JP6372698B2 - 海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、楕円球状の外殻部を構成する海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法に関する。
従来、コンクリート構造物の構築方法として、工場でプレキャストコンクリート(PC)を製造したものを現場で組み立てる方法や、現場で型枠を組み立ててコンクリートを打設する方法により行われているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ところで、潜水艇など直径10m程度の小型の開口を有する鉄筋コンクリート造により構築される球殻型海中構造物が知られている。このような海中構造物では、ケーソン工法などで予め陸上の製作し易いドック等の場所で製作し、設置現場の海上まで船で牽引する方法がある。また、球殻型海中構造物を分割した大きさのものをドック等の場所で製作し、設置現場となる海上でこれら分割された構造体を水密性を確保した状態で組み立てて一体化させる構築方法もある。
特開2010−101033号公報
しかしながら、上述したような従来の球殻型海中構造物では、以下のような問題があった。
すなわち、全体形状が曲面(曲線)で構成される球殻型の構造物では、平面(直線)で構成される構造物に比較して、鉄筋の加工やセット、型枠の組み立て作業が困難となっていた。
また、例えば数100mとなる大スパンで大型の球殻型海中構造物を構築する場合には、完成体として上述したような陸上の製作ヤードで一度に製作することが困難であり、かつ海上輸送も難しいことから、海上でコンクリート打設等の作業を行うことによる施工となる。しかし、この場合に必要になる作業足場の設置量が膨大であり、海上に設置する作業が困難なうえ、これら作業足場も海上輸送する必要があり、コストがかかるうえ工期への影響も大きくなることから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、海上での施工効率を向上させることができるうえ、無足場による施工を可能とすることでコストと工期の低減を図ることができる海中構造物の海上施工システム、及び海上構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、コンクリート製の躯体フレームと、該躯体フレームによって囲まれる部分に嵌合される耐水圧板と、によって楕円球状の外殻部を構成する海中構造物を海上で構築するための海中構造物の海上施工システムであって、前記躯体フレームの断面形状に合わせて移動可能、かつ姿勢変更可能に設けられた移動式型枠を有し、該移動式型枠内にコンクリートを充填して前記躯体フレームを製造する躯体製造ユニットと、前記躯体フレームによって囲まれる部分に前記耐水圧板を水密な状態で嵌合させて前記外殻部を形成する仕上げユニットと、前記躯体製造ユニットおよび前記仕上げユニットを前記外殻部の施工位置に合せて案内する案内ガイドと、前記外殻部の断面形状を記憶するとともに、前記躯体製造ユニット、前記仕上げユニット、及び前記案内ガイドを制御する制御部と、を備え、前記外殻部の内部には、上下方向に延びる前記外殻部の中心軸に沿って支持柱が設けられ、前記案内ガイドは、前記支持柱に沿って上昇可能、かつ該支持柱を中心に回転可能に保持される保持部と、上面視で前記保持部から前記外殻部の径方向の外側に向けて延びる複数の張出アームと、を備え、 前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットは、前記複数の張出アームのうちいずれかに該張出アームの長さ方向に沿って移動可能に設けられ、前記制御部は、前記外殻部の断面形状に基づいて、前記案内ガイドによって前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットを前記外殻部の施工位置に移動させ、前記躯体製造ユニットにおいて前記移動式型枠内にコンクリートを打設し、前記仕上げユニットにおいて前記躯体フレームによって囲まれる部分に前記耐水圧板を嵌合させるように制御することを特徴としている。
また、本発明に係る海中構造物の海上構築方法は、上述した海上施工システムを用いた海中構造物の海上構築方法であって、前記躯体製造ユニットにおける前記移動式型枠を前記外殻部の所定位置に位置決めする第1工程と、前記移動式型枠内にコンクリートを打設して躯体フレームを製造する第2工程と、製造された前記躯体フレームによって囲まれる被嵌合部分に前記仕上げユニットを配置し、当該被嵌合部分に前記耐水圧板を水密に嵌合する第3工程と、を有し、前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットを前記外殻部の形状に沿って前記案内ガイドによって所定位置に移動させつつ、前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うように前記制御部で制御するようにしたことを特徴としている。
本発明では、躯体製造ユニットにおける移動式型枠を外殻部の所定位置に位置決めした後、移動式型枠内にコンクリートを打設して躯体フレームを製造し、製造された躯体フレームによって囲まれる被嵌合部分に仕上げユニットを配置し、被嵌合部分に耐水圧板を水密に嵌合する施工工程を制御部の制御によって自動的に行うことができる。そのため、全体形状が曲面(曲線)をなす海中構造物の外殻部を海上で効率よく構築することができる。
しかも、躯体製造ユニットと仕上げユニットとが案内ガイドによって同時に移動することができるので、躯体フレームの構築と同一の高さ(レベル)で同じタイミングで耐水圧板の施工を完了することができる。
また、本発明では、躯体製造ユニット及び仕上げユニットがそれぞれ上昇および回転可能な張出アームに案内され、かつ張出アームの長さ方向に移動可能となるので、外殻部の断面形状に合わせた位置および姿勢となるように制御部により制御することができる。これにより曲面をなす外殻部の断面を順次形成しながら躯体製造ユニット及び仕上げユニットを移動させることができる。
