液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)を含む液体噴射システムを例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態における液体噴射システム1は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター3と、タンクユニット5と、を有している。プリンター3は、第1ケース6を有している。第1ケース6が、プリンター3の外殻を構成している。タンクユニット5は、第2ケース7と、複数(2個以上)のタンク9と、を有している。第1ケース6と第2ケース7とが、液体噴射システム1の外殻を構成している。タンク9は、液体収容容器の一例である。液体噴射システム1は、液体の一例であるインクによって、印刷用紙などの印刷媒体Pに印刷を行うことができる。
なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+方向(正方向)を示しており、矢印の向きとは逆向きが−方向(負方向)を示している。液体噴射システム1が使用される状態において、液体噴射システム1は、X軸とY軸とによって規定される水平な平面に配置される。液体噴射システム1の使用状態において、Z軸は、水平な平面に直交する軸であり、−Z軸方向が鉛直下方向となる。
第1ケース6には、プリンター3の機構ユニット10(図4)が収容されている。機構ユニット10は、プリンター3において、印刷動作を実行する機構部分である。機構ユニット10の詳細については、後述する。複数のタンク9は、図1に示すように第2ケース7内に収容されており、それぞれ、印刷に供するインクを収容している。本実施形態では、4つのタンク9が設けられている。4つのタンク9では、インクの種類がタンク9ごとに異なる。本実施形態では、インクの種類として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類が採用されている。そして、ブラックのインクを収容するタンク9と、イエローのインクを収容するタンク9と、マゼンタのインクを収容するタンク9と、シアンのインクを収容するタンク9とが、1つずつ設けられている。液体噴射システム1では、複数のタンク9が、第1ケース6の外側に設けられている。このため、液体噴射システム1では、複数のタンク9は、機構ユニット10を覆う第1ケース6に内蔵されていない。
また、プリンター3には、排出口の一例である排紙部11が設けられている。プリンター3では、排紙部11から印刷媒体Pが排出される。プリンター3において、排紙部11が設けられている面が正面13とされている。また、プリンター3は、正面13に交差する上面15に操作パネル17を有している。操作パネル17には、電源ボタン18Aや、その他の操作ボタン18Bなどが設けられている。タンクユニット5は、第1ケース6において、正面13と上面15とに交差する側部19に設けられている。第2ケース7には、窓部21が設けられている。窓部21は、第2ケース7において、正面23と上面25とに交差する側部27に設けられている。窓部21は、光透過性を有している。そして、窓部21に重なる位置に、上述した4つのタンク9が設けられている。このため、液体噴射システム1を使用する作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することができる。
本実施形態では、各タンク9の窓部21に対面する部位の少なくとも一部が光透過性を有している。各タンク9の光透過性を有する部位から、タンク9内のインクが視認され得る。従って、作業者は、窓部21を介して4つのタンク9を視認することによって、各タンク9におけるインクの量を視認することができる。つまり、タンク9では、窓部21に対面する部位の少なくとも一部を、インクの量を視認可能な視認部として活用することができる。第1ケース6と第2ケース7とは、互いに別体で構成されている。このため、本実施形態では、図2に示すように、第2ケース7を第1ケース6から分離することができる。第2ケース7は、取付けビス31によって第1ケース6に結合されている。また、図2に示すように、第2ケース7は、4つのタンク9の例えば正面、上面、側面のように、少なくとも一部を覆っている。なお、各タンク9には、窓部21に対面する部位に、インクの量の上限を示す上限マーク28と、インクの量の下限を示す下限マーク29とが設けられている。作業者は、上限マーク28及び下限マーク29を目印にして各タンク9におけるインクの量を把握することができる。
また、タンクユニット5は、支持フレーム32を有している。4つのタンク9は、支持フレーム32に支持されている。支持フレーム32は、第1ケース6とは別体で構成されている。このため、本実施形態では、図3に示すように、支持フレーム32を第1ケース6から分離することができる。支持フレーム32は、取付けビス33によって第1ケース6に結合されている。このように、本実施形態では、タンクユニット5(図1)は、第1ケース6の外側に取り付けられている。
