JP6383523B2 - 事故点標定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力搬送用地中ケーブルの事故点の標定を行う事故点標定装置に関する。
従来から、電力を地中搬送するために地中ケーブルが利用されている。地中ケーブルは、洞道等に電力ケーブルを敷設し電力を地中搬送するもので、経年変化等による絶縁破壊によってケーブル事故が発生する場合がある。
そこで地中ケーブルの事故が発生した地点(事故点)を標定する機能を持つ事故点標定装置が開発されている。
従来の事故点標定装置においては、地中ケーブルの両端末部に配設した電流センサによって、地中ケーブルに絶縁破壊(地絡)が生じた際に発生するサージ電流を検出する手法が用いられている。
地中ケーブルに地絡事故が発生すると急峻な立ち上がりを持つサージ電流が事故点から地中ケーブルの両端末部に向かって伝搬していく。このサージ電流は地中ケーブルの構造及び材料から決まる速度で伝搬するため、両端末部に配設した電流センサによってサージ電流を検出することによって、サージ電流が地中ケーブルの両端末部に到達した時刻の差を検出し、事故点位置を標定することができる。
所定位置(例えば一方の端末部)から事故点までの距離Xは次式によって得られる(非特許文献1参照)。
X=(L−Vs・(T−T))/2 ・・・・・(1)
但し、Tはサージ電流が地中ケーブルの各端末部に到達するまでの時間差(サージ到達時間差)、Lは地中ケーブルの長さ、Vsは地中ケーブルにおけるサージ電流の伝搬速度、Tは地中ケーブルの両端末部に配設した光電流センサと事故点標定装置を結ぶ両光ファイバの伝送時間の差である。
サージ電流の到着時刻を正確に検出することが可能であれば上記(1)式を用いて正確な事故点の標定が可能である。しかしながら実際には、地中ケーブル中を伝搬するサージ電流の波形は、伝搬距離が長くなるに従って表皮効果の影響を受けて波形鈍りが生じる。
光電流センサが所定の閾値を超えるサージ電流を検出した時刻をサージ電流の到達時刻(サージ到達時刻)と認識するため、このような波形鈍りが生じるとサージ到達時刻を実際よりも遅れて認識することになり、標定精度が低下するという問題がある。
このような波形鈍りに対処すべくサージ到着時刻をより正確に検出する方法として、2つの閾値とサージ電流との両交点を結んだ直線と、零レベルとの交点をサージ到達時刻とすることによって事故点の標定を行う二電位法がある(特許文献1、非特許文献2参照)。
図5は、二電位法を説明するための説明図である。二電位法は図5に示すように、サージ電流104が所定の第1閾値L1を超えた後、そのまま上昇して次の第2閾値L2を超えた場合に、それら2つの閾値L1、L2とサージ電流104との交点K1、K2を結んで直線を引き、当該直線と零レベルとの交点trをサージ到達時刻と判定する方法である。二電位法によれば、第1閾値L1を超えた時刻をサージ到達時刻とするよりも誤差を小さくすることが可能になり、事故点の標定誤差を低減することが可能になる。
尚、非特許文献3には、地絡事故点で発生した方形波電圧が地中ケーブルを伝搬する際の挙動が解説されている。
特許第3527432号公報
昭和46年10月発行の住友電気第105号第11頁〜第18頁「電力ケーブルの瞬時故障点標定法」 電気協同研究第34巻第6号第77頁「フォルトロケータ標定信頼度向上対策」 昭和30年4月電気書院発行の「進行波序説」第55頁
事故点から地中ケーブルの一方の端末部Aまでの距離と他方の端末部Bまでの距離、即ちサージ電流が事故点から各端末部A、Bまで伝搬する距離は、事故点位置によって異なる。
サージ電流波形の鈍りの程度は伝搬距離に依存するため、図6に示すように両端末部A、Bでのサージ電流波形の鈍りの程度に差が生じると、これによって二電位法で求めた各端末部A、Bでのサージ到達時刻の誤差ε1(=tr1−t1)、ε2(=tr2−t2)の大きさが異なることになる。
事故点標定を高精度に行うためには、(1)式のサージ到達時間差Tを高精度に検出する必要があるが、次式の(ε2―ε1)が誤差項になる。
T=tr2−tr1=t2−t1+(ε2―ε1) ・・・(2)
ここで、t1は端末部Aへのサージ電流の真の到達時刻、t2は端末部Bへのサージ電流の真の到達時刻、tr1は二電位法によって算出した端末部Aへのサージ電流の到達時刻、tr2は二電位法によって算出した端末部Bへのサージ電流の到達時刻、ε1は二電位法によって算出した端末部Aへのサージ到達時刻に含まれる誤差、ε2は二電位法によって算出した端末部Bへのサージ到達時刻に含まれる誤差である。
