JP6364765B2 - 巻線部品 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用DC−DCコンバータ、スイッチング電源等に用いられるインダクタ等の巻線部品、及び、スイッチング電源装置をはじめとする電源装置に関する。
昨今、ハイブリッド自動車や電気自動車といった環境対応車(エコカー)が普及期に入っている。これらの車には、モーター駆動用の100〜300V程度の高圧バッテリーから補機類を動作させる12V程度の低圧バッテリーの充電および補機への電力供給を行うために、DC−DCコンバータなどのスイッチング電源装置が搭載されている。
特許文献1には、スイッチング電源等において、チョークコイルやトランスとして使用される平面コイルや平面トランスについて開示されている。平面コイルの巻線構造には、様々な種類があるが、ここではその中でプリント配線板の銅パターンにより形成され、プリント配線板を用いて、平面コイルを形成することが可能であることが示されている。平面コイルは、コアを含めた任意の体積の中でインダクタンスを大きくとるために、2ターン以上の複数巻とすることが多い。
特許文献2には、樹脂基板にコイルがパターン形成されたプリントコイルが複数層積層された点灯装置について開示されている。この点灯装置には、入力電圧を所定の電圧に変換するトランスが備えられ、このトランスは、磁性回路を形成するコア部や、電気回路を形成する巻線部を有している。
特開2002−260934号公報 特開2009−170804号公報
しかし、特許文献1において、平面コイルの巻線を形成した場合には、多層プリント配線基板にコイルパターンを形成しているが、1ターンのパターンを直列接続する際に、各パターンのコイルの内側の端部が厚み方向で重なり、プリント配線基板の各層間には容量成分が存在するため、高周波成分はこれを通過しやすい。また、プリント配線基板の各層間には容量成分が存在するため、MOS FETや出力整流ダイオード等のスイッチング素子で発生する高周波成分が容量成分部分を通過しやすくなる。これが高周波ノイズである。そのため、スイッチング電源装置をはじめとする種々電源装置で発生する高周波ノイズが大きくなりFMラジオ等の周波数帯で妨害波が発生しやすくなる。この場合、この回路の後段にノイズフィルタを設ける手段もあるが、製品の大型化やコストアップとなる。
また、特許文献2では、基板を挟んで3層の平面コイルが形成されており、例えば、1層目と2層目の間には、絶縁間隔を確保するための絶縁スペーサを挟んだり、2層目と3層目の間には基板を挟んだりしている。しかしながら、絶縁スペーサによる間隔の確保は、コイル間に誘電率を有するために、容量が発生してしまう。また、コイル間が密着しているとプリント配線基板で銅(Cu)パターンを形成していることと同様となり、隣接するコイル間には容量成分が存在し、高周波成分はこれを通過しやすいので、前述の高周波ノイズを減少させることには繋がらない。
本発明は、基板を挟んで表裏面に配置された少なくとも1ターンを有する平面コイル間に発生する寄生容量を抑制し、高周波ノイズを抑制するための平面コイルを有する巻線部品を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板を挟むように、第1の平面コイルと第2の平面コイルを備えており、前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルは、それぞれ、巻き始め端部と、巻き終わり端部を備え、前記基板は、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルとほぼ同じ平面形状を含むコイル基板部を備えており、前記基板には、前記基板を貫通し、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルを導通させるためのスルーホールを備え、前記基板と前記第1の平面コイルの間、および、前記基板と前記第2の平面コイルの間には、部分的に空隙を構成するための、複数の突起部を備えたことを特徴とする巻線部品である。
このような構成にすることにより、誘電体である基板に対して、複数の突起部を用いて、各平面コイルを、概ね浮かせて配置することにより、空隙ができ、従来の形態よりも、各平面コイルと基板の接触面積を小さくすることができ、平面コイル間に存在する寄生容量の影響を小さくすることができる。結果として、平面コイル間での、寄生容量を抑制し、高周波ノイズを抑制することができる。
前記複数の突起部は、前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルの、前記基板に対向する側にそれぞれ備えられており、同数であり、互いに、平面的に重ならないように、位置をずらして配置されていることが好ましい。
そのようにすることにより、前記各平面コイルを、前記基板の表裏の面に、それぞれの前記複数の突起部を、平面的に、すなわち、平面コイルを平面配置したときの座標系をXYとしたとき、Z軸方向の配置位置が重ならないように、ずらして搭載することにより、第1の平面コイルと、第2の平面コイル間で発生する、寄生容量をさらに小さくすることが可能となる。
また、前記複数の突起部を、前記平面コイルの1ターン毎に、外周側、内周側、あるいは、内周側、外周側というように、交互に、位置をずらして配置することで、前記の各突起部をバランス良く配置し、前記の各平面コイルを、導体パターンや導体からなるランドを介して前記基板に安定して固定することができる。
本発明により、基板を挟んで表裏面に配置された少なくとも1ターンを有する平面コイル間に発生する寄生容量を抑制し、高周波ノイズを抑制するための平面コイルを有する巻線部品を提供することが可能である。
