JP6401109B2 - ガスタービンのための燃料制御装置及び燃料制御方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1が開示する燃料制御装置は、圧力検出器を含む種々の計測機器と、燃料流量調節弁と、計測機器からの少なくとも1つの信号に基づいて、燃料流量調節弁の開度を制御可能な開度制御部とを備えている。
また例えば、特許文献2が開示する燃料制御装置は、燃料流量調節弁と、タービン速度信号と発電機負荷信号に基づいて、燃料流量調節弁の開度指令信号を求める燃料指令演算回路と、調整流量調節弁の前段に設けられて前段圧力を調整する燃圧力調節手段と、前段圧力と圧力設定値の偏差に基づいて燃料流量調節弁の開度指令を出力する圧力制御コントローラとを備えている。
このような構成では、燃料ガス圧力調節弁に供給される燃料ガスの圧力(供給元圧力)が変動した場合に、燃料ガス圧力調節弁による圧力の調整に遅れが生じると、燃焼器に供給される燃料ガスの流量の調整精度が低下してしまう。また、供給元圧力が大きく変動し、燃料ガス圧力調節弁による圧力調整範囲を超えてしまうと、例えば燃料ガス圧力調節弁が全開になってしまうと、燃焼器に供給される燃料ガスの流量の調整精度が大きく低下してしまう。
ガスタービンの燃焼器への燃料の供給量を制御可能なガスタービンのための燃料制御装置において、
前記燃料の供給路に配置された圧力調節弁と、
前記圧力調節弁の下流に位置して前記供給路に配置された流量調節弁と、
前記圧力調節弁と前記流量調節弁との間での前記燃料の圧力を測定可能な圧力計と、
前記圧力計の測定結果に基づいて前記圧力調節弁の開度を制御可能な圧力調節弁制御部と、
前記流量調節弁の開度を制御可能な流量調節弁制御部と、
を含み、
前記圧力調節弁制御部は、前記圧力計よって測定された計測圧力が目標圧力に近づくように前記圧力調節弁の開度を制御可能であり、
前記流量調節弁制御部は、複数のモードから選択された1つのモードにて前記流量調節弁の開度を制御可能であり、
前記複数のモードは、
前記目標圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第1モードと、
前記計測圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第2モードと、
を含む。
前記流量調節弁制御部は、少なくとも1つの条件が満たされている場合に前記第2モードを選択して実行するように構成され、
前記少なくとも1つの条件は、前記圧力調節弁の開度に関する条件を含む。
前記流量調節弁制御部は、
前記第1モードの実行中に前記圧力調節弁の開度が上限値に到達した場合に、前記第2モードを選択して実行するように構成され、且つ、
前記第2モードの実行中に前記圧力調節弁の開度が下限値に到達した場合に、前記第1モードを選択して実行するように構成されている。
前記流量調節弁制御部は、前記第2モードの実行中に、前記目標圧力に対する前記計測圧力の比に基づいて、前記流量調節弁の開度を調整するように構成されている。
前記流量調節弁制御部は、前記第2モードにおいて、前記目標圧力と前記計測圧力の差が閾値を超えた場合、前記流量調節弁の開度の単位時間当たりの変化量を制限するように構成されている。
前記上限値は前記下限値よりも大きく、前記第1モードと前記第2モードの間でのモードの移行がヒステリシスをもって行われるように構成されている。
前記流量調節弁制御部は、前記第1モードと前記第2モードの間での移行の際、前記圧力調節弁の開度の単位時間当たりの変化量を調整するように構成されている。
上記構成(7)のガスタービンのための燃料制御装置では、流量調節弁制御部が、第1モードと第2モードの間での移行の際、圧力調節弁の開度の時間当たりの変化量を調整するように構成されているので、第1モードと第2モードの間でのモードの移行の前後で、流量調節弁の開度が急激に変化することを抑制することができる。この結果として、燃焼器への燃料の供給量を安定して制御することができる。
前記流量調節弁制御部は、少なくとも1つの条件が満たされている場合に前記第2モードを選択して実行するように構成され、
前記少なくとも1つの条件は、前記圧力調節弁に供給される前記燃料の圧力の変動に関する条件を含む。
前記圧力調節弁制御部は、前記ガスタービンの運転条件が変動する場合に、前記目標圧力として前記計測圧力を用いて、前記圧力調節弁を制御するように構成されている。
燃料の供給路に配置された圧力調節弁と、
前記圧力調節弁の下流に位置して前記供給路に配置された流量調節弁と、
前記圧力調節弁と前記流量調節弁との間での前記燃料の圧力を測定可能な圧力計と、
を備える、ガスタービンの燃焼器への燃料の供給量を制御可能なガスタービンのための燃料制御装置を用いたガスタービンの燃料制御方法において、
複数のモードから選択された1つのモードにて前記流量調節弁の開度を制御し、
前記複数のモードは、
前記圧力調節弁の目標圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第1モードと、
前記計測圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第2モードと、
を含む。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
圧縮機2は、外部の空気である大気を吸入して圧縮し、圧縮された空気を1つ以上の燃焼器3に供給するものである。
タービン4は、燃焼器3により生成された高温ガスの供給を受けて回転駆動力を発生させ、発生した回転駆動力を圧縮機2及び外部機器に出力するものである。
