JP6393048B2 - マルチバンドアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、複数の周波数帯域で動作するマルチバンドアンテナに関する。
近年、様々な電子機器に無線通信機能が搭載されている。また、1つの電子機器において複数の無線通信の規格に対応することが要求されることも増えてきており、電子機器内に実装されるアンテナも、それぞれの規格に対応した複数の周波数帯で動作することが求められている。これに対して、複数の動作周波数帯域において所定の動作帯域幅を有するマルチバンドアンテナを用いることで、1つのアンテナで複数の周波数帯に対応することが可能である。例えば、特許文献1には、無給電素子を付加した構成の、2つの周波数帯で動作するデュアルバンドアンテナが記載されている。
また、電子機器は小形化が求められており、これに伴って、電子機器の部品であるアンテナの小形化もまた要求されている。これに対して、近年、アンテナエレメント長が波長に依存せず、小型化が可能なメタマテリアルアンテナが提案されている(特許文献2参照)。メタマテリアルアンテナは、電磁界の動作を表現する際、電界、磁界、波数ベクトルが右手系を成す従来のアンテナとは異なる構造をとる。具体的には、メタマテリアルアンテナは、従来のアンテナの所定の箇所にキャパシタンス成分やインダクタンス成分を付加することで、電界、磁界、波数ベクトルが左手系となることを活用する。
特開2002−330025号公報 特表2010−502131号公報
従来、提案されているアンテナは、複数の周波数帯で動作しながら小型であるという要件を満足するものではなかった。本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の周波数帯で動作しながら小型のマルチバンドアンテナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によるマルチバンドアンテナは、給電部に接続される第1の導体と、前記第1の導体から第1の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、当該第1の導体と電磁的に結合する第2の導体と、前記第2の導体から第2の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、当該第2の導体と電磁的に結合し、前記第2の導体よりも面積が小さい第3の導体と、前記第2の導体および前記第3の導体と接続される第4の導体と、前記第2の導体および前記第3の導体と前記第4の導体とをそれぞれ接続する導通部と、を有し、前記第2の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第2の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第1の動作周波数帯と、当該第1の動作周波数帯とは異なる周波数帯であって、前記第3の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第3の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第2の動作周波数帯とを有し、前記導通部は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の面に接続される場合の接続部分の面積が当該第2の導体もしくは当該第3の導体の面積より小さく、又は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の辺に接続される場合の接続部分の長さが当該第2の導体もしくは当該第3の導体の短辺の長さより短い、ことを特徴とする。
本発明によれば、複数の周波数帯で動作しながら小型のマルチバンドアンテナを実現することができる。
実施形態1におけるマルチバンドアンテナの構成例を示す図。 図1のマルチバンドアンテナの断面図。 CRLH伝送線路の構成図。 図3のCRLH伝送線路の断面図。 図4のCRLH伝送線路の構成セルの等価回路図。 CRLH伝送線路の分散特性を示す図。 図1のマルチバンドアンテナの等価回路図。 図1のマルチバンドアンテナの単位セルの分散特性を示す図。 図1のマルチバンドアンテナの反射特性を示す図。 実施形態1におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 図10のマルチバンドアンテナの断面図。 実施形態1におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 図12のマルチバンドアンテナの断面図。 