JP6393630B2 - 検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Description
近年、架空電線上を走行しながら架空電線を検査する装置(以下「架空電線検査装置」という)によって、架空電線を検査することが提案され、実用化されつつある。架空電線検査装置を利用した検査は、例えば、人が実際に架空電線に乗って検査を行うよりも、より簡便であり、かつ安全である。
特許文献1には、架空電線に沿って移動して、架空電線を検査する自走式の検査装置が記載されている。特許文献1に記載の検査装置は、ロータを備えて、ヘリコプタのような空中飛行を行うことで、架空電線に沿って移動する点についての記載がある。
ところで、この種の検査装置に組み合わせて使用されることが想定されるロータ付きの小型の飛行体は、バッテリの駆動でロータが回転して飛行を行うものであり、通常、連続飛行が可能な時間が比較的短い時間に制限される。
特許文献1に記載の検査装置の場合には、検査装置そのものが、近接した架空電線から電力を取り込むパンタグラフを備えて、そのパンタグラフが受電した電力で、ロータを連続駆動することが提案されている。
そして本体部は、ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査機能部と、ケーブル又はワイヤーの上に載せられた本体部を走行させる走行部とを備える。
またキャリア部は、キャリア部を浮上させる飛行部を備える。
さらに、本体部とキャリア部の少なくともいずれか一方には、本体部とキャリア部との連結及び切り離しを行う連結機構部を備える。
そして、本体部とキャリア部のいずれか一方には、位置検出用の基準部を備え、本体部とキャリア部のいずれか他方には、基準部を検出する位置検出部を備え、位置検出部が検出した位置に基づいて、本体部とキャリア部の相対位置が適正な位置であると判別したとき、連結機構部が、本体部とキャリア部との連結を行うようにした。
そして、本体部が備えた検査機能部が、ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査処理と、ケーブル又はワイヤーの上に載せられた本体部を走行させる走行処理と、キャリア部と本体部とを着脱自在に連結する連結処理と、キャリア部が本体部と連結した状態で、本体部を浮上させる飛行処理とを含む。
そして、本体部とキャリア部のいずれか一方には、位置検出用の基準部を備え、本体部とキャリア部のいずれか他方には、基準部を検出する位置検出部を備え、連結処理では、位置検出部が検出した位置に基づいて、本体部とキャリア部の相対位置が適正な位置であると判別したとき、連結を行うようにした。
[1.検査装置の全体構成]
図1は、本例の検査装置100の全体構成を示す。
検査装置100は、本体部110とキャリア部150とを備える。また、本体部110とキャリア部150とを無線操作するためのコントローラ190を備える。
本体部110は、架空電線11に載せられて、架空電線11の上を自走して、架空電線11の検査を行う。キャリア部150は、回転するロータ151〜154を備える。キャリア部150は、ロータ151〜154がロータ用モータ151a〜154a(図2)による駆動で回転することで、浮上して飛行する。キャリア部150は、4個のロータ151〜154の回転状態により、浮上する高さや浮上位置がコントロールされる。なお、キャリア部150は、単独で飛行する場合と、本体部110を連結した状態で飛行する場合とがある。
走行用プーリ111,112は、プーリ駆動部144(図2)による駆動で回転する。この走行用プーリ111,112が回転することで、本体部110は、架空電線11の上を走行する。
連結用孔132,133は、本体部110がキャリア部150に連結される際の連結部として使用される。
それぞれのアーム171,172は、キャリア部150に取り付けられた基端側171a,172aが、アーム駆動部174(図2)による駆動で矢印θ1,θ2に示す方向に約90°回動可能である。
また、2本のアーム171,172の先端側171b,172bは、フック形状になっている。このフック形状の先端側171b,172bが、本体部110の連結用孔132,133に嵌ることにより、キャリア部150が本体部110と連結状態になる。2本のアーム171,172は、切り離し状態のときには水平状態(図1に示す状態)になり、連結状態のときには、この水平状態から約90°曲がった直立状態になる。
図2は、本例の検査装置100の内部構成例を示す。
本体部110は、無線通信部141と検査機能部142と走行制御部143とプーリ駆動部144とを備える。無線通信部141は、コントローラ190やキャリア部150と無線通信を行う。検査機能部142には、各カメラ121〜125が撮影した画像データやセンサ126の検出データが供給される。センサ126では、例えば架空電線の直径の計測などが行われる。
また、検査機能部142が収集した画像データや検出データの一部又は全部は、無線通信部141からコントローラ190に供給される。
上側カメラ181と下側カメラ182が撮影した画像データは、無線通信部183からコントローラ190に無線伝送される。
作業者は、操作部194を使った操作で、キャリア部150の飛行と本体部110の走行及び検査についての指示を行う。また、キャリア部150と本体部110との連結や切り離しについても、作業者が操作部194を使った操作で指示を行う。
なお、本体部110とキャリア部150とコントローラ190は、それぞれが内蔵したバッテリ(不図示)から供給される電源で作動する。
