JP6400981B2 - タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチド及びプライマー対、並びにタラロマイセス属に属する種の検出キット及び検出方法 - Google Patents

タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチド及びプライマー対、並びにタラロマイセス属に属する種の検出キット及び検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性を有するカビの一種であるタラロマイセス(Talaromyces)属に属する種を検出するために用いられるオリゴヌクレオチド及びプライマー対、並びにタラロマイセス属に属する種の検出キット及び検出方法に関する。
カビを含む菌類は、自然界に広く分布しており、食品・清涼飲料水などの製造上問題となるような耐熱性を有する菌株や、発ガン性を有する有害なマイコトキシン等を産生する菌株等を含む。特に、100℃以下で低温殺菌する果実缶詰やジュース、ジャムなどにおいては、耐熱性菌類の殺滅が困難である。したがって、原料や製造環境などからの耐熱性菌類の混入を防止するとともに、混入の可能性を客観的に評価することにより、これらの菌類の管理や制御を行うことが極めて重要となる。
耐熱性菌類は、一般的には、ビソクラミス(Byssochlamys)属、ハミゲラ(Hamigera)属、ネオサルトリア(Neosartorya)属、タラロマイセス属など、子のう菌類に属するものが挙げられる。このタラロマイセス属に属する種のうち、タラロマイセス マクロスポラス(Talaromyces macrosporus)及びタラロマイセス トラキスペルムス(Talaromyces trachyspermus)は、実際に果実缶詰やジュース、ジャムなどの酸性食品から検出され得る上、耐熱性が高く、特に問題となる(非特許文献1 Table1参照)。
そこで、特許文献1、特許文献2及び非特許文献2には、核酸を用いたタラロマイセス属等の耐熱性菌類の検出方法が記載されている。
特開2010−4876号公報 特開2010−4878号公報
宇田川 俊一、「食品菌学の課題−耐熱性カビによる危害」、Mycotoxins、日本マイコトキシン学会、2000年、vol.50 No.1、p.3−p.11 中山 素一、「PCRを用いた耐熱性カビの迅速識別同定法」、ソフト・ドリンク技術資料、一般社団法人 全国清涼飲料工業会、2012年4月、第1号、p.43−60
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の検出方法では、タラロマイセス属に属する種であるタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを特異的に検出することが困難であった。このため、特に問題になるとされるこれらの菌に対して有効な対策を採ることが難しかった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、タラロマイセス属に属する種を特異的に検出することが可能なオリゴヌクレオチド、プライマー対、検出キット及び検出方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、タラロマイセス属に属する種であるタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に、かつ感度よく検出することが可能なオリゴヌクレオチド、プライマー対、検出キット及び検出方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチドであって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる下記(A)及び下記(B)のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又はタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる下記(C)及び下記(D)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド。
(A)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(B)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(C)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(D)配列番号4に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(2)タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチドであって、
タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼをコードする遺伝子領域に種特異的にハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチド。
(3)(2)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチドであって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる下記(I)及び下記(J)のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又はタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる下記(K)及び下記(L)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド。
(I)配列番号9に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(J)配列番号10に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(K)配列番号11に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(L)配列番号12に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(4)タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又はタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(P)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
(E)配列番号1に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(F)配列番号2に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(G)配列番号3に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(H)配列番号4に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(M)配列番号9に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(N)配列番号10に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(O)配列番号11に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(P)配列番号12に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(5)(4)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又はタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(h)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
(e)配列番号1に記載の塩基配列
(f)配列番号2に記載の塩基配列
(g)配列番号3に記載の塩基配列
(h)配列番号4に記載の塩基配列
(m)配列番号9に記載の塩基配列
(n)配列番号10に記載の塩基配列
(o)配列番号11に記載の塩基配列
(p)配列番号12に記載の塩基配列
(6)タラロマイセス属に属する種の検出用キットであって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる前記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる前記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる前記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる前記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる前記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる前記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる前記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、及びタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる前記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含む
タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
(7)(6)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出用キットであって、
タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる前記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び前記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる前記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び前記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる前記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び前記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、並びにタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる前記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び前記(P)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうちの少なくとも一つのプライマー対を含む
タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
