JP6386932B2 - 混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法、ロータ荷重演算装置、および混練機 - Google Patents

混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法、ロータ荷重演算装置、および混練機 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム、プラスチックなどの被混練材料を混練する混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法に関する。
混練機の混練ロータには、被混練材料の混練中に周期的な加振力が発生する。加振力が大きくなると、その加振力による振動が混練ロータの軸受部を介して混練機全体に伝わり、混練機に悪影響を及ぼす。また、混練ロータに作用する荷重が大きいと、それを支える軸受が損傷することがある。そのため、混練機運転中の混練ロータに発生するロータ荷重を把握することが望まれる。
混練ロータに発生するロータ荷重を把握する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法がある。
特許文献1には、圧力センサまたは歪ゲージを軸受に取り付け、2本のロール間の間隙を押し広げようとする応力を、圧力センサまたは歪ゲージで測定するという方法が記載されている。しかしながら、混練機の混練ロータには、2本のロール間の間隙を押し広げようとする方向の応力だけでなく、この方向に対する直角方向や、斜め方向などの様々なラジアル方向の応力(ロールに対するラジアル方向の応力)が発生する。特許文献1に記載の方法では、これらの様々なラジアル方向の応力を測定することができない。
様々なラジアル方向の応力を測定することができる器具としては、例えば、特許文献2に記載の多分力ロードセルという器具がある。この多分力ロードセルによると、様々なラジアル方向の応力を測定することができる。そのため、この多分力ロードセルと、公知の軸受とを組み合わせれば、混練ロータに発生する様々なラジアル方向のロータ荷重を把握することができると考えられる。
特開2001−277236号公報 特開昭57−169643号公報
しかしながら、一般に軸同士の間隔が狭い2軸の混練ロータを有する2軸式混練機においては、特許文献2に記載のような多分力ロードセルを取り付けるスペースをその軸受部まわりに確保することは困難である。また、1軸の混練ロータを有する1軸式混練機においては、多分力ロードセルを取り付けるスペースは確保し得るものの、多分力ロードセルにより混練ロータの軸受部が肥大化してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、多分力ロードセルというような器具を用いなくても、混練機負荷運転中における混練ロータに発生する様々なラジアル方向のロータ荷重を把握することができる方法を提供することである。
本発明は、混練室の両側において軸受で支持された、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法である。この方法は、前記混練ロータのうちの前記軸受よりも軸端部側の露出部分の、または前記混練ロータの軸端に取り付けた計測用部材の、混練機負荷運転中におけるラジアル方向の変形量を測定する測定工程と、前記混練ロータのうちの前記軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとした前記ラジアル方向の等価荷重と、前記変形量との関係式に、前記測定工程にて測定された前記変形量の値を代入して当該2箇所における前記等価荷重を算出する算出工程と、を備えることを特徴とする。算出した前記等価荷重を前記ロータ荷重とみなす。なお、上記変形量とは、変位量、傾きといった変形量のことである。
本発明によれば、多分力ロードセルというような器具を用いなくても、混練機負荷運転中における混練ロータに発生する様々なラジアル方向のロータ荷重を把握することができる。
ゴム、プラスチックなどの被混練材料を混練する混練機の側断面図である。 図1AのA−A断面図である。 等価荷重の配置例を示すための混練ロータの側面図である。 任意の2箇所に作用するとした等価荷重を配置した場合の混練ロータのモデル化図である。 混練ロータの変形をモデル化した図である。 軸受の変形量を算出するための混練ロータ端部のモデル化図である。 軸受の変形量を算出するための混練ロータ端部のモデル化図である。 混練ロータの軸端に計測用部材が取り付けられた混練機の側断面図である。 図7AのB−B断面図である。 混練ロータに発生するロータ荷重を求めるための各工程を示すフローチャートである。 混練ロータの変位量の測定箇所の例を示す混練ロータのモデル化図である。 校正実験のフローチャートである。 校正実験の方法を示すための混練ロータの側面図である。 有限要素法を用いた変換行列係数(変換行列D)の算出工程を示すフローチャートである。 任意の2箇所に作用するとした等価荷重を配置した場合の混練ロータのモデル化図である。 混練ロータの傾き(傾き量)の測定箇所の例を示す混練ロータのモデル化図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(混練機の構成)
まず、図1A、および図1Bを参照しつつ、ロータ荷重の測定対象である混練機の一例を説明する。図1A、および図1Bに示すように、混練機100は、左右一対の混練ロータ1を有する2軸式の混練機である。2本の混練ロータ1のうちの一方の混練ロータ1は、ギアカップリング6を介して電動モータ7に接続されている。他方の混練ロータ1は、上記一方の混練ロータ1にギア(不図示)を介して接続されている。2本の混練ロータ1は、互いに逆方向に回転するようにされている。