両端末部A、Bで波形鈍りが相違することによって二電位法で生じるサージ電流到達時間差Tの誤差と事故点位置との関係及びサージ電流到達時間差Tの誤差が標定精度へ与える影響を図7に示す。
同図に示すように事故点が地中ケーブル102の端末部A近傍の場合、サージ電流波形の鈍りの程度は端末部A(A端)では小さいが、他方の端末部B(B端)では大きくなる。このため二電位法によって求められるサージ到達時間差Tにはプラス誤差が生じ、(1)式から標定距離にはマイナス誤差が生じる。
一方、事故点が地中ケーブル102の端末部B近傍の場合には、サージ電流波形の鈍りの程度は端末部Aでは大きくなるが端末部Bでは小さい。このため二電位法によって求められる到達時間差Tにはマイナス誤差が生じ、標定距離にプラス誤差が生じ、(1)式から標定距離にはプラス誤差が生じる。
事故点が地中ケーブル102の中央近傍の場合には、サージ電流波形の鈍りの程度は両端末部A、Bとも同程度である。このため、二電位法によって求められる到達時間差Tへの影響は相殺されて標定距離の誤差は小さい。
本発明は、地中ケーブル102の端末部A、Bから事故点までの距離に応じて地中ケーブル102の両端末部A、Bにおけるサージ電流波形の鈍りの程度が異なることに着目して成されたもので、事故点を標定する際に二電位法によって生じる誤差(標定誤差)を低減するように補正することにより、高精度な事故点標定を可能にすることを課題としている。
本発明によれば、地中ケーブルの一方の端末部で検出したサージ波が2つの異なる閾値をともに超えたとき、前記サージ波と各閾値との交点を通る直線と零レベルとの交点を前記一方の端末部へ前記サージ波が到達した時刻と近似する第1サージ到達時刻検出部と、前記地中ケーブルの他方の端末部で検出したサージ波が2つの異なる閾値をともに超えたとき、前記サージ波と各閾値との交点を通る直線と零レベルとの交点を前記他方の端末部へ前記サージ波が到達した時刻と近似する第2サージ到達時刻検出部と、前記第1サージ到達時刻検出部によって近似して得られたサージ波の到達時刻と前記第2サージ到達時刻検出部によって近似して得られたサージ波の到達時刻との差及び前記地中ケーブルにおけるサージ波の伝搬速度を用いて事故点位置を算出すると共に、前記算出した事故点位置と所定位置の距離に応じた補正処理を行うことによって事故点位置を標定する事故点標定部とを備えて成ることを特徴とする事故点標定装置が提供される。
本発明に係る事故点標定装置によれば、二電位法によって生じる標定誤差を低減して、高精度な事故点標定が可能になる。
本発明の実施の形態に係る事故点標定装置のブロック図である。 本発明の実施の形態に係る事故点標定装置の動作を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態に係る事故点標定装置の動作を説明するための特性図である。 本発明の実施の形態に係る事故点標定装置の動作を説明するための説明図である。 二電位法を説明するための説明図である。 二電位法による標定誤差の発生を説明するための説明図である。 二電位法による標定誤差の発生を説明するための説明図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る事故点標定装置のブロック図である。
図1において、発電機101の電力を搬送する電力搬送用ケーブルは、地中ケーブル102、地中ケーブル102の両側に接続された外部ケーブル103によって構成されている。
地中ケーブル102の両端末部A、B(地中ケーブル102のシースの両端末部に相当する。)からその長さ方向所定距離内側の位置には、1対の光電流センサ105、106が地中ケーブル102を周回するように配設されている。
各光電流センサ105、106は、ファラデー効果を利用して地中ケーブル102に流れる電流を検出するセンサである。
地中ケーブル102の一方の端末部Aのシースには接地線107の一端が接続され、接地線107の他端は光電流センサ105の内側を通って接地されている。
地中ケーブル102の他方の端末部Bのシースには接地線108の一端が接続され、接地線108の他端は光電流センサ106の内側を通って接地されている。
