JP6390473B2 - 両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法 - Google Patents

両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Si−Cセラミックス前駆体、耐熱性材料、電子材料、光学材料及びその製造原料として有用である両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法に関する。
シラシクロブタン化合物は、白金触媒存在下に加熱することにより開環重合反応が進行すること、白金触媒とヒドロシラン存在下にシラシクロブタン化合物が開環反応してオリゴーマー化することが知られている(非特許文献1:D. R. Weyemberg and L. E. Nelson J. Org. Chem., 30, 2618(1965))。
また、n−ブチルリチウム等のオルガノリチウム化合物を重合開始剤として用いてシラシクロブタンを開環重合する方法及び得られた重合物の活性末端をクロロフェニルジメチルシランと反応させることにより、重合末端にシリル基を導入する方法が知られている(非特許文献2:山岡仁史、松本幸三、高分子加工、45巻、452頁(1996年))。
:D. R. Weyemberg and L. E. Nelson J. Org. Chem., 30, 2618(1965) :山岡仁史、松本幸三、高分子加工、45巻、452頁(1996年)
しかしながら、上記非特許文献1の方法は、重合物の末端に反応性基等を導入して変性することはできない。また、この方法では、反応性のヒドロシリル基を持った化合物を合成できるものの、得られる生成物はシラシクロブタンが2分子反応したオリゴーマーであり、高分子量の開環重合物は得られないという問題点がある。
また、非特許文献2記載の方法では、反応がリビング重合であることを確認するために、重合物の活性末端をフェニルジメチルクロロシランと反応させて、フェニルジメチルシリル基を導入しているが、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、不飽和結合含有炭化水素基、ハロゲン原子等の反応性基を有する置換基による変性は行われていない。更に、オルガノリチウム化合物を重合開始剤として合成した重合物の活性末端は、リチウム化合物となっているため、オルガノリチウム化合物と反応するような反応性基は、反応性基も活性末端と反応してしまうために、この方法により導入することは困難であった。また、n−ブチルリチウムやフェニルリチウムを重合開始剤として用いているため、重合物の片末端しか変性することができなかった。
上記のように、反応性基により両末端を変性されたシラシクロブタン開環重合物は、これまでに知られていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シラシクロブタン開環重合物の両末端に、オルガノオキシシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基を有する置換基を導入して変性した両末端変性シラシクロブタン開環重合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、後述する方法により新規な両末端変性したシラシクロブタン開環重合物が得られることを見出すと共に、この両末端変性したシラシクロブタン開環重合物が、Si−Cセラミックス前駆体、耐熱性材料、電子材料、光学材料及びその製造原料として使用した場合に、耐熱性の向上や光学特性、密着性を向上できることを知見した。特に、両末端が変性されていることにより、例えば、重合性基により変性されている化合物の場合には、片末端変性された化合物と共重合した場合に、重合物に架橋構造を導入することができるため、耐熱性等がより向上することを知見して、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、以下の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物及びその製造方法を提供する。
〔1〕
下記一般式(1)

(式中、R1は、炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、ケイ素原子を含有していてもよく、R2,R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。また、n及びmはそれぞれ2〜1,000,000の整数である。)
で表される両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔2〕
前記反応性基が、エポキシ基、オキセタニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていてもよいアミノ基、水酸基、メルカプト基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれるものである〔1〕記載の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔3〕
前記一般式(1)中、R2及びR3がメチル基であり、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4のうち2つがメチル基である〔1〕記載の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
〔4〕
下記一般式(2)

(式中、R2又はR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
Li−R1−Li (3)
(式中、R1は炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基である。)
で表されるオルガノジリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
4 3SiCl (4)
(式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。)
で表されるクロロシラン化合物と反応させることを特徴とする両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
〔5〕
SiR4 3基の末端導入率である変性率が50%超である〔4〕記載の製造方法。
〔6〕
シラシクロブタン開環重合物が、下記一般式(1)

