JP6384373B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
膜を形成する膜形成工程、
前記膜を露光する露光工程、及び
該露光工程において露光された膜を現像する現像工程、
を備え、
前記膜が、金属化合物と、下記化学式(1)で表される化合物と、を有機溶媒[I]中で混合することにより得られる生成物と、有機溶媒[II]と、を含有する感放射線性組成物を用いて形成されるパターン形成方法を提供する。
本発明に係るパターン形成方法に用いることができる前記生成物は、さらに、下記化学式(2)で表される化合物を混合して得ることができる。
本発明では、前記金属化合物として、下記化学式(3)で表される金属化合物を用いることができる。
本発明では、前記式(1)におけるRおよびR’を、水素原子とすることができる。
本発明では、前記感放射線性組成物として、水を含み、前記有機溶媒[II]の重量が、前記水の重量以上である組成物を用いることができる。
本発明では、前記有機溶媒[I]と前記有機溶媒[II]として、同一の有機溶媒を用いることができる。
本発明で用いる前記感放射線性組成物には、感放射線性酸発生剤をさらに含有させることができる。
本発明に係るパターン形成方法では、前記現像工程においてアルカリ溶液で現像し、ネガ型のパターンを形成することができる。
また、前記現像工程において有機溶媒で現像し、ネガ型のパターンを形成することもできる。
本発明に係るパターン形成方法では、前記露光工程を極端紫外線又は電子線の照射により行うことができる。
当該パターン形成方法は、膜形成工程、露光工程及び現像工程を備え、前記膜を、金属化合物と、前記化学式(1)で表される化合物と、を有機溶媒[I]中で混合することにより得られる生成物と、有機溶媒[II]と、を含有する感放射線性組成物を用いて形成する方法である。以下、各工程について説明する。
膜形成工程では、後述の感放射線性組成物を用い、膜を形成する。膜の形成は、例えば感放射線性組成物を基板上に塗布することにより行うことができる。塗布方法としては特に限定されないが、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段を採用することができる。基板としては、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等が挙げられる。具体的には、得られる膜が所定の厚さになるように感放射線性組成物を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)することで塗膜中の溶媒を揮発させる。塗膜の膜厚としては、10nm以上500nm以下が好ましい。PBの温度の下限としては、通常60℃であり、80℃が好ましい。PBの温度の上限としては、通常140℃であり、120℃が好ましい。PBの時間の下限としては、通常5秒であり、10秒が好ましい。PBの時間の上限としては、通常600秒であり、300秒が好ましい。
本発明に係るパターン形成方法で用いられる感放射線性組成物は、有機溶媒[I]中において、金属化合物と、前記化学式(1)で表される化合物と、を混合することにより得られる生成物(以下、「[A]生成物」ともいう)と、有機溶媒[II](以下、「[B]有機溶媒」ともいう)を含有する。また、必要に応じて、[C]感放射線性酸発生剤を含有することもでき、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
以下、各成分について、詳細に説明する。
[A]生成物は、有機溶媒[I]中において、金属化合物と、前記化学式(1)で表される化合物と、を混合することにより得られる生成物である。より具体的には、[A]生成物は、有機溶媒[I]中において、金属化合物と、過酸化水素とを反応させて得られる生成物である。また、必要に応じて、前記生成物を得る際に、前記化学式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう)を混合することもできる。
[A]生成物を得るために用いることができる有機溶媒[I]は、本発明の効果を損なわない限り、感放射線性組成物に用いることが可能な公知の有機溶媒を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒などが挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−アミルアルコール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール等の1価の脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール等の1価の脂環式アルコール;
ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の芳香族アルコール;
3−メトキシブタノール、フルフリルアルコール、ジアセトンアルコール等の1価のエーテル基またはケト基含有アルコール;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル基含有アルキレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチルiso−ブチルケトン、メチルn−ペンチルケトン、エチルn−ブチルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、ジiso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン;
アセトフェノン、フェニルエチルケトン等の芳香族ケトン;
アセトニルアセトン等のγ−ジケトンなどが挙げられる。
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミドなどが挙げられる。
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル等のジ脂肪族エーテル;
アニソール、フェニルエチルエーテル等の芳香族−脂肪族エーテル;
ジフェニルエーテル等のジ芳香族エーテル;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテルなどが挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のモノカルボン酸エステル;
シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のジカルボン酸エステル;
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピオン酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステル;
酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピオン酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基含有アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステル;
グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のヒドロキシ酸エステル;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン;
ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネートなどが挙げられる。
[A]生成物を得るために用いることができる金属化合物は、本発明の効果を損なわない限り、感放射線性組成物に用いることが可能な金属化合物を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、前記化学式(3)で表される金属化合物を挙げることができる。
前記1価または2価のヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。
前記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NR’−、これらを組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
前記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、ヒドロキシ基、スルファニル基(−SH)、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、ケト基(=O)等が挙げられる。
前記RBで表される1価の有機基としては、例えば、前記RAの2価の有機基として例示した基に水素原子を1個加えた基等が挙げられる。
前記RBとしては、1価の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
前記REとしては、水素原子、1価の炭化水素基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記RGとしては、1価の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
前記RHとしては、水素原子、1価の炭化水素基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記RKとしては、水素原子、1価の炭化水素基が好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基がより好ましく、水素原子、アルキル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
エチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン;
シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状オレフィン;
ブタジエン、イソプレン等の鎖状ジエン;
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、ナフタレン、インデン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
これらの中で、環状ジエンが好ましく、シクロペンタジエンがより好ましい。シクロペンタジエンは、通常1個の電子を得て多座配位子であるシクロペンタジエニルアニオンを形成する。
[A]生成物を得るために用いることができる有機過酸化物は、本発明の効果を損なわない限り、感放射線性組成物に用いることが可能な有機過酸化物を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。前記有機過酸化物は、前記化学式(1)で表される化合物で表すことができる。
上記置換基としては、水酸基、シアノ基、炭素数1〜10の鎖状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはこれらの基が組み合わされた基を挙げることができる。
これらの中で、過酸化水素が好ましい。
[A]生成物を得るためには、前記化学式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう)を混合することが好ましい。
化合物(2)の正確な作用効果は定かではないが、前記有機溶媒[I]中において、前記金属化合物と、有機過酸化物とを混合して得られる錯体と反応し有機溶剤への溶解性を高める機能を有すると考えられる。また、前記金属化合物中の金属原子を架橋するように配位する架橋配位子としても、機能すると考えられる。そのため、前記有機溶媒[I]中において、前記金属化合物と、過酸化水素とを混合する際に、化合物(2)を存在させることで、錯体の沈殿を抑制して、前記金属化合物との反応性を向上させるとともに、前記金属化合物に由来する複核錯体を形成させることができる。なお、化合物(2)は、それ自体で架橋配位子として機能させることもできるし、化合物(2)からプロトンが脱離したアニオンの状態で架橋配位子として機能させることができる。
メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン;エテン、プロペン、ブテン、ペンテン等のアルケン;エチン、プロピン、ブチン、ペンチン等のアルキンなどの炭素数1〜30の鎖状炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン等のシクロアルカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等のシクロアルケンなどの炭素数3〜30の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン等のアレーンなどの炭素数6〜30の芳香族炭化水素などの炭化水素からn個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基;シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
nが2のものとして、2価の鎖状炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、2価のヘテロ原子含有基が好ましく、アルカンジイル基、アルケンジイル基、アレーンジイル基、アルカンジイルオキシアルカンジイル基がより好ましく、1,1−エタンジイル基、1,2−エタンジイル基、1,2−プロパンジイル基、ブタンジイル基、ヘキサンジイル基、エテンジイル基、キシレンジイル基、エタンジイルオキシエタンジイル基がさらに好ましい。
