以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
先ず、本発明の実施形態によるゲート装置1について説明する。ゲート装置1は、図1等に示されるように、高速道路や有料道路の料金所又は有料駐車場の出入口等のゲートにおいて、車路2の脇に車路2に沿うように形成されたコンクリート製のプラットフォームであるアイランド3上に設置されている。ゲート装置1は、車路2上を進行する車両(移動体)のゲートの通行を、後述するゲートバー16の開閉によって規制する。なお、ゲート装置1の車路2側の面とアイランド3の車路2側の縁石部とは、極力接近していることが望ましく、接近しているほどゲートバー16の長さを短くすることができる。
本実施形態では、説明の便宜上、車路2上においてゲート通過前の地点からゲートを見た場合に、手前側を「前」、向こう側(奥側)を「後」、右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と定義する。以下、本実施形態において方向を説明する場合には、この定義に従うものとする。車路2上を進行する車両は、通常、ゲート装置1の前方からゲート装置1に接近し、その後、ゲート装置1の後方へ進む。即ち、ゲート装置1の前後方向は、車路2と平行な車両進行方向(移動体進行方向)である。
ゲート装置1は、本体部11と、垂直方向に伸長する垂直回動軸12を介して本体部11の上方に回動可能に設けられた回動部13と、垂直回動軸12と直交する水平回動軸14を介して回動部13に回動可能に設けられたゲートバー基部15と、後述するリリース動作できるようにゲートバー基部15に着脱可能に取り付けられたゲートバー16とを備える。
なお、水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置するときの回動部13の位置を「車路遮断可能位置」と称し(図3(1)参照)、リリース動作したゲートバー16を復帰させる動作(リリース復帰動作)においてゲートバー16をゲートバー基部15に保持させるときの回動部13の位置を「ゲートバー迎え位置」と称する(図3(4)参照)。以下では、回動部13等の各部の説明における各方向は、特に指定のない限り、車路遮断可能位置を基準にして示している。また、回動部13が車路遮断可能位置(通常時の位置)にあるときに、水平回動軸14を回動してゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥・起立させることにより車路2の遮断・開放を行う動作を「車路開閉動作」(又はゲート開閉動作)と称する。このとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置を「横臥位置」と称し、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置を「起立位置」と称する。以下では、ゲートバー基部15及びゲートバー16等の説明における各方向は、特に指定のない限り、横臥位置を基準にして示している。
先ず、本体部11について説明する。本体部11は、基本的には矩形柱状であって左前側の垂直な一稜線を斜めにカットして形成された本体筐体21を備え、本体筐体21は本体ベース4を介してアイランド3上に固定されている。また、本体筐体21の後面には開閉蓋(図示せず)が開閉可能に取り付けられていて、この開閉蓋を開いたときに本体筐体12の後面のほぼ全域が開口するようになっている。
本体部11は、本体筐体21の内部に垂直回動軸12、及び垂直回動軸12を回動駆動させる回動駆動部22を備える。垂直回動軸12は、本体筐体21内のほぼ中央に配置され、垂直回動軸12の上端は、本体筐体21の上面のほぼ中央に形成された開口部を介して外部に露出し、回動部13と接続可能になっている。
回動駆動部22は、後述する回動駆動モータ75(図8参照)等を備えている。回動駆動部22は、垂直回動軸12を水平方向に回動させることにより、垂直回動軸12に接続された回動部13を、水平回動軸14、ゲートバー基部15及びゲートバー16と共に水平方向に回動させることができる。例えば、回動駆動部22は、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作する前の状態、すなわち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる際に垂直回動軸12を回動させる。
図2等に示すように、本体筐体21の上部には、筐体上凹部23が形成され、その面上の前面左側のカット部の近傍には、固定ピン24(作動部)が突出して形成される。筐体上凹部23は、垂直回動軸12を中心にした同一半径の円形のほぼ四分の一の円弧と、この円弧の端部から本体筐体21の前後面の中央付近まで達する直線とを結ぶ線よりも左側に、後述する可動棒下アーム38の回動軌跡を避けるように形成されている。固定ピン24の上端は、本体筐体21の上面よりも若干低い高さとなっている。
また、本体筐体21の後面の左側には、リリース動作したゲートバー16を支持するストッパー部25が設けられている。ストッパー部25は後方に延出していて後端に受け部26を備えている。
次に、回動部13について説明する。回動部13は、基本的には矩形柱状であって左面上側の水平稜線を斜めにカットして形成された箱状の回動筐体31を備えている。ゲート装置1を上方から見た場合に、回動筐体31の矩形状の外形は、本体筐体21の矩形状の外形と概ね同一であることが望ましく、回動筐体31の下面のほぼ中央で垂直回動軸12と接続される。なお、回動筐体31の後面には開閉扉(図示せず)が開閉可能に取り付けられていて、この開閉扉を開いたときに回動筐体31の後面のほぼ全域が開口するようになっている。
回動部13は、回動筐体31の内部に水平回動軸14、及び水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させるゲートバー駆動部32を備える。水平回動軸14の上端は、回動筐体31の前面に形成された開口部を介して外部に露出し、ゲートバー基部15と接続可能になっている。図2に示すように、例えば、水平回動軸14の先端には、ゲートバー基部21をネジ等により着脱可能に取り付けるためにフランジ17が固定されている。