(式中、R1は、炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、ケイ素原子を含有していてもよく、R2,R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、n及びmはそれぞれ2〜1,000,000の整数である。)
で表される〔4〕記載の製造方法。
本発明により得られる両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、例えば、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、不飽和結合含有炭化水素基のような重合性の反応性基を有する置換基を導入した場合には、これらの反応性基を重合させることにより、最終的に得られる重合物の熱安定性や、光学特性、密着性等を改良することができる。また、オルガノオキシシリル基もしくはハロシリル基又はハロゲン原子もしくは活性水素含有基のような反応性基を有する置換基を導入した場合には、これらの反応性基と反応する重合性置換基を有する各種重合物と反応させることにより、シラシクロブタン開環重合物に重合可能な反応性基を導入することができ、上記と同等の効果が期待できる。
一方、オルガノオキシシリル基やハロシリル基等の加水分解可能な基を有する置換基を導入した場合には、加水分解縮合することにより得られる重合物又は縮合物に、シラシクロブタン開環重合物を導入することができ、最終的に得られる重合物の熱安定性や、光学特性、密着性等を改良することができる。
実施例1で得られた両末端がジメチルビニルで変性された、p−ジリチオベンゼンを重合開始剤として合成した1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた両末端がジメチルビニルで変性された、p−ジリチオベンゼンを重合開始剤として合成した1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。 実施例2で得られた両末端がジメチルビニルで変性された、m−ジリチオベンゼンを重合開始剤として合成した1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた両末端がジメチルビニルで変性された、m−ジリチオベンゼンを重合開始剤として合成した1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物のIRスペクトルである。
本発明の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、シラシクロブタン開環重合物の両末端がオルガノオキシシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基を有する置換基により変性された化合物であり、1−シラブチルの繰り返し単位の数が4〜2,000,000、好ましくは10〜200,000、より好ましくは20〜20,000である。
この場合、両末端がオルガノオキシシリル基(SiOR:Rは炭素数1〜6の1価炭化水素基、従ってORはオルガノオキシ基である)、ハロシリル基(SiX:Xは塩素、ヨウ素等のハロゲン原子)により変性された化合物及び反応性基を有する置換基により変性された化合物において、両末端を変性するSiORのOR、SiXのX、及び反応性基は、いずれも反応性を有するものであり、SiORのOR、SiXのXは反応性基と言い得るものである。
ここで、オルガノオキシシリル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を有するシリル基が挙げられる。特に反応活性の点で、メトキシシリル基、エトキシシリル基が好ましい。
また、反応性基を有する置換基における反応性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基等の酸素含有環状炭化水素基、アクリル基、メタクリル基等のα,β不飽和カルボニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基等のα,β不飽和カルボニルオキシ基、トリアルキルシリル基等のシリル基により活性水素が保護されていてもよいアミノ基、水酸基、メルカプト基等の活性水素含有基、炭素数2〜10アルケニル基等の不飽和結合含有炭化水素基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。特に、重合性や加水分解縮合性を有する点で、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、不飽和結合含有炭化水素基が好ましい。
本発明の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の具体例としては、下記一般式(1)で表される。

(式中、R1は、炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の一部がケイ素原子置き換わっていてもよく、R2,R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、n及びmはそれぞれ2〜1,000,000、好ましくは5〜100,000、より好ましくは10〜10,000の整数である。)
ここで、R1は炭素数1〜20、好ましくは6〜14の置換又は非置換のケイ素原子を含有していてもよい2価炭化水素基である。原料入手の容易なことから、炭素数6〜12の置換又は非置換のケイ素原子を含有していてもよい2価炭化水素基が好ましい。具体的には、O−、m−及びp−フェニレン基又は下記一般式(5)又は(6)で表される2価炭化水素基である。

