本出願に係る電子機器、制御方法及び制御プログラムを実施するための複数の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、本出願に係る電子機器の一例として、スマートフォンを取り上げて説明する。
(実施形態1)
図1を参照しつつ、実施形態に係るスマートフォン1の機能構成の一例を説明する。図1は、実施形態1に係るスマートフォンの機能構成を示すブロック図である。以下の説明においては、同様の構成要素に同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
図1に示すように、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16とを備える。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重ねて配置されてもよいし、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。タッチスクリーンディスプレイ2は、表示部の一例である。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。ディスプレイ2Aが表示する文字、画像、記号、及び図形等を含む画面には、ロック画面と呼ばれる画面、ホーム画面と呼ばれる画面、アプリケーションの実行中に表示されるアプリケーション画面が含まれる。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面、標準画面、アプリ一覧画面又はランチャー画面と呼ばれることもある。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等(以下、単に「指」という)がタッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に接触したときのタッチスクリーン2B上の位置(以下、接触位置と表記する)を検出することができる。タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指の接触を、接触位置とともにコントローラ10に通知する。タッチスクリーン2Bは、接触位置検出部の一例である。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
コントローラ10(スマートフォン1)は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、ジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対して行われる操作である。コントローラ10(スマートフォン1)が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付ける。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
照度センサ4は、照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。照度センサ4は、照度検出部の一例である。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aが顔に近づけられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格がある。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等がある。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
レシーバ7は、音出力部である。レシーバ7は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラム(図示略)とが含まれる。フォアグランドで実行されるアプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面が表示される。制御プログラムには、例えば、OSが含まれる。アプリケーション及び基本プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、電話アプリケーション9C、設定データ9Zなどを記憶する。
制御プログラム9Aは、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを受信した場合には、利用に関する所定の制限を実行するための機能を提供する。制御プログラム9Aは、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示した場合に、利用に関する所定の制限を解除するための機能を提供する。図2は、実施形態に係る利用の制限対象の例を示す図である。図2に示すように、制御プログラム9Aによる利用の制限対象には、電話ができる人、メールができる人、アプリケーションの利用、有害サイトへのアクセス、不適切なワードの入力などが含まれている。制御プログラム9Aによる利用の制限は、条件に基づいて実行してもよい。図3は、実施形態に係る利用の制限条件の例を示す図である。利用を制限する条件には、図3に例を示したように、特定メールの受信に基づく機能制限、制限を行う時間帯、1日の利用可能時間、および通話が可能な総時間が含まれてもよい。図2に示す制限対象の例は、実施形態に係る一例に過ぎず、図2に示す例に限定されない。図3に示す条件の例は、実施形態に係る一例に過ぎず、図3に示す例に限定されない。
制御プログラム9Aは、利用者に対して制限対象を任意に設定させるための機能を提供する。図4は、実施形態に係る利用に関する制限の設定操作を行うための設定画面の例を示す図である。図4に示すように、制御プログラム9Aは、利用者の操作に応じて、設定画面50Aをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する。制御プログラム9Aは、利用者の操作に応じて、制限対象ごとに設定を受け付ける。
制御プログラム9Aは、特定メールを受信した場合に、図2に示す全ての対象について制限を実行してもよいし、図2に示す一部の対象について制限を実行してもよい。制御プログラム9Aは、利用者の設定に基づいて制限を実行してもよい。制御プログラム9Aは、利用者の設定がない場合に、利用に関する所定の制限の初期設定に基づいて、制限を実行してもよい。
メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。電話アプリケーション9Cは、無線通信による通話のための通話機能を提供する。
設定データ9Zは、制御プログラム9Aなどにより提供される機能に基づいて実行される処理に用いられる各種データを含んで構成される。設定データ9Zには、制御プログラム9Aが、受信したメールアドレスの中から特定メールを判別するためのアドレスの情報が含まれる。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。コントローラ10は、制御部の一例である。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、及び方位センサ16を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、次の処理を実行する。すなわち、コントローラ10は、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを受信した場合には、利用に関する所定の制限を実行する。コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示した場合に、利用に関する所定の制限を解除する。
スピーカ11は、音出力部である。スピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換する。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラである。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態でスマートフォン1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に作用する加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、例えば、地磁気の向きを検出し、地磁気の向きに基づいて、スマートフォン1の向き(方位)を検出する。
スマートフォン1は、上記の各機能部の他、GPS受信機、及びバイブレータを備えてもよい。GPS受信機は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。バイブレータは、スマートフォン1の一部又は全体を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。図1には示していないが、バッテリなど、スマートフォン1の機能を維持するために当然に用いられる機能部はスマートフォン1に実装される。
