JP6398891B2 - 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の光線を発する光源と、これら光線を反射して被走査面を走査させるポリゴンミラーとを備えた光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置に関する。
カラープリンター等の画像形成装置に用いられる光走査装置は、複数の光源と、これら光源が発する光線を反射して感光体ドラムの周面を走査させるポリゴンミラーと、前記光線を前記周面に結像させる走査レンズとを備える。小型化、低コスト化が要求される光走査装置では、1つのポリゴンミラーをYCMBkの4色の光線で共用したり、各色の走査光学系を1枚の走査レンズで構成したりする。4色共用タイプの光走査装置では、ポリゴンミラーを挟んで2色ずつの光源及び入射光学系が配置される対向走査方式が採用される。この場合、ポリゴンミラーの一つの偏向面に2色の光線が入射され、他の一つの偏向面に残りの2色の光線が入射される。
このような対向走査方式の光走査装置において、特許文献1には、光源、入射光学系及び走査レンズを、2色分ずつ、ポリゴンミラーを挟んで完全に対称配置する光走査装置が開示されている。この光走査装置では、ポリゴンミラーの偏向面に入射する光線の光軸と当該偏向面から被走査面へ向かう光線の光軸とがなす角度(本明細書では「入射開角」という)を、4色すべての光路において同一としている。しかし、この構成を採用すると、2色の入射光学系を副走査方向に重ねて同位置に配置する必要があるため、光学部品の配置の自由度が著しく制限される不具合がある。
特許文献2には、対向対置された2色ずつの入射光学系の各々において、入射開角が異なるように2色のうちの一方色と他方色の入射光学系を配置した光走査装置が開示されている。この光走査装置では、光学部品の配置の自由度は増すが、入射開角が異なることに起因して、前記一方色と他方色において被走査面上における走査可能領域が異なることになる。カラープリンターでは、前記一方色の光線が作る画像と他方色の光線が作る画像とを重ね合わせて合成画像を形成するが、上記走査可能領域の相違によって十分に前記合成画像の形成領域を確保できない場合が生じ得る。このことは、自ずと走査可能領域のマージンが少なくなる1枚の走査レンズ構成の走査光学系において顕著となる。
特開2008−102291号公報 特開2008−122706号公報
本発明の目的は、入射開角を異ならせてポリゴンミラーの一つの偏向面に二つの光線を入射させる構成を備える光走査装置において、これら光線の被走査面上における走査可能領域が異なることに起因する不具合を可及的に抑止することにある。
本発明の一の局面に係る光走査装置は、第1被走査面に描かれる潜像に基づく第1画像と、第2被走査面に描かれる潜像に基づく第2画像との重ね合わせにより一の合成画像を形成する画像形成装置に搭載される光走査装置であって、前記第1画像の潜像を描く第1光線を発する第1光源及び前記第2画像の潜像を描く第2光線を発する第2光源と、回転
軸と、前記第1光線と前記第2光線とが同じタイミングで入射され得る偏向面とを備え、前記回転軸回りに回転しつつ、前記第1光線及び前記第2光線を反射するポリゴンミラーと、前記偏向面に対して、基準となる第1入射開角をもって前記第1光線を入射させる第1入射光学系と、前記偏向面に対して前記第1入射開角よりも大きい第2入射開角をもって前記第2光線を入射させる第2入射光学系と、光路上において前記ポリゴンミラーと前記第1被走査面との間に配置され、前記第1光線を前記第1被走査面上に結像させる第1走査レンズと、光路上において前記ポリゴンミラーと前記第2被走査面との間に配置され、前記第2光線を前記第2被走査面上に結像させる第2走査レンズと、を備え、前記第1走査レンズと前記第2走査レンズとは、互いにレンズ中心の主走査方向の位置が異なるように、副走査方向に重ね合わされて配置され、前記第1入射光学系、前記第1走査レンズ及び前記第1被走査面は、前記第1光線により前記第1被走査面を走査可能な第1走査可能領域の中心と、前記第1走査レンズの光軸とが一致するように配置され、前記第2入射光学系、前記第2走査レンズ及び前記第2被走査面は、前記第2光線により前記第2被走査面を走査可能な第2走査可能領域の中心と、前記第2走査レンズの光軸とが異なるように配置され、さらに、前記合成画像の主走査方向の中心に対して、前記第2走査レンズの光軸の方が前記第1走査レンズの光軸よりも近い位置に配置されている。
上記の光走査装置では、前記第1走査可能領域の中心と前記第1走査レンズの光軸とが一致させる配置が採用される。この配置は、光軸を境とする一方の像高と他方の像高とにおいて、走査幅が均等となり、最も走査可能領域を広く確保し易い配置である。このような配置は、例えば、基準となる第1入射開角をもつ前記第1入射光学系と、前記第1走査レンズ及び前記第1被走査面とを、理想的な設計位置に配置することで実現できる。
一方、前記基準となる第1入射開角よりも大きい第2入射開角をもって前記第2光線を入射させる第2入射光学系では、前記偏向面における光線反射位置と前記第2被走査面における走査位置との関係が、前記第1入射開角の場合とは異なるものとなる。ここでは、前記第2入射開角が前記第1入射開角より大きいため、ケラレ(Vignetting)の影響で前記第2走査可能領域は前記第1走査可能領域に比べて狭くなる。また、第1入射光学系を基準としていることから、前記第2走査可能領域の中心と前記第2走査レンズの光軸とが異なることになるので、両者は距離を持って離間する。このような条件下において、前記合成画像の主走査方向の中心を、単純に前記第1走査レンズの光軸と前記第2走査レンズの光軸との中心に配置するのではなく、前記第2走査レンズの光軸の方に近い位置に配置することで、前記合成画像の画像形成領域(主走査方向の画像幅)を可及的に大きく確保することができる。