このように、各光電流センサ105、106には、当該光電流センサ105、106が周回する地中ケーブル102の端末部A、Bに一端が接続されると共に他端が接地された接地線107、108が通されている。
光電流センサ105、106は各々、光ファイバ伝送路109、110を介して、事故点標定装置本体100に接続されている。
事故点標定装置本体100は、第1光電変換部(0/E)111、第2光電変換部112、第1閾値部115、第2閾値部116、第1サージ到達時刻検出部113、第2サージ到達時刻検出部114、事故点標定部117を備えている。
複数の光電流センサ105、106、複数の光電流センサ105、106の出力信号を導く複数の光ファイバ伝送路109、110、及び、複数の光ファイバ伝送路109、110を介して入力される複数の光電流センサ105、106の出力信号に基づいて事故点の標定を行う事故点標定装置本体100によって事故点標定装置が構成されている。
光電流センサ105、106は、地中ケーブル102や接地線107、108に流れる電流を検出し、前記電流の大きさを表す光信号を出力する機能を有している。地中ケーブル102に地絡事故が発生した場合、光電流センサ105、106は、サージ電流104を検出し、対応する光信号に変換して光ファイバ伝送路109、110に出力する。
接地線107、108の引き戻し(端末部の接地線を光電流センサの内側を通して接地すること)効果により、接地線107、108に流れる電流を光電流センサ105、106によって検出できるため、光電流センサ105と端末部A間や、光電流センサ106と端末部B間のサージ電流や地絡電流を検出することが可能である。
光電流センサ105、106は、端末部A、B近傍に配設され又接地線107、108も短いため実質的に端末部A、Bに配設された構成となっている。これにより、光電流センサ105、106は端末部A、Bに配設され、地中ケーブル102全長に亘る電流検出が可能な構成となっている。
第1光電変換部111は、光ファイバ伝送路109を介して光電流センサ105の光出力信号を受け取り、前記光出力信号に対応する電気信号に変換して出力する機能を有している。第2光電変換部112は、光ファイバ伝送路110を介して光電流センサ106の光出力信号を受け取り、前記光出力信号に対応する電気信号に変換して出力する機能を有している。
第1閾値部115は、サージ電流104を検出する第1の基準レベルである第1閾値L1を記憶しており、第1閾値L1をサージ到達時刻検出部113、114に出力する機能を有している。第2閾値部116は、サージ電流104を検出する第2の基準レベルであり前記第1閾値L1よりも高い第2閾値L2を記憶しており、第2閾値L2をサージ到達時刻検出部113、114に出力する機能を有している。
第1サージ到達時刻検出部113は、光電流センサ105が検出したサージ電流104が端末部Aに到達した時刻(サージ到達時刻)を2つの閾値L1、L2に基づいて二電位法によって算出する機能を有している。即ち、第1サージ到達時刻検出部113は、地中ケーブル102の一方の端末部Aで検出したサージ波104が2つの異なる閾値L1、L2をともに超えたとき、サージ波104と各閾値L1、L2の交点を通る直線と零レベルとの交点を一方の端末部Aへサージ波104が到達した時刻と近似する機能を有している。
第2サージ到達時刻検出部114は、光電流センサ106が検出したサージ電流104が端末部Bに到達したサージ到達時刻を2つの閾値L1、L2に基づいて二電位法によって算出する機能を有している。即ち、第2サージ到達時刻検出部114は、地中ケーブル102の他方の端末部Bで検出したサージ波104が2つの異なる閾値L1、L2をともに超えたとき、サージ波104と各閾値L1、L2の交点を通る直線と零レベルとの交点を他方の端末部Bへサージ波104が到達した時刻と近似する機能を有している。
事故点標定部117は、第1サージ到達時刻検出部113及び第2サージ到達時刻検出部114によって近似して得られたサージ到達時刻の差及び地中ケーブル102におけるサージ電流104の伝搬速度に基づいて所定位置(本実施の形態では端末部A)を基準とする事故点位置を算出すると共に、前記算出した事故点位置と所定位置(例えば、地中ケーブル102の中央位置あるいは一方の端末部A又はB)の距離に応じた補正処理を行うことによって事故点位置を標定する機能を有している。