実施形態1におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 図14のマルチバンドアンテナの断面図。 実施形態1におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 実施形態2におけるマルチバンドアンテナの構成例を示す図。 図17のマルチバンドアンテナの断面図。 図17のマルチバンドアンテナの等価回路図 図17のマルチバンドアンテナの反射特性図 実施形態2におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 図21のマルチバンドアンテナの断面図。 実施形態2におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。 図23のマルチバンドアンテナの断面図。 実施形態2におけるマルチバンドアンテナの他の構成例を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本実施形態に係るPCB(Printed Circuit Board)上を示す図である。図1(a)は表面図、図1(b)は裏面図である。図2(a)及び(b)は、それぞれ図1におけるA−A’及びB−B’における断面図を示す。
図1及び図2において、点で塗られた領域(100)は誘電体で構成されるアンテナ基板を示し、灰色で塗り潰された領域は銅箔パターンを示す。また、図1及び図2において、101はグランド導体、102は表面のグランド導体と裏面のグランド導体とを基盤を貫いて導通するグランドビア、103は給電部である。また、104は給電線路であり、給電部103からの高周波の交流信号を入力する導体である。図示していないが、給電線路104は、ICチップの高周波信号出力と、基板の信号線や同軸ケーブルで接続される。105は、給電線路104と第1の所定距離だけ離れて配置され、給電線路104と電磁的に結合する第1の導体パッチである。なお、第1の導体パッチ105は、図1に示すように、面状の形状を有する導体である。106は第1の導体パッチ105と裏面のグランド導体101とを基盤を貫いて導通する第1のビアである。また、107は、第1の導体パッチ105と第2の所定距離だけ離れて配置され、第1の導体パッチ105と電磁的に結合する第2の導体パッチである。第2の導体パッチ107も、図1に示すように、面状の形状を有する。108は第2の導体パッチ107と裏面のグランド導体101とを基盤を貫いて導通する第2のビアである。なお、第1の所定距離と第2の所定距離とは、同じであってもよいし、異なってもよい。また、導体パッチの面に接続されるビアは、例えば、その接続部分の面積が、パッチアンテナの面積より小さく形成される。また、第2の導体パッチ107は、給電線路104と電磁的に結合してもよいが、その場合、その電磁的な結合の強さが第1の導体パッチ105と給電線路104との電磁的な結合の強さよりも十分に弱くなるように構成されるものとする。
以下では、まず、図3〜図6を用いて、図1における101〜106で構成されるマルチバンドアンテナの動作について説明する。
図3は、CRLH(Composit Right/Left Handed)と呼ばれる従来の伝送線路基板の構成を示している。図3の伝送線路基板は、右手系線路であるマイクロストリップ線路に、左手系の構造として信号線路間にギャップ、信号線路とグランド導体との間にビアを挿入して構成されている。なお、図3(a)及び(b)は、それぞれ、表面図と裏面図とを示している。図4は、図3のA−A’における断面図である。
図3及び図4において、301はグランド導体であり、302は表面のグランド導体と裏面のグランド導体とを導通する導通ビアである。303は給電部、304は給電部に接続された導体、そして、305は導体パッチである。マイクロストリップ線路は301〜305のみで構成され、導体パッチ305が、図3及び図4に示されたY方向において繰り返し配置される構造となっている。図3及び図4に示す伝送線路基板は、CRLH伝送線路の構成をとるために、導体パッチ305の間にギャップ306、信号線路と裏面グランドとの間に導通ビア307を設けた構造になっている。ここで、308は単位セルと呼ばれ、単位セルが周期的に配列されることでCRLHが構成される。308のCRLH単位セルの等価回路図を図5に示す。