(8)(7)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出方法であって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は前記(E)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(F)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行い、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は前記(G)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(H)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うことを特徴とする
タラロマイセス属に属する種の検出方法。
(9)タラロマイセス属に属する種の検出方法であって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は前記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、前記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、前記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つを用い、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は前記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、前記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、前記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つを用いることを特徴とする
タラロマイセス属に属する種の検出方法。
(10)(9)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出方法であって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は前記(E)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(F)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに前記(M)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(N)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含み、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は前記(G)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(H)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに前記(O)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(P)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含むことを特徴とする
タラロマイセス属に属する種の検出方法。
(11)(10)に記載のタラロマイセス属に属する種の検出方法であって、
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は前記(e)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(f)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに前記(m)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(n)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含み、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は前記(g)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(h)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに前記(o)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び前記(p)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含むことを特徴とする
タラロマイセス属に属する種の検出方法、
である。
本発明により、タラロマイセス属に属する種を特異的に検出することが可能なオリゴヌクレオチド、プライマー対、検出キット及び検出方法を提供することが可能となる。
グリオキシル酸回路の反応を示す図である。 本発明の実施形態に係る実施例1を用いた試験例1のPCR法による増幅産物の電気泳動像である。 本発明の実施形態に係る実施例2を用いた試験例1のPCR法による増幅産物の電気泳動像である。 本発明の実施形態に係る試験例2のPCR法による増幅産物の電気泳動像であり、Aは実施例1、Bは実施例2を用いた結果を示す。 本発明の実施形態に係る試験例3のPCR法による増幅産物の電気泳動像であり、Aは実施例1、Bは実施例2を用いた結果を示す。 本発明の実施形態に係る試験例4のPCR法による増幅産物の電気泳動像であり、Aは表8に記載の菌株、Bは表9に記載の菌株の結果を示す。 本発明の実施形態に係る試験例5のPCR法による増幅産物の電気泳動像であり、Aは表10に記載の菌株、Bは表11に記載の菌株の結果を示す。 本発明の実施形態に係る実施例3を用いた試験例6のPCR法による増幅産物の電気泳動像である。 本発明の実施形態に係る実施例4を用いた試験例6のPCR法による増幅産物の電気泳動像である。 本発明の実施形態に係る試験例7のPCR法による増幅産物の電気泳動像であり、Aは実施例3、Bは実施例4を用いた結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
<本発明の特徴>
本発明は、タラロマイセス属に属する種を特異的に検出するために用いられるオリゴヌクレオチド及びプライマー対、並びにタラロマイセス属に属する種を特異的に検出することが可能な検出キット及び検出方法を提供するものである。従来は、タラロマイセス属に属する種を特異的に検出することが困難であった(特許文献1及び特許文献2参照)。そこで、本発明の発明者らは、カビ・キノコに特異的なハイドロフォビン遺伝子、微生物の一部と植物が保持するイソクエン酸リアーゼ遺伝子(後述する)に着目することで、タラロマイセス属に属する種を特異的に検出する技術を見出した。
<タラロマイセス属>
タラロマイセス属は、耐熱性を有するカビの一種であって、子のう菌類に属する。子のう菌類は、子のう胞子という、硬い種子がさらに硬い殻に包まれたような強固な状態で土壌中に広く存在する菌類である。タラロマイセス属のカビの中には、90℃以上でも耐熱性を有するものがいるため、100℃以下の低温で殺菌することが一般的な果実缶詰やジャム等の果実加工食品、あるいはジュースや緑茶飲料等の清涼飲料水の製造上、問題となる。
<タラロマイセス属に属する種>
タラロマイセス属に属する種は、タラロマイセス属に属するカビであって、具体的には、タラロマイセス マクロスポラス、タラロマイセス トラキスペルムス、タラロマイセス フラバス(Talaromyces flavus)、タラロマイセス ルテウス(Talaromyces luteus)、タラロマイセス ウォルトマンニー(Talaromyces wortmannii)、タラロマイセス バシリスポラス(Talaromyces bacillisporus)等が挙げられる。
<タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムス>
本発明では、タラロマイセス属に属する種のうち、タラロマイセス マクロスポラス、タラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出する技術を提供する。タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスは、他のタラロマイセス属に属する菌と比較しても、果実缶詰やジャム等の果実加工食品、あるいはジュースや緑茶飲料等の清涼飲料水から検出される可能性が高い。これに加えて、他のタラロマイセス属に属する菌と比較しても耐熱性及びD値が高く、100℃以下の低温加熱による滅殺は困難である(非特許文献1 Table1参照)。このため、上記2つの菌を種特異的に検出することは、食品の安全性を確保する上でもきわめて重要である。
<ハイドロフォビン遺伝子>
ハイドロフォビン遺伝子は、本発明に係るオリゴヌクレオチドやプライマー対を用いた検出の標的となる遺伝子のうちの一つである。ハイドロフォビン遺伝子は、カビ・キノコに特異的であると考えられている遺伝子であって、ハイドロフォビンという低分子量タンパク質をコードする。ハイドロフォビンは、空気中に菌糸、子実体等の構造体を形成するカビ・キノコなどの細胞表層に普遍的に存在し、その表層に撥水性を与える機能等を有する。
<イソクエン酸リアーゼ>
イソクエン酸リアーゼは、グリオキシル酸回路の反応を触媒する酵素の一つであり、グリオキシル酸回路に特有の酵素である。グリオキシル酸回路は、微生物の一部や植物に見られる代謝回路であり、イソクエン酸からリンゴ酸とコハク酸を生成し、さらにオキサロ酢酸を生成することができる。("Life and death in a macrophage: role of the glyoxylate cycle in virulence" Eukaryotic Cell, 2002, vol.1 (5) , pp.657-662 参照)
図1は、グリオキシル酸回路の反応を示す図である。同図に示すように、イソクエン酸リアーゼ(Isocitrate Lyase)は、イソクエン酸(Isocitrate)からグリオキシル酸(Glyoxylate)を生成する反応を触媒する。
<イソクエン酸リアーゼをコードする遺伝子領域>
イソクエン酸リアーゼをコードする遺伝子領域は、本発明に係るオリゴヌクレオチド及びプライマー対がハイブリダイズすることが可能な遺伝子領域の一つである。なお以下の説明において、「イソクエン酸リアーゼをコードする遺伝子」を単に「イソクエン酸リアーゼ遺伝子」ともいうものとする。
また、「ハイブリダイズする」とは、本発明のオリゴヌクレオチドが目的遺伝子領域内の特定の配列と相補的に結合することをいうものとする。
<オリゴヌクレオチド>
本発明に係るオリゴヌクレオチドは、DNAが10塩基〜30塩基、15塩基〜25塩基、さらに18〜20塩基結合したものをいう。本発明に係るオリゴヌクレオチドは、タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチドであって、より具体的には、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスの種特異的な検出に用いるものである。
本発明のオリゴヌクレオチドは、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子を標的として種特異的にハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチドである。あるいは、本発明のオリゴヌクレオチドは、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼをコードする遺伝子領域に種特異的にハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチドである。本発明のオリゴヌクレオチドは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法のプライマー、ハイブリダイゼーション法の核酸プローブ、固相担体に結合された補足プローブ等、分子生物学的な種々の検出方法に用いることができる。なお、本発明のオリゴヌクレオチドをPCR法に用いる場合には、少なくとも一方のプライマーに本発明に係るオリゴヌクレオチドを用いればよく、他方のプライマーを他のオリゴヌクレオチドとすることも可能である。