実施形態1の巻線部品の分解斜視図である。 実施形態1の平面コイル部の分解斜視図である。 実施形態1の第1の平面コイルの平面図である。 実施形態1の第2の平面コイルの平面図である。 実施形態1について電流の流れる様子を示した図である。 実施形態1の平面コイル部の側面から見たイメージ透過図である。 従来形態の平面コイル部の側面から見たイメージ透過図である。 実施形態1の回路構成図である。 従来、放射ノイズデータである。 実施形態1、放射ノイズデータである。 実施形態1の変形例である平面コイル部の分解斜視図である。 実施形態2の平面コイル部の分解斜視図である。 実施形態2の第1の平面コイルの平面図である。 実施形態2の第2の平面コイルの平面図である。 実施形態2の電流の流れる様子を示した分解斜視図である。 実施形態3の平面コイル部の分解斜視図である。 実施形態3について電流の流れる様子を示した図である。 実施形態4の平面コイル部の分解斜視図である。 実施形態4の突起部の拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る巻線部品1の分解斜視図である。本実施形態では、巻線部品1として、インダクタを例として挙げている。実施形態1に係る巻線部品1は、図1に示すように、基板2と、基板2を挟むように、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4からなる平面コイル部10を備えている。また、これら一対の平面コイル3、4には銅(Cu)板を用いている。
図1より、さらに、巻線部品1は、一対の平面コイル、すなわち、第1の平面コイル3および第2の平面コイル4を磁気的に結合するための一対の磁性体コア5a、5bを備え、基板2には、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4とを導通させるためのスルーホール6を備えている。基板2を挟むように形成された第1の平面コイル3と第2の平面コイル4、すなわち、平面コイル部10をさらに挟むように、一対の磁性体コア5a、5bが備えられている。
図1において、基板2の、Z軸の正の方向の面を、表面とし、Z軸の負の方向の面を、裏面とする。基板2の表面は、第1の平面コイル3と対向しており、裏面は、第2の平面コイル4と対向している。
図1において、実施形態1の基板2は、巻き始め端部と、巻き終わり端部を有し、C型形状でほぼ円形の、第1の平面コイル3と、第2の平面コイル4に挟まれており、第1、第2の平面コイル3、4とほぼ同じC型形状を含むほぼ円形のコイル基板部21と、コイル基板部21を支持するための、板状で長方形状の支持基板部22から構成されている。支持基板部22は、長手と短手をもつ長方形状である。長手方向をX軸、短手方向をY軸方向になるように支持基板部22を配置したときに、長手方向の中央で、Y軸方向に平行な軸を、基板の中心軸7と定義する。なお、基板の中心軸7の定義は全ての実施形態に適用される。基板2の材料は、ガラス・エポキシや、紙・フェノールなどを用いることができる。なお、実施形態の1ターンの平面コイルの形状は、必ずしもC型形状でほぼ円形である必要はなく、C型形状のように一部に切り欠部を有している形状であればよい。実施形態では、例として、C型形状でほぼ円形のコイルを用いて説明する。また、支持基板部22は必ずしも長方形状の板状ではなくてもよいが、実施形態では、例として、長方形状を用いて説明をする。
スルーホール6は、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4を基板2を貫通させて、電気的に接続させるものであり、その配置位置は接続端子に隣接していることが好ましく、本実施形態では、各平面コイル3、4の端部の配置の関係から、基板2の支持基板部22とコイル基板部21の境界付近に設けることが好ましい。
図2は、実施形態1の図1から一対の磁性体コアを除いた平面コイル部10の詳細斜視図である。すなわち、基板2を挟んで、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4からなる構成になっている。第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、C型形状でほぼ円形でありCu板コイルである。第1の平面コイル3の巻き終わり端部35と、基板2の表面のスルーホール6の端部は、図示しない導パターンによって電気的に接続されており、また、第2の平面コイル4の巻き始め端部41と、基板2の裏面のスルーホール6の端部は、導パターン16によって電気的に接続されていて、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、スルーホール6を介して電気的に接続されている。
第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、基板2の表と裏の両面に対応する配置位置にそれぞれ備えられている。基板2には、各平面コイル3、4の開口に対応する部分に開口が設けられていて、一対の磁性体コア5a、5bはこの開口を貫通して嵌合する。
実施形態1では図2のように、第1の平面コイル3が1ターン目に相当し、第2の平面コイル4が2ターン目に相当している。第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の基板2の側に対向する面と、基板面との間の接触面積を少なくするため、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の、基板2の表裏の表面に対向する面に、それぞれ同数の(今回の例ではそれぞれ6箇所)の突起部11、および、12を設けた。
これらの突起部は、基板2の表裏の表面に設けられたはんだ付け用のランド8に、はんだ付けにより固定される。すなわち、基板2と、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4のそれぞれの間には、第1、第2の平面コイル3、4に突起部11、12が設けられている。第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、突起部11、12により基板2と接続され、突起以外の部分には空隙が備えられている。各突起部11、12は、平面的に、すなわち、図2の座標軸でいえば、Z軸方向に位置が重ならないように配置されている。また、図2において、第2の平面コイル4の突起部12は、第2の平面コイル4の基板面側に設けられているため破線で示してある。これは、図2以降の第2の平面コイル4の突起部12の図示においても同様とした。