プリンター3は、機構ユニット10を示す斜視図である図4に示すように、印刷部35と、供給チューブ36と、を有している。印刷部35は、キャリッジ37と、印刷ヘッド38と、4つの中継ユニット39と、を有している。印刷ヘッド38と4つの中継ユニット39とは、キャリッジ37に搭載されている。供給チューブ36は、可撓性を有しており、タンク9と中継ユニット39との間に設けられている。タンク9内のインクは、供給チューブ36を介して中継ユニット39に送られる。中継ユニット39は、タンク9から供給チューブ36を介して供給されたインクを印刷ヘッド38に中継する。印刷ヘッド38は、供給されたインクをインク滴として吐出する。
ここで、印刷ヘッド38について詳細を説明する。印刷ヘッド38は、底面図である図5に示すように、ノズル面41を有している。ノズル面41には、インク滴を吐出する複数のノズル42が形成されている。なお、図5では、ノズル42をわかりやすく示すため、ノズル42が誇張され、且つノズル42の個数が減じられている。印刷ヘッド38において、複数のノズル42は、X軸に沿って配列する8本のノズル列43を構成している。8本のノズル列43は、Y軸に沿って互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列43において、複数のノズル42は、X軸に沿って所定のノズル間隔Lで形成されている。以下において、8本のノズル列43のそれぞれが識別される場合に、8本のノズル列43は、それぞれ、ノズル列43A、ノズル列43B、ノズル列43C、ノズル列43D、ノズル列43E、ノズル列43F、ノズル列43G、及びノズル列43Hと表記される。
印刷ヘッド38において、ノズル列43Aとノズル列43Bとは、互いにX軸に沿ってL/2の距離だけずれている。ノズル列43C及びノズル列43Dも、互いにX軸に沿ってL/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列43E及びノズル列43Fも、互いにX軸に沿ってL/2の距離だけずれており、ノズル列43G及びノズル列43Hも、互いにX軸に沿ってL/2の距離だけずれている。印刷ヘッド38において、8本のノズル列43は、インクの種類ごとに区分されている。本実施形態では、ノズル列43A及びノズル列43Bに属するノズル42は、ブラック(K)のインクをインク滴として吐出する。ノズル列43C及びノズル列43Dに属するノズル42は、シアン(C)のインクをインク滴として吐出する。ノズル列43E及びノズル列43Fに属するノズル42は、マゼンタ(M)のインクをインク滴として吐出する。ノズル列43G及びノズル列43Hに属するノズル42は、イエロー(Y)のインクをインク滴として吐出する。
ノズル面41において、複数のノズル42は、ノズル形成部44に形成されている。ノズル形成部44は、複数のノズル42のうちインク滴の吐出を行うすべてのノズル42を包含する領域である。また、ノズル形成部44は、包含するノズル42のうち最外縁に位置する複数のノズル42の外縁を最短距離で結ぶことによって囲まれる領域である。ノズル形成部44は、包含するノズル42のうち最外縁に位置する複数のノズル42によって規定される。ノズル形成部44を規定する複数のノズル42には、供給チューブ36に連通しないものが含まれない。本実施形態では、図1に示す液体噴射システム1において、排紙部11が設けられている正面13側が前側と定義され、正面13側とは反対側が後側と定義される。そして、本実施形態では、ノズル面41の底面図(図5)において、ノズル形成部44のうち最もY軸方向側に位置する部位、すなわち液体噴射システム1の前側に位置する部位が、ノズル形成部44の前端45と定義される。また、ノズル形成部44のうち最も−Y軸方向側に位置する部位が、ノズル形成部44の後端46と定義される。
また、示すプリンター3は、図4に示すように、媒体搬送機構(図示せず)と、ヘッド搬送機構(図示せず)と、を有している。媒体搬送機構は、図示しないモーターからの動力によって搬送ローラー51(図4)を駆動することによって、印刷媒体PをY軸方向に沿って搬送する。ヘッド搬送機構は、モーター53からの動力をタイミングベルト55を介してキャリッジ37に伝達することによって、キャリッジ37をX軸方向に沿って搬送する。印刷ヘッド38は、キャリッジ37に搭載されている。このため、印刷ヘッド38は、ヘッド搬送機構によって、キャリッジ37を介してX軸方向に搬送され得る。なお、印刷ヘッド38は、印刷媒体Pに対面した状態でキャリッジ37に支持されている。媒体搬送機構及びヘッド搬送機構によって、印刷媒体Pに対する印刷ヘッド38の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド38からインクを吐出することによって印刷媒体Pに印刷が施される。
タンク9について説明する。タンク9は、図6に示すように、タンク本体の一例であるケース61と、シート部材63と、を有している。ケース61は、例えば、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂により構成されている。また、シート部材63は、合成樹脂(例えば、ナイロンや、ポリプロピレン等)によりフィルム状に形成され、可撓性を有する。本実施形態では、シート部材63は、光透過性を有している。タンク9は、ケース61とシート部材63とを接合した構成を有している。ケース61には、接合部64が設けられている。図6では、構成をわかりやすく示すため、接合部64にハッチングが施されている。ケース61の接合部64にシート部材63が接合されている。本実施形態では、溶着によってケース61とシート部材63とが接合されている。
