JP6378493B2 - ドリル - Google Patents

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Description

本発明は、穴あけ加工に用いるドリルに関する。
近年、燃費向上などを目的として航空機部品や自動車部品の軽量化が求められており、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)が鉄系合金やアルミニウム合金の代替材料として注目を集めている。このCFRPは、比較的粘りのある金属、例えば、アルミニウムやチタンなどと組み合わせた複合構造の板材として提供されることが多い。このような複合構造の板材として、CFRPの一面に金属材を重ねて積層した複合板が用いられている。このような複合板を各種部品に適用するには、リベット止めやねじ止め用の穴加工を施す必要があるため、金属材料用のドリルで複合板を穿孔することが考えられる。しかしながら、従来の一般的なドリルを用いた場合、金属材側から複合板を穿孔すると、繊維材料に起因するCFRPの層間剥離(デラミネーション)が生じ、CFRP側から複合板を穿孔すると、金属材のバリが発生するという問題がある。
そこで、このような問題を解決するドリルとして、特許文献1に記載されように、切れ刃を二段構成にしたダブルアングルドリルが開発された。このダブルアングルドリルは、ダイヤモンド膜で被覆することにより耐摩耗性が改善され、層間剥離やバリの発生もある程度防止できる。しかしながら、特許文献1に記載されたダブルアングルドリルを用いても、層間剥離やバリが発生を十分に抑制することができない。そこで、特許文献2及び3に記載されたように、先行刃の後側にサラエ刃を形成したドリルが開発された。このドリルは、フィッシュテール型と呼ばれ、層間剥離やバリの発生を低減することができる。特に、特許文献3に記載されたドリルは、サラエ刃をドリル先端部側に傾斜させてサラエ刃のエッジ部を鋭角にしているため、層間剥離やバリの発生を大幅に低減することができる。
実開平06−075612号公報 特開2008−000836号公報 特表2009−502538号公報
しかしながら、特許文献3に記載されたドリルは、サラエ刃のエッジ部の角度が小さくなることで、サラエ刃が欠けやすくなり、工具寿命が短くなるという問題がある。
そこで、本発明は、穿孔の加工品位が高く工具寿命が長いドリルを提供することを目的とする。
本発明に係るドリルは、ダイヤモンド膜で被覆されたドリルであって、先端部の回転中心から形成されて、ドリルの軸線に対してドリルの径方向外側に傾斜する先行刃と、先行刃の径方向外側に形成されて、ドリルの軸線に垂直な方向に対してドリルの先端側に傾斜するサラエ刃と、サラエ刃の径方向外側に形成されて、ドリルの軸線に対してドリルの径方向外側に傾斜する仕上げ刃と、を備える。
本発明に係るドリルによれば、先行刃が加工対象物を切削することで、加工対象物に穴を形成することができる。そして、先行刃の径方向外側に、ドリルの軸線に垂直な方向に対してドリルの先端側に傾斜したサラエ刃が形成されているため、サラエ刃により開けられる穴は、サラエ刃の外側先端により、その外周縁から削り取られる。これにより、穴出口においてバリの発生だけでなく層間剥離の発生も大幅に抑制されるため、穿孔の加工品位が高くなる。しかも、サラエ刃の径方向外側に、ドリルの軸線に対してドリルの径方向外側に傾斜した仕上げ刃が形成されているため、サラエ刃のエッジ部の角度を大きくすることができる。これにより、サラエ刃の欠けが抑制されるため、工具寿命が長くなる。
この場合、サラエ刃と仕上げ刃とのなす角が鈍角であってもよい。これにより、サラエ刃の欠けが更に抑制されるため、工具寿命が更に長くなる。
本発明によれば、穿孔の加工品位を高くしつつ工具寿命を長くすることができる。
実施形態に係るドリルの側面図である。 図1に示すドリルの一部拡大図である。 加工対象物を穿孔する際の状態を説明するための図である。 加工対象物を穿孔する際の状態を説明するための図である。 実施例における加工工程を説明するための図である。 実験1の第一工程(アルミニウム板側からの穴加工)における加工ワークの写真である。 実験1の第二工程(CFRP側からの穴加工)における加工ワークの写真である。 実験1における実験前のドリルの状態を示す写真である。 実験1における360穴加工後のドリルの状態を示す写真である。 実験1における500穴加工後のドリルの状態を示す写真である。 比較例1〜4のドリルの先端部分を示す側面図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係るドリルを説明する。本実施形態に係るドリルは、ダイヤモンド膜で被覆されたドリルである。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係るドリルの側面図である。図1に示すように、本実施形態に係るドリル1は、細長い棒状に形成されており、シャンク2の先端部分にドリル本体3が形成されている。ドリル本体3には、2条のねじれ溝4が形成されており、このねじれ溝4に沿って一対の切れ刃5が形成されている。