上記の光走査装置において、主走査断面において、走査範囲について前記第1走査レンズ及び前記第2走査レンズの各々の光軸上を基準として第1像高と第2像高とに区分するとき、前記第1及び第2入射光学系は前記第1像高側に配置され、前記第1走査可能領域については、前記第1像高の走査可能領域と前記第2像高の走査可能領域との長さは同一である一方、前記第2走査可能領域については、前記第1像高の走査可能領域の長さの方が前記第2像高の走査可能領域の長さよりも長く、前記合成画像の主走査方向の中心は、前記第2走査可能領域の前記第1像高の領域に配置されていることが望ましい。
この光走査装置によれば、走査可能領域の長さが比較的長い前記第2走査可能領域の前記第1像高の領域を有効に活用し、前記合成画像の画像形成領域を設定することが可能となる。従って、走査可能領域設定のためのマージンが少ない走査レンズを上記第1、第2走査レンズとして採用した場合でも、前記合成画像の画像形成領域を確保することができる。
上記の光走査装置において、光路上において、前記ポリゴンミラーと第1被走査面との間に配置される走査レンズは前記第1走査レンズのみであり、前記ポリゴンミラーと第2被走査面との間に配置される走査レンズは前記第2走査レンズのみである構成とすることができる。
1枚の走査レンズ構成の走査光学系を採用した場合、走査可能領域設定のためのマージンが自ずと制限される。従って、上記の本発明の構成を好適に適用することができる。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、静電潜像を担持する第1像担持体及び第2像担持体と、前記第1像担持体及び第2像担持体の周面を各々前記第1被走査面及び前記第2被走査面として前記第1光線及び第2光線を照射する上記の光走査装置と、を備える。
本発明によれば、入射開角を異ならせてポリゴンミラーの一つの偏向面に二つの光線を入射させる構成を備える光走査装置において、これら光線の被走査面上における走査可能領域が異なっていても、前記二つの光線によって形成される重ね合わせ合成画像の形成領域を十分に確保することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 光走査装置の副走査断面の構成を概略的に示す光路図である。 光走査装置の要部の斜視図である。 第1、第2走査レンズの配置を説明するための模式図である。 (A)は、第1、第2走査レンズの配置を主走査断面で示す図、(B)は、第1、第2走査レンズの配置を副走査断面で示す図である。 (A)は、入射開角が小さい光線の偏向面での反射状況を示す図、(B)は、前記光線が被走査面に作るビームスポットを示す図である。 (A)は、入射開角が大きい光線の偏向面での反射状況を示す図、(B)は、前記光線が被走査面に作るビームスポットを示す図である。 入射開角が小さい光線による被走査面の走査状況を示す図である。 入射開角が大きい光線による被走査面の走査状況を示す図である。 入射開角が異なる光線の、走査可能領域の相違を説明するための図である。 入射開角が異なる光線の各々の走査可能領域と、画像中心との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳述する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す概略断面図である。画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンターであって、略直方体のハウジングからなる本体ハウジング10を含む。なお、画像形成装置は、フルカラーの複写機や複合機であっても良い。
本体ハウジング10は、シートに対して画像形成処理を行う複数の処理ユニットを内部に収容する。本実施形態では、処理ユニットとして、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bk、光走査装置23、中間転写ユニット28及び定着装置30を含む。本体ハウジング10の上面には排紙トレイ11が備えられている。排紙トレイ11に対向して、シート排出口12が開口されている。本体ハウジング10の側壁には、手差し給紙トレイ13が開閉自在に取り付けられている。本体ハウジング10の下部には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット14が、着脱自在に装着されている。
画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー像を、コンピューター等の外部機器から伝送された画像情報に基づき形成するもので、水平方向に所定の間隔でタンデムに配置されている。各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、静電潜像及びトナー像を担持する円筒体形状からなる感光体ドラム21、感光体ドラム21の周面を帯電させる帯電器22、前記静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像装置24、この現像装置24に各色のトナーを供給するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各トナーコンテナ25Y、25C、25M、25Bk、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる一次転写ローラー26、及び感光体ドラム21の周面の残留トナーを除去するクリーニング装置27を含む。