ゲートバー駆動部32は、後述するゲートバー駆動モータ72(図8参照)等を備えている。ゲートバー駆動部32は、回動部13が車路遮断可能位置にあって水平回動軸14が前後方向に伸長するように位置している間、水平回動軸14をゲートバー基部15及びゲートバー16と共に回動駆動させることにより車路開閉動作を行うことができる。例えば、ゲートバー駆動部32は、車路2を遮断するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「横臥位置」になるように、また、車路2を開放するときにはゲートバー基部15及びゲートバー16が「起立位置」になるように水平回動軸14を回動する。なお、ゲートバー基部15及びゲートバー16の「起立位置」は、車路2(ゲート)を十分に開放するような位置であればよく、例えば、ゲートバー基部15及びゲートバー16を鉛直に直立させた位置や、85度程度に起立させた位置でよい。
また、回動部13は、回動筐体31の車路2側の側面(左面)に、当接帯33(当接部)及び湾曲棒34(固定式の棒状規制部)を備える。当接帯33及び湾曲棒34は、回動筐体31の左面上側の水平カット部に沿うように、水平回動軸14の中心から等距離の円形のほぼ四分の一の円弧形状に沿って、回動筐体31の左面から上面にかけて帯状に連続している。当接帯33は、回動筐体31の後部付近に配置され、湾曲棒34は、当接帯33よりも前方に配置される。当接帯33は、回動筐体31に設けた帯状の支持部と、その表面に取り付けた緩衝材とで構成され、全体的に帯状に形成されている。湾曲棒34は、回動筐体31に設けた支持部と、その前面側に取り付けたパイプ材とで構成されている。
更に、回動筐体31の左面には、ゲートバー基部15及びゲートバー16のリリース方向(図3(2)において矢印で示す方向)とは逆方向(非リリース方向)への動作を規制するための動作規制部として可動棒ユニット35(可動式の棒状規制部)が取り付けられる。
可動棒ユニット35は、図4や図5等に示すように、全体的にコの字状のシャーシ36と、可動棒アーム軸37と、可動棒下アーム38(作動アーム)と、可動棒上アーム39(揺動アーム)と、可動棒40とで構成されている。シャーシ36は、前部上下面を貫通する軸孔を有して形成されていて、回動筐体31の左面に固定されている。可動棒アーム軸37は、シャーシ36の軸孔に挿通されて回動可能に取り付けられ、可動棒アーム軸37の下端はシャーシ36よりも下側まで伸びている。可動棒下アーム38は、可動棒アーム軸37の下端に固定され、可動棒上アーム39は、可動棒下アーム38よりも上方で可動棒アーム軸37に固定されていて、可動棒下アーム38及び可動棒上アーム39は可動棒アーム軸37と一体化されている。可動棒下アーム38は、可動棒アーム軸37に垂直な板状部材であり、固定ピン24まで伸びた当接片部を有している。可動棒上アーム39には、可動棒アーム軸37よりも左側に可動棒アームスプリング41の一端が掛けられ、可動棒アームスプリング41の他端はシャーシ36の後部にかけられている。可動棒上アーム39は、可動棒アームスプリング41の牽引作用により、可動棒アーム軸37周りを上面視で時計方向に回動するように付勢されている。可動棒40は、可動棒上アーム39の上面に立設されていて、図4(1)及び(2)に示すように、回動部13が車路遮断可能位置にある場合に、湾曲棒34の下端面と可動棒40の上端面とが上面視で一致するように配設されている。
次に、ゲートバー基部15及びゲートバー16について説明する。ゲートバー基部15は、前側が開口された断面コ字状に形成された長尺状の部材であり、ゲートバー16の一端側を嵌合する形状を有する。ゲートバー基部15は、長手方向一端側(右側)の後面が水平回動軸14に取り付けられていて、水平回動軸14の回動に応じて回動部13に対して回動可能になっている。一方、ゲートバー基部15の長手方向他端側(左側)は、水平回動軸14と交わる方向(本実施形態においては水平回動軸14と直交する方向)に伸長している。また、ゲートバー基部15の他端側には、短手方向(上下方向)に伸長するリリース回動軸51が備えられている。ゲートバー基部15の底部には、保持部スプリング52が装着されている(図5参照)。
ゲートバー16は、長尺に形成され、車路2を遮断できる程度の長さを有する。ゲートバー16は、長手方向一端側(右側)に設けられるゲートバー保持部53と、ゲートバー保持部53に装着されて長手方向他端側(左側)に延在するゲートバー本体54とを備える。ゲートバー本体54は、軽量な材料、例えば、アルミの中空パイプ等からなる芯部の他端側を、発泡ウレタン等からなる緩衝材で覆うことによって形成される。ゲートバー本体54を構成する緩衝材の外表部には、ドライバー等からの視認性を良くするために、赤白のストライプ等のラミネートが施されるとよい。
ゲートバー16は、ゲートバー保持部53がゲートバー基部15に嵌合するように、ゲートバー基部15に取り付けられる。このとき、ゲートバー16の中間部に位置するゲートバー保持部53の長手方向他端側が、ゲートバー基部15のリリース回動軸51に回動可能に支持される。これにより、ゲートバー16は、ゲートバー保持部53に対してリリース回動軸51周りに回動可能になる。
ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持される。具体的には、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、係止機構55が設けられていて、係止機構55により、ゲートバー基部15の一端側とゲートバー16の一端側とが互いに着脱可能に係止される。ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構55によって係止されることで一直線状に伸長して一体化固定され、車路開閉動作が可能な状態になる。また、ゲートバー基部15及びゲートバー16は、係止機構55による係止が外れると、一体化固定が解除され、ゲートバー16はゲートバー基部15に対してリリース回動軸13周りに回動する。本実施形態では、この回動動作を「リリース動作」と称し、リリース動作によってゲートバー16がリリース回動軸51周りに回動する方向(ゲートバー16の長手方向他端部が車両進行方向へと向かう方向であって、上方から見て時計回り方向)を「リリース方向」と称する。