図3及び図4は、本体部110とキャリア部150とが連結した状態を示す。
本体部110とキャリア部150とが連結した状態では、キャリア部150の2本のアーム171,172が直立状態となる。このとき、本体部110とキャリア部150との相対位置が適正である場合、図4に示すように、アーム171,172の先端側171b,172bが、本体部110側の連結用孔132,133に挿入される。そして、フック形状の先端側171b,172bが、本体部110の連結用孔132,133に嵌り、キャリア部150が本体部110と連結状態になる。
このように連結した状態でキャリア部150が飛行を行うことで、本体部110が搬送される。
まず、キャリア部150は、浮上飛行を行い、本体部110の真上の近傍まで移動する。このとき、キャリア部150自身の判断、又はコントローラ190からの指示に基づいて、キャリア部150が飛行位置の調整を行う(ステップS11)。そして、連結制御部173は、キャリア部150の下側カメラ182が撮影した画像から本体部110の上面の基準用マーカー131の位置が適正か否かの判断を行う(ステップS12)。
図6は、検査装置100を使用して、4本の架空電線11〜14の検査を行う例を示す。
この例では、4台の本体部110a,110b,110c,110dを用意する。
最初にキャリア部150は、本体部110aを連結した状態で、矢印F1で示すように、架空電線11の真上に飛行し、架空電線11の上に本体部110aを載せる。このときキャリア部150は、上側カメラ181や下側カメラ182で周囲を撮影しながら、架空電線11の上に各プーリ111〜113が載る位置となるように位置合わせを行う。そして、キャリア部150は本体部110aを切り離し、矢印F2で示すように、地上の本体部110bが並べられた箇所に飛行する。なお、本体部110a側では、キャリア部150から切り離される直前に、クランププーリ114,115によるクランプ作業が行われる。
例えば、図6に示すように、架空電線12の上の本体部110bが、碍子15に近づいたとき、キャリア部150は、本体部110bの真上まで飛行し、この本体部110bに連結する連結処理を行う。そして、キャリア部150は、矢印F11で示すように、碍子15を乗り越えた位置まで本体部110bを移動させる。
キャリア部150は、このような障害物を乗り越える作業を、それぞれの本体部110a,110b,110c,110dに対して行う。なお、上述したプーリ111,112とクランププーリ114,115との間隔の調整で障害物を乗り越える機構は、一例であり、障害物を乗り越えるための別の機構を本体部150が備えてもよい。
このように検査作業が行われることで、キャリア部150は、本体部110を架空電線に載せる際や降ろす際、あるいは、本体部110が架空電線上の障害物を通過する際だけ浮上飛行を行えば良く、短時間の浮上飛行でよい。したがって、キャリア部150は、比較的小容量のバッテリによる駆動で、短時間の浮上飛行を行えば良く、キャリア部150が長時間の連続飛行を行うための大きなバッテリや外部の給電手段を備える必要がない。
また、本体部110は、内蔵されたバッテリによる駆動で走行するため、架空電線が活線状態,非活線状態のいずれであっても検査ができるようになる。
図6で説明した例では、本体部110が架空電線11〜14の上を走行する際には、キャリア部150が離れた状態とした。これに対して、本体部110が架空電線11〜14の上を走行する際にも、キャリア部150が連結された状態のままとしてもよい。
この場合、キャリア部150が連結された本体部110が架空電線11〜14の上を走行する際には、キャリア部150の飛行による浮上力が、本体部110の走行をアシストするようにしてもよい。
なお、図1〜図6に示す検査装置100は、本体部110が1本の架空電線の上を走行するようにした。これに対して、本発明は、複数本の架空電線の上を走行する本体部を備えた検査装置に適用してもよい。
図8は、平行な2本の架空電線11,12の上に載せられて自走する本体部210を備えた検査装置200の構成例を示す。検査装置200が備えるキャリア部150は、図1に示すキャリア部150と同じ構成である。
また、本体部210は、架空電線の状態の撮影や周囲の撮影を行う複数のカメラ221,222,223や、架空電線の状態や走行距離(走行位置)を計測するセンサ(不図示)を備える。本体部210の上面には、基準用マーカー231と、連結用孔232,233とが配置されている。
また、図8に示す本体部210の代わりに、3本以上の複数本の架空電線の上を走行する本体部としてもよい。
また、基準用マーカーを使用して位置合わせを行うのは一例であり、その他の構成で位置検出用の基準部が得られるようにしてもよい。例えば、キャリア部150のカメラ182が、本体部110の連結用孔132,133を撮影して、その連結用孔132,133の位置を基準にして位置合わせを行うようにしてもよい。
あるいは、本体部110の上面に配置された基準用マーカーの代わりに、本体部110から発せられる磁力や発信信号を基準部として利用してもよい。
また、図3に示す例では、キャリア部150が本体部110を吊り下げるように連結する状態としたが、キャリア部150の上側に本体部110を載せるようにしてもよい。
例えば、上述した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために装置の構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、図2などの図面に示す信号の流れのラインは説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも装置として必要な全てのラインを示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
