JP6374594B1 - 塗装方法及びコーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗料を溶剤により希釈することなく、コーティング組成物の細かいミストを安定的に形成することのできる塗装方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る塗装方法は、塗料及び二酸化炭素を混合してコーティング組成物を得る工程と、前記コーティング組成物を対象物に噴霧する工程と、を備える。前記塗料は、溶剤を含まないか、又は、前記塗料全量に対して1質量%未満の溶剤を含む。前記塗料及び前記二酸化炭素は、二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において混合され、混合される前記二酸化炭素の量は、前記塗料100質量部に対して1.5質量部以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素を用いた塗装方法等に関する。
塗料を対象物に塗装(コーティング)する方法として、塗料に二酸化炭素を混合してコーティング組成物を調製し、得られたコーティング組成物を対象物に噴霧する方法が知られている。この方法では、二酸化炭素が希釈剤として機能し、塗料の粘度が噴霧可能なレベルまで低下される。
このような二酸化炭素を用いたコーティングに関する技術は、例えば、特許文献1〜6のように数々開発されている。
特許第4538625号公報 特許第5429928号公報 特許第5429929号公報 特許第5660605号公報 特許第5568801号公報 特許第5608864号公報
塗料の粘度を低下させるために、多くの塗料には、一定量の溶剤があらかじめ含まれている。また、コーティング組成物を調製する過程で、塗料を溶剤で希釈することも多くある。揮発性有機化合物(VOC)として知られるこれらの溶剤は、環境に好ましくない影響を及ぼす可能性があるため、希釈剤として溶剤を使用せずに塗料を噴霧することが求められている。しかしながら、従来の二酸化炭素塗装方法では、塗料を溶剤で希釈しないと、噴霧により形成されるコーティング組成物のミストが十分に細かくならないか、又は、ミストを安定的に形成することが困難であった。細かいミストを安定的に形成することができないと、良好な塗装が行えず、均一なコーティング膜を形成することが難しい場合があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、塗料を溶剤により希釈することなく、コーティング組成物の細かいミストを安定的に形成することのできる塗装方法等を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、塗料と二酸化炭素とを特定の条件で混合することにより得られるコーティング組成物によれば、細かいミストを安定的に生じることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の一形態に係る塗装方法は、塗料及び二酸化炭素を混合してコーティング組成物を得る工程と、前記コーティング組成物を対象物に噴霧する工程と、を備える。前記塗料は、溶剤を含まないか、又は、前記塗料全量に対して1質量%未満の溶剤を含む。前記塗料及び前記二酸化炭素は、二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において混合され、混合される前記二酸化炭素の量は、前記塗料100質量部に対して1.5質量部以上である。
前記塗料及び前記二酸化炭素は、二酸化炭素が密度0.7kg/L以上の液体状態で存在する温度及び圧力において混合されることができる。
前記塗料及び前記二酸化炭素は、60℃未満の温度で混合されることができる。
混合される前記二酸化炭素の量は、前記塗料に対する前記二酸化炭素の溶解度を超えないことが好ましい。
本発明の一形態に係るコーティング組成物は、塗料と、二酸化炭素と、を含有する。前記塗料は、溶剤を含まないか、又は、前記塗料全量に対して1質量%未満の溶剤を含む。前記二酸化炭素は、0.7kg/L以上の密度を有し、前記二酸化炭素の量は、前記塗料100質量部に対して1.5質量部以上である。
本発明によれば、塗料を溶剤により希釈することなく、コーティング組成物の細かいミストを安定的に形成することができる。したがって、環境に悪影響を及ぼす可能性のあるVOCを使用せずに、噴霧による塗装を良好に達成できる。