また、案内ガイドによって躯体製造ユニットと仕上げユニットとが外殻部の断面形状に合わせた位置および姿勢となるように制御部により制御して施工することができるので、作業足場を設置する必要がなく、作業足場の海上輸送や設置にかかるコストや工期の低減を図ることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記海中構造物には、浮力を調整するバラストが設けられ、前記制御部は、前記外殻部における前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットの海面からの高さを一定にするように前記バラスト量を制御することが好ましい。
また、本発明に係る海中構造物の海上構築方法は、前記外殻部における前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットの海面からの高さが一定となるように施工されることが好ましい。
本発明によれば、海中構造物を下方から徐々に立ち上げて構築しつつ、バラスト量が重くなるように浮力を調整することで、海中構造物を構築するに従い徐々に沈下させることができる。すなわち、構築に伴って外殻部における施工箇所が海面から高くなっても、その施工箇所、すなわち躯体製造ユニットや仕上げユニットの施工位置の海面からの距離(高さ)を一定に保持しながら施工することができるため、その距離を必要最低限に維持することで海面からの資材を施工箇所に搬入する際の揚重時間を短く抑えることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記張出アームは、上面視で前記保持部を中心とした十字型に配置され、前記保持部を挟んだ一対の前記張出アームのそれぞれに前記躯体製造ユニットが設けられ、他の一対の前記張出アームのそれぞれに前記仕上げユニットが設けられていることが好ましい。
この場合には、一対の躯体製造ユニットが張出アームの対向位置に配置され、かつ一対の仕上げユニットも張出アームの対向位置に配置されているので、各躯体製造ユニット及び各仕上げユニットによって張出アームを介して支持柱を中心にして半周回転(180°の回転)の回転範囲のみを施工することで、上面視で施工中の外殻部の全周にわたってコンクリート打設と耐水圧板の設置を行うことができる。そのため、外殻部の全周を1つの躯体製造ユニット及び仕上げユニットによって施工する場合に比べて施工時間が半分となることから、大幅な工期の短縮を図ることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記張出アームには、内部に資材搬送路が設けられるとともに、前記張出アームの突出端に前記外殻部の外側と前記資材搬送路内との間で資材を受け渡しする第1揚重設備が設けられていることが好ましい。
この場合には、張出アームの突出端の下方の海上に例えば資材台船を配置しておくことで、第1揚重設備を使用して資材台船から資材を吊り上げて、張出アームの資材搬送路内に受け渡すことができる。この場合、第1揚重設備は、躯体製造ユニットや仕上げユニットとは別体であるので、これらユニットを使用した施工を停止させずに、資材の外殻部への搬入作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記支持柱は、前記海中構造物の躯体の一部をなすコア部であって、前記支持柱の上端には、当該支持柱を上方に延長するための第2揚重設備が設けられ、前記第2揚重設備は、前記支持柱の延長とともに盛り替え可能に設置されていることが好ましい。
この場合には、第2揚重設備を使用して支持柱を上方に向けて延長させて構築することができる。この場合、第2揚重設備は、躯体製造ユニットや仕上げユニットとは別体であるので、これらユニットを使用した施工を停止させずに、支持柱の延長作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記張出アームの下面には、前記長さ方向に移動自在な第3揚重設備が設けられていることが好ましい。
この場合には、第3揚重設備が支持柱を中心に回転自在な張出アームに設けられているので、第3揚重設備を使用して外殻部の内部空間の作業を行うことができる。しかも、第3揚重設備は、躯体製造ユニットや仕上げユニットとは別体であるので、これらユニットを使用した施工を停止させずに、外殻部の内部空間での作業を並行して行えるので、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記移動式型枠は、上面視で前記外殻部の接線を中心にして回転自在に設けられていることが好ましい。
この場合には、移動式型枠における外殻部の接線を中心にした回転角度を制御部で制御することにより、移動式型枠の姿勢を構築高さにとともに変化する外殻部の断面形状に合せて精度よく追従させることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記移動式型枠には、打設したコンクリートを養生するための養生機能を備えていることが好ましい。
この場合には、躯体製造ユニットにおいてコンクリート打設後に、同じ移動式型枠を使用してコンクリート養生を行うことができる。この場合、別で養生設備を設ける必要がないので、設備コストの増大を抑えることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上施工システムは、前記コンクリートは、樹脂筋を混合した樹脂コンクリートであって、前記躯体製造ユニットには、前記移動式型枠内に打設した前記樹脂コンクリートに向けて紫外線を照射する紫外線照射部が設けられていることが好ましい。
