JP6383417B2 - 炭酸化建材用の結合材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、土木・建築分野において使用される炭酸化建材用の結合材の製造方法に関する。

住宅建材としてスレート板はよく知られており、従来から多用されている。そして、スレート板の建材としての歴史は古く、初期のスレート板は繊維材料としてアスベストを使用してきた。
しかし、アスベストの健康被害が深刻化するのに伴い、アスベストはパルプ繊維に置き換わってきている。これは、スレート板がオートクレーブ養生を施されて生産されるため、高温条件に耐える繊維としてパルプ繊維が選定されているためである。
オートクレーブ養生を施されて生産されたスレート板は、寸法変化が小さいという利点がある。一方、供用開始後に空気中の二酸化炭素と反応して中性化すると、強度低下が起こり、炭酸化に伴う収縮も惹起されて耐久性が低下することも明らかになってきている。
また、オートクレーブ養生は重油消費量が大きく、環境負荷の大きな養生方法である。近年では、寸法安定性や長期の耐久性に加え、環境負荷低減の性能も重要視されている。特に、最近では、環境負荷の小さいスレート板の生産方法が強く求められている。
炭酸化養生による建材の製造方法に関連して、例えば、木質系セメント硬化体は、炭酸化処理することにより反り返りが発生しにくくなり、寸法安定性に優れたものとなる(特許文献1)。
しかしながら、この建材の寸法安定性は、未だ十分ではなく、また、二酸化炭素の固定化能力も、環境負荷低減の性能も十分ではなかった。さらに、可燃性の木材チップが配合されているため、耐火性にも課題があった。
一方、高炉セメント、高炉スラグ、モノサルフェートおよびセッコウを主成分とするスラリーを成形し、養生して、乾燥させる無機質製品において、廃熱ガスを用いて、乾燥と炭酸化を行う方法も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法で得られる製品は、強度発現性が十分でなく、寸法安定性も未だ十分ではなかった。さらに、表面が脆弱であり、粉吹き現象を呈しやすく、耐久性や美観にも課題があった。
また、中性化による白華の発生を抑制する目的で、相対湿度80%以上、二酸化炭素濃度5〜25体積%で炭酸化させたセメント硬化体も提案されている(特許文献3)。
上記の方法は、アルカリの溶出を抑え、エフロ(Efflorescence)も防止できるが、強度発現性が十分でなく、寸法安定性も不十分であり、さらに、二酸化炭素の固定化能力も十分でなく、環境負荷低減の性能も十分ではなかった。
本発明者は、既に、ビーライト(Belite)を38質量%以上含有する炭酸化建材用セメントを提案した。このセメントは炭酸化養生することで高強度となり、特に曲げ強度が高いものであった。その組成は、ビーライト含有量が38%〜60質量%、エーライトとアルミネートとフェライトの合計が少なくとも40質量%以下、加えて、アルミネートとフェライトはそれぞれ10質量%以下であり、セッコウ類をSO換算で1〜5質量%含むものであった(特許文献4)。
上記の組成に当てはまるセメントとして、日本では、低熱ポルトランドセメントがJIS化されている。
しかし、建材には曲げ強度のほか、寸法安定性や長期耐久性が求められ、その観点からは、従来の炭酸化建材用のセメント組成物は改良の余地を残している。
日本特開2000−7466号公報 日本特開昭56−22688号公報 日本特開平11−278961号公報 日本特開平10−194798号公報
そこで、本発明は、炭酸化養生を行うことにより、高い曲げ強度を発現し、オートクレーブ養生を行わなくても寸法安定性に優れ、供用後の炭酸化に伴う強度低下や収縮も起こさず、凍結融解抵抗性にも優れ、長期耐久性を有する建材用の結合材、および環境負荷低減が可能な該結合材の製造方法を提供することを目的とする。
各種のポルトランドセメントには、SO換算で1〜5質量%のセッコウが必須成分として含まれる。セッコウはポルトランドセメント中のアルミネート相の初期水和を制御して流動性や作業性を確保する目的で添加され、さらに、強度発現性にも貢献する。このため、セッコウは必須成分として用いられてきた。
しかし、本発明者らは、曲げ強度が高く、寸法安定性や耐久性に優れる建材の製造方法として、セッコウをSO換算で1質量%未満の範囲とした結合材を適用し、炭酸化養生を施すことによって、曲げ強度の更なる向上と、寸法安定性や耐久性の向上が実現できることを知見した。
さらに、炭酸化建材用の結合材を製造する際に、副生の消石灰を用いることにより、セメント生産時の燃料消費量を著しく低減でき、低温焼成が可能となること、CO排出量を大幅に低減できることを見出した。
本発明は、上記の知見の基づくものであり、以下の要旨を有する。
