JP6388257B2 - エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンシステムに係り、特に、空調の暖房要求により要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタードを行う制御機能を有しているエンジンの制御装置を備えたエンジンシステムに関する。
従来から、空調の暖房要求時にエンジンに供給する空気量及び燃料量を増量させ、エンジンにおいて発生する熱量を増大させ、エンジン水温の上昇を高めるエンジンの制御装置が知られている。
また、特許文献1に示すように、空調の暖房要求時にエンジンに供給する空気量及び燃料量を増量させ、エンジンにおいて発生する熱量を増大させる場合において、エンジンの燃焼の進角をリタードさせ、点火時期を遅らせることで、燃焼時期を遅れさせ、排気バルブが開く直前まで燃焼させることにより排気温度を上昇させ、シリンダ等の温度を上昇させてエンジン水温の上昇を早めるエンジンの制御装置が知られている。
特開昭60−145454号公報
このように、空調の暖房要求時にエンジンに供給する空気量及び燃料量を増量させ、エンジンにおいて発生する熱量を増大させる場合には、エンジンのトルク(出力)も増大されるため、このようなトルクの上昇をリタードにより低減させることができる。
しかしながら、エンジンのトルクの上昇をリタードにより低減させる場合には、エンジンで燃料が燃焼したにも関わらずトルクに寄与させない無駄な燃料の消費を生じることとなるという問題がある。よって、空調の暖房要求時に、リタードによる無駄な燃料消費を抑え、燃費を向上させるという課題が生じていた。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、空調の暖房要求による要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量を増量させ、このエンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行う場合に、内気循環率補正機能部が、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を抑制し、点火リタード量を減少させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができるエンジンシステムを提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、空調の暖房要求による要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタードを行う制御機能を有しているエンジンの制御装置を備えたエンジンシステムであって、上記エンジンの制御装置は、エンジン水温に応じて算定され且つエンジンの状態ごとに投入可能な熱量に対し投入する熱量の割合を減少させる第1係数と、空調の内気循環と外気循環との合計のうち内気循環の割合に基づく内気循環率に応じて投入する熱量の割合を減少させる第2係数と、を投入可能な熱量に乗じることにより、投入可能な熱量に対して投入する熱量を抑制し、空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させる内気循環率補正機能部を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、空調の暖房要求による要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量を増量させ、このエンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行う場合に、内気循環率補正機能部が、エンジン水温に応じて算定され且つエンジンの状態ごとに投入可能な熱量に対し投入する熱量の割合を減少させる第1係数と、空調の内気循環と外気循環との合計のうち内気循環の割合に基づく内気循環率に応じて投入する熱量の割合を減少させる第2係数と、を投入可能な熱量に乗じることにより、投入可能な熱量に対して投入する熱量を抑制し、空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、エンジンシステムは、さらに、車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度に基づいて算定される窓ガラスが曇らないと想定される条件を満たしながら内気循環率を増加させる制御機能を有する空調制御装置を備え、エンジンの制御装置の内気循環率補正機能部は、上記空調制御装置から上記内気循環率の情報を受けて空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させる機能を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、エンジンシステムの空調制御装置が、さらに、車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度に基づいて算定される窓ガラスが曇らないと想定される条件を満たしながら内気循環率を増加させることができ、エンジンの制御装置の内気循環率補正機能部が、この内気循環率が増加されるにつれて、空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させることができるので、空調制御装置により窓ガラスが曇らないようにしながら、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、エンジンの制御装置の内気循環率補正機能部は、空調制御装置から内気循環率の情報を受けられない場合には、内気循環率を下限値まで下げた状態として、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせる内気循環率仮設定機能を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、内気循環率補正機能部の内気循環率仮設定機能部は、空調制御装置から内気循環率の情報を受けられない場合には、内気循環率を下限値まで下げた状態として、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせることができ、内気循環率の情報が得られない場合であっても、空調の暖房要求による暖房要求熱量を供給するように、空気量及び燃料量を増量させ、このエンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行うことができる。