ねじれ溝4は、切れ刃5により切削された切削屑を排出する部位である。ねじれ溝4の捩れ角は、特に限定されるものではないが、例えば、30°とすることで、切削屑の排出効率が高まる。
一対の切れ刃5は、ドリル1の軸線Aに対して対称に形成されており、それぞれ、先行刃6と、サラエ刃7と、仕上げ刃8と、により構成されている。
先行刃6は、ドリル1の先端部の回転中心から形成された切れ刃である。先行刃6は、ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜している。ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜するとは、ドリル1の先端側(図1における左側)からドリル1の後端側(図1における右側)に向けて拡径すること、また、軸線Aに垂直な方向(ドリル1の径方向)に対してドリル1の後端側に傾斜することと同義である。この先行刃6は、先端角度の異なる第一先行刃6aと第二先行刃6bとにより構成されている。第一先行刃6aは、第二先行刃6bよりもドリル1の先端側(図1における左側)に形成されており、第二先行刃6bは、第一先行刃6aの径方向外側に形成されている。そして、第一先行刃6aの先端角度θ1は、第二先行刃6bの先端角度θ2よりも大きくなっている。第一先行刃6aの先端角度θ1としては、例えば120°とすることができ、第二先行刃6bの先端角度θ2としては、例えば30°とすることができる。ドリル1の軸線A方向における第一先行刃6aの長さは、例えば、ドリル1の直径の20%〜30%程度とすることができ、その中でも特に25%程度とすることができる。また、ドリル1の軸線A方向における第二先行刃6bの長さは、例えば、ドリル1の直径の5%〜15%程度とすることができ、その中でも特に10%程度とすることができる。
サラエ刃7は、第二先行刃6b(先行刃6)の径方向外側に形成された切れ刃である。サラエ刃7は、第二先行刃6bからドリル本体3の外周面3aの少し手前まで延びており、軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の先端側に傾斜している。このため、軸線Aと垂直な方向におけるサラエ刃7の外側先端7aが、サラエ刃7の中で最もドリル1の先端側に突出した位置となる。
サラエ刃7の軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の先端側に傾斜する角度θ3は、特に限定されるものではないが、例えば、0°<θ3≦20°とすることができ、0°<θ3≦15°とすることが好ましく、0°<θ3≦10°とすることが更に好ましい。この角度θ3を0°よりも大きくすることで、サラエ刃7の外側先端7aを最もドリル1の先端側に突出させることができる。これにより、ドリル1を回転させて加工対象物を穿孔する際に、加工対象物から外側先端7aの回転軌跡により囲まれる部分を削り取ることができる。一方、この角度θ3を20°以下とすることで、サラエ刃7を形成する際の作業性を高めることができるとともに、サラエ刃7の強度を確保することができる。また、この角度θ3を15°以下、更には10°以下とすることで、この効果を更に高めることができる。ドリル1の軸線A方向におけるサラエ刃7の長さは、例えば、ドリル1の直径の5%〜15%程度とすることができ、その中でも特に10%程度とすることができる。
軸線Aに垂直な方向に対する傾斜角度は、向心角とも呼ばれており、向心角は、軸線Aに垂直な方向に対するドリル1の後端側が正(プラス)、軸線Aに垂直な方向に対するドリル1の先端側が負(マイナス)となっている。このため、サラエ刃7は、負の向心角となっている。なお、負の向心角を有するドリルを、フィッシュテール型ドリルという。
なお、サラエ刃7は、軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の先端側に傾斜していれば、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
