JP6373702B2 - 半導体パワーモジュール及び半導体駆動装置 - Google Patents

半導体パワーモジュール及び半導体駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:以下、IGBTと記す)などのパワー半導体素子が搭載される半導体パワーモジュール及び半導体パワーモジュールを駆動する半導体駆動装置に関する。
近年、環境配慮の観点から電気鉄道車両および電気自動車などが注目を浴びている。これらの電気駆動による移動体には、モータおよびモータを駆動する電力変換装置(インバータ、コンバータ、チョッパー)が搭載されており、電力変換装置においては、半導体パワーモジュールが一般的に用いられる。半導体パワーモジュールにおけるIGBT等の半導体スイッチング素子をスイッチングすなわちオン・オフ駆動することにより、直流電力が交流電力に変換されたり、交流電力が直流電力に変換されたりする。
半導体パワーモジュールでは、一般的に、半導体スイッチング素子とダイオードの逆並列接続回路(「アーム」と称する)が使用される。アームを、正極端子と交流端子の間に接続したものを上アーム、交流端子と負極端子の間に接続したものを下アームと称する。一組の上アームと下アームによって、一相分の交流電力を出力することができる。したがって三相交流を出力するためには3組の上下アーム(合計6アーム)が必要となる。
ノイズなどによる誤動作により、半導体パワーモジュールにおける上下アームの半導体スイッチング素子がオン状態になると、その時に流れる過電流(短絡電流)によって半導体スイッチング素子が破壊し、その結果、電力変換装置が故障する。これを防止するため、半導体パワーモジュールを駆動する半導体駆動装置には、過電流が流れたら半導体スイッチング素子をターンオフする過電流保護回路が備えられる。
過電流保護回路においては、半導体パワーモジュールにおける半導体スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出手段が必要である。このような電流検出手段に関する技術として、特許文献1および特許文献2に記載される技術が知られている。
特許文献1(図8)に記載の技術では、IGBTのエミッタ側における主回路配線の寄生インダクタンスに発生する電圧を積分してエミッタ電流を求めている。
特許文献2(図3および図4)に記載の技術では、IGBTモジュールにおけるエミッタ電極板とエミッタ端子が有する寄生インダクタンスが発生する電圧を積分回路に入力して積分することにより、IGBTに流れる電流が測定される。また、IGBTモジュールに積分回路接続用の専用端子が設けられる。
特開2007−259533号公報 特開2000−324846号公報
電力変換装置は、電気鉄道車両では旅客床下の限られた空間に、電気自動車ではボンネット内の限られた空間に、他の機器と一緒に設置されるため、半導体パワーモジュールの小型化が要求される。半導体パワーモジュールを小型化すると、主電流が流れる主端子,半導体駆動装置を接続する制御端子,過電流などの異常状態を検知するための電圧信号を出力する検出端子を構成する導体や、端子間やこれら端子と半導体素子間を接続するための配線導体が近接配置されるため、これら端子および配線導体に流れる主電流により発生する磁束が、各端子および各配線導体相互間で、影響を及ぼし合う。特に、検出信号端子から出力される検出信号電圧への影響が大きく、これは、電流を高精度で検出して確実に半導体スイッチング素子を過電流から保護する上で、問題である。
これに対し、特許文献1および特許文献2に記載の技術においては、自己インダクタンスである寄生インダクタンスが用いられており、上述したような磁束の影響は考慮されていない。このため、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、半導体パワーモジュールにおける過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することは難しい。
そこで、本発明は、過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することができる半導体パワーモジュールおよび半導体駆動装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による半導体パワーモジュールは、主電流が流れる第1の主端子および第2の主端子と、第1の主電極および第2の主電極を有し、第1の主電極が第1の主端子と電気的に接続され、第2の主電極が第2の主端子と電気的に接続される第1の半導体スイッチング素子と、を備えるものであって、第1の主電極の電位を検出する第1の信号端子と、第1の主端子の電位を検出する第2の信号端子を備え、第1の信号端子および第2の信号端子からは、第1の主端子による第1の自己インダクタンスと、第1の主端子と第2の主端子との間の第1の相互インダクタンスと、第1の主電極に流れる電流の変化とに応じた第1の検出電圧が出力され、第1の検出電圧は第1の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、過電流保護において、第1の相互インダクタンスが用いられるものである。
また、上記課題を解決するために、本発明による他の半導体パワーモジュールは、一対の直流端子となる第1の主端子および第2の主端子と、第1の主電極および第2の主電極を有し、第1の主電極が第1の主端子と電気的に接続される第1の半導体スイッチング素子と、第3の主電極および第4の主電極を有し、第4の主電極が第2の主端子と電気的に接続される第2の半導体スイッチング素子と、を備えると共に、第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子は、第2の主電極と前記第3の主電極とが導体によって電気的に接続されることにより、直列接続され、第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子の直列接続点に電気的に接続される交流端子を備えるものであって、さらに、第1の主電極の電位を検出する第1の信号端子と、第1の主端子の電位を検出する第2の信号端子と、第2の主電極の電位を検出する第3の検出端子と、第3の主電極の電位を検出する第4の検出端子とを備える。第1の信号端子および第2の信号端子からは、第1の主端子による第1の自己インダクタンスと、第1の主端子と第2の主端子との間の第1の相互インダクタンスと、第1の主端子と導体との間の第2の相互インダクタンスと、第1の主電極に流れる電流の変化とに応じた第1の検出電圧が出力され、第3の信号端子および第4の信号端子からは、導体による第2の自己インダクタンスと、第の相互インダクタンスと、第2の主端子と前記導体との間の第3の相互インダクタンスと、第3の主電極に流れる電流の変化とに応じた第2の検出電圧が出力される。第1の検出電圧は第1の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、第2の検出電圧は第2の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、第1の半導体スイッチング素子の過電流保護において、第1の相互インダクタンスおよび第2の相互インダクタンスが用いられ、第2の半導体スイッチング素子の過電流保護において、第1の相互インダクタンスおよび第3の相互インダクタンスが用いられる。
さらに、上記課題を解決するために、本発明による半導体駆動装置は、上記本発明による他の半導体パワーモジュールを駆動するものであって、第1の検出電圧に基づいて、第1の半導体スイッチング素子に流れる過電流を検出し、過電流を検出したら第1の判定信号を出力する第1の異常判定回路と、第1の判定信号に応じて、第1のオフ指令を出力する第1の論理回路と、第1のオフ指令に応じて、第1の半導体スイッチング素子をターンオフ駆動する第1の制御回路と、第2の検出電圧に基づいて、第2の半導体スイッチング素子に流れる過電流を検出し、過電流を検出したら第2の判定信号を出力する第2の異常判定回路と、第2の判定信号に応じて、第2のオフ指令を出力する第2の論理回路と、第2のオフ指令に応じて、第2の半導体スイッチング素子をターンオフ駆動する第2の制御回路とを備える。