タンク9は、図7に示すように、収容部65と、連通部67と、を有している。連通部67は、大気室68と、連通路73と、を有している。タンク9では、収容部65内にインクが収容される。なお、図7では、シート部材63側からタンク9を見た状態が示されており、シート部材63越しにケース61が図示されている。収容部65と、大気室68と、連通路73とは、接合部64によって相互に仕切られている。ケース61は、基礎壁80と、第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87と、を有している。第2壁82の収容部65側とは反対側に、大気室68と、連通路73の一部と、が配置されている。基礎壁80をシート部材63側から平面視したときに、収容部65は、第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とによって囲まれている。なお、第4壁84が、第2ケース7の窓部21に対面する。つまり、タンク9では、第4壁84に、光透過性を有する部位が含まれている。
また、基礎壁80をシート部材63側から平面視したときに、大気室68が、第2壁82と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とによって囲まれている。なお、収容部65の基礎壁80と、大気室68の基礎壁80とは、互いに同一の壁である。つまり、本実施形態では、収容部65と、大気室68とが、基礎壁80を共有している。第1壁81、第2壁82、第3壁83、及び第4壁84は、図8に示すように、それぞれ、基礎壁80に交差している。第2壁82は、第1壁81よりもZ軸方向側に位置している。第1壁81と第2壁82とは、基礎壁80を挟んで互いに対向している。第4壁84は、第3壁83よりもX軸方向側に位置している。第3壁83と第4壁84とは、基礎壁80を挟んで互いに対向している。第3壁83は、第1壁81及び第2壁82のそれぞれに交差している。第4壁84も、第1壁81及び第2壁82のそれぞれに交差している。
第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とは、基礎壁80から−Y軸方向に突出している。これにより、基礎壁80を主壁として、主壁から−Y軸方向に伸びる第1壁81と、第2壁82と、第3壁83と、第4壁84とによって凹部91が構成される。凹部91は、Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部91は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図6)側に向かって開口している。換言すれば、凹部91は、Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図6)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部91がシート部材63によって塞がれて、収容部65が構成される。なお、基礎壁80、第1壁81〜第7壁87は、それぞれ、平坦な壁に限られず、凹凸を含むものであってもよい。
第5壁85は、図7に示すように、第2壁82から、第2壁82の第1壁81側とは反対側、すなわち第2壁82の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86は、第2壁82から、第2壁82の第1壁81側とは反対側、すなわち第2壁82の+Z軸方向側に向かって突出している。第6壁86は、第5壁85よりもX軸方向側に位置している。第5壁85と、第6壁86とは、大気室68を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第7壁87は、第2壁82よりもZ軸方向側に位置している。第2壁82と第7壁87とは、大気室68を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。第5壁85は、第2壁82及び第7壁87のそれぞれに交差している。第6壁86も、第2壁82及び第7壁87のそれぞれに交差している。
図8に示すように、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とは、基礎壁80から−Y軸方向に突出している。これにより、基礎壁80を主壁として、主壁から−Y軸方向に伸びる第2壁82と、第5壁85と、第6壁86と、第7壁87とによって凹部99が構成される。凹部99は、Y軸方向に向かって凹となる向きに構成されている。凹部99は、−Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図6)側に向かって開口している。換言すれば、凹部99は、Y軸方向に向かって、すなわちシート部材63(図6)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられている。そして、ケース61にシート部材63が接合されると、凹部99がシート部材63によって塞がれて、大気室68が構成される。なお、第1壁81〜第7壁87の基礎壁80からの突出量は、相互に同じ突出量に設定されている。