なお、係止機構55は、車路開閉動作による振動や風圧等の力が加えられても、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部53)との係止を維持する程度の保持力を有する。一方、係止機構55は、上記保持力以上の力、例えば、車両がゲートバー16に衝突する際に加わる外力によって、ゲートバー基部15とゲートバー16(ゲートバー保持部53)との係止が外れるように構成される。なお、係止機構55は、リリース動作したゲートバー16が、非リリース方向に回動して、所定の押圧力によってゲートバー基部15に嵌合されるとき、ゲートバー基部15及びゲートバー16を係止する構成を有する。
また、図示しないが、ゲートバー基部15においてリリース回動軸51の近傍にはリリース付勢部としてのトーションスプリングが設けられている。トーションスプリングは、リリース動作時にゲートバー16のリリース方向の回動を助長するようにゲートバー16に付勢力を与える。
また、ゲートバー16のゲートバー保持部53は、図2等に示すように、ゲートバー基部15及びゲートバー16の非リリース方向への動作を規制するための動作規制部としてフック機構56を備えている。
フック機構56は、図5等に示すように、ブラケット57と、フック軸58と、フック59(懸架部)と、フックスプリング60とから構成される。ブラケット57は、ゲートバー保持部53の他端側(左側)で且つ後側で、ゲートバー保持部53に一体的に固定されている。フック軸58は、上下方向に伸長していて、ブラケット57の他端側(左側)の後部に軸支されている。フック59は、フック軸58に固定されていて、フック軸58と共に回動可能になっている。また、フック59は、フック軸58に垂直な板状部材であって、フック59の先端部(左側部)は、ゲートバー16がリリース動作した状態(リリース動作が完了した状態)において、可動棒40まで伸びている。フックスプリング60は、フック57の他端部(右側部)とブラケットの一端部(右側部)とに掛けられていて、これにより、フック59は、フック軸58周りを上面視で時計方向に回動するように付勢されている。なお、ブラケット57には、フック軸58よりも一端側(右側)にフックストッパ61が立設されていて、フック59の右側部がフックストッパ61に当接することでフックスプリング60の付勢力によるフック59の回動が停止し、結果としてフック59は、通常はゲートバー保持部53と一体的になっている。また、フックスプリング60は極めて弱い付勢力のみを与えており、フック59の回動トルクも小さくなっている。図5では、ゲートバー保持部53と一体化されたフック59の、リリース回動軸51を中心としての回動軌跡を破線で示している。
次に、ゲート装置1におけるリリース動作及びリリース復帰動作について図3ないし図5を参照しながら説明する。図3ないし図5はゲート装置1のリリース動作とリリース復帰動作の一部(初期の段階)を示している。ここで、「リリース復帰動作」とは、リリース動作したゲートバー16を、リリース動作前の状態、すなわち、車路開閉動作が可能な元の状態に復帰させる動作である。
先ず、ゲート装置1のリリース動作について説明する。ゲート装置1において、通常時は、図3(1)、図4(1)及び図5(1)に示すように、回動部13は車路遮断可能位置にあって、水平回動軸14が前後方向に伸長するように配置されていて、ゲートバー基部15及びゲートバー16の車路開閉動作が可能な状態になっている。
正常な状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することはない。しかし、例えば、ETC車載器にETCカードを挿入し忘れた車両がETCのゲートを通過する場合や、駐車場の出口から出場する車両が故意又は過失によりゲートバー16が開くのを待たずに進行する場合等の正常でない状態では、車路2を遮断しているゲートバー16に車両が衝突することがある。
車路2を遮断しているゲートバー16に、車路2を進行する車両が衝突する場合、車両はゲートバー16の他端側(ゲートバー本体54の他端側)に衝突する。このように車両がゲートバー16に衝突すると、その衝突によってゲートバー16の他端側に加わる外力により、係止機構55の係止が解かれ、ゲートバー基部15の一端側からゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)が離脱する。そして、図3(2)、図4(2)及び図5(2)に示すように、ゲートバー16がリリース回動軸51を中心に、車両進行方向(リリース方向)に回動する。
このとき、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が小さい場合には、ゲートバー16は、衝突による力と、リリース回動軸51の近傍に設けられたトーションスプリング(リリース付勢部、図示せず)の付勢力とにより回動し、比較的弱い力で当接帯33に当たって停止する。このように、トーションスプリングによれば、リリース動作するゲートバー16を当接帯33に確実にかつ迅速に到達させることができると共に、ゲートバー16が当接帯33に当たって停止した状態を維持することができる。一方、衝突によりゲートバー16の他端側に加わる力が大きい場合には、ゲートバー16は、衝突による力により勢いよく回動し、比較的強い力で当接帯33に当たるが、これにより当接帯33が受ける衝撃は、当接帯33の緩衝材によって吸収される。このように、当接帯33の緩衝材によれば、ゲートバー16が当接帯33に当たる衝撃を和らげることができる。このようにして、ゲートバー16は、例えば、上面視で時計回り(リリース方向)におよそ90度回動して停止し、ゲートバー16の向きが車路2とほぼ平行になって、リリース完了の状態になる。