図3は、図2における、第1の平面コイル3の−Z軸方向から見た平面図である。すなわち、図1の正面に対して下方から見た平面図である。基板2と第1の平面コイル3とを、はんだ付けによって固定するための突起部11は、約60°の角度α毎に設けており、各突起部11は、いわゆる円筒形状であり、第1の平面コイル3を基板2にバランス良く固定するため、例えば、内周側、外周側、内周側、外周側、内周側、外周側というように交互に内周側、外周側、あるいはその逆の順で、6箇所設定している。なお、突起部の形状は、円筒形状以外の形状でも構わない。また、各平面コイル3、4の基板2への搭載時の安定性のため、また、表裏の各平面コイル3、4を同一部品で構成することを考慮して、上記のように、各平面コイルの突起11を交互配置にして、上下の各平面コイルの3、4の各突起部11の重なりを無くすようにしているが、安定性と同一部品という条件を満たせば、突起部11は各平面コイルの、幅方向において、内周側、外周側に対して中央位置に配置しても良い。
なお、本実施形態においては、上記のように各平面コイル3、4は同一部品であると定義しているが、上下の突起が重ならないという条件を満たせば、必ずしも同一部品である必要はない。
第1の平面コイル3の基板2への突起部11による固定角度であるが、まず1ターン目である第1の平面コイル3の巻線を構成している基板2の表面の構成について、図3を用いて述べる。なお、図3において、基板2のZ軸方向の面を表面、−Z軸方向の面を裏面とするので、図3は裏面から見た平面図である。第1の平面コイル3の巻き始め端部31は、基板の中心軸7を基準にして、約50°の角度βだけ回転させた位置に配置する。第1の平面コイル3の基板2の側に設ける突起部11は巻き始め端部31を外周側としている。第1の平面コイル3の巻き終わり端部35に設けるもう一方の突起部11は内側となる。この巻き終わり端部35に隣接した位置の基板2に、裏面への貫通導体としてスルーホール6を設け、第1の平面コイル3の巻き終わり端部35とCuからなる図示しない導体パターンによる接続を行うことにより、2ターン目である第2の平面コイル4の巻き始め端部41への接続を行う。
図4は、図2における、第2の平面コイル4の−Z軸方向から見た平面図である。すなわち、図1の正面に対して下方から見た平面図である。基板2と第2の平面コイル4とを、はんだ付けによって固定するための突起部12は、約60°の角度α毎に設けており、各突起部12は、第2の平面コイル4を基板2にバランス良く固定するため、例えば、内周側、外周側、内周側、外周側、内周側、外周側というように交互に内周側、外周側、あるいは、その逆の順で6箇所を設定している。また、図4において、第2の平面コイル4の突起部12は基板面側の第2の平面コイル4に設けられているため破線で示してある。図12の、第2の平面コイル4の突起部12の図示においても同様とした。
第2の平面コイル4の基板2への突起部12による固定角度であるが、まず2ターン目である第2の平面コイル4の巻線を構成している基板2の裏面の構成について、図4を用いて述べる。なお、図4において、基板2のZ軸方向の面を表面、−Z軸方向の面を裏面とするので、図4は裏面から見た平面図である。第2の平面コイル4の巻き始め端部41は、基板の中心軸7を基準にして、約20°の角度γだけ回転させた位置に配置する。第2の平面コイル4の基板2の側に設ける突起部12は、巻き始め端部41を内周側としている。
第2の平面コイル4の巻き終わり端部45における、もう一方に設ける突起部12は外側となる。この巻き始め端部41に隣接した位置の基板2に、表面への貫通導体としてスルーホール6を設け、第2の平面コイル4の巻き始め端部41とCuからなる導体パターン16による接続を行うことにより、2ターン目である第2の平面コイル4の巻き始め端部41への接続を行う。なお、実施形態1の第1の平面コイル3と第2の平面コイル4とは同一部品である。
次に、実施形態1の平面コイル部10を流れる電流について説明する。図5は、図2において、電流の流れる様子を破線で示し、わかりやすくするために説明に不要な部分を省いた図である。図5によると、電流は、基板2の表面の第1の平面コイル3の巻き始め端部31から入力され、一周した後、巻き終わり端部35から図示しない導パターンを通りスルーホール6を通過し基板2の裏面の導パターン16を通り、第2の平面コイル4の巻き始め端部41に入力され、更に一周した後、巻き終わり端部45から出力される。
図6は、図2における、実施形態1の、+Yから−Yに向かう方向に透過して見た組み立て済みの状態での平面コイル部10のイメージ透過図である。また、図7は従来の形態を図6と同様にして示した平面コイル部のイメージ透過図である。図7に示した従来形態の場合は、実施形態1のような突起部は存在していないので、各平面コイル3、4と基板2は直接接しており基板2自体が誘電体であるため、平面コイル間には寄生容量が発生してしまい、1ターン目と2ターン目、および、基板との間で高周波成分が通過しやすくなってしまう。すなわち、高周波成分が、図8の回路における出力端84に現れやすく、平面コイル間を高周波成分が通過することが、高周波ノイズを増加させる要因となる。図6の実施形態1のように、各平面コイル3、4を、基板2に対して突起部11、12を用いて概ね浮かせて配置することにより空隙ができ、従来の形態よりも、各平面コイル3、4と基板2の接触面積を小さくすることができ、各平面コイル3、4の間に存在する寄生容量の影響を小さくすることができ、高周波成分の通過を抑制することができる。
また、基板2の表裏の面に、それぞれの突起部11、12のZ軸方向の配置位置が重ならないように、平面コイル3、4をずらして搭載することにより、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の間、および平面コイルの巻き始め端部と巻き終わり端部との間での寄生容量をさらに小さくすることが可能である。