本発明のエンジンシステムによれば、空調の暖房要求による要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量を増量させ、このエンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行う場合に、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を抑制し且つ点火リタード量を減少させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができる。
本発明の一実施形態によるエンジンシステムをエンジン及びエンジン冷却水経路を中心として示した構成の概略図である。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムを空調システムを中心として示した構成の概略図である。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムのエンジンの制御装置の内気循環率補正機能部が目標となる最終要求熱量を算定する処理の手順を示す図である。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムのエンジンにおいて発生されるトルクと進角の関係を示す図である。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度等に基づいて内気循環率を算定する処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、車室内温度(雰囲気温度)と飽和蒸気圧との関係を例示した飽和蒸気圧マップである。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、飽和蒸気圧と露点温度との関係を例示した露点温度マップである。 本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、窓曇り率と車室内湿度(窓湿度)との関係を例示した窓湿度マップである。
以下、図1及び図2を参照して本発明の一実施形態によるエンジンシステム1について説明する。
図1は本発明の一実施形態によるエンジンシステムをエンジン及びエンジン冷却水経路を中心として示した構成の概略図であり、図2は本発明の一実施形態によるエンジンシステムを空調システムを中心として示した構成の概略図である。
図1において、エンジン冷却水経路4内をエンジン冷却水が流れる様子を矢印f1により例示し、冷媒循環経路48内を冷媒が流れる様子を矢印f2により例示している。
エンジンシステム1は、車両のエンジン2の冷却を行うため、エンジン2から流出したエンジン冷却水を内部で循環させてエンジンに戻すエンジン冷却水経路4と、エンジン冷却水経路4内を流れるエンジン冷却水の熱を暖房に利用するためのヒータコア6と、エンジン冷却水経路4内を流れるエンジン冷却水の熱を外部の空気中に放出するためのラジエータ8と、エンジン冷却水をエンジン冷却水経路4内において圧送するウォータポンプ10とを有している。
エンジン冷却水経路4は、エンジン2と、ヒータコア6と、ラジエータ8と、ウォータポンプ10とが経路上に配置されている。
エンジンシステム1は、さらに、冷媒が循環する冷媒循環経路48と、冷媒ガスを圧縮して圧送するコンプレッサ50と、コンプレッサ50から圧送された冷媒ガスから潜熱を奪って高温高圧の冷媒液とするコンデンサ52と、この冷媒液を一旦貯留するレシーバドライヤ54と、冷媒液を減圧して低温低圧の気液混合冷媒とするエキスパンションバルブ58と、内部を通過する空気を冷媒との熱交換によって冷却するエバポレータ60と、外気又は内気をエアコン本体内の空気通路(図示せず)に取り込むとともに、この取り込んだ空気を下流側である下方へ送出するブロアファン62と、を有している。
エンジンシステム1は、さらに、パワートレインコントロールモジュール28(以下、PCMという)と、エンジン冷却水経路4のエンジン内冷却水経路16の出口部近傍に配置され且つエンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ30と、を備えている。
PCM28は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース(図示せず)と、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU(図示せず)と、車両の各部の制御を行うためのプログラム、データ及び制御信号を格納するメモリ(図示せず)と、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース(図示せず)とを備えている。本発明のエンジンシステムを実現するためのプログラム、およびこのプログラムの実行に使用するデータおよびテーブルは、メモリ上に格納されている。さらに、メモリには、CPUによる演算のための作業領域が設けられ、車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、メモリに記憶される。PCM28は、エンジン2の制御装置として、空調の暖房要求により追加の暖房要求熱量が必要とされる場合にエンジン2において空気量及び燃料量の増量に応じたトルクの増大を抑制する点火リタードを行う内気循環率補正機能部29を有している。