仕上げ刃8は、サラエ刃7のエッジ部7bの欠けを抑制するための切れ刃であって、サラエ刃7の径方向外側に形成されて、サラエ刃7から連続して形成された切れ刃である。仕上げ刃8は、ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜して、サラエ刃7の外側先端7aからドリル本体3の外周面3aまで延びている。ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜するとは、ドリル1の先端側からドリル1の後端側に向けて拡径すること、また、軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の後端側に傾斜することと同義である。このため、サラエ刃7のエッジ部7bの角度θ4は、仕上げ刃8が形成されることにより大きくなっている。なお、エッジ部7bの角度θ4とは、サラエ刃7と仕上げ刃8とのなす角度をいう。
エッジ部7bの角度θ4は、特に限定されるものではないが、例えば、120°≧θ4≧80°とすることができ、115°≧θ4≧85°とすることが好ましく、110°≧θ4≧90°とすることが更に好ましい。この角度θ4を80°以上とすることで、サラエ刃7の欠けを抑制することができる。また、この角度θ4を85°以上、更には90°以上とすることで、この効果を更に高めることができる。特に、この角度θ4を90°以上とすることで、サラエ刃7と仕上げ刃8とのなす角(エッジ部7b)が鈍角になるため、サラエ刃7の欠けを大幅に抑制することができる。一方、この角度θ4を120°以下とすることで、仕上げ刃8の切削性を保持することができる。また、この角度θ4を115°以下、更には110°以下とすることで、この効果を更に高めることができる。ドリル1の軸線A方向における仕上げ刃8の長さは、例えば、ドリル1の直径の3%〜10%程度とすることができ、その中でも特に5%程度とすることができる。
なお、仕上げ刃8は、ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜していれば、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。また、仕上げ刃8は、サラエ刃7のエッジ部7bの欠けを抑制するための切れ刃であることから、第一先行刃6a、第二先行刃6b及びサラエ刃7よりも、ドリル1の径方向における幅が狭くなっている。
このように構成されるドリル本体3は、少なくとも切れ刃5全体がダイヤモンド膜9で被覆されている。ダイヤモンド膜9は、例えば、CVD法等により形成することができる。
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係るドリル1を用いて、CFRPに代表される繊維強化複合材とアルミニウムに代表される金属材とを積層した加工対象物10を穿孔する状態について説明する。
図3及び図4は、加工対象物を穿孔する際の状態を説明するための図である。加工対象物10は、上層部材11と下層部材12とを積層した板状部材である。上層部材11は、CFRPに代表される繊維強化複合材及びアルミニウムに代表される金属材の何れか一方で構成され、下層部材12は、CFRPに代表される繊維強化複合材及びアルミニウムに代表される金属材の何れか他方で構成されている。
図3及び図4に示すように、ドリル1を回転させて加工対象物10に押し当てると、まず、第一先行刃6a及び第二先行刃6bにより加工対象物10が切削され、次に、サラエ刃7及び仕上げ刃8により加工対象物10が切削される。
ここで、アルミニウムなどの粘りのある金属は、先端角が小さくスラスト荷重が低く抑えられる切れ刃で穿孔すると、穴出口において筒状のバリが発生しやすくなる。一方、CFRPなどの繊維強化複合材は、先端角が大きくスラスト荷重が大きくなる切れ刃で穿孔すると、層間剥離が発生しやすくなる。
図3の(a)〜(c)に示すように、第一先行刃6a及び第二先行刃6bは、ドリル1の回転中心から先端角が段階的に減少している。そして、第一先行刃6a及び第二先行刃6bにより加工対象物10を切削する際は、まず、先端角が大きくスラスト荷重が比較的大きく掛かる第一先行刃6aにより、第一先行刃6a及び第二先行刃6bで開ける穴の中心部分が形成され、次に、先端角が小さくスラスト荷重が比較的小さく掛かる第二先行刃6bにより、第一先行刃6a及び第二先行刃6bで開ける穴の外径部分が形成される。このため、第一先行刃6a及び第二先行刃6bにより加工対象物10に開けられる穴は、その外径部分が第二先行刃6bにより開けられることで、穴出口において層間剥離の発生が抑えられる。一方で、穴出口において筒状のバリが発生しやすくなる。
図4の(a)〜(c)に示すように、サラエ刃7は、軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の先端側に傾斜しており、負の向心角を有していることから、その外側先端7aから加工対象物10を切削して行く。これにより、サラエ刃7により開けられる穴は、サラエ刃7の外側先端7aにより、その外周縁から削り取られるため、穴出口において層間剥離の発生だけでなくバリの発生も大幅に抑制される。