本発明によれば、半導体パワーモジュールから出力される検出電圧が、相互インダクタンスを用いる過電流保護に用いられるものとすることにより、過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することができる。
本発明の実施形態1である半導体パワーモジュールの等価回路を示す。 本発明の実施形態1である半導体パワーモジュールの要部構造を示す。 従来技術による半導体パワーモジュールの一例の等価回路を示す。 従来技術による半導体パワーモジュールの一例の要部構造を示す。 本発明による半導体パワーモジュールの応用例である電力変換装置の回路構成を示す。 本発明の実施形態2である半導体パワーモジュールの外観を示す。 実施形態2の半導体パワーモジュールの等価回路を示す。 実施形態2の半導体パワーモジュールの内部の要部構成を示す。 本発明の実施形態3である半導体パワーモジュールの等価回路を示す。 本発明の実施形態4である半導体パワーモジュールの等価回路を示す。 本発明の実施形態5である半導体駆動装置を示す。 図8に示す半導体パワーモジュールとドライバ回路の実装状態を示す。 本発明の実施形態6である半導体駆動装置を示す。 本発明の実施形態7である半導体パワーモジュールの外観を示す。 本発明の実施形態8である6in1モジュールの内部構造を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1(a)および図1(b)は、本発明の実施形態1である半導体パワーモジュール(以下、単に「モジュール」と記す)を示す。なお、本モジュールにおける半導体スイッチング素子は、IGBTである。また、本モジュールは、いわゆる1in1構成を有し、その等価回路およびモジュールの要部構造を、それぞれ図1(a)および図1(b)に示す。
1in1とは、図1(a)に示すように、一個のモジュールが、アーム、すなわちIGBT2aとダイオード2bの逆並列回路を一個備えていることを意味する。ここで、逆並列回路とは、IGBT2aとダイオード2bを、順方向が互いに逆になるように並列接続する並列回路である。図1(a)の等価回路では、一個のIGBT2aと一個のダイオード2bとによってアームが構成されるように図示されているが、モジュール内では、モジュールの電流容量に応じて、複数個のIGBTと複数個のダイオードの逆並列接続回路が適用されたり、複数個のアームの並列接続が適用されたりする。なお、図1(b)においては、図示されるモジュールの主要部を格納する樹脂ケースやIGBTやダイオードなどを封止する樹脂は図示を省略している。
インダクタンスLは、正極端子11aの自己インダクタンスと、IGBT2aのコレクタ電極と正極端子を接続する導体などの自己インダクタンスとの合成インダクタンスである。インダクタンスLは、負極端子11bの自己インダクタンスと、IGBT2aのエミッタ電極と負極端子を接続する導体などの自己インダクタンスとの合成インダクタンスである。本実施形態のL,Lおいては、それぞれ、正極端子11aの自己インダクタンス,負極端子11bの自己インダクタンスが支配的である。なお、IGBT2aのコレクタ電極およびエミッタ電極は、半導体チップ表面に形成される主電極である。また、正極端子11aおよび負極端子11bは、主電流(負荷電流,短絡電流)が流れる主端子である。
12は、正極端子11aと負極端子11bとの間の相互インダクタンスである。本実施形態においては、正極端子11aと負極端子11bが近接して積層される積層部を有する。積層部において、正極端子11aに流れる主電流と負極端子11aに流れる主電流は、互いに近接し、流れる方向が互いに平行かつ逆方向である。このため、正極端子11aおよび負極端子11bの一方に流れる電流によって発生する磁束が、他方に対して大きく影響する。これにより、相互インダクタンスM12の大きさ(絶対値)が増大し、Lと同オーダの大きさとなる。この結果、本実施形態1では、電流を検出するための信号端子、すなわち、IGBT2aのエミッタ電極の電位を出力する補助エミッタ端子3dおよび負極端子11bの電位を出力する補助負極端子3fの間の検出電圧に影響する。従って、本発明者の検討によれば、過電流の検出や半導体スイッチング素子の過電流保護において、相互インダクタンスを、その値をゼロとみなすことなく、用いることが必要となる。相互インダクタンスを用いることにより、過電流の検出精度が向上し、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することが可能になる。
なお、正極端子11aと負極端子11bの積層部において、正極端子11aと負極端子11bの間は、本実施形態1では空隙であるが、これに限らず、樹脂などの絶縁物からなるシート状の部材が介在しても良い。この場合、積層部における端子間の電気的絶縁が絶縁物によって確保されるので、端子間の距離を低減することができる。これは、半導体パワーモジュールの主回路インダクタンスを低減するための公知技術ではあるが、相互インダクタンス自体はさらに増加するので、過電流の検出および過電流保護においては、相互インダクタンスを無視することなく用いる必要がある。
短絡電流のような過電流を電気的に検出して、IGBT2aのゲート電極とエミッタ電極に接続され、IGBT2aをオン・オフ駆動する半導体駆動装置(以下、「ゲートドライバ」と記す)に、IGBT2aをターンオフする過電流保護動作をさせるために、補助エミッタ端子3dおよび補助負極端子3f間に出力される検出電圧信号をゲートドライバに伝送する。検出電圧信号Vd−fは、負極端子11bの自己インダクタンスL,正極端子11aおよび負極端子11b間の相互インダクタンスM12,IGBT2aのエミッタ電極に流れる電流の時間変化率(di/dt)に基づいて、式(1)のように表される。
d−f=L・dIL2/dt+M12・dIL2/dt=(L+M12)・dIL2/dt …(1)
式(1)から求められる式(2)の両辺を時間積分すれば、検出電圧信号Vd−fから電流値を求めることができる。
dIL2/dt=(L+M12)-1・Vd−f …(2)
ゲートドライバは、式(1)式に示される検出電圧信号Vd−fが所定の閾値を超えたら、あるいは式(2)によりVd−fから換算される電流が所定の閾値を超えたら、アーム短絡のように過電流が流れていると判定し、IGBT2aをターンオフさせる。これら閾値の設定やゲートドライバの過電流保護回路内におけるゲインなどの制御パラメータの設定に、M12やこれを含む式(1)および(2)を用いることにより、モジュール内における磁束の影響が実質的に考慮された過電流保護が可能になる。従って、半導体スイッチング素子に流れる過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することができる。
上述したように、本実施形態1によれば、モジュールにおける補助エミッタ端子3dおよび補助負極端子3fから、式(1)に示されるように、L,M12,dIL2/dtに応じた検出電圧信号Vd−fが出力され、このVd−fに基づいてIGBTが過電流保護され、かつ過電流保護のためにM12が用いられるので、過電流を高精度に検出して、モジュールにおけるIGBTを確実に過電流から保護できる。
特に、モジュールの小型化により、大電流が流れる正極端子11aおよび負極端子11b,IGBTに接合されるアルミワイヤ,絶縁基板の銅パターンが相互に近接する場合、相互インダクタンスの大きさ(絶対値)が大きくなるので、補助エミッタ端子3dおよび補助負極端子3fからの検出電圧信号,M12および式(1)〜(2)を使用すれば、短絡などの異常時に高精度で且つ高信頼な保護動作が可能になる。また、式(1),(2)のように、検出電圧や検出電流を相互インダクタンスも含めた形で数式化することにより、ゲートドライバにおける過電流保護回路における過電流保護レベルの設定が容易になり、ゲートドライバの回路構成の簡易化が可能になる。
なお、過電流保護に用いるM12の値は、モジュールの電極および配線の構成から、例えばコンピュータシミュレーションにより、予め求めることができる。
図2(a)および図2(b)は、比較のために、従来技術によるモジュールの一例を示す。なお、本モジュールも1in1構成を有し、図1(a)および図1(b)と同様に、等価回路およびモジュールの要部構造を、それぞれ図2(a)および図2(b)に示す。
