JP6378872B2 - 二酸化炭素施用制御装置、二酸化炭素施用装置、二酸化炭素施用方法およびプログラム - Google Patents

二酸化炭素施用制御装置、二酸化炭素施用装置、二酸化炭素施用方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、作物を栽培する温室における二酸化炭素(CO2)施用技術に関する。
作物を栽培する温室において二酸化炭素施用をする技術が知られている。特許文献1は、温室の換気窓が開いているときの二酸化炭素の温室外への流出を防止するため、温室外に二酸化炭素濃度センサーを設け、換気窓が開いているときの温室内の二酸化炭素濃度を、大気の二酸化炭素濃度と等しくなるように制御する技術を開示している(要約書参照)。
日本にも、温室に二酸化炭素施用システムを導入している生産者(農家)がある。しかし、日本の特に生産現場においては、温度管理が最も重視されている。したがって、温度管理が優先された結果、温室内の温度が上昇し換気が始まる前までの時間(まだ日射量の少ない早朝の時間帯に2〜3時間)に、二酸化炭素を施用する施用方法が広く普及していた。
特開2005−65602号公報
特許文献1に記載の技術においては、温室の内および外にそれぞれ、合計2個の二酸化炭素濃度センサーを設ける必要があり、高コストになってしまうという問題があった。
これに対し本発明は、より低コストで、より効率的な二酸化炭素施用を行う技術を提供する。
本発明は、二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶する第1記憶手段と、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を記憶する第2記憶手段と、開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を示す信号が当該窓が閉じていることを示している場合には前記第1設定値を濃度設定値とし、前記信号が前記窓が開いていることを示している場合には前記第2設定値を濃度設定値として、前記温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を制御する制御手段とを有する二酸化炭素施用制御装置を提供する。
前記第2設定値は、400ppm以上500ppm以下であってもよい。
前記第1設定値は、600ppm以上1500ppm以下であってもよい。
前記第1設定値は、600ppm以上1000ppm以下であってもよい。
この二酸化炭素施用制御装置は、時刻を計測する計時手段を有し、前記制御手段は、前記計時手段により計測される時刻があらかじめ決められた範囲にない場合には、前記二酸化炭素供給手段から二酸化炭素を供給させなくてもよい。
また、本発明は、設定温度に応じて開閉する窓を有する温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段と、二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶する第1記憶手段と、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を記憶する第2記憶手段と、設定温度に応じて開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を検知する検知手段から出力される信号が前記窓が閉じていることを示している場合には前記第1設定値を濃度設定値とし、前記信号が前記窓が開いていることを示している場合には前記第2設定値を濃度設定値として、前記温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を制御する制御手段とを有する二酸化炭素施用装置を提供する。
さらに、本発明は、設定温度に応じて開閉する窓を有する温室および当該温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を有する二酸化炭素施用システムにおける二酸化炭素の施用方法であって、前記窓の開閉状態を検知するステップと、前記窓が閉じていることが検知された場合には、第1設定値を濃度設定値として前記二酸化炭素供給手段を制御するステップと、前記窓が開いていることが検知された場合には、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を濃度設定値として前記二酸化炭素供給手段を制御するステップとを有する二酸化炭素施用方法を提供する。
前記第1設定値および前記第2設定値の少なくとも一方は、ファーカーの光合成モデルに基づいて決定されてもよい。
前記設定温度は、ファーカーの光合成モデルに基づいて決定されてもよい。
