JP6375694B2 - 蒸着装置及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸着装置及び有機EL素子の製造方法に関する。
従来の蒸着装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示された蒸着装置は、有機EL(Electro-Luminescence)素子の製造過程において、透光性基板に有機層を構成する各層を真空蒸着法によって形成するものである。この蒸着装置は、真空チャンバー内で回転可能に保持された基板に材料を蒸着させることにより、基板面に発光層などの有機層を構成する各層を形成する。
特開2003−193217号公報
この種の蒸着装置では、2種以上の蒸着材料が混合された膜を基板に形成する場合、材料毎に蒸着源を設置する。この場合、蒸着により形成される膜厚を均一にするために基板を回転させながら材料を蒸着させるが、回転する基板と蒸着源との相対的な位置関係によって、基板の各位置間で蒸着材料の分量にムラが生じることは避けられない。
このようにムラが生じると、基板に形成する膜が、例えば発光層である場合、1つの基板から複数の有機EL素子を切り出して得る手法では、素子毎の発光特性にばらつきが生じてしまう。また、1つの基板から1つの有機EL素子を得る手法では、基板面内の各位置の発光特性にばらつきが生じてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、2種以上の材料を混合して基板に蒸着する場合に、基板の各位置間における有機EL素子の発光特性のばらつきを低減することができる蒸着装置及び有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る蒸着装置は、
有機EL素子の製造過程において、基板を回転させながら前記基板に第1の材料と第2の材料とを含む膜を真空蒸着法によって形成する蒸着装置であって、
収容した前記第1の材料を加熱して蒸発させる第1の収容部と、
収容した前記第2の材料を加熱して蒸発させる第2の収容部と、
前記基板を保持すると共に、前記基板の被蒸着面の法線と平行な軸線周りに回転させる基板回転手段と、
前記第1の収容部及び前記第2の収容部と、前記基板との間に位置し、蒸着経路を開閉するシャッターと、
前記シャッターの開閉を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記基板が所定の基準位置から回転を開始した後、前記軸線周りに予め定められた角度であって予め前記基板の複数の位置間で前記有機EL素子の発光特性のばらつきを測定する実験を行った複数の角度のうち他の角度に比べて前記複数の位置間の色度のばらつきが小さい角度だけ回転した際に、前記シャッターを開状態にし、前記基板への前記第1の材料及び前記第2の材料の蒸着を開始する、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る有機EL素子の製造方法は、
基板を回転させながら前記基板に第1の材料と第2の材料とを含む膜を真空蒸着法によって形成する有機EL素子の製造方法であって、
前記第1の材料及び前記第2の材料を加熱して蒸発させるステップと、
前記基板を、前記基板の被蒸着面の法線と平行な軸線周りに回転させるステップと、
前記基板が所定の基準位置から回転を開始した後、前記軸線周りに予め定められた角度であって予め前記基板の複数の位置間で前記有機EL素子の発光特性のばらつきを測定する実験を行った複数の角度のうち他の角度に比べて前記複数の位置間の色度のばらつきが小さい角度だけ回転した際に、蒸着経路を開閉するシャッターを開状態にし、前記基板への前記第1の材料及び前記第2の材料の蒸着を開始するステップと、を備える、
ことを特徴とする。
本発明によれば、2種以上の材料を混合して基板に蒸着する場合に、基板の各位置間における有機EL素子の発光特性のばらつきを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る蒸着装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る蒸着対象の基板の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る収容部の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る基板と収容部との位置関係を説明するための概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る基板の回転動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る基板から得られる複数の有機EL素子の各々に対応する位置を説明するための図である。 基板の回転位置を変化させた場合における基板内の任意の位置での色度を示す図であり、(a)は色度のx座標値を示した表の図であり、(b)は色度のy座標値を示した表の図である。 (a)は図7(a)に示す色度のx座標値をグラフ化した図であり、(b)は図7(b)に示す色度のy座標値をグラフ化した図である。