図5において、501はCRLHの単位セルであり、CRLHの伝送線路はこの単位セルが連続的にカスケード接続により構成される。CRLH単位セルの等価回路501は、右手系素子と左手系素子との混合回路である。この回路のうち、右手系素子は直列誘導性成分(LR)502と並列容量性成分(CR)503である。これらは、それぞれ、図3におけるパッチ305のY方向のインダクタ成分と、パッチ305と裏面グランド301とで構成されるキャパシタ成分とに対応する。また、左手系素子は、直列容量性成分(CL)504と並列誘導性成分(LL)505である。これらは、それぞれ、図3における複数の導体パッチ305の間のギャップ306によるキャパシタ成分と、導体パッチ305と裏面グランドとを導通するビア307のインダクタ成分とに対応する。
ここで、図3のようなCRLH伝送線路の動作を、電磁波の伝搬を表す伝搬定数γと伝搬定数の虚数部である位相定数βとを用いて説明する。位相定数βは、伝搬定数γの虚数成分であり、伝搬定数γは等価回路における直列インピーダンスZと並列アドミタンスYとの積の平方根によって表される。すなわち、
Figure 0006393048
である。
よって、純粋な右手系の位相定数は、
Figure 0006393048
のように、周波数に比例する。また、純粋な左手系の位相定数は、
Figure 0006393048
のように、負の値となり、周波数に反比例する。したがって、CRLHの位相定数は、
Figure 0006393048
で表される。
位相定数βの周波数特性は分散特性と呼ばれる。式(2)〜式(4)における分散特性を図6に示す。図6では、位相定数601を横軸、周波数602を縦軸にとっている。純粋な右手系の場合、分散特性は、式(2)で表され、603に示されるように、位相定数601と周波数602とが比例関係となる。一方、純粋な左手系の場合、分散特性は、式(3)で表され、604に示されるように、位相定数601と周波数602とが反比例関係となる。そして、CRLHの分散特性は、式(4)で表され、605に示されるように、低周波では左手系の特性、高周波では右手系の特性となる。606は、式(4)におけるβ=0に対応する点であり、その周波数は、
Figure 0006393048
で表される。これは、図5の等価回路図における、直列、並列の共振角周波数に対応する。
位相定数β=0の共振角周波数606では、波長が無限大になり、アンテナの長さによらず、共振することとなる。末端が開放の場合、共振角周波数606のうち、低域側においてアンテナとして動作し、末端が短絡の場合、高域側でアンテナとして動作する。
続いて、本実施形態に係るマルチバンドアンテナの動作について、ここまでに説明したCRLH伝送路の動作と同様に、構造の等価回路を示して説明する。
図7は、図1及び図2で示した本実施形態におけるアンテナの等価回路図である。図7において、グランド701及び給電部702は、それぞれ、図1及び図2におけるグランド導体101及び給電部103に対応する。
直列キャパシタ703は、図1及び図2における給電線路104と第1の導体パッチ105との間を第1の所定距離だけ離間させて配置したことによって生じる容量成分を表している。直列インダクタ704は、第1の導体パッチ105のY方向の長さにより生じる誘導成分を表している。並列キャパシタ705は、第1の導体パッチ105とグランド導体101との間に生じる容量成分であり、並列インダクタ706は第1のビア106のZ方向の長さにより生じる誘導成分である。
直列キャパシタ707は第1の導体パッチ105と第2の導体パッチ107との間を第2の所定距離だけ離間させて配置したことによって生じる容量成分であり、直列キャパシタ703とカスケード接続される。直列インダクタ708は、第2の導体パッチ107による誘導成分である。並列キャパシタ709は、第2の導体パッチ107とグランド導体101との間に生じる容量成分であり、並列インダクタ710は、第2のビア108のZ方向の長さにより生じる誘導成分である。
図7から分かるように、直列キャパシタ703、直列インダクタ704、並列キャパシタ705、並列インダクタ706、及びグランド701で構成される第1の回路が、図5における単位セルと同様にCRLH回路構成となっている。また、直列キャパシタ703並びに707、直列インダクタ708、並列キャパシタ709、並列インダクタ710、及びグランド701で構成される第2の回路も、図5における単位セル同様に、CRLH回路構成である。このCRLH構成の第1の回路、第2の回路に給電部702を設けることにより、図1に示すPCBは、マルチバンドアンテナとして動作することとなる。