さらに、本発明は、制御手段および記憶手段を有するコンピュータに、前記記憶手段が、二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶するステップと、前記記憶手段が、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を記憶するステップと、前記制御手段が、設定温度に応じて開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を検知するステップと、前記窓が閉じていることが検知された場合には、前記制御手段が、第1設定値を濃度設定値として前記二酸化炭素供給手段を制御するステップと、前記窓が開いていることが検知された場合には、前記制御手段が、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を濃度設定値として前記二酸化炭素供給手段を制御するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、より低コストで、より効率的な二酸化炭素施用を行うことができる。
一実施形態に係る二酸化炭素施用システム1000の機能構成を示す図。 二酸化炭素施用装置2のハードウェア構成を示す図。 二酸化炭素制御装置250の動作を示すフローチャート。 開閉状態および二酸化炭素濃度と制御信号との関係を示す図。 一実施例に係る光合成速度のシミュレーション条件を例示する図。 一実施例に係る光合成速度のシミュレーション条件を例示する図。 一実施例に係る光合成速度のシミュレーション結果を例示する図。 光合成モデルのパラメーター算出に用いた係数を例示する図。 光合成適温の温度依存性を示す。 施用区および対照区で栽培した作物の写真を示す。 光合成速度の二酸化炭素濃度依存性を示す。
1.構成
図1は、一実施形態に係る二酸化炭素施用システム1000の機能構成を示す図である。二酸化炭素施用システム1000は、温室1と、二酸化炭素施用装置2とを有する。二酸化炭素施用は、温室1内で栽培される植物の光合成を促進する(具体的にはRubiscoのカルボキシレーション反応を促進する)目的で行われる。温室1は、作物を栽培するための温室であり、開閉式の窓11と、温度センサー12と、開閉検知手段13とを有する。温度センサー12は、温室1内の温度(以下、「室温」という)を測定するセンサーである。窓11は、室温および設定温度に応じて自動的に開閉する窓である。窓11が開いていると、温室1内の空気と外気との換気が促進される。窓11が閉じていると、換気は抑制される。窓11は、室温が設定温度よりも高くなると開き、室温が設定温度よりも低くなると閉じる。開閉検知手段13は、窓11の開閉状態(開いているか閉じているか)を検知し、検知した結果を示す信号(以下、「開閉状態信号」という)を出力する。なお開閉検知手段13としては、磁気センサー式のもの、機械式のものなど、どのようなものが用いられてもよい。
二酸化炭素施用装置2は、温室1において二酸化炭素を施用するための装置である。二酸化炭素施用装置2は、二酸化炭素供給手段21と、記憶手段22と、濃度測定手段23と、制御手段24と、計時手段25とを有する。二酸化炭素供給手段21は、温室1内に二酸化炭素を供給する。記憶手段22は、二酸化炭素を施用する際の二酸化炭素の濃度設定値に関するパラメーターを記憶する。この例で、記憶手段22は、それぞれ異なる2つの濃度設定値(以下、「第1設定値」および「第2設定値」という。第2設定値は第1設定値よりも低い)に関するパラメーターを記憶する。この例で、濃度設定値に関するパラメーターは、二酸化炭素濃度の上限値および下限値を特定するための情報を含んでいる。濃度測定手段23は、温室1内の二酸化炭素濃度を測定する。制御手段24は、記憶手段22に記憶されているパラメーターおよび濃度測定手段23により測定された二酸化炭素濃度に基づいて、二酸化炭素供給手段21を制御する。この例で、制御手段24は、開閉状態信号が窓11が閉じていることを示している場合には第1設定値を濃度設定値とする。一方、開閉状態信号が窓11が開いていることを示している場合には第2設定値を濃度設定値とする。計時手段25は、現在時刻を計測する。
図2は、二酸化炭素施用装置2のハードウェア構成を示す図である。二酸化炭素施用装置2は、二酸化炭素発生装置200と、二酸化炭素濃度センサー230と、二酸化炭素制御装置250と、ファン260と、ダクト270とを有する。二酸化炭素発生装置200は、灯油燃焼式の二酸化炭素発生装置である。二酸化炭素発生装置200は、外部からの制御信号に従って、着火(オン)および消火(オフ)を行う。二酸化炭素濃度センサー230は、二酸化炭素の濃度を測定し、測定した結果を示す信号(以下、二酸化炭素濃度信号という)を出力する。二酸化炭素濃度センサー230は、温室1内において、栽培される作物Pの近傍に設置されている。