本発明の一実施形態に係る蒸着装置を、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係る蒸着装置100は、有機EL(Electro-Luminescence)素子の製造過程において、基板1に発光層を真空蒸着法によって形成するものである。
蒸着装置100における蒸着対象の基板1は、図2に示すように、ガラス、プラスティック等からなる透光性基板1aの一方の面上に透明電極(陽極)1b及び絶縁層1cが形成され、透明電極1b上に正孔注入層、正孔輸送層の順で積層されてなる層1dが形成されたものである。これらの透光性基板1a上の各部は、蒸着装置100での工程前に既に形成されているものである。例えば、透明電極1bはITO(Indium Tin Oxide)からスパッタリング法で形成され、絶縁層1cはスピンコートにより形成され、正孔注入層及び正孔輸送層は、蒸着により形成される。
本実施形態に係る蒸着装置100は、基板1の層1d上(正孔輸送層上)に発光層を形成するための装置である。
蒸着装置100は、真空室10と、収容部20と、基板回転手段30と、シャッター40と、制御部50と、を備える。
真空室10は、排気ポート11を介して、図示しない真空ポンプにより排気され、高真空に保たれる。真空室10内に、収容部20、基板回転手段30、及びシャッター40が配設される。
収容部(蒸着源)20は、収容した蒸着材料を加熱して蒸発させるものであり、図3に示すように、ルツボ21と、加熱コイル22と、熱遮蔽板23と、を有する。ルツボ21は、基板1に蒸着する材料を収容する。加熱コイル22は、ルツボ21に巻き回され、ルツボ21を加熱する。加熱コイル22は、加熱制御手段(図示せず)からの電流供給により発熱し、ルツボ21を適宜の温度に加熱する。熱遮蔽板23は、加熱コイル22が巻き回されたルツボ21を取り囲むように配置され、加熱コイル22による熱を効率良くルツボ21に伝達する。
本実施形態では、真空室10内に収容部20が3つ配設されている。以下では、これら3つの収容部20の構成は同様であるが、各々、収容する材料及び配設位置が異なる。以下では、3つの収容部20に、20a,20b,20cの符号を付して説明する。
収容部20aは、ホスト材料2a(例えば、アントラセン誘導体)を加熱して蒸発させる。収容部20bは、ゲスト材料2b(例えば、芳香族化合物)を加熱して蒸発させる。収容部20cは、ゲスト材料2bとは色味が異なるゲスト材料2c(例えば、アントラセン誘導体)を加熱して蒸発させる。
収容部20a〜20cの各々は、図4に示す位置関係で、後述する基板ホルダー31に保持された基板1の下方に位置する。
なお、図4は、基板1に対する収容部20a〜20cの位置関係の理解を容易にするために模式的に示したものである。また、図1、図4に、蒸着材料が蒸発し、基板1に到るまでの代表的な経路(蒸着経路)を示した(ホスト材料2aの蒸着経路J1、ゲスト材料2bの蒸着経路J2、ゲスト材料2cの蒸着経路J3)。図4では、蒸着経路J1〜J3の外縁の一部を破線で示している。これらの蒸着経路J1〜J3は、説明の理解を容易にするために模式的に示したものである。実際には、蒸着経路J1〜J3は、ルツボ21の形状等に依存する。
蒸着装置100は、前記の加熱制御手段の制御により、各収容部を適宜の温度で加熱することで蒸着材料を蒸発させ、ホスト材料2a中にゲスト材料2b,2cがドーピング(混合)されてなる発光層を基板1に形成する。各蒸着材料の分量は、所望の発光色(例えば白色)の発光層を得るために、適宜設定されている。
基板回転手段30は、基板1を保持すると共に、基板1の被蒸着面の法線と平行な軸線AX周りに回転させる。基板回転手段30は、図1に示すように収容部20の上方に位置し、基板ホルダー31と、蒸着マスク32と、マスクホルダー33と、保持部34と、回転駆動部35と、を有する。
基板ホルダー31は、基板1を、被蒸着面を下側に向けて(層1dの正孔輸送層が収容部20に向くように)保持する。例えば、基板1は、層1d(正孔注入層、正孔輸送層)の形成工程を経て、搬送ロボットにより基板ホルダー31に設置される。
蒸着マスク32は、マスクホルダー33に保持されることで、基板1の被蒸着面側に位置する。蒸着マスク32は、基板1に所定の蒸着パターンを形成するために設けられる。
保持部34は、基板ホルダー31及びマスクホルダー33を保持し、収容部20(20a〜20c)に対する、基板1と蒸着マスク32の位置を決める。具体的には、保持部34は、収容部20a〜20c各々の蒸着経路J1〜J3が重なる領域(重合領域J)に、基板1及び蒸着マスク32を位置させる。