そして、燃料制御装置10は、圧力計20の測定結果に基づいて圧力調節弁16の開度Opcvを制御可能な圧力調節弁制御部22と、流量調節弁18の開度Ofcvを制御可能な流量調節弁制御部24と、を有する。
流量調節弁制御部24は、複数のモードから選択された1つのモードにて流量調節弁18の開度Ofcvを制御可能である。複数のモードは、目標圧力Ptに基づいて流量調節弁18の開度Ofcvを調整する第1モードと、計測圧力P2に基づいて流量調節弁18の開度Ofcvを調整する第2モードと、を含む。
例えば、圧力調節弁16に供給される燃料の圧力(供給元圧力)が低下し、圧力調節弁16が全開になってしまうと、圧力調節弁16による圧力調節機能は限界に達し、目標圧力Ptに計測圧力P2を近づけることが困難になる。この点、上記構成の燃料制御装置10では、流量調節弁制御部24が、圧力調節弁16の開度Opcvに関する条件が満たされた場合に、第2モードを実行するように構成されており、圧力調節弁16による圧力調節機能が低下しても、計測圧力P2に基づいて、流量調節弁18を通過する燃料の流量、すなわち、燃焼器3への燃料の供給量を的確に制御することができる。
なお、上限値Oth1及び下限値Oth2は、相互に異なっていても、同じ値(閾値Oth)であっても異なっていてもよい。
図3の燃料制御方法は、燃料制御装置10が燃焼器3へ燃料を供給しているときに実行されるものであり、圧力調節弁16の開度Opcvを判定する開度指令補正開始判定ステップS10と、流量調節弁18の開度指令Cvを補正する開度指令補正ステップS12と、開度指令補正終了判定ステップS14と、流量調節弁18の開度指令Cvの補正を終了する開度指令補正終了ステップS16とを有する。
例えば、圧力調節弁操作部38及び流量調節弁操作部32はアクチュエータによって構成され、圧力調節弁操作部38及び流量調節弁操作部32を除く圧力調節弁制御部22及び流量調節弁制御部24の部分はコンピュータによって構成される。
一方、変化レート設定判定ステップS18の判定結果が否定的である場合、変化レート設定ステップS20が実行されず、変化レートが設定されない。このため、補正開度指令Cv’に基づいて、流量調節弁18の開度Ofcvが制御される。
なお、変化レート設定ステップS20で設定される変化レート(変化レートの上限値)は、シミュレーション等により予め求めておくことができる。
図7の燃料制御方法では、開度指令補正ステップS12において、図4とは異なる関数f(x)が用いられている。図8は、図7の制御方法で用いられる関数f(x)を概略的に示しており、図8の関数f(x)では、開度指令補正開始判定ステップS10及び開度指令補正終了判定ステップS14でそれぞれ用いられる上限値Oth1と下限値Oth2が相互に異なっている。上限値Oth1は下限値Oth2よりも大きく、そして、関数f(x)は、圧力調節弁16の開度Opcvが0%〜90%では0であり、80%〜100%では1であり、重複範囲である80%〜90%では、ヒステリシスを描いている。
図7に示した燃料制御方法、及び、該燃料制御方法を実行可能な燃料制御装置10では、第1モードと第2モードの間の移行の際、流量調節弁18の開度Ofcvが、変化レート設定ステップS22にて設定された所定の変化レートに対応して緩徐に変更される。この結果として、流量調節弁18の開度Ofcvの急激な変更が抑制され、燃焼器3への燃料の供給量を安定して制御することができる。
変化レート設定ステップS22は、例えば、変化レート設定部40によって行われる。
燃料の圧力の変動に関する情報とは、例えば、ガスコンプレッサ12のトリップ、ガスタービン1のランバック(出力低下)、或いは、発電機6が接続された電力網での周波数変動等に関する情報である。これらの情報は、例えば、図10に示したように、運転条件急変指令として、燃料制御装置10に入力される。
一方、第2モードの実行中、運転条件急変判定ステップS32の判定結果が肯定的である場合、開度指令補正終了判定ステップS14がスキップされ、開度指令補正終了ステップS16が行われる。つまり、運転条件急変判定ステップS32の判定結果が肯定的である場合、流量調節弁18の開度Ofcvに関係無く、開度指令Cvの補正が終了させられる。
なお、開度指令Cvの補正が終了する際、開度Ofcvは、所定の変化レートに従って変化させられる。
図12に示したように、第1モードの実行中、ガスタービン1の運転条件が急変し、燃料流量指令が急激に減少するような場合、第2モードは実行されない。或いは、第2モードの実行中、ガスタービン1の運転条件が急変した場合、第2モードから第1モードに移行する。
この場合、燃料制御装置10は、運転条件急変指令に代えて、圧力計42によって測定された燃料の圧力P1に基づいて、運転条件急変判定ステップS30及びS32を行うことができる。
具体的には、上述した式(1)を用いて容量係数Cvを演算する際に、目標圧力Ptに代えて補正された目標圧力Pt’が用いられる。
運転条件回復判定ステップS38では、ガスタービン1の運転条件が回復したか否かが判定される。運転条件回復判定ステップS38の判定結果が否定的なものである場合、運転条件急変判定ステップS30が実行され、肯定的である場合、目標圧力補正終了ステップS40が行われる。
目標圧力補正終了ステップS40では、目標圧力Ptの補正が終了され、補正されていない目標圧力Ptを用いて圧力調節弁16が制御され、上記式(1)で容量係数Cvが演算される。
図15に示したように、第1モードの実行中、ガスタービン1の運転条件が急変し、燃料流量指令が急激に減少するような場合、目標圧力PtがPt’へと補正される。補正された目標圧力Pt’を用いて演算された開度指令Cvを、図3又は図5の燃料制御方法と同様に補正することで、流量調節弁18の開度Ofcvが急激に変化することを抑制しながら、燃焼器3への燃料の供給量を安定して制御することができる。