第3壁83と第5壁85とは、段差を有している。第3壁83は、第5壁85よりも第4壁84側、すなわち第5壁85よりもX軸方向側に位置している。また、第4壁84と第6壁86とは、段差を有している。第6壁86は、第4壁84よりも第3壁83側、すなわち第4壁84よりも−X軸方向側に位置している。そして、基礎壁80をシート部材63側から平面視した状態で、第4壁84と第6壁86との間にインク注入部101が設けられている。インク注入部101は、第2壁82に設けられている。
図8に示すように、ケース61には、張り出し部105が設けられている。連通路73は、張り出し部105に設けられている。張り出し部105は、第2壁82のうち第6壁86よりもX軸方向側の領域において、凹部91の開口の縁に沿って第2壁82からZ軸方向側に向かって張り出した部位105Aを有する。部位105Aは、第6壁86において、凹部99の開口の縁に沿って第6壁86からX軸方向側に向かって張り出してもいる。また、張り出し部105は、第7壁87からZ軸方向側に向かって張り出した部位105Bを有する。また、張り出し部105は、第5壁85において、凹部99の開口の縁に沿って第5壁85から−X軸方向側に向かって張り出した部位105Cを有する。また、張り出し部105は、第3壁83において、凹部91の開口の縁に沿って第3壁83から−X軸方向側に向かって張り出した部位105Dを有する。連通路73は、張り出し部105に、シート部材63(図6)側とは反対側に向かって凹となる向きに設けられた溝108として構成されている。
ここで、図8に示すように、凹部91内には、凹部109が設けられている。凹部109は、第8壁111と、第9壁112と、第10壁113と、第4壁84とによって囲まれている。凹部109は、第1壁81から第1壁81の第2壁82側とは反対側に向かって、すなわち第1壁81から−Z軸方向側に向かって凹となる向きに設けられている。第8壁111及び第9壁112は、それぞれ、第1壁81に設けられており、第1壁81から第1壁81の第2壁82側とは反対側に向かって、すなわち第1壁81から−Z軸方向側に向かって突出している。
第8壁111は、第4壁84と第3壁83との間に位置しており、第10壁113を挟んで第4壁84に対向している。第9壁112は、基礎壁80とシート部材63(図6)との間に位置しており、第10壁113を挟んでシート部材63に対向している。第10壁113は、第1壁81よりも第2壁82側とは反対側、すなわち第1壁81よりも−Z軸方向側に位置している。第10壁113は、第2壁82に対向している。第8壁111は、第1壁81と第9壁112と第10壁113とに交差している。第9壁112は、第1壁81と第4壁84と第10壁113とに交差している。第10壁113は、第4壁84に交差している。
図8に示すように、凹部109を囲む第8壁111と、第9壁112と、第10壁113と、第4壁84とが供給部114を構成する。供給部114には、接続部115が設けられている。接続部115は、第8壁111に設けられている。接続部115は、第8壁111の凹部109側とは反対側に設けられている。接続部115は、第8壁111から凹部109側とは反対側に向かって、すなわち第8壁111から第3壁83側に向かって突出している。接続部115は、図9に示すように、筒状に形成されている。接続部115には、供給口116が形成されている。供給口116は、接続部115に形成された開口であり、タンク9からのインクの出口である。接続部115には、供給チューブ36(図4)が接続される。タンク9に収容されたインクは、接続部115から供給口116を経て供給チューブ36に送出される。供給チューブ36に送出されたインクは、供給チューブ36によって印刷ヘッド38に導かれる。
また、図8に示すように、第7壁87には、大気連通口118が設けられている。大気連通口118は、第7壁87から、第7壁87の第2壁82側とは反対側、すなわち第7壁87のZ軸方向側に突出している。大気連通口118は、第7壁87を平面視したときに、すなわち第7壁87をXY平面で平面視したときに、凹部99に重なる位置に設けられている。大気連通口118は、ケース61の外側と凹部99の内側とを連通させる。大気連通口118は、ケース61の外側の大気を凹部99の内側に導入可能な大気の通路である。なお、ケース61において、接合部64は、凹部91、凹部99、凹部109、及び連通路73のそれぞれの輪郭に沿って設けられている。
シート部材63は、図6に示すように、第1壁81〜第7壁87を挟んで基礎壁80に対面している。シート部材63は、平面視で、凹部91、凹部99、凹部109及び張り出し部105(図8)を覆う大きさを有している。シート部材63は、接合部64に溶着されている。これにより、凹部91、凹部99、凹部109、及び連通路73が、シート部材63によって封止される。このため、シート部材63は、ケース61に対する蓋であるともみなされ得る。