上記のようにゲートバー16がリリース動作してリリース完了の状態になるとき、ゲートバー16のゲートバー保持部53におけるフック機構56は、回動部13の可動棒ユニット35における可動棒40に対してフック59を係合させて、ゲートバー16の車路2側への移動(非リリース方向への回動)を防止するように動作する。
詳細には、図5(1)に示すように、ゲートバー16が横臥位置にある場合、フック59(の先端部)の回動軌跡が可動棒40のほぼ中央を通るように各部が配置されているが、ゲートバー16がリリース動作する前の状態では、フック59と可動棒40は離間している。これに対して、ゲートバー16がリリース動作するとき、ゲートバー保持部53と共に回動するフック59の先端部が可動棒40に当接する。このとき、フック59を付勢するフックスプリング60の付勢力が微弱であるため、フック59は、ゲートバー保持部53の回動に伴って、当接した可動棒40に対して相対的に反時計方向に回動することになる。これにより、フック59は、図5(2)に示すように、ゲートバー16がリリース完了の状態になるとき、可動棒40を乗り越えて本体部11側に位置することになる。
なお、ゲートバー16が当接帯33に当接した位置においては、フック59の先端部は既に可動棒40を乗り越えていて、可動棒40と若干の隙間を有する位置まで移動している。よって、例えば、当接帯33にゲートバー16が当接し、慣性によってゲートバー本体の先端が大きく撓り、その反動でゲートバー16が非リリース方向に跳ね返る力が生じても、フック59の先端部が可動棒40によって係止される。また、フック59は、フックストッパ61によって相対的に時計方向への回動を規制されるので、結果として、ゲートバー16は、フック59によって可動棒40に係止され、若干の隙間分のブレが生じるだけであり、ゲートバー16が車路2側に跳ね返ることはない。このようなフック59の動作は、所謂ラッチ動作と同様の作用である。
次に、ゲート装置1のリリース復帰動作について説明する。上記のようなゲートバー16のリリース動作は、後述するリリース検知スイッチ78(図8参照)により検知され、これに応じて、制御部71(駆動制御部、図8参照)により、直ちにリリース復帰動作が自動的に開始される。リリース復帰動作において、先ず、図3(3)、図4(3)又は図5(3)に示すように、回動駆動部22が垂直回動軸12を回動して、回動部13がゲートバー16のリリース動作の回動に追随又は後追いするように回動させる。例えば、回動駆動部22は、回動部13を車路遮断可能位置からゲートバー迎え位置まで時計回り(リリース方向)におよそ90度回動させる。
リリース復帰動作の開始時点では、ゲートバー16側のフック59が、回動部13側の可動棒40の本体部11側に位置しているので、フック59が可動棒40に係止されることで、ゲートバー16がリリース回動軸51周りに反時計方向(非リリース方向)へ回動することが規制されている。このとき、ゲートバー16は当接帯33に当接していて、回動部13と一体的に回動を開始することになる。
そして、上記のように回動部13が上面視で時計方向(リリース方向)に回動を進めると、回動部13に取り付けられた可動棒ユニット35も時計方向に僅かに移動する。このとき、本体部11は固定されたままであるので、可動棒ユニット35の可動棒下アーム38の当接片と本体部11の固定ピン24の当接は、回動部13の回動に応じて徐々に離間していき、可動棒アームスプリング41によって付勢された可動棒上アーム39が、可動棒アーム軸37周りに相対的に時計方向に回動することになる。その結果、図4(3)、図5(3)の状態で、可動棒40は、フック59のリリース回動軸51周りの回動軌跡の範囲外に移動する。このようにして、フック59と可動棒40の係止状態が解除されて、ゲートバー16はリリース回動軸51周りに反時計方向へ回動可能となり、すなわちリリース復帰動作が可能となる。
フック59と可動棒40の係止状態が解除されるまでの間に、ゲートバー16は、回動部13の回動に伴って時計方向に回動してストッパー部25の受け部26に当接する。これ以降、回動部13が時計方向に回動する間、ゲートバー16は、受け部26との当接が維持されたまま後方にスライドすることになる。そして、ゲートバー16は、受け部26との当接部分を支点にしてリリース回動軸51周りを非リリース方向に回動し、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)がゲートバー基部15の一端側に徐々に接近する。
なお、図3(3)に示すように、回動部13が回動する間、ゲートバー16の他端側は車路2から離れる方向に若干移動し、ゲートバー16の向きが車路2と平行でない状態となることがあるが、このときに、ゲートバー16の他端がアイランド3上に設置された他の装置に干渉する場合には、本体部11から受け部26までの距離をより長くして、ゲートバー16の他端に近い部分が受け部26に当接するようにストッパー部25を構成する。これにより、ゲートバー16の他端側が車路2から離れる方向に移動する量を小さくすることができるので、ゲートバー16の他端が他の装置へ干渉するのを防止することができる。
そして、図3(4)に示すように、回動部13が回動してゲートバー迎え位置に到達すると、ゲートバー16の一端側(ゲートバー保持部53の一端側)がゲートバー基部15の一端側に当接し、その後、回動駆動部22が回動部13を回動する力によって、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側が時計回り方向に押圧される。また、ゲートバー16の一端側は、ゲートバー基部15の底部の保持部スプリング52から反発力を受ける。このとき、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側には、互いに向きが反対である回動駆動部22の力と保持部スプリング52の力が作用するので、互いに接近又は接触する方向に強く押される。これにより、ゲートバー基部15の一端側及びゲートバー16の一端側に設けられた係止機構55が互いに確実に係止される。この係止によって、ゲートバー基部15とゲートバー16とは両者が同一方向を向くように一体化固定される。