この場合には、紫外線硬化性樹脂を使用した樹脂コンクリートおよび樹脂筋を混合したコンクリートを移動式型枠内に打設した後、その混合コンクリートに紫外線照射部から紫外線を照射することができる。そのため、混合コンクリートの硬化速度を促進させることができる。さらに樹脂筋を採用することで錆の発生が無く、躯体フレームの耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る海中構造物の海上構築方法は、陸上で製造された前記外殻部の底盤部を海上輸送により構築する海上に配置する工程と、海上に配置された前記底盤部に対して前記海上施工システムを組み込む工程と、前記海上施工システムを用いて前記底盤部上に前記外殻部の他の部分を構築する工程と、を有することが好ましい。
本発明では、外殻部の底盤部のみを予め陸上で製造しておき、その製造された底盤部を海上輸送して構築現場の海上で底盤部より上の他の部分の外殻部を海上施工システムを使用して構築することができる。この場合、海上施工システムを陸上で製造した直後の底盤部に対して完成した状態でセットすることができるので、施工初期段階の盛り替え作業を省略することが可能となり、海上での作業工程を短縮することができる。
本発明の海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法によれば、海上での施工効率を向上させることができるうえ、無足場による施工を可能とすることでコストと工期の低減を図ることができる。
本発明の実施の形態による球殻構造物の全体構成を示した側面図である。 図1に示す球殻構造物の内部空間の構成を示す縦断面図である。 (a)は球殻構造物の施工状態を示す斜視図であって海上施工システムの概要を示す図、(b)は(a)の外殻部を詳細に示した図である。 耐水圧板の構成を示す平面図である。 躯体製造ユニットを模式的に示した縦断面図である。 海上で海上施工システムを用いた施工状態を示す縦断面図である。 海上施工システムを用いた施工手順を示す上面図であって、(a)、(b)は同一レベルにおける施工状態を示す図、(c)は(a)、(b)よりも上方レベルにおける施工状態を示す図である。 (a)〜(c)は、海上施工システムを用いた施工手順を示した縦断面である。 構築された球殻構造物の上下方向の移動状態を説明するための側面図である。
以下、本発明の実施の形態による海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による海上施工システムは、海中に設けられる球状(楕円球状)の海中構造物(以下、球殻構造物10という)を構築するための各種施工ユニット等の装置を備えている。球殻構造物10は、住空間、オフィス空間、商業施設、公園等のレクリエーション施設等の備えたいわゆる「潜水都市」として利用される構造物である。
球殻構造物10は、内部空間Rを形成する球状の外殻部11と、外殻部11内の内部空間Rの平面視中央に上下方向に沿って配置される中央タワー部12と、外殻部11の下方に連結されたバラスト13と、が設けられている。なお、球殻構造物10として、例えば直径が500mの大きさの構造物が想定される。
球殻構造物10は、外殻部11の上部の一部分のみを海上に浮上させた状態、全体が海中に潜水させた状態、或いは外殻部11の下部の一部分のみを海中に潜らせた状態などバラスト13の重量バランスを調整することで海中における任意の高さとなるように上下移動可能に設けられている。
球殻構造物10は、外殻部11が耐水性及び透明性を有する外壁を構成し、内部空間Rに海水が浸水しないように全周にわたって水密な構造をなしている。そのため、外殻部11の内部空間Rには、外殻部11の全周から外側の海中又は海上より自然光(太陽光)が採光されるようになっている。
球殻構造物10の内部空間Rは、上述した中央タワー部12と、その外側の大空間部14と、からなる。球殻構造物10の上部には、内部空間Rへの出入口となるエントランス部15が設けられている。
中央タワー部12は、外殻部11の直径に相当する高さ(例えば500m)を有する多層階からなる建造物であり、例えばホテル、商業施設、コンベンション施設、レジデンス、オフィス、共同住宅・社宅、研究所・実験室などを設けることができる。大空間部14には、例えば前記エントランス部15、スーパー、エレベータ、深海プロムナード、空中歩廊、空中パーク、深海公園などの施設を配置することができる。また、球殻構造物10には、当該球殻構造物10を維持管理するための機械室、制御室なども設けられている。
外殻部11は、三角形格子状のメッシュ構造をなす躯体フレーム16と、躯体フレーム16によって囲まれる部分に水密に嵌合される耐水圧板17と、を備えている。
躯体フレーム16は、高強度で錆が発生しにくい材料、カーボン繊維、アラミド繊維等に樹脂を含浸させ任意形状に成型した補強筋等の樹脂筋16Bを混合した連続繊維補強樹脂16Aからなる複合構造によって形成されている。樹脂コンクリート16Aとしては、紫外線硬化樹脂が採用されている。躯体フレーム16は、外殻部11の下側から上側に向けて所定高さのスパン毎に順次コンクリートを打設することによって製造され、全体として一体的に形成されている。
躯体フレーム16は、水圧が大きくなる外殻部11の下方に向かうに従って幅寸法と梁成(梁高寸法)が大きくなるように設定され、例えば上部において幅寸法2.5m、梁成3mとされ、上下方向の中間部において幅寸法6m、梁成16.5mとされ、下部において幅寸法10m、梁成30mとされる。
耐水圧板17は、図4に示すように、所定の耐圧性を有するアクリル板により平面視で正三角形状に形成されている。耐水圧板17は、例えば略3mの厚さをなし、図1及び図2に示す躯体フレーム16によって囲まれる部分(被嵌合部分)に対して想定される水圧に耐え得るように水密に嵌合されている。
耐水圧板17の表面には、繊維強化プラスチック(FRP)製の補強リブ18が三角格子状に取り付けられている。補強リブ18は、水圧を受けた場合の座屈補強であり、このリブ高寸法は例えば略1.5mに設定されている。
中央タワー部12は、図2に示すように、外殻部11の上下方向に延びる中心軸Oに沿って設けられるコア部21(支持柱)と、中央タワー部12の外殻を構成する中央タワー外殻部22と、を備えている。
