JP6366399B2 - 加熱定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材に形成担持させた未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置に関するものである。記録材には、転写材、印字用紙、感光紙、静電記録紙等が挙げられる。
従来、電子写真方式などの複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に具備させる定着装置は、記録材の表面上に形成された未定着トナー像を加熱して溶融させ、被加熱部材としての記録材上にトナーを固着させる為のものである。
加熱部材を加熱する方法としてはハロゲンランプやセラミックヒータ等の加熱ヒータの熱により加熱部材を加熱する方法や、励磁コイルにより発生した磁場により加熱部材中に電流を発生させ、その際のジュール熱により加熱する電磁誘導加熱方式がある。
電磁誘導加熱方式は加熱部材自体が発熱するため、加熱ヒータにより外部から熱を与えて加熱部材を加熱させる方式と比較し、加熱部材の温度上昇速度や加熱部材への熱供給効率が有利であると考えられている。
図40に特許文献1に記載の電磁誘導加熱方式の一例を示す。ここでは、円筒状の回転体である加熱部材20を、加熱部材20のガイド部材23の外側にルーズに外嵌させてある。前記加熱部材20の前記ガイド部材23は、磁場発生手段としての磁性コア21と励磁コイル22を内側に保持している。前記励磁コイル22には不図示の励磁回路を接続してあり、前記励磁回路は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生させる。前記励磁コイル22は前記励磁回路から供給される交流電流によって、前記加熱部材20を厚み方向で貫く方向に交番磁束を発生する。
また、前記ガイド部材23には、摺動部材24がニップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、前記加熱部材20の内側に配設してある。加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動し、前記加熱部材20の外面との摩擦力で前記加熱部材20に回転力が作用する。
出力電力の制御は前記励磁コイルに流れる電流の駆動周波数の調整で行う。図39は駆動周波数と出力電力の関係を表した図である。駆動周波数が大きくなるにつれて出力電力は減少する。前記加熱部材の温度が目標温度よりも低い場合は、駆動周波数を低く設定し、電力を上げることにより前記加熱部材温度を目標温度近くまで急速に昇温させる。一方、前記加熱部材温度が目標温度付近の場合は駆動周波数を高く設定して電力を抑えて定常状態を保つ。このよう駆動周波数を制御することにより電力を調整する方式が、電磁誘導加熱方式で加熱部材の温度を制御する方式においては一般的である。
そして、この定常状態において、ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入されて挟持搬送されることにより、トナー像Tが記録材Pに固着像として熱圧定着される。
特開2000−223253号公報
図38に別の構成の電磁誘導加熱方式の加熱部材の一例を示す。ここでは、回転体である円筒状の加熱部材1の内部に、前記加熱部材1の回転軸線方向Xに磁性コア2が挿通され、前記磁性コア2の周囲に励磁コイル3が巻き回されている。したがって、ここでは前記励磁コイル3に交流電流を流した時に前記加熱部材1の回転軸方向Xに磁力線が生成される。この磁力線により前記加熱部材1の回転方向に誘導電流が流れ、そのジュール熱で前記加熱部材が発熱する。
16は励磁コイル3に交流電流を供給する励磁回路としての高周波コンバータである。3a,3bは給電接点部、9,10,11は加熱部材1の長手中央および両端部の対向位置に配設された温度検知素子である。
図38で示したような構成の電磁誘導加熱方式について、製造個体差によって前記加熱部材1の電磁誘導発熱する基層(導電性部材)の厚みが異なった場合を考える。たとえば、基層の厚みとして35μmを設計中心とした場合、製造の個体差により、場合によっては30〜40μmの範囲で振れる場合がある。または同様に製造個体差により電気抵抗率が異なった場合において、前記加熱部材1の長手温度分布が異なることが判明した。この現象は、図40で説明した電磁誘導加熱方式の場合においては見られなかった現象である。
図35は加熱部材(定着スリーブ)1の基層の厚みの違いによる温度分布の差、図36は電気抵抗率の違いによる温度分布の差を示したものである。本現象については後述するが、加熱部材1の基層の厚みや電気抵抗によって長手温度分布が異なるため、加熱部材の基層の厚みや電気抵抗によっては、所定の長手温度分布が得られず、長手に一様な定着性能が得られない場合が発生する。理想的には加熱部材1の基層の厚みや電気抵抗自体の振れを抑えることで、所定の長手温度分布を得ることが可能であるが、実際には製造上の振れを抑える事は困難である。
本発明は、電磁誘導加熱方式の加熱定着装置における上記の問題点を解決する。即ち、その目的は、加熱部材である回転体の導電層の厚みや電気抵抗によらず、長手方向に一様な定着性能が得られる加熱定着装置を提供することである。
(1)上記の目的を達成するための本発明に係る加熱定着装置の代表的な構成は、
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
前記回転体の長手方向の温度分布を取得する温度分布取得部と、
前記温度分布取得部の取得結果に基づいて、前記周波数設定部により周波数を調整することで前記回転体の長手方向の温度分布を所定の温度分布にする制御部と、を有し、
前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする。
(2)上記の目的を達成するための本発明に係る加熱定着装置の他の代表的な構成は、
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
前記回転体の長手方向において互いに異なる部位の温度を検出する少なくとも2つ以上の温度検知素子と、
前記少なくとも2つ以上の温度検知素子で検出される前記回転体の温度の温度差が所定の温度差になるように前記周波数設定部により周波数を調整することで前記回転体の長手方向の温度分布を調整する制御部と、を有し、
前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする。
(3)上記の目的を達成するための本発明に係る加熱定着装置の更に他の代表的な構成は、
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
事前に前記導電層の厚みを測定して得られた厚み結果をもとに前記回転体の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする。
(4)上記の目的を達成するための本発明に係る加熱定着装置の更に他の代表的な構成は、
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
事前に前記導電層の電気抵抗を測定して得られた電気抵抗結果をもとに、前記回転体の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする。
(5)上記の目的を達成するための本発明に係る加熱定着装置の更に他の代表的な構成は、
導電層を有する筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
外部の温度分布検出部によって事前に得られた温度分布情報をもとに、前記回転体の長手方向の温度分布を所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする。
本発明によれば、前記周波数を制御することで温度検知手段の検出する温度差を所定の温度差以下に制御することが可能になる。また、回転体の導電層の厚み、電気抵抗を測定し、その結果に応じた周波数に制御することで長手方向の温度差を所定の温度差以下にすることが可能になる。このように、周波数を制御することで、回転体の長手方向の温度差を所定の温度差以下にすることが可能になり、長手方向で一様な定着性能を得ることが可能な加熱定着装置を提供することができる。
画像形成装置の概略構成図 定着装置の要部の横断側面模型図 定着装置の要部の正面模型図 定着装置の要部の斜視図 励磁コイルに電流を流した時の磁力線を示す図 断面構成を説明する図 図5、図6に示した構成における磁気等価回路 磁性コアの長手方向の構成図 電力変換効率測定の実験装置図 電力変換効率を説明するグラフ 長手方向不均一な断面構成の場合を説明する図 長手方向不均一な断面構成の場合を説明する図 駆動周波数と長手発熱分布の関係を示した図 励磁コイルに矢印の向きの電流を流した場合の磁界を示す図 発熱層に流れる周回電流を示す図 1次コイルと2次コイルを巻いた形状の同心軸トランスの磁気結合を示す図 等価回路を示す図 等価回路を示す図 励磁コイルの巻間隔を示した図 発熱量分布を示す図 磁性コア両端部において「見かけの透磁率μ」が低くなる現象のイメージ図 一様な磁界中にフェライトと空気を配置した場合の磁束の形状図 磁性コア2にコイルをスキャンする説明図 閉磁路を形成した場合の説明図 3分割した発熱層の配置図 等価回路図 更に簡略化した等価回路図 更に簡略化した等価回路図 XeとXcの周波数特性をグラフにプロットした図 QeとQcの周波数特性をグラフにプロットした図 中央、端部の発熱量を示す図 駆動周波数により出力電力が変化する特性を示す図 出力100%と出力50%の波形を示す図 出力100%と出力50%の波形を示す図 定着スリーブ厚みと長手発熱分布の関係を示した図 定着スリーブ電気抵抗と長手発熱分布の関係を示した図 定着スリーブ違いのXeとXcの周波数特性をグラフにプロットした図 別の構成の電磁誘導加熱方式の定着装置の要部斜視図 従来例における駆動周波数と出力電力の関係を示す図 従来例の電磁誘導加熱方式の定着装置を説明する概略断面図
《実施例1》
この発明の実施形態を例示的に詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置などは、特に特定な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<画像形成装置の全体構成>
図1は本実施例の定着装置を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタである。