従来技術によるモジュールにおいては、正極端子11aと負極端子11bが離して設けられ、また補助負極端子3fとしては、モジュール内の電極や配線とは別体の導体が、モジュール外において負極端子11bに接続される。このため、本発明者の検討によれば、過電流の検出や過電流保護において、相互インダクタンスM12の大きさは無視できるほど小さく、実質ゼロとなる。
図3は、本発明によるモジュールの応用例である電力変換装置の回路構成を示す。なお、本応用例における電力変換装置は、電気鉄道車両のモータ駆動に適用される。
図3に示すように、電力変換装置100は、インバータ回路を主回路とし、架線300とレールや車体などの接地部400との間に、変圧装置200を介して接続される。電力変換装置100から誘導電動機(M)500に交流電力が供給される。誘導電動機(M)500は車両毎に4つの車輪に接続されている。ここで架線300の電力が交流の場合は、変圧装置200をトランスおよび交流を直流に変換するコンバータモジュールとする。また、架線300の電力が直流の場合は、変圧装置200をチョッパー回路として、必要に応じて直流電圧レベルを調整する。
電力変換装置100内には、直流電力を所定の周波数の交流電力に変換するためのインバータモジュール110と、変圧装置200から供給される直流電圧を安定化し平滑化するためのコンデンサモジュール120と、インバータモジュール110を駆動制御するドライバ回路130と、ドライバ回路130へ制御信号を供給する制御回路140とが設けられる。
インバータモジュール110において、上下アーム直列回路1a,1b,1cにおける各アームは、IGBT2aとダイオード2bとの逆並列回路から構成される。上下アーム直列回路1の上下端は、それぞれ、コンデンサモジュール120の正極および負極に接続される。そして、その上側(正極端子11a側)に配置されるIGBT2aとダイオード2bとからなる電流スイッチ回路は上アームとして動作し、下側(負極端子11b側)に配置されるIGBT2cとダイオード2dとからなる電流スイッチ回路は、下アームとして動作する。インバータモジュール110は、このような上下アーム直列回路が3組設けられる、いわゆる、3相ブリッジ回路によって構成される。そして、上下アーム直列回路1a,1b,1cの中点位置、すなわち、上下アームの直列接続部(交流端子11c)からは、3相の交流電力(U,V,W)が出力され、出力される3相の交流電力(U,V,W)は、誘導電動機(M)500へ供給される。
ここで、ドライバ回路130から出力される上アームゲート信号は上アームゲート端子3aを介して各相の上アームIGBT2aに供給され、下アームゲート信号は下アームゲート端子3cを介して各相の下アームIGBT2cに供給される。これらゲート信号により、各IGBTがオン・オフ駆動されて、三相交流電流(U,V,W)の振幅や位相などが制御される。またドライバ回路130に接続される信号端子の内、上アーム補助エミッタ端子3bは各相の上アームIGBT2aのエミッタ電極に接続され、下アーム補助エミッタ端子3dは各相の下アームIGBT2のエミッタ電極に接続される。また、下アームIGBTの補助コレクタ端子3gと補助負極端子3fがドライバ回路130に接続され、上アーム補助エミッタ端子3bと下アーム補助コレクタ端子3g間の電位差で上アームIGBT2aの短絡電流などの過電流が検出される。また、下アーム補助エミッタ端子3dと補助負極端子3f間の電位差で下アームIGBT2cの短絡電流などの過電流が検出される。なお、具体的な過電流検出手段は、前述した実施形態1の半導体パワーモジュールと同様である。
制御回路140は、各IGBT(2a,2c)のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータを備えている。各IGBT(2a,2c)のエミッタ電極はドライバ回路130に接続され、ドライバ回路130は、IGBT毎にエミッタ電極に流れる電流を検出し、過電流が検知されたIGBT(2a,2c)については、そのスイッチング動作を停止させ、過電流から保護する。さらに、制御回路140には、上下アーム直列回路1a,1b,1cに設けられる図示しない温度センサや、上下アーム直列回路1a,1b,1cの両端に印加される直流電圧を検出する直流電圧検出回路などからの検出信号が入力され、制御回路140は、それらの信号に基づき、過温度や過電圧などの異常を検知する。そして、制御回路140は、過温度,過電圧などの異常を検知した場合、インバータモジュール110における全てのIGBTのスイッチング動作を停止させるように、ドライバ回路130に指令信号を送信する。ドライバ回路130は、制御回路140からの指令信号を受信すると、各IGBTを、ターンオフして、過電流,過電圧,過温度などの異常から保護する。
なお、本応用例の電力変換装置100において、各アームは、図1(a)および図1(b)に示すような実施形態1による1in1構成のモジュールが用いられる。なお、各上下アーム直列回路を後述する2in1モジュールで構成しても良いし、3相分の上下アーム直列回路をまとめて後述するような6in1モジュールで構成しても良い。また、インバータ回路の出力電流の大きさに応じて、複数のモジュールを並列接続しても良い。また、電力変換装置100は、二次電池および二次電池を充電する充電機能を備えていても良い。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2であるモジュールの外観を示す。なお、本モジュールにおける半導体スイッチング素子は、IGBTである。また、本モジュールは、いわゆる2in1構成を有する。2in1とは、一個のモジュールが、IGBTとダイオードの逆並列回路からなるアームを二個備えていることを意味する。なお、本実施形態2においては、二個のアームがモジュール内において直列接続され、一組の上下アーム直列回路が構成される。なお、二個のアームがモジュール外で直列接続されようにしても良い。また、本実施形態2のモジュールは、各アームや各端子および内部配線を覆う、樹脂からなるモジュールケース12を備え、モジュールケースの上面において、各端子における外部回路との接続部が露出している。
図4に示すように、大きな主電流が流れる主端子(正極端子11a,負極端子11b,交流端子11c)と弱電系の信号端子(上アームゲート端子3a(上ゲート)および下アームゲート端子3c(下ゲート),上アーム補助エミッタ端子3b(上エミッタ)および下アーム補助エミッタ端子3d(下エミッタ),上アーム補助コレクタ端子3e(上コレクタ)および下アーム補助コレクタ端子3g(下コレクタ),補助負極端子3f(負極信号端子))は、モジュールケース12に設けられる溝13によって所定の絶縁距離(空間距離および沿面距離)が確保されている。本実施形態2においても、実施形態1と同様に、高精度にIGBTの電流を検出するための検出電圧を出力する信号端子(上アーム補助エミッタ端子3b(上エミッタ)および下アーム補助コレクタ端子3g(下コレクタ),下アーム補助エミッタ端子3d(下エミッタ)および補助負極端子3f(負極信号端子))が設けられる。
モジュールケース12はベース14に接着されており、モジュール内部にはIGBTおよびダイオードが搭載されている。本実施形態2では、正極端子11aと負極端子11bが配置される面15aとは反対側の面15bに交流端子11cが配置されている。これにより、信号端子(3a〜3f)を全て纏めてモジュール中央に配置することができるので、ゲートドライバあるいは図3に示したドライバ回路130をモジュールに直接取り付けることが可能となる。また、図3に示すような電力変換装置においては、実施形態2によるモジュールが複数個並設されるが、ドライバ回路130は、複数のモジュール上面を跨ぐように配置することができる。これによりドライバ回路130とモジュール10の間の配線長を短くすることができ、かつドライバ回路130を1枚の基板に集約することができるので、IGBTにおけるゲート電極とエミッタ電極間のループインダクタンスを低減することが可能となる。
また、図4に示すようにモジュール10の外観平面形状は略長方形であり、正極端子11aと負極端子11bと交流端子11cが短辺側に設けられている。また、複数のモジュールが並設される場合、隣り合うモジュール間の絶縁距離が溝13によって確保されるので、隣り合うモジュールの間隔を低減することができる。これにより、複数のモジュール10を並設するためのスペースを低減できるので、電力変換装置などの応用装置を小型化することができる。