塗装装置の一実施形態を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明の一形態に係る塗装方法は、塗料及び二酸化炭素を混合してコーティング組成物を得る工程(混合工程)と、コーティング組成物を対象物に噴霧する工程(噴霧工程)と、を備える。
(1.混合工程)
本工程では、塗料と二酸化炭素とを混合してコーティング組成物を得る。
<塗料>
塗料は、溶剤を実質的に含まず、かつ、液状であるものであれば特に限定はない。溶剤を実質的に含まないとは、溶剤を含有しないか、又は、極めて微量、例えば、塗料全量に対して1質量%未満、0.5質量%以下、若しくは0.1質量%以下となる量の溶剤を含有する場合を意味する。溶剤は、20℃、1気圧において液体状態で存在し、一般的には、塗料の粘度を低下させる目的で塗料に添加される。溶剤は、塗料に対する二酸化炭素の溶解を妨げるものでなければ特に限定されず、例えば、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、n−ブタノール、ジイソブチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のいわゆる真溶剤、ホルムアミド、ブチロラクトン、プロピレングリコール、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の高極性溶剤、脂肪族炭化水素、ガソリン、灯油、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、ミネラルスピリット等のいわゆる弱溶剤、及び、水が例示される。
塗料は、重合反応及び/又は架橋反応により硬化する膜形成成分を含む。膜形成成分は、主剤及びその硬化剤を含むことができる。例として、エポキシ樹脂のプレポリマー(例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの共重合体)及びその硬化剤(アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤など)が挙げられ、これらの膜形成成分を含むエポキシ樹脂塗料は、硬化によりエポキシ樹脂になる。他の例として、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール及びその硬化剤(例えば、イソシアネート系硬化剤)が挙げられ、これらの膜形成成分を含むウレタン樹脂塗料は、硬化により、アクリルウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等のウレタン樹脂になる。また、主剤及び硬化剤とともに適当な変性剤を含む膜形成成分は、硬化により変性樹脂になる。例えば、シリコーン変性ウレタン樹脂(シリコーン系ウレタン樹脂)は、一例として、ポリオール及びジイソシアネートに加えて、これらと反応性のシリコーン化合物(例えば、末端にアルコール性水酸基を有するジオルガノポリシロキサン)を含むシリコーン系ウレタン樹脂塗料を硬化することにより得ることができる。あるいは、膜形成成分は、プレポリマー(オリゴマー)、希釈モノマー、及び必要に応じて、重合開始剤又は触媒を含むことができる。膜形成成分の例として、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリアクリルアクリレート、及びポリエステルアクリレート等のアクリレート系プレポリマーと、アクリル酸エステルと、光重合開始剤との組合せが挙げられ、このような膜形成成分を含むアクリル樹脂塗料は、紫外線(UV)硬化によりアクリル樹脂になる。以上の膜形成成分は、熱硬化性又は光(UVなど)硬化性であることができる。塗料は、1液硬化型であってもよく、2液硬化型であってもよい。
塗料は、必要に応じて添加剤をさらに含んでいてもよい。例えば、顔料、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、密着性付与剤、レオロジーコントロール剤等、塗料に通常添加される添加剤を含んでいてもよい。本発明において、溶剤は添加剤の例に含まれない。
20℃及び大気圧(0.1MPa)における塗料の粘度Vaは、400mPa・s以上であることができる。このような粘度Vaを有する塗料は、通常のエアスプレーガン又はエアレススプレーガンによる塗装が困難であるが、本発明の方法によれば好適に塗装が行える。塗料の密度は、0.9〜1.3kg/Lであることができる。
