JP6381771B1 - 萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットおよび萎黄病菌の検出方法 - Google Patents

萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットおよび萎黄病菌の検出方法

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Abstract

【課題】萎黄病菌の検出方法としてより迅速な方法の提供を可能とする、LAMP法用プライマーセットを提供する。
【解決手段】LAMP法により、萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットであって、FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマーがそれぞれ特定の4種の配列により示されるポリヌクレオチド等であるプライマーセット、ならびに上記プライマーセットを用いて、検体から抽出された核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うことを含む萎黄病菌の検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットおよび萎黄病菌の検出方法に関する。
萎黄病はFusarium oxysporumが誘起する土壌病害である。萎黄病の症状は奇形葉の発生、矮化、葉色の変化などであり、症状が進展すると枯死に至る。特にイチゴでは萎黄病が発生しやすく、イチゴ生産における萎黄病菌の被害額は年間10億円を上回るほどである。萎黄病菌が産出する厚膜胞子は数年間土壌中で生存可能であり、厚膜胞子が潜伏する土壌は感染源となる。またイチゴ苗に感染後、好適条件下でも30〜40日間の潜伏期間があり、健全苗との識別が困難である。潜伏期間にある苗も生産現場に持ち込まれると感染源となる。
萎黄病の診断方法としては、雑菌処理した検体(イチゴ葉)を萎黄病菌の伸長に好適な環境下で長期間保管することで潜伏する萎黄病菌の菌糸を誘導し、視認する方法が知られている(非特許文献1)。しかしこの方法は10日〜2週間の長期間を要するという問題があった。また、菌糸が非病原性糸状菌に起因する場合があり偽陽性を示す問題もあった。
非特許文献2および3においては、萎黄病菌の検出方法としてPCR法およびLAMP法を利用した遺伝子診断方法がそれぞれ報告されている。これらの遺伝子診断方法によっては、萎黄病の診断を半日程度で行うことが可能になった。
LAMP法をイチゴ感染性の病原性糸状菌の検出に適用とした例としては、炭疽病菌の検出に用いた報告が非特許文献4にある。
石川成寿 (2011) これで防げるイチゴの炭疽病、萎黄病 農文協 Plant Disease 97: 619-625, 2013 イチゴ萎黄病菌を同定・検出するためのDNA増幅法、須賀晴久、岐阜大学、生命科学総合研究支援センター(http://www.sangaku.gifu-u.ac.jp/download/pdf/seeds/74.pdf#search=%27%E5%B2%90%E9%98%9C) Gen Plant Pathol DOI 10.1007/s10327-016-0665-8
萎黄病の蔓延を防ぐためにはより迅速に萎黄病菌を検出できることが必要である。LAMP法は、PCR法よりも処理時間が短く、PCR法において必要とされる高額機器も不要であり、実用のために好ましい技術である。しかし、非特許文献3に記載のLAMP法を用いた萎黄病菌の検出方法に要する時間は一般的なLAMP法と比較して長く、改善の余地がある。
本発明は、LAMP法を用いた萎黄病菌の検出方法として、より迅速な方法の提供を課題とするものである。より具体的には、本発明は、上記の方法に利用できる萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意検討し、非特許文献3に記載のLAMP法が長期間を要する原因が、上記方法において増幅されている核酸がコピー数の少ない染色体上にある遺伝子由来であるためであると推定した。そして、萎黄病中での存在量の多いリボゾームDNAの配列を利用してプライマーを設計することに思い至り、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下<1>〜<11>を提供するものである。
<1>LAMP法により、萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットであって:
配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
前記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーを含むプライマーセット。
<2>さらに、
配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
配列番号6の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号6の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上、または、
前記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含む<1>に記載のプライマーセット。
<3>前記LFプライマーおよび前記LBプライマーの双方を含む<2>に記載のプライマーセット。
<4>萎黄病菌の検出方法であって、
検体から核酸を抽出すること、
<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
増幅産物があると判断された場合に検体に萎黄病菌が存在すると判断することを含む、検出方法。
<5>検体が土壌である<4>に記載の検出方法。