図5を参照しつつ、実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図5は、実施形態1に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aなどを実行することにより実現される。
図5に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS101)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS101,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS102)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS102,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS103)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示するかを判定する(ステップS104)。コントローラ10は、例えば、利用者から特定メールを表示させる操作を受け付けたかを判定する。
コントローラ10は、特定メールを表示する場合には(ステップS104,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS105)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS104において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示しない場合には(ステップS104,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS102において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS102,No)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS101において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS101,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS104において、コントローラ10は、特定メールを表示するかを判定したが、これには限定されない。コントローラ10は、受信メールが特定メールである場合、自動的に開封して表示させてもよい。
上記の実施形態1では、スマートフォン1が、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを受信した場合には、利用に関する所定の制限を実行する。続いて、スマートフォン1は、特定メールの表示に伴い、利用に関する制限を解除する。すなわち、特定の人から送信されたメールの受信及び表示により、利用の制限に関する操作が自動化され、手動による操作を不要にできる。さらに、実施形態1によれば、スマートフォン1は、特定の人から送信されたメールが受信されてから表示されるまでの間、利用に関する所定の制限が実行されるので、特定の人から送信されたメールを読ませるように利用者に促すことができる。
(実施形態2)
上記の実施形態1において、スマートフォン1は、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを表示した後、所定の条件を満足した場合には、利用に関する所定の制限を解除してもよい。実施形態2に係るスマートフォン1の機能構成は、以下に説明する点が実施形態1とは異なる。
制御プログラム9Aは、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示した後、特定メールを表示する際に表示される所定のオブジェクトに対する操作が検出された場合には、所定の制限を解除するための機能を提供する。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、次の処理を実行する。すなわち、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示した後、特定メールを表示する際に表示される所定のオブジェクトに対する操作が検出された場合には、所定の制限を解除する。
図6は、実施形態2に係るスマートフォン1による処理を説明するための図である。図6に示すように、スマートフォン1は、ホーム画面50Bをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS1)。ステップS1の時点で、スマートフォン1は、利用に関する所定の制限を実行していない。
スマートフォン1は、メールを受信すると、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する。スマートフォン1は、特定メールである場合、利用に関する所定の制限を実行する。続いて、スマートフォン1は、利用者の操作に応じてメールの本文を表示する画面50Cをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS2)。図6に示す例では、画面50CをスクロールするためのスクロールバーOB1が画面50Cに設けられる。
スマートフォン1は、画面50Cの最下部に表示されるオブジェクトOB2に対する操作を検出した場合には(ステップS3)、所定の制限を解除して、再びホーム画面50Bをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS4)。
図7を参照しつつ、実施形態2に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図7は、実施形態2に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aなどを実行することにより実現される。
図7に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS201)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS201,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS202)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS202,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS203)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS204)。
続いて、コントローラ10は、所定のオブジェクト(図6参照)に対する操作を検出したかを判定する(ステップS205)。
コントローラ10は、判定の結果、所定のオブジェクトに対する操作を検出した場合には(ステップS205,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS206)、上記ステップS201の処理手順に戻る。
上記ステップS205において、コントローラ10は、判定の結果、所定のオブジェクトに対する操作を検出しない場合には(ステップS205,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS202において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS202,No)、上記ステップS201の処理手順に戻る。
上記ステップS201において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS201,No)、同判定を繰り返す。
(実施形態3)
スマートフォン1は、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを表示した後、特定メールに対する利用者の視線を検出することにより、利用に関する所定の制限を解除してもよい。実施形態3に係るスマートフォン1の機能構成は、以下に説明する点が上記の実施形態とは異なる。
図8は、実施形態3に係るスマートフォン1の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、スマートフォン1は、赤外線照射部17を備える。赤外線照射部17は、カメラ12により実行される撮影に同期して赤外線を照射する。
ストレージ9は、視線検出プログラム9Dを記憶する。視線検出プログラム9Dは、利用者の視線位置の移動を検出するための機能を提供する。なお、視線位置は、利用者の眼球内にある瞳孔の中心位置を起点として直線的に延伸する視線がタッチスクリーンディスプレイ2と交差するときのタッチスクリーンディスプレイ2上の位置に該当する。