101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナであり、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力されるデジタル画素信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101の表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム表面の静電潜像は、可転写像であるトナー像として順次に現像される。105は給送カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給送スタート信号に基づいて給送ローラ106が駆動されて、給送カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給送される。そして、レジストローラ対107を介して、感光体ドラム101と接触して従動回転する転写ローラ108との当接ニップ部である転写部位108Tに、所定のタイミングで導入される。
すなわち、感光体ドラム101上のトナー像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写部位108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。その後、記録材Pは転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写部位108Tにおいて感光体ドラム表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。
転写後の記録材Pは、感光体ドラム表面から分離されて搬送ガイド109を通り像加熱装置としての定着装置(加熱定着装置)113に導入される。定着装置113では、トナー画像の熱定着処理を受ける。一方、記録材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム表面はクリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。定着装置113を通った記録材Pは、排出口111から排出トレイ112上に排出される。
<定着装置の構成>
本実施例において、定着装置113は電磁誘導加熱方式の装置である。図2は本例の定着装置113の要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の斜視図である。
加圧回転体としての加圧ローラ8は、芯金8aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させたシリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層8bとで構成されており、表層に離型層8cを設けてある。弾性層8bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。芯金8aの両端部は装置の不図示のシャーシ側板金間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。
また、加圧用ステイ5の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材18a、18b(図3を参照)との間にそれぞれ加圧バネ17a、17b(図3を参照)を縮設することで加圧用ステイ5に、押し下げ力を作用させている。なお、本実施例の定着装置113では、総圧約100N〜250Nの押圧力を与えている。これにより、耐熱性樹脂PPS等で構成されたスリーブガイド部材6の下面と加圧ローラ8の上面とが、導電層を有する筒状の回転体(以降、定着スリーブと記す)1を挟んで圧接して、記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ8は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動し、定着スリーブ1の外面との摩擦力で定着スリーブ1に回転力が作用される。フランジ部材12a・12bはスリーブガイド6の左右両端部(一端側と他端側)に外嵌され、左右位置を規制部材13a・13bで固定されている。そして定着スリーブ1の端部を受けて定着スリーブ1の回転時に定着スリーブ1の長手方向の寄り移動を規制する役目をする。
ここで、定着装置113に関して、正面側とは記録材Pを導入する側である。左右とは定着装置113を正面側から見て左または右である。
フランジ部材12a・12bの材質としては耐熱性の良い材料が好ましい。例えば、
フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,PEEK樹脂,PES樹脂が挙げられる。また、PPS樹脂,フッ素樹脂(PFA,PTFE,FEPなど),LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等が挙げられる。また,これらの樹脂の混合樹脂が挙げられる。
定着スリーブ1は、直径10〜50mmの、基層1a(導電層、導電性部材、ここでは、SUS、ニッケル、鉄等の金属部材)と、その外面に積層した弾性層1bと、その外面に積層した離型層1cの複合構造の筒状の回転体である。この基層1aに後述する励磁コイル3に流れる高周波電流(交番電流、交流電流)によって周期的に極性が反転する交番磁束が作用することにより、基層1aに周回電流が発生して基層1aが発熱する。この熱が弾性層1b、離型層1cに伝達されて、定着スリーブ1全体が加熱され、定着ニップ部Nに導入される記録材Pを加熱して未定着トナー像Tの定着がなされる。
定着スリーブ1の内空部には、定着スリーブ1の母線方向X(図4:定着スリーブ1の長手方向)に長い磁性芯材としての磁性コア2が挿通されている。その磁性コア2の外側に前記母線方向Xに交差する方向に磁性コア2に直接に若しくはボビンなどの他物を介して励磁コイル3が巻き回されている。図4は定着スリーブ1を電磁誘導加熱する磁性コア2と励磁コイル3と、定着スリーブ1の斜視図である。
磁性コア2は、不図示の固定手段で定着スリーブ1の中空部を貫通して配置させている。そして、励磁コイル3にて生成された交流磁界による磁力線を定着スリーブ1内部に誘導し、磁力線の通路(磁路)を形成する部材として機能する。磁性コア2は定着スリーブ1の外側でループを形成せず、磁路の一部が断絶した開磁路を形成している。
励磁コイル3は、通常の単一導線を定着スリーブ1の中空部において、磁性コア2に螺旋状に巻き回して形成される。このように、励磁コイル3は、定着スリーブ1の内空部にて、定着スリーブ1の母線方向Xに交差する方向に巻き回されている。そのため、この励磁コイル3に高周波コンバータ16と給電接点部3a,3bを介して交流電流を流すと、定着スリーブ1の母線方向Xに平行な方向に磁束を発生させることが出来る。
定着装置113の温度検知は、図3・図4に示すように、記録材Pが定着装置113に搬送されてくる側の定着スリーブ長手方向の中央および両端部の定着スリーブ対向位置に配設された非接触型サーミスタの温度検知素子9、10、11によって行われる。
制御部40は定着スリーブ1の長手中央の温度検知素子9によって検出された温度を基に高周波コンバータ16を制御する。これにより、定着スリーブ1は電磁誘導加熱されて表面の温度が所定の目標温度(約150℃〜200℃)に維持・調整される。また、温度検知素子10、11は中央基準搬送される記録材幅中心からそれぞれ記録材幅方向に106mm離れた位置の定着スリーブ表面温度を検知するように配設されている。この温度検知素子10、11により、定着スリーブ表面の長手方向の温度分布を検出することが可能になる。
(1)実施例の定着装置の発熱メカニズム
図5の(a)を用いて本実施例の定着装置の発熱メカニズムについて説明する。コイル3に交流電流を流して生じた磁力線が定着スリーブ1の基層である筒状の導電層1aの内側の磁性コア2の内部を導電層1aの母線方向(SからNに向かう方向)に通過し、コア2の一端(N)から導電層1aの外側に出て磁性コア2の他端(S)に戻る。その結果、導電層1aの内側を導電層1aの母線方向に貫く磁束の増減を妨げる方向の磁力線を発生させる誘導起電力が導電層1aに生じて導電層の周方向に電流が誘導される。この誘導電流によるジュール熱で導電層1aが発熱する。
この導電層1aに生じる誘導起電力Vの大きさは、下記の式(500)から、導電層1aの内部を通過する単位時間当たりの磁束の変化量(Δφ/Δt)及びコイルの巻き数Nに比例する。
V=−N(Δφ/Δt) ・・・(500)
(2)導電層の外側を通る磁束の割合と電力の変換効率との関係
ところで、図5の(a)の磁性コア2はループを形成しておらず端部を有する形状である。図5の(b)のような磁性コア2が導電層1aの外でループを形成している定着装置における磁力線は、磁性コア2に誘導されて導電層1aの内側から外側に出て内側に戻る。
しかしながら、図5の(a)の本実施例のように磁性コア2が端部を有する構成の場合、磁性コア2の端部から出た磁力線を誘導するものはない。そのため、磁性コア2の一端を出た磁力線が磁性コア3の他端に戻る経路(NからS)は、導電層1aの外側を通る外側ルートと、導電層1aの内側を通る内側ルートと、のいずれも通る可能性がある。以後、導電層1aの外側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを外側ルート、導電層1aの内側を通って磁性コア2のNからSに向かうルートを内側ルートと呼ぶ。
この磁性コア2の一端から出た磁力線のうち外側ルートを通る磁力線の割合は、コイル3に投入した電力のうち導電層1aの発熱で消費される電力(電力の変換効率)と相関があり、重要なパラメータである。外側ルートを通る磁力線の割合が増加する程、コイル3に投入した電力のうち導電層1aの発熱で消費される電力の割合(電力の変換効率)は高くなる。
つまり、磁性コア2の一端から出た磁束のうち導電層1aの外側を通って磁性コア2の他端に戻る割合が多い程、導電層1aとコイルとの結合係数が高く、電力の変換効率が高いのである。
この理由は、トランスにおいて漏れ磁束が十分少なく、トランスの1次巻線と2次巻線の中を通過する磁束の数が等しいと電力の変換効率は高くなることと原理は同じである。つまり、本実施例においては、磁性コア2の内部を通過する磁束と、外側ルートを通過する磁束の数が近い程、電力の変換効率は高くなり、コイル3に流した高周波電流を導電層1aの周回電流として効率よく電磁誘導できることになる。