<6>LAMP法により、萎黄病菌および炭疽病菌からなる群より選択される1つ以上の細菌由来の核酸を増幅するための複合プライマーセットであって:
<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット、ならびに
配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
前記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーを含む複合プライマーセット。
<7>さらに、
配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、炭疽病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上、または、
前記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含む<6>に記載の複合プライマーセット。
<8>前記LFプライマーおよび前記LBプライマーの双方を含む<7>に記載の複合プライマーセット。
<9>萎黄病菌および炭疽病菌からなる群より選択される1つ以上の細菌の検出方法であって、
検体から核酸を抽出すること、
<6>〜<8>のいずれかに記載の複合プライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
前記増幅反応後のDNAの二本鎖への会合曲線解析により、検体における上記細菌の存在の有無および存在する細菌の種類を判断することを含む、検出方法。
<10><1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット、鎖置換型DNA合成酵素、dNTPs及び緩衝液を含む、萎黄病菌の検出用キット。
<11>LAMP法により、萎黄病菌由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであって:
配列番号17または22の配列により示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号18の配列により示されるポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号19の配列により示されるポリヌクレオチドからなるF3プライマー、
配列番号20の配列により示されるポリヌクレオチドからなるB3プライマー、および、
配列番号21の配列により示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーを含むプライマーセット。
本発明により、LAMP法によって萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットが提供される。このプライマーセットを用いて、萎黄病菌を迅速に検出することができる。
FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーと標的二本鎖DNAとの位置関係を示す図である。 PCR法で得られた結果および本発明のプライマーセットを用いたLAMP法で得られた結果を合わせて示す写真である。 実施例で行ったLAMP反応における各サンプルの吸光度変化を示すグラフである。 本発明の複合プライマーセット用いてLAMP法による増幅を行った増幅産物の会合曲線を示す図である。 PCRによる増幅産物を3%アガロースゲル上で電気泳動した結果を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について更に詳しく述べる。
本明細書中において、核酸の塩基配列中のA、G、T、Cは、デオキシリボヌクレオチド中のアデニン塩基、グアニン塩基、チミン塩基、シトシン塩基を示す。
LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法は、Notomiらによって開発され、日本特許第3313358号公報、Nucleic Acids Research, 28, e63, 2000、Biochemical and Biophysical Research Communications, 290, 1195-1198, 2002、Clinical Chemistry, 47, No.9, 1742-1743,2001に報告されている核酸の増幅方法である。一般的に、LAMP法は、PCRを用いた方法に比べ増幅効率が優れていると共に、サンプル中の不純物の影響も受けにくい。そのため、簡便なサンプルの前処理で目的の核酸の増幅を行うことが可能である。
本明細書において「LAMP法」は、RT−LAMP(Reverse transcription−Loop−mediated isothermal amplification)法を含む意味で用いられる。RT−LAMP法においては、逆転写反応とLAMP反応を同時に行うことによってRNAを鋳型に核酸の増幅を行う。
<LAMP法に用いるプライマー>
LAMP法におけるプライマーおよびプライマー設計について、以下説明する。
LAMP法に用いられるプライマーセットは、少なくとも、FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーを含む。図1は、FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーと標的二本鎖DNAとの位置関係を示した図である。
FIPプライマーおよびBIPプライマーは、各々二つの領域を含む。即ち、FIPはF1cとF2を含み、BIPはB2とB1cを含む。F3プライマーはF3領域を含んでいる。B3プライマーはB3領域を含む。各プライマーはそれぞれ以下のように設計する。
(1)FIPプライマー:標的核酸のF2領域を3´端に持ち、5´末端側に標的核酸のF1cと同じ配列を持つように設計する。
(2)F3プライマー:標的核酸のF3領域を持つように設計する。
(3)BIPプライマー:標的核酸のB2領域を3´端に持ち、5´末端側に標的核酸のB1cと同じ配列を持つように設計する。