冷却水温度センサ30は、エンジン2から流出するエンジン冷却水の温度を検出する。冷却水温度センサ30は、PCM28と電気的に接続されており、冷却水温度センサ30で検出されたエンジン冷却水の温度が、電気信号としてPCM28に入力されるようになっている。エンジン冷却水経路4には、他にもエンジン冷却水の温度を計測する温度センサ(例えばラジエータ側の流路に設けられた温度センサ)が設けられている。
エンジンシステム1は、さらに、車両の空調の制御を行うため、空調システム12を備えている。
図2に示すように、空調システム12は、空調ダクト14と、ブロアファン62と、エバポレータ60と、ヒータコア6と、空調用操作パネル15と、空調制御ユニット18と、を備えている。
この空調システム12は、乗員が空調用操作パネル15上で設定した設定温度(例えば22℃)、設定風量及び設定方向(例えばデフロスタモード)に応じて空調風の温度、風量及び吹出方向等を自動制御可能なオートエアコンである。空調システム12の空調風は、外気のみ又は内気のみ、或いは外気と内気の混合気によって生成される。
空調ダクト14は、車室内に空調風を導くための通路を形成し、車外から外気を導入する外気導入口14aと、車室内から内気を導入する内気導入口14bと、フロント窓ガラスの内面に空調風を吹き出すデフロスタ吹出口14cと、乗員の正面から空調風を吹き出す正面側吹出口14dと、乗員の側方から空調風を吹き出す側方側吹出口14eと、車両の前部の暖房吹出口14fと、車両の後部の暖房吹出口14g等を備えている。
外気導入口14aと内気導入口14bとの間の位置には、外気導入口14aと内気導入口14bとの開度を調節して内気と外気との混合比率を切り替え可能な第1ダンパ20が設けられている。エバポレータ60及びヒータコア6の下流側の位置には、ヒータコア6を通過する空調風(温風)とエバポレータ60を通過する空調風(冷風)との比率を調節可能な第2ダンパ22が設けられている。空調ダクト14の第2ダンパ22よりさらに下流側においては、デフロスタ吹出口14cから吹出す空調風の状態を調節可能な第3ダンパ24と、正面側吹出口14d及び側方側吹出口14eから吹出す空調風の状態を調節可能な第4ダンパ26と、暖房吹出口14f及び暖房吹出口14gから吹出す空調風の状態を調節可能な第5ダンパ27とが設けられている。第1ダンパ20乃至第5ダンパ27は、各々に設けられたアクチュエータ32によって駆動され、空調風の流量や送風方向を調節可能に構成されている。アクチュエータ32は、電気式のモータによって駆動される。アクチュエータ32は空調制御ユニット18と電気的に接続されており、空調制御ユニット18がアクチュエータ32の回転量を任意に操作できるようになっている。
第1ダンパ20は、外気導入口14aと内気導入口14bとの開度割合を自在に調節することができる。
第1ダンパ20は、アクチュエータ32によって回転駆動され、例えば5段階から10段階、より好ましくは8段階から10段階の間でそれぞれの開度を設定することができる。例えば、第1ダンパ20は、外気導入口14aの開度を100%とし且つ内気導入口14bの開度を0%とすることができる。また、例えば、第1ダンパ20は、外気導入口14aの開度を0%とし且つ内気導入口14bの開度を100%とすることができ、外気導入口14aの開度を50%とし且つ内気導入口14bの開度を50%とすることができ、さらに、外気導入口14aの開度を20%とし且つ内気導入口14bの開度を80%とすることができる。このように、第1ダンパ20は、自身の開度位置により、外気導入口14aの開度割合及び内気導入口14bの開度割合を決定する機能を有する。ここで、外気導入口14a及び内気導入口14bの開度割合の合計を100%とした場合の、内気導入口14bの開度割合を、内気循環率とする。内気循環率は、内気導入口14bの全開状態(開度100%)に対しての開度割合を示すことにもなる。一般的には、内気温度(車室内温度)は外気温度よりも高い温度となっている。第1ダンパ20の開度に応じた位置は、ポジションセンサ45により計測されている。
エバポレータ13は、内部を通過する空調風を冷媒との熱交換によって冷却する冷却機能を有している。エバポレータ60は、ブロアファン62の下流側に配置され、ブロアファン62から送られてくる空調風がエバポレータ60内部を通過するように設けられている。
ヒータコア6は、車両の車室内に温風を供給する空調用ヒータの機能を有するものであり、エンジン冷却水の熱を放熱して暖房に利用するための熱交換器として設けられている。このように、ヒータコア6は空調風を加熱する加熱機能を有している。ヒータコア6はエバポレータ60の下流側において、エバポレータ60通過後の冷風が内部を通過するように配置されている。
空調用操作パネル15は、空調システム12の設定を行うことができる。乗員が設定温度等を設定することにより、空調システム12の空調制御ユニット18が自動的に空調風の温度、風量、湿度、内気循環率及び/又は吹出方向等を調整するオートエアコン機能を選択することができる。
空調制御ユニット18は、空調システム12の各部(例えば、ブロアファン62、第1ダンパ20乃至第5ダンパ27のそれぞれのアクチュエータ32、ポジションセンサ45)と電気的に接続され、各部の制御を行うことができ且つ各部の状態(例えば、第1ダンパ20の開度位置情報)を取得できるようになっている。