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
6 発電機(外部機器)
10 燃料制御装置
12 ガスコンプレッサ
14 供給路
16 圧力調節弁
18 流量調節弁
20 圧力計
22 圧力調節弁制御部
24 流量調節弁制御部
26 開度指令演算部
28 開度指令補正部
30 補正係数設定部
32 流量調節弁操作部
34 減算器
36 操作量演算部
38 圧力調節弁操作部
40 変化レート設定部
42 圧力計
44 目標圧力補正部
Claims (10)
- ガスタービンの燃焼器への燃料の供給量を制御可能なガスタービンのための燃料制御装置において、
前記燃料の供給路に配置された圧力調節弁と、
前記圧力調節弁の下流に位置して前記供給路に配置された流量調節弁と、
前記圧力調節弁と前記流量調節弁との間での前記燃料の圧力を測定可能な圧力計と、
前記圧力計の測定結果に基づいて前記圧力調節弁の開度を制御可能な圧力調節弁制御部と、
前記流量調節弁の開度を制御可能な流量調節弁制御部と、
を含み、
前記圧力調節弁制御部は、前記圧力計よって測定された計測圧力が目標圧力に近づくように前記圧力調節弁の開度を制御可能であり、
前記流量調節弁制御部は、複数のモードから選択された1つのモードにて前記流量調節弁の開度を制御可能であり、
前記複数のモードは、
前記目標圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第1モードと、
前記計測圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第2モードと、
を含む
ことを特徴とするガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記流量調節弁制御部は、少なくとも1つの条件が満たされている場合に前記第2モードを選択して実行するように構成され、
前記少なくとも1つの条件は、前記圧力調節弁の開度に関する条件を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記流量調節弁制御部は、
前記第1モードの実行中に前記圧力調節弁の開度が上限値に到達した場合に、前記第2モードを選択して実行するように構成され、且つ、
前記第2モードの実行中に前記圧力調節弁の開度が下限値に到達した場合に、前記第1モードを選択して実行するように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記流量調節弁制御部は、前記第2モードの実行中に、前記目標圧力に対する前記計測圧力の比に基づいて、前記流量調節弁の開度を調整するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記流量調節弁制御部は、前記第2モードにおいて、前記目標圧力と前記計測圧力の差が閾値を超えた場合、前記流量調節弁の開度の単位時間当たりの変化量を制限するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記上限値は前記下限値よりも大きく、前記第1モードと前記第2モードの間でのモードの移行がヒステリシスをもって行われるように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記流量調節弁制御部は、前記第1モードと前記第2モードの間での移行の際、前記圧力調節弁の開度の単位時間当たりの変化量を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のガスタービンのための燃料制御装置。
- 前記流量調節弁制御部は、少なくとも1つの条件が満たされている場合に前記第2モードを選択して実行するように構成され、
前記少なくとも1つの条件は、前記圧力調節弁に供給される前記燃料の圧力の変動に関する条件を含む
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 前記圧力調節弁制御部は、前記ガスタービンの運転条件が変動する場合に、前記目標圧力として前記計測圧力を用いて、前記圧力調節弁を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のガスタービンのための燃料制御装置。 - 燃料の供給路に配置された圧力調節弁と、
前記圧力調節弁の下流に位置して前記供給路に配置された流量調節弁と、
前記圧力調節弁と前記流量調節弁との間での前記燃料の圧力を測定可能な圧力計と、
を備える、ガスタービンの燃焼器への燃料の供給量を制御可能なガスタービンのための燃料制御装置を用いたガスタービンの燃料制御方法において、
複数のモードから選択された1つのモードにて前記流量調節弁の開度を制御し、
前記複数のモードは、
前記圧力調節弁の目標圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第1モードと、
前記圧力計よって測定された計測圧力に基づいて前記流量調節弁の開度を調整する第2モードと、
を含む
ことを特徴とするガスタービンのための燃料制御装置。
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JP2015098035A JP6401109B2 (ja) | 2015-05-13 | 2015-05-13 | ガスタービンのための燃料制御装置及び燃料制御方法 |
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