2本の混練ロータ1は、互いに平行に配置された状態でケーシング2の中に収容されている。ケーシング2はバレルと呼ばれることもある。図1Aに示す混練ロータ1の外周面には、ギアカップリング6に接続される側から順に、第一送り部10、第一混練部11、第二送り部12、第二混練部25、および排出部9が形成されている。送り部であるか、混練部であるか、排出部であるかは、混練ロータ1の外周面に形成されたロータ翼の形状、傾きなどにより決まる。なお、送り部であるか、混練部であるか、排出部であるかが明確に区別されないロータ翼部を有する混練ロータもある。
ケーシング2と混練ロータ1の第一送り部10との間の空間、およびケーシング2と第二送り部12との間の空間は、送り室R1である。ケーシング2と混練ロータ1の第一混練部11との間の空間、およびケーシング2と第二混練部25との間の空間は、混練室R2である。また、ケーシング2と混練ロータ1の排出部9との間の空間は排出室R3である。混練室R2は密閉された空間とされる。ケーシング2の上部に取り付けられたホッパ8から投入された被混練材料50は、送り室R1、混練室R2、送り室R1、混練室R2、の順で送られ、溶融した混練物となって排出室R3から出される。ホッパ8の直下の送り室R1は、被混練材料50を上流側の混練室R2へ送るための室である。上流側および下流側の混練室R2は、混練ロータ1の混練部11、25から強力な剪断力を被混練材料50に加えることで被混練材料50を溶融、混練するための室である。上流側の混練室R2の下流側の送り室R1は、被混練材料50を下流側の混練室R2へ送るための室である。被混練材料50が溶融、混練されてなる混練物は、排出室R3から排出される。
混練機100の運転中(被混練材料50の混練運転中)、混練ロータ1の第一混練部11および第二混練部25には、ラジアル方向(ロータ軸に対して直交する方向)の荷重(ロータ荷重)が発生する。また、混練ロータ1の排出部9には、混練部11、25に発生するラジアル方向の荷重の大きさほどでないにしても、ラジアル方向の荷重が同様に発生する。排出部9に形成されたロータ翼により、溶融した混練物が下方(ロータ軸に対する直交方向)に押し出されるため、混練ロータ1の排出部9にはラジアル方向の荷重が発生する。
混練ロータ1は、3つの軸受3,4,5で回転自由に支持されている。送り室R1、混練室R2、および排出室R3を間に挟むようにして、ホッパ8に近い側の送り室R1の上流側に、所定の間隔をあけて軸受4、5が配置され、排出室R3の下流側に軸受3が配置されている。混練ロータ1は、このような形態で、軸受3と、軸受4,5とで少なくとも混練室R2の両側において回転自由に両持ち支持されている。
なお、ここで例示したのは2軸式の混練機であるが、1本の混練ロータを有する1軸式の混練機にも、本発明に係る混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法を適用することができる。
(混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法)
<測定原理>
被混練材料50の混練により発生するロータ荷重(ラジアル方向の荷重)は、主に、混練ロータ1の両端部の軸受により支持される。このロータ荷重によって軸受は変形する。このとき、軸受に作用するラジアル方向の荷重をFb、軸受のばね剛性をKb、軸受のラジアル方向の変形量をXbとすると、次の(式1)からFbを算出することができる。
Fb=Kb×Xb ・・・(式1)
軸受のばね剛性Kbがわかっていれば、軸受のラジアル方向の変形量Xbを測定などにより求めることで、軸受に作用するラジアル方向の荷重Fbを算出することができる。Fbが求まれば、混練ロータ1のうちの軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとしたラジアル方向の等価荷重として、混練ロータ1に発生するロータ荷重を求めることができる。以下、説明する。
混練ロータ1のうちの軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとしたラジアル方向の等価荷重をF1、F2とする。これらF1、F2の配置例を図2に示す。図2中の上側に示す混練ロータ1は、図1Aに示す混練ロータ1である。混練ロータ1では、第二混練部25の中央に等価荷重F1を配置し、第一混練部11の中央に等価荷重F2を配置している。なお、図2に示す各部品において、図1Aに示す各部品と同じものについては同じ符号を付している(他の図についても同様)。Fb1は、軸受3に作用するラジアル方向の荷重であり、Fb2は、軸受4に作用するラジアル方向の荷重である。
図2中の真ん中に示す混練ロータ21は、第一送り部22、混練部23、および第二送り部24をこの順に有する混練ロータである。混練ロータ21では、混練部23の両端部に等価荷重F1、F2を配置している。
図2中の下側に示す混練ロータ31は、第一送り部32、混練部33、第二送り部34、および排出部35をこの順に有する混練ロータである。混練ロータ31では、排出部35の中央に等価荷重F1を配置し、混練部33の中央に等価荷重F2を配置している。
このように、本発明では、混練ロータのうちの軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとしたラジアル方向の等価荷重として、混練ロータに発生するロータ荷重を求めている。