また、空調制御ユニット18は、車室内湿度センサ34、車室内温度センサ36、窓ガラス温度センサ38、外気温センサ40、車速センサ42、日射量センサ44及び/又はポジションセンサ45からの各種情報を取得できるようになっている。なお、これらの情報の一部及び全部は、PCM28を介して取得されてもよい。空調制御ユニット18は、上述の各種センサ等の情報に基づいて、オートエアコン機能を実行するオートエアコン制御を実行することができ、例えば、車室の窓ガラスが曇らないように、図8に示すような窓湿度マップに基づいて、第1ダンパ20の開度により内気循環率を調整することができる。
車室内湿度センサ34は、車室内の車室内湿度(内気温度)を検出する。なお、車室内湿度センサ34が、ガラス窓近傍に配置されているので、車室内のガラス窓近傍の湿度(窓湿度)を検出する機能も有している。車室内のガラス窓は例えばフロントガラス窓又はリヤガラス窓である。なお、車室内湿度センサ34と別の窓湿度センサを設けていてもよい。車室内湿度センサ34は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、車室内湿度センサ34で検出された車室内湿度が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。車室内湿度センサ34及び後述する車室内温度センサ36等が設けられていることにより窓ガラスが曇るか否かの判定を行うことができる。
車室内温度センサ36は、車室内の車室内温度(雰囲気温度)を検出する。車室内温度センサ36は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、車室内温度センサ36で検出された車室内温度が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。
窓ガラス温度センサ38は、窓ガラスの車室側に取付けられ且つ窓ガラスの窓ガラス温度を検出する。窓ガラス温度センサ38は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、窓ガラス温度センサ38で検出された窓ガラス温度が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。
外気温センサ40は、車両の外気温を検出できる位置に設けられ且つ外気の外気温度を検出する。外気温センサ40は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、外気温センサ40で検出された外気温度が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。
車速センサ42は、車両の速度を検出する。また、車速センサ42は、空調制御ユニット18及び/又はPCM28と電気的に接続されており、車速センサ42で検出された車両の速度が、電気信号として空調制御ユニット18及び/又はPCM28に入力されるようになっている。
日射量センサ44は、日射量(太陽光強度)を検出する。日射量センサ44は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、日射量センサ44で検出された日射量が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。
ポジションセンサ45は、第1ダンパ20の位置(外気導入口14aと内気導入口14bとの間の開度)を検出する。ポジションセンサ45は、空調制御ユニット18と電気的に接続されており、ポジションセンサ45で検出された第1ダンパ20の位置が、電気信号として空調制御ユニット18に入力されるようになっている。
空調制御ユニット18は、空調システム12の各部及び車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース(図示せず)と、空調システム12の各部及び車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU(図示せず)と、空調システム12の各部及び車両の各部の制御を行うためのプログラム、データ及び制御信号を格納するメモリ(図示せず)と、および空調システム12の各部及び車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース(図示せず)とを備えている。本発明のエンジンシステムを実現するためのプログラム、およびこのプログラムの実行に使用するデータおよびテーブルは、メモリ上に格納されている。さらに、メモリには、CPUによる演算のための作業領域が設けられ、空調システム12の各部及び車両の各部から送られてくるデータおよびこれらの各部に送り出す制御信号は、メモリに記憶される。
空調システム12の各部は、例えば、ブロアファン62、第1ダンパ20乃至第5ダンパ27のそれぞれのアクチュエータ32、車室内湿度センサ34、車室内温度センサ36、窓ガラス温度センサ38、外気温センサ40、車速センサ42、日射量センサ44及び/又はポジションセンサ45等である。空調制御ユニット18は、車両の各部、例えばPCM28と、CAN等の通信システムを介して電気的に接続されている。空調制御ユニット18は、必要に応じてPCM28と双方向に通信を行う。空調制御ユニット18は、PCM28からの指令を受けて空調制御を行うことができ、また、空調制御ユニット18は、PCM28のエンジン制御に必要な情報、例えば第1ダンパ20の開度に基づく内気循環率の情報を算定し、PCM28に常時送信することができる。空調制御ユニット18が各種センサの取得データに基づいて第1ダンパ20の制御及び内気循環率の算定を行うことができるので、PCM28が、内気循環率を直接計測、又は内気循環率を算定することをしないようにできている。
