較例4は、EVAの配合量が85重量%と過多であり、固形描画材自身の凝集力が勝るため、紙面等に粘着し塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例5は、粘着性付与剤とワックスとのいずれもが配合されていないため、紙面への粘着力を発揮できず、固形描画材自身が崩壊して描画に供することができないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例6は、ワックスが配合されていないため、固形描画材自身が崩壊して描画に供することができないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例7は、粘着性付与剤が配合されていないため、紙面への粘着力を発揮できないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
(2)実施例6〜10
(2−1)実施例及び比較例の組成及び製法
(2−1−1)実施例6
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):15重量%
赤色202号:5重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−2)実施例7
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学):20重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂(融点80℃、商品名:YSポリスターT80、ヤスハラケミカル)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
(2−1−3)実施例8
基材(EVA(融点73℃、メルトフローレート:800、商品名:EV577、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):10重量%
体質材(タルク):10重量%
カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物から実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
(2−1−4)実施例9
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):5重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):5重量%
体質材(タルク):10重量%
カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):15重量%
上記配合組成物から実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
(2−1−5)実施例10
基材であるEVA(EV210)の配合量を10重量%とし、体質材(タルク)の配合量を20重量%及び隠蔽性顔料(二酸化チタン)の配合量を25重量%とした外は、実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−6)比較例8
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のポリエチレン(融点115℃、メルトフローレート:2、商品名:ノバテックLF448K、日本ポリエチレン)を配合した外は、実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−7)比較例9
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点40℃、メルトフローレート:65、商品名:EV40LX、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−8)比較例10
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点92℃、メルトフローレート:12、商品名:P1207、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−9)比較例11
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):85重量%
ワックス(カスターワックス(融点85℃)):5重量%
体質材(タルク):2重量%
カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学):3重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):5重量%
上記配合組成物を実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
(2−1−10)比較例12
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):40重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):10重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
赤色202号:10重量%
上記配合組成物を実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−1−11)比較例13
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
赤色202号:10重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):5重量%
上記配合組成物を実施例6と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような桃色の固形描画材10を得た。
(2−2)評価方法
上記実施例6〜10及び比較例8〜13の固形描画材について、前記(1−2)と同様にして評価、確認した。
(2−3)評価結果
実施例6〜10及び比較例8〜13についての評価結果は以下のとおりであった。
Figure 0006401147
Figure 0006401147
Figure 0006401147
上記の通り、本発明の実施例6〜10に係る固形描画材は、いずれの評価方法も良好な結果を示し、総合評価もA又はBと良好であった。すなわち、隠蔽性が高く、筆記面としての紙面やコート紙面を修正テープのように被覆することができ、被膜描線の上から他の筆記具で筆記することができ、さらに、筆記面に付着させた塗膜をこの固形描画材自身で除去することができる固形描画材であった。ただし、オイル(流動パラフィン)の含有量が他よりも多かった実施例9のみでブリードが観察された。
これに対し、本発明の範囲外である各比較例はいずれも総合評価がC又はDと芳しくなかった。比較例8及び11の試験結果は、コピー紙.2への筆記性が特に劣るものであり、そのため自己消去性の評価においても、劣るものとなってしまった。比較例9は上書き性能の評価が極端に悪かった。
まず、比較例8はEVAの代わりにポリエチレンが配合されているので、コピー紙の紙面にもコート紙の表面にも塗膜を粘着させることができず、当然、隠蔽にも供することは不可能であると推測された。
比較例9は、配合されているEVAの融点が40℃と低く、塗膜を、それなりに紙面に粘着させ塗膜を形成させる力はあるものの、その塗膜を維持する力(上書き性)が弱く、折損強度も極端に低いと推測された。
比較例10は、逆に、配合されているEVAの融点が92℃と高く、非吸収面上について粘着させ塗膜を形成させる力が弱く、そのため隠蔽力も低いと推測された。
比較例11は、EVAの配合量が85重量%と過多であり、固形描画材自身の凝集力が勝るため、紙面等に粘着し塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例12は、粘着性付与剤が配合されていないため、紙面への粘着力を発揮できないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例13は、ワックスが配合されていないため、固形描画材自身が崩壊して描画に供することができないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
(3)実施例11〜16
(3−1)実施例及び比較例の組成及び製法
(3−1−1)実施例11
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):15重量%
ワックス(パラフィンワックス(融点66℃)、商品名:155F、日本製蝋):8重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(ガムロジン(融点120℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):2重量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−2)実施例12
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):8重量%
ワックス(パラフィンワックス(融点58℃)、商品名:135F、日本製蝋):15重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂(融点80℃、商品名:YSポリスターT100、ヤスハラケミカル)):15重量%
オイル(流動パラフィン):2重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−3)実施例13