Claims (9)
- ケーブル又はワイヤーの状態を検査する本体部と、前記本体部を搬送するキャリア部とを備えた検査装置であって、
前記本体部は、
前記ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査機能部と、
前記ケーブル又はワイヤーの上に載せられた当該本体部を走行させる走行部とを備え、
前記キャリア部は、
当該キャリア部を浮上させる飛行部を備え、
さらに、前記本体部と前記キャリア部の少なくともいずれか一方には、前記本体部と前記キャリア部との連結及び切り離しを行う連結機構部を備え、
前記本体部と前記キャリア部のいずれか一方には、位置検出用の基準部を備え、
前記本体部と前記キャリア部のいずれか他方には、前記基準部を検出する位置検出部を備え、
前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記本体部と前記キャリア部の相対位置が適正な位置であると判別したとき、前記連結機構部が、前記本体部と前記キャリア部との連結を行うようにした
検査装置。 - 前記走行部は、前記ケーブル又はワイヤーが所定の角度以下の上り勾配であるとき、前記ケーブル又はワイヤーに沿って前記本体部を走行させる駆動力を備え、
前記ケーブル又はワイヤーが所定の角度を越えた上り勾配であるとき、前記本体部に連結された前記キャリア部の飛行部による浮上力で、前記本体部の走行をアシストするようにした
請求項1に記載の検査装置。 - 前記キャリア部の飛行部は、回転駆動されるロータと、前記ロータと前記ケーブル又はワイヤーとの接触を防止するカバーとを備える
請求項1又は2に記載の検査装置。 - 前記本体部と前記キャリア部とが前記連結機構部で連結した状態で前記飛行部が浮上飛行を行うことで、前記本体部を前記ケーブル又はワイヤーの上に載せる、あるいは前記本体部を前記ケーブル又はワイヤーから降ろす、あるいは前記本体部が前記ケーブル又はワイヤーに取り付けられた障害物を乗り越える、の少なくともいずれか1つを行うようにした
請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査装置。 - ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査装置であって、
前記ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査機能部と、
前記ケーブル又はワイヤーの上に載せられた当該検査装置を走行させる走行部と、
別体のキャリア部で当該検査装置の位置を検出するための基準部と、
前記キャリア部で当該検査装置を保持するための連結部とを備えた
検査装置。 - ケーブル又はワイヤーの状態を検査する本体部と、前記本体部を搬送するキャリア部とを備えた装置を使用して検査を行う検査方法において、
前記本体部が備えた検査機能部が、前記ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査処理と、
前記ケーブル又はワイヤーの上に載せられた前記本体部を走行させる走行処理と、
前記キャリア部と前記本体部とが着脱自在に連結する連結処理と、
前記キャリア部と前記本体部とが連結した状態で、前記本体部を浮上させる飛行処理とを含み、
前記本体部と前記キャリア部のいずれか一方には、位置検出用の基準部を備え、
前記本体部と前記キャリア部のいずれか他方には、前記基準部を検出する位置検出部を備え、
前記連結処理では、前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記本体部と前記キャリア部の相対位置が適正な位置であると判別したとき、連結を行うようにした
検査方法。 - 前記走行処理では、前記ケーブル又はワイヤーが所定の角度以下の上り勾配であるとき、前記ケーブル又はワイヤーに沿って前記本体部を走行させ、前記ケーブル又はワイヤーが所定の角度を越えた上り勾配であるとき、前記本体部に連結された前記キャリア部の飛行部による浮上力で、前記本体部の走行をアシストするようにした
請求項6に記載の検査方法。 - 前記本体部と前記キャリア部とが前記連結処理で連結した状態で前記飛行処理を行うことで、前記本体部を前記ケーブル又はワイヤーの上に載せる、あるいは前記本体部を前記ケーブル又はワイヤーから降ろす、あるいは前記本体部が前記ケーブル又はワイヤーに取り付けられた障害物を乗り越える、の少なくともいずれか1つを行うようにした
請求項6又は7に記載の検査方法。 - 検査装置の本体部が備える検査機能部を使用して、ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査方法であって、
前記検査装置の本体部が備える前記検査機能部が、前記ケーブル又はワイヤーの状態を検査する検査処理と、
前記ケーブル又はワイヤーの上に載せられた前記検査装置の本体部を走行させる走行処理と、
前記検査装置の本体部に設けられた基準部を使って、浮上処理を行うキャリア部で前記検査装置の位置を検出する位置検出処理と、
前記位置検出処理で位置を確認しながら、前記検査装置の本体部に、浮上処理を行う前記キャリア部を着脱自在に連結させる連結処理とを含む
検査方法。
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