図8は、図1及び図2に示したマルチバンドアンテナの電磁界シミュレーションによる単位セルの位相定数の周波数特性の一例を示す図である。シミュレーションにおいては、第1の導体パッチ105の一辺の長さを10mm、導体パッチ間のギャップを0.2mm、第1のビアの半径を0.2mmとし、誘電体は、一般的なプリント基板の定数を使用した。図8において、801は、空気中を伝搬する電磁波の分散特性である。802、803は、本モデルにおける分散特性であり、802は左手系の特性、803は右手系の特性を示している。なお、802と801の交点より大きく、803と801の交点より小さい位相角(−30度〜40度)の範囲では、シミュレーションで正確に解析できないため、位相角が0となる共振点については、802及び803の特性から推定した。この推定線を804に示す。推定した共振周波数805は、およそ3GHz及び4.2GHz付近である。ここで、本モデルは末端が開放のため、低域である3GHzで共振すると考えられる。
本モデルを図1及び図2の第1の導体パッチ105と第1のビア106に適用し、さらに、第2の導体パッチ107及び第2のビア108を追加したモデルにおいて、電磁界シミュレーションにより解析した散乱行列S11の周波数特性を図9に示す。シミュレーションにおいては、第2の導体パッチ107の第1の導体パッチ105と対向する辺を10mm、他辺を1mmとした。また、第1の導体パッチ105と給電線路104とのギャップを0.1mm、第1の導体パッチ105と第2の導体パッチ107とのギャップを0.1mm、第2のビア108の半径を0.1mmとした。図9から、図1のマルチバンドアンテナは、2.7GHzと4.8GHzにおいて共振することが分かった。ここで、低域の共振は、第1の導体パッチ105及び第1のビア106による共振であり、図7における等価回路の第1の回路における共振である。また、高域の共振は、第1の導体パッチ105、第2の導体パッチ107、及び第2のビア108による共振であり、図7の第2の回路における共振である。
ここで、2.7GHz帯の半波長は55.6mmであり、4.8GHzの半波長は31.3mmである。これに対して、本実施形態に係るマルチバンドアンテナは、例えば、図1のX方向において、10mm(第1の導体パッチの幅)+0.1mm(ギャップ)+1mm(第2の導体パッチの幅)=11.1mm程度の大きさとなる。したがって、本実施形態に係るマルチバンドアンテナは、小型かつ複数の動作周波数帯を有するマルチバンドアンテナとなっていることが分かった。
なお、本実施形態におけるマルチバンドアンテナは、図1及び図2のような構成をとる必要はない。例えば、図10のような構成により、マルチバンドアンテナを実現してもよい。図10(a)及び(b)は、それぞれ、本実施形態に係るマルチバンドアンテナ構成の別の例における、表面図及び裏面図である。また図11(a)及び(b)は、それぞれ、図10のA−A’及びB−B’断面図である。この例では、裏面のグランド導体が、Y方向において、表面のグランド導体と同じ長さを有する。そして、導体パッチは、ビア1006及び1009と裏面のグランド導体1001との間の導体部分1007及び1010と、基板を貫くビア1006及び1009の部分とからなる導通部により、電気的にグランド導体1001と接続される。他の構成は、図1及び図2と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態おけるマルチバンドアンテナのさらに他の構成を図12に示す。図12(a)及び(b)は、それぞれ、マルチバンドアンテナが形成される基板の表面図及び裏面図を示している。また、図13は、図12のマルチバンドアンテナのA−A’及びB−B’における断面図を示す。この例では、給電部に接続される給電線路はT字型でなく、1204のようなL字型に形成される。なお、給電線路は長方形に形成されてもよい。第1の導体パッチは、図12のようにグランド1201と給電線路1204とに挟まれる構造にしてもよい。なお、他の構成は、図10及び図11と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態おけるマルチバンドアンテナのさらに他の構成を図14に示す。図14(a)及び(b)は、それぞれ、マルチバンドアンテナが形成される基板の表面図及び裏面図を示している。また、図15は、図14のマルチバンドアンテナのA−A’、B−B’及びC−C’における断面図を示す。この例では、給電線路1404と第1の導体パッチ1405との間に生じるキャパシタンス、及び第1の導体パッチ1405と第2の導体パッチ1408との間のキャパシタンスが、基板両面で実現されている。すなわち、基板の表面に形成された給電線路1404と、基板の裏面に形成された第1の導体パッチ1405とが、互いに基盤を挟んで対向する位置に配置されて電磁的に結合し、その位置関係によってキャパシタンスが生じる。そして、第1の導体パッチ1405と、基板の表面に形成された第2の導体パッチ1408とが、その少なくとも一部において、互いに基盤を挟んで対向する位置に配置されて電磁的に結合し、その位置関係によってキャパシタンスが生じる。このような構成により、アンテナのサイズをさらに縮小することが可能となる。なお、他の構成は、図10及び図11と同様であるため、説明を省略する。