これは、図5の(a)におけるコア2の内部をSからNに向かう磁力線と、内側ルートを通る磁力線は向きが反対であるから、磁性コア2を含めた導電層1aの内側全体で見ると、これらの磁力線は打ち消しあうことになる。その結果、導電層1aの内側全体をSからNに向かって通過する磁力線の数(磁束)が減り単位時間当たりの磁束の変化量が小さくなる。単位時間当たりの磁束の変化量が減少すると、導電層1aに生じる誘導起電力が小さくなり、導電層1aの発熱量が小さくなる。
以上述べたことから、本実施例の定着装置113は必要な電力の変換効率を得るために外側ルートを通る磁力線の割合を管理することが重要になる。
(3)導電層の外側を通る磁束の割合を示す指標
そこで、定着装置113における外側ルートを通る磁力線の割合を磁力線の通り易さをパーミアンスという指標を用いて表す。まず、一般的な磁気回路の考え方について説明する。磁力線が通る磁路の回路を電気回路に対して磁気回路という。磁気回路において磁束を計算する際、電気回路の電流の計算に準じて行うことができる。磁気回路は、電気回路に関するオームの法則が適用可能である。電気回路の電流に対応する磁束をΦと、起電力に対応する起磁力をVと、電気抵抗に対応する磁気抵抗をRと、すると、次の式(501)を満たす。
Φ=V/R ・・・(501)
しかし、ここでは原理をより理解しやすく説明するために磁気抵抗Rの逆数であるパーミアンスPを用いて説明する。パーミアンスPを用いると、上式(501)は次の式(502)ように表せる。
Φ=V×P ・・・(502)
更に、このパーミアンスPは、磁路の長さをBと、磁路の断面積をSと、磁路の透磁率をμと、すると下記の式(503)のように表せる。
P=μ×S/B ・・・(503)
で表される。パーミアンスPは、断面積S及び透磁率μに比例し、磁路の長さBに反比例する。
図6の(a)は、導電層1aの内側に、半径a1[m]、長さB[m]、比透磁率μ1の磁性コア2に、コイル3を螺旋軸が導電層1aの母線方向と略平行になるようにN[回]巻いたものを表した図である。ここで、導電層1aは、長さB[m]、内径a2[m]、外径a3[m]、比透磁率μ2の導体である。導電層1aの内側及び外側の真空の透磁率をμ0[H/m]とする。コイル3に電流I[A]を流したときに、磁性コア2の単位長さ当たりに発生する磁束8をφc(x)とする。
図6の(b)は、磁性コア2の長手方向に垂直な断面図である。図中の矢印は、コイル3に電流Iを流したときに、磁性コア2の内部、導電層1aの内側、導電層1aの外側を通る磁性コア2の長手方向に平行な磁束を表している。磁性コア2の内部を通る磁束をφc(=φc(x))、導電層1aの内側(導電層1aと磁性コア2の間の領域)を通る磁束をφa_in、導電層1aそのものを通る磁束をφs、導電層1aの外側を通る磁束をφa_outとする。
図7の(a)に、図5の(a)に示した単位長さ当たりのコア2、コイル3、導電層1aを含む空間の磁気等価回路を示す。磁性コア2を通る磁束φcにより生じる起磁力をVm、磁性コア2のパーミアンスをPcとする。また、導電層1aの内側のパーミアンスをPa_in、定着スリーブ1の導電層1aそのものの内部のパーミアンスをPs、導電層1aの外側のパーミアンスをPa_outとする。
ここで、PcがPa_in及びPsに比べて十分に大きい時、磁性コア2の内部を通過して磁性コア2の一端から出た磁束は、φa_in、φs、φa_outの何れかを通過して磁性コア2の他端に戻ると考えられる。よって、以下の関係式(504)が成り立つ。
φc=φa_in+φs+φa_out ・・・(504)
また、φc、φa_in、φs、φa_outはそれぞれ以下の式(505)〜(508)で表される。
φc=Pc×Vm ・・・(505)
φs=Ps×Vm ・・・(506)
φa_in=Pa_in×Vm ・・・(507)
φa_out=Pa_out・Vm ・・・(508)
よって、式(504)に(505)〜(508)を代入するとPa_outは次の式(509)示すように表される。
Pc×Vm=Pa_in×Vm+Ps×Vm+Pa_out×Vm
=(Pa_in+Ps+Pa_out)×Vm
∴Pa_out=Pc−Pa_in−Ps ・・・(509)
磁性コア2の断面積をSc、導電層1aの内側の断面積をSa_in、導電層1a自身の断面積をSs、とすると、パーミアンスPは以下のように表すことができる。単位は[H・m]である。
Pc=μ1・Sc=μ1・π(a1)2 ・・・(510)
Pa_in=μ0・Sa_in=μ0・π・((a2)2−(a1)2
・・・(511)
Ps=μ2・Ss=μ2・π・((a3)2−(a2)2) ・・・(512)
これらの(510)〜(512)を式(509)に代入すると、Pa_outは式(513)で表せる。
Pa_out=Pc−Pa_in−Ps
=μ1・Sc−μ0・Sa_in−μ2・Ss
=π・μ1・(a1)2−π・μ0・((a2)2−(a1)2)−π・μ2・((a3)2
−(a2)2) ・・・(513)
上記の式(513)を使用することによって導電層1aの外側を通る磁力線の割合であるPa_out/Pcを計算することができる。
尚、パーミアンスPの代わりに磁気抵抗Rを用いても良い。磁気抵抗Rを用いて議論する場合、磁気抵抗Rは単純にパーミアンスPの逆数であるので、単位長さ当たりの磁気抵抗Rは「1/(透磁率×断面積)」で表すことができて、単位は「1/(H・m)」である。以下、実施例の装置のパラメータを使用して具体的な計算した結果を表1に示す。
磁性コア2は、フェライト(比透磁率1800)で形成され、直径14[mm]であって、断面積は1.5×10-4[m2]である。スリーブガイド6は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)(比透磁率1.0)で形成され、断面積は1.0×10-4[m2]である。導電層1aは、アルミニウム(比透磁率1.0)で形成され、直径24[mm]、厚み20[μm]で断面積1.5×10-6[m2]である。
尚、導電層1aと磁性コア2の間の領域の断面積は、直径24[mm]の導電層1aの内側の中空部の断面積から磁性コア2の断面積とスリーブガイド6の断面積を差し引いて計算している。弾性層1b及び表層1cは、導電層1aより外側に設けられており、発熱に寄与しない。従って、パーミアンスを計算する磁気回路モデルにおいては導電層1aの外側の空気層であるとみなすことができるので計算に入れる必要はない。表1からPc、Pa_in、Psは、次のような値になる。
Pc=3.5×10-7[H・m]
Pa_in=1.3×10-10+2.5×10-10[H・m]
Ps=1.9×10-12[H・m]
これらの値を用いて、次の式(514)からPa_out/Pc計算することができる。
Pa_out/Pc=(Pc−Pa_in−Ps)/Pc=0.999(99.9%)
・・・(514)
尚、磁性コア2を長手方向で複数に分割し、分割した各磁性コア同士の間に空隙(ギャップ)を設ける場合もある。この場合、この空隙が空気又は比透磁率が1.0とみなせるものや磁性コアの比透磁率よりもずっと小さいもので満たされている場合、磁性コア2全体の磁気抵抗Rは大きくなり磁力線を誘導する機能が劣化することになる。
このような分割された磁性コア2のパーミアンスの計算方法は複雑になる。以下に、磁性コアを複数分割し、空隙またはシート状非磁性体を挟んで等間隔に並べた場合の磁性コア全体のパーミアンスの計算方法について説明する。この場合、長手全体の磁気抵抗を導出し、それを全体長さで割って単位長さ当たりの磁気抵抗を求め、その逆数を取って単位長さ当たりのパーミアンスを求める必要がある。
まず、磁性コアの長手方向の構成図を図8に示す。磁性コアc1〜c10は、断面積Sc、透磁率μc、分割された磁性コア1個当たりの幅Lcとし、ギャップg1〜g9は、断面積Sg、透磁率μg、1ギャップ当たりの幅Lgとする。この磁性コアの長手方向における全体の磁気抵抗Rm_allは、以下の式(515)で与えられる。
Rm_all=(Rm_c1+Rm_c2+・・・・・+Rm_c10)+
(Rm_g1+Rm_g2+・・・・・+Rm_g9) ・・・(515)
本構成の場合は、磁性コアの形状と材質、ギャップ幅は一様であるので、Rm_cの足し合わせた合計をΣRm_c、Rm_gの足し合わせた合計をΣRm_gとすると、次の式(516)〜(518)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g) ・・・(516)
Rm_c=Lc/(μc・Sc) ・・・(517)
Rm_g=Lg/(μg・Sg) ・・・(518)
式(516)に式(517)及び式(518)を代入して、長手全体の磁気抵抗Rm_allは次の式(519)のように表せる。
Rm_all=(ΣRm_c)+(ΣRm_g)
=(Lc/(μc・Sc))×10+(Lg/(μg・Sg))×9 ・・・(519)
ここで、単位長さ当たりの磁気抵抗Rmは、Lcの足し合わせた合計をΣLc、Lgの足し合わせた合計をΣLgとすると次の式(520)となる。
Rm=Rm_all/(ΣLc+ΣLg)
=Rm_all/(Lc×10+Lg×9) ・・・(520)
以上から、単位長さあたりのパーミアンスPmは、以下の式(521)ように求められる。
Pm=1/Rm=(ΣLc+ΣLg)/Rm_all
=(ΣLc+ΣLg)/[{ΣLc/(μc+Sc)}+{ΣLg/(μg+Sg)}]
・・・(521)
ギャップLgを大きくすることは、磁性コア2の磁気抵抗の増加(パーミアンスの低下)につながる。本実施例の定着装置を構成する上で、発熱原理上、磁性コア2の磁気抵抗が小さく(パーミアンスが大きく)なるように設計することが望ましいため、ギャップを設けることはあまり望ましくない。しかし、磁性コア2の破損防止のために磁性コア2を複数に分割してギャップを設ける場合がある。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁力線の割合をパーミアンスもしくは磁気抵抗を使って表すことができることを示した。
(4)装置に必要な電力の変換効率
次に、本実施例の定着装置で必要な電力の変換効率について述べる。例えば、電力の変換効率が80%である場合、残り20%の電力は導電層以外のコイルやコア等で熱エネルギーに変換されて消費される。電力の変換効率が低い場合は、磁性コアやコイル等の発熱すべきでないものが発熱し、それらを冷却するための対策を講じる必要性がある場合がある。
そこで、導電層1aの外側ルートを通る磁束の割合を振って電力の変換効率を評価する。図9は、電力の変換効率の測定実験に用いる実験装置を表した図である。金属シート1Sは、幅230mm、長さ600mm、厚み20μmのアルミニウム製のシートである。この金属シート1Sを磁性コア2とコイル3とを囲むように円筒状に丸めて、太線1ST部分において導通することによって導電層とする。