(1)β-2CaO・SiOの含有量が40〜70質量%であり、3CaO・SiOと間隙相(3CaO・Alと4CaO・Al・Fe)との合計量が30〜60質量%であり、セッコウ含有量がSO換算で1質量%未満であることを特徴とする炭酸化建材用の結合材。
(2)間隙相が10質量%以下であり、3CaO・Alの含有量が5質量%以下である上記(1)に記載の炭酸化建材用の結合材。
(3)結合材の粉末度が、ブレーン比面積値で2,000〜8,000cm/gである、上記(1)または(2)に記載の炭酸化建材用の結合材。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の結合材の製造方法であって、
CaO原料、SiO原料、Al原料、およびFe原料を、撹拌混合し、熱処理を行う製造方法。
(5)CaO原料の一部または全部に副生消石灰を用いる上記(4)に記載の製造方法。
(6)SiO原料、Al原料、およびFe原料がフライアッシュである、上記(4)または(5)に記載の製造方法。
(7)熱処理温度が、1200〜1600℃である、上記(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものである、上記(5)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)結合材生産時のCO排出量原単位が200kg−CO/ton以下である、上記(4)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の炭酸化建材用の結合材は、製造時の環境負荷も小さく、該結合材を用いて炭酸化養生を施したセメント硬化体などは、従来のセメント組成物を用いてオートクレーブ養生を施した建材などと比較して、強度発現性に優れ、寸法安定性に優れ、供用後の炭酸化に伴う強度低下や収縮も起こさず、凍結融解抵抗性も向上し、かつ長期耐久性を有し、住宅建材分野で有用である。
本発明における、「部」や「%」は、実施例の記載を含めて特に規定しない限り全て質量基準で示す。
また、本発明でいうセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、およびコンクリートの総称である。
本発明で使用する炭酸化建材用の結合材は、β-2CaO・SiOの含有量が40〜70%、好ましくは50〜60%であり、3CaO・SiOと間隙相(3CaO・Alと4CaO・Al・Fe)との合計量が30〜60%、好ましくは40〜50%であり、セッコウ含有量がSO換算で1%未満、好ましくは0.5%未満であることを特徴とする。
間隙相の含有量は10%以下が好ましく、より好ましくは6%以下である。また、3CaO・Alの含有量は5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下である。
間隙相が10%を超えたり、3CaO・Al含有量が5%を超えると、流動性が悪くなったり、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合がある。
β-2CaO・SiOの含有量が40%未満では、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合や、流動性が悪くなる場合がある。逆に、70%を超えると、脱型強度の確保が難しくなり、生産性が悪くなる場合がある。
3CaO・SiOと間隙相との合計量が30%未満では、脱型強度の確保が難しくなり、逆に、60%を超えると、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合や、流動性が悪くなる場合がある。
本発明において、セッコウは、CaSOなる分子式で示される硫酸カルシウムを主成分とする鉱物の総称である。具体的には、CaSO、CaSO・1/2HO、及びCaSO・2HOなる分子式でそれぞれ示される無水、半水、および二水の各セッコウを総称するもので特に限定されるものではない。
本発明では、セッコウ含有量は、SO換算で1%未満である。本発明において、セッコウ含有量は重要であり、セッコウ含有量をSO換算で1%未満とすることで、炭酸化養生後の曲げ強度をさらに高めることができる。また、寸法安定性や耐久性も向上させることができる。耐久性の具体例としては、供用後の強度低下がないこと、凍結融解抵抗性が向上すること等が挙げられる。
より好ましくは、セッコウの含有量は、SO換算で0.5%以下であり、0.3%以下が最も好ましい。なお、本発明においては、セッコウは含有されなくてもよい。
本発明の結合材を製造する際の原料としては、特に限定されるものではないが、CaO原料としては、例えば、石灰石や炭酸カルシウムの他、水酸化カルシウムを用いることもできる。