回転駆動部35は、保持部34を軸線AX周りに回転させる(つまり、基板1を軸線AX周りに回転させる)ものである。これにより、重合領域Jにおいて、ホスト材料2aとゲスト材料2b,2cとを良好に混合する。回転駆動部35は、制御部50の制御の下で動作するステッピングモータ、サーボモータ等から構成されている。回転駆動部35は、保持部34の所定箇所と連結された回転軸(図示せず)を有し、保持部34を回転させる。
このように構成される基板回転手段30においては、基板1の幅方向における中心が、回転の中心軸線(つまり、軸線AX)となるように調整されている。また、回転駆動部35は、制御部50の制御の下で、保持部34を一定の回転速度で回転させる。
シャッター40は、収容部20a〜20cと基板回転手段30との間に位置し、蒸着経路J1〜J3を開閉する。シャッター40は、制御部50の制御によって開閉動作を行い、シャッター40が開状態になると、基板1への蒸着が開始される。
制御部50は、基板回転手段30とシャッター40の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部とを有する。CPUは、ROM内に予め記憶された動作プログラムを読み出し、実行することで、各種ドライバ(図示せず)を介して、基板回転手段30及びシャッター40各々の動作を制御する。また、CPUは、内蔵されたタイマで適宜、計時を行う。また、記憶部には、後述の特定角を示すデータが予め記憶されている。
制御部50は、発光層形成前の工程を経て基板1が基板ホルダー31に設置された後、回転駆動部35を制御して、基板1を軸線AX周りに回転させる際の基準位置(原点)へと復帰させる(原点復帰運転)。制御部50は、例えば、基板回転手段30の適宜の位置に設けられた原点検出センサ(リミットスイッチなど)からの信号に基づいて、原点復帰運転を行う。
また、制御部50は、前記の加熱制御手段が収容部20a〜20cの各々を適宜の温度に加熱した後、各収容部20a〜20cの温度を検出する温度センサ(図示せず)、各蒸着材料の浮遊量を検出する濃度センサ(図示せず)等から入力された信号に基づき、基板1の回転を開始するか否かを判別する。
また、制御部50は、基板1を回転開始可能と判別すると、回転駆動部35を駆動して基板1を回転させる。そして、制御部50は、基板1が基準位置から、予め定められた角度(以下、特定角)だけ回転した際に、シャッター40を開状態とし、蒸着経路J1〜J3を開放する。つまり、制御部50は、基板1が基準位置から特定角だけ回転した際に、基板1への発光層の蒸着を開始する。
特定角は、基板1内の各位置間での有機EL素子の発光特性のばらつきが効果的に低減できる角度として予め定められる。この特定角は、発光層を形成する蒸着材料・有機層を構成する発光層以外の各層の組成・基板1の大きさ等の諸要因により、適切な角度が変わる。つまり、特定角は、有機EL素子の仕様毎に適切な値が異なる。そのため、蒸着装置100は、図示しない入力手段を介して、所定の入力操作により、所望の有機EL素子に適した特定角の値を制御部50に対し入力可能(設定可能)に構成されている。特定角をどのようにして定めるかについては、後述する。
基板1を回転させる際、制御部50は、回転駆動部35を制御して、基板1を一定の回転速度で回転させる。例えば、制御部50は、基板1の回転開始と同時に計時を開始し、一定の回転速度と、経過時間とに基づいて、現在の基板1の回転位置(回転角度)を算出する。そして、算出した回転角度が特定角に達すると、制御部50は、シャッター40を開状態にする。
なお、基板1の回転速度が一定であるならば、制御部50は回転角度を算出せずに、経過時間が予め定めた期間に達したか否かに基づいて、回転角度が特定角に達したか否かを判別してもよい。また、基板回転手段30の適宜の位置に、基板1の回転角度を検出する回転角センサを設け、このセンサからの信号に基づいて、制御部50は、現在の基板1の回転角度を求めてもよい。また、制御部50は、回転駆動部35の制御データ(モータ電気角を示すデータなど)に基づいて、現在の基板1の回転角度を求めてもよい。
また、上述の制御部50は、機能部であればよく、基板回転手段30及びシャッター40の各々の動作を個別に制御するIC(Integrated Circuit)が協働することで実現されてもよい。また、収容部20a〜20cの加熱温度を制御する加熱制御手段は、制御部50の機能の一部として実現されてもよい。
以上のように構成される蒸着装置100によって基板1の層1d上(正孔輸送層上)に発光層が形成された後、他の蒸着装置により電子輸送層が形成される。これにより、基板1には、層1d(正孔注入層及び正孔輸送層)、発光層、及び電子輸送層からなる有機層が形成される。そして、有機層上に、さらに電子注入層と金属等からなる陰極とが形成されることで、有機EL素子を複数有する基板1が得られる。