図8は、実施形態1の平面コイルを用いたインダクタを、出力平滑回路内の平滑用チョークコイル81として使用した場合の、スイッチング電源装置70の回路構成図の一例である。スイッチング電源装置70は、4つのスイッチング素子71〜74を備えて構成され、直流入力電圧に基づいて入力交流電圧を生成するフルブリッジ型のブリッジ回路と、1次側巻線76および2次側巻線77、78を有し、上記入力交流電圧を変圧して出力交流電圧を生成するトランス75と、このトランスの2次側に設けられると共に複数の整流素子であるダイオード79、80を備えて構成され、これら複数の整流素子によって上記出力交流電圧を整流する全波整流回路と、全波整流されたパルス波形を直流化する平滑用チョークコイル81および容量素子であるコンデンサ82を有する平滑回路と、上記ブリッジ回路を駆動する駆動回路とを備え、出力端子間に接続されているものである。
図8の回路についての動作の概略であるが、高電圧バッテリ86の電圧が入力端子83に印加され、その直流電圧をスイッチング素子71〜74を用いてPWM制御や位相シフトPWM制御等により動作させ、トランス75の一次巻線76に交流として印加される。一次巻線76に印加された交流電圧は二次巻線77、78との比率に応じた電圧で伝達され、整流ダイオード79、80により全波整流され、平滑用チョークコイル81および容量素子であるコンデンサ82を有する平滑回路により、直流として出力端子84に導かれる。この出力端子84に接続される負荷としては、低圧バッテリ87や補機類85が接続される。制御回路88は、出力端子84間の電圧を制御するもので、上記の説明にあるような制御を行い、駆動信号を駆動回路89を通してスイッチング素子71〜74に送り上記動作を行わせるものである。
なお、図2をはじめとする実施形態1の平面コイル3、4は、図8の平滑用チョークコイル81とみなされ、図2の第1の平面コイル3の巻き始め端部31は、前段の回路である図8のダイオード79、80のカソード部と、Cuパターンや端子等により接続される。また、第2の平面コイル4の巻き終わり端部45は基板2の出口にあたり、後段の回路である図8のコンデンサ82の一方の端子と、基板上に設けたCuパターンや端子等により接続される。
図9は、図8の回路において、平滑用チョークコイル81に、図7のような従来の基板による巻線構造を用いた場合の、出力端子84から負荷85までの配線から発生する放射ノイズデータである。出力端子84に発生する放射ノイズは、前段の出力チョークコイル81とコンデンサ82による平滑回路に存在する高周波ノイズが基になり発生するものである。従って、高周波ノイズを抑制することで、放射ノイズが低減されることになる。
図10は、図8の回路において、平滑用チョークコイル81に実施形態1の構成を用いた場合の、出力端子84から負荷85までの配線から発生する放射ノイズデータである。ここで、FMラジオ帯(76MHz〜108MHz)に着目すると、図9に示す従来の構成による放射ノイズレベルは最大で39dB/μVであったものが、実施形態1の図10においては、最大で32dB/μVの放射ノイズレベルとなり、放射ノイズを7dB/μV低減する効果があることが分かる。すなわち、平面コイル間を高周波成分が通過することが高周波ノイズを増加させる要因となるため、高周波成分が通過しやすい基板を介した容量成分を小さくすることにより、高周波ノイズを抑制する効果を確認できた。
また、突起は、各平面コイルの基板側の面に設けることが好ましいが、必要に応じて基板面に設けても構わない。図11は、実施形態1において、各平面コイルの突起部11、12を無くす代わりに、基板2の表裏の両面側に突起部13を設けた変形例である。図11では、第1の平面コイル3側の突起部13は隠れて見えないが存在している。基板に設けた突起部13に対応する各平面コイル側のコイル表面には、導体からなるランドは設けられていない。変形例の、基板に設けた突起部13の配置位置は、実施形態1と同様に、Z軸方向の配置位置が重ならないようにずらして搭載することが好ましい。変形例の突起部13の材料は、Cu等の平面コイルと同じ材料からなる。程度の違いはあれ、実施形態1と同様の寄生容量を抑制する効果が得られる。なお、基板側に突起部を設ける変形例は、これから説明する他の実施形態に対してでも有効である。基板2の突起部と各平面コイル側のコイル表面との接続は、例えば、はんだ付けなどによって行う。
実施形態1では、1ターンのC型形状の各平面コイル3、4を組み合わせた巻数2ターンの平面コイル部10について説明してきたが、以下の実施形態においては2ターンの各平面コイルを組み合わせた巻数3ターン以上の平面コイル部について詳細に説明する。
(実施形態2)
巻数4ターンを構成する場合の平面コイル部10の実施形態2について図12を用いて説明する。図12は、実施形態2の構成を示しており、実施形態1の1ターンの第1の平面コイル3と第2の平面コイル4を、それぞれ2ターンに置き換えた平面コイル部10の分解斜視図である。各平面コイル3、4の巻線は、基板2の表面に搭載された1、2ターン目を構成している2ターンの渦巻状の第1の平面コイル3と、裏面に搭載された3、4ターン目を構成している2ターンの渦巻状の第2の平面コイル4とにより構成される。なお、2ターンの渦巻形状の、とは、巻き始め端部と、巻き終わり端部を有するC型形状であって、ほぼ円形に2巻き巻かれた形状であり、必ずしも円形である必要はないが、実施形態としては、渦巻形状でほぼ円形の平面コイルの例を用いて説明する。実施形態でいうC型形状とは、両端が閉じていないという意味を含んでいる。
図12において、平面コイル部10は、基板2を挟んで、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4からなる構成になっている。2ターンの第1の平面コイル3の巻き終わり端部35は、図示しないCuからなる導パターンによって基板2の表面のスルーホール6の端部と電気的接続されており、また、2ターンの第2の平面コイル4の巻き始め端部41と基板2の裏面のスルーホール6の端部が、導パターン16によって電気的接続されており、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、基板2の貫通導体としてのスルーホール6を介して電気的接続をしている。