本発明に係るオリゴヌクレオチドは、標識化されずに用いられてもよいし、放射性物質や蛍光・発光物質、酵素や酵素基質等の標識物によって標識化して核酸プローブやプライマーとして用いることもできる。
<オリゴヌクレオチド:タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチド>
タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチドは、下記(A)及び(B)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は下記(I)及び下記(J)のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドにより、タラロマイセス マクロスポラスを種特異的に検出することが可能となる。
(A)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(B)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(I)配列番号9に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(J)配列番号10に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
<オリゴヌクレオチド:タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチド>
タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチドは、下記(C)及び(D)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は下記(K)及び下記(L)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドである。当該オリゴヌクレオチドにより、タラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出することが可能となる。
(C)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(D)配列番号4に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(K)配列番号11に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(L)配列番号12に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
<配列番号1〜4に記載の塩基配列>
配列番号1及び2に記載の塩基配列は、タラロマイセス マクロスポラスのハイドロフォビン遺伝子内の所定の塩基配列と相補的な塩基配列である。同様に、配列番号3及び4に記載の塩基配列は、タラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子内の所定の塩基配列と相補的な塩基配列である。
配列番号1〜4に記載の塩基配列は、以下のように探索された。まず、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子領域と予測されるDNA領域をPCR法によりそれぞれ増幅し、シーケンス解析等によりその増幅産物の塩基配列を解析した。続いて、解析された塩基配列がアスペルギルス(Aspergillus)属等のハイドロフォビン遺伝子と比較的高い相同性を示すことを確認し、増幅産物がそれぞれタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子であると推認した。続いて、解析された塩基配列に基づいて配列番号1〜4の塩基配列のプライマーを含む複数のプライマー対を設計し、これらのプライマー対がPCR法によりタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出可能か否か検討した。その結果、後述するように、配列番号1及び2の塩基配列を有するプライマー対によりタラロマイセス マクロスポラスが、配列番号3及び4の塩基配列を有するプライマー対によりタラロマイセス トラキスペルムスが、それぞれ特異的に検出されることが確認され、配列番号1〜4に記載の塩基配列を見出した。
<配列番号9〜12に記載の塩基配列>
配列番号9及び10に記載の塩基配列は、タラロマイセス マクロスポラスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子内の所定の塩基配列と相補的な塩基配列である。同様に、配列番号11及び12に記載の塩基配列は、タラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子内の所定の塩基配列と相補的な塩基配列である。
配列番号9〜12に記載の塩基配列は、以下のように探索された。まず、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子領域と予測されるDNA領域をPCR法によりそれぞれ増幅し、シーケンス解析等によりその増幅産物の塩基配列を解析した。続いて、解析された塩基配列がアスペルギルス属、フサリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属等のイソクエン酸リアーゼ遺伝子と比較的高い相同性を示すことを確認し、増幅産物がそれぞれタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子であると推認した。続いて、解析された塩基配列に基づいて配列番号9〜12の塩基配列のプライマーを含む複数のプライマー対を設計し、これらのプライマー対がPCR法によりタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出可能か否か検討した。その結果、後述するように、配列番号9及び10の塩基配列を有するプライマー対によりタラロマイセス マクロスポラスが、配列番号11及び12の塩基配列を有するプライマー対によりタラロマイセス トラキスペルムスが、それぞれ特異的に検出されることが確認され、配列番号9〜12に記載の塩基配列を見出した。
<相補配列>
本発明に係る相補配列とは、ある塩基配列の相補鎖となり得る塩基配列をいう。配列番号1〜4に記載の塩基配列の相補配列は、配列番号1〜4に記載の塩基配列と同様に、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子領域に種特異的にハイブリダイズすることが可能である。
同様に、配列番号9〜12に記載の塩基配列の相補配列は、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子領域に種特異的にハイブリダイズすることが可能である。
したがって、本発明に係る相補配列は、本発明に係るオリゴヌクレオチド及びプライマー対として用いられ得る。
<塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列>
本発明において「塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列」とは、当該塩基配列若しくはその相補配列と実質的に相同な塩基配列をいう。より具体的には、1〜3個の塩基が欠失、置換若しくは付加されている塩基配列であって、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出することが可能な塩基配列をいうものとする。
<プライマー対>
本発明に係るプライマー対は、2本のオリゴヌクレオチドの組み合わせであり、PCR法におけるプライマー対として用いられるものである。本発明に係るプライマー対は、タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、より具体的には、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスの種特異的な検出に用いるものである。
本発明に係るプライマー対は、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのハイドロフォビン遺伝子領域内の所定領域をPCR法により増幅することが可能なものである。あるいは、本発明に係るプライマー対は、タラロマイセス マクロスポラス又はタラロマイセス トラキスペルムスのイソクエン酸リアーゼ遺伝子領域内の所定領域をPCR法により増幅することが可能なものである。すなわち、本発明に係るプライマー対の各プライマーは、ハイドロフォビン遺伝子領域内又はイソクエン酸リアーゼ遺伝子領域内の増幅予定領域の、2本鎖DNAの両鎖の3´側にハイブリダイズすることが可能に構成される。
本発明に係るプライマー対は、典型的には、そのままプライマー対として使用されるが、標識物で標識化して用いることもできる。また、本発明のプライマー対は、例えば、5〜20μM、さらに8〜12μMの濃度に調製し、PCRに用いることができる。なお、PCR法については後述する。
<プライマー対:タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチド>
タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられるプライマー対は、下記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又は下記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対とすることができる。当該プライマー対により、タラロマイセス マクロスポラスを迅速かつ種特異的に検出することが可能となる。
(E)配列番号1に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(F)配列番号2に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(M)配列番号9に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
(N)配列番号10に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
さらに、上記プライマー対のうち、下記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。あるいは、上記プライマー対のうち、下記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。これらのプライマー対により、タラロマイセス マクロスポラスを迅速かつより精度よく検出することが可能となり、例えばテンプレートDNA(templete DNA)の濃度が10〜100pg/μlであっても検出することが可能となる。
(e)配列番号1に記載の塩基配列
(f)配列番号2に記載の塩基配列
(m)配列番号9に記載の塩基配列
(n)配列番号10に記載の塩基配列
<プライマー対:タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられるオリゴヌクレオチド>
タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられるプライマー対は、下記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又は下記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(P)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対とすることができる。当該プライマー対により、タラロマイセス トラキスペルムスを迅速かつ種特異的に検出することが可能となる。