光走査装置23は、各色の感光体ドラム21の周面上に静電潜像を形成する。本実施形態の光走査装置23は、各色用に準備された複数の光源と、これら光源から発せられた光線を各色の感光体ドラム21の周面に結像及び走査させる結像光学系とを含む。各色の結像光学系は互いに独立した光学系ではなく、一部の光学系が共用されている。この光走査装置23については、後記で詳述する。
中間転写ユニット28は、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる。中間転写ユニット28は、各感光体ドラム21の周面に接触しつつ周回する転写ベルト281と、転写ベルト281が架け渡される駆動ローラー282および従動ローラー283とを含む。転写ベルト281は、一次転写ローラー26によって各感光体ドラム21の周面に押し付けられている。各色の感光体ドラム21上のトナー像は転写ベルト281上の同一箇所に重ね合わせて一次転写される。これにより、フルカラーのトナー像が転写ベルト281上に形成される。
駆動ローラー282に対向して、転写ベルト281を挟んで二次転写ニップ部Tを形成する二次転写ローラー29が配置されている。転写ベルト281上のフルカラートナー像は、前記二次転写ニップ部Tにおいてシート上に二次転写される。シート上に転写されずに転写ベルト281の周面に残留したトナーは、従動ローラー283に対向して配置されたベルトクリーニング装置284によって回収される。
定着装置30は、熱源が内蔵された定着ローラー31と、定着ローラー31と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラー32とを含む。定着装置30は、二次転写ニップ部Tにおいてトナー像が転写されたシートを、定着ニップ部Nにおいて加熱及び加圧することで、トナーをシートに溶着させる定着処理を施す。定着処理が施されたシートは、シート排出口12から排紙トレイ11に向けて排出される。
本体ハウジング10の内部には、シートを搬送するためのシート搬送路が設けられている。シート搬送路は、本体ハウジング10の下部付近から上部付近まで、二次転写ニップ部T及び定着装置30を経由して、上下方向に延びるメイン搬送路P1を含む。メイン搬送路P1の下流端は、シート排出口12に接続されている。両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路P2が、メイン搬送路P1の最下流端から上流端付近まで延設されている。また、手差しトレイ13からメイン搬送路P1に至る手差しシート用搬送路P3が、給紙カセット14の上方に配置されている。
給紙カセット14は、シートの束を収容するシート収容部を備える。給紙カセット14の右上付近には、シート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すピックアップローラー151と、そのシートをメイン搬送路P1の上流端に送り出す給紙ローラー対152とが備えられている。手差しトレイ13に載置されたシートも、手差しシート用搬送路P3を通して、メイン搬送路P1の上流端に送り出される。メイン搬送路P1の二次転写ニップ部Tよりも上流側には、所定のタイミングでシートを転写ニップ部に送り出すレジストローラー対153が配置されている。
シートに片面印刷(画像形成)処理が行われる場合、給紙カセット14又は手差しトレイ13からシートがメイン搬送路P1に送り出され、該シートに二次転写ニップ部Tにおいてトナー像の転写処理が、定着装置30において転写されたトナーをシートに定着させる定着処理が、各々施される。その後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。一方、シートに両面印刷処理が行われる場合、シートの片面に対して転写処理及び定着処理が施された後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に一部が排紙される。その後、該シートはスイッチバック搬送され、反転搬送路P2を経て、メイン搬送路P1の上流端付近に戻される。しかる後、シートの他面に対して転写処理及び定着処理が施され、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。
次に、本実施形態に係る光走査装置23について、更に詳述する。図2は、光走査装置23の副走査断面の構成を概略的に示す光路図、図3は、光走査装置23の要部の斜視図である。光走査装置23は、イエロー画像描画用のイエロー光線LY(第1光線)、シアン画像描画用のシアン光線LC(第2光線)、マゼンタ画像描画用のマゼンタ光線LM、及び、ブラック画像描画用のブラック光線LBkにて各々、イエロー用感光体ドラム21Y(第1被走査面、第1像担持体)、シアン用感光体ドラム21C(第2被走査面、第2像担持体)、マゼンタ用感光体ドラム21M及びブラック用感光体ドラム21Bkの周面を走査する。
光走査装置23は、各色の走査光学系として、各色の光線の光路に各々配置される入射光学系と、4色で共用される一つのポリゴンミラー4、各色の光線用の走査レンズ6Y、6C、6M、6Bkと、各色の光線を各ドラム21Y、21C、21M、21Bkの周面へ照射させる反射ミラー71〜78と、これらを収容するハウジング(図略)とを含む。本実施形態では、イエロー及びシアン用の走査光学系と、マゼンタ及びブラック用の走査光学系とが、ポリゴンミラー4を挟んで対向して配置されている。つまり、本実施形態の光走査装置23は、1つのポリゴンミラー33を、互いに対向して配置された2組の2色用走査光学系で共用する対向走査方式の装置である。図3では、この2組の2色用走査光学系のうちの一方の斜視図を示している。