図3に示したように、混練ロータ1のうちの軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとしたラジアル方向の等価荷重F1、F2の軸受3からの距離を、それぞれ、l1、l2とし、軸受3と軸受4との間の距離をlとしたとする。この場合、次の(式2)が成立する。
F1+F2=Fb1+Fb2、F1×l1+F2×l2=Fb2×l ・・・(式2)
(式2)を解くと、次の(式3)となり、この(式3)から等価荷重F1,F2を算出することができる。
F1=(l2×Fb1+(l2−l)×Fb2)/(l2−l1)
F2=(l1×Fb1+(l1−l)×Fb2)/(l2−l1) ・・・(式3)
なお、等価荷重F1,F2とは、軸受3,4に作用するラジアル方向の荷重Fb1,Fb2と釣り合い、且つ、荷重Fb1,Fb2により生じるモーメントとも釣り合う様に想定された、混練によりロータ軸(混練ロータ1)に作用すると考えられるラジアル方向の荷重のことをいう。
<軸受の変形量の求め方>
ここで、軸受3,4に作用するラジアル方向の荷重Fb1,Fb2は、それぞれの軸受3,4のばね剛性Kb1,Kb2がわかっていれば、軸受3,4のラジアル方向の変形量Xb1,Xb2を測定などにより求めることで、(式1)より算出することができる。しかしながら、軸受3,4のラジアル方向の変形量Xb1,Xb2を求めることは容易ではない。図1Aからわかるように、軸受3,4はケーシング2の中に収容されているため、軸受3,4まわりのケーシング2を外したりしてその変形量を測定しなければならないからである。
そのため、混練ロータ1のうちの軸受3,4よりも軸端部側の露出部分であって、且つ軸受近傍のロータ軸部の変位量および傾きを測定することで、間接的に、軸受3,4の変形量Xb1,Xb2を求める。混練ロータ1のうちの軸受3と軸受4との間の部分には露出部分が無い。そのため、変位量などの測定箇所を、混練ロータ1のうちの軸受3,4よりも軸端部側としている。以下、説明する。
混練ロータ1は細長い構造であるため、図4に示したように、混練により発生するラジアル荷重により混練ロータ1には曲げが生じる。そこで、変位量に加えて傾きを測定することで、その測定点近傍に位置する軸受3,4の変形量Xb1,Xb2を、ロータ軸部の変位量および傾きの測定結果から計算により求める。
軸受3の変形量Xb1の求め方を図5を参照しつつ説明する。図5に示したように、軸受3から距離l離れたロータ軸部の測定点において、混練ロータ1のラジアル方向の変位量Xと、ロータ軸心方向に対する傾きθ(傾き変位)とを測定する。その測定結果から、(式4)により、軸受3の変形量Xb1を算出する。
Xb1=X+l×θ ・・・(式4)
このように、混練ロータ1のラジアル方向の変位量Xと傾きθの測定を行えば、軸受3の変形量Xb1を求めることができる。なお、軸受4,5についても同じ方法で、それぞれの変形量を求めることができる。変位量Xを測定する計器として変位計14を図5中に示している。変位計14としては、渦電流式変位計、レーザ式変位計などの非接触式変位計を挙げることができる。傾きθを測定する計器(傾斜センサ)の図示は省略している。
<等価荷重の求め方1>
軸受3,4の変形量Xb1,Xb2がわかれば、(式1)および(式3)より等価荷重F1、F2を算出することができる。
<等価荷重の求め方2>
ここで、混練ロータ1および軸受3,4,5の大部分はケーシング2で覆われているので、変位計14の取付が容易でないことがある。そのため、測定箇所を減らすことが望まれる。軸受近傍のロータ軸部(混練ロータ1)の変位量、および傾きという2つのパラメータを用いる等価荷重F1,F2の算出方法では、軸受3,4近傍の両方のロータ軸部(混練ロータ1)の変位量、および傾きをそれぞれ求めることを行わずとも、いずれか一方の変位量、および傾きを求めることで、等価荷重F1,F2を算出することができる。以下、説明する。
等価荷重F1,F2によって、混練ロータ1のうちの軸受よりも軸端部側での軸受近傍のロータ軸部の変位量Xおよび傾きθは一意に決まる。それぞれの値は、次の(式5)のとおり、等価荷重F1,F2の一次結合で表される。α1、α2、β1、β2は、等価荷重F1,F2の位置、軸受のばね剛性、および混練ロータの曲げ剛性で定まる定数である。
X=α1×F1+α2×F2
θ=β1×F1+β2×F2 ・・・(式5)
(式5)を変形すると(式6)になる。1箇所の変位量Xおよび傾きθを求めることで等価荷重F1,F2の算出が(式6)より可能となる。軸受の変形と、混練ロータの曲げ変形とが同時に発生すること、および、軸受および混練ロータの両方の変形を考慮することで等価荷重F1,F2を(式6)より算出することができる。
<等価荷重の求め方3>
前記した等価荷重F1,F2の2種類の求め方は、いずれも、軸受近傍のロータ軸部(混練ロータ1)の変位量、および傾き(混練機負荷運転中における水平方向に対するロータ軸部(混練ロータ1)の傾き)から等価荷重を算出する方法である。これに対して、軸受近傍のロータ軸部(混練ロータ1)における軸方向で隣り合う2つの位置の変位量X1,X2から、等価荷重F1,F2を算出することもできる。図6を参照しつつ説明する。
図6に示したように、軸受3から距離l2離れた箇所のロータ軸部(混練ロータ1)のラジアル方向の変位量X2を変位計14にて測定する。また、変位計14による測定箇所から距離l1離れた箇所のロータ軸部(混練ロータ1)のラジアル方向の変位量X1を変位計15にて測定する。なお、変位計14からその測定点に延びる仮想線(変位計14を基端とする測定方向に延びる仮想線)と、変位計15からその測定点に延びる仮想線(変位計15を基端とする測定方向に延びる仮想線)とが含まれる仮想の面は、軸受近傍のロータ軸部(混練ロータ1)の軸中心線を含む面となる。