こうして得られる基板1からは、図6に示すように、複数の有機EL素子が切り出される(同図で破線に囲まれた領域が、1つの有機EL素子に対応する)。つまり、本実施形態の基板1は、複数の有機EL素子を得るための、所謂マルチ取り基板である。
図6では、行列により、各有機EL素子の位置を示している。図示例では、基板1から切り出される24個の有機EL素子を各々の位置を、6つの行(1〜6行)と、4つの列(A〜D列)との組合せにより表した。例えば「A6」と記した領域は、A列6行の位置にある有機EL素子を示す。なお、基板1の形状、切り出される有機EL素子の形状・個数などは、これに限られるものではないが、以下では理解を容易にするため、図6に示した例を用いて説明する。
前記の課題で述べた通り、2種以上の蒸着材料が混合された膜を基板1に形成する場合、前に形成された膜との界面付近において基板1の各位置間で蒸着材料の分量にムラが生じてしまう。例えば、基板1内の位置A1と位置B3とでは、各収容部20a〜20cからの距離が異なるため、蒸着材料の分量にムラが生じる。位置A1と位置D6とは軸線AXに対して対称な位置にあるため、両者間に蒸着材料の分量で差が生じないようにも思えるが、シャッター40が開いた時の基板1と各収容部20a〜20cとの位置関係に依存して、やはり蒸着材料の分量にムラが生じてしまう。
そこで、本願発明者らは、シャッター40が開く時の基板1と各収容部20a〜20cとの位置関係に着目し、シャッター40を開く時の基板1の回転位置を変化させて、基板1の各位置間での有機EL素子の発光特性のばらつきを測定する実験を行った。具体的には、発光層を形成した後に得られる有機EL素子の発光色度を、CIE表色系のx,y座標値で測定した。
ここでは、基板1の回転位置を図5に示す回転角θで表す。また、基板1は基板回転手段30により平面視で時計回りに回転するものとする。また、θが0°の時に、基板1が基準位置(原点)にあるものとする。
図7(a)(b)、図8(a)、(b)に実験結果を示す。
図7(a)は、回転角θを0°〜360°の範囲で60°毎に変化させた場合の各位置A1、A6、D1、D6におけるCIE表色系でのx座標値を示し、図7(b)はy座標値を示したものである。図8(a)は、図7(a)に示すx座標値を回転角θ毎にプロットして得たグラフであり、図8(b)は、図7(b)に示すy座標値を回転角θ毎にプロットして得たグラフである。
図8(a)、(b)を参照すると、回転角θが240°の場合に、他の回転角に比べて、x,y座標共にA1,A6,D1,D6の各位置間の色度のばらつきが少ないことがわかる。これはつまり、基板1を基準位置(θ=0°)から回転させ、θが240°に達した際に、シャッター40を開いて蒸着を開始すれば、各素子間の発光特性のばらつきを小さくできることを意味する。従って、この実験の仕様の場合、特定角を240°近傍の値に設定すれば良いことがわかる。
なお、この実験結果はあくまで一例である。色度の比較対象となる位置をさらに増やし、回転角θをより細かく設定して実験を行えば、発光特性のばらつきを低減するのに、より効果的な特定角を見出すことも可能である。
以上に説明した蒸着装置100は、収容した第1の材料(ホスト材料2a、ゲスト材料2b,2cのうちいずれか)を加熱して蒸発させる第1の収容部と、収容した第2の材料(ホスト材料2a、ゲスト材料2b,2cのうち第1の材料と異なるもの)を加熱して蒸発させる第2の収容部と、基板1を保持すると共に、軸線AX周りに回転させる基板回転手段30と、第1の収容部及び第2の収容部と、基板1との間に位置し、蒸着経路を開閉するシャッター40と、シャッター40の開閉を制御する制御部50と、を備える。制御部50は、基板1が基準位置から、軸線AX周りに予め定められた特定角だけ回転した際に、シャッター40を開状態にし、基板1への第1の材料及び第2の材料の蒸着を開始する。
また、蒸着装置100を用いて、基板1に第1の材料と第2の材料とを含む膜を真空蒸着法によって形成する有機EL素子の製造方法は、第1の材料及び第2の材料を加熱して蒸発させるステップと、基板1を軸線AX周りに回転させるステップと、基板1が基準位置から、軸線AX周りに予め定められた特定角だけ回転した際に、蒸着経路を開閉するシャッター40を開状態にし、基板1への第1の材料及び第2の材料の蒸着を開始するステップと、を備える。
このようにしたから、前述したように、2種以上の材料を混合して基板1に蒸着する場合に、基板1の各位置間における有機EL素子の発光特性のばらつきを低減することができる。また、異なる基板1間でシャッター40を開状態とする角度が同じ特定角になるため、異なる基板1間における有機EL素子の発光特性のばらつきも低減することができる。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