二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200を制御する装置であり、例えばプログラムリレーを有する。プログラムリレーは、プロセッサーと、メモリーと、タイマーとを有する。この例で、二酸化炭素制御装置250は、開閉状態信号および二酸化炭素濃度信号に基づいて、二酸化炭素発生装置200を制御するための信号を出力する。二酸化炭素制御装置250のメモリーは、濃度設定値に関するパラメーターとして、第1設定値および第2設定値の2つの濃度設定値と、濃度幅とを記憶している。二酸化炭素制御装置250は、開閉状態信号が窓11が閉じていることを示している場合には第1設定値を用い、開閉状態信号が窓11が開いていることを示している場合には第2設定値を用いる。二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素濃度信号により示される二酸化炭素濃度が上限値を上回っているときは二酸化炭素発生装置200をオフさせるための信号を出力し、二酸化炭素濃度が下限値を下回っているときは二酸化炭素発生装置200をオンさせるための信号を出力する。また、プログラムリレーは、タイマーを用いて、特定の時間帯にのみ二酸化炭素発生装置200をオンさせるための信号を出力することができる。この場合、二酸化炭素制御装置250のメモリーは、施用時間帯を特定するパラメーター(施用開始時刻および施用終了時刻)を記憶している。
二酸化炭素制御装置250は、濃度設定値に関するパラメーターを入力または変更するためのユーザーインターフェース(例えば表示装置およびキーパッド)を有している。ユーザーは、このインターフェースを介して、濃度設定値に関するパラメーターを入力または変更することができる。
ファン260およびダクト270は、二酸化炭素発生装置200により発生された二酸化炭素を栽培される作物の近傍に届けるための機構である。この例で、ファン260は二酸化炭素発生装置200と連動しており、二酸化炭素発生装置200が二酸化炭素を発生しているときにのみファンが回る。
二酸化炭素発生装置200は、二酸化炭素供給手段21の一例である。二酸化炭素濃度センサー230は、濃度測定手段23の一例である。二酸化炭素制御装置250は、記憶手段22、制御手段24、および計時手段25の一例である。
2.動作
図3は、二酸化炭素制御装置250の動作を示すフローチャートである。図3のフローは、例えば、二酸化炭素制御装置250の電源が投入されたことを契機として開始される。ステップS100において、二酸化炭素制御装置250は、現在時刻があらかじめ決められた施用時間帯に入っているか判断する。現在時刻が施用時間帯に入っていると判断された場合(ステップS100:YES)、二酸化炭素制御装置250は、処理をステップS101に移行する。現在時刻が施用時間帯に入っていないと判断された場合(ステップS100:NO)、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオフさせる信号を出力する(ステップS106)。
ステップS101において、二酸化炭素制御装置250は、開閉状態を取得する。開閉状態は、開閉状態信号により示される。ステップS102において、二酸化炭素制御装置250は、窓11が閉じているか判断する。窓11が閉じていると判断された場合(ステップS102:YES)、二酸化炭素制御装置250は、第1設定値を濃度設定値として用いることを決定する(ステップS103)。窓11が開いていると判断された場合(ステップS102:NO)、二酸化炭素制御装置250は、第2設定値を濃度設定値として用いることを決定する(ステップS104)。
ステップS105において、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素濃度信号により示される二酸化炭素濃度Phが濃度の上限値を超えているか判断する。二酸化炭素濃度Phが濃度の上限値を超えていると判断された場合(ステップS105:YES)、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオフさせる信号を出力する(ステップS106)。二酸化炭素濃度Phが濃度の上限値を超えていないと判断された場合(ステップS105:NO)、二酸化炭素制御装置250は、処理をステップS107に移行する。
ステップS107において、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素濃度信号により示される二酸化炭素濃度Phが濃度の下限値を下回っているか判断する。二酸化炭素濃度Phが濃度の下限値を下回っていると判断された場合(ステップS107:YES)、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオンさせる信号を出力する(ステップS108)。二酸化炭素濃度Phが濃度の下限値を下回っていないと判断された場合(ステップS107:NO)、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200の状態を維持する(ステップS109)。すなわち、二酸化炭素制御装置250は、それまで二酸化炭素発生装置200をオンさせる信号が出力されていた場合は引き続き二酸化炭素発生装置200をオンさせる信号を出力し、それまで二酸化炭素発生装置200をオフさせる信号が出力されていた場合は引き続き二酸化炭素発生装置200をオフさせる信号を出力する。なお、図3のフローは、所定のタイミング(例えば定期的に)で繰り返