基材(EVA(融点73℃、メルトフローレート:800、商品名:EV577、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ミツロウ(融点63℃)):15重量%
ワックス(パラフィンワックス(融点66℃)、商品名:155F、日本製蝋):8重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):2重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−4)実施例14
基材であるEVA(EV210)の配合量を10重量%とし、体質材(タルク)の配合量を20重量%及び隠蔽性顔料(二酸化チタン)の配合量を30重量%とした外は、実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−5)実施例15
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):30重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):5重量%
ワックス(パラフィンワックス(融点66℃)、商品名:155F、日本製蝋):5重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(エステルガム(融点82℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):15重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−6)実施例16
基材(EVA(融点79℃、メルトフローレート:2,500、商品名:ウルトラセン#685、東ソー):5重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):20重量%
ワックス(パラフィンワックス135F、日本精鑞(融点58℃)):20重量%
体質材(タルク):10重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、YSポリスターT80、ヤスハラケミカル(融点80℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):10重量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−7)比較例14
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のポリエチレン(融点115℃、メルトフローレート:2、商品名:ノバテックLF448K、日本ポリエチレン)を配合した外は、実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−8)比較例15
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点40℃、メルトフローレート:65、商品名:EV40LX、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−9)比較例16
基材として、EVA(EV210)に換えて、30重量%のEVA(融点92℃、メルトフローレート:12、商品名:P1207、三井・デュポンポリケミカル)を配合した外は、実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−10)比較例17
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):85重量%
ワックス(ウルシロウ(融点52℃)):5重量%
体質材(タルク):2重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):3重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂(融点80℃、商品名:YSポリスターT100、ヤスハラケミカル)):5重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−11)比較例18
基材(EVA(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル):40重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):30重量%
ワックス(ミツロウ(融点63℃)):10重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−1−12)比較例19
基材(EVA(融点73℃、メルトフローレート:800、商品名:EV577、三井・デュポンポリケミカル):43重量%
体質材(タルク):20重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン):20重量%
粘着性付与剤(ガムロジン(融点120℃)):15重量%
オイル(流動パラフィン):2重量%
上記配合組成物から実施例11と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
(3−2)評価方法
上記実施例11〜16及び比較例14〜19の固形描画材について、前記(1−2)と同様にして評価、確認した。
(3−3)評価結果
実施例11〜16及び比較例14〜19についての評価結果は以下のとおりであった。
Figure 0006401147
Figure 0006401147
Figure 0006401147
上記の通り、本発明の実施例11〜16に係る固形描画材は、いずれの評価方法も良好な結果を示し、総合評価もA又はBと良好であった。すなわち、隠蔽性が高く、筆記面としてのPETフィルム面、ガラス面及びSUS表面を被覆することができ、250℃と高温になったSUS表面にも描画することが可能で、これらの塗膜を手指などで擦過しても除去されることのない固形描画材であった。また、折損強度にも優れ、棒状体の表面に保護層を設けて強化を行わなくても実用に耐えうるものである。また、保護層を設けなくてもよいので、保護層を取り除く作業を必要としない、作業場で、すぐに使用可能な固形描画材とすることができる。ただし、オイル(流動パラフィン)の含有量が他よりも多かった実施例15のみでブリードが観察された。
これに対し、本発明の範囲外である各比較例はいずれも総合評価がC又はDと芳しくなかった。
まず、比較例14はEVAの代わりにポリエチレンが配合されているので、PET、ガラス及びSUSの表面に塗膜を粘着させることができず、当然、隠蔽にも供することは不可能であると推測された。
比較例15は、配合されているEVAの融点が40℃と低く、塗膜を、それなりにPET及びガラスの表面に粘着させ塗膜を形成させる力はあるものの、やや粗めのSUS表面への筆記性に劣り、折損強度も極端に低いと推測された。
比較例16は、逆に、配合されているEVAの融点が92℃と高く、非吸収面上について粘着させ塗膜を形成させる力が弱く、そのため定着力も低いと推測された。
比較例17は、EVAの配合量が85重量%と過多であり、固形描画材自身の凝集力が勝るため、また、オイルが配合されていなかったため、PET、ガラス及びSUSの表面に粘着し塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例18は、粘着性付与剤が配合されていないため、また、オイルが配合されていなかったため、PET、ガラス及びSUSの表面への粘着力を発揮できず、固形描画材自身が崩壊して描画に供することができないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された。
比較例19は、ワックスが配合されていないため、固形描画材自身が崩壊して描画に供することができないため、塗膜を形成させることができなかったものと推測された
本発明は、ワックスと、体質材と、顔料とを固形に成形してなる、クレヨンやクレパスのような固形描画材として利用可能である。

Claims (4)

  1. 融点52〜85℃であるワックス10〜40重量%と、
    体質材10〜20重量%と、
    色材としての隠蔽性顔料15〜30重量%と、
    テルペン樹脂、テルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から成る群から選ばれる1つ又は2以上の混合物である粘着性付与剤と、
    基材としての融点62〜79℃であるエチレン酢酸ビニル共重合体5〜30重量%と、 2〜15重量%の融点30℃以下の潤滑成分とを含み、
    前記エチレン酢酸ビニル共重合体のJIS K7210:1999で定めるメルトフローレートが400〜800g/10minであることを特徴とする固形描画材。
  2. 前記隠蔽性顔料は隠蔽性白色顔料であるとともに、有機顔料及び無機顔料の少なくとも一方をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
  3. 前記隠蔽性顔料は隠蔽性黒色顔料であることを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
  4. 前記エチレン酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニルモノマーを10重量%以上の割合で重合させたものであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の固形描画材。
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