(式中、R2は上記と同じであり、破線は結合手を示す。)
ここで、R2、R3は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。特に、原料の入手性の点で、R2及びR3はメチル基が好ましい。
また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のオルガノオキシ基、シアノ基、オルガノチオ基、オルガノスルホニル基、芳香族炭化水素基、ジアルキルアミノ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、ジアルキルアミノ(アルキル)シリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることができる。
4は、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、置換又は非置換の1価炭化水素基としてはR1〜R3と同様の置換基が挙げられる。
この場合、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4のうち少なくとも1つは、前記オルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は上記1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が反応性基により置換された置換基であり、反応性基としては、前記反応性基と同様の基が挙げられる。
上記1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部がオルガノオキシシリル基もしくはハロシリル基又は反応性基により置換された置換基としては、例えば、2−トリメトキシシリルエチル基、2−ジメトキシメチルシリルエチル基、2−メトキシジメチルシリルエチル基、2−トリエトキシシリルエチル基、2−ジエトキシメチルシリルエチル基、2−エトキシジメチルシリルエチル基、2−トリクロロシリルエチル基、2−トリメトキシシリルプロピル基、2−ジメトキシメチルシリルプロピル基、2−メトキシジメチルシリルプロピル基、2−トリエトキシシリルプロピル基、2−ジエトキシメチルシリルプロピル基、2−エトキシジメチルシリルプロピル基等のオルガノオキシシリル基含有基、2−トリクロロシリルエチル基、2−ジクロロメチルシリルエチル基、2−クロロジメチルシリルエチル基、2−トリクロロシリルプロピル基、2−ジクロロメチルシリルプロピル基、2−クロロジメチルシリルプロピル基等のハロシリル基含有基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−グリシドキシプロピル基、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピル基等の酸素含有環状炭化水素基、アクリル基、メタクリル基等のα,β不飽和カルボニル基、3−アクリルオキシプロピル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル基等のα,β不飽和カルボニルオキシ基、3−アミノプロピル基、3−トリメチルシロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−トリメチルシリルチオプロピル基、3−メルカプトプロピル基等の活性水素含有基、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、5−ヘキシニル基等の不飽和結合含有炭化水素基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、6−クロロヘキシル基、ブロモメチル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基等のハロゲン原子含有基が挙げられる。
この場合、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の2個が上記置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4の1個が−SiR4としてオルガノオキシシリル基もしくはハロシリル基又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が上記反応性基により置換され、この置換基がケイ素原子に結合した基であることが好ましい。
本発明における上記一般式(1)で表される両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法は、例えば、下記一般式(2)