第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、基板2の側に対向する面との接触面積を少なくするため、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の各々の面に、1ターンにつき6箇所、計12箇所の突起部11、12が設けられ、基板2の表裏の面に設けられたはんだ付け用のランド8にはんだ付けにより固定される。基板2と各平面コイル3、4とを、はんだ付けによる固定を行うための突起部11、12は、各平面コイルの各ターン毎に約60°の角度α毎に設けており、各突起部11、12は、各平面コイル3、4を基板2にランド8を介してバランス良く固定するため、例えば、内周側、外周側、内周側、外周側、内周側、外周側というように交互に内周側、外周側、あるいは、その逆の順で1ターンにつき6箇所設定している。1ターン毎に6箇所を設定してあるので2ターンで12箇所となり、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4では4ターンなので合計24箇所の設定となる。すなわち、基板2と第1の平面コイル3、および、基板2と第2の平面コイル4のそれぞれの間には、第1、第2の平面コイル3、4に突起部11、12が設けられている。第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、突起部11、12により基板2と接続されるとともに、突起以外の部分には空隙が備えられている。
図13は、図12における実施形態2の第1の平面コイル3の−Z軸方向から見た平面図であり、図1の正面から見たときに下方から見た平面図である。図13において、第1の平面コイル3は、例えば2ターンの渦巻形状のコイルの外側の1ターンの端部を巻き始め端部31とすると、2ターンした後の内側の1ターンの端部が巻終わり端部35となる。第1の平面コイル3の2ターンのうちの、外側の1ターンは1ターン目に相当し、内側は2ターン目に相当する。実施形態3においては、第1の平面コイル3の巻き始め端部31の突起部11は外周側であり、巻終わり端部35の突起部11は内周側である。第1の平面コイル3の巻き始め端部31は、基板の中心軸7を基準にして約50°の角度βだけ回転させた位置に配置する。
図14は、図12における実施形態2の第2の平面コイル4の−Z軸方向から見た平面図であり、図1の正面から見た場合には下方から見た平面図である。図14において、例えば第2の平面コイル4は、2ターンの渦巻形状のコイルの内側の1ターンの端部を巻き始め端部41とすると、2ターンした後の外側の1ターンの端部が巻終わり端部45となる。第2の平面コイル4の2ターンのうちの、内側の1ターンは3ターン目に相当し、外側は4ターン目に相当する。実施形態2においては、第2の平面コイル4の巻き始め端部41の突起部12は内周側であり、巻終わり端部45の突起部12は外周側である。第2の平面コイル4の巻き始め端部41は、基板の中心軸7を基準にして約20°の角度γだけ回転させた位置に配置する。
実施形態2の平面コイル部10を流れる電流について説明する。図15は、電流の流れる様子を破線で示し、わかりやすくするために説明に不要な部分を省いた図である。図15において、電流は、基板2の表面の第1の平面コイル3の巻き始め端部31から入力され、2周した後、巻き終わり端部35から図示しない導パターンを通りスルーホール6を通過して基板2の裏面の導パターン16を通り、第2の平面コイル4の巻き始め端部41に入力されて、更に2周した後、巻き終わり端部45から出力される。
なお、第1の平面コイル3の巻き始め端部31は、前段の回路である図8のダイオード79、80のカソード部と、Cuパターンや端子等により接続される。また、第2の平面コイル4の巻き終わり端部45は基板2の出口にあたり、後段の回路である図8のコンデンサ82の一方の端子とCuパターンや端子等により接続される。
また、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、巻数において、各平面コイルの損失量(電流の2乗×抵抗値)を揃えたい、すなわち、発熱量を同等としたいため、同じ巻数である一対であることが好ましいのであるが必ずしも一対である必要はない。例えば、第1の平面コイル3が1ターンで、第2の平面コイル4が3ターンであってもよい。その場合は、抵抗値は断面積と配線長と抵抗率の積となるため、第2の平面コイル4の3ターン側の断面積を厚み方向を増やしてやる必要がある。すなわち、基板2を挟んでいる第1の平面コイル3と第2の平面コイル4との抵抗値を合わせるように厚みを調整し、各々のコイルに設ける突起部が重ならないように、各々のコイルに配置することにより、寄生容量の増加を抑制することができる。
実施形態2においても、実施形態1と同様に、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4を、基板2に対して突起部11、12を用いて概ね浮かせて配置することにより空隙ができて接触面積を小さくできるので、基板2に存在する寄生容量の影響を小さくして使用することが可能である。また、実施形態2において、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、実施形態1と同様に、基板2の表裏の面にそれぞれの突起部11、12をZ軸方向の配置位置が重ならないようにずらして搭載することにより、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の間、および、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の巻き始め端部と巻き終わり端部とのZ軸方向上下間での、寄生容量をさらに小さくすることが可能である。また、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の巻数が一対ではない場合についても同様に、それぞれの突起部をZ軸方向の配置位置が重ならないようにずらして搭載することが好ましい。