そして、仕上げ刃8により、ドリル1の切れ刃5全体で開ける穴の外径が形成される。このとき、仕上げ刃8は、第一先行刃6a、第二先行刃6b及びサラエ刃7よりも、ドリル1の径方向における幅が狭く、加工代が非常に少ないことにより、穴出口においてバリの発生及び層間剥離の発生が抑制される。
このように、本実施形態に係るドリル1によれば、ドリル1の回転中心から先端角が段階的に減少する第一先行刃6a及び第二先行刃6bが加工対象物10を切削することで、穴出口において層間剥離の発生を抑制することができる。そして、先行刃6の径方向外側に、軸線Aに垂直な方向に対して先端側に傾斜したサラエ刃7が形成されているため、サラエ刃7により開けられる穴は、サラエ刃7の外側先端7aにより、その外周縁から削り取られる。これにより、穴出口において層間剥離の発生だけでなくバリの発生も大幅に抑制されるため、穿孔の加工品位が高くなる。しかも、サラエ刃7の径方向外側に、ドリル1の軸線Aに対してドリル1の径方向外側に傾斜する仕上げ刃8が形成されているため、サラエ刃7のエッジ部7bの角度θ3を大きくすることができる。これにより、サラエ刃7の欠けが抑制されるため、工具寿命が長くなる。
そして、サラエ刃7と仕上げ刃8とのなす角が鈍角である場合は、サラエ刃7の欠けが更に抑制されるため、工具寿命が更に長くなる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、繊維強化複合材と金属材とが積層された複合板を加工対象物10として用いたが、加工対象物は、繊維強化複合材のみを材料とする単一板であってもよい。なお、単一板とは、繊維強化複合材のみで構成された板を意味し、この中には、繊維強化複合材を複数枚積層した積層板も含まれる。
また、上記実施形態では、各切れ刃5に一つのサラエ刃7及び仕上げ刃8が形成されるものとして説明したが、サラエ刃7及び仕上げ刃8は、各切れ刃5に2以上形成されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、先行刃6が第一先行刃6a及び第二先行刃6bの二つの切れ刃により構成されているものとして説明したが、先行刃6は一つの切れ刃により構成されていてもよく、3以上の切れ刃により構成されていてもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、図1及び図2に示すドリル1を用いた。実施例1のドリル1は、超硬合金により形成し、CVD法によりダイヤモンド膜9を形成した。また、実施例1のドリル1は、外径Dを6.375mm、ねじれ溝4のねじれ角度を30°、第一先行刃6aの先端角度θ1を120°、第二先行刃6bの先端角度θ2を30°、軸線Aに垂直な方向に対してドリル1の先端側に傾斜する角度θ3を10°、ダイヤモンド膜9の膜厚を15μm、ダイヤモンド膜9が形成される範囲をドリル1の先端から20mmとした。
(実験1)
図5に示すように、加工対象物として、4mm厚のアルミニウム板21に6.35mm厚のCFRP22を三枚積層させた加工ワーク20を使用した。また、15mm厚のCFRPで構成した摩耗促進用ワークを使用した。
そして、FANUC社製の立型マシンニングセンタに実施例1のドリル1を装着して、次の第一工程、第二工程及び第三工程を順次繰り返して、合計500穴開ける実験を行った。
[第一工程]加工ワーク20にアルミニウム板21側から5穴開ける(図5の(a)参照)
[第二工程]加工ワーク20にCFRP22側から5穴開ける(図5の(b)参照)
[第三工程]摩耗促進用ワークに60穴開ける
第一工程及び第二工程の切削条件は、乾式加工とし、回転速度を3200min−1、送り速度を320mm/minとした。第三工程の切削条件は、乾式加工とし、回転速度を5000min−1、送り速度を500mm/minとした。
図6は、実験1の第一工程(アルミニウム板側からの穴加工)における加工ワークの写真であり、(a)は1穴加工後、(b)は355穴加工後、(c)は495穴加工後の写真である。図7は、実験1の第二工程(CFRP側からの穴加工)における加工ワークの写真であり、(a)は6穴加工後、(b)は360穴加工後、(c)は500穴加工後の写真である。図5及び図6に示すように、アルミニウム板21側から穴加工を行った場合、CFRP22の層間剥離は、355穴加工後に約1.2mm、495穴加工後に約1.5mm確認できたが、何れも問題となるレベルではなかった。図5及び図7に示すように、CFRP22側から穴加工を行った場合、アルミニウム板21のバリは全て0.4mm以下となり、何れの穴加工後も問題となるレベルではなかった。