図3には、イエロー用の入射光学系5Y(第1入射光学系)とシアン用の入射光学系5C(第2入射光学系)とを示している。イエロー用の入射光学系5Yは、レーザーユニット51Y、コリメータレンズ52Y及びシリンドリカルレンズ53Yを含む。レーザーユニット51Yは、イエロー用感光体ドラム21Yの周面に照射されるイエロー光線LY(レーザー光線)を発するレーザー素子(第1光源)を含む。コリメータレンズ52Yは、レーザーユニット51Yから発せられ拡散するイエロー光線LYを平行光に変換する。シリンドリカルレンズ53Yは、前記平行光を主走査方向に長い線状光に変換してポリゴンミラー4の偏向面41に結像させる。
シアン用の入射光学系5Cは、シアン光線LCを発するレーザー素子(第2光源)を含むレーザーユニット51Cと、上記と同様な機能を果たすコリメータレンズ52C及びシリンドリカルレンズ53Cを含む。図3に示す通り、イエロー用の入射光学系5Yとシアン用の入射光学系5Cとは、ポリゴンミラー4(偏向面41)に対して入射開角を互いに異ならせて配置されている。これにより、2つの入射光学系をハウジング内の同位置に配置せずとも良くなり、光学部品の配置の自由度を担保することができる。
すなわち、イエロー光線LYがポリゴンミラー4の偏向面41に入射する光軸と、当該偏向面41から被走査面(感光体ドラム21Yの周面)へ向かう光線の光軸とがなす角度は、第1入射開角θ1である。一方、シアン光線LCが偏向面41に入射する光軸と、当該偏向面41から被走査面へ向かう光線の光軸とがなす角度は、第1入射開角θ1よりも大きい第2入射開角θ2である。本実施形態では、θ1=75度、θ2=90度に設定されている。なお、第1入射開角θ1は、当該光走査装置23において基準となる入射開角であり、このθ1をもつイエローの走査光学系を優先して、光路、前記ハウジング、光学部品の配置などの設計が為されている。
図略のマゼンタ用の入射光学系及びブラック用の入射光学系の構成要素も、上記と同じである。本実施形態では、ブラック光線LBkがポリゴンミラー4の偏向面41に対して第1入射開角θ1で入射され、マゼンタ光線LMが偏向面41に対して第2入射開角θ2で入射されるよう、各々の入射光学系の配置が定められている。
ポリゴンミラー4は、正六角形の各辺に沿って6つの偏向面41が形成された多面鏡である。ポリゴンミラー4の中心位置には、回転軸40が取り付けられている。回転軸40には、図略のポリゴンモーターの出力軸が連結されている。ポリゴンミラー4は、前記ポリゴンモーターが回転駆動されることによって、回転軸40の軸回りに回転しつつ、各入射光学系からから発せられたレーザー光線(光線LY、LC、LM、LBk)を反射(偏向)すると共に、該レーザー光線にて各感光体ドラム21Y、21C、21M、21Bkの周面を走査させる。
ポリゴンミラー4が備える6つの偏向面のうち、ある走査タイミングにおいて、一の偏向面41にイエロー光線LYとシアン光線LCとが入射される。また、同じ走査タイミングにおいて、前記一の偏向面41と対向する他の偏向面41にマゼンタ光線LMとブラック光線LBkとが入射される。図3に示すように、偏向面41は、上段と下段との2つに分離している。ここでは、上段がイエロー光線LY用の偏向面41Y(ブラック光線LBk用でもある)、下段がシアン光線LC用の偏向面41C(マゼンタ光線LM用でもある)である。これは、偏向面41の領域のうち、実際には光線の反射に用いられない中段部分を肉抜きして、ポリゴンミラー4の軽量化を図るための工夫である。勿論、偏向面41は、肉抜き部分が存在しない、単純な平面としても良い。
走査レンズ6Y、6C、6M、6Bkは、入射光線の角度と像高とが比例関係となる歪曲収差(fθ特性)を有するレンズであって、主走査方向に長尺のレンズである。これら走査レンズ6Y、6C、6M、6Bkは、ポリゴンミラー4の偏向面41によって反射された光線LY、LC、LM、LBkを各々集光し、各感光体ドラム21Y、21C、21M、21Bkの周面に結像させる。本実施形態では、各光線LY、LC、LM、LBkをドラム周面上に結像させる機能を有するレンズが、1枚の走査レンズのみである。
すなわち、図3ではイエローとシアンの走査光学系の一部を示しているが、ポリゴンミラー4とイエロー用感光体ドラム21Yとの間の光路に配置される走査レンズは、1枚の走査レンズ6Y(第1走査レンズ)のみであり、ポリゴンミラー4とシアン用感光体ドラム21Cとの間の光路に配置される走査レンズは、1枚の走査レンズ6C(第2走査レンズ)のみである。イエロー光線LYは、走査レンズ6Yによって感光体ドラム21Yの周面に結像され、シアン光線LCは、走査レンズ6Cによって感光体ドラム21Cの周面に結像される。同様に、マゼンタ光線LMは、走査レンズ6Mによって感光体ドラム21Mの周面に結像され、ブラック光線LBkは、走査レンズ6Bkによって感光体ドラム21Bkの周面に結像される。これにより、光走査装置23の部品点数の削減、コンパクト化が図られている。
図3に示すように、シアン用の走査レンズ6Cとイエロー用の走査レンズ6Yは、副走査方向(上下方向)に重ね合わされるように配置されている。本実施形態では、走査レンズ6Yが上段に、走査レンズ6Cが下段に配置され、走査レンズ6Cの上面と走査レンズ6Yの下面とが接している。