なお、実施形態2における第1の平面コイル3と第2の平面コイル4とは同一部品である。以上のように、第1の平面コイル3と、第2の平面コイル4、基板2との組み合わせや配置の関係については実施形態1と同様であり、程度の違いはあれ同様の効果が得られる。
(実施形態3)
巻数3ターンを構成する場合の平面コイル部10の実施形態3について図16を用いて説明する。図16は、実施形態3として、実施形態1の1ターンの第1の平面コイル3と第2の平面コイル4を、それぞれ2ターンに置き換えた平面コイル部10の分解斜視図である。平面コイル部10は、基板2を挟んで第1の平面コイル3と第2の平面コイル4からなる構成になっており、各平面コイル3、4の巻線は、基板2の表面に搭載された1、2ターン目を構成している2ターンの第1の平面コイル3と、裏面に搭載された2、3ターン目を構成している2ターンの第2の平面コイル4とにより構成される。
図16において、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4はそれぞれ2ターンの渦巻形状のコイルとなっており、基板2と各平面コイル3、4とをはんだ付けにより固定するため、および、基板2の側に対向する面の接触面積を少なくするために、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4に設けられた突起部11、12は、各平面コイルの各ターン毎に約60°の角度α毎に設けており、突起部11、12は各平面コイル3、4を基板2にバランス良く固定するため、例えば、内周側、外周側、内周側、外周側、内周側、外周側というように交互に内周側、外周側、あるいは、その逆の順で各平面コイルにつき2ターンであるので、1ターン毎に6箇所で2ターンで12箇所となり、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4では4ターンなので合計24箇所の設定となる。すなわち、基板2と第1の平面コイル3、基板2と第2の平面コイル4とのそれぞれの間には、第1、第2の平面コイル3、4に突起部11、12が設けられていることで、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、突起部11、12により基板2と接続されているとともに、突起以外の部分には空隙が備えられている。
実施形態3の、第1の平面コイル3の基本構成は実施形態2とほぼ同じである。例えば、2ターンの渦巻形状のコイルの外側の1ターンの端部を巻き始め端部31とすると、2ターンした後の内側の1ターンの端部が巻終わり端部35となる。第1の平面コイル3の2ターンのうちの、外側の1ターンは1ターン目に相当し、内側は2ターン目に相当する。実施形態3においては、第1の平面コイル3の巻き始め端部31の突起部11は外周側であり、巻終わり端部35の突起部11は内周側である。第1の平面コイル3の巻き始め端部31は、基板の中心軸7を基準にして図13のような約50°の角度βだけ回転させた位置に配置する。
実施形態3の第2の平面コイル4の基本構成は実施形態2とほぼ同じである。例えば、2ターンの渦巻形状のコイルの内側の1ターンの端部を巻き始め端部41とすると、2ターンした後の外側の1ターンの端部が巻終わり端部45となる。第2の平面コイル4の2ターンのうちの、内側の1ターンは3ターン目に相当し、外側は4ターン目に相当する。実施形態3においては、第2の平面コイル4の、巻き始め端部41の突起部12は内周側であり、巻終わり端部45の突起部12は外周側である。第2の平面コイル4の巻き始め端部41は、基板の中心軸7を基準にして図14のような約20°の角度γだけ回転させた位置に配置する。
実施形態3では、図16のように、第1の平面コイル3の2ターンのコイルのうちの内側の1ターンのコイルと、第2の平面コイル4の2ターンのコイルのうちの内側の1ターンのコイルの一部が、Cuからなる第1のスルーホール63と第2のスルーホール64を介して基板2を貫通させることにより並列接続されている。また、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4は、基板2の側に対向する面の接触面積を少なくするため、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4の、合計4ターンのコイルの各々のコイル1ターンあたり6箇所で平面コイルあたり2ターンなので12箇所の突起部11、12が設けられ、基板2の表裏の面に設けたはんだ付け用のランド8にはんだ付けにより固定される。
図16において、例えば第1の平面コイル3において、2ターンの渦巻形状のコイルのうちの外側の1ターンのコイルの端部を巻き始め端部31とすると、1ターンした後の内側の1ターンのコイルの第1の中間部32が設けられ、2ターンした後の内側の1ターンのコイルの端部が巻終わり端部35となる。第1の平面コイル3の内側の1ターンのコイルの部分、すなわち、第1の中間部32から巻終わり端部35までの部分のコイルの幅は、第1の平面コイル3の外側の1ターンのコイルの部分、すなわち、巻き始め端部31から第1の中間部32までの部分のコイルの幅はほぼ1/2になっている。
図16において、例えば第2の平面コイル4において、2ターンの渦巻形状のコイルのうちの内側の1ターンのコイルの端部を巻き始め端部41とすると、1ターンした後の内側の1ターンのコイルの第2の中間部42が設けられ、2ターンした後の外側の1ターンのコイルの端部が巻終わり端部45となる。第2の平面コイル4の内側の1ターンのコイルの部分、すなわち、巻き始め端部41から第2の中間部42までの部分のコイルの幅は、第2の平面コイル4の外側の1ターンのコイルの部分、すなわち、第2の中間部42から巻終わり端部45までの部分のコイルの幅はほぼ1/2になっている。