nが3のものとして、3価の鎖状炭化水素基が好ましく、アルカントリイル基がより好ましく、1,2,3−プロパントリイル基がさらに好ましい。
nが4のものとして、4価の鎖状炭化水素基が好ましく、アルカンテトライル基がより好ましく、1,2,2,3−プロパンテトライル基、1,2,3,4−ブタンテトライル基がさらに好ましい。
nが2のものとして、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のアルキレングリコール;
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のジアルキレングリコール;
シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルナンジオール、ノルボルナンジメタノール、アダマンタンジオール等のシクロアルキレングリコール;
1,4−ベンゼンジメタノール、2,6−ナフタレンジメタノール等の芳香環含有グリコール;
カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等の2価フェノールなどが挙げられ、
nが3のものとして、
グリセリン、1,2,4−ブタントリオール等のアルカントリオール;
1,2,4−シクロヘキサントリオール、1,2,4−シクロヘキサントリメタノール等のシクロアルカントリオール;
1,2,4−ベンゼントリメタノール、2,3,6−ナフタレントリメタノール等の芳香環含有グリコール;
ピロガロール、2,3,6−ナフタレントリオール等の3価フェノール等が挙げられ、
nが4のものとして、
エリスリトール、ペンタエリスリトール等のアルカンテトラオール;
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラオール等のシクロアルカンテトラオール;
1,2,4,5−ベンゼンテトラメタノール等の芳香環含有テトラオール;
1,2,4,5−ベンゼンテトラオール等の4価フェノールなどが挙げられる。
これらの中で、nが2または3のものが好ましく、アルキレングリコール、ジアルキレングリコール、アルカントリオールがより好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンがさらに好ましい。
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の鎖状飽和ジカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸等の鎖状不飽和ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸; 1,2,3−プロパントリカルボン酸等の鎖状飽和トリカルボン酸;
1,2,3−プロペントリカルボン酸等の鎖状不飽和トリカルボン酸;
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式トリカルボン酸;
トリメリット酸、2,3,7−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸; 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の鎖状飽和テトラカルボン酸;
1,2,3,4−ブタジエンテトラカルボン酸等の鎖状不飽和テトラカルボン酸;
1,2,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ノルボルナンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸;
ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸などが挙げられる。
これらの中で、鎖状飽和ジカルボン酸、鎖状不飽和ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましく、鎖状飽和ジカルボン酸、鎖状不飽和ジカルボン酸がより好ましく、マレイン酸、コハク酸がさらに好ましい。
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状ジイソシアネート;
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
トリレンジイソシアネート、1,4−ベンゼンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート; トリメチレントリイソシアネート等の鎖状トリイソシアネート;
1,2,4−シクロヘキサントリイソシアネート等の脂環式トリイソシアネート;
1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等の芳香族トリイソシアネート; テトラメチレンテトライソシアネート等の鎖状テトライソシアネート;
1,2,4,5−シクロヘキサンテトライソシアネート等の脂環式テトライソシアネート;
1,2,4,5−ベンゼンテトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネートなどが挙げられる。
これらの中で、鎖状ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが好ましく、鎖状ジイソシアネートがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートがさらに好ましい。
エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、N,N’−ジメチルトリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、N,N’−ジメチルテトラメチレンジアミン等の鎖状ジアミン;
1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジアミン;
1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン; トリアミノプロパン、N,N’,N”−トリメチルトリアミノプロパン等の鎖状トリアミン;
1,2,4−トリアミノシクロヘキサン等の脂環式トリアミン;
1,2,4−トリアミノベンゼン等の芳香族トリアミン; テトラアミノブタン等の鎖状テトラアミン;
1,2,4,5−テトラアミノシクロヘキサン、2,3,5,6−テトラアミノノルボルナン等の脂環式テトラアミン;
1,2,4,5−テトラアミノベンゼン等の芳香族テトラアミンなどが挙げられる。
これらの中で、鎖状ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミンが好ましく、鎖状ジアミンがより好ましく、N,N’−ジメチルエチレンジアミンがさらに好ましい。