(G)配列番号3に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(H)配列番号4に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(O)配列番号11に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
(P)配列番号12に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
さらに、上記プライマー対のうち、下記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(h)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。あるいは、上記プライマー対のうち、下記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。これらのプライマー対により、タラロマイセス トラキスペルムスを迅速かつより精度よく検出することが可能となり、例えばテンプレートDNAの濃度が10〜100pg/μlであっても検出することが可能となる。
(g)配列番号3に記載の塩基配列
(h)配列番号4に記載の塩基配列
(o)配列番号11に記載の塩基配列
(p)配列番号12に記載の塩基配列
<プライマー対:フォワードプライマー/リバースプライマー>
タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合には、例えば、上記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。また、例えば、上記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。
同様に、上記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。また、例えば、上記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。
タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合には、例えば、上記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(H)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。また、例えば、上記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(h)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(h)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。
同様に、上記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(P)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(P)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。また、例えば、上記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうち、上記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、上記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとすることができる。
<検出用キット>
本発明に係るタラロマイセス属に属する種の検出用キットは、上記(A)〜(D)、上記(I)〜(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、及び上記(E)〜(H)、上記(M)〜(P)、上記(e)〜(h)、上記(m)〜(p)の塩基配列で表されるプライマー対のうちの少なくとも一つを含み、タラロマイセス マクロスポラス及び/又はタラロマイセス トラキスペルムスを検出するものである。本発明の検出用キットは、これらをプライマーや核酸プローブとして含み、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法に用いるキットや、ハイブリダイゼーション法に用いるキット等、分子生物学的な種々の検出方法に用いるキットとして構成され得る。
具体的に、本発明に係る検出用キットは、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる上記(A)及び上記(B)のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、並びにタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(C)及び上記(D)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含むものである。
あるいは、本発明に係る検出用キットは、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる上記(I)及び上記(J)のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、並びにタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(K)及び上記(L)の塩基配列のいずれか一方の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含むものであってもよい。
また、本発明に係る検出用キットは、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる前記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる上記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる上記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合に用いられる上記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、及びタラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合に用いられる上記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含むものとすることもできる。
また、本発明の検出用キットは、タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる上記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる上記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる上記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、並びにタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる上記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(P)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうちの少なくとも一方のプライマー対を含むものとすることもできる。
さらに、上記プライマー対は、上記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよく、上記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。あるいは、上記プライマー対は、上記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(h)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよく、上記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び上記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。
本発明のキットは、上記オリゴヌクレオチド及び上記プライマー対の他に、被験菌のDNA抽出試薬や、PCR用試薬、標識検出物質等、菌の検出に通常用いられる物質を含んでいてもよい。このようなキットにより、タラロマイセス マクロスポラス及び/又はタラロマイセス トラキスペルムスをより簡便かつ種特異的に検出することが可能となる。
<タラロマイセス属に属する種の検出方法>
本発明に係るタラロマイセス属に属する種の検出方法は、上記(A)〜(D)、上記(I)〜(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(E)〜(H)、上記(M)〜(P)、上記(e)〜(h)、上記(m)〜(p)の塩基配列で表されるプライマー対のうちの少なくとも一つを用いて、タラロマイセス マクロスポラス及び/又はタラロマイセス トラキスペルムスを検出する方法である。本発明に係る検出方法は、検体から抽出した核酸と上記オリゴヌクレオチド等とを接触させることで、分子生物学的にタラロマイセス マクロスポラス及び/又はタラロマイセス トラキスペルムスを検出する方法とすることができる。このような検出方法の具体例としては、PCR法、ハイブリダイゼーション法、捕捉プローブを用いた標的核酸の捕捉等が挙げられる。
具体的に、本発明に係る検出方法は、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は上記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つを用い、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は上記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つを用いることを特徴とする。
また、本発明に係る検出方法は、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は上記(E)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(F)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行い、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は上記(G)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(H)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うことを特徴とする。
同様に、本発明に係る検出方法は、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は上記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行い、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は上記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行ってもよい。