図8は、実験1における実験前のドリルの状態を示す写真である。図9は、実験1における360穴加工後のドリルの状態を示す写真である。図10は、実験1における500穴加工後のドリルの状態を示す写真である。図8〜図10に示すように、360穴加工後にドリル1を観察したところ、特に異常な点は見られなかった。また、500穴加工後にドリル1を観察したところ、各サラエ刃7のエッジ部7bに、若干のダイヤモンド膜9の剥離とアルミニウムの溶着が見られたが、何れも穿孔性能に大きく影響を及ぼすものではなかった。
(比較例1)
比較例1は、図11の(a)に示すように、切れ刃として、先端角度の異なる第一先行刃41及び第二先行刃42のみが形成されたダブルアングルドリル40を用いた。
(比較例2)
比較例2は、図11の(b)に示すように、切れ刃として、先端角度の異なる第一先行刃51、第二先行刃52及び第三先行刃53のみが形成されたトリプルアングルドリル50を用いた。
(比較例3)
比較例3は、図11の(c)に示すように、切れ刃として、回転中心と外側先端との間がドリル後端側に湾曲した切れ刃61のみが形成されたローソク型ドリル60を用いた。
(比較例4)
比較例4は、図11の(d)に示すように、切れ刃として、先端角度の異なる第一先行刃71及び第二先行刃72と、第二先行刃72の半径方向外側に形成されたサラエ刃73と、のみが形成されたフィッシュテール型ドリル70を用いた。つまり、フィッシュテール型ドリル70は、仕上げ刃8を形成しないこと以外、実施例1のドリル1と同様とした。
(実験2)
実施例1のドリル1、比較例1のダブルアングルドリル40、比較例2のトリプルアングルドリル50、比較例3のローソク型ドリル60、比較例4のフィッシュテール型ドリル70について、刃先強度及び穿孔の加工品位について評価した。穿孔の加工品位として、次の3項目について評価した。1項目目は、実験1で作製した摩耗促進用ワークに穴を開けた時の加工品位。2項目目は、実験1で作製した加工ワーク20にアルミニウム板21側から穴を開けた時の加工品位。3項目目は、実験1で作製した加工ワーク20にCFRP22側から穴を開けた時の加工品位。刃先強度の評価は、500穴加工でも欠けが発生しなかったものを○、210穴加工までは欠けが発生しなかったが360穴加工では欠けが発生したものを△、210穴加工までに欠けが発生したものを×とした。加工品位の評価は、層間剥離及びバリが殆ど発生しなかったものを○、実用上問題とならない程度に層間剥離又はバリが発生したものを△、実用上問題となる程度に層間剥離又はバリが発生したものを×とした。評価結果を表1に示す。

表1に示すように、比較例1〜4では×の評価があったが、実施例1では全て○の評価となった。また、仕上げ刃のない比較例4では刃先強度の評価が△であるのに対し、仕上げ刃のある実施例1では刃先強度の評価が○であることから、仕上げ刃を形成することで、工具寿命が長くなることが分かった。
1…ドリル、2…シャンク、3…ドリル本体、3a…外周面、4…ねじれ溝、5…切れ刃、6…先行刃、6a…第一先行刃、6b…第二先行刃、7…サラエ刃、7a…外側先端、7b…エッジ部、8…仕上げ刃、9…ダイヤモンド膜、10…加工対象物、11…上層部材、12…下層部材、20…加工ワーク、21…アルミニウム板、22…CFRP、40…ダブルアングルドリル、41…第一先行刃、42…第二先行刃、50…トリプルアングルドリル、51…第一先行刃、52…第二先行刃、53…第三先行刃、60…ローソク型ドリル、61…切れ刃、70…フィッシュテール型ドリル、71…第一先行刃、72…第二先行刃、73…サラエ刃、A…軸線、θ4…サラエ刃のエッジ部の角度。

Claims (2)

  1. ダイヤモンド膜で被覆された、繊維強化複合材の穴あけ加工用のドリルであって、
    先端部の回転中心から形成されて、前記ドリルの軸線に対して前記ドリルの径方向外側に傾斜する先行刃と、
    前記先行刃の径方向外側に形成されて、前記ドリルの軸線に垂直な方向に対して前記ドリルの先端側に傾斜するサラエ刃と、
    サラエ刃の径方向外側に形成されて、前記ドリルの軸線に対して前記ドリルの径方向外側に傾斜する仕上げ刃と、
    を備え
    前記先行刃は、第一先行刃と、前記第一先行刃の径方向外側に形成されて前記第一先行刃と先端角度が異なる第二先行刃と、を有し、
    前記サラエ刃の前記軸線に垂直な方向に対して前記ドリルの先端側に傾斜する角度は、0°より大きく20°以下であり、
    前記サラエ刃と前記仕上げ刃とのなす角度は、120°以下80°以上であることを特徴とするドリル。
  2. 前記サラエ刃と前記仕上げ刃とのなす角が鈍角であることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
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