連通路73は、図7に示すように、連通口121と、連通口122と、を有している。連通口121は、大気室68の内側に向かって開口する開口部である。連通口122は、収容部65の内側に向かって開口する開口部である。大気室68は、連通口121から連通路73を介して連通口122を経て収容部65に通じている。上記により、収容部65は、連通路73、大気室68、及び大気連通口118を介してタンク9の外部に通じている。つまり、連通部67は、大気連通口118と収容部65との間を連通させている。大気連通口118から大気室68内に流入した大気は、連通路73を介して収容部65内に流入する。
インク注入部101は、第2壁82に設けられている。インク注入部101は、図8に示すように、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた凹部131内に設けられている。前述したように、張り出し部105は、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。また、第6壁86も、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。同様に、本実施形態では、基礎壁80及び第4壁84も、それぞれ、第2壁82よりも第7壁87側に突出している。そして、張り出し部105は、第6壁86及び第4壁84の双方に交差している。また、基礎壁80は、第4壁84及び第6壁86の双方に交差している。このため、第2壁82のうち第6壁86よりも第4壁84側の領域は、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた凹部131を構成している。凹部131は、第2壁82側から第1壁81側に向かって凹となる向きに設けられている。
上記の構成により、インク注入部101は、第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれている。換言すれば、第2壁82のうち第6壁86と張り出し部105と第4壁84と基礎壁80とによって囲まれた領域内にインク注入部101が設けられている。そして、凹部131は、インク受け部の機能を有する。インク受け部は、例えば、インク注入部101から溢れたインクや、注入の際に垂れ落ちたインクを受けることができる。このように、凹部131は、インクを受けるインク受け部としての機能を有する。
インク注入部101は、インク注入部101、供給口116及び大気連通口118をXZ平面で切断したときの断面図である図10に示すように、開口132と、側壁133と、を有している。開口132は、第2壁82に設けられた貫通孔である。開口132は、インク注入部101と凹部91(収容部65)の交差する交差部でもある。インク注入部101の構成としては、側壁133が凹部91(収容部65)の内側に突出している構成も採用され得る。側壁133が凹部91(収容部65)の内側に突出している構成においても、インク注入部101と凹部91(収容部65)の交差する交差部を開口132と定義する。凹部91は、貫通孔である開口132を介して凹部91の外側に通じている。側壁133は、第2壁82の第1壁81側とは反対側に設けられており、開口132の周囲を囲み、インク注入路を形成している。側壁133は、第2壁82から第1壁81側とは反対側に向かって突出している。なお、本実施形態では、側壁133は、基礎壁80及び第4壁84のそれぞれよりも第1壁81側とは反対側に突出している。側壁133によって、凹部131に溜まったインクが開口132に流入することを妨げることができる。
タンク9では、タンク9をシート部材63側から見たときの側面図である図11に示すように、収容部65の内部にインク141が収容される。図11では、構成をわかりやすく示すため、シート部材63の図示が省略され、且つ接合部64にハッチングが施されている。収容部65内のインク141は、接続部115に形成された供給口116(図10)から印刷ヘッド38に供給される。本実施形態では、液体噴射システム1を印刷に使用する状態において、供給口116に供給チューブ36が接続され、インク注入部101にキャップ143がされる。収容部65内のインク141は、中継ユニット39を介して供給チューブ36内を吸引することによって、供給口116から印刷ヘッド38に到達する。
印刷ヘッド38による印刷にともなって収容部65内のインク141が印刷ヘッド38側に送られる。このため、印刷ヘッド38による印刷にともなって、収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなる。収容部65内の圧力が大気圧よりも低くなると、大気室68内の大気が連通路73を通って収容部65内に流入する。これにより、収容部65内の圧力が大気圧に保たれやすい。上記により、タンク9内のインク141が印刷ヘッド38に供給される。タンク9における収容部65内のインク141が消費され、インク141の残量が少なくなると、作業者は、インク注入部101から新たなインクを収容部65内に補充することができる。
連通路73は、図12に示すように、第1通路151と、第2通路152と、第3通路153と、第4通路154と、第5通路155と、第6通路156と、に区分され得る。第1通路151は、連通口121を起点として、第2壁82に沿って、すなわちX軸方向に沿って第4壁84に向かっている。第1通路151は、連通口121から反転部161に至っている。反転部161は、連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部161では、流路の向きがX軸方向から−X軸方向に反転する。なお、大気連通口118から収容部65に至る大気の経路において、大気連通口118側を上流側とし、連通口122側を下流側とする。