し実行される。
図4は、開閉状態信号および二酸化炭素濃度信号と、二酸化炭素制御装置250から出力される制御信号との関係を示す図である。この例では、濃度の上限値として濃度設定値が、下限値として、濃度設定値から濃度幅ΔPを減じた値が用いられる。開閉状態信号が窓11が閉じていることを示している場合において、二酸化炭素濃度信号により示される二酸化炭素濃度Phが、Ph>Pth1を満たしているときは、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオフさせる制御信号を出力する。なお、Pth1は第1設定値を示す。開閉状態信号が窓11が閉じていることを示している場合において、二酸化炭素濃度Phが、Ph<(Pth1−ΔP)を満たしているときは、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオンさせる制御信号を出力する。開閉状態信号が窓11が開いていることを示している場合において、二酸化炭素濃度信号により示される二酸化炭素濃度Phが、Ph>Pth2を満たしているときは、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオフさせる制御信号を出力する。なお、Pth2は第2設定値を示す。開閉状態信号が窓11が開いていることを示している場合において、二酸化炭素濃度Phが、Ph<(Pth2−ΔP)を満たしているときは、二酸化炭素制御装置250は、二酸化炭素発生装置200をオンさせる制御信号を出力する。なお、第1設定値に対する濃度幅と第2設定値に対する濃度幅は、それぞれ異なっていてもよい。
3.実施例
3−1.シミュレーション
次に、本発明の適用例を説明する。まず、シミュレーションによる光合成速度の推定結果を説明する。図5および図6は、シミュレーションの条件を示す図である。図7は、一実施例における光合成速度のシミュレーション結果を例示する図である。シミュレーションは以下の条件で行った。なお、以下の比較例は、現在、二酸化炭素施用を行っている生産者で広く採用されている施用方法(以下、「慣行施用」という)に相当する。この例では、午前9時ごろから温室内の温度が上昇して窓が開く可能性があるため、タイマー制御で午前6時から2時間のみ施用している。
光合成モデル:改良されたファーカー(Farquhar)のモデル
作物:トルコギキョウ(Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn)
温室内温度:あるトルコギキョウ栽培温室における2012年1月13日の実測値に基づく(図5)
日射:同上(図5)
温室内二酸化炭素濃度:同上(図6)
窓開閉温度:25℃
(実施例)
Pth1:1000ppm
Pth2:400ppm
施用時間帯:午前8時から午後4時まで
(比較例)
二酸化炭素施用は午前6時から2時間のみ行う
施用時の二酸化炭素濃度は1000ppm
本実施例で用いた光合成モデルについて補足する。ここで用いた光合成モデルは、ファーカーらによって提唱された光合成モデル(Farquhar GD, von Caemmerer S, Berry JA. 1980. A biochmical model of photosynthesis CO2 assimilation in leaves of C3 species. Planta 149: 78-90)を改良したもの(Sharkey TD 1985 Photosynthesis in inmtact leaves of C3 plants, Phisics, phisiology and rate limitations. Botanical Review 51: 53-105)である。以下、この改良されたファーカーのモデルを単にファーカーモデルという。
ファーカーモデルにおいて、光合成速度Aは次式(1)で表される。
ここで、AvはRubiscoカルボキシレーション反応が律速のときの光合成速度であり、次
式(2)で表される。
Ajは電子伝達律速のときの光合成速度であり、次式(3)で表される。
Apはリン酸律速のときの光合成速度であり、次式(4)で表される。
また、Rは呼吸である。
式(2)から(4)における各パラメーターの意味や算出方法については、キムらの論文(Kim SH, Lieth JH. 2003. A coupled model of photosynthesis, stomatal conductance and transpiration for a rose leaf (Rosa hybrida L.).)に記載されている。一部のパラメーターについては、他の文献、例えばデ・ピューリーらの論文(de Pury DGG, Farquuhar GD, 1997. Simple scaling of photosynthesis from leaves to canopies without the errors of big-leaf models. Plant, Cell and Environment 20: 537-557)に記載された値を用いた。