コア部21は、鉄筋コンクリート造であり、上下方向に沿って一定の円形断面により形成され、例えば周知のスリップフォームを用いることで連続的に施工され、施工中において外殻部11の高さよりも高くなるように構築される。コア部21は、上下両端が外殻部11に対して一体的に接合され、外殻部11の底部分から支持されるとともに、天端部分から吊り下げられた半吊り構造となっている。コア部21を外殻部11の中心軸O上に設けることで、外殻部11が水圧などの外力を受けた場合に生じる変形を拘束できるようになっている。
中央タワー外殻部22は、鉄骨または炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成される骨組み構造であって、コア部21から径方向の外側に離れた位置に配置されている。中央タワー外殻部22は、上端及び下端の両側から上下方向の中心に向うに従い漸次、水平断面積が小さくなるようにくびれた形状となっている。
外殻部11と中央タワー部12との間に形成される大空間部14には、外殻部11の中心軸Oを通る水平面に沿って通路部19が形成されている。この通路部19は、中央タワー部12と外殻部11同士の間を接続し、外殻部11が水平方向の水圧などの外力を受けた場合における座屈防止の機能をもたせている。
なお、球殻構造物10において、例えば中央タワー部12の頂部や通路部19に制振装置(図示省略)を設けておくことで、日常時の波による振動を抑制するように制御するようにしてもよい。
図6に示すように、バラスト13は、外殻部11の海中における浮上位置を制御する機能と、波による外殻部11の振動を制御する機能と、を有している。バラスト13は、中空球形状をなし、外殻部11の底面から上下方向に複数(ここでは3つ)が連結されている。各バラスト13の内部には砂と空気とが所定の割合で充填されており、その砂と空気との割合を調整することにより浮力が変動される構成となっている(図9参照)。つまり、球殻構造物10を海中の所定深度まで降下させる場合にはバラスト13内の砂の割合を増やすとともに空気量を減らして浮力を低下させ、上昇させる場合にはバラスト13内の砂の割合を減らすとともに砂量を増やして浮力を増大させればよい。
なお、バラスト13の形状、大きさ、数量は、球殻構造物10の大きさ、重量、必要浮力などの条件に合せて任意に設定することができる。
次に、球殻構造物10を構築するための海上施工システム1の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3、図6、及び図7に示すように、海上施工システム1は、外殻部11と中央タワー部12とをほぼ同時に上昇させることで球殻構造物10を構築していくものである。
海上施工システム1は、コア部21に沿って上下移動可能に設けられた案内ガイド3と、案内ガイド3に設けられ外殻部11の躯体フレーム16を施工するための一対の躯体製造ユニット4と、案内ガイド3に設けられ外殻部11の耐水圧板17を施工するための一対の仕上げユニット5と、外殻部11の断面形状を記憶するとともに、案内ガイド3、躯体製造ユニット4、及び仕上げユニット5を制御する制御部(図示省略)と、を備えている。
案内ガイド3は、平面視で十字型に配置された角形鋼管からなり、その十字部分の中心部でコア部21に挿通させつつ保持する保持部33が設けられ、保持部33によってコア部21を中心に回転自在に、かつコア部21に沿って上昇自在に設けられている。案内ガイド3は、平面視で保持部33を挟んだ両側に直線上に延在する一対の第1張出アーム31、31と、一対の第1張出アーム31、31に対して上面視で直交する方向に延在するとともに、保持部33を挟んだ両側に直線上に延在する第2張出アーム32、32と、を有している。各張出アーム31、32は、保持部33側の端部のみが保持部33によって支持されている。
第1張出アーム31、31は、それぞれの先端に躯体製造ユニット4が設けられている。また、第2張出アーム32、32は、それぞれの先端に前記仕上げユニット5が設けられている。
つまり、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5は、コア部21に保持される保持部33から張出アーム31、32で支持されており、コア部21を中心にして水平面内で回転移動できる構成となっている。
第1張出アーム31及び第2張出アーム32は、それぞれ鞘管構造をなし、軸方向(長さ方向X、Y)に伸縮自在に設けられている。つまり、各張出アーム31、32の先端に設けられる躯体製造ユニット4および仕上げユニット5が、それぞれ張出アーム31、32の伸縮によって上面視で径方向に沿って移動自在となっている。
張出アーム31、32の軸方向(長さ方向X、Y)における躯体製造ユニット4および仕上げユニット5の位置は、詳しくは後述するが、外殻部11の施工位置に対応して移動することになる。
第1張出アーム31及び第2張出アーム32は、それぞれの内部が中空になっており、長さ方向X、Yの全体にわたって資材搬送路34が設けられている。資材搬送路34は、躯体製造ユニット4および仕上げユニット5のそれぞれの内部を貫通している。躯体製造ユニット4および仕上げユニット5の径方向の外側の突出端31a、32aが外殻部11の径方向の外側に突出しており、その突出端31a、32aが開口部となっている。また、それら突出端31a、32aの開口上端部には、外殻部11の外側と資材搬送路34内との間で例えば球殻構造物10を構築するための資材を受け渡し可能なクレーン等の第1揚重設備35が設けられている。
第1揚重設備35は、球殻構造物10の施工中において、突出端31a、32aの下方における外殻部11の外方の海上に資材を搬送する資材台船8を配置しておき、この資材台船8上から資材を吊り上げ、案内ガイド3の資材搬送路34内に送り込むために設けられている。
また、コア部21の上端21aには、このコア部21をコンクリート打設により上方に延長するために使用する第2揚重設備36が設けられている。第2揚重設備36は、コア部21の延長とともに盛り替え可能に設置されている。
さらに、図6に示すように、第1張出アーム31及び第2張出アーム32の下面には、長さ方向X、Y(図3参照)に水平移動自在な走行クレーン等からなる第3揚重設備37が設けられている。具体的に第3揚重設備37は、外殻部11の内部空間Rにおける資材搬送に使用することができ、中央タワー部12、とくに中央タワー外殻部22を設置するために設けられている。