図4は、走査レンズ6Y、6Cの配置を説明するための模式図である。図5(A)は、走査レンズ6Y、6Cの配置を主走査断面で示す図、図5(B)は、前記配置を副走査断面で示す図である。走査レンズ6M、6Bkについても同様であるので、図示及び説明を省く。これらの図に示す通り、イエロー用の走査レンズ6Yに対してシアン用の走査レンズ6Cは、主走査方向及び光軸方向にシフトして重ね合わされている。
走査レンズ6Y、6Cの配置について、図4を参照して詳述する。図4は、ポリゴンミラー4の回転軸40の軸方向に沿った当該ポリゴンミラー4の平面視において、ポリゴンミラー4の一つの偏向面41を示している。さらに図4には、この偏向面41上の特定の反射点P1、P2と、これらの反射点P1、P2がポリゴンミラー4の回転軸40回りの回転(回転方向を矢印で示している)によって描く円軌跡A1とが描かれている。反射点P1、P2は、偏向面41が反射するイエロー光線LY及びシアン光線LCが、それぞれ走査レンズ6Y、6Cの光軸上の位置を通過するときの、偏向面41における前記光線LY、LCの反射点である。つまり、反射点P1、P2は、偏向面41において光軸上を通過する光線が反射される基準となる位置であり、以下これを基準点P1、P2と言う。
図4には、円軌跡A1を光軸の下流側へ所定距離だけシフトさせたオフセット曲線A2を記載している。走査レンズ6Cは走査レンズ6Yに対して、円軌跡A1のオフセット曲線A2に沿うように、主走査方向及び光軸方向にシフトして下側に重ね合わされている。
具体的に説明する。イエロー用の入射光学系5Y及び走査レンズ6Yは、イエロー光線LYが偏向面41の特定の位置に存在する基準点P1で反射されて走査レンズ6Yの光軸上の位置を通過するように、ポリゴンミラー4に対して配置されている(入射開角θ1=75度)。走査レンズ6Yは入射面6Y1と出射面6Y2とを備える。基準点P1で反射されたイエロー光線LYは、入射面6Y1の光軸上の位置である軸上点6YAを通過する。この軸上点6YAが、オフセット曲線A2上に載るように、走査レンズ6Yが前記ハウジングに対して組み付けられる。換言すると、イエロー光線LYの光路において、設計上で定まる長さのポリゴンミラー4と走査レンズ6Yとの間の光路Ydの下流端に軸上点6YAが位置合わせされる。そして、この軸上点6YAに円軌跡A1の反射点P1をシフトさせる態様で、オフセット曲線A2が設定される。
シアン用の入射光学系5C及び走査レンズ6Cもまた、シアン光線LCが偏向面41の基準点P2で反射されて走査レンズ6Cの光軸上の位置を通過するように、ポリゴンミラー4に対して配置されている(入射開角θ2=90度)。入射開角が相違することに伴い、シアン光線LCの光路におけるポリゴンミラー4と走査レンズ6Cとの間の光路Cdは、前記イエローの光路Ydに対して、ポリゴンミラー4の回転方向上流側にずれて設定されている。つまり、シアン光線LCが基準点P2で反射された時点(tc)よりも所定の回転角だけ偏向面41が回転方向下流側へ回転した時点(ty)で、イエロー光線LYが基準点P1で反射される関係にある。なお、光路Ydと光路Cdとの長さは同一である。
走査レンズ6Cは入射面6C1と出射面6C2とを備える。基準点P2で反射されたシアン光線LCは、入射面6C1の光軸上の位置である軸上点6CAを通過する。この軸上点6CAが光路Cdの下流端に位置合わせされ、且つ、軸上点6CAがオフセット曲線A2上に載るように、走査レンズ6Cが前記ハウジングに対して組み付けられる。光路Ydと光路Cdとの長さが同一であるので、基準点P2の時点(tc)の位置と時点(ty)の位置との位置関係と、軸上点6YAと軸上点6CAとの位置関係とは一致することになる。
上記の通り、軸上点6YAと軸上点6CAとがオフセット曲線A2上において異なる位置に存在する(シフトする)ように、走査レンズ6Yと走査レンズ6Cとが副走査方向に重ね合わされて配置されている。その結果、図5(A)に示すように、走査レンズ6Yの光軸(レンズ中心)と走査レンズ6Cの光軸(レンズ中心)とは、互いに主走査方向の位置が距離d1だけ異なることになる。また、図5(B)に示すように、走査レンズ6Yに対して走査レンズ6Cは、光軸方向の上流側に距離d2だけズレて配置されることになる。このような走査レンズの配置を採用することで、被走査面における像面湾曲を抑制することができる。
なお、走査レンズ6Cの軸上点6CAは、上述の通りオフセット曲線A2上に載るものであることが望ましいが、所望の光学特性を達成できる限りにおいて、オフセット曲線A2に対して若干のずれが存在していても良い。例えば、軸上点6CAの配置位置がオフセット曲線A2に対して、設計公差に相当する程度分だけ主走査方向又は光軸方向にずれていても良い。
続いて、互いに入射開角が異なるイエロー光線LY及びシアン光線LCの、各々の被走査面における走査可能領域について説明する。図6(A)は、入射開角が小さいイエロー光線LYの偏向面41での反射状況を示す図である。ここでは、理解を容易とするため、イエロー光線LYを、一定径を持つビームとして描いている。図6(B)は、イエロー光線LYが被走査面(感光体ドラム21Y)に作るビームスポットS1を示す図である。
イエロー光線LYの入射開角θ1は75度であるので、イエロー光線LYは偏向面41に対して比較的垂直に近い角度で入射する。つまり、斜入射の成分が比較的少ない。このことから、イエロー光線LYが感光体ドラム21Yに作るビームスポットS1は、比較的円に近い楕円のビームスポットとなる。
図7(A)は、入射開角が大きいシアン光線LCの偏向面41での反射状況を示す図、図7(B)は、シアン光線LCが被走査面(感光体ドラム21C)に作るビームスポットS2を示す図である。シアン光線LCの入射開角θ2は90度であるので、シアン光線LCは偏向面41の法線に対して大きく傾いた角度で、当該偏向面41へ入射する。つまり、斜入射の成分がイエロー光線LYよりも多い。従って、シアン光線LCが感光体ドラム21Cに作るビームスポットS2は、イエロー光線LYのビームスポットS1よりも長軸が長い楕円のビームスポットとなる。