本件の発明者は、トルコギキョウおよびバラの光合成特性の温度依存性について研究し、種々の温度条件における光合成速度の実測値から、Rubscoカルボキシレーション反応の最大速度Vcmax、電子伝達の最大速度Jmax、呼吸速度Rd、大気二酸化炭素濃度を葉内二酸化炭素濃度に変換するための定数(-1/k/RH)、およびリン酸利用速度Puについて、その温度依存性を明らかにした。なおこの例では、大気二酸化炭素分圧Caと葉内二酸化炭素分圧Ciの変換式として、Ci=(1−1/k/RH)Caを用いた。本件の発明者は、これらのパラメーターの温度依存性を最大4次の多項式で近似し、これらの多項式で算出されたパラメーターを用いて計算された光合成速度が実測値とよく一致することを明らかにした。一例として、トルコギキョウにおけるこれらのパラメーターの温度依存性を示す係数の値を図8に示す。なおこの例では、Vcmax、Jmax、Rd、および-1/k/RHについては多項式近似を、Puについては指数関数近似を用いた。係数aiは、第i次の項の係数を示す。
ファーカーモデルのパラメーターはこれに限定されない。ファーカーモデルと別のモデルを組み合わせてもよい。また、パラメーターの温度依存性は、上記で説明した多項式を用いるものに限定されない。いわゆるアレニウス式や、アレニウス式を改良したものが用いられてもよい。また、ファーカーモデルのパラメーターが知られていない作物については、パラメーターが知られている作物の値を代用してもよい。
再び図7を参照する。シミュレーションの結果、実施例は、比較例と比較して16%、1日の積算光合成量が増加していた。このように、実施例によれば、慣行施用法と比較してより効果的に二酸化炭素施用が行われることがわかる。
なお、生産現場において広く用いられている慣行施用は、早朝(例えば午前6時から午前8時まで)のみ二酸化炭素施用を行い、その他の時間帯は二酸化炭素施用を行わないというものであった。このような施用法は複数の文献に記載されている。例えば、大須賀隆司,2003,二酸化炭素制御,p.170−177,日本施設園芸協会編,五訂版施設園芸ハンドブック,日本施設園芸協会,日本、には、キュウリの栽培で日の出30分後から換気を開始するまでの2〜3時間、二酸化炭素施用を行うことが記載されている。また、農山漁村文化協会編,農業技術大系 花卉編3,環境要素とその制御,二酸化炭素の制御,p.536には、カーネーションの栽培で、日の出前30分から2〜3時間、二酸化炭素施用を行うことが記載されている。さらに、農山漁村文化協会編,農業技術大系 花卉編3,環境要素とその制御,二酸化炭素の制御,p.527には、多日照地域において、晴天日の昼間は二酸化炭素施用を停止し、曇天日に二酸化炭素施用を行うことが記載されている。さらに、農山漁村文化協会編,農業技術大系 花卉編3,環境要素とその制御,二酸化炭素の制御,p.523には、地域による二酸化炭素施用効果の差として、二酸化炭素施用には適地があり、日照の多い地域は施設園芸に適しているものの、二酸化炭素施用には不適であることが記載されている。しかし、本発明によれば、日照の多い地域でも二酸化炭素施用が可能である。なお、この文献の同ページの第3図には、日照の多い静岡が二酸化炭素施用に不適であると記載されているが、後述するように本発明は静岡における栽培でも効果がある。
これに対し本件の発明者は、二酸化炭素施用は弱光下ではなくむしろ強光下でその効果を発揮するという着想の下、強光下で二酸化炭素施用を行うための手法を考えた。まず第1には、換気窓が開いているときにも二酸化炭素施用を行うことである。ただし換気窓が開いているときに二酸化炭素を高濃度にしすぎると無駄であるので、換気窓が閉じているときは高濃度で、換気窓が開いているときは低濃度でという二段階の二酸化炭素施用を行う。第2に、高濃度で二酸化炭素施用を行う時間をなるべく長くするために、換気窓が開く温度を従来よりも高めに設定する。光合成速度は温度に依存しており、光合成速度が最大になる温度(光合成適温)が存在する。光合成適温は、強光条件下では二酸化炭素濃度が高くなると高温側にシフトすることが知られている(例えば図9参照)。つまり、高二酸化炭素濃度条件下では、光合成の観点からは換気窓が開く温度を従来よりも高く設定することができる。一方で、換気窓を開ける温度を高くしすぎると作物の品質に影響を与える場合があり、換気窓が開く温度はこれらの事情を総合的に考慮して決定する。
なお図7の例では、実施例および比較例のいずれも窓開閉温度は25℃であるが、上記の考え方によれば実施例の窓開閉温度をより高温に設定することができる。その場合、光合成速度がより増加することが期待されるので、実施例と比較例との光合成量の差は、図7で説明した16%増加よりもさらに向上することが期待される。このように、本発明によれば、比較例と比較してより効果的な二酸化炭素施用を行うことができる。