磁性コア2は、比透磁率が1800、飽和磁束密度が500mTのフェライトであり、断面積26mm、長さ230mmの円柱形状をしている。磁性コア2を不図示の固定手段でアルミニウムシート1Sの円筒のほぼ中央に配置する。磁性コア2にはコイル3が巻数25回で螺旋状に巻かれている。金属シート1Sの端部を矢印1SZ方向に引くと、導電層の直径1SDを18〜191mmの範囲で調整することができる。
図10は、導電層の外側ルートを通過する磁束の比率[%]を横軸にとり、21kHzの周波数における電力の変換効率を縦軸にとったグラフである。図10のグラフ中のプロットP1以降に電力の変換効率が急上昇して70%を超えており、矢印で示すレンジR1では電力の変換効率が70%以上を維持している。P3付近において電力の変換効率は再度急上昇し、レンジR2において80%以上となっている。P4以降のレンジR3においては電力の変換効率が94%以上と高い値で安定している。この、電力の変換効率が急上昇し始めたことは導電層に効率的に周回電流が流れ始めたためである。
下記の表2は、図10のP1〜P4に該当する構成を、実際に定着装置として設計し、評価した結果である。
(定着装置P1)
本構成は、磁性コア2の断面積が26.5mm(5.75mm×4.5mm)で、導電層の直径が143.2mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は64%である。この装置のインピーダンスアナライザ(図9)によって求めた電力の変換効率は54.4%であった。電力の変換効率は定着装置に投入した電力のうち、導電層の発熱に寄与した分を示すパラメータである。それ以外は損失となり、その損失はコイル3及び磁性コア2の発熱となる。
本構成の場合、立ち上げ時、数秒間、発熱層に900Wを投入しただけでもコイル温度は200℃を超える場合がある。コイル3の絶縁体の耐熱温度が200℃後半であること、フェライトの磁性コア2のキュリー点は通常200℃〜250℃程度であることを考えると、損失45%では励磁コイル等の部材を耐熱温度以下に保つことは難しくなる。また、磁性コア2の温度がキュリー点を超えるとコイル3のインダクタンスが急激に低下し、負荷変動となる。
定着装置に供給した電力の約45%が導電層の発熱に使用されないので、導電層に900Wの電力を供給するためには約1636Wの電力供給する必要がある。これは100V入力時、16.36Aを消費する電源という事になる。商用交流のアタッチメントプラグから投入できる許容電流をオーバーする可能性がある。よって、電力の変換効率54.4%の定着装置P1は、定着装置に供給する電力が不足する可能性がある。
(定着装置P2)
本構成は、磁性コア2の断面積はP1と同じで、導電層の直径が127.3mmであり、外側ルートを通る磁束の割合は71.2%である。この装置のインピーダンスアナライザによって求めた電力の変換効率は70.8%である。定着装置のスペックによっては、コイル3及びコア2の昇温が課題になる場合がある。
本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると、導電層の回転速度は330mm/secとなり、導電層の温度を180℃に維持する必要がある。導電層の温度を180℃に維持しようとすると、磁性コア2の温度は20秒間で240℃を超える場合がある。
磁性コア2として用いるフェライトのキュリー温度は通常200℃〜250℃程度であるから、フェライトがキュリー温度を超えて磁性コア2の透磁率は急激に減少し、磁性コア2で磁力線を適切に誘導することができなくなる場合がある。その結果、周回電流を誘導して導電層を発熱させることが難しくなる場合がある。
従って、外側ルートを通過する磁束の割合がレンジR1の定着装置を、前述した高スペックの装置にすると、フェライトコア2の温度を下げるために冷却手段を設けることが望ましい。冷却手段としては、空冷ファン、水冷、放熱板、放熱フィン、ヒートパイプ、または、ベルチェ素子などを用いることができる。もちろん、本構成においてそこまでの高スペックを要求しない場合は、冷却手段は不要である。
(定着装置P3)
本構成は、磁性コア2の断面積はP1と同じであり、導電層の直径が63.7mmの場合である。この装置のインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は83.9%である。磁性コア2及びコイル3等に定常的に熱量が発生するものの、冷却手段が必要なレベルではない。
本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置にすると導電層の回転速度は330mm/secとなる。導電層の表面温度を180℃に維持する場合があるものの、磁性コア(フェライト)2の温度は220℃以上に上昇することはない。従って、本構成において、定着装置を前述した高スペックする場合は、キュリー温度が220℃以上のフェライトを用いることが望ましい。
以上述べたことから、外側ルートを通る磁束の割合がレンジR2の構成の定着装置は、高スペックで使用する場合は、フェライト等の耐熱設計を最適化することが望ましい。一方、定着装置として高スペックを要求しない場合は、このような耐熱設計は不要である。
(定着装置P4)
本構成は、磁性コア2の断面積がP1と同じであり、円筒体の直径が47.7mmの場合である。この装置でインピーダンスアナライザによって求められる電力の変換効率は94.7%である。本構成の定着装置を60枚/分の印字動作ができる高スペックな装置(導電層の回転速度は330mm/sec)で導電層の表面温度を180℃に維持する場合であっても、励磁コイル2やコイル3等は、180℃以上に達することはない。従って、磁性コアやコイル等を冷却する冷却手段及び特別な耐熱設計は不要である。
以上述べたことから、外側ルートを通過する磁束の割合が94.7%以上であるレンジR3は、電力の変換効率が94.7%以上となり電力の変換効率が十分高い。よって、更なる高スペックの定着装置として用いても、冷却手段は不要である。
また、電力の変換効率が高い値で安定しているレンジR3においては、導電層と磁性コア2の位置関係の変動によって導電層の内側を通過する単位時間当たりの磁束の量が若干変動しても、電力の変換効率が変動量は小さく導電層の発熱量が安定する。可撓性を有する定着スリーブのように、導電層と磁性コア2との距離が変動しやすい定着装置において、この電力の変換効率が高い値で安定している領域R3を用いることは、大きなメリットがある。
以上述べたことから、本実施例の定着装置113は少なくとも必要な電力の変換効率を満たすために外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上である必要があることがわかる。表2の数値は71.2%以上であるが想定誤差等を考慮して72%とする。
(5)装置が満たすべきパーミアンス又は磁気抵抗の関係式
導電層1aの外側ルートを通過する磁束の割合が72%以上であることは、導電層1aのパーミアンスと導電層1aの内側(導電層1aと磁性コア2の間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの28%以下であることと等価である。
即ち、定着スリーブ1の母線方向に関し記録材上の画像の最大通過領域幅の一端から他端までの区間において、磁性コア2の磁気抵抗は、導電層1aの磁気抵抗と、導電層1aと磁性コア2との間の領域の磁気抵抗との合成磁気抵抗の28%以下である。
従って、本実施例の特徴的な構成の一つは、磁性コア2のパーミアンスをPc、導電層1aの内側のパーミアンスをPa、導電層1aのパーミアンスPsとした時に、次の式(522)を満足することである。
0.28×Pc≧Ps+Pa ・・・(522)
また、パーミアンスの関係式を磁気抵抗に置き換えて表現すると下記の式(523)になる。
ただし、RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(524)ように計算する。
Rc:磁性コアの磁気抵抗
Rs:導電層の磁気抵抗
Ra:導電層と磁性コアとの間の領域の磁気抵抗
Rsa:RsとRaの合成磁気抵抗
上記のパーミアンスもしくは磁気抵抗の関係式を、定着装置の記録材の最大搬送領域全域で、円筒形回転体の母線方向に直交する方向の断面において満足することが望ましい。
同様に、本実施例のレンジR2の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上である。表2の数値は91.7%以上であるが測定誤差等を考慮して92%とする。導電層1aの外側ルートを通過する磁束の割合が92%以上であることは、導電層1aのパーミアンスと導電層の内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの8%以下であることと等価である。従って、パーミアンスの関係式は以下の式(525)になる。
0.08×Pc≧Ps+Pa・・・(525)
上記のパーミアンスの関係式を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の式(526)ようになる。
更に、本実施例のレンジR3の定着装置は導電層の外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上である。表2から正確には94.7%以上であるが測定誤差等を考慮して95%とする。導電層1aの外側ルートを通過する磁束の割合が95%以上であることは、導電層1aのパーミアンスと導電層1aの内側(導電層と磁性コアの間の領域)のパーミアンスとの和が磁性コアのパーミアンスの5%以下であることと等価である。パーミアンスの関係式は以下の(527)ようになる。
0.05×Pc≧Ps+Pa・・・(527)
上記のパーミアンスの関係式(527)を磁気抵抗の関係式に変換すると以下の
式(528)になる。
以上、定着装置の最大の画像領域内の部材等が長手方向で均一な断面構成を有している定着装置についてパーミアンス及び磁気抵抗の関係式を示した。
次に、長手方向で定着装置を構成する部材が不均一な断面構成を有する定着装置について説明する。図11は、導電層の内側(磁性コアと導電層の間の領域)に温度検知素子240を有している。その他の構成はこれまでの説明と同様で、定着装置は導電層1aを有する定着スレーブ1と、磁性コア2と、ニップ部形成部材(スリーブガイド)6と、を備える。
磁性コア2の長手方向をX軸方向とすると、最大画像形成領域はX軸上の0〜Lpの範囲である。例えば、記録材Pの最大搬送領域をLTRサイズ215.9mmとする画像形成装置の場合、Lp=215.9mmとすれば良い。温度検知素子240は、比透磁率1の非磁性体によって構成されており、X軸に垂直方向の断面積は5mm×5mmであり、X軸に平行方向の長さは10mmである。X軸上のL1(102.95mm)からL2(112.95mm)の位置にて配置されている。