塗料と二酸化炭素とは、二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において混合される。塗料と二酸化炭素とは、二酸化炭素の密度が、0.72kg/L以上、0.75kg/L以上、0.80kg/L以上、又は0.83kg/L以上となる温度及び圧力において混合されてもよい。二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において、二酸化炭素の密度は塗料の密度と近くなるため、塗料と二酸化炭素とが物理的に混合されやすくなり、互いに溶解しやすくなる。塗料と二酸化炭素とは、二酸化炭素の密度が1.1kg/L以下となる温度及び圧力において混合されてもよい。塗料と二酸化炭素とは、二酸化炭素が液体として存在する温度及び圧力において混合されてもよい。この場合、塗料と二酸化炭素とが物理的により混合されやすくなる。
混合温度は、60℃未満が好ましく、30℃未満がより好ましく、10℃以上かつ30℃未満がさらに好ましいが、これらに限定されない。塗料が2液硬化型塗料の場合は、温度が60℃より低いと、コーティング組成物の使用可能時間(ポットライフ)が良好となる傾向がある。
塗料と二酸化炭素と混合するときの温度及び圧力条件における塗料の粘度Vmは、400mPa・s以上であることができる。このような粘度Vmを有する塗料は、ホットスプレーガンによる塗装が困難であるが、本発明の方法によれば好適に塗装が行える。
塗料と二酸化炭素と混合するときの温度及び圧力条件におけるコーティング組成物の粘度Vcは、Vmよりも低くなる。好ましくは、Vcは0.8Vm以下となる。本実施形態によれば、Vcが400mPa・s以上であっても、好適に噴霧が行える。
混合される二酸化炭素の量は、コーティング組成物100質量部に対して1.5質量部以上である。二酸化炭素の量は、コーティング組成物100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。二酸化炭素の量が、コーティング組成物100質量部に対して1.5質量部以上であると、噴霧されたコーティング組成物がより細かいミストになる。また、混合される二酸化炭素の量は、混合時の温度及び圧力条件における塗料に対する二酸化炭素の溶解度を超えないことが好適である。より好ましくは、混合される二酸化炭素の量は、塗料に対する二酸化炭素の溶解度を下回る。二酸化炭素の量が塗料に対する二酸化炭素の溶解度を超えると、二酸化炭素の一部が塗料に溶解できないため、コーティング組成物が二相混合物になる。二相混合物は、後述する理由から好ましくない場合がある。
混合の仕方は特に限定されず、混合は、例えば、インラインミキサーを使用したラインブレンド法による混合であることができる。本発明の方法によれば、混合時の温度及び圧力、並びに混合する二酸化炭素の量を上記のとおり調節することにより、マイクロ混合器などの特殊な混合器を使用せずに、均一に混合されたコーティング組成物を得ることができる。
<コーティング組成物>
塗料と二酸化炭素を混合することにより得られたコーティング組成物は、塗料と、二酸化炭素と、を含有する。上記に述べたとおり、二酸化炭素は0.7kg/L以上の密度を有し、二酸化炭素の量は、塗料100質量部に対して1.5質量部以上である。好ましくは、二酸化炭素の全量が塗料に溶解している。
(2.噴霧工程)
本工程では、上記コーティング組成物を対象物に噴霧して、対象物に塗料の膜を形成する。コーティング組成物を、例えばノズル又はオリフィスから噴霧すると、加圧状態から解放されたコーティング組成物中の二酸化炭素は瞬時に気化して、その体積が大幅に膨張する。膨張により生じるエネルギーにより、コーティング組成物は細かい霧状(ミスト)になる。このミストを対象物に接触させることにより、対象物の表面に塗料の膜が形成される。より細かいミストを形成する観点から、噴霧するコーティング組成物中に含まれる二酸化炭素の量は、その塗料に対する溶解度を超えない範囲で、多いことが好ましい。本発明において、コーティング組成物は一相の混合物であることが好適であり、二酸化炭素は全て塗料に溶解していることが好適である。コーティング組成物が二相混合物である、すなわち、コーティング組成物中に、二酸化炭素が溶解した塗料の主相(液体)と、二酸化炭素を主成分とし前記主相よりも塗料の濃度が低い相(液体、超臨界、又は気体)とが存在すると、十分に2相を分散混合した状態で噴霧しないと、一方の相は噴霧されないままもう一方の相のみが噴霧される場合があり、ミストを安定的に(連続的に)形成することが難しくなる場合がある。なお、本発明は、混合工程と噴霧工程との間に、コーティング組成物を溶剤により希釈する工程を備えない。