本発明では、CaO原料の一部または全部に、副生消石灰を用いて製造することが望ましい。CaO原料として、副生消石灰を用いることにより、本発明の結合材を製造する際のCO排出量の原単位を著しく低減することが可能である。特に、副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものであることが望ましい。
上記の副生消石灰を用いることで、本発明の結合材を生産する際のCO排出量の原単位が200kg−CO/ton以下となる。通常、ポルトランドセメントのCO排出量の原単位は750kg−CO/ton程度とされ、副産物である高炉スラグを多量に混和した高炉セメントのCO排出量の原単位でも450kg−CO/ton程度とされている(土木学会:コンクリート技術シリーズ No.44、コンクリートの環境負荷評価、p.I−25(2002)参照)。かくして、本発明の結合材は環境負荷低減性が顕著に高い。
SiO原料としては、特に限定されるものではないが、ケイ石微粉末、粘土、シリカフューム、フライアッシュ、非晶質シリカ、またはその他の各産業から副生するシリカ質の物質から選定できる。なかでも、ケイ石微粉末、粘土、またはフライアッシュが好ましい。
Al原料としては、特に限定されるものではないが、フライアッシュ、粘土、明礬石、ボーキサイト、またはその他の各産業から副生するアルミ質の物質から選定できる。なかでも、フライアッシュ、粘土、またはボーキサイトが好ましい。
Fe原料としては、特に限定されるものではないが、フライアッシュ、ヘマタイト、リモナイト、マグネタイト、 ウスタイト、マグヘマイト、またはその他の各産業から副生する鉄質の物質から選定できる。なかでも、ヘマタイト、リモナイトまたはマグネタイトが好ましい。
本発明の結合材は、CaO原料、SiO原料、あるいは、CaO原料、SiO原料、Al原料、Fe原料を、コニカルミル、らせん型混合機、櫂型攪拌機等を用いて撹拌しながら混合し、その後、熱処理することによって得られる。
結合材の製造時の各原料の混合の仕方は、すべての原料を撹拌混合器内に投入した後でもよいし、順次上記原料を投入してもよい。これらの原料の投入順序には制限はないが、まとめて原料を投入し混合するのが、生産効率上は好ましい。
熱処理方法は、キルンでの焼成や電気炉での溶融等が挙げられる。なかでもキルンを用いる熱処理方法が好ましい。
熱処理温度は、原料の配合にもよるが1200〜1600℃が好ましく、1250〜1500℃がより好ましい。1200℃未満では効率良く反応が進まず、遊離石灰が多く生成する場合がある。また、熱処理温度が1600℃を超えた場合は、得られるクリンカーの生成反応の更なる改善は期待できず、消費エネルギーが大きくなり、コスト高となり、環境負荷も大きくなるため望ましくない。
CaO原料、SiO原料、Al原料、Fe原料などの混合物を熱処理して得られたクリンカーは、ボールミルを用いて粉砕し、粉末にすることで結合材としても利用できる。
結合材の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000〜8,000cm/gが好ましく、3,000〜6,000cm/gがより好ましく、4,000〜5,000cm/gが最も好ましい。2000cm/g未満では充分な強度発現性が得られない場合があり、8,000cm/gを超えるように微粉化しても、さらなる効果の向上は期待できず、消費エネルギーが大きくなり、コスト高となり、環境負荷も大きくなる。
本発明では、セッコウはSO換算で1%未満の範囲で添加できる。セッコウはクリンカーと同時粉砕しても良いし、別々に粉砕した後、混合してもよい。これらの混合機としては、ボールミル、らせん型混合機、回転混合機等が挙げられ、ボールミル、またはらせん型混合機が好ましい。
本発明では、本発明の結合材の他に、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、砂等の細骨材、砂利等の粗骨材、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、および繊維物質からなる群から選ばれる一種以上の材料を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
上記した材料の混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、ナウタミキサ等の使用が可能である。好ましくは、傾胴ミキサ、オムニミキサ、またはナウタミキサが用いられる。
本発明においては、炭酸化養生は、オートクレーブ養生を行わなくても高い曲げ強度を発現し、寸法安定性に優れ、供用後の炭酸化に伴う強度低下や収縮も起こさず、凍結融解抵抗性を向上させる目的で実施される。
本発明の結合材を用いた炭酸化養生は、温度10℃以上70℃以下、相対湿度10%以上90%以下、CO濃度10%以上の条件で行うことが好ましく、温度20℃以上50℃以下、相対湿度40%以上90%以下、CO濃度20%以上の条件がより好ましい。