エンジンの制御装置の内気循環率補正機能部29は、空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受けられない場合には、内気循環率を下限値まで下げた状態と仮設定して、エンジン2における空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせる内気循環率仮設定機能部31を備えている。内気循環率仮設定機能部31は、空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受けられない場合においても、一連の処理を中断させることなく、補正係数A4の値を1として仮設定でき、内気循環率補正機能部29が最終要求熱量A7を算出することができるようにし、装置の信頼性を向上させることができる。また、内気循環率仮設定機能部31は、内気循環率を下限値まで下げた状態と仮設定するので、水温係数A3を減少させることなく、最終要求熱量A7を要求される熱量に対して不足させることを防ぎ、最終要求熱量A7を常に要求される熱量以上の値に維持することが可能となる。
次に、図3により、本実施形態のエンジンシステム1のエンジンの制御装置の内気循環率補正機能部29において最終要求熱量A7、すなわち最終投入熱量を計算する処理について説明する。
図3は、本発明の一実施形態によるエンジンシステムのエンジンの制御装置の内気循環率補正機能部が目標となる最終要求熱量を算定する処理の手順を示す図である。
ステップS1において、PCM28の内気循環率補正機能部29は、ベース要求熱量A1を算定する。ベース要求熱量A1は、エンジン2の出力(トルク)との関係だけで要求される基本的な熱量である。すなわち、最終要求熱量を算定しようとする算定時点においてのエンジン2の出力によりベース要求熱量A1が算定される。例えば、エンジン回転数が高く、エンジン2の出力が高い状態においては、エンジン2から生じる熱量がすでに高い状態であり、ベース要求熱量A1が高い熱量の値の状態となっている。
ステップS2において、内気循環率補正機能部29はエンジン回転数及びエンジンの燃焼圧(又は充填効率)を取得する。内気循環率補正機能部29は、暖房要求ベース熱量マップにおいて、異なるエンジンの燃焼圧ごとに、算定時点のエンジン回転数に応じて算定時点で投入可能な最大の熱量A2[J/str]を算定できる。暖房要求ベース熱量マップにおいては、リタードによる失火や燃焼安定性等を考慮して、算定時点で投入可能な最大の想定熱量A2を算定することができる。
ステップS3において、内気循環率補正機能部29は冷却水温度センサ30からエンジン冷却水の水温(エンジン水温)及び始動時のエンジン冷却水の水温(始動時エンジン水温)を取得する又は既に取得し且つ記憶していたエンジン冷却水の水温(エンジン水温)データを利用する。次に、現在のエンジンの状態(例えば、走行状態、又はアイドル状態等)ごとに別に作成される水温ゲインマップにおいて、異なる始動時エンジン水温ごとに、エンジン水温に対し、水温係数A3が算定される。水温係数A3は、算定時点で投入可能な最大の熱量A2に対し、実際に投入する熱量の割合を算定するための係数である。
例えば、エンジン冷却水の水温が高くなるほど、ベース要求熱量A1も高くなり、熱をヒータコア6を介して暖房に有利に利用することができるので水温係数A3は減少される。
ステップS4において、内気循環率補正機能部29は内気循環率(例えば、第1ダンパ20の開度位置情報)を取得する。次に、内気循環率補正テーブルにおいて、取得した内気循環率に対し、補正係数A4が算定される。内気循環率補正テーブルにおいて、内気循環率=0(内気循環の割合が0%且つ外気循環の割合が100%)の場合には、補正係数A4=1となる。一方で、補正係数A4が最小となる場合(内気循環の割合が100%且つ外気循環の割合が0%の場合)には、補正係数A4=0.5等の比較的低い値に設定される。例えば、補正係数A4の下限値は、0.2〜0.5等の範囲の値に設定される。内気循環率補正テーブルにおいては、内気循環率が高いほど、比較的温度の高い内気の割合が多くなるため補正係数は小さくなることが示されている。補正係数A4は、算定時点で投入可能な最大の熱量A2に対し実際に投入する熱量の割合を算定するための水温係数A3を、さらに内気循環率に応じて投入する熱量の割合を減少させることができる補正係数となっている。例えば、内気循環率の割合が高い状態、すなわち車室内に比較的温度の高い内気が多く循環している状態によれば、エンジン2において発生させるべき追加の熱量は比較的小さな熱量で済む一方、車室内に比較的湿度の高い内気が多く循環している状態であるので、窓ガラスが曇りやすくなる傾向がある。よって、空調制御ユニット18により窓ガラスが曇らないように判断された内気循環率の値を受けて、エンジン2において発生させるべき追加の熱量を抑制するように制御を行う。
ステップS4において、エンジンの制御装置の内気循環率補正機能部29の内気循環率仮設定機能部31は、空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受けられない場合には、内気循環率を下限値まで下げた状態と仮定して、エンジン2における空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせる。具体的には、空調制御ユニット18とPCM28との間のCAN等の通信システムの故障により、PCM28が空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受信できない場合、第1ダンパ20及びそのアクチュエータ32の故障により空調制御ユニット18から内気循環率の適切な情報を受けられなくなる場合、ポジションセンサ45の故障により空調制御ユニット18から内気循環率の適切な情報を受けられなくなる場合、又は空調制御ユニット18の故障によりPCM28が空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受信できない場合等において、PCM28の内気循環率補正機能部29の内気循環率仮設定機能部31は、内気循環率の情報を仮設定した状態で、エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせることができる。このとき、空調制御ユニット18から適切な内気循環率の情報を得られない場合であっても、内気循環率を下限値まで下げた状態、例えば、外気開度を100%とし、内気開度を0%とした状態と仮定して、補正係数A4を1と仮設定し、水温係数A3を使用して、空調の暖房要求による暖房要求熱量(暖房要求熱量A6及び最終要求熱量A7)を供給するように、空気量及び燃料量を増量させ、このエンジンにおける空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行うことができる。従って、内気循環率の情報を得られない場合であっても、水温係数A3を補正係数A4によって減少させるような補正機能を無効とする(すなわち補正係数A4を1と仮設定する)ことにより、最終要求熱量A7が不足することを防ぐことができる。
なお、PCM28が空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受けられない場合には、空調制御ユニット18が外気開度を100%とし、内気開度を0%とするように、第1ダンパ20及びそのアクチュエータ32を制御することにより、車室内の窓ガラスに曇りが発生する可能性を低減させる。
ステップS5において、内気循環率補正機能部29は水温係数A3に補正係数A4を乗じ、水温補正係数A5を算定する。水温補正係数A5は、水温係数A3を補正係数A4によって減少させるような補正を行った係数となる。
ステップS6において、算定時点で投入可能な最大の熱量A2に水温補正係数A5を乗じ、暖房要求熱量A6を算定する。暖房要求熱量A6においては、内気循環率に基づいた補正係数A4の情報が反映されることとなる。
ステップS7において、ベース要求熱量A1に対して、暖房要求熱量A6を加算することにより目標となる最終要求熱量A7、すなわち最終投入熱量が算定される。最終要求熱量A7には、内気循環率の情報が含まれるので、内気循環量が増加されている場合に、投入熱量が抑制される。このように算定された最終要求熱量A7に対し、PCM28の内気循環率補正機能部29は、図4に示すように、例えば、充填効率を上昇させ、上昇された充填効率に対してエンジントルクが増加するため、同一トルクを生じさせるように、進角をリタードさせる制御を行う。
次に、図4により、本実施形態のエンジンシステム1のエンジン制御装置の内気循環率補正機能部29において目標充填効率を上昇させ、上昇された充填効率を同一トルクとなるように、進角をリタードさせる制御について説明する。図4は、本発明の一実施形態によるエンジンシステムのエンジンにおいて発生されるトルクと進角の関係を示す図である。図4においては、縦軸にはトルクT[Nm]が示され、横軸には進角Cが示されている。図4において、充填効率を0.2とした場合の進角Cに対するトルクの関係をB1に示す。また、充填効率を0.4とした場合の進角に対してエンジン2から発生されるトルクTの関係をB2に示す。充填効率は、燃焼に寄与する新気の絶対量を表す指標である。よって、エンジン2に投入される空気量が充填効率0.2(B1)の場合よりも充填効率0.4(B2)の場合の方が増大されている。
このように、本実施形態のエンジンシステム1の内気循環率補正機能部29においては、上述のような最終要求熱量A7に対し、エンジン2に投入される空気量(或いは燃料量)を増大させることによりエンジン2から発生する熱量を増大させ、エンジン冷却水の温度上昇を介してヒータコア6から暖房に熱量を供給させている。
図4においては、エンジン2に投入される空気量(或いは燃料量)を増大させ、充填効率0.2から充填効率0.4に上昇させてエンジン2から発生する熱量を増大させる場合に、併せてエンジン2から生じるトルクTが増大してしまうことを示している。このとき、進角Cを基準の進角C1からリタード(点火リタード)させることにより、充填効率0.2の場合の基準の進角Cにおいてエンジン2から生じていたトルクT1と、充填効率0.4の場合のリタードさせた進角C2においてエンジン2から生じるトルクT1とを同一の大きさのトルクとすることができる。リタード(点火リタード)は、燃料の噴射タイミングを、基準の運転状態に対応する噴射タイミングに対して所定の点火リタード量だけ遅らせるものである。
このように、エンジン2に投入される空気量(或いは燃料量)を増大させてエンジン2から発生する熱量を増大させる場合において、点火リタードを用いて、エンジン2から生じるトルクTを一定に保つ燃焼制御を行うことができるが、エンジン2で燃焼したにも関わらず結果としてトルクTに寄与させない(余剰トルク分の)無駄な燃料の消費(ロス)を生じ、燃料を浪費してしまうことにもなる。従って、本実施形態のエンジンシステム1のPCM28の内気循環率補正機能部29により、内気循環率を用いて暖房要求熱量A6を減少させ、且つ最終要求熱量A7を減少させることで、エンジン2に投入される空気量(或いは燃料量)の増大を抑制してエンジン2から生じるトルクTの増大を抑制した場合(図4のB3参照)、同一のトルクT1を実現するために必要な点火リタード量(C1からC3までの点火リタード量)を減少させることができる。
次に、図5乃至図8により、本実施形態のエンジンシステム1の空調システム12において車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度等に基づいて内気循環率を算定する処理について説明する。