[A]生成物は、前記有機溶媒[I]中において、前記金属化合物と、前記有機過酸化物とを反応させて得ることができる。この際、前記化学式(2)で表される化合物を混合することが好ましい。化合物(2)を混合する場合、その混合の順番は特に限定されず、前記金属化合物と、前記有機過酸化物と、化合物(2)を、順不同で混合することができる。
[B]有機溶媒としては、[A]生成物を溶解または分散することができるものであれば、感放射線性組成物に用いることが可能な公知の有機溶媒を、1種または2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒などが挙げられる。また、[B]有機溶媒としては、前記[A]生成物の合成において反応に用いた有機溶媒を除去せずに、そのまま用いることも可能である。なお、各有機溶媒の具体例は、前述の有機溶媒[I]と同一のため、ここでは説明を割愛する。
感放射線性組成物は、[C]感放射線性酸発生剤をさらに含有していてもよい。[C]感放射線性酸発生剤は、光または熱によって酸を発生する化合物である。感放射線性組成物は、[C]感放射線性酸発生剤をさらに含有することで、レジストパターン形成性およびエッチング選択性を向上させることができる。[C]感放射線性酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられ、その中でもオニウム塩化合物が好ましい。
感放射線性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、界面活性剤等のその他の任意成分を含有していてもよい。
感放射線性組成物は、例えば、[A]生成物および[B]有機溶媒、並びに必要に応じて、水、[C]感放射線性酸発生剤およびその他の任意成分等を所定の割合で混合することにより調製できる。前述の通り、[B]有機溶媒として、[A]生成物の合成に用いた有機溶媒[I]をそのまま用いて、感放射線性組成物を調製してもよい。感放射線性組成物は、通常、その使用に際して溶媒に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって調製される。
また、本発明に係るパターン形成方法では、前述した感放射線性組成物を用いているため、組成物の保存安定性が高く、また高感度化、高解像度化および適度な厚膜化が可能である。
露光工程では、上記膜形成工程で形成された膜を露光する。この露光は、場合によっては、水等の液浸媒体を介し、所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射することにより行う。上記放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV;波長13.5nm)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等から適宜選択される。これらの中で、露光により金属から二次電子が放出される放射線が好ましく、EUV及び電子線がより好ましい。
本工程では、上記露光工程で露光された膜を現像する。この現像に用いる現像液としては、アルカリ溶液及び有機溶媒が挙げられる。従って、本工程では、アルカリ溶液で現像し、ネガ型のパターンを形成することができる。また、有機溶媒で現像し、ネガ型のパターンを形成することも可能である。
[A]生成物の合成に用いた金属化合物は以下の通りである。
M−1:チタン(IV)ジイソプロポキシビス(2,4−ペンタンジオナート)(75質量%濃度の2−プロパノール溶液)
M−2:アルミニウム(III)ジイソプロポキシエチルアセトアセテート
M−3:ジルコニウム(IV)・ジn−ブトキシド・ビス(2,4−ペンタンジオナート)(60質量%濃度のブタノール溶液)
M−4:タンタル(V)テトラエトキシ(2,4−ペンタンジオナート)
M−5:ビス(シクロペンタジエニル)タングステン(IV)ジクロリド
M−6:ハフニウム(IV)テトラt-ブトキシド
M−7:ハフニウム(IV)モノオキシドジクロリド(HfOCl2)・8水和物
前記化合物(M−1)10.0g(錯体質量:7.5g、20.6mmol)をプロピレングリコールモノエチルエーテル65.0gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に室温で30%過酸化水素水0.75g(過酸化水素として0.23g、6.6mmol)を10分かけて滴下した。次いで、室温で1時間反応を行った後にクエン酸7.9g(41.2mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌し、溶液(S−1)を得た。
前記化合物(M−2)4.9g(18mmol)を2−プロパノール40.2gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に室温で無水マレイン酸1.8g(18mmol)と水7.2gの混合液を加えて30分撹拌した。次いで30%過酸化水素水1.02g(過酸化水素として0.31g、9.0mmol)を室温で10分かけて滴下した。室温で3時間反応させた後、この溶液に酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル42.2gを追加し溶液(S−2)を得た。
前記化合物(M−3)16.7g(錯体質量:10.0g、23mmol)を1−ブタノール99.6gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に30%過酸化水素水1.3g(過酸化水素として0.39g、11.5mmol)を室温で10分かけて滴下した。次いで60℃で1時間反応を行った後に室温で冷却し、さらにジエチレングリコール1.2g(11.5mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌し、溶液(S−3)を得た。
前記化合物(M−4)4.6g(10mmol)をジブチルエーテル44.32gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に30%過酸化水素水1.1g(過酸化水素として0.34g、10mmol)を室温で10分かけて滴下した。次いで60℃で1時間反応を行った後に室温で冷却し、さらにエチレンジアミン0.30g(5.0mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌し、溶液(S−4)を得た。
前記化合物(M−5)3.8g(10mmol)を乳酸エチル44.42gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に30%過酸化水素水0.57g(過酸化水素として0.17g、5.0mmol)を室温で10分かけて滴下した。次いで室温で2時間反応を行った後、さらに乳酸0.90g(10mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌し溶液(S−5)を得た。