第3揚重設備37は、各張出アーム31、32の下面にその長さ方向X、Yに沿って走行レール(図示省略)が設けられ、その走行レールに案内されて移動可能となっている。
4本の張出アーム31、32を支持する保持部33には、コア部21を使用して上昇可能な例えば周知のジャンプアップ機構等の上昇装置(図示省略)が設けられている。この上昇装置は、所定の高さで案内ガイド3を上昇させる。具体的に上昇装置は、案内ガイド3の保持部33や躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5とともに、前述の制御部によって制御され、保持部33によるコア部21に対する保持状態が解除されたときに上昇装置が駆動して、案内ガイド3を上昇させる機構となっている。なお、上昇した位置において、再び保持部によってコア部21に対して保持される。
躯体製造ユニット4は、図5に示すように、躯体フレーム16の断面形状に合わせて移動可能、かつ姿勢変更可能に設けられた移動式型枠41を有し、移動式型枠41内にコンクリートを充填して躯体フレーム16を製造する構成となっている。具体的に躯体製造ユニット4は、上面視で外殻部11の周方向に沿う所定長さに設けられる前記移動式型枠41と、樹脂コンクリート16Aと樹脂筋16Bとを混合する混合部(図示省略)と、該混合部で混合された混合コンクリート16Cを移動式型枠41内に打設するコンクリート打設口42と、を備えている。
移動式型枠41は、躯体フレーム16の一部分を打設可能な形状に形成された型枠であり、打設後の養生機能も備えている。
移動式型枠41は、上面視で外殻部11の接線を中心にして矢印E方向(図7参照)に回転自在に設けられている。また、移動式型枠41は、構築に伴って変化する外殻部11の周方向の曲率に対応できる構成となっている。
コンクリート打設口42は、移動式型枠41の上方に延びる圧送管46の口部に位置し、混合コンクリート16Cが移動式型枠41内に向けて排出される構成となっている。
また、躯体製造ユニット4には、移動式型枠41内に打設した混合コンクリート16Cに向けて照射する紫外線照射部45が設けられている。つまり、打設されたコンクリートが紫外線硬化型樹脂であることから、打設後に紫外線照射部45によって紫外線を照射することで、硬化速度を上げることができ、施工の効率化を図ることができる。
図3に示す仕上げユニット5は、耐水圧板17を躯体フレーム16に対して嵌合させる機能と、止水施工を行う機能と、が備えられている。
制御部は、案内ガイド3によって躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を外殻部11の施工位置に移動させ、躯体製造ユニット4において移動式型枠41内に混合コンクリート16Cを打設し、仕上げユニット5において躯体フレーム16によって囲まれる部分に耐水圧板17を嵌合させるように制御する。また、制御部は、前記上昇装置と案内ガイド3を連動させるように制御する。
次に、上述した構成からなる海中構造物の海上施工システムを用いた海上構築方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3及び図8(a)〜(c)に示すように、本実施の形態による球殻構造物10の海上構築方法は、躯体製造ユニット4における移動式型枠41を外殻部11の所定位置に位置決めする第1工程と、移動式型枠41内に混合コンクリート16Cを打設して躯体フレーム16を製造する第2工程と、製造された躯体フレーム16によって囲まれる被嵌合部分に仕上げユニット5を配置し、当該被嵌合部分に耐水圧板17を水密に嵌合する第3工程と、を有している。
そして、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を外殻部11の形状に沿って案内ガイド3によって所定位置に移動させつつ、上記の第1工程、第2工程、及び第3工程を行うように制御部で制御する構成となっている。
先ず、図6に示す外殻部11の底盤部11Aを、図示しない陸上の製作ヤード(ドック)で製作する。このときの製作では、作業足場を組んで底盤部11Aの鉄筋をセットするとともに型枠を設置し、コンクリートを打設する一般的な製造方法により底盤部11Aの三角格子状の躯体フレーム16を製造する。さらにその躯体フレーム16によって囲まれた部分に所定の厚さを有する耐水圧板17(図1参照)を水密に嵌合してこの底盤部11Aが完成となる。また、この底盤部11Aの内部空間Rには、底盤部11Aの高さと略同等の高さまで鉄筋コンクリート造のコア部21を構築しておく。
次いで、製造された底盤部11Aに対して、同じ製作ヤードにおいて上述した構成の海上施工システム1を組み込んでおく。すなわちコア部21に案内ガイド3を取り付け、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を装備しておく。さらに、同時に第1揚重設備35、第2揚重設備36、及び第3揚重設備37を設置する。
その後、陸上で製造された底盤部11Aを船で牽引することにより海上の現場へ輸送し、その現場に配置する。このとき、外殻部11の底盤部11Aの底面には3つのバラスト13が設けられ、底盤部11Aの一部が海上に浮き上がるように浮力調整されている。そして、底盤部11Aが所定の高さで海上に配置されたら、底盤部11Aより上の外殻部11の施工を行う。
海上施工システム1を使用した海上における施工では、図7(a)、(b)に示すように、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を案内ガイド3を回転させることにより間欠的に周方向に移動させ、一対の躯体製造ユニット4ではコンクリート打設・養生によって躯体フレーム16を製造し、仕上げユニット5では既に製造されている躯体フレーム16に対して耐水圧板17を水密に嵌合する施工が行われる。つまり、1つの躯体製造ユニット4で半周(180°)の範囲を移動させることで、2つの躯体製造ユニット4によって全周の躯体フレーム16を製造することができる。ここで、打設した混合コンクリート16Cに対して、図5に示す紫外線照射部45により紫外線を照射して、樹脂コンクリートと樹脂筋を早期に硬化させる。