上述の例では、導体パッチと、グランド導体に接続される導通部とが、それぞれ基板の反対側の面に配置される例を示しているが、これらは同じ面に配置されてもよい。すなわち、導体パッチと導通部とを接続するビアを設けず、導体パッチの一辺と導通部とが直接接続され、導通部がグランドと繋がれてもよい。また、PCBは片面銅箔の電子回路基板でもよい。このようなマルチバンドアンテナの構成例を、図16に示す。図16(a)及び(b)は、マルチバンドアンテナが形成される基板の表面図及び裏面図をそれぞれ示す。図1及び図2における第1のビア106、第2のビア108が、それぞれ、導体1605及び1607に対応し、第1の導体パッチ1604及び第2の導体パッチ1606と、表面に形成されたグランド1601とを導通する導通部となる。なお、このとき、導体パッチの一辺に接続される導通部は、例えば、その接続部分における長さが、導体パッチの短辺の長さより短く形成される。また、図16では、2つの導体パッチとグランド導体とをそれぞれ導通する2つの導通部が共に基板の表面に形成される例を示したが、いずれか一方のみが表面に形成され、他方は図1のように裏面に形成されてもよい。このように、基板の表面と裏面とを活用することにより、自由度の高いアンテナ設計が可能となる。
図7の等価回路における直列キャパシタ703及び707に対応する第1の導体パッチ105と給電線路104とが対向する辺と、第1の導体パッチ105と第2の導体パッチ107とが対向する辺は、直線形状である必要はない。例えば、図16の第1の導体パッチ1604と第2の導体パッチ1606のように、互いに入れ子の構造としてもよい。
また、第1の導体パッチ105および第2の導体パッチ107は正方形である必要はなく、長方形や台形などの形状でもよい。また、第1のビア、第2のビア、第1の導通部、第2の導通部の形状や太さを変えてもよい。また、図16の第2の導通部1607のように、導通部の形状を蛇行させたり、太さを変えたりすることにより、等価回路における並列インダクタを変更してもよい。第2の導体パッチ、第2のビア、及び第2の導通部の組は1つに限らず、複数設けてもよい。
このように、本実施形態に係るマルチバンドアンテナによれば、小型かつ複数の動作周波数帯を有するマルチバンドアンテナを実現することができる。さらに、本実施形態に係るマルチバンドアンテナは、給電線路、導体パッチ、導通部及びグランド導体の位置関係と形状とを変化させることができるため、キャパシタンスとインダクタンスとを変動させることができ、様々な周波数帯域に対応することができる。
<<実施形態2>>
上述の実施形態では、第2の導体パッチは主として第1の導体パッチとのみ電磁的に結合する例について説明した。本実施形態では、第2の導体パッチが、給電線路にも電磁的に結合する場合について説明する。図17に、本実施形態におけるマルチバンドアンテナが実装されたPCBの例を示す。また、図18に、図17のPCBのA−A’及びB−B’における断面図を示す。
図19は、本実施形態におけるアンテナの等価回路図である。図17のマルチバンドアンテナでは、給電線路1704と第1の導体パッチ1705との間の容量成分、給電線路1704と第2の導体パッチ1707との間の容量成分、第1の導体パッチ1705と第2の導体パッチ1707との間の容量成分が存在する。そして、これらの容量成分は、図17のマルチバンドアンテナにおいてデルタ接続された状態となる。図19では、このデルタ接続をスター接続に変換するΔ−Y変換を施した後の回路として、それぞれスター接続された直列キャパシタ1903、1907、及び1911を用いて、等価回路図を示している。なお、これらのキャパシタの容量は、上述の3つの容量成分に基づいて算出することができる。
図19から、実施形態1と同様に、この等価回路の上半分の第1の回路と、下半分の第2の回路とが、それぞれ図2の単位セルの等価回路に相当することが分かる。そして、直列キャパシタ1903、1907、及び1911の容量は、給電線路と第1の導体パッチ及び第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分、及び第1の導体パッチと第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分によって定まる。したがって、第1の回路の直列共振周波数は、第1の導体パッチのインダクタンス成分と、給電線路と第1の導体パッチ及び第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分、及び第1の導体パッチと第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分によって定まる。同様に、第2の回路の直列共振周波数は、第2の導体パッチのインダクタンス成分と、給電線路と第1の導体パッチ及び第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分、及び第1の導体パッチと第2の導体パッチとの間のキャパシタンス成分によって定まる。なお、並列共振周波数については、実施形態1と同様である。