このようにして、回動部13が、ゲートバー迎え位置まで回動して、リリース動作したゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に係止(保持)させると、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。
続いて、ゲートバー駆動部32が水平回動軸14を回動して、ゲートバー基部15及びゲートバー16を上方へ回動させる。このとき、一体化固定されたゲートバー基部15及びゲートバー16の向きは車路2に平行のままである。そして、上方に回動するゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置となった時点で、ゲートバー駆動部32は水平回動軸14の回動を停止する。
その後、回動駆動部22は、回動部13を車両の進行方向(リリース方向)と逆の方向(非リリース方向)に回動する。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達した時点で、回動駆動部22は回動部13の回動を停止する。例えば、回動部13は、反時計回り(非リリース方向)におよそ90度回動して車路遮断可能位置に到達する。このようにして回動部13が車路遮断可能位置に到達したとき、ゲートバー16の位置は、車路開閉動作において車路2を開放したときの位置と同じになるので、このままリリース復帰動作を完了させてもよいし、更にゲートバー16を横臥位置に回動させてからリリース復帰動作を完了させてもよい。なお、ゲートバー16を横臥位置に回動させてからリリース復帰動作を完了させる場合には、ゲートバー16を回動させる前に、安全のため、ゲートを通過する車両がないか否かを判断し、ゲートを通過する車両がない場合に限り、ゲートバー16を横臥位置に回動させる。
ところで、ゲートバー16に車両が衝突するのは、必ずしもゲート閉状態、すなわち、ゲートバー16を横臥位置にして車路2を遮断した状態だけとは限らない。例えば、図6に示すように、ゲートバー16を開動作させる途中でも、車高の高い車両や、進入速度が速い車両がゲートを通過するとき、車両の上方や突出したミラー等がゲートバー16(ゲートバー本体54)の先端に衝突する可能性もある。その場合にも、ゲートバー基部15からゲートバー16(ゲートバー保持部53)が外れてリリース動作を行えばよいが、確実に跳ね返りを防止している横臥状態に比べて、若干の付勢力を与えるだけでは、ゲートバー16(ゲートバー本体54)が跳ね返って、再度車両の側面に当たったり、サイドウィンドウを空けている場合には乗車しているドライバー等当たったりする危険性もある。更に、ゲートバー16(ゲートバー本体54)が跳ね返って数回暴れるような動作をした場合には、後続車両に衝突する可能性もある。
そこで、本発明の本実施形態では、ゲートバー16が車路開閉動作の途中の何れの状態にあっても、ゲートバー16の跳ね返り等を防止できる構成を有している。図7(1)及び(2)は、例えばゲートバー16が開動作している途中でゲートバー本体54の先端に車両が衝突した場合のゲート装置1を示している。図7(1)の破線矢印で示した方向で車両がゲートバー16に衝突した場合、ゲートバー16は、図7(2)に示すように、その長手方向が車路2と平行となるようにリリース動作する。なお、リリース動作時にゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置から何れの角度(位相)にあった場合でも、同様にして、ゲートバー16は、一旦、その長手方向が車路2と平行な状態となる。
そして、リリース動作をしたゲートバー16は回動部13の当接帯33に当接する。当接帯33は、予め、回動筐体31の左面から上面にかけて、水平回動軸14の中心から等距離の円形のほぼ四分の一の円弧形状に沿って形成されているので、ゲートバー16は、横臥位置から起立位置の間の何れの位相にある場合でも、確実に当接帯33に当接する。また、回動部13では、湾曲棒34も同様に、回動筐体31の左面から上面にかけて、水平回動軸の中心から等距離の円形のほぼ四分の一の円弧形状で形成されている。そして、図4(2)に示すように、可動棒40の最上端と湾曲棒34の最下端とは、上面視の位置が完全に一致している。即ち、可動棒40及び湾曲棒34は、何れの位相にあるゲートバー16がリリース動作した場合でも、ゲートバー16側のフック59を係合可能に配置されている。従って、リリース動作したゲートバー16は、フック59が可動棒40若しくは湾曲棒34の何れかによって、係止されることになる。そのため、車路開閉動作の途中に車両の衝突によってリリース動作したゲートバー16が、その反動で再度車両の側面に当たったり、後続車両に衝突する危険を回避することができる。
更に、本発明の本実施形態では、上記のようにゲートバー16が車路開閉動作の途中でリリース動作をした場合でも、リリース復帰動作は、一旦、ゲートバー基部15及びゲートバー16を横臥位置に戻してから行う。このリリース復帰動作の詳細は後述する。
次に、ゲート装置1の電気的な構成について、図8を参照しながら説明する。図8は、ゲート装置1の動作を電気的に制御するための構成を示している。
ゲート装置1は、図8に示すように、ゲート装置1を統括制御するための制御部71と、ゲートバー基部15を回動させるゲートバー駆動モータ72と、ゲートバー基部15又はゲートバー16が横臥位置に到達したことを検知する第1のリミット検知スイッチ73と、ゲートバー基部15又はゲートバー16が起立位置に到達したことを検知する第2のリミット検知スイッチ74と、回動部13を回動させる回動駆動モータ75と、回動部13が車路遮断可能位置に到達したことを検知する第3のリミット検知スイッチ76と、回動部13がゲートバー迎え位置に到達したことを検知する第4のリミット検知スイッチ77と、ゲートバー基部15及びゲートバー16の一体化固定の成立・解除を検知するリリース検知スイッチ78と、右設置用の制御プログラムと左設置用の制御プログラムとの切替を可能にする設定操作部79と、車路制御盤等と通信を行う通信部80と、ケーブルを介して外部機器からの電気信号を入力し、又は外部機器へ電気信号を出力する入出力部81とを備えている。