得られた建材は盛土・擁壁工事、スラブ等の土木分野、壁材、屋根材等の建築分野で好ましく用いられる。
以下、実施例、および比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
「実験例1」
炭酸化建材用の結合材は、CaO原料として石灰石微粉末を、SiO原料としてケイ石微粉末を、SiO原料、Al原料、およびFe原料としてフライアッシュを、Al原料としてボーキサイトをFe原料として鉄鉱石を使用して製造した。
上記の原料を所定の割合で、室温下、ボールミル(古河産機システムズ社製)中に、同時に投入して混合粉砕した。次いで、パン型造粒機により造粒し、ロータリーキルンを用いて熱処理を行い、表1に示すようなクリンカーを製造した。
熱処理温度は、バーナーの焼点温度で1450±30℃で行った。得られたクリンカーを粉砕し、セッコウを添加することなく、そのまま炭酸化建材用の結合材とした。
この結合材を用いて、水/結合材の質量比率50%、結合材と砂の質量比率が1/3のモルタルを調製した。50℃で4時間の蒸気養生(蒸気養生槽内、相対湿度100%)を施した後、脱型し、脱型時の強度を測定した。さらに、脱型後から炭酸化養生を施し、所定の材齢で強度を測定し、さらに、凍結融解、長さ変化を測定した。
炭酸化養生の条件は、30℃、相対湿度60%、COガス濃度10体積%の条件で、装置として中性化試験装置(朝日科学社製)を用い、7日間行った。
<使用材料>
CaO原料(1):石灰石微粉末、CaOが55.4%、MgOが0.37%、Alが0.05%、Feが0.02%、SiOが0.10%、強熱減量が43.57%。150μm通過率が97.%、100μm通過率が91.9%。
SiO原料:ケイ石微粉末、SiO成分:97.0%、Al成分:2.0%、Fe成分:0.1%、
SiO原料、Al原料、およびFe原料:フライアッシュ、CaO成分:5.2%、SiO成分:62.5%、Al成分:21.8%、Fe成分:4.8%、強熱減量:3.2%。
Fe原料:酸化鉄原料、Fe成分:90.0%
(測定方法)
鉱物組成:化学成分値からボーグの式を用いて求めた。
S=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe)−(2.85×SO
S=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF=(3.04×Fe
なお、本発明では、CSは3CaO・SiOを示し、CSは2CaO・SiOを示し、CAは3CaO・Alを示し、CAFは4CaO・Al・Feを示す。
モルタルの脱型強度:JIS R 5201に準じて圧縮強さを測定した。
炭酸化養生後のモルタルのCO含有量:クーロメータ(日本アンス社製)を用いて、CO量を測定して求めた。
炭酸化養生後のモルタル曲げ強度:供試体サイズは縦4cm×横4cm×長さ16cmの直方体であり、それ以外はJIS A 1106に準じて曲げ強度を測定した。
炭酸化養生後のモルタルの凍結融解:JIS A 1148に準じて行った。評価は、500サイクルまで動弾性係数の相対値が60%以上を確保した場合は○、300サイクルまで動弾性係数の相対値が60%以上を確保した場合は△、300サイクル未満で動弾性係数の相対値が60%未満に低下した場合は×とした。
炭酸化養生後のモルタルの長さ変化率:JIS A 1129−3に準拠して測定した。
Figure 0006383417
表1より、β-2CaO・SiOの含有量が40〜70%であり、3CaO・SiOと間隙相(3CaO・Alと4CaO・Al・Fe)との合計量が30〜60%であり、セッコウ含有量がSO換算で0%であると、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さくなることがわかる。中でも、間隙相が10%以下であり、3CaO・Alの含有量が5%以下であるものが特に優れることが分かる。
「実験例2」
実験No.1-4のクリンカーを使用し、SO含有量が表2のようになるように二水セッコウ(試薬、市販品)を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0006383417
表2より、SO換算で1%未満のセッコウ添加量であると、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さくなることが分かる。
なお、セッコウ添加量が2.0%は、ポルトランドセメントの標準的なSO添加率に相当する。
「実験例3」
実験No.1-4のクリンカー組成比となるように原料を配合し、CaO原料として、下記するCaO原料(1)〜(5)を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。なお、CaO原料(2)〜(5)はその一部又は全部に副生の消石灰を使用したものである。