(式中、R2又はR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
Li−R1−Li (3)
(式中、R1は炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の一部がケイ素原子に置き換わっていてもよい。)
で表されるオルガノジリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
4 3SiCl (4)
(式中、R4は上記と同じ。)
で表されるクロロシラン化合物と反応させる方法が挙げられる。
上記一般式(2)におけるR2又はR3は、上述した通りである。
また、上記一般式(2)で表されるシラシクロブタン化合物としては、例えば、1,1−ジメチルシラシクロブタン、1,1−ジエチルシラシクロブタン、1,1−ジプロピルシラシクロブタン、1,1−ジイソプロピルシラシクロブタン、1,1−ジ−n−ブチルシラシクロブタン、1−メチル−1−ビニルシラシクロブタン、1−アリル−1−メチルシラシクロブタン、1,1−ジフェニルシラシクロブタン、1−フェニル−1−メチルシラシクロブタン、1−フェニル−1−ビニルシラシクロブタン等が挙げられる。
上記一般式(3)におけるR1は、上述した通りである。上記一般式(3)で示されるオルガノジリチウム化合物は特に限定されないが、例えば、O−ジリチオベンゼン、m−ジリチオベンゼン、p−ジリチオベンゼン、4,4’−ジリチオビフェニル、1,3−ビス(1−リチオ−1−ブチル−1−メチル−2−ブチルエチル)ベンゼン、ビス(1−リチオ−2−ブチルエチル)ジメチルシラン等のジリチウム化合物が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるジリチオ化合物は、O−ジリチオベンゼン、m−ジリチオベンゼン、p−ジリチオベンゼン、4,4’−ジリチオビフェニルは、対応するジハロベンゼン又は4,4’−ジハロビフェニルと、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムとの反応により製造することができる。また、1,3−ビス(1−リチオ−1−メチル−2−ブチルエチル)ベンゼンは、特開2005−120399号公報に記載の方法等で合成することができる。ビス(1−リチオ−2−ブチルエチル)ジメチルシランは、ジメチルジビニルシランとn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムとの反応により製造することができる。
上記一般式(4)で表されるクロロシラン化合物としては、例えば、ジメチルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、4−クロロブチルジメチルクロロシラン、6−クロロジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルクロロシラン、3−ヨードプロピルジメチルクロロシラン、3−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルクロロシラン、3−トリメチルシロキシプロピルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、3−ブテニルジメチルクロロシラン、5−ヘキセニルジメチルクロロシラン、アセチレニルジメチルクロロシラン、ジメチルプロパルギルクロロシラン、4−ブチニルジメチルクロロシラン、5−ヘキシニルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるオルガノジリチウム化合物を開始剤として、上記一般式(2)で表されるシラシクロブタン化合物の開環重合を行った後に、上記一般式(4)で表されるクロロシラン化合物を反応させることにより、重合末端にSiR4 3基を導入して変性することができるが、末端の変性率は50%を超えることが好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。ここで、変性率は、重合のすべての末端にSiR4 3基が導入された場合を100%とする。変性率は、反応生成物の1H−NMR等で分析することにより求めることができる。
上述のシラシクロブタン化合物のオルガノジリチウム化合物を重合開始剤とする、開環重合反応を行う場合、オルガノジリチウム化合物とシラシクロブタン化合物の配合比は、オルガノジリチウム化合物1モルに対してシラシクロブタン化合物を4モル以上用いればよく、その上限は所定の重合度になるように配合すれば、特に制限されない。得られるシラシクロブタン開環重合物の平均重合度(一般式(1)のnの繰り返し単位)は、重合開始剤であるオルガノジリチウム化合物とシラシクロブタン化合物の配合比により変化するため、所望の重合度になるように配合比を決定できる。オルガノジリチウム化合物1モルに対してシラシクロブタン化合物の使用量は、好ましくは4〜2,000,000モル、特に好ましくは10〜100,000モルである。
本発明のオルガノジリチウム化合物を重合開始剤とするシラシクロブタン化合物の開環重合反応は、無溶媒でも進行するが、除熱等の点から溶媒を用いて行うこともできる。用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を混合して使用してもよい。反応性、溶解性等の点から、炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒を混合して用いることが好ましく、特に、ヘキサンとテトラヒドロフランの混合溶媒を用いることが好ましい。
上記反応の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で、−78〜100℃、好ましくは−50〜40℃である。なお、反応時間は、通常5分〜10時間、好ましくは1〜3時間である。また、反応雰囲気としては特に限定されないが、安全上、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが好ましい。
本発明の開環重合反応後の上記一般式(4)で表されるクロロシラン化合物との反応における配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、オルガノジリチウム化合物1モルに対して、クロロシラン化合物を1.6〜4.0モル、特に1.9〜3.0モル用いることが好ましい。
上記反応の反応温度は特に限定されないが、−78〜100℃、特に好ましくは−50〜50℃である。
本発明の製造方法により両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物は、副生する塩化リチウム等を除去した後に、常圧又は減圧下に溶媒を留去して精製することができる。また、副生する塩化リチウム等を除去した後に、アルコール溶媒中に反応液を添加して、アルコールに溶解しない液状又は固体状の成分を分離して精製することもできる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等を挙げることができる。アルコールの使用量は、特に限定されないが、反応に用いた溶媒量に対して、好ましくは2〜20倍、特に好ましくは3〜10倍の容量のアルコールを用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例中の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、東ソー(株)製HLC8220GPCを用いて測定したポリスチレン換算した値である。
[実施例1]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、p−ジブロモベンゼン2.36g(0.01mol)とn−ヘキサン60ml、テトラヒドロフラン30mlを仕込み、ドライアイスバスにより冷却した。1.60M/molのn−ブチルリチウム12.5ml(0.02mol)を、内温を−70〜−60℃に保ちながら10分で添加した後、2.5時間熟成した。熟成後、1,1−ジメチルシラシクロブタン20.0g(0.2mol)を、内温を−45〜−35℃に保ちながら25分で滴下し、1時間そのままの温度で熟成した。熟成後、ジメチルビニルクロロシラン2.9g(0.24mol)を、−37〜−20℃で添加した後、ドライアイスバスを外して、室温まで昇温した。
副生した塩化リチウムを除去した反応液を、メタノール500ml中に撹拌下に添加し、そのまま1時間撹拌した後静置した。白色の液状沈殿物が得られた。分液によりメタノール層を除去した後、減圧下に低沸点成分を除去することにより、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値で、一般式(1)の繰り返し単位nに対応するMn=2,194、Mw=3,022の重合物が20.4g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図1にチャートを示す。
IRスペクトル
図2にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の両末端が、ジメチルビニルシリル基により変性された化合物であることが確認された。また、変性率は1H−NMR分析の結果から85%であった。
[実施例2]
p−ジブロモベンゼンの代わりに、m−ジブロモベンゼン2.36g(0.01mol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、Mn=2,338、Mw=3,263の重合物が20.1g得られた。
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム)
図3にチャートを示す。
IRスペクトル
図4にチャートを示す。
以上の結果より、得られた化合物は1,1−ジメチルシラシクロブタン開環重合物の両末端が、ジメチルビニルシリル基により変性された化合物であることが確認された。また、変性率は1H−NMR分析の結果から83%であった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)