尚、第1、第2サージ到達時刻検出部113、114、第1、第2閾値部115、116及び事故点標定部117は、中央処理装置(CPU)、記憶部及びソフトウェアによって構成することができる。
上記のように構成された事故点標定装置が事故点位置を標定する原理を説明する。
先ず、二電位法によって求められるサージ到達時間差Tの誤差項(前記(2)式の(ε2−ε1)と事故点位置との関係を解析する。
(1)サージ電流波形解析
地絡事故点で発生した方形波電圧Eが図2に示すように、導線とシースとによって構成された同軸ケーブル中をX(m)伝搬した後の電圧eは次式となる(非特許文献3参照)。
Figure 0006383523

但し、eは方形波電圧EがX(m)伝搬した後の電圧進行波の電圧値、Eは方形波電圧進行波の電圧値、vは進行波の伝搬速度、tは時間(但し、t>X/v)、erfは誤差関数である。
また、変歪定数σは次式となる。
Figure 0006383523

但し、Zはサージインピーダンス、aは導線半径(m)、hは導線の地上高(m)、σcは導線の固有抵抗(Ω・m)、σeはシースの固有抵抗(Ω・m)、μcは導線の透磁率(μc=1)、μeはシースの透磁率(μe=1)である。
(3)式は、進行波がX点に到達した時刻(t=X/v)を起点にした経過時間をt’とすると次式となる。
Figure 0006383523
また、電流進行波の電流値iはサージインピーダンスZで(3)式の電圧eを除して次式となる。
Figure 0006383523
さらに、E/Zを電流値I(=E/Z)に置き換えると、次式となる。
Figure 0006383523
同様に、電流iはサージインピーダンスZで(5)式の電圧eを除して次式となる。
Figure 0006383523
Figure 0006383523
(9)式から所定距離伝搬後のサージ電流波形が得られる。伝搬距離が長くなるに従って、サージ電流波形の立ち上がりの鈍りの程度が大きくなる。尚、変歪定数σは、地中ケーブルの構造及び材料によって決まる定数であり、例えば275kV単心CVケーブル(2000sq)の場合、構造や材料から、(4)式により、6.93×10−8とすることができる。
(2)二電位法による到達時刻誤差の解析
事故点から両端末部A、Bまでの伝搬距離の相違によって二電位法により得られる各端末部A、Bにおける到達時刻の誤差ε1、ε2が異なる。
X(m)伝搬後のサージ電流波形が閾値Lに到達するまでの時間tは次式で表すことができる。但し、erf−1はerfの逆関数である。
Figure 0006383523
ここで、2つの閾値をL1、L2(L1<L2)とすると、サージ電流が閾値L1、L2に到達するまでの時間tL1、tL2は次式により表すことができる。
Figure 0006383523
Figure 0006383523
よって、2つの閾値L1、L2とサージ波形との交点(L1,tL1),(L2,tL2)を通る直線は次式で表すことができる。
i=P・t+Q ・・・・(13)
但し、傾きPと切片Qは次式で表される。
P=(L2−L1)/(tL2−tL1
Q=L2−P・tL2
この直線の零レベルとの交点が二電位法によって求められるサージ電流到達時刻の誤差εであり、次式となる。
Figure 0006383523
(14)式により地中ケーブルの端末部A、Bにおける各サージ電流の到達時刻の誤差ε1、ε2を求めると以下となる。
Figure 0006383523
Figure 0006383523
尚、地中ケーブル長=L(m)において、上記(15)式のt1L1、t1L2は、事故点から端末部Aまでの距離をX(m)として、前記(11)式、(12)式により求めたものである。また、(16)式のt2L1、t2L2は、事故点から端末部Bまでの距離を(L−X)(m)として、(11)式、(12)式により求めたものである。
よって、サージ到達時間差Tの誤差分εTは次式となる。
Figure 0006383523
(17)式の誤差分εTを用いると(1)式の事故点距離Xは次式となり、(−Vs・εT/2)が二電位法に起因した誤差項になる。
Figure 0006383523
図3は、端末部Aからの事故点距離Xと標定誤差項(−Vs・εT/2)の関係を示す一例である。同図に示した例は、ケーブル長20km、2000sqの各種CVケーブルにおける事故点距離と標定誤差項(−Vs・εT/2)の関係を示している。
図3に示すように二電位法による標定誤差は、地中ケーブル中央点から事故点までの距離に比例する。