第2通路152は、反転部161から第1通路151の延在方向に沿って、すなわち−X軸方向に沿って第6壁86に向かっている。第2通路152は、反転部161から屈曲部162に至っている。屈曲部162は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部162では、流路の向きが−X軸方向からZ軸方向に屈曲する。第3通路153は、屈曲部162から第6壁86に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第7壁87に向かっている。第3通路153は、屈曲部162から屈曲部163に至っている。屈曲部163は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部163では、流路の向きがZ軸方向から−X軸方向に屈曲する。
第4通路154は、屈曲部163から第7壁87に沿って、すなわち−X軸方向に沿って第5壁85に向かっている。第4通路154は、大気室68よりもZ軸方向側(上方)に位置している。第4通路154は、屈曲部163から屈曲部164に至っている。屈曲部164は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。屈曲部164では、流路の向きが−X軸方向から−Z軸方向に屈曲する。第5通路155は、屈曲部164から第5壁85に沿って、すなわち−Z軸方向に沿って第1壁81に向かっている。第5通路155は、屈曲部164から反転部165に至っている。
上述したように、第4通路154が大気室68よりも上方に位置している。つまり、連通路73の一部が大気室68よりも上方に位置している。この構成によれば、収容部65から連通路73内に流入したインクは、重力の作用によって大気室68よりも上方に上昇しにくい。このため、収容部65から連通路73内に流入したインクが大気室68に到達しにくい。この結果、収容部65から連通路73内に流入したインクがタンク9から漏れ出ることを抑制しやすい。
また、タンク9では、第3通路153と第5通路155とが、大気室68を挟んで互いに反対側に位置している。この構成によれば、大気室68の周辺の空間を利用して、大気室68の周囲を取り巻くように連通路73を形成することで、連通路73の経路を長くすることができる。連通路73の経路を長くすることは、収容部65内のインクの液体成分を蒸発させにくくするという観点や、収容部65から連通路73内に流入したインクを大気室68に到達させにくくするという観点などから好ましい。
反転部165は、連通路73における流路の向きが反転する部位である。反転部165では、流路の向きが−Z軸方向から+Z軸方向に反転する。第6通路156は、反転部165から第3壁83に沿って、すなわちZ軸方向に沿って第2壁82に向かっている。第6通路156は、反転部165から屈曲部166を経て連通口122に至っている。屈曲部166は、連通路73における流路の向きが屈曲する部位である。連通路73は、屈曲部166において流路の向きが+Z軸方向からX軸方向に屈曲してから、連通口122を介して収容部65内に通じている。
本実施形態では、液体噴射システム1を水平面に沿って載置した使用状態における姿勢(使用姿勢と呼ぶ)において、印刷ヘッド38のノズル面41は、図13に示すように、タンク9の上限マーク28よりも上方に位置する。このため、タンク9内のインクの量が上限を超えなければ、タンク9内のインクの液面171がノズル面41よりも下方に位置する。このため、タンク9における水頭が、印刷ヘッド38における水頭よりも低い。これにより、ノズル42(図5)近傍のインクがタンク9に収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。さらに、本実施形態では、ノズル面41は、第2壁82の内壁82Aよりも上方に位置する。このため、インクが上限マーク28を超えてタンク9内に注入されても、インクの液面171がノズル面41よりも下方に位置する。これにより、ノズル42からインクが流出することを一層抑制することができる。
印刷ヘッド38に対するタンク9の位置の実施例について説明する。ここでは、印刷ヘッド38に対するタンク9のY軸に沿った位置の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す液体噴射システム1の正面13が鉛直上方に向けられた第1の姿勢において、図14に示すように、タンク9内のインクの液面171がノズル面41のノズル形成部44のうち後端46よりも低くなるように、4つのタンク9が配置されている。なお、第1の姿勢では、Y軸方向が鉛直上方向となり、−Y軸方向が鉛直下方向となる。この第1の姿勢では、図5に示す複数のノズル42が水平方向を向き、且つノズル形成部44の前端45が後端46よりも上方に位置する。
