JP6390590B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置11は、タンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置11は、プリンター本体12の内部に、記録紙(不図示)を収納する給紙カセット13と、給紙カセット13から記録紙を一枚ずつ給送する給紙部14と、給紙カセット13又は手差トレイ(不図示)から供給された記録紙に画像形成処理を行う画像形成処理部15と、給紙カセット13又は手差トレイから供給された記録紙を搬送する記録紙搬送経路16と、画像形成処理部15において形成されたトナー像を記録紙搬送経路16に沿って搬送される記録紙に転写する二次転写部17と、二次転写部17において転写されたトナー像を記録紙に定着する定着部18と、を備える。
画像形成処理部15は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。なお、以下の説明では、特に色指定に関する場合にのみ、各算用数字の符号に括弧書きで(Y,M,C,K)の色を付し、共通の場合には算用数字のみの符号を付して説明する。
感光体ドラム20は、支持体(基体)の表面に感光層が形成されてなる。ここでは、感光体ドラム20は、金属製の円筒状の素管と、素管表面に形成された感光層とからなる。素管を形成する金属としては、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム等が挙げられる。感光層としては、有機光伝導体を利用した有機感光層や無機光電体を利用した無機感光層等を利用できるが、耐久性の高さからシランガス等の蒸着等により製膜されたアモルファスシリコン感光層が好ましい。各感光体ドラム20は、その表面に露光ユニット25から出射されたビーム光に基づいて各色のトナー像を担持して中間転写ベルト22にトナー像を転写するためのものであり、図1に示すように、現像装置21と共に中間転写ベルト22の下方に配置されている。なお、感光体ドラム20の使用初期における表面状態については後述する。
各現像装置21は、基本的に同一構成のものが中間転写ベルト22の下方に回動移動方向に沿って列設されている。現像装置21は、二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)が収納される現像容器31と、2本の撹拌スクリュー32a、32bと、磁気ローラー34と、現像ローラー35とを有する二成分現像式であり、磁気ローラー34の表面に起立する磁気ブラシを用いて現像ローラー35にトナー薄層を形成し、現像ローラー35にトナーと同極性(正)の現像バイアスを印加して感光体ドラム20の表面にトナーを飛翔させる。これにより、感光体ドラム20の表面の静電潜像をトナー像に現像する。
中間転写ベルト22は、プリンター本体12内で駆動ローラーと従動ローラーとに水平方向に張架された無端ベルトであり、ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラーの回転に伴い画像形成動作に伴って循環駆動される。
トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22のトナー像の反射濃度を測定し、その検知値をCPU51(図3参照)に出力する。なお、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の回動移動方向並びに回動移動方向と直交する幅方向のそれぞれに沿った複数箇所に設けることができる。この際、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の幅方向片側だけのトナー濃度を検知したのでは、例えば、中間転写ベルト22の幅方向両端側で濃度差が生ずる現象(片焼け現象)が発生した場合に対応できないため、幅方向両端付近に配置するのが好ましい。
帯電ローラー26は、例えば導電性ゴムで形成されており、感光体ドラム20に当接するように配置されている。そして、図2に示すように、感光体ドラム20が時計回り方向に回転すると、感光体ドラム20の表面に接触する帯電ローラー26が反時計回り方向に従動回転する。このとき、帯電ローラー26に所定の電圧を印加することにより、感光体ドラム20の表面が一様に帯電されることとなる。また、帯電ローラー26の回転に伴い、帯電ローラー26に接触する帯電クリーニングローラー(図示せず)が時計回り方向に従動回転して帯電ローラー26の表面に付着した異物を除去する。
クリーニング装置28は、記録紙幅方向(記録紙搬送方向に直交する方向)に奥行きのあるクリーニングハウジング40と、クリーニングハウジング40の内部下方寄りに配置されて図2において時計回り方向に回転することで記録紙幅方向の一方に回収トナーを搬送して廃トナー容器(図示せず)へと送り出す回収スパイラル41と、クリーニングハウジング40の外部下方寄りに取り付けられたクリーニングブレード42と、クリーニングハウジング40の内部上方寄りに配置されて感光体ドラム20の表面と接触する摺擦ローラー(クリーニングローラー)43と、摺擦ローラー43の上方に配置されて摺擦ローラー43の表面と接触するスクレーパー44とを備えている。