(4)B3プライマー:標的核酸のB3領域を持つように設計する。
ここで、F3、F2、F1、B1c、B2c、B3c領域は、二本鎖を構成する一方の鎖のDNAの5'末端側から3'末端側方向にかけてこの順で設定された領域である。またB3、B2、B1、F1c、F2c、F3c領域は、その相補鎖のDNAの5'末端側から3'末端側方向にかけてこの順で設定された領域である。このときB3とB3c、B2とB2c、B1とB1c、F1cとF1、F2cとF2、F3cとF3は相補鎖である。
このようなFIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマーおよびB3プライマーを用いてLAMP増幅を行なうと、図1の二本鎖DNAの夫々の鎖から、ダンベル型のステム・アンド・ループ構造の増幅産物が得られる。その増幅機構については、例えば、Webサイトhttp://www.eiken.co.jp/、または特開2002−186781号公報を参照することが可能である。
プライマーセットは、上記4種のプライマーのほかにループプライマーを含むことが好ましい。ループプライマーとしては、LFプライマー、LBプライマー、またはLFプライマーおよびLBプライマーを用いることが好ましい。LFプライマーおよびLBプライマーは、増幅反応の起点となるダンベル構造の5'末端側のループの1本鎖部分に相補的な配列を持つループプライマーである。LFプライマーは、図1中のF1領域とF2領域の間の配列に相補的な配列を持つようにすれば設計でき、LBプライマーは、図1中のB1領域とB2領域の間の配列に相補的な配列を持つように設計できる。LFプライマー及びLBプライマーを用いることにより、DNA合成の起点を増やすことが可能となり、増幅効率が上がり、増幅に要する時間を1/3〜1/2に短縮することが可能となる。
<プライマーセット>
本発明のプライマーセットはLAMP法により萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットである。
上記プライマーセットは、リボゾームDNA配列情報に基づき、保存性の高い領域において、F3、F2、F1c、B1c、B2、B3領域を選択して設計された。
表1に複数の萎黄病菌株のリボゾームDNA配列情報のアライメントを示す。
さらにループプライマーとして、LFプライマーおよびLBプライマーを設計した。
本発明者らは、リボゾームDNA配列情報に基づいて設計されたプライマーセットを用いてLAMP反応を行うことにより、より迅速な萎黄病菌の検出が可能であることを見出した。リボゾームは、細胞における存在量が核と比較して多いためと考えられる。
上記FIPプライマーは、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記FIPプライマーは、配列番号1で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。そのようなポリヌクレオチドの例は、アライメントに用いたいずれかの株におけるF2領域の配列を3´端に持ち、5´末端側に各株におけるF1領域の相補配列を持つポリヌクレオチドである。
配列番号1で示されるポリヌクレオチドは配列番号8で表されるF2領域と配列番号7で表されるF1c領域とが直接結合したものであるが、FIPプライマーは、F2領域とF1c領域との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含むポリヌクレオチドであってもよい。ただし、FIPプライマーにおいて、F2領域とF1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は上記FIPプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記BIPプライマーは、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記BIPプライマーは、配列番号2の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。そのようなポリヌクレオチドの例は、アライメントに用いたいずれかの株におけるB2領域の配列を3´端に持ち、5´末端側に表1で示される各株におけるB1領域の相補配列を持つポリヌクレオチドである。
配列番号2の配列で示されるポリヌクレオチドは、配列番号10で表されるB2領域の配列と配列番号9で表されるB1c領域の配列が直接結合したものである。BIPプライマーは、B2領域とB1c領域に対応する配列との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含むポリヌクレオチドであってもよい。ただし、BIPプライマーにおいて、B2領域とB1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は上記BIPプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれ、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、それぞれ配列番号3から6それぞれの配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。そのようなポリヌクレオチドの例は、アライメントに用いた示されるいずれかの株における、それぞれF3領域、B3領域、LF2領域、LB2領域の配列を持つポリヌクレオチドである。
さらに、変異は上記F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーのそれぞれのGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、それぞれ混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれについて上述されるポリヌクレオチドを、全て同時に相補配列としたものによりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなっていてもよい。