    (式中、R1は、炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、ケイ素原子を含有していてもよく、R2,R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。また、n及びmはそれぞれ2〜1,000,000の整数である。)
    で表される両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  2. 前記反応性基が、エポキシ基、オキセタニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、シリル基により活性水素が保護されていてもよいアミノ基、水酸基、メルカプト基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれるものである請求項1記載の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  3. 前記一般式(1)中、R2及びR3がメチル基であり、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4のうち2つがメチル基である請求項1記載の両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物。
  4. 下記一般式(2)

    (式中、R2又はR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)
    で表されるシラシクロブタン化合物を、下記一般式(3)
    Li−R1−Li (3)
    (式中、R1は炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基である。)
    で表されるオルガノジリチウム化合物の存在下で重合を行った後、下記一般式(4)
    4 3SiCl (4)
    (式中、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、酸素含有環状炭化水素基、α,β不飽和カルボニル基、α,β不飽和カルボニルオキシ基、活性水素含有基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子から選ばれる反応性基により置換された置換基である。)
    で表されるクロロシラン化合物と反応させることを特徴とする両末端変性されたシラシクロブタン開環重合物の製造方法。
  5. SiR4 3基の末端導入率である変性率が50%超である請求項4記載の製造方法。
  6. シラシクロブタン開環重合物が、下記一般式(1)

    (式中、R1は、炭素数1〜20の置換又は非置換の2価炭化水素基であり、ケイ素原子を含有していてもよく、R2,R3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R4は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、両末端のそれぞれの−SiR4 3において、R4の少なくとも1つはオルガノオキシ基もしくはハロゲン原子又は1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が前記反応性基により置換された置換基である。また、n及びmはそれぞれ2〜1,000,000の整数である。)
    で表される請求項4記載の製造方法。
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