制御部71は、本体筐体21内に設けられ、例えば、CPU(中央演算処理装置)やメモリ等で構成され、メモリには、ゲート装置1の車路開閉動作やリリース復帰動作等を制御する制御プログラムが記憶されている。
ゲートバー駆動モータ72及び回動駆動モータ75は、それぞれ例えば直流モータである。リリース検知スイッチ78は、例えば、水平回転軸14の軸孔内に取り付けられ、ゲートバー基部15とゲートバー保持部53とが十分に接近又は接触したときにOFFとなり、両者が離れたときにONとなる。設定操作部79は、例えばディップスイッチであり、本体筐体21内に設けられている。通信部80は、本体筐体21内に設けられ、例えばゲート装置1がETCゲートに設置される場合に、ETCアンテナから車路制御盤へ送られた車両データを車路制御盤から受信する。入出力部81は、本体筐体21内に設けられ、入出力部81には、例えばゲート装置1が駐車場の出入口に設置される場合に、車両検知器から出力される車両検知信号等が入力される。
次に、ゲート装置1において、上記したようにリリース動作したゲートバー16のリリース復帰動作における制御部71による各部の制御を、図9のフローチャートに沿って説明する。なお、本実施形態では、ゲート装置1が車路2の右側に設置されているため、以下に説明するリリース復帰動作の制御は、右設置用の制御プログラムにより実現される。
先ず、ゲート装置1において、ゲートバー16が、車路開閉動作中に、又は横臥位置にあり車路2を遮断しているときに、車両がゲートバー16の他端側に衝突すると、ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されてゲートバー16がリリース方向に回動するリリース動作をする。ゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除されると、リリース検知スイッチ78がONになる(ステップS1:YES)。
リリース検知スイッチ78がONになると、制御部71は、その時点でゲート装置1がゲート閉の状態(ゲートバー16が横臥位置にある状態)か、若しくは車路開閉動作の途中(ゲート開動作又はゲート閉動作)であるかを判断する(ステップS2)。
ゲート装置1がゲート閉状態の場合(ステップS2:NO)、制御部71は、回動駆動モータ75を正転駆動させる(ステップS6)。回動駆動モータ75の正転により、車路遮断可能位置にある回動部13が車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)に回動する。
そして、回動部13がゲートバー迎え位置に到達すると、第4のリミット検知スイッチ77がONになる(ステップS7:YES)。このように回動部13がゲートバー迎え位置に到達することによって、上記したようにゲートバー16がゲートバー基部15に係止されて両者間に一体化固定が成立し、リリース検知スイッチ78がOFFになる(ステップS8:YES)。この直後、制御部71は、回動駆動モータ75を停止させる(ステップS9)。
続いて、制御部71は、ゲートバー駆動モータ72を正転させる(ステップS10)。ゲートバー駆動モータ72の正転により、横臥位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置に向かって回動する。ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立位置に到達すると、第2のリミット検知スイッチ74がONになる(ステップS11:YES)。この直後、制御部71は、ゲートバー駆動モータ72を停止させる(ステップS12)。
続いて、制御部71は、回動駆動モータ75を逆転させる(ステップS13)。回動駆動モータ75の逆転により、ゲートバー迎え位置にある回動部13が、車両の進行方向(ゲートバー16のリリース方向)と逆方向に回転する。そして、回動部13が車路遮断可能位置に到達すると、第3のリミット検知スイッチ76がONになる(ステップS14:YES)。この直後、制御部71は、回動駆動モータ75を停止させる(ステップS15)。
続いて、制御部71は、車路2の遮断の可否を判断する(ステップS16)。例えば、制御部71は、通信部80を介し、車路制御盤から遮断不可若しくは車両進入中を示す信号を受信した場合、又は、入出力部81を介し、車両検知器から、車両が通過中であることを示す車両検知信号を受信した場合には、遮断不可と判断し、このような信号を受信していない場合には、遮断可能と判断する。
制御部71は、車路2を遮断可能と判断した場合には(ステップS16:YES)、ゲートバー駆動モータ72を逆転させる(ステップS17)。ゲートバー駆動モータ72の逆転により、起立位置にあるゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置に向かって回動する。続いて、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置に到達すると、第1のリミット検知スイッチ73がONになる(ステップS18:YES)。この直後、制御部71は、ゲートバー駆動モータ72を停止させる(ステップS19)。これにより、リリース復帰動作は完了する。
また、上記したように車路開閉動作中に車両がゲートバー本体54の先端に衝突してゲートバー基部15とゲートバー16との一体化固定が解除された場合にも、リリース検知スイッチ78がONになる(ステップS1:YES)。リリース検知スイッチ78がONになると、制御部71は、その時点でゲート装置1がゲート閉の状態か若しくは車路開閉動作の途中であるかを判断する(ステップS2)。
ここで、車路開閉動作中と判断した場合(ステップS2:YES)、制御部71は、先ず、ゲートバー駆動モータ72の逆転(ゲート閉動作)をさせる(ステップS3)。この動作では、ゲート開動作中であった場合にはゲートバー駆動モータ72を逆転し、ゲート閉動作中であった場合にはそのままゲートバー駆動モータ72の逆転を継続する。