プライマーセットにおける各プライマーは、それぞれの塩基配列情報をもとに、一般的なDNA合成機で合成することができる。
また、プライマーセットにおけるプライマー量比は特に限定されず、LAMP法において一般的である量比で用いればよい。例えば、FIPプライマーおよびBIPプライマーを同モル量、F3プライマーおよびB3プライマーを同モル量とし、FIPプライマーの50%〜10%のモル量でF3プライマーを用いることができる。例えば、反応液12.5マイクロリットルで目視判定する場合、1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ2.5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ20ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ10ピコモルとすることができる。反応液25マイクロリットルで目視判定もしくはカネカ温調機能付き吸光度計 MyAbscope(登録商標)、エンドポイント濁度測定装置LT−16(ニッポンジーン)もしくはLAMP法用LF−8 Plus(ニッポンジーン)を使用する場合、1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ40ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ20ピコモルで用いることができる。またGenelyzer F(TOSHIBA MEDICAL)、Genie(登録商標)III(ニッポンジーン)を用いたモニタリングを行う場合、反応液25マイクロリットルで1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ20ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ10ピコモルで用いることができる。
<LAMP法:核酸の増幅>
LAMP法によるDNAの増幅反応においては、検体から抽出された核酸と、プライマーセットと、鎖置換型DNA合成酵素と、dNTPs(dATP、dTTP、dGTP及びdCTP)と、緩衝液とを含む反応液を、等温で一定時間静置すればよい。RT−LAMP法を行う場合は、さらに逆転写酵素を上記反応液に添加すればよい。
温度は、50℃以上75℃以下が好ましく、60℃以上65℃以下がより好ましく、63℃がさらに好ましい。静置時間は、15分以上であればDNAの増幅を検出できるが、15分以上1時間以内が好ましく、20分以上40分以内がより好ましい。
鎖置換型DNA合成酵素、dNTPs及び緩衝液としては、例えば、Loopamp(登録商標)DNA増幅試薬キット(栄研化学社製)に含まれる各試薬を使用できる。
またLAMP法用DNA増幅試薬セット-動物種・植物病検査専用A-(ニッポンジーン) 及び LAMP法用DNA増幅試薬セット-動物種・植物病検査専用B-(ニッポンジーン)も使用可能である。等温増幅蛍光測定装置GelyzerTM Fシリーズ(TOSHIBA MEDICAL)もしくは等温増幅蛍光測定装置Genie(登録商標)III(ニッポンジーン)を使用する際は遺伝子増幅用試薬Isothermal Master Mix(TOSHIBA MEDICAL)もしくはIsothermal Master Mix for Genie(登録商標)III(ニッポンジーン)も使用可能である。
<萎黄病菌の検出>
上記のプライマーセットを用いて核酸の増幅を行うことにより、簡便、安価、高速に、萎黄病菌を検出することが可能である。具体的には、検体に含まれる核酸をLAMP増幅反応に供し、増幅反応の結果生じた増幅産物の有無を判定することにより、検体中の萎黄病菌を検出することができる。
ここで「検体」としては、萎黄病が発生しうる全ての植物が挙げられる。検体となるうる植物としては、例えば、イチゴ、大根、キャベツ、レタス、コマツナ、およびチンゲンサイなどの他、コスモスなどの草花が挙げられる。イチゴは、萎黄病が発生しやすく、発生した場合の生産者への被害額も大きくなるため検体として好ましい。
植物において検体とする部位としては、葉、実、茎、根等、いずれの部位を用いてもよいが、葉を用いることが好ましい。
また、土壌、特に上記植物の栽培のための土壌を検体とすることもできる。上述のように萎黄病菌が産出する厚膜胞子は数年間土壌中で生存可能であり、上記植物の栽培のための土壌を検体として萎黄病菌の有無を確認することにより、萎黄病の発生や拡大を未然に防止することが可能である。より確実な検出を行うために土壌は、フザリウム属菌を選択的に成長させるFOG2培地による前培養を行って検体とすることも好ましい。
検体から、核酸を抽出し、抽出した核酸を鋳型としてLAMP法による増幅反応を行う。核酸の抽出は、公知の方法で行えばよい。
い。
増幅産物の有無の判断は、例えば、LAMP法による核酸の増幅反応を行った後の反応液を肉眼で観察し、反応液の白濁が確認された場合に菌が存在すると判断できる。また、この反応液にSYBR Green I等の蛍光インターカレーターを加え、UV照射下で核酸の増幅を示す発光が確認された場合に菌が存在すると判断できる。この判断は目視で行うことも可能である。
カネカ社性の温調機能付き吸光度計(MyAbscope(登録商標))もしくはエンドポイント濁度測定装置LT-16(ニッポンジーン)、LAMP法用LF−8 Plus(ニッポンジーン)を用いて増幅産物量に応じた吸光度の変化を測定してもよい。増幅産物の有無に加えて、増幅産物の量をある程度判断することが可能である。
また、LAMP反応で得られる一本鎖核酸の二本鎖への会合をモニタリングして会合曲線解析を行うことにより、増幅された核酸の検出が可能である。このような会合の解析は、例えば、東芝メディカルシステムズ株式会社の等温増幅蛍光測定装置Genelyzer FもしくはGenie(登録商標)III(ニッポンジーン)を用いて行うことができる。測定の際は、上記測定装置の専用試薬を用いればよい。