モジュールに搭載される各IGBTの半導体チップに設けられるコレクタ電極と各ダイオードの半導体チップに設けられるカソード電極は、絶縁基板の銅パターンに半田付けされている。また、各IGBTの半導体チップに設けられるエミッタ電極と各ダイオードの半導体チップに設けられるアノード電極は、アルミワイヤによって絶縁基板の所定の銅パターンに電気的に接続される。
図5(a)および図5(b)は、それぞれ、本実施形態2のモジュールの等価回路および内部の要部構成を示す。
図5(a)および図5(b)に示すように、アルミワイヤ41a,41bは、上アームIGBTのエミッタ電極と上アーム絶縁基板31aの銅パターンを接続し、電気的には下アームIGBTのコレクタ電極が接続される絶縁基板31cと接続されている。アルミワイヤ41c,41dは、下アームIGBTのエミッタ電極と下アーム絶縁基板31cの銅パターンを接続し、電気的には負極端子11bと接続されている。図5(a)および図5(b)におけるIL1,IL2,IL3は短絡電流を示している。すなわち、本図は、上アームIGBTと下アームIGBTが異常動作により同時にターンオンするときの状態を示す。このとき、アルミワイヤ41a,41b,41c,41dには本図に示す向きに短絡電流が流れる。アルミワイヤ41a,41b,41c,41d,正極端子11a,負極端子11bは自己インダクタンス成分を有すると共に、自己インダクタンス相互間では、電流の向きにより正あるいは負の結合係数を有する。
自己インダクタンスLは、正極端子11aの自己インダクタンスと上アームIGBT2aのコレクタを接続する絶縁基板31aの銅パターンの自己インダクタンスを合成したインダクタンスである。自己インダクタンスLは、上アームIGBTのエミッタ電極側アルミワイヤ(41a,41b)の自己インダクタンスと下アームIGBTのコレクタ電極が接続される絶縁基板31cの銅パターンの自己インダクタンスを合成したインダクタンスである。自己インダクタンスLは、負極端子11bの自己インダクタンスと下アームIGBTのエミッタ電極側アルミワイヤ(41c,41d)の自己インダクタンスを合成したインダクタンスである。また、各インダクタンスを流れる電流はIL1,IL2,IL3である。ここで、IL2,IL3は、それぞれ、上アームIGBTのエミッタ電極を流れる電流,下アームIGBTのエミッタ電極を流れる電流に等しい。なお、本実施形態のL,Lおいては、それぞれ、正極端子11aの自己インダクタンス,負極端子11bの自己インダクタンスが支配的である。
本実施形態2においては、Lの両端の端子(3b,3g)とLの両端の端子(3d,3f)から出力される各検出電圧に基づき、相互インダクタンスM12,M23,M13を用いて、上下アームIGBTの電流を高精度に検出して、上下アームIGBTが過電流保護される。M12は、正極端子11aと、上アームIGBTのエミッタ電極および下アームIGBTのコレクタ電極を接続する導体(アルミワイヤ41aおよび41b,絶縁基板31cの銅パターン)との間の相互インダクタンス、すなわちLとLの磁気的結合による相互インダクタンスである。M23は、上アームIGBTのエミッタ電極および下アームIGBTのコレクタ電極を接続する導体と、負極端子11bとの間の相互インダクタンス、すなわちLとLの磁気的結合による相互インダクタンスである。M13は、正極端子11aと負極端子11b間の相互インダクタンス、すなわちLとLの磁気的結合による相互インダクタンスである。
等価回路(a)において、L,L,Lに記載している黒丸印はそれぞれのインダクタンスにおける電流の入り口を示す。本図5(a)に示すように、LとLの電流の向きは逆向きであるため、LとLの結合係数は負となり、M13は負の相互インダクタンスとなる。同様に、LとLの電流の向きが逆なのでM23は負の相互インダクタンスとなり、LとLの電流の向きが同じなのでM12は正の相互インダクタンスとなる。なお、LとLの結合係数をk12(>0)とし、LとLの結合係数をk23(<0)とし、LとLの結合係数をk13(<0)とすると、M12=k12・(L・L1/2,M23=k23・(L・L1/2,M13=k13・(L・L1/2となる。
本実施形態においては、モジュール内における端子や配線の構成の高密度化により、M12,M23,M13には、過電流の検出および過電流保護において、ゼロとみなすことができない値を有するものが含まれる。特に、正極端子11aと負極端子11bとの間の相互インダクタンスM13については、正極端子11aと負極端子11bが近接して積層される積層部を有し、この積層部において、IL1,IL3は、互いに近接し、流れる方向が互いに平行かつ逆方向であるため、実施形態1と同様にM13の大きさ(絶対値)が増大し、Lと同オーダの大きさとなる。このため、下アームIGBTの電流を検出するための信号端子(3d,3f)から出力される検出電圧に影響する。M23,M12についても、対応する電流が近接している箇所が有れば、同様にM23,M12の値が大きくなる。従って、本発明者の検討によれば、過電流の検出や半導体スイッチング素子の過電流保護において、相互インダクタンスを、その値をゼロとみなすことなく、用いることが必要となる。相互インダクタンスを用いることにより、過電流の検出精度が向上し、上下アームIGBTを確実に過電流から保護することが可能になる。なお、本発明者の検討によると、L,M12,M13,M23,Lの一例は、7nH,0,−8nH,−2nH,15nHである。
短絡電流のような過電流を電気的に検出して、IGBTをターンオフして過電流から保護するために、LおよびLの両端電圧を検出してゲートドライバに検出電圧を伝送する。Lの両端電圧Vb−g並びにLの両端電圧Vd−fは、L,L,M12,M23,M13および電流の時間変化率(di/dt)を用いて、次のようにして導出される式(3),(4)および(5)によって表される。
まず、Vb−gについて次式が成立する。
b−g=L・dIL2/dt+M12・dIL1/dt+M23・dIL3/dt
L1=IL2なので、式(3)が得られる。
b−g=(L+M12)・dIL2/dt+M23・dIL3/dt …(3)
さらに、Vd−fについて次式が成立する。
d−f=L・dIL3/dt+M13・dIL1/dt+M23・dIL2/dt
L1=IL2なので、式(4)が得られる。
d−f=(M13+M23)・dIL2/dt+L・dIL3/dt …(4)
式(3)および(4)を、行列を用いてまとめると、式(5)が得られる。
Figure 0006373702
さらに、式(5)を変形して、式(6)が得られる。
Figure 0006373702
式(6)の両辺を時間積分すれば、式(7)のように電流に換算することができる。
Figure 0006373702
ゲートドライバは、式(3),(4),(5)に示される検出電圧信号Vb−gおよびVd−fが所定の閾値を超えたら、あるいは式(7)によりVb−gおよびVd−fから換算される電流が所定の閾値を超えたら、過電流が流れていると判定し、それぞれ上アームIGBTおよび下アームIGBTをターンオフさせる。これら閾値の設定やゲートドライバの過電流保護回路内におけるゲインなどの制御パラメータの設定に、M12,M23,M13やこれらを含む式(3),(4),(5)を用いることにより、モジュール内における磁束の影響が実質的に考慮された過電流保護が可能になる。従って、上下アームIGBTに流れる過電流を高精度に検出して、上下アームIGBTを確実に過電流から保護することができる。
なお、ゲートドライバでは、式(5)に示される検出電圧信号を直接コンパレータで閾値(例えば、短絡判定レベル)と比較判定したり、検出電圧信号を積分回路で電流レベルに換算してから、コンパレータで閾値と比較判定したりする。また、検出電圧信号をフィルタ回路やノイズマスク回路などを介して、コンパレータや積分回路に伝送することにより、検出電圧信号に重畳されるIGBTによるスイッチングノイズによる検出精度低下や過電流の誤検知を防止できる。更に、上アーム側の検出信号Vb−gにより上アームIGBTの過電流を検知したら、上アームIGBTをターンオフさせると同時に、検出信号Vb−g応じて上アームIGBTの過電流検知を示す信号を下アーム側のドライバ回路に伝送し、下アームIGBTをターンオフさせても良い。逆に下アーム側の検知電圧Vd−fに応じて、アームIGBTをターンオフさせると共に、上アームIGBTをターンオフさせても良い。