以上では、ホスト材料に2種類のゲスト材料を混合して発光層を形成する例を示したが、これに限られない。ホスト材料に1種類のゲスト材料を混合して発光層を形成してもよい。つまり、収容部(蒸着源)は2つであってもよい。
また、以上では、蒸着装置100で発光層を形成する例を示したが、これに限られない。2種以上の材料を混合して蒸着によって基板上に所定の層を形成する場合であれば、蒸着装置100で、有機層における発光層以外の層(正孔注入層、正孔輸送層など)を形成することもできる。この場合、特定角は、形成後の膜の物質組成比などを測定することで定めればよい。
ただし、以上に説明した蒸着装置100は、基板1内の各位置間の蒸着材料の分量のばらつきが、有機EL素子の発光特性の変化として顕著に生じ易い発光層を形成するのに、特に好適である。
以上では、基板1が所謂マルチ取り基板である例を説明したが、一つの基板1から一つの有機EL素子を得てもよい。
また、以上では、基板1を一定の回転速度で回転させる例を示したが、各蒸着材料の分量に過度なムラが生じない限りにおいては、基板1の回転速度を可変にすることも可能である。
また、以上の説明における基板1の基準位置、回転方向、収容部の配設箇所などはあくまで例示であり、適宜変更が可能である。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100 蒸着装置
10 真空室
20(20a〜20c) 収容部(蒸着源)
21 ルツボ
22 加熱コイル
23 熱遮蔽板
2a ホスト材料
2b,2c ゲスト材料
30 基板回転手段
31 基板ホルダー
32 蒸着マスク
33 マスクホルダー
34 保持部
35 回転駆動部
40 シャッター
50 制御部
AX 軸線
J1〜J3 蒸着経路
J 重合領域

Claims (4)

  1. 有機EL素子の製造過程において、基板を回転させながら前記基板に第1の材料と第2の材料とを含む膜を真空蒸着法によって形成する蒸着装置であって、
    収容した前記第1の材料を加熱して蒸発させる第1の収容部と、
    収容した前記第2の材料を加熱して蒸発させる第2の収容部と、
    前記基板を保持すると共に、前記基板の被蒸着面の法線と平行な軸線周りに回転させる基板回転手段と、
    前記第1の収容部及び前記第2の収容部と、前記基板との間に位置し、蒸着経路を開閉するシャッターと、
    前記シャッターの開閉を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記基板が所定の基準位置から回転を開始した後、前記軸線周りに予め定められた角度であって予め前記基板の複数の位置間で前記有機EL素子の発光特性のばらつきを測定する実験を行った複数の角度のうち他の角度に比べて前記複数の位置間の色度のばらつきが小さい角度だけ回転した際に、前記シャッターを開状態にし、前記基板への前記第1の材料及び前記第2の材料の蒸着を開始する、
    ことを特徴とする蒸着装置。
  2. 前記膜は、発光層であり、
    前記第1の材料と前記第2の材料との少なくとも一方は、ゲスト材料である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 前記基板回転手段は、前記基板を一定の回転速度で回転させ、
    前記制御手段は、前記回転速度と前記基板の回転動作期間とに基づいて、前記基板が前記基準位置から回転を開始した後前記角度だけ回転した際に、前記シャッターを開状態にする、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸着装置。
  4. 基板を回転させながら前記基板に第1の材料と第2の材料とを含む膜を真空蒸着法によって形成する有機EL素子の製造方法であって、
    前記第1の材料及び前記第2の材料を加熱して蒸発させるステップと、
    前記基板を、前記基板の被蒸着面の法線と平行な軸線周りに回転させるステップと、
    前記基板が所定の基準位置から回転を開始した後、前記軸線周りに予め定められた角度であって予め前記基板の複数の位置間で前記有機EL素子の発光特性のばらつきを測定する実験を行った複数の角度のうち他の角度に比べて前記複数の位置間の色度のばらつきが小さい角度だけ回転した際に、蒸着経路を開閉するシャッターを開状態にし、前記基板への前記第1の材料及び前記第2の材料の蒸着を開始するステップと、を備える、
    ことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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