また、本発明に係る検出方法は、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は上記(E)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(F)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに上記(M)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(N)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一つのステップを含み、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は上記(G)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(H)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに上記(O)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(P)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一つのステップを含んでもよい。
さらに、上記プライマー対は、上記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよく、上記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(h)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。
あるいは、上記プライマー対は、上記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよく、上記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対であってもよい。
<タラロマイセス属に属する種の検出方法:PCR法>
本発明に係るPCR法は、例えば、テンプレートとしてDNAを用いたPCR法(以下、通常のPCR法とする)、RT−PCR法、real−time PCR法等を用いることができるが、通常のPCR法が好ましい。
PCR法は、まず、テンプレートの核酸(DNA又はRNA)、プライマー対、DNAポリメラーゼ、dNTP、PCR用反応バッファー、及び滅菌蒸留水等を混合したPCR反応液を調製する。次に、サーマルサイクラー等を用いて熱変性反応、アニーリング反応、及び伸長反応を連続して行い、これを所定サイクル繰り返すことにより、PCR反応を行う。そして、PCR反応後の反応液中の増幅産物を確認し、所望のDNA断片が増幅されているか否か確認する。テンプレートの核酸としては、後述する検体から直接核酸を抽出した溶液や、培養した菌から核酸を抽出した溶液を用いることができる。
本発明に係るPCR法におけるプライマー対は、少なくとも一方のプライマーに本発明に係るオリゴヌクレオチドを用いればよく、他方のプライマーを他のオリゴヌクレオチドとすることも可能である。より好ましくは、プライマー対として、本発明に係るプライマー対を用いることができる。PCR反応液に含まれる他の要素も、濃度と量とを適宜決定することができる。PCR反応条件等も、使用するポリメラーゼの種類等を考慮して、適宜決定することができる。
増幅産物の確認方法も特に限定されず、例えば、アガロースゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、シーケンス解析による塩基配列を決定する方法等を適用することができる。このうち、アガロースゲル電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法が簡便に増幅産物を確認でき、より好ましい。
<タラロマイセス属に属する種の検出方法:検体から抽出された核酸を用いて検出する方法>
本発明に係る検出方法は、検体から抽出された核酸を用いて、タラロマイセス属に属する種を検出することができる。すなわち、タラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は、検体から抽出された核酸に上記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、及び上記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つをハイブリダイズさせる。また、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は、上記抽出された核酸に上記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つをハイブリダイズさせることで、タラロマイセス属に属する種を検出することができる。核酸は、例えばDNAを用いることができる。
また、検体からの核酸の抽出方法は特に限定されず、例えば、製造原料等の検体から菌を培養し、培養した菌からDNA等の核酸を抽出してもよい。あるいは、製造原料等の検体から直接核酸を抽出してもよい。
また、PCRを行う場合には、上記抽出された核酸をテンプレートとして用いてPCRを行うことができる。当該核酸がDNAの場合、テンプレートDNAの濃度は、10pg/μl〜10ng/μlであってもよく、好ましくは100pg/μl〜10ng/μlであってもよい。
<タラロマイセス属に属する種の検出方法:検体>
本発明に係る検体としては、タラロマイセス属に属する菌の可能性がある菌株や、タラロマイセス属に属する菌を含んでいる可能性がある製造原料等が挙げられる。製造原料等は、食品の製造原料等が挙げられる。当該食品は、例えば、タラロマイセス属による汚染が問題となる、果実缶詰やジャム等の果実加工食品、ジュースや緑茶飲料等の清涼飲料水等であってもよい。
<タラロマイセス属に属する種を同定する方法>
本発明は、さらに、検体に含まれるタラロマイセス属に属する種を同定する方法を提供することができる。本発明に係る同定方法は、検体から抽出した核酸に、以下のステップ(i)及びステップ(ii)の少なくとも一方のステップを含む。ステップ(i)は、上記(A)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(B)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(I)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、及び上記(J)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つをハイブリダイズさせることでタラロマイセス マクロスポラスを検出する。ステップ(ii)は、上記(C)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(D)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、上記(K)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び上記(L)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一つをハイブリダイズさせることでタラロマイセス トラキスペルムスを検出する。
上記ステップ(i)を行い、タラロマイセス マクロスポラスが検出された場合は、検体に含まれていた上記種がタラロマイセス マクロスポラスであると同定することができる。一方、上記ステップ(ii)を行い、タラロマイセス トラキスペルムスが検出された場合は、検体に含まれていた菌がタラロマイセス トラキスペルムスであると同定することができる。
上記ステップ(i)及びステップ(ii)は、いずれか一方のみを行ってもよい。あるいは、上記ステップ(i)及びステップ(ii)の双方を行ってもよい。双方を行う場合、ステップ(i)及びステップ(ii)の時間的な前後は特に限定されない。
<本発明の作用効果>
本発明に係るオリゴヌクレオチド及びプライマー対は、いずれも、上記塩基配列を有することにより、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムス各々を種特異的に検出することができる。タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスは、上述のように、他のタラロマイセス属に属する菌と比較して、果実加工食品や清涼飲料水から検出される可能性が高いことに加え、耐熱性及びD値も高く、低温加熱による滅殺が難しい。したがって、これらの菌が検出された場合は、加熱殺菌等ではなく、製造原料の除去や製造環境の見直し等の処置を迅速に行う必要が生じる。本発明によれば、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出することができるため、上記処置の実行を迅速かつ適切に判断することが可能となる。したがって、汚染の拡大を防止することができる。
さらに、本発明によれば、PCR法やハイブリダイゼーション法等を用いて、タラロマイセス マクロスポラス及び/又はタラロマイセス トラキスペルムスを容易に検出することが可能となる。特にPCR法を用いる場合は、検体から抽出した核酸と、本発明に係るプライマー対とを用いてPCRを行うことにより、迅速な検出が可能となる。これにより、いわゆるnestedPCR(非特許文献2参照)のような煩雑な作業が不要となる。
これに加えて、本発明の検出方法は、検出限界に優れている。例えば、PCR法では、後述の試験例3及び試験例7に示すように、テンプレートDNAの濃度が10〜100pg/μlであっても上記各菌を検出することができる。したがって、製造原料からわずかな量の菌しか採取できなかった場合でも検出可能となり、衛生管理の徹底に貢献することが可能となる。
以下、本発明を実施例等に基づき、さらに説明する。
[実施例1:タラロマイセス マクロスポラス検出用のプライマー]
タラロマイセス マクロスポラス検出用として、配列番号1及び2の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。これらのプライマーは、ハイドロフォビン遺伝子をターゲットとして作成したものである。各プライマーは、オペロンバイオテクノロジー株式会社に合成依頼した。表1に、作成したプライマー対の塩基配列を示す。
[実施例2:タラロマイセス トラキスペルムス検出用のプライマー]
タラロマイセス トラキスペルムス検出用のプライマーとして、配列番号3及び4の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。これらのプライマーは、ハイドロフォビン遺伝子をターゲットとして作成したものである。各プライマーは、実施例1と同様にオペロンバイオテクノロジー株式会社に合成依頼した。表1に、作成したプライマー対の塩基配列を示す。
[試験例1]
試験例1として、実施例1及び実施例2に係るプライマー対を用いて、検体である菌からタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出できるか否か確認した。
(検体の調製)
まず、検体からDNAを抽出し、DNA溶液を調製した。検体としては、表2及び表3に示す菌株を用いた。このうち、表2の1,2番及び表3の1,2,5,6番はタラロマイセス マクロスポラスに属する菌株であり、表2の3,4番及び表3の3,4,7,8番は、タラロマイセス トラキスペルムスに属する菌株である。これらの菌株は、独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)及び独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(NBRC)から入手した。