また、躯体製造ユニット4に対して周方向に90°回転した位置に配置される仕上げユニット5においても、1つの仕上げユニット5で半周(180°)の範囲を間欠的に移動させることで、2つの仕上げユニット5によって全周の耐水圧板17を設置することができる。
なお、このとき各ユニット4、5で使用する樹脂コンクリートや樹脂筋、耐水圧板17等の資材は、各ユニット4、5の突出端31a、32aに設けられる第1揚重設備35によって海上の資材台船8より吊り上げられ各ユニット4、5で使用できるように外殻部11内に搬入される。
また、図8(a)〜(c)に示すように、外殻部11の施工とほぼ同時に、中央タワー部12の施工も第2揚重設備36及び第3揚重設備37を使用して構築する。具体的には、第2揚重設備36を使用してコア部21の上端において、上述したスリップフォームを用いてコンクリート打設により上方に延長する。また、張出アーム31、32の下面に沿って水平走行する第3揚重設備37を使用して、鉄骨またはFRP構造からなる中央タワー外殻部22を立ち上げる。なお、これら中央タワー部12に使用する資材に関しても、第1揚重設備35を使用して資材台船8より外殻部11内に搬入する。
次に、1スパン分の高さの施工が完了したら、上述したジャンプアップ機構等の上昇装置(図示省略)により次に構築する外殻部11の1スパン分の高さ分だけ案内ガイド3とともに躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を上昇させて盛り替える。
ここで、外殻部11が球状であり上面視で外殻部11の外径が異なるため、案内ガイド3の上昇と共に、張出ガイド31、32を適宜な長さに伸縮させ、躯体製造ユニット4および仕上げユニット5が外殻部11の所定位置に配置されるように制御される。例えば図7(c)に示す外殻部11は図7(a)、(b)に示す外殻部11に対して大径となるので、張出アーム31、32が伸張される。
このように所定のスパン高さによる施工を繰り返すことで、球状の外殻部11とともに中央タワー部12も形成され、本実施の形態の球殻構造物10が構築される。
構築された球殻構造物10は、図9に示すように、状況に応じてバラスト13のバラスト量を調整して浮力を変えて海中において上下移動が可能となっている。例えば、通常時S1は、球殻構造物10の上部の一部が海上に出る程度の位置で保持させる。また、台風時S2などで海が荒れて海面付近で波や風の影響が大きい場合には、バラスト13の浮力を通常時S1よりも小さくして球殻構造物10を完全に海中に潜水させておくことができる。また、球殻構造物10のメンテナンス時S3には、バラスト13の浮力を通常時S1よりも大きくして例えば球殻構造物10の上半分以上の部分が海上に出るようにすることができる。
次に、上述した海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図6に示すように、躯体製造ユニット4における移動式型枠41を外殻部11の所定位置に位置決めした後、移動式型枠41内にコンクリートを打設して躯体フレーム16を製造し、製造された躯体フレーム16によって囲まれる被嵌合部分に仕上げユニット5を配置し、被嵌合部分に耐水圧板17を水密に嵌合する施工工程を制御部7の制御によって自動的に行うことができる。そのため、全体形状が曲面(曲線)をなす球殻構造物10の外殻部11を海上で効率よく構築することができる。
しかも、躯体製造ユニット4と仕上げユニット5とが案内ガイド3によって同時に移動することができるので、躯体フレーム16の構築と同一の高さ(レベル)で同じタイミングで耐水圧板17の施工を完了することができる。
また、案内ガイド3によって躯体製造ユニット4と仕上げユニット5とが外殻部11の断面形状に合わせた位置および姿勢となるように制御部7により制御して施工することができるので、作業足場を設置する必要がなく、作業足場の海上輸送や設置にかかるコストや工期の低減を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、球殻構造物10を下方から徐々に立ち上げて構築しつつ、バラスト量が重くなるように浮力を調整することで、球殻構造物10構築するに従い徐々に沈下させることができる。そのため、構築に伴って外殻部11における施工箇所が高くなっても、その施工箇所、すなわち躯体製造ユニット4や仕上げユニット5の施工位置の海面からの距離(高さ)を一定に保持しながら施工することができるため、その距離を必要最低限に維持することで海面からの資材を施工箇所に搬入する際の揚重時間を短く抑えることができる。
また、本実施の形態では、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5がそれぞれ上昇および回転可能な張出アーム31、32に案内され、かつ張出アーム31、32の長さ方向X、Yに移動可能となるので、外殻部11の断面形状に合わせた位置および姿勢となるように制御部により制御することができる。これにより曲面をなす外殻部11の断面を順次形成しながら躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を移動させることができる。
また、本実施の形態では、この場合には、一対の躯体製造ユニット4、4が第1張出アーム31の対向位置に配置され、かつ一対の仕上げユニット5、5も第2張出アーム32、32の対向位置に配置されているので、各躯体製造ユニット4及び各仕上げユニット5によって張出アーム31、32を介してコア部21を中心にして半周回転(180°の回転)の回転範囲のみを施工することで、上面視で施工中の外殻部11の全周にわたってコンクリート打設と耐水圧板17の設置を行うことができる。