視線検出プログラム9Dは、次のように、上記視線位置を検出する。すなわち、視線検出プログラム9Dは、利用者の画像に対して角膜反射法に基づくアルゴリズムを適用することにより、上記視線位置を検出する。具体的には、視線検出プログラム9Dは、利用者の画像を取得する際に、赤外線照射部13から赤外線を照射させる。視線検出プログラム9Dは、取得した利用者の画像から、瞳孔の位置と赤外線の角膜反射の位置をそれぞれ特定する。視線検出プログラム9Dは、瞳孔の位置と赤外線の角膜反射の位置の位置関係に基づいて、利用者の視線の方向を特定する。視線検出プログラム9Dは、瞳孔の位置が角膜反射の位置よりも目尻側にあれば、視線の方向は目尻側であると判定し、瞳孔の位置が角膜反射の位置よりも目頭側にあれば、視線の方向は目頭側であると判定する。視線検出プログラム9Dは、例えば、虹彩の大きさに基づいて、利用者の眼球とタッチスクリーンディスプレイ2との距離を算出する。視線検出プログラム9Dは、利用者の視線の方向と、利用者の眼球とタッチスクリーンディスプレイ2との距離とに基づいて、利用者の眼球内にある瞳孔の中心位置から、瞳孔を起点とする視線がタッチスクリーンディスプレイ2と交差するときのタッチスクリーンディスプレイ2上の位置である視線位置を検出する。
視線検出プログラム9Dは、上記視線位置の検出を再帰的に実行することにより、利用者の視線の移動を検出する。
上記の例では、視線検出プログラム9Dが、角膜反射法を利用した処理を実行することにより、利用者の視線位置を検出する場合を説明したが、この例には限られない。例えば、視線検出プログラム9Dが、利用者の画像について画像認識処理を実行することにより、上記視線位置を検出するようにしてもよい。例えば、視線検出プログラム9Dは、利用者の画像から、利用者の眼球を含む所定の領域を抽出し、目頭と虹彩との位置関係に基づいて視線方向を特定し、特定した視線方向と、利用者の眼球からタッチスクリーンディスプレイ2までの距離とに基づいて、上記視線位置を検出する。あるいは、視線検出プログラム9Dは、利用者がタッチスクリーンディスプレイ2上の表示領域各所を閲覧しているときの複数の眼球の画像を参照画像としてそれぞれ蓄積しておき、参照画像と、判定対象として取得される利用者の眼球の画像とを照合することにより、上記視線位置を検出する。
制御プログラム9Aは、タッチスクリーンディスプレイ2に特定メールを表示した後、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動に基づいて、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出するための機能を提供する。視線検出プログラム9Dは、例えば、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動が、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する場合には、当該文字情報をたどる視線の移動として検出する。制御プログラム9Aは、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動が、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の行数又は列数と同数である場合には、当該文字情報をたどる視線の移動として検出する。タッチスクリーンディスプレイ2に表示される文字情報には、電子メールに含まれる本文の文字情報、SMS(Short Message Service)に含まれる文字情報、MMS(Multimedia Messaging Service)に含まれる文字情報などが含まれる。
制御プログラム9Aは、視線検出プログラム9Dにより検出される各視線位置を連結して形成される視線の軌跡が、特定メールに含まれる文字情報をたどる際に利用者の視線の移動が形成するパターンに一致するかを判定することにより、文字情報をたどる視線の移動を検出してもよい。
コントローラ10は、制御プログラム9A及び視線検出プログラム9Dを実行することにより、次の処理を実行する。すなわち、コントローラ10は、タッチスクリーンディスプレイ2に特定メールを表示した後、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動に基づいて、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出する。例えば、コントローラ10は、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動が、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する場合には、当該文字情報をたどる視線の移動として検出する。コントローラ10は、視線検出プログラム9Dにより検出された視線の移動が、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の行数又は列数と同数である場合には、当該文字情報をたどる視線の移動として検出する。コントローラ10は、視線検出プログラム9Dにより検出される各視線位置を連結して形成される視線の軌跡が、特定メールに含まれる文字情報をたどる際に利用者の視線の移動が形成するパターンに一致するかを判定することにより、文字情報をたどる視線の移動を検出してもよい。
図9〜11を参照しつつ、実施形態3に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図9〜11は、実施形態3に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図9〜11に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9A及び視線検出プログラム9Dなどを実行することにより実現される。
図9に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS301)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS301,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS302)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS302,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS303)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS304)。
続いて、コントローラ10は、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出したかを判定する(ステップS305)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出した場合には(ステップS305,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS306)、上記ステップS301の処理手順に戻る。
上記ステップS305において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出しない場合には(ステップS305,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS302において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS302,No)、上記ステップS301の処理手順に戻る。
上記ステップS301において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS301,No)、同判定を繰り返す。
図10に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS401)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS401,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS402)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS402,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS403)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS404)。
続いて、コントローラ10は、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出したかを判定する(ステップS405)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出した場合には(ステップS405,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS406)、上記ステップS401の処理手順に戻る。