各菌株を、PDA(Potato Dextrose Agar)培地等にて、約25〜30℃、7〜10日間培養した。回収した菌株から、ZR Fungal/Bacterial DNA Kit(ZYMO RESEARCH製)を用い、付属プロトコールに従ってDNAを抽出した。抽出したDNAは、10〜50ng/μlの濃度のDNA溶液として調製した。
(PCR法による遺伝子増幅)
続いて、調整した45種類のDNA溶液と実施例1に係るプライマー対とをそれぞれ用いて、タラロマイセス マクロスポラス検出のためのPCRを行った。同様に、調整した45種類のDNA溶液と実施例2に係るプライマー対とを用いて、タラロマイセス トラキスペルムス検出のためのPCRを行った。
まず、各PCR反応液を調製した。各PCRにおいて、プライマー及びテンプレートDNA(templete DNA)の塩基配列のみ異なり、PCR反応液の組成は同一とした。表4に、PCR反応液の組成を示す。テンプレートDNAは、「検体の調製」で調製した各DNA溶液とした。Quick Taq(登録商標) HS DyeMix(東洋紡株式会社製)は、DNAポリメラーゼ(Taq DNA Polymerase)、PCR用反応バッファー、dNTPが予め混合されているPCR用試薬である。また、実施例1に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号1の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号2の塩基配列を有するプライマーとした。実施例2に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号3の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号4の塩基配列を有するプライマーとした。
次に、調製したPCR反応液について、サーマルサイクラーを用い、遺伝子増幅処理を行った。タラロマイセス マクロスポラスの検出における当該処理の条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)55℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で20秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。タラロマイセス トラキスペルムスの検出における当該処理の条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)57℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で20秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。
(PCR増幅産物の確認)
続いて、PCR反応液から5〜10μlを分取し、1.3%(1〜1.5%)濃度のアガロースゲルで電気泳動を行った。バッファーは、1×TAEバッファーを用いた。電気泳動後、アガロースゲルを常法に従って染色し、紫外線(UV)ライトボックス上にてアガロースゲルを撮像した。撮像された画像に基づいてPCR増幅産物を確認した。
(結果)
図2は、実施例1の電気泳動像であり、図3は実施例2の電気泳動像である。また各図において、Aは表2に記載の各検体の結果を示し、Bは表3に記載の各検体の結果を示す。なお、表2及び表3に付した各菌株の番号と、図2及び図3の電気泳動像に付した各レーンの番号とはそれぞれ対応する。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
まず図2に示すように、Aの1,2番のレーン、及びBの1,2,5,6番のレーンにのみ、300〜400bp程度のバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表2を参照し、いずれもタラロマイセス マクロスポラスに属する株である。このことから、実施例1に係るプライマー対が、タラロマイセス マクロスポラスを種特異的に検出可能であることが確認された。
図3に示すように、Aの3,4番のレーン、及びBの3,4,7,8番のレーンにのみ、300〜400bp程度のバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表3を参照し、いずれもタラロマイセス トラキスペルムスに属する株である。このことから、実施例2に係るプライマー対が、タラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出可能であることが確認された。
[試験例2]
試験例2では、製造原料より単離した菌株を検体とし、試験例1と同様にタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出できるか否か確認した。
(検体の調製)
まず、検体である製造原料から菌株を単離してDNAを抽出し、DNA溶液を調製した。製造原料は、パインアップル、ラズベリー、ブルーベリー、イチゴ等であり、これから80℃で30分の加熱を行い、生残した菌株を単離した。単離した菌株は、形態観察及び塩基配列解析法により同定した。同定された菌株を表5に示す。表5に記載された菌株のうち、1,13番はタラロマイセス マクロスポラスに属する菌株であり、2,3,10番は、タラロマイセス トラキスペルムスに属する菌株である。
各菌株を、PDA(Potato Dextrose Agar)培地にて、約25℃で、7日間培養した。単離した菌株の1白金耳を30μlの滅菌水に入れ電子レンジで5分加熱し、ボルテックスミキサーでよく撹拌した。1,200rpmで5分間遠心分離し、上澄みをDNA抽出液とした。
(PCR法による遺伝子増幅)
続いて、調整したDNA溶液と実施例1及び実施例2に係るプライマー対とを用いて、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムス検出のためのPCRを行った。本工程は、試験例1と同様であるため、説明を省略する。
(PCR増幅産物の確認)
続いて、サンプルチューブに入ったPCR反応液を、マイクロチップ電気泳動装置MCE−202MultiNA(島津製作所)にセットし、電気泳動を行った。電気泳動後、データ解析ソフトウェア(MultiNA Viewer)により、PCR増幅産物を確認した。
(結果)
図4は、試験例2の電気泳動像であり、Aは実施例1、Bは実施例2の結果を示す。なお、図4の電気泳動像に付した各レーンの番号と、表5に付した各菌株の番号とはそれぞれ対応している。なお、M1は、高分子マーカを示し、M2は低分子マーカを示す。また、Pは、PCR反応液中のプライマーのピークを示す。
まず図4Aにおいて、1,13番のレーンにのみ、試験例1と同程度の大きさのバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表5を参照し、いずれもタラロマイセス マクロスポラスに属する株である。このことから、実施例1に係るプライマー対が、タラロマイセス マクロスポラスを種特異的に検出可能であることが確認された。
次に図4Bにおいて、2,3,10番のレーンにのみ、試験例1と同程度の大きさのバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表5を参照し、いずれもタラロマイセス トラキスペルムスに属する株である。このことから、実施例2に係るプライマー対が、タラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出可能であることが確認された。
[試験例3]
試験例3として、実施例1及び実施例2に係るプライマー対を用いたPCRにおけるタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスの検出限界を確認するため、検体から濃度の異なるDNA溶液を作成し、試験を行った。
(検体の調製)
まず、検体からDNAを抽出し、濃度の異なるDNA溶液を調製した。検体としては、タラロマイセス マクロスポラス JCM22818株と、タラロマイセス トラキスペルムスNBRC31757株とを用いた。これらの菌株の入手元は、試験例1と同様である。
各菌株から、試験例1と同様にDNAを抽出した。抽出したDNAは、表6に示す濃度のDNA溶液として調製し、それぞれ試料1〜5とした。
(PCR法による遺伝子増幅)
続いて、試料1〜5のDNA溶液と実施例1に係るプライマー対とを用いて、タラロマイセス マクロスポラス検出のためのPCRを行った。また、試料1〜5のDNA溶液と実施例2に係るプライマー対とを用いて、タラロマイセス トラキスペルムス検出のためのPCRを行った。本工程は、試験例1と同様であるため、説明を省略する。
(PCR増幅産物の確認)
続いて、PCR増幅産物を確認するため、1.3%(1〜1.5%)濃度のアガロースゲルで電気泳動を行った。本工程も、試験例1と同様であるため、その説明を省略する。
(結果)
図5は、試験例3の電気泳動像であり、Aは実施例1、Bは実施例2の結果を示す。なお、図5の電気泳動像に付した各レーンの番号と、表6に示す各試料の番号とはそれぞれ対応している。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
まず図5Aにおいて、試料のDNA濃度が薄くなるに従い、バンドの蛍光強度が低くなる様子が観察された。これにより、実施例1に係るプライマー対が、タラロマイセス マクロスポラスを特異的に検出可能なことが改めて確認された。加えて、DNA濃度がそれぞれ100pg/μl〜10ng/μlの試料1〜3のバンドは確認でき、DNA濃度がそれぞれ10pg/μl,1pg/μlの試料4,5のバンドは確認することができなかった。このことから、実施例1に係るプライマー対の検出限界は、検体から調製したDNA濃度にして10〜100pg/μlであることが示唆された。
図5Bにおいても、図5Aと同様の結果が得られた。すなわち、試料のDNA濃度が薄くなるに従い、バンドの蛍光強度が低くなる様子が観察された。これにより、実施例2に係るプライマー対が、タラロマイセス トラキスペルムスを特異的に検出可能なことが改めて確認された。また、DNA濃度が100pg/μl〜10ng/μlの試料1〜3のバンドは確認でき、DNA濃度がそれぞれ10pg/μl,1pg/μlの試料4,5のバンドは確認することができなかった。このことから、実施例2に係るプライマー対の検出限界も、検体から調製したDNA濃度にして10〜100pg/μlであることが示唆された。
続いて、上記(A)〜(H)、(e)〜(h)の配列のいずれにも該当しない配列のプライマーを作成し、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出できるか否か確認した。
[比較例1]
タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのうちの少なくとも一方を検出するため、配列番号5及び6の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。各プライマーは、オペロンバイオテクノロジー株式会社に合成依頼した。表7に、作成したプライマー対の塩基配列を示す。
[比較例2]
タラロマイセス マクロスポラス検出用のプライマーとして、配列番号7及び8の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。プライマーは、実施例1と同様にオペロンバイオテクノロジー株式会社に合成依頼した。表7に、作成したプライマーの塩基配列を示す。
[試験例4]
試験例4として、比較例1に係るプライマー対を用いて、検体である菌からタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのうちの一方を種特異的に検出できるか否か確認した。なお、本試験例は、試験例1と同様の流れで行ったため、重複している部分についてはその説明を省略する。