軸受3の変形量Xb1を示す前記した(式4)中のX、およびθは、X1とX2との1次結合の式(7)でそれぞれ表すことができる。
X=X2
θ=1/l1(X2−X1) ・・・(式7)
(式7)のX、θを(式6)に代入すると、次の(式8)が得られる。
(式8)に示すように、軸受近傍のロータ軸部(混練ロータ1)における軸方向で隣り合う2つの位置の変位量X1,X2と、等価荷重F1,F2とは変換行列Dで直接的に関係付けられる。すなわち、等価荷重F1,F2を上記変位量X1,X2から(式8)より算出することができる。なお、等価荷重F1,F2と変位量X1,X2とを関連付ける変換行列Dは、等価荷重F1,F2の位置、軸受のばね剛性、および混練ロータの曲げ剛性から算出する。また、図1Aに示す混練ロータ1のような、2つの軸受ではなく、3つの軸受3,4,5で支持された混練ロータ1においても変換行列Dを算出することができる。さらには、4つ以上の軸受で支持された混練ロータにおいても変換行列Dを算出することは可能である。
<キャリブレーション>
ここで、軸受のばね剛性が不明であったり、混練ロータの曲げ剛性が不明であったりした場合は、以下に記載の内容を行うことで、(式8)中の変換行列Dを求める。
等価荷重F1,F2の位置に既知の荷重を与え、そのときの変位量を求める。この変位量は、変位計14,15による測定箇所と同じ位置の変位量のことである。理論上は、等価荷重F1,F2を想定した1組の既知の荷重を混練ロータ1に与え、そのときの変位量を求めることを、一次独立(比例関係でない関係)の関係にある既知の荷重で2回行うことで、変換行列Dを算出することができる。なお、1組の既知の荷重を与え、そのときの変位量を求めることの回数を増やせば、その分、精度の良い変換行列Dを算出することができる。
<ロータ荷重を求めるための具体的な手順>
図7Aから図8を参照しつつ、混練ロータ31(図2に示したもの)に発生するロータ荷重を求めるための具体的な手順を一例として説明する。
図7Aに示す混練機101は、図1Aに示す混練機100と比較して、混練ロータの構成が違うのみで、その他の構成は混練機100と同じ混練機である。この混練機101は、混練ロータ31の電動モータ7とは反対側の軸端にターゲット部材13(計測用部材)を取り付けたものである。ターゲット部材13は、円筒形状とされており、混練ロータ31と同軸となるようにその軸端に取り付けられている。ターゲット部材13は、軸受3に近い位置に取り付けられている。
ターゲット部材13の軸方向で隣り合う2つの位置のラジアル方向の変位量をそれぞれ測定する変位計14,15が、治具16に取り付けられている。治具16は、ケーシング2のうちの軸受3に近い位置に取り付けられている。このように、治具16は、ケーシング2などの機械フレームに固定される必要がある。混練運転中にケーシング2が動いたとしても、ケーシング2に治具16を固定することで、変位計14,15もケーシング2とともに動き、相対変位を測定することができるためである。ケーシング2のうちの軸受3に近い位置に治具16を取り付けるのは、ケーシング2の変形の影響を小さくするためである。変位計14と変位計15との間の距離は長いほうが好ましい。変位計14と変位計15との間の距離が長いほうが等価荷重(=ロータ荷重)をより正確に算出することができるからである。変位計14,15は、治具16を介して、ケーシング2(機械フレーム)のうちの軸受3に近い位置に取り付けられる。
変位計14,15は、ターゲット部材13のラジアル方向のうちの鉛直方向の変位量を測定するものである。これに対して、ターゲット部材13のラジアル方向のうちの水平方向の変位量を測定する変位計17,20も、ターゲット部材13の軸方向に所定の間隔をあけて、治具18に取り付けられている。治具18は、治具16と同じく、ケーシング2のうちの軸受3に近い位置に取り付けられる。
変位計14,15,17,20と、治具16,18とで、混練機運転中におけるラジアル方向の変位量を測定する測定装置を構成する。
また、混練機101は、等価荷重F1,F2(図2の混練ロータ31を参照)を算出する演算装置19を備えている。演算装置19は、混練ロータ31のうちの軸受3,4同士の間に挟まれた任意の2箇所(本実施形態では、混練部11および排出部9)に作用するとしたラジアル方向の等価荷重F1,F2と、変位計14,15にてそれぞれ測定された変位量X1,X2との関係式(式(8))から、当該2箇所における等価荷重F1,F2を算出する。これにより算出される等価荷重F1,F2は、鉛直方向のラジアル方向の等価荷重である。なお、演算装置19は、水平方向のラジアル方向の変位量を測定する変位計17,20にてそれぞれ測定された変位量X1,X2からも、上記と同様にして、水平方向のラジアル方向の等価荷重を算出する。
変位計14,15,17,20と、治具16,18とで構成される測定装置と、演算装置19とで、混練ロータ1に発生するロータ荷重を求めるロータ荷重演算装置を構成する。
図8を参照しつつ、混練ロータ31に発生するロータ荷重を求めるための各ステップを、順を追って説明する。
まず、変位計14,15,17,20を図7Aに示したように混練機に取り付ける(ステップ1(S1と記載、他のステップも同様))。ここで、変位計14,15は、ターゲット部材13のラジアル方向のうちの鉛直方向の変位量を測定するものである。変位計17,20は、ターゲット部材13のラジアル方向のうちの水平方向の変位量を測定するものである。ターゲット部材13のラジアル方向のうちの右斜め45°や、左斜め45°の変位量を測定する変位計を混練機に取り付ければ、ラジアル方向のうちのこれら斜め45°方向の等価荷重(=ロータ荷重)も求めることができる。なお、ラジアル方向とは、ロータ軸(混練ロータ31)に対して直交する方向のことである。