リボゾームDNA配列情報に基づき設計された上記のプライマーセットを用いた検出方法において陽性であったサンプルを、さらに、染色体DNA配列情報に基づき設計されたプライマーセットを用いた検出方法に適用して、さらに特異性の高い診断を行うことができる。萎黄病菌と同じフザリウム属菌である非病原性糸状菌Fusarium oxysporum並びにF. verticillioidesがしばしば植物から単離されるが、これらの非病原性糸状菌が、リボゾームDNA配列情報に基づき設計された上記のプライマーセットを用いた検出方法において偽陽性の原因となる可能性がある。後述の実施例で示すような染色体DNA配列情報に基づいて設計されたプライマーセットを用いることにより、萎黄病菌由来の核酸をより特異的に検出することができる。例えば、これらのプライマーセットを用いたLAMP法においては上記の非病原性糸状菌2種由来の核酸は増幅しない。したがって、追加の試験を行うことにより偽陽性の可能性を排除することができる。
<糸状菌検出用キット>
また、本発明の検出方法を使用するために必要な各種の試薬類は、予めパッケージングしてキット化することができる。具体的には、上記プライマーセット、核酸合成の基質となる4種類のdNTPs(dATP、dCTP、dGTP及びdTTP)、鎖置換活性を有する鎖置換型DNA合成酵素、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、補助因子としての塩類(マグネシウム塩又はマンガン塩等)、酵素や鋳型を安定化する保護剤、さらに必要に応じて反応生成物の検出に必要な試薬類をキットとして提供できる。
キットは、本発明のプライマーセットによってLAMP反応が正常に進行することを確認するための陽性対照(ポジティブコントロール)を含んでいてもよい。陽性対照としては、例えば、本発明のプライマーセットにより増幅される領域を含んだDNAが挙げられる。
<萎黄病菌および炭疽病菌の同時検出>
リボゾームDNA配列情報に基づき設計された上記のプライマーセットを、さらに非特許文献4により報告されている炭疽病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットと組み合わせた複合プライマーセットとすることにより、萎黄病菌および炭疽病菌のいずれか一方または双方に感染した検体を検出することが可能である。後述の実施例で示すように、複合プライマーセットを用いても、偽陽性は確認されないため、複合プライマーセットを用いることにより、萎黄病菌および炭疽病菌のいずれか1つ以上への感染を容易、迅速に低コストで検出することができる。
複合プライマーセットの複数を組み合わせて用いた測定においては、増幅産物であるDNAが二本鎖へと会合する経過を蛍光により測定する手法で会合曲線解析を行うことにより、検出されている感染菌の種類の数を判断することが可能であり、単独感染であるかまたは重複感染であるかを判別することができる。また、萎黄病菌および炭疽病菌それぞれ単一の核酸に基づく増幅産物についての既知のデータと照合することにより、感染菌の種類の特定が可能である。
複合プライマーセットを用いた検出方法の検体としては、上述した植物のいずれかの部位を用いることが好ましい。炭疽病菌は水やりや風雨による飛沫感染で、苗から苗へと伝搬されることが知られているが土壌を介しての伝搬は報告されていないためである。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
<リボゾームDNAに基づくプライマーセットの設計>
上述のように、プライマーセットを設計した。イチゴ萎黄病菌のリボゾームDNAのITS領域(accession No. FITP0003)でプライマーを設計に用いた。既知の菌株間で保存性が高い領域を選抜し、ループプライマーを含む、上記表2に示す配列番号1〜6の配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるプライマーセットを設計した。
設計されたプライマーセット(プライマー)を、標準的なオリゴDNAで合成し、さらにHPLC精製後、滅菌蒸留水で100μMに希釈したものをマスターミックスとして冷凍保存した。夫々のプライマーについて、所定の濃度に希釈して一定量確保した。希釈したプライマーも−20℃で冷凍保存した。
<土壌中のイチゴ萎黄病菌の検出>
[イチゴ萎黄病菌の胞子の準備]
PDA培地上で培養したイチゴ萎黄病菌の菌体を、白金耳でマングビーン液体培地に移し、常温で数日間振とう培養もしくは静置培養したあと、発生した胞子を回収した。顕微鏡で胞子数を数え、段階的に希釈した胞子懸濁液を準備した。あらかじめ50ml三角フラスコに入れておいたオートクレーブ済み土壌(10ml相当)に上記胞子懸濁液を滴下してそれぞれ検体とした。
[土壌からのDNA抽出]
「平成23年度 成果普及技術資料」イチゴ炭疽病・萎黄病・疫病感染苗検査マニュアルに沿ってDNA抽出を行った。各検体(土壌)入り三角フラスコに滅菌蒸留水20mlを加え1分間振とうした。懸濁液1mlを新しいチューブに移した。小型遠心機で1分間遠心し、上清を除去した。ガラスビーズ(径0.6mm、約0.2g、6粒相当)とスキムミルク(0.2g/ml)10μL、抽出バッファー(100mM Tris−HCl pH9.0、40mM EDTA)250μL、10%SDS 50μL、塩化べンジル150μLを加え、ボルテックスで激しく攪拌した。60℃で15分間処理した。3M酢酸ナトリウム150μLを加えて、ボルテックスで激しく攪拌した。その後氷上で15分間静置した。小型遠心機で1分間遠心し、上清約300μLを新しいチューブに入れた。上清液に吸着液(MgEx Kit)600μLと磁気ビーズ(MgEx Kit)40μLを加えて、チューブミキサーで1分間攪拌した。磁気スタンド(商品名:Magical Trapper(TOYOBO)にセットし、30秒間静置し、その後上清を除去した。洗浄液900μLを加えて、チューブミキサーで10秒間攪拌した。磁気スタンドにセットして30秒間静置し、その後上清を除去した。70%エタノール900μLを加えて、チューブミキサーで10秒間攪拌した。チューブミキサーで10秒間攪拌した。さらに、滅菌蒸留水100μLを加えて、チューブミキサーで1分間攪拌した。磁気スタンドにセットして30秒間静置し、上清を新しいチューブに回収した。このように得られた調製物をPCRまたはLAMP法の鋳型に用いた。