除電装置29は、感光体ドラム20の回転方向に沿って、クリーニング装置28の下流側に配置されている。除電装置29にはLED(発光ダイオード)が用いられ、必要に応じて反射板が設けられる。除電装置29は、除電光(イレース光)を感光体ドラム20に照射することにより、その表面の帯電電荷を除去し、次回の画像形成動作時における帯電工程のための準備を整える。
次に、本実施形態の画像形成装置11の制御について説明する。図3は、画像形成装置に用いられる制御部50の説明図である。画像形成装置11は、各装置の様々な制御がなされるため、装置全体の制御は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
次に、画像形成装置11の画像形成手順について説明する。パーソナルコンピューター等の外部接続機器から画像データが入力されると、CPU51は、先ず、帯電バイアス回路59を介して帯電ローラー26に帯電バイアスを印加し、帯電ローラー26によって感光体ドラム20の表面を一様に帯電させる。次いで露光ユニット25によって感光体ドラム20の表面にレーザー光Pを照射する。これにより、受け付けたジョブの画像データに対応した静電潜像が各感光体ドラム20上に形成される。
本発明の画像形成装置11は、低印字率での印字が所定枚数連続して行われたとき等、クリーニングブレード42と感光体ドラム20の表面との摩擦抵抗が上昇した場合に、現像装置21内の現像ローラー35上のトナーを感光体ドラム20側に強制吐出して、クリーニング装置28のクリーニングブレード42に供給し、クリーニングブレード42と感光体ドラム20の表面との摩擦を抑制する摩擦抵抗抑制処理を実行可能に構成されている。以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置11の摩擦抵抗抑制処理及びそれに関連する制御について説明する。
CPU51は、モーター駆動ドライバー56を介して感光体ドラム20を回転させる駆動モーター(駆動装置)48を制御すると共に、駆動モーター48のトルクを検出するトルク検出部57からの検出値に取得する。本実施形態においては、トルク検出部57は、駆動モーター48の出力電流値を検出している。つまり、トルクの指標として駆動モーター48の出力電流値を用いる。なお、駆動モーター48のトルクを検出する手段は、駆動モーター48に過剰な負荷がかかって駆動モーター48が破損するのを防ぐために、画像形成装置11には通常備えられている。
本実施形態の画像形成装置11に用いられる感光体ドラム20は、使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaが20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあり、十点平均粗さRzが0.2[μm]以上1.0[μm]以下の範囲内にあり、凹凸の平均間隔Smが20[μm]以下であり、凹凸の平均間隔Sm[μm]に対する算術平均粗さRa[nm]の比(Ra[nm]/Sm[μm])が3以上、スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有することが好ましい。なお、本明細書において、感光体ドラム20の使用初期とは、耐久印字前の新品の状態をいう。また、上記の表面状態は、少なくとも感光体ドラム20の使用初期(使用開始時の状態であり、換言すると、工場出荷後の状態である。)に有していればよい。算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、平均間隔Smは触針式2次元粗さ測定器を用いて1994年版のJISB0601で規定されている表面粗さ測定法により測定される。
算術平均粗さRaが20[nm]より小さい場合、長期間の使用によりクリーニングブレード42が摩耗し、画像不良に至る外添剤のすり抜け量が多くなる。算術平均粗さRaが100[nm]より大きい場合、初期より外添剤のすり抜け量が多く、耐久印字の比較的早い段階から帯電ローラー26の汚染が始まってしまい、長期間の使用が困難となる。従って、使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaは、20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあることが好ましい。
感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaが、20[nm]以上100[nm]以下の範囲にある場合、感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の十点平均粗さRzは、0.2[μm]以上1.0[μm]以下の範囲にあることが好ましい。