したがって、図4に示すように、従来の二電位法によって得られた事故点位置の地中ケーブル中央位置からの距離に応じたサージ波形鈍りによって生じる二電位法の誤差を相殺するような補正値(標定誤差)を、前記事故点距離に加算することにより、高精度な事故点標定が可能になる。
即ち、事故点が中央よりも端末部A寄りの場合には、前記事故点距離に応じた補正値を加算(プラス補正)することにより標定誤差を低減することができる。また、事故点が中央よりも端末部B寄りの場合には、前記事故点距離に応じた補正値を減算(マイナス補正)することにより標定誤差を低減することが可能になる。
また、補正処理は(18)式の標定誤差項(−Vs・εT/2)を低減(好ましくは零に)する処理であるが、サージ電流104の速度Vsは地中ケーブルの構造及び材料によって決まる定数であり、又、εTは(17)式にも示すように2つの閾値L1、L2に関係する値である。したがって、標定誤差を低減するための前記補正処理は、地中ケーブル102の構造及び材料によって決まる定数と2つの異なる閾値L1、L2とに基づいて行うことになる。
尚、前記補正値は、図4に示すように、地中ケーブル中央距離から事故点までの距離を複数の区間に区分すると共に各区分に対応する補正値を予め事故点標定部117内の記憶部に記憶しておき、二電位法によって算出した事故点位置に該当する区間の補正値を求め、当該補正値を前記事故点位置に加算又は減算することにより、当該補正値で前記事故点位置を補正(段階補正)するように構成してもよい。また、二電位法によって算出した事故点距離と補正値とを関係付けた関係式(例えば図3の直線の式)を事故点標定部117内の記憶部に予め記憶しておき、二電位法によって得られた事故点位置に対応する補正値を前記式を用いて算出し、当該補正値を前記事故点位置に加算又は減算することにより、当該補正値で前記事故点位置を補正するように構成してもよい。
上述した事故点標定処理を本発明の実施の形態に係る事故点標定装置が行う際の動作を図1に従って説明する。
図1において、地中ケーブル102において地絡事故が発生すると、事故点から両端末部A、Bに向かってサージ電流104が進行する。
サージ電流104は、両端末部A、Bに配設された光電流センサ105、106によって検出される。光電流センサ105、106は、サージ電流104の大きさを表す光信号を光出力信号として出力する。
第1光電変換部111は、光ファイバ伝送路109を介して光電流センサ105からの光出力信号を受け取り、前記光出力信号に対応する電気信号に変換して出力する。
第2光電変換部112は、光ファイバ伝送路110を介して光電流センサ106からの光出力信号を受け取り、前記光出力信号に対応する電気信号に変換して出力する。
第1サージ到達時刻検出部113は、図5、図6に示すように、サージ電流104の端末部Aへのサージ到達時刻を第1閾値L1及び第2閾値L2に基づいて二電位法によって近似し、サージ到達時刻tr1を得る。即ち、第1サージ到達時刻検出部113は、光電流センサ105が検出したサージ電流104と第1閾値L1、第2閾値L2との交点K1、K2を求め、交点K1、K2を通る直線と零レベルとの交点をサージ到達時刻tr1として算出する。
また、第2サージ到達時刻検出部114も同様にして、サージ電流104の端末部Bへのサージ到達時刻を第1閾値L1及び第2閾値L2に基づいて二電位法によって近似し、サージ到達時刻tr2を得る。即ち、第2サージ到達時刻検出部114は、光電流センサ106が検出したサージ電流104と第1閾値L1、第2閾値L2との交点K1、K2を求め、交点K1、K2を通る直線と零レベルとの交点をサージ到達時刻tr2として算出する。
事故点標定部117は、第1サージ到達時刻検出部113及び第2サージ到達時刻検出部114によって近似して得られたサージ到達時刻tr1、tr2の差及び前記地中ケーブル102におけるサージ電流104の伝搬速度に基づいて所定位置(例えば一方の端末部A)を基準とする事故点位置を算出すると共に、前記サージ到達時刻の時間差及びサージ電流104の伝搬速度に基づいて前記事故点位置を算出すると共に、予めその内部に記憶されている補正用データ(例えば図4の段階的な補正値、あるいは、補正用の関係式)を用いて、算出した事故点位置と所定位置(例えば地中ケーブル102の中央位置)の距離に応じた補正処理を行うことによって事故点位置を標定する。事故点標定部117は、事故点位置を表す情報を事故点情報として、表示装置あるいはリレー等に出力する。これにより、サージ電流の伝送距離に応じた波形鈍りに起因する標定誤差が低減される。