ここで、X座標上0〜L1を領域1、温度検知素子240が存在するL1〜L2を領域2、L2〜LPを領域3と、呼ぶ。領域1における断面構造を図12のA)に、領域2における断面構造を図12のB)に示す。図12のB)に示すように、温度検知素子240は定着スリーブ1に内包されているため、磁気抵抗計算の対象となる。
厳密に磁気抵抗計算を行うためには、領域1と、領域2と、領域3と、に対し、別々に「単位長さ当たりの磁気抵抗」を求め、各領域の長さに応じて積分計算を行い、それらを足し合わせて合成磁気抵抗を求める。まず、領域1または3における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を、下記の表3に示す。
領域1における磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗rc1は下記のようになる。
c1=2.9×106[1/(H・m)]
ここで、導電層と磁性コアとの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗raは、フィルムガイドrfの単位長さ当たりの磁気抵抗と導電層の内側の磁気抵抗rairの単位長さ当たりの磁気抵抗との合成磁気抵抗である。従って、下記の式(529)を用いて計算できる。
計算の結果、領域1における磁気抵抗ra1、及び、領域1における磁気抵抗rs1は下記のようになる。
a1=2.7×109[1/(H・m)]
s1=5.3×1011[1/(H・m)]
また、領域3は領域1と同じであるから下記のようになる。
c3=2.9×106[1/(H・m)]
a3=2.7×109[1/(H・m)]
s3=5.3×1011[1/(H・m)]
次に、領域2における各部品の単位長さ当たりの磁気抵抗を下記の表4に示す。
領域2の磁性コアの単位長さ当たりの磁気抵抗rc2は下記のようになる。
c2=2.9×106[1/(H・m)]
導電層1aと磁性コア2の間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗raは、
・スリーブガイドrfの単位長さ当たりの磁気抵抗と、
・温度検知素子(サーミスタ)rtの単位長さ当たりの磁気抵抗と、
・導電層1aの内側の空気rairの単位長さ当たりの磁気抵抗と、
の合成磁気抵抗である。従って下記の式(530)で計算できる。
計算の結果、領域2のおける単位長さ当たりの磁気抵抗ra及び単位長さ当たりの磁気抵抗rc2は下記のようになる。
a2=2.7×109[1/(H・m)]
s2=5.3×1011[1/(H・m)]
領域3の計算方法は領域1と同じであるので省略する。
尚、導電層と磁性コアの間の領域の単位長さ当たりの磁気抵抗raにおいて、ra1=ra2=ra3となっている理由について説明する。領域2における磁気抵抗計算は、温度検知素子(サーミスタ)240の断面積が増加し、導電層の内側の空気の断面積が減少している。しかし両方とも比透磁率は1であるため、結局温度検知素子(サーミスタ)240の有無によらず磁気抵抗は同一となる。
すなわち、導電層1aと磁性コア2の間の領域に非磁性体のみが配置されている場合には、磁気抵抗の計算は空気と同じ扱いをしても、計算上の精度としては十分である。なぜなら、非磁性体の場合、比透磁率は殆ど1に近い値になるからである。これとは逆に、磁性体(ニッケル、鉄、珪素鋼等)の場合は、磁性体ある領域をその他の領域と分けて計算した方が良い。
導電層1aの母線方向の合成磁気抵抗としての磁気抵抗R[A/Wb(1/H)]の積分は、各領域の磁気抵抗r1,r2,r3[1/(H・m)]に対して下記の式(531)ように計算できる。
従って、記録材の最大搬送領域(記録材上の画像の最大通過領域幅)の一端から他端までの区間におけるコアの磁気抵抗Rc[H]は下記の式(532)ように計算できる。
また、記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層と磁性コアとの間の領域の合成磁気抵抗Ra[H]は、下記の式(533)ように計算できる。
記録材の最大搬送領域の一端から他端までの区間における導電層の合成磁気抵抗Rs[H]は次の式(534)のようになる。
上記の計算を、それぞれの領域において行ったものを以下表5に示す。
上記表5から、Rc、Ra,Rsは下記のようになる。
Rc=6.2×108[1/H]
Ra=5.8×1011[1/H]
Rs=1.1×1014[1/H]
RsとRaの合成磁気抵抗Rsaは以下の式(535)で計算できる。
以上の計算から、Rsa=5.8×1011[1/H]となるので、下記の式(536)を満たしている。
このように、導電層の母線方向で不均一な横断面形状を有している定着装置の場合は、導電層の母線方向で複数の領域に分けて、その領域毎に磁気抵抗を計算し、最後にそれらを合成したパーミアンス又は磁気抵抗を計算すればよい。ただし、対象となる部材が非磁性体である場合は、透磁率がほぼ空気の透磁率と等しいため、空気とみなして計算して良い。
次に、上記計算に計上すべき部品について説明する。導電層と磁性コアとの間の領域にあり、少なくとも一部が記録材の最大搬送領域(0〜Lp)のに入っている部品に関しては、パーミアンス又は磁気抵抗を計算することが望ましい。逆に、導電層の外側に配置された部材は、パーミアンス又は磁気抵抗を計算する必要はない。
なぜなら、前述したようにファラデーの法則において誘導起電力は回路を垂直に貫く磁束の時間変化に比例するものであり、導電層の外側の磁束とは無関係だからである。また、導電層の母線方向における記録材の最大搬送領域外に配置した部材は、導電層の発熱には影響しないため、計算する必要はない。
<周波数と定着スリーブ長手温度分布>
本実施例における定着装置構成において高周波コンバータ16から出力される電流の周波数を変更することにより定着スリーブ1の長手方向の温度分布が変化する現象が確認された。
図13に周波数を変えたときの定着スリーブ1の長手温度分布をグラフ化した図を示す。図より周波数を20kHzから50kHzまで高くするに従って定着スリーブ1の長手方向の温度分布は端部の温度が上昇することが分かる。
以下に周波数を変更することにより定着スリーブ1の長手方向の温度分布が変化する現象について説明する。
図14は、励磁コイル3に矢印I1の向きに電流が増加している瞬間の磁界を示す図である。磁性コア2は、励磁コイル3にて生成された磁力線を内部に誘導し、磁路を形成する部材として機能する。そのため磁力線は、磁路に集中して通って、磁性コア2の端部において拡散し、外周の遥か遠くで繋がる形状となる。図の表記上は端部で途切れているものもある。ここでこの磁路を垂直に囲むように、長手幅の小さい円筒形状の回路61を設置させた。磁性コア内部には交番磁界(時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す磁界)が形成される。
この、回路61の周回方向には、ファラデーの法則に従って誘導起電力が発生する。ファラデーの法則とは、「回路61に生じる誘導起電力の大きさは、その回路61を垂直に貫く磁界の変化の割合に比例する」というものであり、誘導起電力は、以下の式(1)で表される。
発熱層1aは、この極短い円筒形の回路61が長手方向に多数つながったものと考えることが出来る。従って図15のようになり、励磁コイル3にI1を流すと、磁性コア2内部には交番磁界が形成され、発熱層1aには長手全体に周回方向の誘導起電力がかかり、長手全域に点線で示す周回電流I2が流れる。発熱層1aは電気抵抗を有するので、この周回電流I2が流れることによりジュール発熱する。磁性コア内部に交番磁界が形成され続ける限り、周回電流I2は向きを変えながら形成され続ける。
これが本発明の構成における、発熱層1aの発熱原理である。なお、I1を50kHzの高周波交流にした場合、周回電流I2も50kHzの高周波交流となる。
図15において説明したように、I1は励磁コイル内を流れる電流の向きを示し、これによって形成された交番磁界を打ち消す方向に、1aの周方向全域に点線矢印I2方向に誘導電流が流れる。
この電流I2を誘導する物理モデルは、図16に示すように、実線で示す1次コイル81と点線で示す2次コイル82を巻いた形状の同心軸トランスの磁気結合と等価である。2次巻き線82は回路を形成しており、抵抗83を有している。高周波コンバータ16から発生した交番電圧により、1次巻き線81に高周波電流が発生し、その結果2次巻き線82に誘導起電力がかかり、抵抗83によって熱として消費される。ここで2次巻き線82と抵抗83は、発熱層1aにおいて発生するジュール熱をモデル化している。
図16に示すモデル図の等価回路を図17の(a)に示す。L1は図16中1次巻き線81のインダクタンス、L2は図16中2次巻き線82のインダクタンス、Mは1次巻き線81と2次巻き線82の相互インダクタンス、Rは抵抗83である。
この回路図17の(a)は、図17の(b)に等価変換することが出来る。より単純化したモデルを考えるために、相互インダクタンスMが十分大きく、L1≒L2≒Mとであるとする。その場合(L1−M)と(L2−M)は十分小さくなるため、回路は図17の(b)から図17の(c)のように近似することが出来る。
以上、図15に示す本発明の構成に対し、近似した等価回路として図17の(c)と置き換えて考える。またここで、抵抗について説明する。図17の(a)の状態において2次側のインピーダンスは、発熱層1aの周回方向の電気抵抗Rとなる。トランスにおいて、2次側のインピーダンスは、1次側から見るとN2(Nはトランスの巻き数比)倍の等価抵抗R’となる。
ここで、トランスの巻き数比Nは、1次側巻き線の巻き数=発熱層1aの中での励磁コイルの巻き数(本実施例では18回)に対し、発熱層1aを巻き数1回とみなし、トランスの巻き数比N=18と考えることが出来る。よってR’=N2R=182Rと考えることが出来、巻き数が多い程図17(c)に示す等価抵抗Rは大きくなる。
図18の(b)は合成インピーダンスXを定義し、更に単純化したものである。合成インピーダンスXを求めると、以下の式(2)のようになる。
これによれば、合成インピーダンスXは(1/ωM)^2の項に周波数依存性を有する。これは、抵抗R’とともにインダクタンスMも合成インピーダンスに寄与することを意味し、また、インピーダンスの次元は[Ω]であるので、負荷抵抗が周波数依存性を持つことを意味する。