混練機101の無負荷運転を開始する(S2)。そして、回転するターゲット部材13のラジアル方向のうちの各位相(本実施形態では、鉛直方向および水平方向)でのターゲット部材13の変位量を測定する(S3)。この場合、ターゲット部材13の変位量は、基本的には、混練機101の無負荷運転を開始する前の(混練ロータ31およびターゲット部材13が静止した状態での)ターゲット部材13の位置を基準位置とする。なお、後述するステップ5(S5)での測定基準位置と同じであれば、混練機101の無負荷運転を開始する前のターゲット部材13の位置を基準位置とする必要は必ずしもない。S3での測定基準位置と、S5での測定基準位置とを合わせておけばよいのである。
無負荷運転でのターゲット部材13の変位量を測定するのは、混練ロータ31自体の振れ回りの影響を排除するためである。変位計14,15による鉛直方向の変位量の測定と、変位計17,20による水平方向の変位量の測定とは、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい(S5においても同様)。混練ロータ31自体の振れ回りの影響が非常に小さい場合は、この無負荷運転での変位量の測定を省略してもよい。無負荷運転での変位量の測定を省略する場合は、混練機101の無負荷運転を開始する前の(混練ロータ31およびターゲット部材13が静止した状態での)ターゲット部材13の位置を基準位置として、後述するステップ5(S5)を行う。
次に、被混練材料50を混練機101に投入しての負荷運転を開始する(S4)。そして、この混練機101の負荷運転中、混練ロータ軸31は回転しているが、混練ロータ軸31の各位相(0°〜360°)におけるラジアル方向(本実施形態では鉛直方向および水平方向)でのターゲット部材13の変位量を測定する(S5(測定工程))。
無負荷運転および負荷運転での変位量の測定データは、演算装置19に入る。演算装置19は、負荷運転時の変位量と、無負荷運転時の変位量との差を、混練ロータ軸31の各位相毎に算出する(S6)。各位相における負荷運転時の変位量と無負荷運転時の変位量との差が、前記した(式8)中の変位量X1,X2であり、この(式8)より演算装置19にて、混練ロータ軸31の各位相におけるラジアル方向の等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出する(S7(算出工程))。
上記した実施形態では、混練ロータ1の軸端に取り付けたターゲット部材13のラジアル方向の変位量を測定しているが、混練ロータ1に露出部分がある場合には、その露出部分のラジアル方向の変位量を測定してもよい。例えば、図9中の上側に示すように、電動モータ7とは反対側の(混練ロータ31の排出部35側の)混練ロータ1の軸端部が露出していれば、その部分のラジアル方向の変位量を変位計14,15で測定してもよい。また、図9中の下側に示すように、電動モータ7側の混練ロータ31の軸端部が露出していれば、その部分のラジアル方向の変位量を変位計14,15で測定してもよい。ギアカップリング6は、曲げモーメントを伝達せず、トルクのみを伝達するため、駆動部(電動モータ7)側端部でも、排出部35側端部と同様に、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することができる。
さらには、混練ロータ31のうちの軸受4と軸受5との間の部分が露出していれば、その軸受4と軸受5との間の部分の軸受近傍位置のラジアル方向の変位量を変位計14,15で測定してもよい。
<キャリブレーションの具体的な手法>
軸受のばね剛性が不明であったり、混練ロータの曲げ剛性が不明であったりした場合の、(式8)中の変換行列Dを求める具体的な方法を、図10から図12を参照しつつ説明する。
<実測値に基づいて行うキャリブレーション方法>
図10は、校正実験のフローチャートである。混練機100のケーシングを取り外す(ステップ1(S1と記載、他のステップも同様))。その後、図11に示すように、荷重評価位置E1にジャッキ50を設置する(S2)とともに、変位計14,15を混練機に取り付ける(S3)。なお、この変位計14,15を取り付ける位置は、混練機負荷運転時の取付位置と同じであり、混練機負荷運転時に測定する位置および位相と同じ位置および位相のロータ軸(混練ロータ31)のラジアル方向の変位量の測定を行う。
ジャッキ50により荷重評価位置E1に荷重をかけて、ロータ軸(混練ロータ31)のラジアル方向の変位量の測定を行う。測定は、少なくとも1回行えばよい(S4)。なお、ジャッキ50で混練ロータ31に荷重を付加する前の位置を変位量測定の基準位置とし、この基準位置からの変位量を、ロータ軸(混練ロータ31)のラジアル方向の変位量とする。
このロータ軸(混練ロータ1)のラジアル方向の変位量の測定を、ロータ軸(混練ロータ31)を45°ずつ回転させて、それぞれの位相で行う(S5)。360°(1周)測定が終わったら、荷重評価位置E1のジャッキ50を取り外す(S6)。そして、荷重評価位置E2にジャッキ50を設置する(S7)
ジャッキ50により荷重評価位置E2に荷重をかけて、ロータ軸(混練ロータ31)のラジアル方向の変位量の測定を行う。測定は、少なくとも1回行えばよい(S8)。なお、ジャッキ50で混練ロータ31に荷重を付加する前の位置を変位量測定の基準位置とし、この基準位置からの変位量を、ロータ軸(混練ロータ31)のラジアル方向の変位量とする。