上述したように、本実施形態2によれば、モジュールにおける上アーム補助エミッタ端子3bおよび下アーム補助コレクタ端子3gから、式(3),(5)に示されるように、L,M12,M23,dIL2/dt,dIL3/dtに応じた検出電圧信号Vb−gが出力され、このVb−gに基づいて上アームIGBTが過電流保護され、かつ過電流保護のためにM12,M23が用いられるので、過電流を高精度に検出して、モジュールにおけるIGBTを確実に過電流から保護できる。さらに、モジュールにおける下アーム補助エミッタ端子3dおよび補助負極端子3fから、式(4),(5)に示されるように、L,M13,M23,dIL2/dt,dIL3/dtに応じた検出電圧信号Vd−fが出力され、このVd−fに基づいて下アームIGBTが過電流保護され、かつ過電流保護のためにM13,M23が用いられるので、過電流を高精度に検出して、モジュールにおけるIGBTを確実に過電流から保護できる。すなわち、本実施形態2によれば、2in1構成のモジュールにおける各IGBTの過電流を高精度に検出して、各IGBTを確実に過電流から保護できる。
特に、モジュールの小型化などにより、大電流が流れる正極端子11aおよび負極端子11b,IGBTに接合されるアルミワイヤ,絶縁基板の銅パターンが相互に近接する場合、相互インダクタンスの大きさ(絶対値)が大きくなるので、モジュールから出力される検出電圧信号Vb−gおよびVd−f,M12,M23,M13並びに式(5)(式(3)および(4)でもよい)を使用すれば、短絡や過電流などの異常時に高精度で且つ高信頼な保護動作が可能になる。また、式(3),(4),(5),(6)のように、検出電圧や検出電流を相互インダクタンスも含めた形で数式化することにより、ゲートドライバにおける短絡保護回路における短絡保護レベルの設定が容易になり、ゲートドライバの回路構成の簡易化が可能になる。
なお、過電流保護に用いるM12,M23,M13の値は、モジュールの電極および配線の構成から、例えばコンピュータシミュレーションにより、予め求めることができる。
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3であるモジュールの等価回路を示す。本モジュールは、実施形態1(図1(a),図1(b))と同様の1in1構成を有するが、実施形態1とは異なり、図1(a)におけるエミッタ側の自己インダクタンス「L」を複数(図6中の「L,L」)に分割して扱う。
図6において、LはIGBTのエミッタ電極と負極端子11bを接続するアルミワイヤの自己インダクタンスであり、Lは負極端子11bの自己インダクタンスである。本実施形態3においては、正極端子11aと負極端子11bが、図1(b)や図5(b)に示すような積層構造を有し、かつ、アルミワイヤが近接しているので、図6中に示す相互インダクタンスM12,M23,M13の大きさ(絶対値)が大きくなる。
短絡電流などの過電流を電気的に検出して、IGBTをターンオフして過電流から保護するために、LとLの直列接続の両端電圧を検出して、ゲートドライバに検出電圧信号Vd−fを伝送する。Vd−fは、L,L,M12,M23,M13および電流の時間変化率(di/dt)を用いて、次のようにして導出される式(8)によって表される。
まず、Vd−fがLの両端電圧とLの両端電圧の和であることから、次式を得る。
d−f=L・dIL2/dt+M12・dIL2/dt+M23・dIL2/dt+L・dIL2/dt+M23・dIL2/dt+M13・dIL2/dt
この式の右辺をまとめて、式(8)を得る。
d−f=(L+L+M12+2M23+M13)・dIL2/dt …(8)
式(8)から求められる式(9)の両辺を時間積分すれば、Vd−fを電流に換算できる。
dIL2/dt=(L+L+M12+2M23+M13-1・Vd−f …(9)
式(8)に示す検出電圧信号Vd−fをゲートドライバに信号伝送して、所定の閾値を超えたら短絡であると判定し、IGBTをターンオフさせることができる。
ゲートドライバは、式(8)式に示される検出電圧信号Vd−fが所定の閾値を超えたら、あるいは式(9)によりVd−fから換算される電流が所定の閾値を超えたら、アーム短絡のように過電流が流れていると判定し、IGBTをターンオフさせる。これら閾値の設定やゲートドライバの過電流保護回路内におけるゲインなどの制御パラメータの設定に、M12,M23,M13やこれを含む式(8)および(9)を用いることにより、モジュール内における磁束の影響が実質的に考慮された過電流保護が可能になる。従って、半導体スイッチング素子に流れる過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することができる。
上述したように、本実施形態3によれば、モジュールにおける補助エミッタ端子3dおよび補助負極端子3fから、式(8)に示されるように、L,M12,M23,M13,dIL2/dtに応じた検出電圧信号Vd−fが出力され、このVd−fに基づいてIGBTが過電流保護され、かつ過電流保護のためにM12,M23,M13が用いられるので、過電流を高精度に検出して、モジュールにおけるIGBTを確実に過電流から保護できる。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態3であるモジュールの等価回路を示す。本モジュールは、実施形態1(図1(a),図1(b))と同様の1in1構成を有する。
本実施形態4は、図1(a)および図1(b)の実施形態1とは異なり、IGBTのコレクタ側における検出電圧信号に基づいてIGBTに流れる電流を検出する。
図7において、インダクタンスLは、正極端子11a,IGBTのコレクタ電極と正極端子11aを接続する導体などの合成自己インダクタンスであり、インダクタンスLは、負極端子11b,IGBTのエミッタ電極と負極端子11bを接続する導体などの合成自己インダクタンスである。また、M12は、LとLの磁気的結合による相互インダクタンスである。
図示されないが、本実施形態4においても、正極端子11aと負極端子11bが近接して積層される積層部を有し、この積層部において、IL1,IL2は、互いに近接し、流れる方向が互いに平行かつ逆方向であるため、実施形態1と同様にM12の大きさ(絶対値)が増大し、Lと同オーダの大きさとなる。これに、IGBTの電流を検出するための信号端子(補助コレクタ端子3d,補助負極端子3f)から出力される検出電圧が影響される。従って、本発明者の検討によれば、過電流の検出や半導体スイッチング素子の過電流保護において、相互インダクタンスM12を、その値をゼロとみなすことなく、用いることが必要となる。相互インダクタンスを用いることにより、過電流の検出精度が向上し、上下アームIGBTを確実に過電流から保護することが可能になる。
短絡電流を電気的に検出して、IGBTをターンオフする短絡保護動作をさせるために、Lの両端電圧を検出してゲートドライバに検出電圧信号Vd−fを伝送する。Vd−fは、L,M12および電流の時間変化率(di/dt)を用いて、式(10)のように表される。
d−f=L・dIL1/dt+M12・dIL1/dt=(L+M12)・dIL1/dt…(10)
式(10)から求められる式(11)の両辺を時間積分すれば、Vd−fを短絡電流に換算できる。
dIL1/dt=(L+M12)-1・Vd−f …(11)
式(10)に示す検出電圧信号Vd−fをゲートドライバに信号伝送して、所定の閾値を超えたらIGBTに過電流が流れていると判定し、IGBTをターンオフさせて過電流から保護する。
ゲートドライバは、式(10)式に示される検出電圧信号Vd−fが所定の閾値を超えたら、あるいは式(11)によりVd−fから換算される電流が所定の閾値を超えたら、アーム短絡のように過電流が流れていると判定し、IGBTをターンオフさせる。これら閾値の設定やゲートドライバの過電流保護回路内におけるゲインなどの制御パラメータの設定に、M12(図7)やこれを含む式(10)および(11)を用いることにより、モジュール内における磁束の影響が実質的に考慮された過電流保護が可能になる。従って、半導体スイッチング素子に流れる過電流を高精度に検出して、半導体スイッチング素子を確実に過電流から保護することができる。