図8は、イエロー光線LYによる感光体ドラム21Yの走査状況を示す、主走査断面の模式図である。図8では、走査レンズ6Yの光軸上(像高=0)を基準としてマイナス(−)像高(第1像高)とプラス(+)像高(第2像高)とに区分している。なお、走査レンズ6Yは省いている。イエロー用の入射光学系5Yは、ポリゴンミラー4に対して斜入射の光学系であって、マイナス像高側に配置されている。次述のシアン用の入射光学系5Cも同じである。
イエロー光線LYが一つの偏向面41に入射を開始した直後の時刻t11において、イエロー光線LYは偏向面41(t11)で反射され、反射されたイエロー光線LY(t11)は、図中に点線で示すように、マイナス像高の端部を照射する。時刻t11からポリゴンミラー4の回転軸40回りの回転が進行した時刻t21に至ると、イエロー光線LYは偏向面41(t21)における上述の基準点P1で反射される。反射されたイエロー光線LY(t21)は、図中に実線で示すように、光軸に沿って走査レンズ6Yを通過し、像高=0の位置を照射する。時刻t21からさらにポリゴンミラー4の回転が進行した時刻t3に至ると、イエロー光線LYは偏向面41(t31)で反射される。時刻t31は、当該一つの偏向面41に対するイエロー光線LYの入射が終了する直前のタイミングである。反射されたイエロー光線LY(t31)は、図中に一点鎖線で示すように、プラス像高の端部を照射する。
時刻t11のイエロー光線LY(t11)から、時刻t31のイエロー光線LY(t31)までに照射される感光体ドラム21Y上の領域が、イエロー光線LYによって走査が可能な走査可能領域HLY(第1走査可能領域)である。図10に、この走査可能領域HLYを模式的に示している。既述の通り、イエロー光線LYのための走査光学系は、本光走査装置23において基準となる入射開角θ1を持つ走査光学系である。このため、イエロー光線LYの照射点YA(イエロー光線LY(t21)による照射点)と、走査可能領域HLYの中心YBとは一致している。すなわち、イエロー用の入射光学系5Y、走査レンズ6Y及び感光体ドラム21Yは、イエロー光線LYによる走査可能領域HLYの中心と、イエロー光線LYが走査レンズ6Yの光軸を通過したときの照射点とが一致するように配置されている。従って、走査可能領域HLYにおいては、マイナス像高の走査可能領域−HLYと、プラス像高の走査可能領域+HLYとの主走査方向の長さは同一である。
図9は、シアン光線LCによる感光体ドラム21Cの走査状況を示す、主走査断面の模式図である。シアン光線LCが一つの偏向面41に入射を開始した直後の時刻t12において、シアン光線LCは偏向面41(t12)で反射され、反射されたシアン光線LC(t12)は、図中に点線で示すように、マイナス像高の端部を照射する。ここでは、シアン光線LC(t12)の方が、イエロー光線LY(t12)よりもマイナス像高端部の高さが高い。これは、走査レンズ6Cを走査レンズ6Yに対して主走査方向にズラして配置していることに起因する。
時刻t12からポリゴンミラー4の回転が進行した時刻t22に至ると、シアン光線LCは偏向面41(t22)における上述の基準点P2で反射される。反射されたシアン光線LC(t22)は、図中に実線で示すように、光軸に沿って走査レンズ6Cを通過し、像高=0の位置を照射する。時刻t22からさらにポリゴンミラー4の回転が進行した時刻t32に至ると、シアン光線LCは偏向面41(t32)で反射される。反射されたシアン光線LC(t32)は、図中に一点鎖線で示すように、プラス像高の端部を照射する。このプラス像高側の端部では、逆にシアン光線LC(t32)の方が、イエロー光線LY(t31)よりも像高の高さが低くなる。
時刻t12のシアン光線LC(t12)から、時刻t32のシアン光線LC(t32)までに照射される感光体ドラム21C上の領域が、シアン光線LCによって走査が可能な走査可能領域HLC(第2走査可能領域)である。シアン光線LCのための走査光学系は、基準となる入射開角θ1よりも大きい入射開角θ2を持つ走査光学系であり、走査レンズ6Cは、基準位置に配置される走査レンズ6Yに対してシフトして配置されている。
このため、図10に示すように、シアン光線LCが走査レンズ6Cの光軸を通過したときの照射点CA(シアン光線LC(t22)による照射点)と、走査可能領域HLCの中心CBとは一致しない。すなわち、シアン用の入射光学系5C、走査レンズ6C及び感光体ドラム21Cは、シアン光線LCによる走査可能領域HLCの中心CBと、シアン光線LCの照射点CAとが異なるように、つまり、ある距離を持つように配置されている。本実施形態では、走査可能領域HLCについては、マイナス像高の走査可能領域−HLCの長さの方が、プラス像高の走査可能領域+HLCの長さよりも長い関係にある。
さらに、シアンの走査可能領域HLCとイエローの走査可能領域HLYとでは、その全長が異なっている。図6及び図7で説明した通り、入射開角が大きいことに起因して、シアン光線LCのビームスポットS2は、斜入射の成分がイエロー光線LYのビームスポットS1よりも多い。このため、シアン光線LCについては、偏向面41のエッジ部分等においてケラレが発生し易い。このケラレによって、シアンの走査可能領域HLCの主走査方向の長さは、イエローの走査可能領域HLYよりも短くなる。