このロータ軸(混練ロータ1)のラジアル方向の変位量の測定を、ロータ軸(混練ロータ31)を45°ずつ回転させて、それぞれの位相で行う(S9)。360°(1周)測定が終わったら、荷重評価位置E1および荷重評価位置E2での測定結果から、(式8)中の変換行列Dを算出する(S10)。
また、前記した例では、荷重評価位置E1と荷重評価位置E2とに別々に荷重をかけたが、荷重評価位置E1と荷重評価位置E2とに同時に荷重をかけてもよい。ただし、荷重評価位置E1にかける荷重と、荷重評価位置E2にかける荷重との組み合わせは、少なくとも2種の荷重の組み合わせで計測を行なう必要があり、かつ、2種の荷重の組み合わせは、相互に一次独立(比例関係でない関係)の関係にあるものである必要がある(後述する、有限要素法を用いて行うキャリブレーション方法においても同様)。
<有限要素法を用いて行うキャリブレーション方法>
図12は、有限要素法を用いた変換行列D(変換行列係数)の算出工程を示すフローチャートである。以下の各ステップは、コンピュータにて行う。混練ロータ31および軸受3,4のFEM解析用のモデル化を行う(ステップ1(S1と記載、他のステップも同様))。FEM解析モデルの混練ロータ31の荷重評価位置E1(図11参照)に荷重をかけ(S2)、混練ロータ31の軸端部の変位量および傾きをFEM解析にて求める(S3)。その後、荷重評価位置E2(図11参照)に荷重をかけ(S4)、混練ロータ31の軸端部の変位量および傾きをFEM解析にて求める(S5)。FEM解析結果から、(式8)中の変換行列Dを算出する(S6)。なお、荷重評価位置E1にかける荷重と、荷重評価位置E2にかける荷重との組み合わせは、少なくとも2種の荷重の組み合わせで解析を行なう必要があり、かつ、2種の荷重の組み合わせは、相互に一次独立(比例関係でない関係)の関係にあるものである必要がある。
(作用・効果)
本発明では、混練ロータのうちの軸受3,4,5のいずれかよりも軸端部側の露出部分の、または混練ロータの軸端に取り付けたターゲット部材13(計測用部材)の、混練機負荷運転中におけるラジアル方向の変形量を測定する(測定工程)、その後、混練ロータのうちの前記軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとしたラジアル方向の等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)と、前記変形量との関係式(例えば、式(6)、式(8))に、前記測定工程にて測定された前記変形量の値を代入して当該2箇所における等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出する(算出工程)。
この構成によると、多分力ロードセルというような器具を用いなくても、混練機負荷運転中における混練ロータに発生する様々な向きの(上下方向や水平方向などの)ラジアル方向のロータ荷重を把握することができる。
また、前記変形量は変位量であって、前記測定工程において、混練ロータの軸端部側の露出部分の、またはターゲット部材13(計測用部材)の、軸方向で隣り合う2つの位置の変位量を測定し、その後、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)と、前記2つの位置の変位量との関係式(式(8))に、前記測定工程にて測定された前記2つの位置の変位量の値を代入して、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することが好ましい。
この構成によると、「傾き」を測定することなく、「変位量」の測定のみで、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することができる。
また、本発明において、混練ロータ1のうちの軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に既知の静荷重を付与して、前記軸端部側の露出部分の、またはターゲット部材13(計測用部材)の、混練機停止中における変形量を測定し、その後、得られた測定結果から、前記算出工程における前記関係式の中の係数(例えば、式(6)中の変換行列C、式(8)中の変換行列D)を算出しておくことも好ましい。
この構成によると、軸受のばね剛性が不明であったり、混練ロータの曲げ剛性が不明であったりした場合でも、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することができる。
また、本発明において、前記算出工程における前記関係式の中の係数(例えば、式(6)中の変換行列C、式(8)中の変換行列D)を解析手法(例えば有限要素法)を用いて算出しておくことも好ましい。
この構成によると、上記と同様、軸受のばね剛性が不明であったり、混練ロータの曲げ剛性が不明であったりした場合でも、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することができる。
(混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法その2)
<測定原理と等価荷重の求め方>
前記したロータ荷重を求める方法は、混練ロータの曲げ変形と軸受の変形に着目したもの(混練ロータの曲げ変形量と軸受の変形量を求めることによるもの)である。これに対して次に示すロータ荷重を求める方法は、混練ロータの曲げ変形にのみ着目したものである。