前記合成例1において、クエン酸を添加しなかった以外は、合成例1と同様の操作を行い、溶液(S−6)を得た。
前記化合物(M−6)10.0gを20mlのテトラヒドロフランに溶解し、ここに6.0gの2,2−ジメチル―3,5−ヘキサンジオンと50mlのテトラヒドロフランを溶解させた液を室温で添加した。その後1時間還流させた後、溶媒を減圧除去して下記化学式(M−8)で表される化合物を得た。この化合物(M−8)(錯体質量:7.5g、20.6mmol)をプロピレングリコールモノエチルエーテル65.0gに溶解し、よく撹拌してからこの溶液に室温で30%過酸化水素水0.75g(過酸化水素として0.23g、6.6mmol)を10分かけて滴下した。次いで、室温で1時間反応を行った後にクエン酸7.9g(41.2mmol)を加えた後、室温で2時間撹拌し、溶液(S−7)を得た。
前記合成例1において、30%過酸化水素水0.75gを加えるところを純水0.52gとした以外は、合成例1と同様の操作を行い、溶液(CS−1)を得た。
前記化合物(M−7)の1.0M水溶液10ml(10.0mmol)に30%過酸化水素水3.42g(過酸化水素として1.05g、30.0mmol)を10分かけて滴下した。ここに1.0Mの硫酸水溶液を7ml(7.0mmol)加えた後、超純水を添加することで合計66mlの溶液(CS−2:0.15M相当)および合計20mlの溶液(CS−3:0.5M相当)を調製した。
感放射線性組成物の調製に用いた[C]感放射線性酸発生剤は、以下の通りである。
C−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
前記で得られた[A]生成物の溶液(S−1)を、孔径0.2μmのフィルターでろ過して、感放射線性組成物(R−1)を調製した。なお膜厚を薄くする必要がある場合は、合成例で用いた溶剤(複数ある場合は沸点の高いもの)で適宜希釈した後、孔径0.2μmのフィルターでろ過した。
下記表1に示す種類の[A]生成物の溶液を用い、必要に応じて、表1に示す種類および量の[C]感放射線性酸発生剤を用いた以外は調整例1と同様に操作して、感放射線性組成物(R−2)〜(R−7)および(CR−1)を調製した。なお、「−」は該当する成分を使用しなかったことを示す。また、[C]感放射線性酸発生剤の使用量は、[A]生成物の溶液100質量部に対する使用量(質量部)である。
上記比較合成例で挙げたCS−2およびCS−3をそのまま孔径0.2μmのフィルターでろ過して、感放射線性組成物(CR−2)および(CR−3)とした。
[実施例1]
東京エレクトロン社の「クリーントラックACT−8」内で、シリコンウエハ上に上記実施例1で調製した感放射線性組成物(R−1)をスピンコートした後、80℃、60秒の条件でPBを行い、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。続いて、真空紫外光露光装置(NA:0.3、ダイポール照明)を用いてパターニングを行った。その後、上記クリーントラックACT−8内で、酢酸ブチル(AcOBu)を用い、23℃で1分間、パドル法により現像した後、乾燥して、ネガ型レジストパターンを形成した。このようにして形成されたレジストパターンについて、下記に示す感度、解像度についての各評価を行った。その評価結果を表2に示す。
表2に記載した感放射線性組成物、現像液を変更した以外は、実施例1と同様に操作し、各レジストパターンを形成した。またこの際に得られたPB後の膜厚も表2に記載した。このようにして形成されたネガ型レジストパターンについて、下記に示す感度、解像度についての各評価を行った。その評価結果を表2に示す。
真空紫外線によるパターニングで、線幅30nmのライン部と、隣り合うライン部によって形成される間隔が30nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm2)とした。
真空紫外線によるパターニングで、ライン部とスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)で1nm毎に線幅を変えてSEM像を観察した際の、限界下限解像度を求めた。
上記実施例で得た感放射線性組成物を室温で1週間保管後に、真空紫外線によるパターニングで、レジストパターン形成試験を実施し、線幅30nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量の変化が保管開始前と比較して5%未満であるものを「AA(極めて良好)」、保管開始前と比較して5%以上10%以下のものを「A(良好)」、10%を超える場合を「B(不良)」、さらに30nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を解像できなかったもの(限界解像度が30nmよりも線幅が大きかった)を「C(解像不可)」とした。
Claims (9)
- 膜を形成する膜形成工程、
前記膜を露光する露光工程、及び
該露光工程において露光された膜を現像する現像工程、
を備え、
前記膜が、金属化合物と、下記化学式(1)で表される化合物と、を有機溶媒[I]中で混合することにより得られる生成物と、有機溶媒[II]と、を含有する感放射線性組成物を用いて形成され、
前記金属化合物は、下記化学式(3)で表される金属化合物であるパターン形成方法。
- 前記生成物は、さらに、下記化学式(2)で表される化合物を混合して得られる請求項1記載のパターン形成方法。
- 前記式(1)におけるRおよびR’が水素原子である請求項1または2に記載のパターン形成方法。
- 前記感放射線性組成物は、水を含み、
前記有機溶媒[II]の重量が、前記水の重量以上である請求項1から3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。 - 前記有機溶媒[I]と前記有機溶媒[II]は、同一である請求項1から4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記感放射線性組成物が、感放射線性酸発生剤をさらに含有する請求項1から5いずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記現像工程においてアルカリ溶液で現像し、ネガ型のパターンを形成する請求項1から6のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記現像工程において有機溶媒で現像し、ネガ型のパターンを形成する請求項1から6のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
- 前記露光工程を極端紫外線又は電子線の照射により行う請求項1から8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
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