図17及び図18に示したマルチバンドアンテナのモデルについて、電磁界シミュレーションによりそのS11の周波数特性を解析した結果を、図20に示す。シミュレーションでは、第1の導体パッチ1705を一辺の長さが10mmの正方形とし、第2の導体パッチ1707を一辺の長さが8mmの正方形とした。また、給電線路1704と第1の導体パッチ1705及び第2の導体パッチ1707との間隔を、それぞれ0.1mm及び0.2mmとし、第1の導体パッチ1705と第2の導体パッチ1707との間隔を0.1mmとした。さらに、第1のビア1706及び第2のビア1708の半径を、それぞれ0.2mm及び0.1mmとし、誘電体は一般的なプリント基板の定数を使用した。図20に示すように、3.3GHz及び6.5GHz付近で、本モデルが共振してことがわかる。第1の導体パッチ1705、第1のビア1706は図7と同寸法であるが、第1の導体パッチ1705と第2の導体パッチ1707との間の電磁的な結合があるため、共振周波数は3GHzからずれている。なお、4.5GHz付近に共振周波数が存在するが、これは給電線路1704の従来の右手系のアンテナの共振である。
このように、本実施形態のアンテナも、マルチバンドアンテナとして動作することが分かった。なお、この場合も、アンテナのサイズは、18.1mm程度となり、共振周波数の半波長と比べて十分に小さい。したがって、本実施形態のマルチバンドアンテナは、小型で複数の動作周波数帯を有することが分かる。
本実施形態における構成は図17及び図18に示す構成に限られるものではない。例えば、図21及び図22に示すような形状の、裏面グランド導体を有するように構成してもよい。すなわち、図21のように、裏面グランド導体を、Y方向において、表面グランド導体と対向する位置に配置し、第1のビア2106及び第2のビア2109と、裏面グランド導体2101とを電気的に接続する導通部2107及び2110を設けてもよい。なお、図22は、図21のPCBのA−A’及びB−B’における断面図を示している。
また、図23に示すように、第1の導体パッチ2305及び第2の導体パッチ2308が、Y方向において、給電線路2304とグランド2301との間に挟まれた構成をとってもよい。なお、図24には、図23のPCBのA−A’及びB−B’における断面図を示している。また、PCBは、片面銅箔の電子回路基板でもよい。その一例を図25に示す。図17及び図18における第1のビア1706及び第2のビア1708が、それぞれ、導体2505及び2507に対応する。そして、これらの導体2505及び2507は、第1の導体パッチ2504及び第2の導体パッチ2506と表面のグランド導体2501とを導通する。
第1の導体パッチと給電線路の対辺は、容量成分を得るために、くし状、入れ子状など、他の形状としてもよい。給電線路と第2の導体パッチとの対辺についても同様である。第1のビア、第2のビア、及び導通部の形状や太さは変えられてもよい。これらは、図16の導通部1607のように蛇行させるなど、形状を変更し、又は太さを変えることなどによって、図19の等価回路における並列インダクタ1906及び1910の値を変更してもよい。また、第2の導体パッチ、第2のビア、及びその対応する導通部は、1つに限らず複数設けてもよい。

Claims (7)

  1. 給電部に接続される第1の導体と、
    前記第1の導体から第1の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、当該第1の導体と電磁的に結合する第2の導体と、
    前記第2の導体から第2の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、当該第2の導体と電磁的に結合し、前記第2の導体よりも面積が小さい第3の導体と、
    前記第2の導体および前記第3の導体と接続される第4の導体と、
    前記第2の導体および前記第3の導体と前記第4の導体とをそれぞれ接続する導通部と、
    を有し、
    前記第2の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第2の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第1の動作周波数帯と、