算術平均粗さRaや十点平均粗さRzが上記範囲内にあったとしても、大きな凸部分が離れて存在する場合、クリーニングブレード42は大きな凸部分に接触する(支持される)ことになる。ここでは、大きな凸部分が離れているか否かの判断に凹凸の平均間隔Smを利用している。
また、スキューネスRsk≧0.3を満たすことで、感光体ドラム20とクリーニングブレード42との接触面積が減少し、摩擦が効果的に低減される。スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有する。算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、平均間隔Smの測定方法は第1、第2実施形態と同様である。
・・・(1)
感光体ドラム20の使用初期における感光層のDUH硬度が500[kgf/mm2]以上1200[kgf/mm2]以下の範囲にあることが好ましい。DUH硬度が500[kgf/mm2]より小になると、クリーニングブレード42や摺擦ローラー43との接触により、感光体ドラム20の感光層が摩耗しやすく、長期間の使用ができないからである。この観点からは、DUH硬度が高い方が好ましい。このため、DUH硬度の上限は、現在使用することができる最も硬度の高い感光層の硬度で規定されている。なお、DUH硬度とは、ダイナミック超微小硬度計(DUHシリーズ、島津製作所社製)により測定された押しこみ硬度(マルテンス硬度)を指す。
ドラム表面の凹凸は、感光体ドラム20の軸方向及び周方向に不規則的に存在するのが好ましい。不規則的とは、ある面内の任意の一方向で凹凸を見たときに、凹凸の存在に一定の規則性がないことをいう。
算術平均粗さRa、十点平均粗さRz及び平均間隔Smは、感光体ドラム20の表面における画像形成領域の全域において、上記範囲であることが好ましい。
トナーには外添剤として導電性研磨微粒子である酸化チタンやシリカが外添されているが、感光層表面の算術平均粗さRaが大きい場合は、クリーニングブレード42が追従できない凹凸の隙間から外添剤がすり抜けていく。そのため、本実施形態の感光体ドラム20に用いるトナーの外添剤は平均一次粒子径が10nm以上であることが好ましい。
現像装置21から感光体ドラム20へトナー吐出を行う場合、制御部50は、上記の画像形成と同様な制御を行うが、感光体ドラム20上のトナー画像が中間転写ベルト22に転写されないように転写バイアス回路60を制御する。具体的には、CPU51は、一次転写ローラー27にトナーと同極性(ここでは正極性)の転写バイアスを印加するように転写バイアス回路60に指示している。
本実施形態においては、CPU51は、感光体ドラム20の表面状態に応じて摩擦抵抗抑制処理の実行時に感光体ドラム20に吐出するトナー量を調整する。感光体ドラム20の表面状態は、トルク検出部57により検出される駆動モーター48のトルクに基づいて推測している。これは、感光体ドラム20の使用により、表面の凸部分が研磨されて平滑化し、感光体ドラム20とクリーニングブレード42との摩擦によりトルクが増加するからである。なお、感光体ドラム20の表面状態(表面の算術平均粗さRa)と、駆動モーター48のトルクとの関係は予め試験等を行うことで把握できる。
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置11の摩擦抵抗抑制処理及びそれに関連する制御について説明する。感光体ドラム20の使用初期における表面状態や、感光体ドラム20表面へのトナー吐出方法については第1実施形態と同様である。第2実施形態では、感光体ドラム20の表面状態を感光体ドラム20の使用初期からの累積印字枚数により推測している。これは、感光体ドラム20の使用により、表面の凸部分が記録紙等により研磨されて平滑化するためである。なお、感光体ドラム20の表面状態(表面の算術平均粗さRa)と累積印字枚数との関係は予め試験等を行うことで把握できる。
以上、本発明の画像形成装置11について実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。また、実施形態に記載していていない例や、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
(変形例2)累積印字枚数を計数する方法は、カウンター55による計数に限られるものではなく、例えば、RAM53等でその回数を記憶するようにしてもよい。
(変形例3)摩擦抵抗抑制処理において感光体ドラム29上に形成するトナー吐出パターンは、感光体ドラム20の軸方向に延びる帯状に限定するものではなく、例えば、ジグザグ状をした帯状、複数列の千鳥状に配されたドット状、複数列の帯状であってもよい。