そのため、外殻部11の全周を1つの躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5によって施工する場合に比べて施工時間が半分となることから、大幅な工期の短縮を図ることができる。
また、本実施の形態による海中構造物の海上施工システム1は、移動式型枠41が上面視で外殻部11の接線を中心にして回転自在に設けられているので、移動式型枠41における外殻部11の接線を中心にした回転角度を制御部7で制御することにより、移動式型枠41の姿勢を構築高さにとともに変化する外殻部11の断面形状に合せて精度よく追従させることができる。
また、本実施の形態の場合には、案内ガイド3の突出端31a、32aの下方の海上に資材台船8を配置しておくことで、第1揚重設備35を使用して資材台船8から資材を吊り上げて、張出アーム31、32の資材搬送路34内に受け渡すことができる。この場合、第1揚重設備35は、躯体製造ユニット4や仕上げユニット5とは別体であるので、これらユニット4、5を使用した施工を停止させずに、前述した資材の外殻部11への搬入作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では、躯体製造ユニット4においてコンクリート打設後に、同じ移動式型枠41を使用してコンクリート養生を行うことができる。この場合、別で養生設備を設ける必要がないので、設備コストの増大を抑えることができる。
また、本実施の形態では、紫外線硬化性樹脂を使用した樹脂コンクリート16Aおよび樹脂筋16Bを混合した混合コンクリート16Cを移動式型枠41内に打設した後、その混合コンクリート16Cに紫外線照射部45から紫外線を照射することができる。そのため、混合コンクリート16Cの硬化速度を促進させることができる。さらに樹脂筋を採用することで錆の発生が無く、躯体フレーム16の耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第2揚重設備36を使用してコア部21を上方に向けて延長させて構築することができる。この場合、第2揚重設備36は、躯体製造ユニット4や仕上げユニット5とは別体であるので、これらユニット4、5を使用した施工を停止させずに、コア部21の延長作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態の場合には、第3揚重設備37が支持柱を中心に回転自在な張出アーム31、32に設けられているので、第3揚重設備37を使用して外殻部の内部空間Rでの作業を行うことができる。
しかも、第3揚重設備37は、躯体製造ユニット4や仕上げユニット5とは別体であるので、これらユニット4、5を使用した施工を停止させずに、外殻部11の内部空間Rでの作業を並行して行えるので、作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、外殻部11の底盤部11Aのみを予め陸上で製造しておき、その製造された底盤部11Aを海上輸送して構築現場の海上で底盤部11Aより上の他の部分の外殻部11を海上施工システム1を使用して構築することができる。
この場合、海上施工システム1を陸上で製造した直後の底盤部11Aに対して完成した状態でセットすることができるので、施工初期段階の盛り替え作業を省略することが可能となり、海上での作業工程を短縮することができる。
上述のように本実施の形態による海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法では、海上での施工効率を向上させることができるうえ、無足場による施工を可能とすることでコストと工期の低減を図ることができる。
以上、本発明による海中構造物の海上施工システム及び海上構築方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、また上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
例えば、本実施の形態では、躯体製造ユニット4で打設するコンクリートとして、樹脂コンクリートと樹脂筋を混合した混合コンクリート16Cを採用しているが、このような材料に限定されることはなく、通常の鉄筋コンクリートをなすセメント系コンクリートや鉄筋であってもかまわない。なお、鉄筋を使用する場合には、躯体製造ユニット4に鉄筋を配筋するための設備を備えることが好ましい。
また、案内ガイド3の構成は本実施の形態に制限されるものではなく、他の構成としてもよい。例えば、本実施の形態では、張出アーム31、32を鞘管状で長さ方向X、Yに伸縮可能とし、これにより躯体製造ユニット4や仕上げユニット5が外殻部11の半径方向に移動することができる構成となっているが、これに代えて、例えば躯体製造ユニット4や仕上げユニット5が張出アーム31、32に案内されて移動する構成であっても良い。
張付アーム31、32の数量、躯体製造ユニット4、仕上げユニット5の数量、構成については、本実施の形態に制限されることはなく、適宜変更することが可能である。
また、本実施の形態では、外殻部11の形状として球体を対象としているが、縦横比が異なる楕円球であっても良い。この場合には、案内ガイド3における第1張出アーム31と第2張出アーム32の伸縮長を外殻部11の楕円形状に合せて変えることで、上述した実施の形態と同様の施工を行うことができる。
1 海上施工システム
3 案内ガイド
4 躯体製造ユニット
5 仕上げユニット
10 球殻構造物(海中構造物)
11 外殻部
12 中央タワー部
13 バラスト
14 大空間部
16 躯体フレーム
17 耐水圧板
18 補強リブ
21 コア部(支持柱)
22 中央タワー外殻部
31 第1張出アーム
32 第2張出アーム
33 保持部
34 資材搬送路
35 第1揚重設備
36 第2揚重設備
37 第3揚重設備
41 移動式型枠
42 コンクリート打設口

Claims (12)

  1. コンクリート製の躯体フレームと、該躯体フレームによって囲まれる部分に嵌合される耐水圧板と、によって楕円球状の外殻部を構成する海中構造物を海上で構築するための海中構造物の海上施工システムであって、