ゲート閉動作によってゲートバー基部15が横臥状態に戻ると、第1のリミット検知スイッチ73がONになる(ステップS4:YES)ので、制御部71は、ゲートバー駆動モータ72を停止させ(ステップS5)、その後は上記した通常のリリース復帰動作と同様の流れによって、リリース動作したゲートバー16を復帰させる。
上述のように、本実施形態によれば、車路2上の車両(移動体)の通行を規制するゲート装置1は、本体部11と、回動部13と、ゲートバー基部15と、ゲートバー16と、ゲートバー駆動部32と、回動駆動部22と、ストッパー部25と、を備えている。そして、回動部13は、本体部11の上方に配置され、垂直方向に伸長する垂直回動軸12周りを回動可能となるように本体部11に支持されている。ゲートバー基部15は、一端側が回動部13に、水平方向に伸長する水平回動軸14周りを回動可能となるように支持され、他端側が水平回動軸14と交わる方向に伸長している。ゲートバー16は、中間部がゲートバー基部15の他端側に、ゲートバー基部15の伸長方向と交わる方向に伸長するリリース回動軸51周りを回動可能となるように支持され、一端側がゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持され、他端側がゲートバー基部15と同じ方向に伸長している。ゲートバー駆動部32は、ゲートバー基部15を、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥する位置である横臥位置と、ゲートバー基部15及びゲートバー16が起立する位置である起立位置との間で水平回動軸14周りを回動させる。回動駆動部22は、移動体の通行を規制するときには、横臥位置にあるゲートバー16が車路2を遮るように回動部13の位置を定め、また、水平回動軸14に対するゲートバー基部15及びゲートバー16の位相に拘らず、ゲートバー16の一端側がゲートバー基部15の一端側から離脱してゲートバー16がリリース回動軸51周りを移動体の移動方向に向かうリリース方向に回動するリリース動作をしたときには、回動部13を横臥位置におけるゲートバー16の回動に追随するように回動させて、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に接近又は接触させると共に、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に保持させる。ストッパー部25は、回動部13よりもリリース方向側において回動部13の回動に伴って移動するゲートバー16の移動軌跡上に固定配置される。
このような構成により、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー16が横臥位置若しくは横臥位置と起立位置の途中の位置等のような水平回動軸14に対する何れの位相(位置)にあっても、回動部13は、ゲートバー16がリリース動作をした後で、横臥位置のゲートバー16に追随して回動することにより、ゲートバー16の位置又は向きを変更する前に、ゲートバー16をゲートバー基部15に保持させることができる。その後、回動部13を逆方向に回動させることで、ゲートバー基部15とゲートバー16をリリース動作前の元の位置に復帰させることができる。これにより、復帰のためにゲートバー16が移動するのに要するスペースが小さくなるように、ゲートバー16の復帰経路を設定することが可能になる。
また、復帰動作時において、ゲートバー16が横臥位置においてゲートバー基部15に着脱可能に保持された状態で、ゲートバー16を移動させるので、復帰動作中にゲートバー16に移動体が衝突した場合でも、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側から離脱させ、ゲートバー16を移動体の移動方向に回動させることができる。これにより、復帰のためにゲートバー16を移動させる経路として、ゲートバー16が車路2上を水平方向に移動する経路を選択した場合でも、復帰動作中のゲートバー16への移動体の衝突によりゲートバー16やゲート装置1の他の部分が破損するのを防止することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー16及び回動部13の間には、リリース動作をしたゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に回動部13を回動させて保持させる復帰動作の開始までの間に、リリース動作をした状態のゲートバー16のリリース方向とは逆方向の非リリース方向への動作を規制する動作規制部が設けられている。
このような構成により、リリース動作した状態のゲートバー16をリリース動作の反動で非リリース方向に動作しないよう規制することができ、ゲートバー16がリリースした反動で後続の車両に衝突する危険を解消できる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、上記した動作規制部は、ゲートバー16の横臥位置に対応して回動部13に設けられた可動棒ユニット35(可動式の棒状規制部)と、ゲートバー16の横臥位置から起立位置までの位置に対応して回動部13に設けられた湾曲棒34(固定式の棒状規制部)と、ゲートバー16と一体となって回動するようにゲートバー16に設けられたフック59(懸架部)と、を備え、フック59は、ゲートバー16がリリース動作をしたときに、可動棒ユニット35の可動棒40又は湾曲棒34に係合し、可動棒ユニット35は、回動部13がリリース方向に回動するときに、可動棒40をフック59の回動軌跡範囲外に退避する。