3−2.圃場での実証試験
次に、以下の条件で圃場における実証実験を行った。
(試験条件)
圃場:静岡県内の二連棟の温室×2棟
圃場の広さ:1棟あたり約700m2
品種:トルコギキョウ(ピッコローサスノー)
定植本数:約1300本
定植時期:2012年10月中旬
出荷:2013年2月〜3月
上記の条件の下、温室のうち1棟を施用区(実施例)とし、1棟を対照区(比較例)として栽培を行った。施用区では二酸化炭素施用を行い、対照区では二酸化炭素施用を行わなかった。より詳細な施用条件は以下のとおりである。
(施用区)
二酸化炭素施用時間:8:00−15:00
二酸化炭素施用開始:12月
換気温度:30℃
二酸化炭素濃度:430ppm(窓開時)/800ppm(窓閉時)
(対照区)
二酸化炭素施用:無し
上記以外は施用区と同一条件
図10は、施用区および対照区で栽培した作物の写真を示す。右が施用区、左が対照区で栽培した作物である。施用区で栽培した作物の方が花蕾が多く、また開花が進んでいることがわかる。以下、より定量的なデータを使ってこの点を説明する。
表1は、施用区および対照区における出荷率を示す。定植した株のうち一部は花が咲かなかったり草丈が足りなかったりして市場に出荷できる品質に満たない。表1は、定植した株のうち出荷できた割合を示している。対照区の出荷率が79.6%であったのに対し、施用区の出荷率は対照区より9ポイント以上高い98.9%であった。
表2は、出荷した花の等級の内訳を示す。出荷した花は、所定の基準で秀、優、および良の3等級のいずれかに分類される。ここでは、開花数3以上かつ蕾数2以上のものを秀、秀に分類されなかったもののうち開花数2以上かつ蕾数1以上のもの優、秀にも優にも分類されなかったもの(開花数1以上)を良に分類した。なお表2において、「階級」は茎の長さ[cm]に基づく分類を示している。
対照区の秀品率が43%であったのに対し、施用区の秀品率は25ポイント以上高い69%であった。このように、施用区においては、出荷率が高いだけでなく秀品率も高く、本発明を適用することにより、高品質のものを高い割合で出荷できることがわかった。
3−3.二酸化炭素濃度について
二酸化炭素施用時の二酸化炭素濃度の影響について、異なる二酸化炭素濃度下での光合成速度を測定することにより評価した。測定は、上記の実証試験を行った圃場で日中に行った。測定に用いたのはトルコギキョウ(ボヤージュホワイト)である。測定条件は以下のとおりである。
二酸化炭素濃度:350ppm(対照区)
380ppm、410ppm、430ppm(施用区)
葉温:約29℃
光強度:PPFD 1200μmolm-2-1
(10%青色LEDを含む赤色LED光源)
湿度:60%
光合成速度の測定には、LI−COR社の光合成測定装置LI−6400を用いた。対照区の光合成速度は、換気窓開放中の対照区の温室内の二酸化炭素濃度と同じ濃度で測定した。
図11は、光合成速度の二酸化炭素濃度依存性を示している。施用区において、二酸化炭素濃度を380ppm(大気二酸化炭素分圧に相当)とした場合は、対照区の光合成速度と顕著な差は見られなかった。これは、対照区の二酸化炭素濃度が350ppmであり、大気二酸化炭素分圧との差が小さいことが要因の一つであると考えられる。これに対し、二酸化炭素濃度を大気二酸化炭素分圧よりも高い410ppmまたは430ppmに設定した場合、光合成速度が大きく向上していた。このように、大気二酸化炭素分圧よりも高い二酸化炭素濃度で二酸化炭素施用を行うことにより、より効果的な二酸化炭素施用を行うことができる。
窓が開いているときの二酸化炭素濃度は大気レベルより高い濃度(例えば400ppm以上)であればよいが、具体的には例えば以下のようにして決めてもよい。まず、温度条件としては、換気窓を開ける設定温度を想定する。光条件としては、強光(例えば1000μmolm-2-1 PPFD)を想定する。これらの温度条件および光条件の下、低濃度側の二酸化炭素濃度(第2設定値)については、二酸化炭素施用無しの場合と比較して所定の割合(例えば5%、10%など)以上、光合成速度が増加する二酸化炭素条件を、ファーカーモデルを用いて決定する。高濃度側の二酸化炭素濃度(第1設定値)については、上記の温度条件および光条件で光合成速度が飽和する二酸化炭素濃度(一例としては1000ppm程度)を、ファーカーモデルを用いて決定する。なお光合成速度が飽和する二酸化炭素濃度としては、光合成速度−二酸化炭素濃度の特性(A−Ci曲線)において、光合成速度の変化率が所定のしきい値(例えば10%、5%、1%など)を下回る二酸化炭素濃度を採用する。なお、ファーカーモデルを用いた光合成速度の予測に代えて、光合成速度の実測値を用いて二酸化炭素濃度を決めてもよい。