本試験例では、検体として、表8及び表9に示す菌株を用いた。表8の14番はタラロマイセス トラキスペルムスに属する菌株であり、表9の12,13番はタラロマイセス マクロスポラスに属する菌株である。また、表8に示す菌株は、試験例1と同様の独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(NBRC)から入手し、表9に示す菌株は、試験例1と同様の独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)から入手した。また、PCR反応液の組成は、試験例1の表4に記載の組成とした。比較例1に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号5の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号6の塩基配列を有するプライマーとした。また、PCR条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)53℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で20秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。続いて、試験例1と同様に、1.3%(1〜1.5%)濃度のアガロースゲルで電気泳動を行い、PCR増幅産物を確認した。
(結果)
図6は、試験例4の電気泳動像であり、Aは表8に記載の菌株、Bは表9に記載の菌株の結果を示す。なお、表8及び表9に付した各菌株の番号と、図6A,Bの電気泳動像に付した各レーンの番号とはそれぞれ対応する。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
図6Aに示すように、タラロマイセス トラキスペルムスに属する株に係る14番目のレーンにバンドが確認された。また、図からは確認が難しいが、発明者らは、Thermoascus crustaceusに属する株に係る15番目のレーンにも、肉眼にてバンドを確認した。これにより、比較例1に係るプライマー対は、タラロマイセス属以外の菌株についても検出することが示唆された。
一方、図6Bに示すように、タラロマイセス マクロスポラスに属する株に係る12番目のレーンにのみ、バンドが確認された。しかしながら、同じくタラロマイセス マクロスポラスに属する株に係る13番目のレーンからはバンドが確認されなかった。このことから、比較例1に係るプライマー対は、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスのいずれか一方の種特異的な検出は難しいことが確認された。
[試験例5]
試験例5として、比較例2に係るプライマー対を用いて、検体である菌からタラロマイセス マクロスポラスを種特異的に検出できるか否か確認した。なお、本試験例は、試験例1及び試験例4と同様の流れで行ったため、重複している部分についてはその説明を省略する。
本試験例では、検体として、表10及び表11に示す菌株を用いた。このうち、表11の12,13番はタラロマイセス マクロスポラスに属する菌株である。また、表10に示す菌株は、試験例1と同様の独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(NBRC)から入手し、表11に示す菌株は、試験例1と同様の独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)から入手した。また、PCR反応液の組成は、試験例1の表4に記載の組成とした。比較例2に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号7の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号8の塩基配列を有するプライマーとした。また、PCR条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)53℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で20秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。続いて、試験例1と同様に、1.3%(1〜1.5%)濃度のアガロースゲルで電気泳動を行い、PCR増幅産物を確認した。
(結果)
図7は、試験例5の電気泳動像であり、Aは表10に記載の菌株、Bは表11に記載の菌株の結果を示す。なお、表10及び表11に付した各菌株の番号と、図7A,Bの電気泳動像に付した各レーンの番号とはそれぞれ対応する。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
図7Aに示す電気泳動像からはバンドが確認できなかった。これは、図7Aに対応する表10に記載の菌株にはタラロマイセス マクロスポラスに属する菌株が含まれていないため、妥当な結果であると考えられる。
一方、図7Bに示すように、タラロマイセス マクロスポラスに属する株に係る12番目のレーンにのみ、バンドが確認された。しかしながら、タラロマイセス マクロスポラスに属する株に係る13番目のレーンからはバンドが確認されなかった。このことから、比較例2に係るプライマー対は、タラロマイセス マクロスポラスの種特異的な検出が難しいことが確認された。
試験例4及び試験例5の結果より、上記(A)〜(H)、(e)〜(h)の配列のいずれにも該当しない比較例1及び比較例2に係るプライマー対では、種特異的な検出ができないことが確認された。したがって、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスの種特異的な検出にはプライマー等の配列が非常に重要であることが確認された。本発明は、無数に考えうる配列のうち、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスの種特異的な検出のための上記配列を見出したものである。
[実施例3:タラロマイセス マクロスポラス検出用のプライマー]
さらに、タラロマイセス マクロスポラス検出用として、配列番号9及び10の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。これらのプライマーは、イソクエン酸リアーゼ遺伝子をターゲットとして作成したものである。各プライマーは、実施例1,2と同様にオペロンバイオテクノロジー株式会社に合成依頼した。表12に、作成したプライマー対の塩基配列を示す。
[実施例4:タラロマイセス トラキスペルムス検出用のプライマー]
タラロマイセス トラキスペルムス検出用として、配列番号11及び12の塩基配列を有するPCR用のプライマー対を作成した。これらのプライマーは、イソクエン酸リアーゼ遺伝子をターゲットとして作成したものである。表12に、作成したプライマー対の塩基配列を示す。
[試験例6]
試験例6として、実施例3及び実施例4に係るプライマー対を用いて、検体である菌からタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出できるか否か確認した。なお、試験例1と重複する部分については説明を省略する。
(検体の調整)
まず、検体からDNAを抽出し、試験例1と同様にDNA溶液を調整した。検体としては、表2及び表3に示す菌株を用いた。さらに、各菌株を、PDA(Potato Dextrose Agar)培地等にて、約25〜30℃、7〜10日間培養した。回収した菌株から、試験例1と同様に、DNAを抽出した。抽出したDNAは、10〜50ng/μlの濃度のDNA溶液として調製した。
(PCR法による遺伝子増幅)
続いて、調整した45種類のDNA溶液と実施例3に係るプライマー対とをそれぞれ用いて、タラロマイセス マクロスポラス検出のためのPCRを行った。同様に、調整した45種類のDNA溶液と実施例4に係るプライマー対とを用いて、タラロマイセス トラキスペルムス検出のためのPCRを行った。
まず、各PCR反応液を調製した。各PCRにおいて、プライマー及びテンプレートDNA(templete DNA)の塩基配列のみ異なり、PCR反応液の組成は同一とした。表13に、PCR反応液の組成を示す。テンプレートDNAは、「検体の調製」で調製した各DNA溶液とした。また、実施例3に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号9の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号10の塩基配列を有するプライマーとした。実施例4に係るプライマー対において、フォワードプライマーは配列番号11の塩基配列を有するプライマー、リバースプライマーは配列番号12の塩基配列を有するプライマーとした。
次に、調製したPCR反応液について、サーマルサイクラーを用い、遺伝子増幅処理を行った。タラロマイセス マクロスポラスの検出における当該処理の条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)53℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で20秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。タラロマイセス トラキスペルムスの検出における当該処理の条件は、(1)94℃2分間の熱変性反応、(2)94℃で30秒の熱変性反応、(3)50℃で30秒のアニーリング反応、(4)68℃で30秒の伸長反応、(5)68℃で5分の伸長反応とし、(2)〜(4)を30サイクル行った。
(PCR増幅産物の確認)
続いて、PCR反応液から5〜10μlを分取し、試験例1と同様に、1.3%(1〜1.5%)濃度のアガロースゲルで電気泳動を行った。電気泳動後、試験例1と同様にアガロースゲルを撮像した。撮像された画像に基づいてPCR増幅産物を確認した。
(結果)
図8は、実施例3の電気泳動像であり、図9は実施例4の電気泳動像である。また各図において、Aは表2に記載の各検体の結果を示し、Bは表3に記載の各検体の結果を示す。なお、表2及び表3に付した各菌株の番号と、図8及び図9の電気泳動像に付した各レーンの番号とはそれぞれ対応する。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
まず図8に示すように、Aの1,2番のレーン、及びBの1,2,5,6番のレーンにのみ、300〜400bp程度のバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表2を参照し、いずれもタラロマイセス マクロスポラスに属する株である。このことから、実施例3に係るプライマー対が、タラロマイセス マクロスポラスを種特異的に検出可能であることが確認された。
図9に示すように、Aの3,4番のレーン、及びBの3,4,7,8番のレーンにのみ、300〜400bp程度のバンドが確認された。これらのレーンに対応する菌株は、表3を参照し、いずれもタラロマイセス トラキスペルムスに属する株である。このことから、実施例4に係るプライマー対が、タラロマイセス トラキスペルムスを種特異的に検出可能であることが確認された。
[試験例7]
試験例7として、試験例3と同様に、実施例3及び実施例4に係るプライマー対を用いたPCRにおけるタラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスの検出限界を確認するため、検体から濃度の異なるDNA溶液を作成し、試験を行った。なお、検体及び検体の調整方法は試験例3と同様であり、遺伝子増幅及び確認の方法は試験例6と同様であるため、説明を省略する。
(結果)
図10は、試験例7の電気泳動像であり、Aは実施例3、Bは実施例4の結果を示す。なお、図10の電気泳動像に付した各レーンの番号と、表6に示す各試料の番号とはそれぞれ対応している。Mのレーンは、サイズマーカーを示す。