この合成インピーダンスXが周波数によって変化する現象を、回路の動作を理解するために定性的に説明する。周波数が低い場合、回路は直列回路に似た応答をする。つまりインダクタンスは短絡に近くなり、インダクタンス側に電流が流れる。逆に周波数が高い場合、インダクタンスは開放に近くなり、抵抗R側に電流が流れる。
その結果、合成インピーダンスXは、周波数が低い時は小さく、周波数が高い時は大きくなるといった振る舞いを見せる。20kHz以上の高周波を用いた場合、合成インピーダンスXの周波数ω依存性が大きい。従って、20kHzを超える高周波の場合、合成インピーダンスにおいてインダクタンスMの項の影響が無視できなくなってくる。この単純化した等価回路は、後の説明で使用する。
<磁性コア端部付近において発熱量が低下する現象>
ここで「磁性コアの端部付近において発熱量が低下する現象」について詳細を説明する。図19に示すように、磁性コア2は磁極NP,SPを持つ直線状の開磁路を形成している。本構成は開磁路を採用したことにより小型化を実現できるものの、図20に示すように磁性コアの端部付近において発熱量が低下する。これは磁性コア2によって開磁路を形成していることと大きく関与しており、具体的には、
1)磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなる事
2)磁性コア端部において合成インピーダンスが小さくなる事
の2つが寄与している。以下、1)と2)に分けて詳細を説明する。
1)磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなること
図21のグラフは、磁性コア2の両端部において、「見かけの透磁率μ」が中央部よりも低くなってしまう現象のイメージ図である。この現象が発生する理由を下記に詳述する。一様な磁界H中において、物体の磁化が外部磁場にほぼ比例するような磁場領域においては、空間の磁束密度Bは、以下の式(3)に従う。
B=μH ・・・・(3)
即ち、磁界H中に透磁率μの高い物質を置くと、理想的には透磁率の高さに比例した高さの磁束密度Bを作ることが出来る。本発明ではこの磁束密度の高い空間を、「磁路」として活用する。特に、磁路を作る際磁路そのものをループで繋げて作る閉磁路と、開放端にするなどして磁路を断絶させる開磁路があるが、本発明では開磁路を用いることに特徴がある。
図22は、一様な磁界H中に、フェライト201、空気202を配置した場合の磁束の形状を表している。フェライトは、空気に対し、磁力線と垂直な境界面NP⊥、SP⊥を有する開磁路を有している。磁界Hを磁性コアの長手方向に平行に発生させた場合、磁力線は図22に示すように、空気中では密度が薄く、磁性コアの中央部201Cでは密度が高くなる。更に、磁性コアの中央部201Cに比べ、磁束密度が端部201Eにおいては低くなっている。
このように端部で小さくなる理由は、空気とフェライトの境界条件にある。磁力線と垂直な境界面NP⊥、SP⊥において磁束密度は連続となるため境界面付近においてはフェライトと接している空気部分は磁束密度が高くなり、空気と接しているフェライト端部201Eは、磁束密度が低くなる。これによって、フェライト端部201Eでの磁束密度が小さくなる。本現象は、磁束密度が小さくなることによって、あたかも端部の透磁率が低くなっているかのように見えるため、本特許においては「磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなる」と表現する。
この現象は、インピーダンスアナライザを用いて間接的に検証する事が出来る。図23において、磁性コア2に対し、直径30mmのコイル141(コイルはN=5回巻)を通し、矢印方向にスキャンする。この時、コイルの両端をインピーダンスアナライザに接続し、コイル両端からの等価インダクタンスL(周波数は50kHz)を測定すると、グラフに示す山形の分布形状となる。等価インダクタンスLは端部においては、中央の半分以下に減衰している。Lは以下の式(4)に従う。
ここでμは磁性コアの透磁率、Nはコイルの巻き数、lはコイルの長さ、Sはコイルの断面積である。コイル141の形状は変化していないので、本実験においてはS,N,lは変化していない。従って、等価インダクタンスLが山形の分布となる原因は、「磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなっている」ことが原因である。
以上纏めると、磁性コアを「開磁路に形成する事」によって、「磁性コア端部において見かけの透磁率が小さくなる」という現象が現れる。
なお、閉磁路であった場合には、本現象は起こらない。例えば、図24に示すような閉磁路の場合について説明する。励磁コイル151及び発熱層152より外側において、磁性コア153はループを形成しており、閉磁路となる。この場合、先の開磁路の事例とは異なり、磁力線は閉磁路の中だけを通るため「磁力線と垂直な境界面(図22に示す磁力線と垂直な境界面NP⊥、SP⊥)」を一切有さない。従って磁性コア153の内部全体(磁路の全周)において一様の磁束密度を形成する事が出来る。
2)磁性コア端部において合成インピーダンスが小さくなる事
本構成は、見かけの透磁率において、長手方向に分布を有している。これらを簡単なモデルで説明するため、図25の構成を用いて説明する。図25の(a)は、図19に示した構成に対し、磁性コアと発熱層を長手方向に3分割したものである。発熱層は、図25の(a)に示すように、同一形状、同一物性の173e、173cがそれぞれ配置されており、長手の寸法はそれぞれ80mmであり、173eの周回方向の抵抗値をRe、173cの周回方向の抵抗値をRcとする。周回抵抗とは、円筒の周回方向に電流経路を取った場合の抵抗値を示す。
その時周回抵抗はRe=Rc(=R)で同じ値になっている。励磁コアは端部171e(透磁率μe)、中央部171c(透磁率μc)に分かれており、長手の寸法はそれぞれ80mmである。各コアの透磁率は端部μe<中央部μcの関係となっており、極力単純な物理モデルで考えるため、171e、171cの内部における個々の見かけの透磁率の変化は考えないものとする。
巻線は、図25の(b)に示すように励磁コア171eと励磁コア171cにそれぞれ励磁コイル172eと励磁コイル172cがNe=6回巻いてあり、それぞれ直列につながっている。また、端部と中央部での励磁コアの相互作用は十分少なく、各回路は図26に示すように、3つに枝分かれした回路でモデル化出来るものとする。励磁コアの透磁率はμe<μcの関係になっているので、相互インダクタンスの関係もMe<Mcとなっている。更に簡略化したモデルを図27に示す。
各回路の1次側から見た等価抵抗を見ると、端部ではR'=62R、中央部ではR'=62Rとなる。よって、合成インピーダンスXeとXcを求めると、それぞれ下記式(5)(6)となっている。
RとLの並列回路部分を、合成インピーダンスXに置き換えると、図28のようになる。XeとXcの周波数依存性は、相互インダクタンスの関係がMe<Mcとなっていることより、図29に示すグラフのようにXe<Xcとなり、周波数依存があり、かつ傾きの異なる立ち上げ曲線となることが分かる。
高周波コンバータから交流電圧をかけた場合、図28に示すXeとXcの直列回路においては発熱量の大小関係はXeとXcの大小関係によって決まる。そのため、図30に示すようにQe<Qcとなり、同様に周波数依存があり、かつ、立ち上げ曲線が異なることが分かる。
したがって、ここで示した例においては、たとえば励磁コイルに、図30に示した周波数A、周波数Bの交流電流を流すと、中央部と端部それぞれにおいて、発熱量の周波数依存性が異なる。そして、それぞれの場合において、合成インピーダンスの比であるXe/Xcが異なるため、図31のh1、h2に示すように、中央と端部の発熱量が異なる長手発熱分布となる。これは周波数を変化させることで、中央と端部の発熱比、すなわち長手の発熱分布を変えることが可能になるということである。
本モデルは現象を簡略化して説明するために長手方向に3分割したが、図19に示す実際の構成においては、見かけの透磁率の変化が連続的に起こっている。また、長手方向におけるインダクタンスの相互作用等を考えられるため、複雑な回路になる。しかし、本現象の骨子「中央と端部の発熱量が異なり、周波数を変更することで発熱比が変わる」という現象すなわち「周波数を変更することで長手方向において発熱分布が変化する」という現象については説明できている。
また、ここまではコイルの長手方向の巻き方については長手に均一の巻いた場合の単純モデルで説明してきた。この場合、論理上、Xe/Xc<1、となり、常に中央と長手の発熱分布は、中央が高く、端部が低くなる。
一方、誘導起電力はコイルの巻き数Nに依存することから、コイルの巻き数を長手で変えることで長手の発熱分布は変化させることができる。その場合、たとえば、端部のコイルを中央に対して多く巻くことで、Xe/Xc>1とし、中央と端部の発熱分布は、中央よりも端部が発熱する端部高の温度分布を得ることも可能である。このように長手でコイルの巻き数等を調整し、周波数を調整することで中央と端部の発熱量を制御し、最適な長手発熱分布を得ることが可能になる。
<電力調整方法>
以下、本実施例の形態における電力調整を行う方法について説明する。従来の電磁誘導方式の加熱装置では、電流の周波数を変更することによって電力を調整する方法が一般的であった。共振回路を用いて誘導発熱を行う電磁誘導方式においては図32のグラフのように、周波数により出力電力が変化する。例えば領域Aを選択した場合出力電力は最大となり、領域B、Cと周波数を高くするにつれ出力電力は低下する。
これは、周波数が回路の共振周波数と一致するときに電力は最大となり、周波数が共振周波数から遠ざかると電力が下がるという性質を利用したものである。すなわち、出力電圧は変化させず、目標温度と検温素子9の温度差に応じて、周波数を21kHz〜100kHzまで変化させることにより、出力電力を調整する方法である(特許文献1)。
しかし、本発明実施例においては、周波数を調整して所望の発熱分布を得るため、従来の方法で電力調整することが出来ない。本件では以下のような電力調整手段を実施する。
定着スリーブ1が所望の目標温度長手発熱分布となるように、図4に示す周波数制御部45において、周波数を決定する。次にエンジン制御部43は、プリンタコントローラ41から得られる記録材情報および画像情報、プリント枚数情報等をもとに定着スリーブ1の目標温度を決定する。定着温度制御部44において目標温度と温度検知素子9の検出温度を比較して出力電圧を決定する。上記決定された電圧値に従い、電圧波形の振幅を電力制御部46で調整して出力する。
図33では例として最大電圧振幅(100%)と50%の電圧波形を示している。出力された電圧は高周波コンバータ16により所定の駆動周波数に変換され、励磁コイルに印加される。