[LAMP法(目視判定)とPCR法の比較]
Loopamp(登録商標)DNA増幅試薬キットとLoopamp蛍光・目視検出試薬(栄研化学https://genome.e-mp.jp/products/mokusi.html)と上記プライマーセットを使用した。1サンプル当たり、1μLの上記調製物と6.25μLの2×Reaction mixture、0.5μLのEnzyme mix、0.5μLの蛍光試薬、0.5μLのF3プライマー(5μM)、0.5μLのB3プライマー(5μM)、0.5μLのFIPプライマー(40μM)、0.5μLのBIPプライマー(40μM)、0.5μLのLFプライマー(20μM)、0.5μLのLBプライマー(20μM)、1.25μLの滅菌蒸留水を加えることで計12.5μLに調製した。
あるいは、2.0μLの上記調製物と12.5μLの2×Reaction mixture、1.0μLのEnzyme mix、1.0μLの蛍光試薬、1.0μLのF3プライマー(5μM)、1.0μLのB3プライマー(5μM)、1.0μLのFIPプライマー(40μM)、1.0μLのBIPプライマー(40μM)、1.0μLのLFプライマー(20μM)、1.0μLのLBプライマー(20μM)、2.5μLの滅菌蒸留水を加えることで計25μLに調製した。ネガティブコントロールとしてDNAではなく滅菌蒸留水2.0μLを添加した。
LAMP反応は63℃90分のあと95℃2分とすることで行った。
得られた結果をイチゴ炭疽病・萎黄病・疫病感染苗検査マニュアル「平成23 年度 成果普及技術資料」に従って行ったPCR法による結果を合わせて図2に示す。
LAMP法においても、PCR法と同等の検出感度の結果が得られていることがわかる。なお、それぞれの方法に要した時間は、PCR法が3時間、LAMP法が90分であった。
[吸光度計による検出]
Loopamp(登録商標)DNA増幅試薬キットとカネカ温調機能付き吸光度計MyAbscope(登録商標)を用いた。2.0μLの上記調製物と12.5μLの2×Reaction mixture、1.0μLのEnzyme mix、1.0μLのF3プライマー(5μM)、1.0μLのB3プライマー(5μM)、1.0μLのFIPプライマー(40μM)、1.0μLのBIPプライマー(40μM)、1.0μLのLFプライマー(20μM)、1.0μLのLBプライマー(20μM)、3.5μLの滅菌蒸留水を加えることで計25μLに調製した。ネガティブコントロールとしてDNAではなく滅菌蒸留水2.0μLを添加した。LAMP反応は63℃60分、85℃10分で行った。Gセンサで吸光度変化をリアルタイム測定した。
結果を図3に示す。リアルタイム測定により、目視判定した場合と比較して、さらなる迅速化が図られていることが分る。
<感染苗からのイチゴ萎黄病菌の検出>
イチゴ苗にイチゴ萎黄病菌胞子懸濁液(1.0×105個/ml)を滴下摂取し、1週間常温で静置した。この苗と健全苗(非感染苗)につき、それぞれ、最外葉の葉柄基部をカミソリで数mm切り取り、50ml滅菌蒸留水と小さい薬さじ1杯分のpolyclar VTを含む500μLチューブに入れ電子レンジで500W1分間処理した。遠心後得られる調製物を、PCRまたはLAMP法の鋳型として使用した。
1サンプル当たり、1μLの上記調製物と6.25μLの2×Reaction mixture、0.5μLのEnzyme mix、0.5μLの蛍光試薬、0.5μLのF3プライマー(5μM)、0.5μLのB3プライマー(5μM)、0.5μLのFIPプライマー(40μM)、0.5μLのBIPプライマー(40μM)、0.5μLのLFプライマー(20μM)、0.5μLのLBプライマー(20μM)、1.25μLの滅菌蒸留水を加えることで計12.5μLに調製した。LAMP反応は63℃1時間、95℃2分で行った。
健全苗は陰性、感染苗は陽性(蛍光)である結果が得られた。
<イチゴ萎黄病菌とイチゴ炭疽病の同時検出>
[DNA抽出]
イチゴ炭疽病菌およびイチゴ萎黄病菌をそれぞれPDA培地上で数日間培養し、伸長した菌糸からSaitohら(Gen Plant Pathol 72:348−350,2006)の手法でDNAを抽出した。DNAは50μLの蒸留水に希釈した。抽出したDNAを−20℃で保管した。
[LAMP法(目視判定)]
Loopamp(登録商標)DNA増幅試薬キットとLoopamp 蛍光・目視検出試薬、上記のイチゴ炭疽病菌検出用プライマーセットとKATOH et al.,2016(非特許文献4)に記載のイチゴ萎黄病菌検出用プライマーセット(表4)とを使用した。
上記で得られたイチゴ炭疽病菌およびイチゴ萎黄病菌のDNA抽出物を用いて、双方を含む混合調製物と、一方の菌のDNA抽出物のみを含む調製物2つを準備した。ネガティブコントロールとしては滅菌蒸留水を使用した。1サンプル当たり、2μLの調製物(または滅菌蒸留水)と12.5μLの2×Reaction mixture、1.0μLのEnzyme mix、1.0μLの蛍光試薬、0.5μLのCgF3プライマー(10μM)、0.5μLのCgB3プライマー(10μM)、0.5μLのCgFIPプライマー(40μM)、0.5μLのCgBIPプライマー(40μM)、0.5μLのCgLFプライマー(40μM)、0.5μLのCgLBプライマー(40μM)、0.5μLのFoF3プライマー(10μM)、0.5μLのFoB3プライマー(10μM)、0.5μLのFoFIPプライマー(40μM)、0.5μLのFoBIPプライマー(40μM)、0.5μLのFoLFプライマー(40μM)、0.5μLのFoLBプライマー(40μM)、0.5μL滅菌蒸留水を加えることで計25.0μLに調製した。