噴霧時の温度及び圧力は、積極的に制御しなくてもよく、混合時の温度及び圧力と同じであってもよいし、適宜調節されてもよい。噴霧を可能にする観点から、噴霧圧力は2MPa以上又は5MPa以上であることが好ましい。本明細書における圧力は、絶対圧力(MPa)である。
(3.硬化工程)
本発明の塗装方法は、噴霧工程により対象物に形成された塗料の膜を硬化して、コーティング膜を形成する工程(硬化工程)をさらに備えることができる。本工程では、塗料の膜を硬化してコーティング膜を形成する。硬化の方法は塗料の種類によるが、例えば、加熱又はUV等の活性エネルギー線によって、塗料の膜を硬化することができる。
(塗装装置)
上記の方法は、例えば、図1に示す塗装装置を用いて行うことができる。塗装装置は、塗料タンク1、高圧ポンプ2、加熱器3、二酸化炭素ボンベ4、冷却器5、高圧ポンプ6、加熱器7、混合器8、及び、ノズル9を有する。塗料タンク1に貯蔵された塗料は、高圧ポンプ2によって所定の圧力まで加圧され、加熱器3によって所定の温度まで加温されてから、混合器8(混合部)へと供給される。一方、二酸化炭素ボンベ4に貯蔵された二酸化炭素は、冷却器5によって冷却されて液化し、高圧ポンプ6(例えば、プランジャーポンプなどの定容ポンプ)によって所定の圧力まで加圧される。加圧された二酸化炭素は、加熱器7によって所定の温度まで加温されてから、混合器8へと供給される。混合器8内で塗料及び二酸化炭素が混合され、コーティング組成物となる。混合器8としては、例えば、インラインミキサーを使用できる。このように調製されたコーティング組成物は、ノズル9を通して大気中に噴霧される。
混合器8では、上述の温度及び圧力で、かつ、上述の比で塗料と二酸化炭素とを混合する。混合器8における圧力は、高圧ポンプ2及び高圧ポンプ6の吐出圧力により調節することができる。また、混合器8における温度は、加熱器3により加熱される塗料の温度、及び、加熱器7により加熱される二酸化炭素の温度により調節することができる。塗料及び二酸化炭素の量比も、各ポンプの吐出量及び図示しない流量調節弁により調節できる。
塗装装置は、図1に示す装置に限定されない。例えば、図1に示す装置では、混合時の温度は加熱器3及び7並びに冷却器5により調節されるが、これらの構成は必須ではない。例えば、加熱器3及び7並びに冷却器5に代えて、熱交換器などの温度調節部を混合器8の内部に設けることにより、混合時の温度を調節してもよい。また、図1に示す装置では、混合時の圧力は高圧ポンプ2及び6により調節されるが、これらの構成は必須ではない。例えば、高圧ポンプ2及び6にかえて、ポンプ、減圧バルブ等の圧力調節部を混合器8の内部に設けることにより、混合時の圧力を調節してもよい。さらに、混合器8とノズル9とを結ぶライン上に温度調節部及び/又は圧力調節部を設けて、噴霧時の温度及び/又は圧力を制御してもよい。
本発明の上記形態に係る方法によれば、塗料と二酸化炭素とが、二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において混合され、また、混合される二酸化炭素の量が、塗料100質量部に対して1.5質量部以上である。このような混合により得られるコーティング組成物をノズルから噴霧すると、安定的(連続的)な塗料のミストの形成が可能となり、かつ、ミストの微細化もできる。本発明者等は、この理由を以下のように推察している。
まず、混合時において二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となると、二酸化炭素の密度が塗料の密度と近くなるため、塗料と二酸化炭素とが物理的に混合されやすくなり、互いに溶解しやすくなることが考えられる。コーティング組成物において、塗料と二酸化炭素とが十分に溶解し合っていない場合、二酸化炭素をほとんど含まない部分がノズルに供給される場合がある。二酸化炭素をほとんど含まない部分がノズルから吐出された場合、塗料はミスト化せず、噴霧動作が間欠的になってしまう。これに対して、二酸化炭素と塗料との混合性が良い場合には、二酸化炭素をほとんど含まない部分がノズルに供給されることがほとんどなく、連続的に安定的な噴霧が可能となる。
さらに、二酸化炭素の量が塗料100質量部に対して1.5kg/L以上であると、二酸化炭素の膨張により塗料が十分に細かいミストになる。一方、二酸化炭素の量が塗料100質量部に対して1.5kg/L未満であると、二酸化炭素の量が不足して、塗料が十分に細かいミストにならない。なお、20℃、大気圧において、塗料100質量部に対して0.5〜1質量%程度の二酸化炭素が溶解する。