フルカラーの画像(合成画像)は、YCMBkの4色の画像が重ね合わせられることによって形成される。図10に示すイエローとシアンとの関係で言えば、イエロー用感光体ドラム21Yにイエロー光線LYによって描かれる潜像に基づくイエロー画像と、シアン用感光体ドラム21Cにシアン光線LCによって描かれる潜像に基づくシアン画像とが重ね合わせられて一のフルカラーの合成画像が形成される。従って、前記合成画像を形成する範囲は、イエローの走査可能領域HLYとシアンの走査可能領域HLCとが重複する範囲に設定せねばならない。図10の例では、前記合成画像の形成範囲は、走査可能領域HLYのマイナス像高の端部R1と、走査可能領域HLCのプラス像高の端部R2との間に設定する必要がある。
走査レンズが比較的大きく、走査可能領域のマージンが多い場合は、上記の端部R1〜端部R2の間で適宜合成画像の形成範囲を設定することができる。しかしながら、走査レンズが比較的小さく、走査可能領域のマージンが少ない場合は、合成画像の形成範囲は自ずと制限される。この場合、シアンの走査可能領域HLCとイエローの走査可能領域HLYとの長さの相違が無視できなくなる。
一般に、光学系の光学性能は光軸を中心として対称性をもつ。このため、通常は走査光学系の光軸と、形成する画像の中心とが一致するように光学部品が配置させる。また、本実施形態のように、イエロー光線LYとシアン光線LCとの2つの光路をもつ走査光学系が存在する場合、両光路のバランスを取ることを考慮して、両光線によって形成される合成画像の中心を、イエロー光線LYの光軸上の照射点YAとシアン光線LCの光軸上の照射点CAとの中間に配置することが、常識論として考えられる。しかしながら、本実施形態では、上記のシアンの走査可能領域HLCとイエローの走査可能領域HLYとの長さの相違に鑑みて、そのような配置とは異なる配置を採用している。
図11は、入射開角が異なるイエロー光線LY及びシアン光線LCの各々の走査可能領域HLY、HLCと、前記合成画像の画像中心IMとの関係を示す図である。図示の通り、合成画像の主走査方向の画像中心IMに対して、シアン光線LC(第2光線)の光軸上の照射点CAの方がイエロー光線LY(第1光線)の光軸上の照射点YAよりも近い位置に配置されている。しかも、画像中心IMは、照射点CAと照射点YAの間ではなく、シアンの走査可能領域HLCのうち、マイナス像高(第1像高)の走査可能領域−HLCに配置されている。
このような配置を採用することで、合成画像の画像形成領域(主走査方向の画像幅)を可及的に大きく確保することができる。すなわち、走査可能領域の長さが比較的長いマイナス像高の走査可能領域−HLCを有効に活用し、前記合成画像の画像形成領域を設定することが可能となる。つまり、前記合成画像のマイナス像高側については、イエローのマイナス像高の走査可能領域−HLYをフルに活用することができ、プラス像高側については、シアンのプラス像高の走査可能領域+HLCをフルに活用するのであるが、画像中心IMが照射点CAよりもマイナス像高側に配置されることで、走査可能領域+HLCの主走査方向幅の短さを補うことができる。従って、走査可能領域設定のためのマージンが少ない1枚レンズ構成であって、小型の走査レンズを採用した場合でも、前記合成画像の画像形成領域を確保することができる。
<実施例>
次に、上記実施形態に係る光走査装置23の要件を満たす走査光学系の一例を示す。ここでは、シアン用の走査光学系とイエロー用の走査光学系との組合せについて示す。マゼンタ用の走査光学系とブラック用の走査光学系との組合せについても、これと同じである。ここに示す走査光学系の構成は、図2、図3に示したように、入射光学系5Y、5C、1つのポリゴンミラー4、走査レンズ6Y、6Cを含む。
ポリゴンミラー4は、面数=6の正六面体ミラーであって、前記正六面体の内接円の直径=30mmのものを用いた。ポリゴンミラー4と走査レンズ6Y、6Cの各入射面との光軸上の距離=23.7mm、走査レンズ6Y、6Cの各出射面と感光体ドラム21Y、21Cの周面(被走査面)との光軸上の距離=120mmとした。
表1に、走査レンズ6Y、6Cの入射面及び出射面の面形状を示す。この面形状は、次の数式で定義している。
Figure 0006398891
Figure 0006398891
上記と同様に、イエロー光線LYの入射開角θ1=75度、シアン光線LCの入射開角=90度とした。図11を参照して、イエロー光線LYによる走査可能領域HLYは、マイナス像高の走査可能領域−HLY=113mm、プラス像高の走査可能領域+HLY=113mmの合計で、走査可能領域HLY=226mmである。一方、シアン光線LCによる走査可能領域HLCは、マイナス像高の走査可能領域−HLC=118mm、プラス像高の走査可能領域+HLC=104mmの合計で、走査可能領域HLC=222mmである。
走査レンズ6Y、6Cの配置に関し、イエローの光軸上の照射点YAの位置とシアンの光軸上の照射点CAの位置との主走査方向におけるシフト長さf1=1.4mmである。このシフト長さf1は、図5(A)に示した距離d1に相当する。なお、走査レンズ6Cの、走査レンズ6Yに対するシフト長さを示す距離d2は、本実施例では0.5mmである。イエローの走査可能領域HLYとシアンの走査可能領域HLCとの、プラス像高側の端部におけるシフト長さf2=9.0mm、マイナス像高側の端部におけるシフト長さf3=5.0mmである。