上述したように、本実施形態4によれば、モジュールにおける補助コレクタ端子3dおよび補助正極端子3fから、式(10)に示されるように、L,M12,dIL1/dtに応じた検出電圧信号Vd−fが出力され、このVd−fに基づいてIGBTが過電流保護され、かつ過電流保護のためにM12が用いられるので、過電流を高精度に検出して、モジュールにおけるIGBTを確実に過電流から保護できる。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5である半導体駆動装置を示す。本半導体駆動装置(以下「ドライバ回路」と記す)は、実施形態2(図4,図5(a),図5(b))の2in1モジュールを駆動し、実施形態1〜4について説明したような過電流保護機能を備える。
2in1構成を有するモジュール10の上アーム側信号端子(上アームゲート端子3a,上アーム補助エミッタ端子3b,下アーム補助コレクタ端子3g)と下アーム側信号端子(下アームゲート端子3c,下アーム補助エミッタ端子3d,補助負極端子3f)がドライバ回路130と接続される。ゲート電圧制御回路(132,135)は、上位の制御回路(図3の符号140参照)からゲート信号を受けて、絶縁回路などを介して上アームIGBTまたは下アームIGBTをオン・オフ駆動するためのゲート電圧を出力する。
電流検出/異常判定回路(133,136)は前式(3)〜(5)に示す検出電圧信号を入力し、所定の閾値を超えたら過電流が流れていると判定し、IGBTのオフ指令を出力する。例えば、前式(3)に示すVb−gをコンパレータに入力し、所定の閾値を超えたら短絡電流のような過電流が流れている(異常状態)と判定して判定信号を出力する回路構成を有する。なお、前式(6)を用いて、検出電圧信号を、オペアンプなどを使った積分回路で電流レベルに換算して、コンパレータに入力し、所定の閾値を超えたら過電流が流れている(異常状態)と判定して判定信号を出力する回路構成でも良い。なお、検出電圧信号Vb−g,Vd−fを、ノイズフィルタを介してコンパレータやオペアンプに入力することにより、IGBTのスイッチング動作によるノイズがVb−g,Vd−fに重畳されるために生じる検出精度の低下や誤検知を防止できる。
論理回路(134,137)は、電流検出/異常判定回路(133,136)の判定信号とIGBTのゲート電圧を受けて、IGBTがオン状態でかつ電流検出/異常判定回路が判定信号を出力するときに、IGBTのオフ指令を出力する。ゲート電圧制御回路(132,135)はこのオフ指令を受けて、過電流が流れるIGBTをターンオフさせる。これにより、IGBTが過電流から保護される。なお、ゲート電圧制御回路は、オフ指令に応じて、ゲート抵抗(インピーダンス)を通常のスイッチング時に比べて大きくして、IGBTを所謂ソフト遮断しても良い。この場合、IGBTが過電流をターンオフする際に発生するサージ電圧を低減できる。
本実施形態5では、モジュール10から出力される前式(5)で示される検出電圧信号に基づくと共に、過電流判定のための閾値の設定や電流検出/異常判定回路内におけるゲインなどの制御パラメータの設定に、M12,M23,M13や、こられを含む前式(3)〜(6)のいずれかあるいは複数の式を用いて、過電流保護を行う。これにより、IGBTに流れる過電流を高精度に検出して、IGBTを確実に過電流から保護することができる。
例えば、同じ過電流に対して、上下アームにおける検出電圧信号Vb−fおよびVb−fの大きさが異なる場合でも、前式(5)に基づいて、上下アームの電流検出/異常判定回路(133,136)のゲインを調整することにより、上下アームの検出精度が同程度にすることができる。したがって、上下アームとも過電流を高精度に検出して、IGBTを確実に過電流から保護することができる。
また、前式(3),(4),(5),(6)のような相互インダクタンスも含めた形で数式化される検出電圧や検出電流に基づいて過電流保護を行うことにより、短絡保護レベルの設定が容易になり、ゲートドライバの回路構成の簡易化が可能になる。
図9は、モジュール10とドライバ回路130の実装状態を示す。なお、モジュール10は、実施形態2(図4)のモジュールである。
本図9に示すように、モジュール10は、放熱のためにヒートシンク145に載置される。モジュール10の正極端子11aおよび負極端子11bには、これらの端子をコンデンサモジュール(図3の符号120参照)と接続するために、それぞれ、直流バスバー111aおよび111bが取り付けられる。モジュール10の交流端子11cには、この交流端子を誘導電動機500(図3参照)に接続するための交流バスバー112が取り付けられる。また、モジュール10の上面上に、ドライバ回路10を備えるドライバ回路基板131が取り付けられる。
モジュール10における過電流検出用の信号端子(上アーム補助エミッタ端子3b,下アーム補助コレクタ端子3g,下アーム補助エミッタ端子3d,補助負極端子3f)が、モジュール上部に位置するドライバ回路基板131に直接接続されるので、インバータモジュール110(図3参照)における高密度実装が可能になる。これにより、電力変換装置を小型化することができる。また、ドライバ回路と信号端子の接続に要する配線長を低減あるいは極小化することができる。同様に、ドライバ回路と上下アームのゲート端子との配線長も低減あるいは極小化することができ、かつ複数のモジュールを駆動する複数のドライバ回路を一つのドライバ回路基板に集約できるので、各IGBTのゲート電極とエミッタ電極間のループインダクタンスを低減することが可能となる。
図9では、モジュール10を2個並設している。これにより電力変換装置の出力電流を増大することができる。また、複数のモジュールを跨るように1つのドライバ回路基板131を搭載することで、アバランシェダイオードなどの過電圧保護装置をドライバ基板131上に設けて、過電圧保護装置をモジュール10に近接させることができる。
(実施形態6)
図10は、本発明の実施形態6である半導体駆動装置を示す。本半導体駆動装置(以下「ドライバ回路」と記す)は、実施形態5と同様に、実施形態2(図4,図5(a),図5(b))の2in1モジュールを駆動し、実施形態5と同様の過電流保護機能を備える。
本実施形態7のドライバ回路130は、実施形態6のドライバ回路と異なり、上アーム駆動回路150と下アーム駆動回路151の過電流などに関する異常情報を相互に伝送し、かつ異常情報を示す信号の基準電圧レベルを変換するレベルシフト回路138を備える。
上アーム側で短絡などの異常が検出され、電流検出/異常判定回路133から判定信号が出力されると、判定信号および上アームゲート端子3aから入力する上アームIGBTのゲート信号に応じて、論理回路134が、ゲート電圧制御回路132へオフ指令を出力する。実施形態5と同様に、ゲート電圧制御回路132は、論理回路134からのオフ指令に応じて、上アームIGBTをターンオフさせる。さらに、上アーム駆動回路150における異常情報、ここでは論理回路134から出力されるオフ指令が、レベルシフト回路138によって基準電圧レベルを下アーム駆動回路151における基準電圧に変換されて、上アームの異常を示す異常判定信号が作成され、この異常判定信号が下アーム駆動回路151の論理回路137に信号伝送される。論理回路137は、信号伝送された論理回路134からのオフ指令とゲート電圧制御回路135が出力する下アームIGBTのゲート電圧とに応じて、実施形態5と同様に、ゲート電圧制御回路135にオフ指令を出力する。このオフ指令に応じて、ゲート電圧制御回路135は下アームIGBTをターンオフする。また、下アーム側の電流検出/異常判定回路136から判定信号が出力されると、同様にして、下アームIGBTがターンオフされると共に、上アームIGBTもターンオフされる。
本実施形態6によれば、スイッチングノイズなどにより、一方のアームが誤動作して保護動作に失敗しても、他方のアーム側にも異常情報が伝送されるので、下アームIGBTをターンオフすることができる。これにより、保護動作の信頼性が向上する。
(実施形態7)
