JP6399594B2 - 絶縁性能を高めた同軸ケーブルコネクタ - Google Patents
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Description
コネクタの外殻は筒状の外部導体シェル101によって形成されている。外部導体シェル101は、金属板材をプレス成形して作られており、縦軸線105を中心軸線とする胴部106と、この胴部106から一体に延設されたホルダ部107から成っている。外部導体シェル101によって形成された筒状部の内部には、端子103が配置されており、同軸ケーブル104の芯線115と電気的に結合された状態で保持されている。
ホルダ部107は、図11に見られるように、コネクタ組み立て前は縦軸線105に平行に胴部6から直立しているが、組み立て時には、図12に示すように、縦軸線105に直角の横軸線108に沿った方向に折り曲げられる。ホルダ部107が縦軸線105に直角の横軸線108に沿った方向に折り曲げられたとき、外部導体シェル101は、同軸ケーブル104の外部導体112と電気的に接続される。また、このとき、ハウジング10の一部102Cは、外部導体シェル101の内壁に設けた突起107aとの接触を通じてホルダ部107の折曲げに従って従軸線108方向に屈曲し、この結果、折り曲げられたハウジング10の一部102Cが端子103と外部導体シェル101との間に配置されて、それらの間の電気的接続を防止する。
しかしながら、この従来のコネクタ構造では、端子103とハウジング102を別個の部材とし、組み立て時にハウジング102の一部102Cを折り曲げることによって端子103と外部導体シェル101とを絶縁する等、構造が複雑なものとなっている。また、このような構造では、端子103と外部導体シェル101との間に挟み込まれたハウジング102の一部102Cによってコネクタの低背化が妨げられるといった問題も生じてしまう。
本発明はこれら従来のコネクタ構造における問題点を解決するためになされたものであり、より簡易な構造で、端子103と外部導体シェル101とを確実に絶縁しつつ、コネクタの低背化を図ることができる同軸ケーブルコネクタを提供することを目的とする。
(2) 上記(1)に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記外部導体シェルは板状金属を加工することによって形成されており、前記外部導体シェルの前記窪み部は、前記板状金属を打ち出すことによって形成されていてもよい。
板状金属の打ち出しだけで窪み部を形成することができるため、製造コストを安価に抑えることができる。また、窪み部を設けたことにより、外部導体シェルの強度を高めることができる。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記端子の露出部は、前記端子の厚さ方向において、前記端子の接触部とは反対の側に位置付けられていてもよい。
一体成形時に生じる樹脂の流れによる端子の振れを確実に抑制するには、端子の一部を金型によって押える必要があるが、この際、本来的に露出させる必要がある底側の弾性変位部ともに、この弾性変位部の上面側を金型で押えるのが効果的である。しかしながら、この金型で押えた部分は、結果的に露出部となり、よって、端子の露出部には、端子の厚さ方向において、端子の接触部とは反対の側に位置付けたものが含まれることになる。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記外部導体シェルは一枚の板状金属から形成され、相手コネクタの円筒シェルと接続される略円筒部を有しており、前記ハウジングの少なくとも一部を、前記略円筒部と、前記外部導体シェルの対向面との間に挟み込むことにより、前記外部導体シェルに前記ハウジングが取り付けられていてもよい。
この構成によれば、外部導体シェルの一部である略円筒部を利用して、外部導体シェルにハウジングを簡単に取り付けることができる。
(5) 上記(4)に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて、前記略円筒部は、前記略円筒部の円筒方向において、同軸ケーブルと重なりを有しないのが好ましい。
略円筒部が同軸ケーブルと重なりを有しないため、外部導体シェルとハウジングの対面方向において寸法が大きくなることはなく、従って、コネクタの低背化を図ることができる。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ(1)において、前記同軸ケーブルコネクタはライトアングル型コネクタであってもよい。
図1は、同軸ケーブル10が結線された本発明の同軸ケーブルコネクタ1の底側平面図、図2は、この同軸ケーブルコネクタ1の分解斜視図を、それぞれ示す。同軸ケーブルコネクタ1は、中心軸線を挟んで左右対称形状を成し、主に、導電性の端子20と、端子20と一体成形された絶縁性のハウジング40と、ハウジング40の少なくとも一部と同軸ケーブル10の少なくとも一部を覆う外部導体シェル70を備える。尚、端子20とハウジング40は一体成形されているため、実際にはこれらを分解することはできないが、図2では、便宜上、これらを分離した状態を示している。同軸ケーブルコネクタ1の組立時には、端子20及びハウジング40や、同軸ケーブル10は、図示矢印「β」方向に沿って、同軸ケーブルコネクタ1の底側から上側に向かってこれらの順に外部導体シェル70に配置され、外部導体シェル70に固定されることになる。
これらの各部は、樹脂モールドによって端子20と一体成形されている。但し、端子20の一部は、この一体成形後も外部に露出したままである。端子20の露出部には、接続部24は勿論、接触部22の底側の一部の接触部22の弾性変位部22’とその周辺部や、接触部22の上面側の一部、即ち、端子20の厚さ方向において端子20の接触部22とは反対の側(上面側)に位置付けられた、外部導体シェル70との対面側の一部が含まれる。尚、接触部22の上面側の一部も露出しているのは、一体成形時における特有の問題によるものである。即ち、一体成形時における樹脂の流れに対抗して端子20の振れを確実に抑制するには、端子20の一部を金型によって押える必要があるが、このとき、本来的に露出させる必要のある底側の弾性変位部22’とともに、弾性変位部22’の上面側を金型で押えるのが効果的である。しかしながら、金型で押えた部分は、結果的に樹脂の貫通孔48による露出部27として残ることになり、よって、端子20の露出部27には、端子の厚さ方向において、端子20の接触部22とは反対の側に位置付けたものが含まれることになる。