(変形例4)トナー吐出量調整制御におけるトナー吐出量の調整は、帯状をしたトナー吐出パターンの吐出長でおこなっているが、例えば、トナー像の厚みを調整することで行ってもよい。この場合、磁気ローラー34に印加するVmag(DC)と現像ローラー35に印加するVslv(DC)とを調節することで実施できる。
(変形例5)摩擦抵抗抑制処理は、印字枚数100枚毎に行っているが、例えば、所定の駆動時間経過後や連続印字動作の終了時、画像形成装置のセットアップ時やスリープモード(省電力モード)からの復帰時に行うようにしてもよい。
(変形例6)像担持体は、円筒状の支持体の表面に感光層が形成されてなる感光体ドラム20に限定するものでなく、例えば、板状の支持体の表面に感光層が形成されたものを利用することもできる。また、クリーニング部材は、平板状のクレーニングブレード42に限定するものでなく、例えば、柱状であってもよい。
20 感光体ドラム(像担持体)
21 現像装置
26 帯電ローラー(帯電部材)
28 クリーニング装置
42 クリーニングブレード(クリーニング部材)
43 摺擦ローラー(クリーニング部材)
48 駆動モーター(駆動装置)
50 制御部
52 ROM
54 HDD
55 カウンター(印字枚数カウント部)
57 トルク検出部
Claims (5)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体を回転駆動する駆動装置と、
研磨粒子を含むトナーを付着させて前記像担持体の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、
前記像担持体の表面に接触するように配置され、前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材と、
前記像担持体の表面に接触又は近接して配置され、前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に帯電バイアスを印加する高圧電源と、
前記現像装置から前記像担持体に吐出するトナー吐出量を制御可能な制御部と、
を備え、
非画像形成時に前記現像装置から前記像担持体にトナーを吐出し、前記クリーニング部材と前記像担持体の表面との摩擦抵抗を抑制する摩擦抵抗抑制処理を実行可能な画像形成装置において、
前記像担持体の表面にはアモルファスシリコン感光層が形成されており、
前記像担持体の使用初期における前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが20nm以上100nm以下の範囲であり、十点平均粗さRzが0.2μm以上1.0μm以下の範囲内であり、凹凸の平均間隔Smが20μm以下であり、前記平均間隔Smに対する前記算術平均粗さRaの比Ra/Smが3以上であり、スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有し、
前記制御部は、前記像担持体の表面状態の推測結果に応じて前記摩擦抵抗抑制処理の実行時に前記現像装置から前記像担持体側へ吐出するトナー量を調整し、
前記制御部は、前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが30nm以上又は10nm未満の範囲にあると推測した場合のトナー吐出量を、算術平均粗さRaが10nm以上且つ30nm未満の範囲にあると推測された場合のトナー吐出量に比べて増加させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体を回転駆動する際の前記駆動装置のトルクを検出するトルク検出部を備え、
前記制御部は、前記トルク検出部により検出されたトルクに基づいて前記像担持体の表面の算術平均粗さRaを推測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記トルク検出部により検出されたトルクが所定値T1未満である場合、および所定値T2(T2>T1)以上である場合のトナー吐出量を、トルクがT1以上T2未満である場合のトナー吐出量に比べて増加させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の使用初期からの累積印字枚数をカウントする印字枚数カウント部を備え、
前記制御部は、前記印字枚数カウント部によりカウントされた累積印字枚数に基づいて前記像担持体の表面の算術平均粗さRaを推測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記印字枚数カウント部によりカウントされた累積印字枚数が所定枚数P1未満である場合、および所定枚数P2(P2>P1)以上である場合のトナー吐出量を、累積印字枚数がP1以上P2未満である場合のトナー吐出量に比べて増加させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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