また、混合する二酸化炭素の量が、塗料に対する二酸化炭素の溶解度を超えない場合には、コーティング組成物は、二酸化炭素が全て塗料中に溶解した一相の混合物として存在することができ、よって、ミストをより安定的に生じることができると推察される。
以下、実施例に基づき発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1〜22)
図1に示すような二酸化炭素塗装装置において、塗料タンク1に塗料を仕込み、混合器8内での塗料と二酸化炭素との混合比が表1及び表2に示す混合比となるように、高圧ポンプ2及び6の流量を設定した。混合器内の温度Tm及び圧力Pmは、表1及び表2に示す温度及び圧力に調節した。表1〜3において、塗料及び二酸化炭素の量の単位は質量部である。いずれの塗料も溶剤を含まない。表1におけるアクリル樹脂塗料は、アクリルオリゴマー、アクリルモノマー、及び光重合開始剤を含む、UV硬化性の無溶剤塗料である。表2において、エポキシ樹脂塗料A及びエポキシ樹脂塗料Bは、それぞれエポキシ樹脂のプレポリマーの硬化剤としてポリアミン及び酸無水物を含む、2液硬化型の無溶剤塗料である。ウレタン樹脂塗料及びシリコーン系ウレタン樹脂塗料も、2液硬化型の無溶剤塗料である。これらの実施例において、混合器8に供給された二酸化炭素の濃度は、塗料に対する二酸化炭素の飽和濃度を下回っていた。
Figure 0006374594
Figure 0006374594
塗装試験を行い、安定的にミストが形成されたか否かを評価した。また、形成されたミストの状態を併せて評価した。これらはいずれも、噴霧されたミストを目視で観察することにより評価した。結果を表1及び表2に示す。
「安定的なミスト形成」の評価について、表1〜3における○及び×は、それぞれ次を意味する。
○:ミストが安定的に形成された。
×:ミストの形成が不安定であった。ときにはミストが形成され、ときには噴霧してもミストが形成されなかった。
「ミストの状態」の評価について、表1〜3における○、△、及び×は、それぞれ次を意味する。
○:ミストの粒子が全て微細であった。
△:ミスト中のほとんどの粒子が微細であったが、大きい粒子が少し混ざっていた。
×:ミストは形成されず、コーティング組成物は、水鉄砲のように直線を描いて放出された。
(比較例1〜6)
表3に示す組成のコーティング組成物について、実施例1〜22と同様にして、塗装試験を行った。使用したアクリル樹脂塗料は、実施例1〜14において使用した塗料と同じであり、塗料は溶剤を含まない。なお、比較例1〜3において、混合器8に供給された二酸化炭素の濃度は、塗料に対する二酸化炭素の飽和濃度を下回っていた。比較例4〜6において、コーティング組成物は混合器8内で二相に分かれていた。塗装試験の結果を表3に示す。
Figure 0006374594
1…塗料タンク、2,6…高圧ポンプ、3,7…加熱器、4…二酸化炭素ボンベ、5…冷却器、8…混合器、9…ノズル。

Claims (4)

  1. 塗料及び二酸化炭素を混合してコーティング組成物を得る工程と、
    前記コーティング組成物を対象物に噴霧する工程と、を備え、
    前記塗料は、溶剤を含まないか、又は、前記塗料全量に対して1質量%未満の溶剤を含み、
    前記塗料及び前記二酸化炭素は、二酸化炭素の密度が0.7kg/L以上となる温度及び圧力において混合され、
    前記温度は、30℃未満であり、
    混合される前記二酸化炭素の量は、前記塗料100質量部に対して1.5質量部以上である、塗装方法。
  2. 前記塗料及び前記二酸化炭素が、二酸化炭素が密度0.7kg/L以上の液体状態で存在する温度及び圧力において混合される、請求項1に記載の方法。
  3. 混合される前記二酸化炭素の量は、前記塗料に対する前記二酸化炭素の溶解度を超えない、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 塗料と、二酸化炭素と、を含有するコーティング組成物であって、
    前記塗料は、溶剤を含まないか、又は、前記塗料全量に対して1質量%未満の溶剤を含み、
    前記二酸化炭素は、0.7kg/L以上の密度を有し、
    前記二酸化炭素の量は、前記塗料100質量部に対して1.5質量部以上であり、
    前記コーティング組成物の温度は30℃未満である、コーティング組成物。
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