LAMP反応は63℃90分、95℃2分で偽陽性を生じないことを確認後、63℃60分、95℃2分で行った。
ネガティブコントロール以外の3サンプルで陽性(蛍光)である結果が得られた。
[会合曲線解析]
1.0μLの調製物(または滅菌蒸留水)、15μLのISO−004(Genelyzer F用試薬)、1.0μLのCgF3プライマー(5μM)、1.0μLのCgB3プライマー(5μM)、0.5μLのCgFIPプライマー(40μM)、0.5μLのCgBIPプライマー(40μM)、0.5μLのCgLFプライマー(20μM)、0.5μLのCgLBプライマー(20μM)、1.0μLのFoF3プライマー(5μM)、1.0μLのFoB3プライマー(5μM)、0.5μLのFoFIPプライマー(40μM)、0.5μLのFoBIPプライマー(40μM)、0.5μLのFoLFプライマー(20μM)、0.5μLのFoLBプライマー(20μM)、1.0μL滅菌蒸留水を加えることで計25.0μLに調製した。調製したサンプルをGenelyzer F(TOSHIBA MEDICAL)にセットし、63℃30分処理後、95℃2分間処理でLAMP反応を停止させた後、徐々に80℃まで下げた。その間に会合による蛍光をモニタリングした。結果を図4に示す。混合調製物サンプルは2つのピークを示した。
<染色体DNAに基づくプライマーセットを用いたLAMP法>
[プライマーセットの設計]
萎黄病菌の染色体にある遺伝子配列を標的にして、表5に示すプライマーセットAを設計した。萎黄病菌FOF10株のトランスポゾン領域Han_Skippy(アクセッション番号JX204304,Suga et al.2013)の塩基配列にHanRCプライマー配列(Pasquali et al.,2007)(表6において小文字表記の部分)を繋ぎ合わせた配列(表6)に基づき、ループプライマーを含むプライマーセットをデザインした。Tm値について、F1cおよびB1領域で65℃前後(64〜66℃)、F2領域、B2領域、F3領域、B3領域で60℃前後(59〜61℃)、ループプライマーは65℃前後(64〜66℃)にできるよう設定した。それぞれのTm値の推算式はNearest―Neigbor法で計算した。それぞれのプライマーについてGC含量が40〜65%、好ましくは50〜65%になるように設定した。F2領域の外側からB2領域の外側まで(LAMP法の増幅領域)が120から160塩基になるように設計した。F2領域の5’末端からF1領域の5’末端まで(ループを形成する部分)は40から60塩基になるように設計した。F2領域とF3域の間の距離は0から60塩基になるように設計した。B2領域の5’末端からB1領域の5’末端まで(ループを形成する部分)は40から60塩基になるように設計した。B2領域とB3域の間の距離は0から60塩基になるように設計した。
[目視によるLAMP反応の観察]
上記プライマーセットAを用いてLAMP法によるDNA増幅を行った。LAMP 法用DNA 増幅試薬セット(動物種・植物病検査専用B、ニッポンジーン)とプライマーセットAを使いLifeECOサーマルサイクラー(Bioer Technology Co.,Ltd.)で反応させた。2.5μLの10×反応バッファーB、5μLの5×反応添加液、1.4μLのdNTPs Mixture、1μLの検出液、1μLの増幅酵素、40pmolのFIP51プライマーとBIP51プライマー、20pmolのLF352プライマー、5pmolのF351プライマーとB351プライマーを添加したあと蒸留水で23μLにメスアップした。最後にPDA培地上で数日間培養したイチゴ萎黄病菌の菌糸からSaitohら(2006)の手法で抽出したDNA(2μL)を添加し反応させた。調製物においてはDNA濃度を100pgから10ngまで段階的に希釈した。LAMP反応は61℃、62℃、63℃、63.5℃、64℃、65℃そして66℃のそれぞれ処理温度で1時間反応させた。その後94℃2分の処理でLAMP反応を停止させた。LAMP反応による増幅の有無は目視で判別した。反応液が空色の場合はイチゴ萎黄病菌の存在を示す陽性反応、紫色は陰性反応を示す。結果を表7に示す。
[PCRによる萎黄病菌の検出との比較]
PCRによる検出試験を同じ段階的に希釈したDNAを鋳型にして検定した。PCR反応液(20μL)は0.5μLのTakara EX Taq DNA polymerase、2μLの10×Ex Taq buffer (Mg2+ plus)、1.6μLのdNTP、それぞれ1μLの5μM FofraFプライマーとFofraRプライマー(Suga et al. 2013)、そしてLAMP法で用いたものと同じ調製物2μLで反応させた。LifeECOサーマルサイクラーにセットし、94℃で2分間処理の後、94℃30秒から55℃30秒、72℃30秒までを40回繰り返した。その後72℃で8分間処理して反応を終了させた。PCRによる増幅産物は3%アガロースゲル上で電気泳動した。次にエチジウムブロマイドでゲルを染色後、紫外線照射で増幅産物を確認した。結果を図5に示す。図5中、MはDNAマーカー、1は鋳型無し、2は10ng、3は1ng、4は100pgの結果である。
図5に示す結果から、上記プライマーセットAを用いたLAMP反応はSugaら(2013)(非特許文献2)が考案したPCRと同様の結果を示すことがわかる。この結果は、1時間のLAMP反応で得られたものであり、岐阜大のLAMP反応(非特許文献3)で要した2.5時間と比較して短縮が図られている。
[特異性の確認]