図11は、本発明の実施形態7であるモジュールの外観を示す。本実施形態7のモジュールは、実施形態2と同様に、略長方形の平面形状を有すると共に、2in1構成を有する。
本実施形態4のモジュールは、実施形態2(図4)のモジュールに比べると、モジュールケース12に設けられる溝13が多く、これにより対地絶縁性が向上する。また、本実施形態4のモジュールは、実施形態2(図4)のモジュールと異なり、モジュール10上面の一短辺に沿って、正極端子11aと負極端子11bが配置される。これにより、モジュール10の上面におけるドライバ回路基板131を搭載する面積を増大することができる。
(実施形態8)
図12は、本発明の実施形態8である6in1モジュールの内部構造を示す。
6in1とは、一個のモジュールが6個のアームを備えることを意味する。なお、本実施形態8では、6個のアームを2個ずつ3組に分け、各組で上下アーム直列回路を構成する。すなわち、本実施形態においては、実施形態2(図5(a)および図5(b))の回路構成(2in1)を3組備えている。従って、三相インバータ回路を一個のモジュールで構成することができる。本実施形態8からなるインバータ回路は、図12のモジュールにおける正極端子11aおよび負極端子11bから入力される直流電力を三相交流電力に変換して、U相交流端子11d,V相交流端子11e,W相交流端子11fから出力する。
本実施形態8においては、1枚のベース14上に3相インバータ主回路に用いられる全てのIGBTおよびダイオードが搭載されるため、インバータ回路の高密度実装が可能となる。また、インバータ主回路の各IGBTをオン・オフ駆動するドライバ回路を全て一つのドライバ回路基板に集約して、本実施形態8のモジュール上面上に搭載することができる。このため、電力変換装置を小型化することができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、半導体スイッチング素子としては、上述したIGBTのほか、MOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ),接合型電界効果トランジスタ,接合型バイポーラトランジスタ,ゲートターンオフサイリスタなどが用いられる。また、半導体スイッチング素子は、半導体材料として、シリコンからなるもののほか、炭化シリコン(SiC)からなるものでも良い。
1a,1b,1c 上下アーム直列回路
2a,2c IGBT
2b,2d ダイオード
3a,3c ゲート端子
3b,3d 補助エミッタ端子
3e,3g 補助コレクタ端子
3f 補助負極端子
10 パワーモジュール
11a 正極端子
11b 負極端子
11c 交流端子
11d U相交流端子
11e V相交流端子
11f W相交流端子
12 モジュールケース
13 溝
14 ベース
31,31a,31b 絶縁基板
41a,41b,41c,41d アルミワイヤ
100 電力変換装置
110 インバータモジュール
111a,111b 直流バスバー
112 交流バスバー
120 コンデンサモジュール
130 ドライバ回路
131 ドライバ回路基板
132,135 ゲート電圧制御回路
133,136 電流検出/異常判定回路
134,137 論理回路
138 レベルシフト回路
140 制御回路
145 ヒートシンク
150 上アーム駆動回路
151 下アーム駆動回路
200 変圧装置
300 架線
400 接地部
500 誘導電動機

Claims (15)

  1. 主電流が流れる第1の主端子および第2の主端子と、
    第1の主電極および第2の主電極を有し、前記第1の主電極が前記第1の主端子と電気的に接続され、前記第2の主電極が前記第2の主端子と電気的に接続される第1の半導体スイッチング素子と、
    を備える半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の主電極の電位を検出する第1の信号端子と、前記第1の主端子の電位を検出する第2の信号端子を備え、
    前記第1の信号端子および前記第2の信号端子からは、前記第1の主端子による第1の自己インダクタンスと、前記第1の主端子と前記第2の主端子との間の第1の相互インダクタンスと、前記第1の主電極に流れる電流の変化とに応じた第1の検出電圧が出力され、
    前記第1の検出電圧は前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、
    前記過電流保護において、前記第1の相互インダクタンスが用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  2. 請求項1に記載の半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の相互インダクタンスは、ゼロ値とみなされることなく、前記過電流保護において用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  3. 請求項1に記載の半導体パワーモジュールにおいて、前記第1の主端子と前記第2の主端子が積層される積層部を有し、前記積層部において、前記第1の主端子に流れる電流の向きと前記第2の主端子に流れる電流の向きが平行かつ逆方向であることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  4. 請求項3に記載の半導体パワーモジュールにおいて、前記積層部において、前記第1の主端子と前記第2の主端子の間に介在する絶縁物を備えることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  5. 請求項3に記載の半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の相互インダクタンスは、ゼロ値とみなされることなく、前記過電流保護において用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  6. 請求項1に記載の半導体パワーモジュールにおいて、
    さらに、前記第1の主電極と前記第1の主端子との間に位置し、前記第1の主電極と前記第1の主端子とを電気的に接続する導体を備え、
    前記第1の検出電圧は、さらに、前記導体による第3の自己インダクタンスと、前記第1の主端子と前記導体との間の第2の相互インダクタンスと、前記第2の主端子と前記導体との間の第3の相互インダクタンスとに応じて、前記第1の信号端子および前記第2の信号端子から出力され、
    前記過電流保護において、さらに、前記第3の自己インダクタンスと、前記第2の相互インダクタンスと、前記第3の相互インダクタンスとが用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  7. 請求項6に記載の半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の相互インダクタンスと前記第2の相互インダクタンスと前記第3の相互インダクタンスの内の少なくとも一つは、ゼロ値とみなされることなく、前記過電流保護において用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  8. 一対の直流端子となる第1の主端子および第2の主端子と、
    第1の主電極および第2の主電極を有し、前記第1の主電極が前記第1の主端子と電気的に接続される第1の半導体スイッチング素子と、
    第3の主電極および第4の主電極を有し、前記第4の主電極が前記第2の主端子と電気的に接続される第2の半導体スイッチング素子と、
    を備え、
    前記第1の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子は、前記第2の主電極と前記第3の主電極とが導体によって電気的に接続されることにより、直列接続され、
    前記前記第1の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子の直列接続点に電気的に接続される交流端子を備える半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の主電極の電位を検出する第1の信号端子と、
    前記第1の主端子の電位を検出する第2の信号端子と、