なお、別の方法として電圧のON/OFF時間の調整で行っても良い。その場合、エンジン制御部43において出力電圧のON/OFF比を決定する。上記決定されたON/OFF比に応じて電力制御部から出力される。
図34に出力100%と出力50%の波形を示す。ON/OFF比の制御は波数制御による方法でも位相制御による方法でもどちらでもよい。出力された電圧は高周波コンバータ16により所定の周波数に変換され、励磁コイルに印加される。上記に説明したような制御を用いる事により電力を調整することが出来る。
次に定着スリーブ1の基層1aの厚み及び電気抵抗と温度分布について説明する。図35は定着スリーブ1の基層1aの厚みと温度分布の関係、図36は定着スリーブ1の基層1aの電気抵抗と温度分布の関係を示したグラフである。ここでは基本周波数を50kHzに設定した場合で説明する。
ここでは、まず長手でコイルの巻き数等を調整し、基準となる定着スリーブ用いた際に基本周波数を50kHzとした場合に長手の発熱分布が均一になるように設定している。具体的には、電気抵抗B=7.2mΩ、基層1a厚=35μmとした場合に長手の発熱分布が均一になるように設定している。この構成において、さらに電気抵抗、基層厚みをそれぞれ振った場合の抵抗値分布を測定した結果を説明する。
この図からわかるように、基本周波数を50kHzに固定した場合において、定着スリーブ1の基層1aの厚みや電気抵抗が変わると、長手の温度分布が大きく変化することが確認された。
図35で示すように、定着スリーブ1の基層1aの厚みを、30μm、35μm、40μmと厚くするに従って、端部の温度が上昇する傾向が確認された。周波数50kHz、を用いた場合、定着スリーブ1の長手方向の温度分布を所定の温度差以内にする理想的な基層1aの厚みは35μmであることが分かる。
図36は、基層1aの電気抵抗を、電気抵抗A=6.5mΩ、電気抵抗B=7.2mΩ、電気抵抗C=8.0mΩとした場合のそれぞれの長手温度分布を示している。この図36より電気抵抗B=7.2mΩの場合に定着スリーブ1の長手方向の温度分布を所定の温度差以内にすることができることが分かる。
<定着スリーブ基層(導電層)の厚み違い、電気抵抗の違いによって発熱分布が異なるメカニズム>
電気抵抗が異なる、または基層の厚みが異なるということは、発熱層1aの周回方向の周回抵抗Rが異なることである。また、式(2)から、周回抵抗Rが異なった場合において、同じ発熱量を得るために合成インピーダンスXを同じとするためには、周波数を調整する必要があることが分かる。
言い換えると、周回抵抗Rが異なる場合、駆動周波数に対する合成インピーダンスの関係(周波数依存性)が異なることになる。またさらに、先述したとおり、長手方向において中央部と端部の合成インピーダンスXe、Xcおよび、中央部と端部の発熱量Qe、Qcの関係がそれぞれ異なる周波数依存性を示す。このことから、周回抵抗Rが変化した場合において同じ発熱分布を得るためにはその周回抵抗Rに対応した最適な周波数に調整する必要が生じることになる。
図37に定着スリーブ違いによって合成インピーダンスの周波数依存性が異なる例を示す。この図から分かるように周回抵抗Rが異なる定着スリーブA,定着スリーブBそれぞれの場合の合成インピーダンスの周波数依存性は異なる傾きを示す。そして、同じ駆動周波数を投入した場合、中央と端部のインピーダンス比、Xe/Xcと、Xe’/Xc’が異なることが分かる。
以上述べてきたように、図13の駆動周波数と長手温度分布の関係、および、図35、図36の基層1aの厚みや電気抵抗と定着スリーブ1の長手方向の温度分布の関係から、基層1a厚みや電気抵抗によって所定の温度分布を得られる周波数が変化する。
従って、定着スリーブ1の基層1aの厚みが振れた場合や、電気抵抗が振れた場合において所定の温度分布を得るためには、それぞれの場合において適した周波数を選択する必要がある。
基準の基層1aの厚み、電気抵抗に対して製造上の公差、固体差を考慮すると、上述した理由により、適した周波数が選択されていない場合においては、所定の長手方向の温度分布が得られない場合が発生する。その際には、たとえば温度検知素子の検出温度から所定の長手方向の温度分布になるように基準周波数を補正、調整することで基準の基層1aの厚み、電気抵抗に適した駆動周波数を決定することで、所定の長手温度分布を得ることが可能になる。
<周波数の決定方法>
本発明では定着スリーブ1の長手の温度分布を複数の温度検知素子9、10、11の検出温度から検出し、所定の長手方向の温度分布が得られるような周波数を算出し、制御する。
具体的には、基準の基層1aの厚み、電気抵抗の場合において温度検知素子9、10、11から検出される長手方向の温度分布が所定の温度分布になる基準周波数をあらかじめ設定しておく。
ここでは、基準の基層1aの厚みとして35μm、基準の電気抵抗として電気抵抗B=7.2mΩの定着スリーブ1を用い、また定着駆動装置のプロセス速度としては、250mm/secと設定した場合の例を示す。また温調温度としては200℃に設定した場合の結果である。
ここでは、上記設定時において、立上時の温度検知素子9、10、11の検知温度をモニタする。そして、中央の温度検知結果に対して端部に配置された温度検知素子の検知結果と比較し、温度差が補正される周波数を選択することで所定の温度分布を得る構成としている。また、ここでは、検知温度差としては検知素子9と、検知素子10、11の平均値との差分を検知温度差Δとして用いているが、どちらか一方の検知結果との差分を用いても良い。

本実施例では、高周波コンバータから出力される電流の基準周波数は上記基準の構成時において定着スリーブ1の長手方向の温度分布が所定温度以内となるような周波数50kHzに設定している。また、検知温度差Δに対する補正周波数をあらかじめ求めた変換テーブルを参照することで補正をする。
表6は検知温度差Δとその時の周波数の補正周波数の変換テーブルである。この補正変換テーブルは次のようにして作成したものである。定着スリーブ1の基層1aの厚みが基準厚みの場合に長手の温度差がほぼ0となるような状態において、基層1aの厚みを25μm〜45μmの範囲で変えた場合の検知温度差Δとその温度差Δがなくなる補正周波数を求め作成した。
ここでは、温度差Δが小さい場合、目標温度に対して±1℃の範囲においては補正周波数を0(補正なし)とし、検知温度差Δが大きくなるほど、補正量を大きく設定することで所定の長手方向の温度分布を得ることがでる。
これによって、定着スリーブ1の基層1aの厚みが振れた場合においても、基準構成時における基準周波数、および補正変換テーブから、周波数を算出することが可能になるため、所定の長手方向の温度分布を得ることが可能になる。
このように、周波数を制御することで、定着スリーブ1の長手方向の温度差を所定の温度差以下にすることが可能になる。これにより長手の温度差が大きい場合に生じる端部定着不良や非通紙部昇温の顕著化等のない加熱定着装置および制御方法を提供することができる。
また本実施例の場合、上記補正量を設定しているが、装置の構成によってそれぞれ最適値は異なるため、その都度最適な補正量を設定すればよく、上記の例は一例に過ぎない。
このように、制御部40において温度検知素子における検知温度から得られる長手温度分布をもとに周波数を補正する周波数補正制御を実施することで所定の温度分布を得る事が可能になる。
また、制御部において温度検知素子における検知温度から得られる長手温度分布をもとに周波数を補正する周波数補正制御から補正後の周波数を決定する。そして、その決定した値を、不図示の不揮発メモリ等に記憶し、次回以降の画像形成開始時の新しい周波数として用いても良い。
上述した実施例1の加熱定着装置113の構成をまとめると次のとおりである。
1)導電層1aを有する筒状の回転体(定着スリーブ)1を有する。回転体1の中空部に挿通され回転体1の母線方向に長い磁性芯材(磁性コア)2を有する。磁性芯材2は回転体1の外側でループを形成していない.回転体1の中空部において磁性芯材2の外側に前記母線方向に交差する方向に磁性芯材2に直接もしくは他物を介して巻かれた励磁コイル3を有する。励磁コイル3に交番電流を流すことで導電層1aが電磁誘導により発熱し画像Tを記録材Pに定着する加熱定着装置である。
そして、交番電流の周波数を設定する周波数設定部45を有する。回転体1の長手方向の温度分布を取得する温度分布取得部9〜11を有する。温度分布取得部9〜11の取得結果に基づいて、周波数設定部45により周波数を調整することで回転体1の長手方向の温度分布を所定の温度分布にする制御部43を有する。
2)周波数設定部45により取得した周波数の値を記憶し、記憶した値を次回以降の画像形成時の周波数として用いる。
《実施例2》
本実施形態においては、実施例1と同様に、温度検知素子により温度を検出する。そして、検知温度差がある場合において、周波数を徐々に上下し、その検知温度差Δがなくなる、または、所定の温度差以内になるような周波数を見つけ、その値を周波数として用いるものである。
ここでは、立上時の温度検知素子9、10、11の検知温度をモニタする。そして、たとえば中央に配置された温度検知素子9の設定温度に対して、端部に配置された温度検知素子10、11の検知温度が低い場合、基準周波数に対して徐々に周波数を上げる動作を開始する。そうすると、徐々に温度差Δが小さくなり、ある周波数の時に温度差Δがなくなるまたは所定の温度差以内になる。
このように、長手の温度差Δが所定の範囲以下になるまで周波数を調整し、目標範囲に入る周波数を新たな補正後の周波数とすることで、所定の長手温度分布を得られる周波数を求められることになる。
同様に、中央に配置された温度検知素子9の設定温度に対して、端部に配置された温度検知素子10、11の検知温度が高い場合、基準周波数に対して低い周波数を適用する必要がある。そのため、徐々に周波数を下げ、同様に温度差Δが所定の温度差以内になるまで周波数を調整し、調整後の周波数を新たな補正後の周波数とすることで、所定の長手方向の温度分布を得られることになる。
本実施形態の制御は、温度差Δを検出し、周波数を変化させながら、所定の温度分布となる周波数を決定する。そのため、あらかじめ差分に対する変換テーブルを作成する必要がないため、より簡単かつ、最適な周波数制御が可能になる。
また、この場合においても、実施例1の場合と同様に、本制御で得られた周波数を、不図示の不揮発メモリ等に記憶し、次回以降の画像形成開始時の新しい駆動周波数として用いても良い。
上述した実施例2の加熱定着装置の制御構成をまとめると次のとおりである。
1)交番電流の周波数を設定する周波数設定部45を有する。回転体(定着スリーブ)1の長手方向において互いに異なる部位の温度を検出する少なくとも2つ以上の温度検知素子9〜11を有する。その少なくとも2つ以上の温度検知素子9〜11で検出される回転体1の温度の温度差が所定の温度差になるように周波数設定部45により周波数を調整することで回転体1の長手方向の温度分布を調整する制御部43を有する。