画像中心IMは、シアンの走査可能領域HLCの中心CBの位置と、シアンの照射点CAの位置との間に設定した。すなわち、走査可能領域HLCの主走査方向幅は222mmであるので、その中心CBは、そのプラス・マイナス像高の端部から111mmの点に位置している。一方、照射点CAは、上述の通り、プラス像高の端部から104mm、マイナス像高の端部から118mmの点に位置している。画像中心IMは、このような中心CBと照射点CAとの間、具体的には照射点CAから4.6mmだけマイナス像高側へシフトした位置に設定した。これにより、前記合成画像のプラス像高側については、104mm+4.6mm=108.6mmの画像領域を確保可能となる。また、前記合成画像のマイナス像高側については、118mm−5.0mm−4.6mm=108.4mmの画像領域を確保可能となる。従って、前記合成画像の画像形成領域を効率良く確保することができた。
以上説明した本実施形態に係る光走査装置23によれば、入射開角を異ならせてポリゴンミラー4の一つの偏向面に二つの光線を入射させる構成を備える光走査装置23において、これら光線の被走査面上における走査可能領域が異なっていても、前記二つの光線によって形成される重ね合わせ合成画像の形成領域を十分に確保することができる。
なお、上記実施形態は一例であり、本発明は様々な変形実施形態を取ることができる。例えば、上記実施形態では、合成画像の画像中心IMが、シアンのマイナス像高の走査可能領域−HLCであって、シアン光線LCの照射点CAの方がイエロー光線LYの照射点YAよりも近い位置に配置されている例を示した。これは一例であり、例えば、照射点CAと画像中心IMとが一致するように配置しても良い。また、画像中心IMが、照射点CAにより近い限り、シアンのプラス像高の走査可能領域+HLCに位置していても良い。
1 画像形成装置
21 感光体ドラム
21Y イエロー用感光体ドラム(第1被走査面、第1像担持体)
21C シアン用感光体ドラム(第2被走査面、第2像担持体)
23 光走査装置
4 ポリゴンミラー
40 回転軸
41 偏向面
5Y、5C 第1、第2入射光学系
51Y、51C レーザーユニット(光源)
6Y、6C 第1、第2走査レンズ
θ1、θ2 第1、第2入射開角
LY イエロー光線(第1光線)
LC シアン光線(第2光線)
HLY イエロー光線の走査可能領域(第1走査可能領域)
HLC シアン光線の走査可能領域(第2走査可能領域)

Claims (4)

  1. 第1被走査面に描かれる潜像に基づく第1画像と、第2被走査面に描かれる潜像に基づく第2画像との重ね合わせにより一の合成画像を形成する画像形成装置に搭載される光走査装置であって、
    前記第1画像の潜像を描く第1光線を発する第1光源及び前記第2画像の潜像を描く第2光線を発する第2光源と、
    回転軸と、前記第1光線と前記第2光線とが同じタイミングで入射され得る偏向面とを備え、前記回転軸回りに回転しつつ、前記第1光線及び前記第2光線を反射するポリゴンミラーと、
    前記偏向面に対して、基準となる第1入射開角をもって前記第1光線を入射させる第1入射光学系と、
    前記偏向面に対して前記第1入射開角よりも大きい第2入射開角をもって前記第2光線を入射させる第2入射光学系と、
    光路上において前記ポリゴンミラーと前記第1被走査面との間に配置され、前記第1光線を前記第1被走査面上に結像させる第1走査レンズと、
    光路上において前記ポリゴンミラーと前記第2被走査面との間に配置され、前記第2光線を前記第2被走査面上に結像させる第2走査レンズと、を備え、
    前記第1走査レンズと前記第2走査レンズとは、互いにレンズ中心の主走査方向の位置が異なるように、副走査方向に重ね合わされて配置され、
    前記第1入射光学系、前記第1走査レンズ及び前記第1被走査面は、前記第1光線により前記第1被走査面を走査可能な第1走査可能領域の中心と、前記第1走査レンズの光軸とが一致するように配置され、
    前記第2入射光学系、前記第2走査レンズ及び前記第2被走査面は、前記第2光線により前記第2被走査面を走査可能な第2走査可能領域の中心と、前記第2走査レンズの光軸とが異なるように配置され、さらに、
    前記合成画像の主走査方向の中心に対して、前記第2走査レンズの光軸の方が前記第1走査レンズの光軸よりも近い位置に配置されている、光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    主走査断面において、走査範囲について前記第1走査レンズ及び前記第2走査レンズの各々の光軸上を基準として第1像高と第2像高とに区分するとき、前記第1及び第2入射光学系は前記第1像高側に配置され、
    前記第1走査可能領域については、前記第1像高の走査可能領域と前記第2像高の走査可能領域との長さは同一である一方、
    前記第2走査可能領域については、前記第1像高の走査可能領域の長さの方が前記第2像高の走査可能領域の長さよりも長く、
    前記合成画像の主走査方向の中心は、前記第2走査可能領域の前記第1像高の領域に配置されている、光走査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光走査装置において、
    光路上において、前記ポリゴンミラーと第1被走査面との間に配置される走査レンズは前記第1走査レンズのみであり、前記ポリゴンミラーと第2被走査面との間に配置される走査レンズは前記第2走査レンズのみである、光走査装置。
  4. 静電潜像を担持する第1像担持体及び第2像担持体と、
    前記第1像担持体及び第2像担持体の周面を各々前記第1被走査面及び前記第2被走査面として前記第1光線及び第2光線を照射する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置と、
    を備える画像形成装置。
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