本体部先端側の円筒部42は、上面部45から相手コネクタとの接触側に向って突出しており、その中心に、端子20の接触部22が配置されている。相手コネクタとの嵌合時には、円筒部42は相手コネクタの円筒シェルの内部に挿入され、これと同時に、円筒部42の中心に配置された接触部22に円筒シェルの中心に配置された中心端子(図示されていない)が挿入、接触される。円筒部42の上面部45から先側及び左右側方に向かって延びた3本の突起44は、ハウジング40を外部導体シェル70に位置決めするために利用することができる。
本体部後端側のケーブル固定部(41、50等)には、同軸ケーブル10の芯線14を設置する設置面41が設けられている。端子20とハウジング40との一体成形後も、端子20の接続部24は、この設置面41から露出した状態とされる。尚、設置面41は略平坦であるが、接続部24を設置面41から突出或いは窪んだ状態としてもよい。これによって、端子20と芯線14との接触を確実にすることができる。図示の例では、窪み部43としてある。
中間カシメ部83が外部導体12に対してかしめられたとき、外部導体シェル70は、中間カシメ部83と外部導体12との接触を通じて、外部導体12と電気的に接続される。この結果、同軸ケーブルコネクタ1と相手コネクタとの嵌合時には、外部導体シェル70の略円筒部72と相手コネクタの円筒シェルとの接続を通じて、同軸ケーブル10の外部導体12と相手コネクタの円筒シェルとが電気的に接続される。同様の方法で、後側カシメ部84は絶縁被覆11に対してかしめられるが、勿論、ここでは電気的な接続は生じない。尚、図8等から明らかなように、同軸ケーブルコネクタ1の組み立て後においても、略円筒部72は、略円筒部72の円筒方向(図2の矢印「β」方向)において、同軸ケーブル10と重なりを有することはないため、外部導体シェル70とハウジング40の対面方向において寸法が大きくなることはなく、従って、コネクタの低背化を図ることができる。
10 同軸ケーブル
11 絶縁被覆
12 外部導体
13 絶縁体
14 芯線
20 端子
24 接続部
27 露出部
40 ハウジング
41 設置面
42 円筒部
46 本体部
48 貫通孔
49 ***部
50 圧着片
70 外部導体シェル
72 略円筒部
73 不連続部分
80A、80B 前側カシメ部
83 中間カシメ部
84 後側カシメ部
85 配置面
Claims (10)
- 端子と、
前記端子と一体成形されたハウジングと、
前記ハウジングの少なくとも一部を覆う外部導体シェルと、を備え、
前記ハウジングの前記外部導体シェルとの対向面に、前記端子の少なくとも一部を露出させる貫通孔が設けられているとともに、前記外部導体シェルに向けて***して前記露出部を前記外部導体シェルから引き離す***部が設けられており、
前記外部導体シェルの前記ハウジングとの対向面に、前記***部を収容可能な窪み部が設けられていることを特徴とする同軸ケーブルコネクタ。 - 前記外部導体シェルは板状金属を加工することによって形成されており、
前記外部導体シェルの前記窪み部は、前記板状金属を打ち出すことによって形成されている請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタ。 - 前記端子の露出部は、前記端子の厚さ方向において、前記端子の接触部とは反対の側に位置付けられている請求項1又は2に記載の同軸ケーブルコネクタ。
- 前記外部導体シェルは一枚の板状金属から形成され、相手コネクタの円筒シェルと接続される略円筒部を有しており、
前記ハウジングの少なくとも一部を、前記略円筒部と、前記外部導体シェルの対向面との間に挟み込むことにより、前記外部導体シェルに前記ハウジングが取り付けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ。 - 前記略円筒部は、前記略円筒部の円筒方向において、同軸ケーブルと重なりを有しない請求項4に記載の同軸ケーブルコネクタ。
- 前記同軸ケーブルコネクタはライトアングル型コネクタである請求項1乃至5のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ。
- 端子と、
前記端子と一体成形されたハウジングと、
前記ハウジングの少なくとも一部を覆う外部導体シェルと、
を備え、
前記外部導体シェルは、
前記ハウジングが配置される面と、
前記面に配置された前記ハウジングの円筒部の側面を覆う略円筒部と、
前記面に配置された前記ハウジングのケーブル固定部をかしめるカシメ部と、
を有し、
前記端子は、
前記端子の厚さ方向において前記ハウジングに対して前記面とは反対側から相手コネクタの中心端子を接触させる、前記ハウジングの円筒部に設けた接触部と、
前記端子の厚さ方向において前記ハウジングに対して前記面とは反対側から同軸ケーブルの芯線と接触させる、前記ハウジングのケーブル固定部に設けた接続部と、
を有し、
前記端子の厚さ方向において、前記接触部は前記接続部よりも前記配置面に接近している、ことを特徴とする同軸ケーブルコネクタ。 - 前記端子は、前記接触部と前記接続部の間に、前記接触部を前記接続部よりも前記配置面に接近させる段部を有する、請求項7に記載の同軸ケーブルコネクタ。
- 前記段部は、前記端子の厚さ方向において、前記ハウジングに埋め込まれている、請求項8に記載の同軸ケーブルコネクタ。
- 前記接触部と前記接続部の間に、前記ハウジングと一体成形された板状の部分を有する、請求項7乃至9のいずれかに記載の同軸ケーブルコネクタ。
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