実施例1では、第1の姿勢において、タンク9内のインクの液面171がノズル形成部44の後端46よりも低くなるように、タンク9が配置されているので、インクの液面171が複数のノズル42(図5)よりも下方に位置する。このため、タンク9における水頭が、印刷ヘッド38における水頭よりも低い。これにより、ノズル42近傍のインクがタンク9に収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。これにより、第1の姿勢において、タンク9と印刷ヘッド38との間のインクの流路を閉じなくてもノズル42からインクが流出する可能性を低減することができる。
さらに、実施例1では、図1に示す液体噴射システム1の正面13が鉛直下方に向けられた第2の姿勢において、図15に示すように、タンク9内のインクの液面171がノズル面41のノズル形成部44のうち後端46よりも高くなる位置にタンク9が配置されている。さらに、第2の姿勢において、タンク9の接続部115が液面171よりも高くなるように、タンク9が配置されている。なお、第2の姿勢では、−Y軸方向が鉛直上方向となり、Y軸方向が鉛直下方向となる。この第2の姿勢では、図5に示す複数のノズル42が水平方向を向き、且つノズル形成部44の前端45が後端46よりも下方に位置する。
実施例1では、第2の姿勢において液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の接続部115が液面171よりも高くなる。つまり、実施例1では、第2の姿勢において液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の供給口116(図9)が液面171よりも高くなる。これにより、タンク9に収容されたインクの水頭による圧力を供給口116で遮断しやすい。このため、ノズル42近傍のインクがタンク9に収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。このため、実施例1では、第2の姿勢においても、タンク9と印刷ヘッド38との間のインクの流路を閉じなくてもノズル42からインクが流出する可能性を低減することができる。
上記の実施例1において、タンクユニット5を構成する4つのタンク9が液体収容体に対応している。実施例1では、タンクユニット5を構成する4つのタンク9が相互に独立して設けられている。しかしながら、タンクユニット5の構成は、これに限定されない。タンクユニット5の構成としては、例えば、タンクユニット5を構成する4つのタンク9を一体にした構成も採用され得る。4つのタンク9を一体にする構成としては、例えば、4つのタンク9を相互につなぎ合わせる(結合させる)ことによって一体にする構成が採用され得る。また、4つのタンク9を一体にする構成としては、例えば、4つのタンク9を一体成形などで一体に形成し、内部を4つの部屋に仕切る構成も採用され得る。この場合、内部を仕切って構成される4つの部屋のそれぞれが液体収容部に対応する。また、液体収容体や液体収容部の個数は、それぞれ、複数(2以上)であっても1つであってもよい。
(実施例2)
実施例2では、4つのタンク9が、図16に示すように、第1グループ173と、第2グループ174とに区分されている。実施例2では、4つのタンク9のうちタンク9A及びタンク9Bの2つのタンク9が、第1グループ173に属している。また、4つのタンク9のうちタンク9C及びタンク9Dの2つのタンク9が、第2グループ174に属している。実施例2では、第1の姿勢において、第1グループ173に属するタンク9内のインクの液面171がノズル面41のノズル形成部44のうち後端46よりも低くなるように、タンク9A及びタンク9Bが配置されている。また、第1の姿勢において、第2グループ174に属するタンク9内のインクの液面171がノズル形成部44の前端45よりも高くなる位置にタンク9C及びタンク9Dが配置されている。さらに、第1の姿勢において、第2グループ174に属するタンク9の接続部115が液面171よりも高くなるように、タンク9C及びタンク9Dが配置されている。
実施例2では、第1の姿勢において、第1グループ173に属するタンク9内のインクの液面171がノズル形成部44の後端46よりも低くなるように、タンク9A及びタンク9Bが配置されている。このため、タンク9A及びタンク9Bにおけるインクの液面171が複数のノズル42(図5)よりも下方に位置する。よって、タンク9A及びタンク9Bにおける水頭が、印刷ヘッド38における水頭よりも低い。これにより、ノズル42近傍のインクがタンク9A及びタンク9Bに収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。
さらに、実施例2では、第1の姿勢において第2グループ174に属するタンク9内の液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の接続部115が液面171よりも高くなる。つまり、実施例2では、第1の姿勢において第2グループ174に属するタンク9内の液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の供給口116(図9)が液面171よりも高くなる。これにより、タンク9C及びタンク9Dに収容されたインクの水頭による圧力を供給口116で遮断しやすい。このため、ノズル42近傍のインクがタンク9C及びタンク9Dに収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。上記の結果、実施例2では、第1の姿勢において、タンク9と印刷ヘッド38との間のインクの流路を閉じなくてもノズル42からインクが流出する可能性を低減することができる。