図5は本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度等に基づいて内気循環率を算定する処理の手順を示すフローチャートであり、図6は本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、車室内温度(雰囲気温度)と飽和蒸気圧との関係を例示した飽和蒸気圧マップであり、図7は本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、飽和蒸気圧と露点温度との関係を例示した露点温度マップであり、図8は本発明の一実施形態によるエンジンシステムの空調システムにおいて用いられる、窓曇り率と車室内湿度(窓湿度)との関係を例示した窓湿度マップである。
ステップS11に示すように、空調制御ユニット18は、車室内湿度(窓湿度)、車室内温度、窓ガラス温度、外気温度、車速及び日射量を読み込む。
ステップS12に示すように、空調制御ユニット18は、図6に示すように、車室内温度(雰囲気温度)から飽和蒸気圧を算定する。図6に示すように、空調制御ユニット18は、車室内温度(雰囲気温度)と飽和蒸気圧との関係を示す飽和蒸気圧マップを記憶している。図6においては、縦軸には飽和蒸気圧[hPa]が示され、横軸には車室内温度(雰囲気温度)[℃]が示されている。図6において、空調制御ユニット18は、飽和蒸気圧マップを参照して、現時点の車室内温度(雰囲気温度)から飽和蒸気圧を算定することができる。
ステップS13に示すように、空調制御ユニット18は、図7に示すように、飽和蒸気圧から露点温度を算定する。図7に示すように、空調制御ユニット18は、飽和蒸気圧と露点温度との関係を示す露点温度マップを記憶している。図7においては、縦軸には露点温度[℃]が示され、横軸には飽和蒸気圧[hPa]が示されている。図7において、空調制御ユニット18は、露点温度マップを参照して現時点の飽和蒸気圧から露点温度を算定することができる。
ステップS14に示すように、空調制御ユニット18は、窓ガラス温度及び露点温度等から窓曇り率を算定する。窓曇り率は次の式により算定される。
窓曇り率=窓ガラス温度−露点温度+窓曇り検出補正値
窓曇り検出補正値は、外気温度、車速及び/又は日射量等の影響を考慮した補正値として算定される。外気温度が低い場合には、窓ガラスが曇りやすくなるので、窓曇り検出補正値を増大させる。車速が高い場合には、窓ガラスが曇りやすくなるので、窓曇り検出補正値を増大させる。日射量が少ない場合には、窓ガラスが曇りやすくなるので、窓曇り検出補正値を増大させる。
ステップS15に示すように、空調制御ユニット18は、窓曇り率に対する車室内湿度(窓湿度)の窓曇り湿度閾値を算定する。図8に示すように、空調制御ユニット18は、窓曇り率と車室内湿度(窓湿度)との関係を示す窓湿度マップを算定することができる。なお、空調制御ユニット18は、窓曇り率と車室内湿度(窓湿度)との関係を示す窓湿度マップを予め設定されたデータとして記憶することができる。図8においては、縦軸には窓湿度が示され、横軸には窓曇り率が示されている。図8において、空調制御ユニット18は、算定された窓曇り率に対しガラス窓が曇り始める湿度として窓曇り湿度閾値を算定する。窓湿度マップにおいて、窓曇り湿度閾値より上側の領域、すなわち窓湿度が小さくなる側の領域においては窓曇りが発生しないと想定される領域となる。図8に示すような、窓湿度マップにおいて、窓曇り率aである場合に窓湿度H1であるときは、窓曇り湿度閾値上の湿度H4に到達するまで、内気循環の割合、すなわち内気循環率を増大させることが可能である。また、窓曇り率aである場合に窓湿度H2であるときは、窓曇り湿度閾値上の湿度H4に到達するまで、内気循環の割合、すなわち内気循環率を増大させることが可能である。このとき、H4−H1>H4−H2の関係となっている。このように、空調制御ユニット18は、オートエアコン制御において、ガラス窓の窓曇りが発生しないと想定される領域内に留まる限度まで内気循環率を高める制御を行うことができる。また、窓湿度マップにおいて、窓曇り率aである場合に窓湿度H3であるときは、ガラス窓が曇ると想定される状態であるので、窓曇り湿度閾値上の湿度H4に到達するまで、内気循環の割合、すなわち内気循環率を減少させることが必要である。このときは外気循環割合を増やして内気循環割合を減らす制御を行う。
ステップS16においては、窓曇り率と車室内湿度(窓湿度)との関係を示すマップ上において車室内湿度(窓湿度)が窓曇り湿度閾値より小さいか否かを判定する。車室内湿度が窓曇り湿度閾値より小さい場合には、ステップS17に進む。車室内湿度が窓曇り湿度閾値以上である場合には、ステップS18に進む。
ステップS17においては、車室内湿度が窓曇り湿度閾値より小さい場合には、現時点の車室内湿度から、ガラス窓が曇り始める湿度まで余裕がある状態と考えられるので、内気循環率を増大させる。具体的には、第1ダンパ20を内気導入口14bの開度を増大させるように制御する。空調制御ユニット18は、内気循環率を増大させる制御を行った後、リターンに進む。この空調制御ユニット18側で設定される内気循環率の情報は、常時PCM28側の内気循環率補正機能部29に送られている。空調制御ユニット18側で内気循環率が増大される場合には、増大された内気循環率を受けたPCM28側の内気循環率補正機能部29が増大された内気循環率の値に基づいてエンジン2における空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量を減少させる制御を行うことができる。