上述のように、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4のそれぞれの内側のコイルの幅を1/2に狭くして並列で接続させているため、この内側のコイルの狭くなっている部分に流れる電流は、外側のコイルに流れる電流の1/2になる。従って、このように並列接続を行うことにより、各平面コイル3、4で元々4ターンであったものを3ターンと同義とすることで、前述の突起部11、12を併用することにより、各巻線間および平面コイルの巻き始め端部と巻き終わり端部との寄生容量を小さくすることが可能である。
実施形態3では、第1の平面コイル3に流れる電流は、第1の中間部32において2つのルートに分流され、第2の平面コイル4に流れる電流は、第1の中間部42において分流された2つのルートから合流される。これについて以下に説明する。
ここで、実施形態3の接続方法によりそれに流れる電流について詳しく説明する。図17は、2つのルートに分流されて流れる電流の様子を破線、及び、実線で示し、わかりやすくするために説明に不要な部分を省いた図である。図17において、電流が、第1の平面コイル3の2ターンのコイルのうちの外側の1ターンのコイルの端部である巻き始め端部31から入力され、一周して、内側の1ターンのコイルの第1の中間部32に到達する。そこで、第1の中間部32で分流される一方の電流は、隣接した最近の突起11から図示しない導パターンを介して第1のスルーホール63を介して基板2を貫通して、その後破線で示すように、第1のスルーホール63から導パターンを介して第2の平面コイル4の内側の1ターンのコイルの巻き始め端部41に隣接した最近の突起12へ流れて、更に一周して、第2の中間部42に到達する。そして、第2の平面コイル4の外側の1ターンのコイルを流れて巻き終わり端部45から出力される。
また、図17において、第1の平面コイル3の第1の中間部32で分流されるもう一方の電流は、実線で示すように、第1のスルーホール63を介さないで第1の平面コイル3の内側の1ターンのコイルをそのまま一周して巻終わり端部35へ到達して、そこから隣接した最近の突起11から図示しない導パターンを介して第2のスルーホール64へ流れ、第2のスルーホール64から図示しない導パターンを介して第2の中間部42に隣接した最近の突起12へ流れて、第2の平面コイル4の2ターンのコイルのうちの第2の中間部42に到達する。そして、第2の平面コイル4の外側の1ターンのコイルを流れて巻き終わり端部45から出力される。
つまり、電流は、第1の平面コイル3の巻き始め端部31から入力され、図17において破線で示すように、第1の中間部32で分離し、第1の平面コイル3の幅が狭いコイルを一周して巻終わり端部35へ至るルートと、第1のスルーホール63を介して、第2の平面コイル4の巻始め端部41から第2の中間部42へ一周して流れこむルートの2つのルートを通り、合流した第2の中間部42から、そのまま、巻き終わり端部45から出力されるという回路を構成している。すなわち、第1の平面コイル3の巻始め端部31から中間部32を経由した巻終わり端部35まで、および、第2の平面コイル4の巻始め端部41から中間部42を経由した巻終わり端部45までは、それぞれ直列接続であり、第1の平面コイル3の中間部32から巻終わり端部35まで、および、第2の平面コイル4の巻始め端部41から中間部42までは並列接続となる。これを直並列接続と呼ぶ。
なお、上記と同様に、内側に対して外側のコイルを細くして並列接続としても良い。
第2のスルーホール64は、第1の平面コイル3の巻き終わり端部35に隣接した位置に基板2の裏面への貫通導体として設けられ、第1の平面コイル3の巻き終わり端部35と第2の平面コイル4の第2の中間部42を接続している。なお、各平面コイルは銅板で形成されている。
第1のスルーホール63は、第2の平面コイル4の巻始め端部41に隣接した位置に基板2の表面への貫通導体として設けられ、第2の平面コイル4の巻始め端部41と第1の平面コイル3の第1の中間部32を接続している。
実施形態3においても実施形態1と同様に、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4を、基板2に対して突起部11、12を用いて概ね浮かせて配置することにより、空隙ができて接触面積を小さくできるので、平面コイル3、4間に存在する寄生容量の影響を小さくして使用することが可能である。
(実施形態4)
図18は、実施形態4における平面コイル部10の一部を示す分解斜視図である。主な構造は実施形態1と同じであるが、実施形態1と異なる点は第2の突起部14の形状である。図18では、基板2を挟むように形成された第1の平面コイル3と第2の平面コイル4、すなわち、平面コイル部10のうち第2の平面コイル4は省略した。表面側の第1の平面コイル3は、基板2の側に6箇所の第2の突起部14の折り曲げ部15を持ち、基板2との接触面の形状が四辺形状となっており、基板2の両面に設けたはんだ付け用のランド8にはんだ付けにより固定される。同様に、図18では省略したが、裏側の第2の平面コイル4にも基板2の側に6箇所の第2の突起部14である折り曲げ部を持ち、基板2との接触面の形状が四辺形状となっており、基板2に設けたはんだ付け用のランド8にはんだ付けにより固定される。
図18における、第2の突起部14の形状について、一例として、図19に第2の突起部14の拡大断面図を示す。図19の折り曲げ部15の形状が、図18の折り曲げ部15の形状とは同一形状ではないが一例として示している。実施形態4が実施形態1と異なる点は、実施形態1の突起部11、12と同じ役割である折り曲げ部15を有する第2の突起部14であって形状に特徴を有している。第2の突起部14の形成を曲げ加工により行うことにより、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