2)周波数設定部45により取得した周波数の値を記憶し、記憶した値を次回以降の画像形成時の周波数として用いる。
《実施例3》
本実施形態においては、装置の製造時において、基層1aの厚みや電気抵抗、または温度分布を測定し、あらかじめ駆動周波数を決定する場合である。
定着スリーブ1の基層1aの厚み、電気抵抗を予め測定し、その結果に応じて長手の温度分布が所定の温度分布になるようなコイルの駆動周波数を決定する。
具体的には、定着装置製造時において、定着スリーブ1の基層1aの厚み、電気抵抗を実測する。そこから予測される長手温度分布が所定の温度分布にできるような励磁コイルの駆動周波数を、基層1aの厚み、電気抵抗と周波数の関係をあらかじめ求めておいた補正テーブルや換算式等から決定する。装置本体、または定着装置に設けられた不揮発メモリ等に記憶させ、以降の本体動作中はその決定した周波数を用いた制御を実行する。
または、定着装置製造工程において実施例1のように、温度検知素子の検知温度差から所定の温度差以内になるような周波数を補正テーブルや換算式等から求める。その値を駆動周波数として装置本体や、定着装置に設けられた不揮発メモリ等にその周波数を記憶さてもよい。
または、定着装置製造工程において実施例2のように、周波数を徐々に上下し、その温度差がなくなる、または、所定の温度差以内になるような周波数を見つけることでその値を駆動周波数として求める。同様に装置本体や、定着装置に設けられた不揮発メモリ等にその周波数を記憶させ、以降の本体動作中はその決定した周波数を用いた制御を実行しても良い。
または、定着装置製造工程において定着スリーブの長手方向の温度分布を外部に設けた温度検出手段(不図示)を用いて所定の温度分布になるような周波数を求める。その結果を、装置本体、または定着装置に設けられた不揮発メモリ等に記憶させ、画像形成時における駆動周波数として用いても良い。
これらの方式により、製造時にあらかじめ周波数を決定し、不揮発メモリ等に格納することで、最終的な製品自体に周波数を決定するための制御シーケンスを実装する必要がなくなり、制御の短縮、簡略化を図ることが可能になる。
上述した実施例3の加熱定着装置の制御構成をまとめると次のとおりである。
1)交番電流の周波数を設定する周波数設定部45を有する。事前に導電層1aの厚みを測定して得られた厚み結果をもとに回転体(定着スリーブ)1の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように周波数設定部45で設定する周波数を決定する制御部43を有する。
2)交番電流の周波数を設定する周波数設定部45を有する。事前に導電層1aの電気抵抗を測定して得られた電気抵抗結果をもとに、回転体(定着スリーブ)1の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように周波数設定部45で設定する周波数を決定する制御部43を有する。
3)交番電流の周波数を設定する周波数設定部45を有する。外部の温度分布検出部によって事前に得られた温度分布情報をもとに、回転体(定着スリーブ)1の長手方向の温度分布を所定の温度分布となるように周波数設定部45で設定する周波数を決定する制御部43を有する。
ここで、加熱定着装置には、未定着トナー像を固着像として定着する以外にも、記録材に仮定着されたトナー像あるいは一度加熱定着されたトナー像を再度加熱加圧して光沢度を向上させる装置(この場合も加熱定着装置と呼ぶ)も包含される。
導電層1aを有する筒状の回転体1は、複数の張架部材間に懸回張設されて回転駆動される可撓性を有するエンドレスベルト形態のものにすることもできる。また、導電層1aを有する筒状の回転体1は、硬質の中空ローラあるいはパイプの形態のものにすることもできる。
100・・画像形成装置、113・・加熱定着装置、1・・定着スリーブ(円筒形回転体)、2・・磁性芯材(磁性コア)、3・・励磁コイル、43・・駆動周波数設定手段(エンジン制御部)、P・・記録材、T・・トナー画像、9,10,11・・・温度検知素子

Claims (11)

  1. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
    前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
    前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
    前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
    前記回転体の長手方向の温度分布を取得する温度分布取得部と、
    前記温度分布取得部の取得結果に基づいて、前記周波数設定部により周波数を調整することで前記回転体の長手方向の温度分布を所定の温度分布にする制御部と、を有し、
    前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする加熱定着装置。
  2. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
    前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
    前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
    前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
    前記回転体の長手方向において互いに異なる部位の温度を検出する少なくとも2つ以上の温度検知素子と、
    前記少なくとも2つ以上の温度検知素子で検出される前記回転体の温度の温度差が所定の温度差になるように前記周波数設定部により周波数を調整することで前記回転体の長手方向の温度分布を調整する制御部と、を有し、
    前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする加熱定着装置。
  3. 前記周波数設定部により取得した周波数の値を記憶し、前記記憶した値を次回以降の画像形成時の周波数として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱定着装置。
  4. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
    前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
    前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
    前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
    事前に前記導電層の厚みを測定して得られた厚み結果をもとに前記回転体の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
    前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする加熱定着装置。
  5. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
    前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
    前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
    前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
    事前に前記導電層の電気抵抗を測定して得られた電気抵抗結果をもとに、前記回転体の長手方向の温度分布が所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
    前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする加熱定着装置。
  6. 導電層を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、
    前記中空部において前記磁性芯材の外周面に直接もしくは他物を介して前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材の一端側から他端側にかけて一連に螺旋状に巻き回して形成されている励磁コイルと、を有し、
    前記励磁コイルの一端側と他端側の給電接点を介して前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用して画像を記録材に定着する加熱定着装置であって、
    前記交番電流の周波数を設定する周波数設定部と、
    外部の温度分布検出部によって事前に得られた温度分布情報をもとに、前記回転体の長手方向の温度分布を所定の温度分布となるように前記周波数設定部で設定する前記周波数を決定する制御部と、を有し、
    前記磁性芯材は前記回転体の外側でループを形成していないことを特徴とする加熱定着装置。
  7. 前記周波数は20kHzから50kHzの範囲であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の加熱定着装置。
  8. 前記回転体の母線方向に関し記録材上の画像の最大通過領域幅の一端から他端までの区間において、前記磁性芯材の磁気抵抗は、前記導電層の磁気抵抗と、前記導電層と前記磁性芯材との間の領域の磁気抵抗との合成磁気抵抗の28%以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の加熱定着装置。
  9. 前記区間において、前記磁性芯材の磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の8%以下であることを特徴とする請求項8に記載の加熱定着装置。
  10. 前記区間において、前記磁性芯材の磁気抵抗は、前記合成磁気抵抗の5%以下であることを特徴とする請求項8に記載の加熱定着装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の加熱定着装置を有することを特徴とした画像形成装置。
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