ステップS18においては、車室内湿度(窓湿度)が窓曇り湿度閾値以上である場合には、現時点の車室内湿度が、ガラス窓が曇り始める湿度に既に達している状態と考えられるので、内気循環率を減少させる。具体的には、第1ダンパ20を内気導入口14bの開度を減少させ、外気導入口14aの開度を増加させるように制御する。空調制御ユニット18は、内気循環率を低減させる制御を行い、リターンに進む。空調制御ユニット18側で内気循環率が減少される場合には、減少された内気循環率を受けたPCM28側の内気循環率補正機能部29が減少された内気循環率の値に基づいてエンジン2における空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量を減少させる処理を行うことができる。
上述の一連の制御がリターンに到達する場合には、再びスタートに戻り、スタートから一連の制御を開始させる。
上述した本発明の一実施形態によるエンジンシステム1によれば、空調の暖房要求により最終要求熱量A7が必要とされる場合にエンジン2において空気量及び燃料量を増量させ、このエンジン2における空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行う場合に、内気循環率補正機能部29が、空調の内気循環と外気循環との合計のうち内気循環の割合に基づく内気循環率が増加されるにつれて、空気量及び燃料量の増量を抑制し且つ点火リタード量を減少させることができるので、エンジン2における空気量及び燃料量の増量を抑制し、点火リタード量を減少させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができる。
また、本実施形態によるエンジンシステム1によれば、エンジンシステム1の空調制御ユニット18が、さらに、車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度に基づいて算定される窓ガラスが曇らないと想定される条件を満たしながら内気循環率を増加させることができ、PCM28の内気循環率補正機能部29が、この内気循環率が増加されるにつれて、空気量及び燃料量の増量を抑制し且つ点火リタード量を減少させることができるので、空調制御ユニット18により窓ガラスが曇らないようにしながら、エンジン2における空気量及び燃料量の増量を抑制し、点火リタード量を減少させることができ、点火リタード時の燃料の消費を抑えて燃費を向上させることができる。
さらに、本実施形態によるエンジンシステム1によれば、内気循環率補正機能部29の内気循環率仮設定機能部31は、空調制御ユニット18から内気循環率の情報を受けられない場合には、内気循環率を下限値である0%まで下げた状態として、エンジン2における空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせることができ、内気循環率の情報が得られない場合であっても、空調の暖房要求による暖房要求熱量を供給するように、空気量及び燃料量を増量させ、このエンジン2における空気量及び燃料量の増量に応じて点火リタードを行う制御を行うことができる。
1 エンジンシステム
2 エンジン
4 エンジン冷却水経路
6 ヒータコア
8 ラジエータ
10 ウォータポンプ
12 空調システム
13 エバポレータ
14 空調ダクト
14a 外気導入口
14b 内気導入口
14c デフロスタ吹出口
14d 正面側吹出口
14e 側方側吹出口
14f 暖房吹出口
14g 暖房吹出口
15 空調用操作パネル
16 エンジン内冷却水経路
18 空調制御ユニット
20 第1ダンパ
22 第2ダンパ
24 第3ダンパ
26 第4ダンパ
27 第5ダンパ
28 パワートレインコントロールモジュール
29 内気循環率補正機能部
30 冷却水温度センサ
32 アクチュエータ
34 車室内湿度センサ
36 車室内温度センサ
38 窓ガラス温度センサ
40 外気温センサ
42 車速センサ
44 日射量センサ
48 冷媒循環経路
50 コンプレッサ
52 コンデンサ
54 レシーバドライヤ
58 エキスパンションバルブ
60 エバポレータ
62 ブロアファン

Claims (3)

  1. 空調の暖房要求による要求熱量が必要とされる場合にエンジンにおいて空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタードを行う制御機能を有しているエンジンの制御装置を備えたエンジンシステムであって、
    上記エンジンの制御装置は、上記エンジン水温に応じて算定され且つ上記エンジンの状態ごとに投入可能な熱量に対し投入する熱量の割合を減少させる第1係数と、空調の内気循環と外気循環との合計のうち内気循環の割合に基づく内気循環率に応じて投入する熱量の割合を減少させる第2係数と、を上記投入可能な熱量に乗じることにより、上記投入可能な熱量に対して投入する熱量を抑制し、空気量及び燃料量の増量に応じた点火リタード量の増量を抑制させる内気循環率補正機能部を有することを特徴とするエンジンシステム。
  2. さらに、
    車室内湿度、車室内温度、窓ガラス温度に基づいて算定される窓ガラスが曇らないと想定される条件を満たしながら上記内気循環率を増加させる制御機能を有する空調制御装置を備え、
    上記エンジンの制御装置の上記内気循環率補正機能部は、上記空調制御装置から上記内気循環率の情報を受けて空気量及び燃料量の増量に応じた上記点火リタード量の増量を抑制させる機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 上記エンジンの制御装置の上記内気循環率補正機能部は、上記空調制御装置から上記内気循環率の情報を受けられない場合には、上記内気循環率を下限値まで下げた状態として、上記エンジンにおける空気量及び燃料量の増量を設定し且つ点火リタード量の設定を行わせる内気循環率仮設定機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンシステム。
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