混練により発生する荷重は混練ロータ1の各軸受で支持され、混練ロータ1には曲げ変形が生じる。曲げモーメントMと混練ロータ1の曲げ角度θとの関係は、混練ロータ1の断面二次モーメントIとヤング率Eを用いて次の(式9)で示される。
EIθ=−∫Mdx ・・・(式9)
図13は、任意の2箇所に作用するとした等価荷重F1,F2を配置した場合の混練ロータ1のモデル化図である。なお、等価荷重F1,F2とは、軸受3,4,5に作用するラジアル方向の荷重Fb1,Fb2,Fb3と釣り合い、且つ、荷重Fb1,Fb2,Fb3により生じる曲げモーメントとも釣り合う様に想定された、混練によりロータ軸(混練ロータ1)に作用すると考えられるラジアル方向の荷重のことをいう。図13中のθ1、θ2は、それぞれ、混練ロータ1のうちの軸受3,5よりも軸端部側の露出部分であって、且つ軸受近傍のロータ軸部の上記と同じラジアル方向の傾き(傾き量)である。
ここで、(式9)における異なる3つのケースの関係式を傾きθ1、θ2、各荷重F、および各作用点間距離(l1〜l5)を用いて算出する(3つのケースの関係式の記載は省略)。これら3つの関係式からそれぞれの軸受荷重を算出し、次の(式10)で示す力とモーメントの釣り合い式に代入する。そして代入した(式10)を整理すると(式11)が得られ、この(式11)から等価荷重F1,F2を算出することができる。
F1+F2=Fb1+Fb2+Fb3
F1×l1+F2×(l1+l2)=(l1+l2+l3)×Fb2+(l1+l2+l3+l4)××Fb3
・・・(式10)
傾きθ1、θ2(傾き量)の測定は、例えば図6に示す方法で行う。変位計14,15で測定した変位量X2,X1から前記した(式7)により軸受3,5近傍のロータ軸部の傾きθ1、θ2を測定(検出)することができる。なお、傾きを測定できる計器(傾斜センサ)で傾きθ1、θ2を測定(検出)してもよい。
等価荷重F1,F2と傾きθ1、θ2とを関連付ける(式11)中の変換行列Cは、等価荷重F1,F2の位置、および混練ロータの曲げ剛性から算出する。
<キャリブレーション>
こで、混練ロータの曲げ剛性が不明な場合は、以下に記載の内容を行うことで、(式11)中の変換行列Cを求める。
等価荷重F1,F2の位置に既知の荷重を与え、そのときの傾き(傾き量)を測定する。この傾き(傾き量)の測定位置は、混練機負荷運転(実負荷運転)における測定位置と同じ位置である。理論上は、等価荷重F1,F2を想定した1組の既知の荷重を混練ロータ1に与え、そのときの傾き(傾き量)を求めることを、一次独立(比例関係でない関係)の関係にある既知の荷重で2回行うことで、変換行列Cを算出することができる。なお、1組の既知の荷重を与え、そのときの傾き(傾き量)を求めることの回数を増やせば、その分、精度の良い変換行列Cを算出することができる。
<ロータ荷重を求めるための具体的な手順>
混練ロータ31(図2に示したもの)に発生するロータ荷重を求めるための具体的な手順の例については、図7Aから図8を参照しつつ説明した軸受の変形に着目した場合の前記した<ロータ荷重を求めるための具体的な手順>と同様であるので細かな相違点のみ記載する。図8に示すフローチャートのS1(ステップ1)では、図7A,Bに示すように変位計14,15,17,20を配置するとともに、例えば混練ロータ31のターゲット部材13とは反対側の軸端部、すなわち軸受5(図7Aでは図示が省略されている)の近くの混練ロータ31の変位を測定できるように、変位計14,15、および17,20とそれぞれロータ回転方向の位相を合わせて、変位計14,15、および17,20に対応する2組の変位計(計4つの変位計)を取り付ける(図7Aで図示を省略している軸受5近くの変位計の配置に関し例えば図14中の上側の図を参照)。S3(ステップ3)において、測定した変位量から(式7)により傾きθ(傾き量)を求める。同様に、S5(ステップ5)においても、測定した変位量から(式7)により傾きθ(傾き量)を求める。なお、ステップ3、5では、ターゲット部材13の傾きθ1(傾き量)、および軸受5近傍での混練ロータ31の傾きθ2(傾き量)を各位相でそれぞれ求める。S6(ステップ6)に関しては、「変位量」を「傾き(傾き量)」に読み替え、S7(ステップ7)に関しては、「式(8)より」を「式(11)より」に読み替えて頂きたい。
図14は、混練ロータ31の傾き(傾き量)の測定箇所の例を示す混練ロータ31のモデル化図である。図14中の上側に示す例では、混練ロータ31の軸受3、5の近傍で、それぞれ、混練ロータ31の傾き(傾き量)を測定している。図14中の中段に示す例では、軸受5の近傍で傾き(傾き量)を測定する場合に、軸受5の両側を変位計14,15で計測している。図14中の下側に示す例では、軸受4、5の近傍で、それぞれ、混練ロータ31の傾き(傾き量)を測定している。なお、図14に示すいずれの例においても、測定箇所は、混練ロータ31の露出部分であり、且つ計2箇所である。
<キャリブレーションの具体的な手法>
混練ロータの曲げ剛性が不明であった場合の(式11)中の変換行列Cを求める具体的な手法は、図10から図12を参照しつつ説明した軸受の変形に着目した場合の前記した<キャリブレーションの具体的な手法>と同様であるので細かな相違点のみ記載する。
<実測値に基づいて行うキャリブレーション方法>
図10に示すフローチャートのS4(ステップ4)、およびS8(ステップ8)に関して、「変位量」を「2箇所の傾き(傾き量)」に読み替える。また、S10(ステップ10)の「変換行列Dの算出」は、「(式11)の変換行列Cの算出」と読み替える。なお、傾き(傾き量)の測定箇所は、ターゲット部材13(図7A、B参照)であったり、図14に示す混練ロータ31の軸受近傍の露出部分であったりする。