萎黄病菌(F.oxysporum f.sp.Fragariae)ub−2株、KNK,UKA−1株;非病原性糸状菌F.oxysporum FOF13、FOF25、FOF55、FOF113、FOF121株、Colletotrichum acutatum ia−1株、C.gloeosporioides OTT−512株、Phytophthora cactorum PC15株;非病原性糸状菌F. oxysporum MAFF727519株、F. verticillioides 9c−1−1株について陽性を示すか否かを確認した。これら菌株は室温下のPDA培地で保管した。これらPDA培地上で伸長した菌糸から、Saitohら(2006)の手法でDNAを抽出した。DNAは50μLの蒸留水に希釈した。抽出したDNAを−20℃で保管し、PCRとLAMP反応に使用した。DNA濃度は分光光度計(NanoDrop Lite; Thermo Scientific)で計測した。DNAが確実に抽出されているか、糸状菌DNAならば普遍的に増幅するPCRプライマーセットで確認した。
PDA上で生育させた糸状菌から抽出したDNAを鋳型にして、上記手順と同様に、プライマーセットAを用いたLAMP法の選択的特異性を検定した。
結果を表8に示す。
萎黄病菌のみ陽性反応を示し、非病原性糸状菌F.oxysporum,F.verticillioidesの他、炭疽病菌Colletotrichum gloeosporioides,C. acutatumそして疫病菌Phytophthora cactorumでは陰性反応を示していることがわかる。
表6のアライメントに基づき、さらに表9に示すプライマーセットBおよびCもデザインし、それぞれを用いて、同様にLAMP反応の観察を行ったが、いずれも、非病原性糸状菌 F. oxysporumにも陽性を示した。
[LAMP法を用いた土壌からの萎黄病菌の確認]
高圧滅菌した土壌10mL相当に胞子数が異なる萎黄病菌懸濁液を加え、FOG2培地を添加して4日間前培養した後に抽出したDNAを鋳型として上記手順と同様に、プライマーセットAを用いてLAMP反応による核酸増幅、検出を行った。その結果、102個、103個、104、および105個の胞子を含む土壌全てが陽性反応を示した(表10)。

Claims (11)

  1. LAMP法により、萎黄病菌由来の核酸を増幅するためのプライマーセットであって:
    配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含み、該変異がF2領域(配列番号8)とF1c領域(配列番号7)との間への1〜6ヌクレオチドの配列の挿入であるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、萎黄病菌由来の核酸を増幅可能な範囲で変異を含み、該変異がB2領域(配列番号10)とB1c領域(配列番号9)との間への1〜6ヌクレオチドの配列の挿入であるポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチドからなるB3プライマー
    を含むプライマーセット。
  2. 配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチドからなるB3プライマーを含む請求項1に記載のプライマーセット。
  3. さらに、
    配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
    配列番号6の配列により示されるポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上
    を含む請求項1または2に記載のプライマーセット。
  4. 前記LFプライマーおよび前記LBプライマーの双方を含む請求項3に記載のプライマーセット。
  5. 萎黄病菌の検出方法であって、
    検体から核酸を抽出すること、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のプライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
    増幅産物があると判断された場合に検体に萎黄病菌が存在すると判断することを含む、検出方法。
  6. 検体が土壌である請求項5に記載の検出方法。
  7. LAMP法により、萎黄病菌および炭疽病菌からなる群より選択される1つ以上の糸状菌由来の核酸を増幅するための複合プライマーセットであって:
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のプライマーセット、ならびに
    配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドからなるB3プライマーを含むプライマーセット
    を含む複合プライマーセット。
  8. さらに、
    配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
    配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上
    を含む請求項7に記載の複合プライマーセット。
  9. 前記LFプライマーおよび前記LBプライマーの双方を含む請求項8に記載の複合プライマーセット。
  10. 萎黄病菌および炭疽病菌からなる群より選択される1つ以上の糸状菌の検出方法であって、
    検体から核酸を抽出すること、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の複合プライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
    前記増幅反応後のDNAの二本鎖への会合曲線解析により、検体における上記糸状菌の存在の有無および存在する糸状菌の種類の数を判断することを含む、検出方法。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプライマーセット、鎖置換型DNA合成酵素、dNTPs及び緩衝液を含む、萎黄病菌の検出用キット。
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