さらに、実施例2では、図17に示すように、第2の姿勢において、第2グループ174に属するタンク9内のインクの液面171がノズル面41のノズル形成部44のうち前端45よりも低くなるように、タンク9C及びタンク9Dが配置されている。また、第2の姿勢において、第1グループ173に属するタンク9内のインクの液面171がノズル形成部44の後端46よりも高くなる位置にタンク9A及びタンク9Bが配置されている。さらに、第2の姿勢において、第1グループ173に属するタンク9の接続部115が液面171よりも高くなるように、タンク9A及びタンク9Bが配置されている。
実施例2では、第2の姿勢において、第2グループ174に属するタンク9内のインクの液面171がノズル形成部44の前端45よりも低くなるように、タンク9C及びタンク9Dが配置されている。このため、タンク9C及びタンク9Dにおけるインクの液面171が複数のノズル42(図5)よりも下方に位置する。よって、タンク9C及びタンク9Dにおける水頭が、印刷ヘッド38における水頭よりも低い。これにより、ノズル42近傍のインクがタンク9C及びタンク9Dに収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。
さらに、実施例2では、第2の姿勢において第1グループ173に属するタンク9内の液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の接続部115が液面171よりも高くなる。つまり、実施例2では、第2の姿勢において第1グループ173に属するタンク9内の液面171がノズル形成部44よりも高くなっても、タンク9の供給口116(図9)が液面171よりも高くなる。これにより、タンク9A及びタンク9Bに収容されたインクの水頭による圧力を供給口116で遮断しやすい。このため、ノズル42近傍のインクがタンク9A及びタンク9Bに収容されたインクによって加圧されることを抑えやすい。この結果、ノズル42からインクが流出することを抑制することができる。上記の結果、実施例2では、第2の姿勢においても、タンク9と印刷ヘッド38との間のインクの流路を閉じなくてもノズル42からインクが流出する可能性を低減することができる。
上記の実施例2の構成を実現する態様は、第1グループ173に属するタンク9と、第2グループ174に属するタンク9とを、印刷ヘッド38のノズル形成部44を挟んで対称に配置することである。第1グループ173に属するタンク9と、第2グループ174に属するタンク9とは、印刷ヘッド38のノズル形成部44をY軸に沿って挟んで互いに対称に位置している。別の観点から、第1グループ173に属するタンク9と、第2グループ174に属するタンク9とは、ノズル形成部44の前端45と後端46との間の領域を、前端45と後端46とを結ぶ方向である前後方向(Y軸が延在する方向)とは交差する方向(X軸が延在する方向)に延長した仮想領域175に対して対称である。つまり、第1グループ173に属するタンク9と、第2グループ174に属するタンク9とは、仮想領域175に対して対称に配置されている。
この配置を採用することによって、実施例2では、第1の姿勢(図16)及び第2の姿勢(図17)の双方において、タンク9と印刷ヘッド38との間のインクの流路を閉じなくてもノズル42からインクが流出する可能性を低減することができる。また、この配置を採用することによって、第1グループ173に属するタンク9と、第2グループ174に属するタンク9とを、印刷ヘッド38を挟んで前後方向に並べて配置することができる。なお、実施例2において、第1グループ173に属するタンク9が第1の液体収容部に対応し、第2グループ174に属するタンク9が第2の液体収容部に対応している。また、実施例2において、第1グループ173に属するタンク9の個数と、第2グループ174に属するタンク9の個数とは、それぞれ、2つに限定されず、1つでも3つ以上でもよい。
実施例2では、タンクユニット5を構成する4つのタンク9が相互に独立して設けられている。しかしながら、タンクユニット5の構成は、これに限定されない。タンクユニット5の構成としては、例えば、タンクユニット5を構成する4つのタンク9を一体にした構成も採用され得る。4つのタンク9を一体にする構成としては、例えば、4つのタンク9を相互につなぎ合わせる(結合させる)ことによって一体にする構成が採用され得る。また、4つのタンク9を一体にする構成としては、例えば、4つのタンク9を一体成形などで一体に形成し、内部を4つの部屋に仕切る構成も採用され得る。この場合、内部を仕切って構成される4つの部屋のそれぞれが液体収容部に対応する。また、液体収容体や液体収容部の個数は、それぞれ、複数(2以上)であっても1つであってもよい。
上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。