以上述べたように本発明の実施の形態に係る事故点標定装置は、地中ケーブル102の一方の端末部Aで検出したサージ波104が2つの異なる閾値L1、L2をともに超えたとき、サージ波104と各閾値L1、L2との交点を通る直線と零レベルとの交点を一方の端末部Aへサージ波104が到達した時刻tr1と近似する第1サージ到達時刻検出部113と、地中ケーブル102の他方の端末部Bで検出したサージ波104が2つの異なる閾値L1、L2をともに超えたとき、サージ波104と各閾値L1、L2との交点を通る直線と零レベルとの交点を他方の端末部Bへサージ波104が到達した時刻tr2と近似する第2サージ到達時刻検出部114と、第1サージ到達時刻検出部113によって近似して得られたサージ波104の到達時刻tr1と第2サージ到達時刻検出部114によって近似して得られたサージ波104の到達時刻tr2との差及び地中ケーブル102におけるサージ波104の伝搬速度Vsを用いて事故点位置を算出すると共に、前記算出した事故点位置と所定位置(例えば、地中ケーブル102の中央位置又は端末部)の距離に応じた補正処理を行うことによって事故点位置を標定することを特徴としている。
ここで、前記補正処理は、地中ケーブル102の構造及び材料によって決まる定数と前記2つの異なる閾値L1、L2に基づいて得られるサージ波形の鈍りにより生じる誤差を相殺する補正値によって行う処理であるように構成することができる。
このように、本発明の実施の形態に係る事故点標定装置は、地中ケーブル102の端末部A、Bから事故点までの距離に応じて地中ケーブル102の両端末部A、Bにおけるサージ電流104波形の鈍りの程度が異なることに着目して、事故点を標定する際に二電位法によって生じる標定誤差を低減するように補正しているので、高精度な事故点標定が可能になる。
尚、本実施の形態ではサージ波としてサージ電流の例を説明したが、サージ電圧の場合も同様に補正処理することによって高精度な事故点標定が可能になる。
地中ケーブルの事故点位置を二電位法によって標定する事故点標定装置に適用可能である。
100・・・事故点標定装置本体
101・・・発電機
102・・・地中ケーブル
103・・・外部ケーブル
104・・・サージ電流
105、106・・・光電流センサ
107、108・・・接地線
109、110・・・光ファイバ伝送路
111・・・第1光電変換部
112・・・第2光電変換部
113・・・第1サージ到達時刻検出部
114・・・第2サージ到達時刻検出部
115・・・第1閾値部
116・・・第2閾値部
117・・・事故点標定部

Claims (1)

  1. 地中ケーブルの一方の端末部で検出したサージ波が2つの異なる閾値をともに超えたとき、前記サージ波と各閾値との交点を通る直線と零レベルとの交点を前記一方の端末部へ前記サージ波が到達した時刻と近似する第1サージ到達時刻検出部と、
    前記地中ケーブルの他方の端末部で検出したサージ波が2つの異なる閾値をともに超えたとき、前記サージ波と各閾値との交点を通る直線と零レベルとの交点を前記他方の端末部へ前記サージ波が到達した時刻と近似する第2サージ到達時刻検出部と、
    前記地中ケーブル中央から両方の端末部までの距離を複数の区間に区分し前記各区間に対応して設けられた補正値を予め記憶した記憶部を有し、前記第1サージ到達時刻検出部によって近似して得られたサージ波の到達時刻と前記第2サージ到達時刻検出部によって近似して得られたサージ波の到達時刻との差及び前記地中ケーブルにおけるサージ波の伝搬速度を用いて事故点位置を算出すると共に、前記算出した事故点位置と前記地中ケーブルの中央の距離に応じた補正処理を行うことによって事故点位置を標定する事故点標定部とを備え、
    前記補正処理は、前記地中ケーブルの構造及び材料によって決まる定数と前記2つの異なる閾値に基づいて得られるサージ波形の鈍りにより生じる誤差を相殺する補正値によって行う処理であって、前記算出した事故点位置に該当する区間の補正値を前記記憶部から求め、当該補正値を前記算出した事故点位置に加算又は減算することにより、当該補正値で前記事故点位置を補正する処理であることを特徴とする事故点標定装置。
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