実施形態4においても実施形態1と同様に、各平面コイル3、4を、基板2に対して第2の突起部14の折り曲げ部15を用いて概ね浮かせて配置することにより、基板2に対する接触面積を小さくすることができるため、平面コイル3、4間に存在する寄生容量の影響を小さくして使用することが可能である。以上のように、第1の平面コイル3と第2の平面コイル4、基板2との組み合わせや配置の関係については、実施形態1と同様であり、同様の効果が得られる。
1 巻線部品
2 基板
3 第1の平面コイル
4 第2の平面コイル
5a 第1の磁性体コア
5b 第2の磁性体コア
6、63、64 スルーホール
7 基板の中心軸
8 ランド
10 平面コイル部
11、12、13 突起部
14 鉤状突起部
15 折り曲げ部
16 導パターン
21 コイル基板部
22 支持基板部
31、41 巻き始め端部
32 第1の中間部
42 第2の中間部
35、45 巻き終り端部
63 第1のスルーホール
64 第2のスルーホール
70 スイッチング電源装置
71、72、73、74 スイッチング素子
75 トランス
76 1次側巻線76
77、78 2次側巻線
79、80 ダイオード
81 平滑用チョークコイル
82 コンデンサ
83 入力端子
84 出力端子
85 補機類
86 高電圧バッテリ
87 低圧バッテリ87
88 制御回路
89 駆動回路

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板を挟むように、第1の平面コイルと第2の平面コイルを備えており、
    前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルは、それぞれ、巻き始め端部と、巻き終わり端部を備え、
    前記基板は、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルとほぼ同じ平面形状を含むコイル基板部を備えており、
    前記基板には、前記基板を貫通し、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルを導通させるためのスルーホールを備え、
    前記基板と前記第1の平面コイルの間、および、前記基板と前記第2の平面コイルの間には、部分的に空隙を構成するための、複数の突起部を備えたことを特徴とする巻線部品。
  2. 前記複数の突起部は、前記第1の平面コイルおよび前記第2の平面コイルの、前記基板に対向する側に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の巻線部品。
  3. 前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルに設けられた前記複数の突起部は、互いに、平面的に重ならないように、位置をずらして配置されていることを特徴とする請求項2に記載の巻線部品。
  4. 前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルは、一対であり、前記複数の突起部は、前記各平面コイルの1ターン毎に、外周側、内周側、あるいは、内周側、外周側というように、交互に、位置をずらして重ならないように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の巻線部品。
  5. 前記複数の突起部は、
    前記基板上の対応する位置に設けられた導体からなるランドに固定され、
    前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルそれぞれの接続端子近傍に設けられた突起部に対応するランド間が、前記スルーホールを介して電気的に接続される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の巻線部品。
  6. 前記第1の平面コイル、および、前記第2の平面コイルの、それぞれの端部は、互いに、平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の巻線部品。
  7. 前記複数の突起部の、前記基板との接触面の形状が四辺形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の巻線部品
  8. 前記複数の突起部は、前記第1の平面コイルおよび前記第2の平面コイルに対向する前記基板の前記コイル基板部にのみ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の巻線部品。
  9. 一対の、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルは、それぞれ、2ターンであって、
    前記各平面コイルは、1ターン目から2ターン目に架かる中間部を有し、
    前記第1の平面コイルの、第1の中間部に最も近い位置にある前記突起部である第1の中間突起部に対応するランドと、前記第2の平面コイルの、内側の巻き始めに相当する部分に最も近い位置にある前記突起部に対応するランド間が、第1のスルーホールを介して電気的に接続され、
    さらに、前記第1の平面コイルの、内側の巻き終わりに相当する部分に最も近い位置にある前記突起部に対応するランドと、前記第2の平面コイルの、第2の中間部に最も近い位置にある前記突起部である第2の中間突起に対応するランド間が、第2のスルーホールを介して電気的に接続され、
    前記それぞれの平面コイルの、内側の平面コイルの幅は、外側の平面コイルの幅の1/2である
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の巻線部品。
  10. 前記基板、および、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルは共通の開口を備えており、前記開口を貫通するように、前記第1の平面コイルと前記第2の平面コイルを磁気的に結合させるための一対の磁性体コアを備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の巻線部品。
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