上記ステップS405において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出しない場合には(ステップS405,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS402において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS402,No)、上記ステップS401の処理手順に戻る。
上記ステップS401において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS401,No)、同判定を繰り返す。
図11に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS501)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS501,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS502)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS502,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS503)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS504)。
続いて、コントローラ10は、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出したかを判定する(ステップS505)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出した場合には(ステップS505,Yes)、当該文字列の行数又は列数と同数の視線の移動を検出したかを判定する(ステップS506)。ステップS505で検出する視線の移動の回数は、特定メールの文字列の行数又は列数と同じ数でなくてもよい。例えば、この移動の回数は、特定メールの文字列の行数又は列数に応じた回数であればよい。例えば、この移動の回数は、行数又は列数から所定の数を引いた回数、行数又は列数の半分以上の数でもよい。この移動の回数には、上限となる数が設けられていてもよい。
コントローラ10は、判定の結果、文字列の行数又は列数と同数の視線の移動を検出した場合には(ステップS506,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS507)、上記ステップS501の処理手順に戻る。
上記ステップS506において、コントローラ10は、判定の結果、文字列の行数又は列数と同数の視線の移動を検出していない場合には(ステップS506,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS505において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報を構成する複数の文字列の配列方向に対応する視線の移動を検出していない場合には(ステップS505,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS502において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS502,No)、上記ステップS501の処理手順に戻る。
上記ステップS501において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS501,No)、同判定を繰り返す。
(実施形態4)
スマートフォン1は、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールを表示した後、特定メールに含まれる文字情報に対する利用者の視線の検出が所定時間継続することにより、利用に関する所定の制限を解除してもよい。実施形態4に係るスマートフォン1の機能構成は、以下に説明する点が上記の実施形態とは異なる。
制御プログラム9Aは、視線検出プログラム9Dにより検出される視線位置が、タッチスクリーンディスプレイ2において文字情報が表示されている表示領域内に位置する場合には、文字情報に対する視線として検出するための機能を提供する。視線検出プログラム9Dは、上記の実施形態と同様に、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出した場合に、文字情報に対する視線として検出してもよい。制御プログラム9Aは、特定メールに対する利用者の視線の検出が所定時間継続した場合には、所定の制限を解除する。制御プログラム9Aは、文字情報に含まれる文字数に応じて、利用者の視線の検出が継続する時間を判定するための所定時間を決定する。
設定データ9Zには、制御プログラム9Aが提供する機能により実行される処理に用いられる所定時間に関するデータが含まれる。
コントローラ10は、制御プログラム9A及び視線検出プログラム9Dを実行することにより、次の処理を実行する。すなわち、コントローラ10は、視線検出プログラム9Dにより検出される視線位置が、タッチスクリーンディスプレイ2において文字情報が表示されている表示領域内に位置する場合には、文字情報に対する視線として検出する。コントローラ10は、特定メールに含まれる文字情報をたどる視線の移動を検出した場合に、文字情報に対する視線として検出してもよい。コントローラ10は、特定メールに対する利用者の視線の検出が所定時間継続した場合には、所定の制限を解除する。
図12を参照しつつ、実施形態4に係るスマートフォン1による処理の流れを説明する。図12は、実施形態4に係るスマートフォン1による処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、コントローラ10が、ストレージ9に記憶されている制御プログラム9A及び視線検出プログラム9Dなどを実行することにより実現される。
図12に示すように、コントローラ10は、メールを受信したかを判定する(ステップS601)。
コントローラ10は、判定の結果、メールを受信した場合には(ステップS601,Yes)、送信元アドレスが予め定められたアドレスである特定メールであるかを判定する(ステップS602)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールである場合には(ステップS602,Yes)、利用に関する所定の制限を実行する(ステップS603)。
続いて、コントローラ10は、特定メールをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(ステップS604)。
続いて、コントローラ10は、特定メールに含まれる文字情報に対する視線の検出が所定時間継続したかを判定する(ステップS605)。
コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報に対する視線の検出が所定時間継続した場合には(ステップS605,Yes)、所定の制限を解除し(ステップS606)、上記ステップS601の処理手順に戻る。
上記ステップS605において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールに含まれる文字情報に対する視線の検出が所定時間継続していない場合には(ステップS605,No)、同判定を繰り返す。
上記ステップS602において、コントローラ10は、判定の結果、特定メールではない場合には(ステップS602,No)、上記ステップS601の処理手順に戻る。
上記ステップS601において、コントローラ10は、判定の結果、メールを受信していない場合には(ステップS601,No)、同判定を繰り返す。
上記の実施形態において、スマートフォン1は、所定のタイミングで特定メールの送信者に対してメール等により通知してもよい。スマートフォン1は、特定メールが表示されたタイミングで、特定メールの送信者に対して、特定メールが開封された旨をメール等により通知する。スマートフォン1は、利用に関する所定の機能の制限を解除したタイミングで、特定メールの送信者に対して、特定メールが開封された旨をメール等により通知する。
上記の実施形態では、添付の請求項に係る装置の例として、スマートフォン1について説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォン1に限定されない。添付の請求項に係る装置は、電子メール等の送受信が可能な通信機能を備え、電子メール等を表示可能な表示部を有する電子機器であれば、スマートフォン以外の装置であってもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。