なお、特許文献1は換気窓が開かれた場合の二酸化炭素施用の無駄を解消すること(段落0012参照)、具体的には、温室の外への二酸化炭素の流出をほぼゼロとすることを目的としている(段落0018)。したがって、本発明のように、窓が開いているときに大気レベルより高い二酸化炭素濃度に制御することは引用文献1の目的と矛盾しており、引用文献1に基づいて本願発明に想到することは困難であるいるといえる。さらに、特許文献1の技術では温室と内と外に合計2つの二酸化炭素濃度センサーが必要であり高コストなのに対し、本発明では二酸化炭素濃度センサーを室外に設ける必要がなく、低コストのシステムを構築できる。
4.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
第1設定値Pth1および第2設定値Pth2は、実施例で説明されたものに限定されない。第1設定値Pth1については、ファーカーモデル等の光合成モデルを用いて、または別の方法により、所望の光合成速度が得られる二酸化炭素濃度が用いられてもよい。第1設定値Pth1[ppm]としては、例えば以下の範囲の値が用いられる。
600≦Pth1≦1500 …(5)
なお第1設定値Pth1については、次式(6)の範囲がさらに好適である。
600≦Pth1≦1000 …(6)
また、第2設定値Pth2[ppm]としては、例えば以下の範囲の値が用いられる。
400≦Pth2≦500 …(7)
なお、第2設定値Pth2は、式(7)の範囲外であっても、大気二酸化炭素濃度よりも高い濃度であればよい。なお、二酸化炭素施用に係るパラメータのうち、第1設定値、第2設定値、および窓開閉温度のうち少なくとも1つは、ファーカーモデルを用いて決定されてもよい。
二酸化炭素施用をオンまたはオフするしきい値と二酸化炭素濃度の設定値との関係は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、二酸化炭素濃度の設定値を中心として、設定値プラス濃度幅を上限値(オフするしきい値)、設定値マイナス濃度幅を下限値(オンするしきい値)としてもよい。あるいは、上限値および下限値をそれぞれ設定してもよい。また、二酸化炭素施用のオンオフには、実施形態で説明した以外の制御方法、例えばPI制御やPID制御が用いられてもよい。
二酸化炭素制御装置250のハードウェア構成は、実施形態で例示したものに限定されない。例えば、二酸化炭素供給手段21は、実施形態で例示した灯油燃焼式のものに代えて(または加えて)、ガスボンベを用いたもの、暖房の排ガスを利用したもの、または産業排ガスを利用したものが採用されてもよい。ガスボンベ等、灯油燃焼式以外のものが用いられた場合、二酸化炭素施用装置2は、ファン260とダクト270を有していなくてもよい。また、図1で説明した機能構成の一部は削除されてもよい。例えば、計時手段25が省略されてもよい。また、二酸化炭素供給手段21としての機能と制御手段24としての機能が、単一の装置により提供されてもよい。
実施例ではトルコギキョウの栽培に本発明を適用した例を説明したが、本発明の対象となる作物はトルコギキョウに限定されない。本発明は、C3植物全般に適用可能である。また、実施例で説明した光合成モデルは単一の葉を対象としたものであるが、ファーカーモデルを基に、群落を考慮したモデルが用いられてもよい。
二酸化炭素施用装置2の一部の機能(例えば、記憶手段22、制御手段24、および計時手段25)は、コンピューターソフトウェアとして実装されてもよい。例えば、いわゆるユビキタス制御システム(コンピューターネットワークを利用した遠隔制御システム)における制御ソフトウェアにおいて、実施形態で説明したアルゴリズムが用いられてもよい。
1…温室、2…二酸化炭素施用装置、11…窓、12…温度センサー、13…開閉検知手段、21…二酸化炭素供給手段、22…記憶手段、23…濃度測定手段、24…制御手段、25…計時手段、200…二酸化炭素発生装置、230…二酸化炭素濃度センサー、250…二酸化炭素制御装置、260…ファン、270…ダクト、1000…二酸化炭素施用システム

Claims (11)

  1. 二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶する第1記憶手段と、
    前記第1設定値より低濃度であり、かつ大気二酸化炭素濃度より高い400ppm以上である第2設定値を記憶する第2記憶手段と、
    設定温度に応じて開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を示す信号が当該窓が閉じていることを示している場合には前記第1設定値を濃度設定値とし、前記信号が前記窓が開いていることを示している場合には前記第2設定値を濃度設定値として、前記温室において前記窓よりも栽培される植物の近くに設置された二酸化炭素濃度センサーにより測定される二酸化炭素濃度が当該濃度設定値を基準とする所定の濃度幅の範囲に収まるように前記温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を制御する制御手段と
    を有する二酸化炭素施用制御装置。
  2. 前記第2設定値は、400ppm以上500ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素施用制御装置。