<有限要素法を用いて行うキャリブレーション方法>
図12に示すフローチャートのS3(ステップ3)、およびS5(ステップ5)の「混練ロータ軸端部の変位量及び傾きの算出」は、「2箇所の傾き(傾き量)の算出」と読み替え、S6(ステップ6)の「変換行列Dの算出」は、「(式11)の変換行列Cの算出」と読み替える。
(作用・効果)
上記した実施形態のように、混練ロータのうちの軸受3,4,5のいずれかよりも軸端部側の任意に選択した2つの(2箇所の)露出部分の、または任意に選択した1つの(1箇所の)露出部分と混練ロータの軸端に取り付けたターゲット部材13(計測用部材)の、混練機負荷運転中におけるラジアル方向の変形量としての傾きθ1、θ2(傾き量、図13参照)を測定し(測定工程)、その後、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)と、前記傾きθ1、θ2(傾き量)との関係式(式(11))に、前記測定工程にて測定された前記傾き(傾き量)の値を代入して、等価荷重F1,F2(=ロータ荷重)を算出することも好ましい。
この構成によると、上記した等価荷重F1,F2の求め方は、軸受の変形に着目したものではなく、混練ロータの曲げ変形のみに着目したものであるので、軸受3,4,5のガタが仮に大きかったとしても、精度良く等価荷重F1,F2を推定することができる。
1:混練ロータ
2:ケーシング
3、4、5:軸受
6:ギアカップリング
7:電動モータ
8:ホッパ
9:排出部
10:第一送り部
11:第一混練部
12:第二送り部
13:ターゲット部材(計測用部材)
14、15:変位計
16:治具
19:演算装置
25:第二混練部
R1:送り室
R2:混練室
R3:排出室
100、101:混練機

Claims (7)

  1. 混練室の両側において軸受で支持された、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法であって、
    前記混練ロータのうちの前記軸受よりも軸端部側の露出部分の、または前記混練ロータの軸端に取り付けた計測用部材の、混練機負荷運転中におけるラジアル方向の変形量を測定する測定工程と、
    前記混練ロータのうちの前記軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとした前記ラジアル方向の等価荷重と、前記変形量との関係式に、前記測定工程にて測定された前記変形量の値を代入して当該2箇所における前記等価荷重を算出する算出工程と、
    を備え、
    算出した前記等価荷重を前記ロータ荷重とみなす、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法。
  2. 請求項1に記載のロータ荷重を求める方法において、
    前記変形量は、変位量であって、
    前記測定工程において、前記軸端部側の露出部分の、または前記計測用部材の、軸方向で隣り合う2つの位置の前記変位量を測定し、
    前記算出工程において、前記等価荷重と、前記2つの位置の前記変位量との関係式に、前記測定工程にて測定された前記2つの位置の前記変位量の値を代入して前記等価荷重を算出することを特徴とする、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法。
  3. 請求項1に記載のロータ荷重を求める方法において、
    前記変形量は、傾き量であって、
    前記測定工程において、前記軸端部側の2つの露出部分の、または前記軸端部側の1つの露出部分と前記計測用部材の、前記傾き量を測定し、
    前記算出工程において、前記等価荷重と、前記傾き量との関係式に、前記測定工程にて測定された前記傾き量の値を代入して前記等価荷重を算出することを特徴とする、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のロータ荷重を求める方法において、
    前記2箇所に既知の静荷重を付与して、前記軸端部側の露出部分の、または前記計測用部材の、混練機停止中における前記変形量を測定し、その後、得られた測定結果から、前記算出工程における前記関係式の中の係数を算出しておくことを特徴とする、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のロータ荷重を求める方法において、
    前記算出工程における前記関係式の中の係数を解析手法を用いて算出しておくことを特徴とする、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求める方法。
  6. 混練室の両側において軸受で支持された、混練機の混練ロータに発生するロータ荷重を求めるロータ荷重演算装置であって、
    前記混練ロータのうちの前記軸受よりも軸端部側の露出部分の、または前記混練ロータの軸端に取り付けた計測用部材の、混練機負荷運転中におけるラジアル方向の変形量を測定する測定装置と、
    前記混練ロータのうちの前記軸受同士の間に挟まれた任意の2箇所に作用するとした前記ラジアル方向の等価荷重と、前記変形量との関係式に、前記測定装置にて測定された前記変形量の値を代入して当該2箇所における前記等価荷重を算出する演算装置と、
    を備え、
    算出した前記等価荷重を前記ロータ荷重とみなす、ロータ荷重演算装置。
  7. 請求項6に記載のロータ荷重演算装置を備える混練機。
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