<使用材料>
CaO原料(1):石灰石微粉末、CaOが55.4%、MgOが0.37%、Alが0.05%、Feが0.02%、SiOが0.10%、強熱減量が43.57%。150μm通過率が97.%、100μm通過率が91.9%。
CaO原料(2):副生消石灰、カルシウムカーバイドと水を反応させてアセチレンを発生させた後に副生する消石灰、CaOが73.1%、MgOが0.07%、Alが0.55%、Feが0.28%、SiOが0.95%、SOが1.31%、NaOが0.03%、KOが0.02%、強熱減量が23.80%。150μm通過率が99.5%、100μm通過率が96.9%。
CaO原料(3):CaO原料(1)30%とCaO原料(2)70%の混合物。
CaO原料(4):CaO原料(1)50%とCaO原料(2)50%の混合物。
CaO原料(5):CaO原料(1)70%とCaO原料(2)30%の混合物。
(測定方法)
焼成エネルギー:CaO原料として、石灰石(CaO原料(1))を用いた際の重油使用量と電力使用量の総和エネルギーを100とし、相対値で示した。
収率:ロータリーキルンにフィード(feed)した原料の質量を100とし、焼成後に得られた焼成物の質量の比率を100分率で示した。
Figure 0006383417
表3より、副生消石灰をCaO原料の一部又は全部に用いた場合に(実験No.3−1〜3−4)には、焼成エネルギーを大幅に削減でき、収率も著しく向上することが分かる。また、得られたクリンカーから調製した結合材の物性も良好であることが分かる。
「実験例4」
実験例3の結合材の製造において、かかる原料由来と燃料由来のCO排出量の原単位を算出した。なお、重油や電力のCO排出量の原単位は、土木学会のコンクリート技術シリーズ62、コンクリートの環境負荷評価(その2)、p.39に記載されるインベントリデータ(各種エネルギーの原単位)を用いて算出した。すなわち、重油は2.97kg−CO/リットル、電力は0.407kg−CO/kWhを用いた。また、炭酸化養生後の供試体を用いてCO吸収量を定量した。結果を表4に示す。
(測定方法)
CO吸収量:クーロメータ(日本アンス社製)を用いてCO量を測定した。
強熱減量を差し引いた結合材100部に対するCO量に換算し、結合材1tあたりのCO吸収量を定量した。
CO排出量:原料由来のCO排出量と燃料由来のCO排出量を計算した。
ここで、原料由来のCO排出量は石灰石微粉末を使用した場合、脱炭酸分を計算した値となり、副生消石灰を使用した場合、0kg−CO/tである。燃料由来のCO排出量の原単位は実際に使用した燃料量から算出した。
Figure 0006383417
表4より、副生消石灰をCaO原料の一部又は全部に用いた場合に(実験No.3−1〜3−4)には、CO排出量の原単位が著しく小さいことが分かる。また、CaO原料に占める副生消石灰の割合が一定以上になると、炭酸化養生後のCO吸収量の方が大きな値となっていることも分かる。
本発明の炭酸化建材用の結合材は、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さく、主として土木・建築分野において、使用することができる。

Claims (7)

  1. β-2CaO・SiOの含有量が40〜70質量%であり、3CaO・SiOと間隙相との合計含有量が30〜60質量%であり、セッコウ含有量がSO換算で1質量%未満である炭酸化建材用の結合材の製造方法であり、
    一部または全部に副生消石灰を用いるCaO原料、SiO 原料、Al 原料、およびFe 原料を、撹拌混合し、熱処理を行うことを特徴とする製造方法。
  2. 前記炭酸化建材用の結合材の間隙相の含有量が10質量%以下であり、3CaO・Alの含有量が5質量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記炭酸化建材用の結合材の粉末度が、ブレーン比面積値で2,000〜8,000cm/gである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. SiO原料、Al原料、およびFe原料がフライアッシュである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 熱処理温度が1200〜1600℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 結合材生産時のCO排出量原単位が200kg−CO/ton以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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