  3. 前記第1設定値は、600ppm以上1500ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の二酸化炭素施用制御装置。
  4. 前記第1設定値は、600ppm以上1000ppm以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の二酸化炭素施用制御装置。
  5. 時刻を計測する計時手段を有し、
    前記制御手段は、前記計時手段により計測される時刻があらかじめ決められた範囲にない場合には、前記二酸化炭素供給手段から二酸化炭素を供給させない
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の二酸化炭素施用制御装置。
  6. 所定の光合成モデル並びに与えられた温度及び光強度に基づいて前記第1設定値を決定する設定値決定手段
    を有する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の二酸化炭素施用制御装置。
  7. 設定温度に応じて開閉する窓を有する温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段と、
    二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶する第1記憶手段と、
    前記第1設定値より低濃度であり、かつ大気二酸化炭素濃度より高い400ppm以上である第2設定値を記憶する第2記憶手段と、
    設定温度に応じて開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を検知する検知手段から出力される信号が前記窓が閉じていることを示している場合には前記第1設定値を濃度設定値とし、前記信号が前記窓が開いていることを示している場合には前記第2設定値を濃度設定値として、前記温室において前記窓よりも栽培される植物の近くに設置された二酸化炭素濃度センサーにより測定される二酸化炭素濃度が当該濃度設定値を基準とする所定の濃度幅の範囲に収まるように前記温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を制御する制御手段と
    を有する二酸化炭素施用装置。
  8. 設定温度に応じて開閉する窓を有する温室および当該温室に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段を有する二酸化炭素施用システムにおける二酸化炭素の施用方法であって、
    前記窓の開閉状態を検知するステップと、
    前記窓が閉じていることが検知された場合には、第1設定値を濃度設定値として前記二酸化炭素供給手段を制御するステップと、
    前記窓が開いていることが検知された場合には、前記第1設定値より低濃度であり、かつ大気二酸化炭素濃度より高い400ppm以上である第2設定値を濃度設定値として、前記温室において前記窓よりも栽培される植物の近くに設置された二酸化炭素濃度センサーにより測定される二酸化炭素濃度が当該濃度設定値を基準とする所定の濃度幅の範囲に収まるように前記二酸化炭素供給手段を制御するステップと
    を有する二酸化炭素施用方法。
  9. 前記第1設定値および前記第2設定値の少なくとも一方は、ファーカーの光合成モデルに基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項8に記載の二酸化炭素施用方法。
  10. 前記設定温度は、ファーカーの光合成モデルに基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の二酸化炭素施用方法。
  11. 制御手段および記憶手段を有するコンピュータに、
    前記記憶手段が、二酸化炭素濃度の第1設定値を記憶するステップと、
    前記記憶手段が、前記第1設定値より低濃度であり、かつ大気二酸化炭素濃度より高い400ppm以上である第2設定値を記憶するステップと、
    前記制御手段が、設定温度に応じて開閉する窓を有する温室における当該窓の開閉状態を検知するステップと、
    前記窓が閉じていることが検知された場合には、前記制御手段が、前記第1設定値を濃度設定値として二酸化炭素供給手段を制御するステップと、
    前記窓が開いていることが検知された場合には、前記制御手段が、前記第1設定値より低濃度であり、かつ400ppm以上である第2設定値を濃度設定値として、前記温室において前記窓よりも栽培される植物の近くに設置された二酸化炭素濃度センサーにより測定される二酸化炭素濃度が当該濃度設定値を基準とする所定の濃度幅の範囲に収まるように前記二酸化炭素供給手段を制御するステップと
    を実行させるためのプログラム。
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