このような構成により、ゲートバー16がリリース動作の反動で非リリース方向に動作しないよう規制することと、回動部13がゲートバー迎え位置に回動する際にその規制を自動的に解除してゲートバー16をゲートバー基部15に保持させるように回動させることができる。従って、ゲートバー16がリリースした反動で後続の車両に衝突する危険を解消できると共に、ゲートバー16が開閉動作の途中で車両と接触しても、正常にリリース動作を行うことが可能となる。また、ゲートバー16の規制の解除は、上記のように可動棒下アーム38の当接片と本体部11の固定ピン24を当接状態から離間させることによって可動棒40を早期に退避させる動作を、ゲートバー基部15の横臥位置でのみ行うため、比較的簡素な構造で実現することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、可動棒ユニット35(可動式の棒状規制部)は、回動部13に水平方向に揺動可能な可動棒上アーム39(揺動アーム)上に設けた可動棒40と一体化された可動棒下アーム38(作動アーム)と、本体部11に設けた固定ピン24(作動部)より構成され、回動部13が通常の位置にあるときは、可動棒下アーム38が固定ピン24に当接して可動棒上アーム39上の可動棒40が湾曲棒34の下端と平面上同位置に位置し、ゲートバー迎え位置に回動する際に、回動部13の回動に応じて可動棒下アーム38と固定ピン24との当接が離れることで、可動棒上アーム39が回動して可動棒40がフック59の回動軌跡範囲外に退避する。
このような構成により、可動棒ユニット35(可動式の棒状規制部)は、可動棒上アーム39(揺動アーム)、可動棒下アーム38(作動アーム)及び固定ピン24(作動部)からなる簡単な機構で、特に専用の駆動源を用いることなく実現することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、回動部13は、横臥位置から起立位置までの何れの位置にあってもリリース動作したゲートバー16の他端側が当接する当接帯33(当接部)を備える
このような構成により、当接帯33は、ゲートバー基部15及びゲートバー16が横臥位置若しくは横臥位置と直立位置の途中の位置の何れの位置にあっても、水平回動軸14に対するゲートバー基部15及びゲートバー16の位相に拘らず、リリース動作した状態のゲートバー16のリリース方向への移動を制限することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー基部15は、リリース動作時におけるゲートバー16のリリース方向の回動を助長するようにゲートバー16に付勢力を与えるトーションスプリング(リリース付勢部)を備える。
このような構成により、トーションスプリングの付勢力によって、ゲートバー16を確実にリリース動作させることができると共に、リリース動作したゲートバー16を一定の位置に維持させることができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー基部15及びゲートバー16は、ゲートバー基部15の一端側とゲートバー16の一端側とを互いに係止させる係止機構55を備える。
このような構成により、ゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に着脱可能に保持させる構造を実現することができる。
また、本実施形態に係るゲート装置1では、ゲートバー駆動部32及び回動駆動部22を制御する制御部71(駆動制御部)を備え、横臥位置にあるゲートバー16で車路2を遮る際の回動部13の位置を車路遮断可能位置とし、回動部13を車路遮断可能位置から回動させて、リリース動作したゲートバー16の一端側をゲートバー基部15の一端側に保持させる際の回動部13の位置をゲートバー迎え位置とした場合、制御部71は、ゲートバー基部15が横臥位置と起立位置の間にあるとき、ゲートバー駆動部32によってゲートバー基部15を横臥位置へと回動させた後、回動駆動部22によって回動部13をゲートバー迎え位置へと回動させる。
このような構成により、ゲートバー基部15を横臥位置に移動させてから回動部13を回動させてリリース動作前の元の位置に復帰させるので、復帰のためにゲートバー16が移動するのに要するスペースを小さくすることができる。
このように、本発明の実施形態によるゲート装置1によれば、リリース動作したゲートバー16をリリース復帰動作させるときに、ゲートバー16の移動に要するスペースを小さくすることができる。すなわち、従来技術によるゲート装置では、車両が衝突して折れ曲がった阻止バーを、折れ曲がった状態のまま、アイランドの左右方向中間部に設置された阻止バー駆動装置の上方に移動させ、その後、その阻止バーを直立するように上方に回動させている。この従来技術のゲート装置では、阻止バーがアイランドの左右方向中間部で上方に回動するため、アイランドの左右方向中間部の上方に広いスペースを確保する必要がある。この結果、アイランド上に他の装置を設置するに当たり、その設置場所が大きく制限される。これに対し、本発明の本実施形態によるゲート装置1では、車路2とアイランド3との境界付近で車路2とほぼ平行の向きとなったゲートバー16を、先ず、起立するように上方に回動させ、その後、その起立したゲートバー16を回動部13の回動により、アイランド3の左右方向中間部へ移動させる。これにより、ゲートバー16は車路2とアイランド3との境界付近で上方に回動するので、アイランド3の左右方向中間部の上方に広いスペースを確保する必要がない。したがって、アイランド3上に他の装置を設置するに当たり、その設置場所の制限を小さくすることができる。
また、本実施形態では、ゲートバー駆動モータ72及び回動駆動モータ75として直流モータを用い、回動部13及びゲートバー16の位置を検知する手段としてリミット検知スイッチ73、74、76及び77を用いる場合を例にあげたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ゲートバー駆動モータ72及び回動駆動モータ75としてステッピングモータを用い、ステッピングモータの位相制御により、回動部13又はゲートバー16の位置制御を行ってもよい。
なお、本実施形態では、車路2の右側にゲート装置1が設置される例を説明しているが、車路2の左側にゲート装置1を設置する場合でも、各部の配置、移動方向及び回動方向等を適宜逆にすることによって実現することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うゲート装置もまた本発明の技術思想に含まれる。