    前記第2の主電極の電位を検出する第3の信号端子と、
    前記第3の主電極の電位を検出する第4の信号端子と、
    前記第1の信号端子および前記第2の信号端子からは、前記第1の主端子による第1の自己インダクタンスと、前記第1の主端子と前記第2の主端子との間の第1の相互インダクタンスと、前記第1の主端子と前記導体との間の第2の相互インダクタンスと、前記第1の主電極に流れる電流の変化と、前記第3の主電極に流れる電流の変化とに応じた第1の検出電圧が出力され、
    前記第3の信号端子および前記第4の信号端子からは、前記導体による第2の自己インダクタンスと、前記第の相互インダクタンスと、前記第2の主端子と前記導体との間の第3の相互インダクタンスと、前記第1の主電極に流れる電流の変化と、前記第3の主電極に流れる電流の変化とに応じた第2の検出電圧が出力され、
    前記第1の検出電圧は前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、
    前記第2の検出電圧は前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、
    前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護において、前記第1の相互インダクタンスおよび前記第2の相互インダクタンスが用いられ、
    前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護において、前記第1の相互インダクタンスおよび前記第3の相互インダクタンスが用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  9. 請求項8に記載の半導体パワーモジュールにおいて、
    前記第1の相互インダクタンスと前記第2の相互インダクタンスの内の少なくとも一つは、ゼロ値とみなされることなく、前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護において用いられ、
    前記第1の相互インダクタンスと前記第3の相互インダクタンスの内の少なくとも一つは、ゼロ値とみなされることなく、前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護において用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  10. 請求項9に記載の半導体パワーモジュールにおいて、前記第1の主端子と前記第2の主端子が積層される積層部を有し、前記積層部において、前記第1の主端子に流れる電流の向きと前記第2の主端子に流れる電流の向きが平行かつ逆方向であることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  11. 請求項10に記載の半導体パワーモジュールにおいて、前記積層部において、前記第1の主端子と前記第2の主端子の間に介在する絶縁物を備えることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  12. 請求項10に記載のパワーモジュールにおいて、
    前記第1の相互インダクタンスは、ゼロ値とみなされることなく、前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護および前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護において用いられることを特徴とする半導体パワーモジュール。
  13. 半導体パワーモジュールを駆動する半導体駆動装置において、
    前記半導体パワーモジュールは、
    一対の直流端子となる第1の主端子および第2の主端子と、
    第1の主電極および第2の主電極を有し、前記第1の主電極が前記第1の主端子と電気的に接続される第1の半導体スイッチング素子と、
    第3の主電極および第4の主電極を有し、前記第4の主電極が前記第2の主端子と電気的に接続される第2の半導体スイッチング素子と、
    を備え、
    前記第1の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子は、前記第2の主電極と前記第3の主電極とが導体によって電気的に接続されることにより、直列接続され、
    前記前記第1の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子の直列接続点に電気的に接続される交流端子を備え、さらに、
    前記第1の主電極の電位を検出する第1の信号端子と、
    前記第1の主端子の電位を検出する第2の信号端子と、
    前記第2の主電極の電位を検出する第3の信号端子と、
    前記第3の主電極の電位を検出する第4の信号端子と、
    前記第1の信号端子および前記第2の信号端子からは、前記第1の主端子による第1の自己インダクタンスと、前記第1の主端子と前記第2の主端子との間の第1の相互インダクタンスと、前記第1の主端子と前記導体との間の第2の相互インダクタンスと、前記第1の主電極に流れる電流の変化と、前記第3の主電極に流れる電流の変化とに応じた第1の検出電圧が出力され、
    前記第3の信号端子および前記第4の信号端子からは、前記導体による第2の自己インダクタンスと、前記第の相互インダクタンスと、前記第2の主端子と前記導体との間の第3の相互インダクタンスと、前記第1の主電極に流れる電流の変化と、前記第3の主電極に流れる電流の変化とに応じた第2の検出電圧が出力され、
    前記第1の検出電圧は前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、
    前記第2の検出電圧は前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護に用いられ、
    前記第1の半導体スイッチング素子の過電流保護において、前記第1の相互インダクタンスおよび前記第2の相互インダクタンスが用いられ、
    前記第2の半導体スイッチング素子の過電流保護において、前記第1の相互インダクタンスおよび前記第3の相互インダクタンスが用いられ、
    前記第1の検出電圧に基づいて、前記第1の半導体スイッチング素子に流れる過電流を検出し、過電流を検出したら第1の判定信号を出力する第1の異常判定回路と、
    前記第1の判定信号に応じて、第1のオフ指令を出力する第1の論理回路と、
    前記第1のオフ指令に応じて、前記第1の半導体スイッチング素子をターンオフ駆動する第1の制御回路と、
    前記第2の検出電圧に基づいて、前記第2の半導体スイッチング素子に流れる過電流を検出し、過電流を検出したら第2の判定信号を出力する第2の異常判定回路と、
    前記第2の判定信号に応じて、第2のオフ指令を出力する第2の論理回路と、
    前記第2のオフ指令に応じて、前記第2の半導体スイッチング素子をターンオフ駆動する第2の制御回路と、
    を備えることを特徴とする半導体駆動装置。
  14. 請求項13に記載の半導体駆動装置において、
    前記第1の異常判定回路のゲインおよび前記第2の異常判定回路のゲインが、前記第1の自己インダクタンスと、前記第1の相互インダクタンスと、前記第2の相互インダクタンスと、前記第2の自己インダクタンスと、前記第3の相互インダクタンスとに基づいて設定されることを特徴とする半導体駆動装置。
  15. 請求項13に記載の半導体駆動装置において、
    前記第1の論理回路と前記第2の論理回路との間にレベルシフト回路を備え、
    前記レベルシフト回路は、前記第1のオフ指令をレベル変換して第1の異常判定信号を作成して前記第2の論理回路に伝送すると共に、前記第2のオフ指令をレベル変換して第2の異常判定信号を作成して前記第1の論理回路に伝送し、
    前記第1の論理回路は、前記第2の異常判定信号に応じて前記第1のオフ指令を出力し、
    前記第2の論理回路は、前記第1の異常判定信号に応じて前記第2のオフ指令を出力することを特徴とする半導体駆動装置。
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