    当該第1の動作周波数帯とは異なる周波数帯であって、前記第3の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第3の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第2の動作周波数帯とを有し、
    前記導通部は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の面に接続される場合の接続部分の面積が当該第2の導体もしくは当該第3の導体の面積より小さく、又は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の辺に接続される場合の接続部分の長さが当該第2の導体もしくは当該第3の導体の短辺の長さより短い、
    ことを特徴とするマルチバンドアンテナ。
  2. 給電部に接続される第1の導体と、
    前記第1の導体から第1の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、当該第1の導体と電磁的に結合する第2の導体と、
    前記第2の導体から第2の所定距離だけ離して配置される面状の導体であって、前記第1の導体及び前記第2の導体と電磁的に結合し、前記第2の導体よりも面積が小さい第3の導体と、
    前記第2の導体および前記第3の導体と接続される第4の導体と、
    前記第2の導体および前記第3の導体と前記第4の導体とをそれぞれ接続する導通部と、
    を有し、
    前記第2の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第2の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第1の動作周波数帯と、
    当該第1の動作周波数帯とは異なる周波数帯であって、前記第3の導体と前記第4の導体とを接続する前記導通部において生じるインダクタンス成分および前記第3の導体と前記第4の導体との電磁的な結合によって生じるキャパシタンス成分によって定まる第2の動作周波数帯とを有し、
    前記導通部は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の面に接続される場合の接続部分の面積が当該第2の導体もしくは当該第3の導体の面積より小さく、又は、当該導通部が前記第2の導体もしくは前記第3の導体の辺に接続される場合の接続部分の長さが当該第2の導体もしくは当該第3の導体の短辺の長さより短い、
    ことを特徴とするマルチバンドアンテナ。
  3. 前記第3の導体は、前記第3の導体と前記第1の導体との電磁的な結合の強さは、前記第2の導体と前記第1の導体との電磁的な結合の強さよりも弱くなるように構成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチバンドアンテナ。
  4. 前記第2の導体と前記第4の導体、および前記第3の導体と前記第4の導体の少なくともいずれかは、前記マルチバンドアンテナが形成される基板の表面と裏面とにおいて、互いに対向する位置に配置され、
    前記導通部は、前記基板を貫いて、互いに対向する位置に配置された前記第2の導体と前記第4の導体、および前記第3の導体と前記第4の導体の少なくともいずれかを接続する導体である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチバンドアンテナ。
  5. 前記第2の導体と前記第4の導体、および前記第3の導体と前記第4の導体の少なくともいずれかは、前記マルチバンドアンテナが形成される基板の表面と裏面とにおいて、互いに対向しない位置に配置され、
    前記導通部は、前記基板を貫く導体の部分と、互いに対向しない位置に配置された前記第2の導体と前記第4の導体、および前記第3の導体と前記第4の導体の少なくともいずれかを電気的に接続する導体の部分とを含む、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチバンドアンテナ。
  6. 前記第4の導体は、グランド導体である、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のマルチバンドアンテナ。
  7. 複数の前記第3の導体を有する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のマルチバンドアンテナ。
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