    前記躯体フレームの断面形状に合わせて移動可能、かつ姿勢変更可能に設けられた移動式型枠を有し、該移動式型枠内にコンクリートを充填して前記躯体フレームを製造する躯体製造ユニットと、
    前記躯体フレームによって囲まれる部分に前記耐水圧板を水密な状態で嵌合させて前記外殻部を形成する仕上げユニットと、
    前記躯体製造ユニットおよび前記仕上げユニットを前記外殻部の施工位置に合せて案内する案内ガイドと、
    前記外殻部の断面形状を記憶するとともに、前記躯体製造ユニット、前記仕上げユニット、及び前記案内ガイドを制御する制御部と、
    を備え、
    前記外殻部の内部には、上下方向に延びる前記外殻部の中心軸に沿って支持柱が設けられ、
    前記案内ガイドは、
    前記支持柱に沿って上昇可能、かつ該支持柱を中心に回転可能に保持される保持部と、
    上面視で前記保持部から前記外殻部の径方向の外側に向けて延びる複数の張出アームと、
    を備え、
    前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットは、前記複数の張出アームのうちいずれかに該張出アームの長さ方向に沿って移動可能に設けられ、
    前記制御部は、前記外殻部の断面形状に基づいて、前記案内ガイドによって前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットを前記外殻部の施工位置に移動させ、前記躯体製造ユニットにおいて前記移動式型枠内にコンクリートを打設し、前記仕上げユニットにおいて前記躯体フレームによって囲まれる部分に前記耐水圧板を嵌合させるように制御することを特徴とする海中構造物の海上施工システム。
  2. 前記海中構造物には、浮力を調整するバラストが設けられ、
    前記制御部は、前記外殻部における前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットの海面からの高さを一定にするように前記バラスト量を制御することを特徴とする請求項1に記載の海中構造物の海上施工システム。
  3. 前記張出アームは、上面視で前記保持部を中心とした十字型に配置され、前記保持部を挟んだ一対の前記張出アームのそれぞれに前記躯体製造ユニットが設けられ、他の一対の前記張出アームのそれぞれに前記仕上げユニットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の海中構造物の海上施工システム。
  4. 前記張出アームには、内部に資材搬送路が設けられるとともに、前記張出アームの突出端に前記外殻部の外側と前記資材搬送路内との間で資材を受け渡しする第1揚重設備が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  5. 前記支持柱は、前記海中構造物の躯体の一部をなすコア部であって、
    前記支持柱の上端には、当該支持柱を上方に延長するための第2揚重設備が設けられ、
    前記第2揚重設備は、前記支持柱の延長とともに盛り替え可能に設置されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  6. 前記張出アームの下面には、前記長さ方向に移動自在な第3揚重設備が設けられていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  7. 前記移動式型枠は、上面視で前記外殻部の接線を中心にして回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  8. 前記移動式型枠には、打設したコンクリートを養生するための養生機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  9. 前記コンクリートは、樹脂筋を混合した樹脂コンクリートであって、
    前記躯体製造ユニットには、前記移動式型枠内に打設した前記樹脂コンクリートに向けて紫外線を照射する紫外線照射部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の海中構造物の海上施工システム。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の海上施工システムを用いた海中構造物の海上構築方法であって、
    前記躯体製造ユニットにおける前記移動式型枠を前記外殻部の所定位置に位置決めする第1工程と、
    前記移動式型枠内にコンクリートを打設して躯体フレームを製造する第2工程と、
    製造された前記躯体フレームによって囲まれる被嵌合部分に前記仕上げユニットを配置し、当該被嵌合部分に前記耐水圧板を水密に嵌合する第3工程と、
    を有し、
    前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットを前記外殻部の形状に沿って前記案内ガイドによって所定位置に移動させつつ、前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うように前記制御部で制御するようにしたことを特徴とする海中構造物の海上構築方法。
  11. 前記外殻部における前記躯体製造ユニット及び前記仕上げユニットの海面からの高さが一定となるように施工されることを特徴とする請求項10に記載の海中構造物の海上構築方法。
  12. 陸上で製造された前記外殻部の底盤部を海上輸送により構築する海上に配置する工程と、
    前記底盤部に対して前記海上施工システムを組み込む工程と、
    海上において前記海上施工システムを用いて前記底盤部上に前記外殻部の他の部分を構築する工程と、
    を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の海中構造物の海上構築方法。
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