まず図10Aにおいて、試料のDNA濃度が薄くなるに従い、バンドの蛍光強度が低くなる様子が観察された。これにより、実施例3に係るプライマー対が、タラロマイセス マクロスポラスを特異的に検出可能なことが改めて確認された。加えて、DNA濃度がそれぞれ100pg/μl〜10ng/μlの試料1〜3のバンドは確認でき、DNA濃度がそれぞれ10pg/μl,1pg/μlの試料4,5のバンドは確認することができなかった。このことから、実施例3に係るプライマー対の検出限界は、検体から調製したDNA濃度にして10〜100pg/μlであることが示唆された。
図10Bにおいても、図10Aと同様の結果が得られた。すなわち、試料のDNA濃度が薄くなるに従い、バンドの蛍光強度が低くなる様子が観察された。これにより、実施例4に係るプライマー対が、タラロマイセス トラキスペルムスを特異的に検出可能なことが改めて確認された。また、DNA濃度が100pg/μl〜10ng/μlの試料1〜3のバンドは確認でき、DNA濃度がそれぞれ10pg/μl,1pg/μlの試料4,5のバンドは確認することができなかった。このことから、実施例4に係るプライマー対の検出限界も、検体から調製したDNA濃度にして10〜100pg/μlであることが示唆された。
試験例6及び試験例7の結果より、イソクエン酸リアーゼ遺伝子領域にハイブリダイズする実施例3及び実施例4のプライマー対によっても、タラロマイセス マクロスポラス及びタラロマイセス トラキスペルムスの種特異的な検出が可能であることが確認された。これは、本発明者らが数ある遺伝子領域のうちから上記遺伝子領域を探索し、さらに種特異的にハイブリダイズする上記プライマー対を見出したことによるものである。

Claims (11)

  1. タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
    タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
    (E)配列番号1に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
    (F)配列番号2に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
  2. タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
    タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
    (G)配列番号3に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
    (H)配列番号4に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
  3. タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
    タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
    (M)配列番号9に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
    (N)配列番号10に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
  4. タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるプライマー対であって、
    タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(P)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
    (O)配列番号11に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
    (P)配列番号12に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
  5. ラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、又はタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(h)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対若しくは下記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(p)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対。
    (e)配列番号1に記載の塩基配列
    (f)配列番号2に記載の塩基配列
    (g)配列番号3に記載の塩基配列
    (h)配列番号4に記載の塩基配列
    (m)配列番号9に記載の塩基配列
    (n)配列番号10に記載の塩基配列
    (o)配列番号11に記載の塩基配列
    (p)配列番号12に記載の塩基配列
  6. タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(E)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(F)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を含む
    タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
    (E)配列番号1に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
    (F)配列番号2に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
  7. タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(G)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(H)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を含む
    タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
    (G)配列番号3に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
    (H)配列番号4に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
  8. タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(M)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(N)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を含む
    タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
    (M)配列番号9に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
    (N)配列番号10に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス マクロスポラスの検出が可能な塩基配列
  9. タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる下記(O)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び下記(P)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対を含む
    タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
    (O)配列番号11に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
    (P)配列番号12に記載の塩基配列、又は当該塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつタラロマイセス トラキスペルムスの検出が可能な塩基配列
  10. ラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる記(e)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び前記(f)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス マクロスポラスをPCR法により検出する場合に用いられる記(m)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び記(n)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、タラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる記(g)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び記(h)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対、並びにタラロマイセス トラキスペルムスをPCR法により検出する場合に用いられる記(o)の塩基配列で表されたオリゴヌクレオチド及び記(p)の塩基配列でそれぞれ表されたオリゴヌクレオチドからなるプライマー対のうちの少なくとも一つのプライマー対を含む
    タラロマイセス属に属する種の検出用キット。
    (e)配列番号1に記載の塩基配列
    (f)配列番号2に記載の塩基配列
    (g)配列番号3に記載の塩基配列
    (h)配列番号4に記載の塩基配列
    (m)配列番号9に記載の塩基配列
    (n)配列番号10に記載の塩基配列
    (o)配列番号11に記載の塩基配列
    (p)配列番号12に記載の塩基配列
  11. ラロマイセス マクロスポラスを検出する場合は記(e)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び記(f)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに記(m)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び記(n)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含み、タラロマイセス トラキスペルムスを検出する場合は記(g)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び記(h)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップ、並びに記(o)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド及び記(p)の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてPCRを行うステップのうち少なくとも一方のステップを含むことを特徴とする
    タラロマイセス属に属する種の検出方法。
    (e)配列番号1に記載の塩基配列
    (f)配列番号2に記載の塩基配列
    (g)配列番号3に記載の塩基配列
    (h)配列番号4に記載の塩基配列
    (m)配列番号9に記載の塩基配列
    (n)配列番号10に記載の塩基配列
    (o)配列番号11に記載の塩基配列
    (p)配列番号12に記載の塩基配列
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