JP6359390B2 - インプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具 - Google Patents

インプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具 Download PDF

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Description

この発明は、インプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具に係り、特に、生体内の標的組織に植え込まれるインプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具に関する。
従来から、医療分野において、生体内の標的組織、例えば、前立腺肥大を引き起こす腫瘍組織などに植え込まれるインプラントデバイスが開発されている。このインプラントデバイスは、標的組織を治療するための薬剤を生体分解性のコーティング層で覆ったもので、インプラントデバイスが標的組織内に植え込まれた際にコーティング層が分解されることにより、内部に含まれる薬剤を標的組織に直接的に投与することができる。このように、薬剤を標的組織に直接的に投与することで、標的組織の周囲に存在する正常組織に薬剤が接触して正常組織に負荷を与えることを抑制することができる。
一方、正常組織への負荷を抑制する薬剤として、標的組織に対して高浸透圧場を形成する高浸透圧場形成剤が提案されている。例えば、非特許文献1には、高濃度のショ糖からなる高浸透圧場形成剤をガン細胞に添加して高浸透圧場を形成することにより、ガン細胞を破壊する治療方法が開示されている。高浸透圧場形成剤として使用されるショ糖は、ガン細胞の破壊に用いられた後には周囲に拡散して濃度が低下すると共に生体内で速やかに分解されるため、ガン細胞の周囲に存在する正常組織に負荷を与えることを抑制することができる。
畑中研一、"高濃度の砂糖を用いた新しいガン治療法の開発〜砂糖に関する学術調査報告から〜"、[online]、農畜産業振興機構、[平成26年7月25日検索]、インターネット〈http://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0611b.htm〉
しかしながら、高浸透圧場形成剤をインプラントデバイスの薬剤として用いた場合には、インプラントデバイスのコーティング層が生体内で比較的穏やかに分解されるためコーティング層の外部と内部を連通する連通孔が局部的に形成される。このため、コーティング層が完全に分解される前に、局部的に形成された連通孔から高浸透圧場形成剤が流出し、標的組織に対して広い範囲に高浸透圧場を形成することができず、標的組織を確実に治療することが困難となる。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、高浸透圧場を形成して標的組織を確実に治療することができるインプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具を提供することを目的とする。
この発明に係るインプラントデバイスは、生体内の標的組織に植え込まれるインプラントデバイスであって、標的組織に対して高浸透圧場を形成する高浸透圧場形成剤と、高浸透圧場形成剤を覆う生体分解性のコーティング層と、高浸透圧場形成剤を覆うように高浸透圧場形成剤とコーティング層の間に配置され且つコーティング層が局部的に消失して生体内の体液に接触したときに膨潤してコーティング層を連鎖的に剥離する膨潤層とを備えたものである。
ここで、コーティング層が、局部的に薄く形成された少なくとも1つの窪みを有することができる。また、コーティング層が、少なくとも1つの貫通孔を有することもできる。
また、円錐形状を有することが好ましい。
この発明に係るインプラントデバイス植え込み具は、上記のいずれかに記載のインプラントデバイスを生体内の標的組織に植え込むためのインプラントデバイス植え込み具であって、インプラントデバイスを保持するインプラントデバイス保持部材と、インプラントデバイス保持部材に対して移動されることによりインプラントデバイス保持部材に保持されたインプラントデバイスをインプラントデバイス保持部材から離脱させるインプラントデバイス離脱部材とを備えるものである。
ここで、インプラントデバイス保持部材は、円筒部材と、円筒部材の先端に配置され且つインプラントデバイスのコーティング層に刺すことでインプラントデバイスを保持する複数の保持ピンとを有し、インプラントデバイス離脱部材は、円筒部材の内部にスライド可能に挿入され且つ円筒部材に対して前進することで複数の保持ピンにより円筒部材の先端に保持されているインプラントデバイスを前方へ押し出す押し出し部材からなるのが好ましい。
また、インプラントデバイス保持部材は、インプラントデバイスを貫通することでインプラントデバイスを保持する針状部材からなり、インプラントデバイス離脱部材は、内部に針状部材がスライド可能に挿入され且つ針状部材に対して前進することで針状状部材に保持されているインプラントデバイスを針状部材の先端から前方へ押し出す円筒部材からなるのが好ましい。
また、針状部材は、複数のインプラントデバイスを連ねて貫通することで複数のインプラントデバイスを保持することができる。
この発明によれば、高浸透圧場形成剤を覆うように高浸透圧場形成剤とコーティング層の間に配置された膨潤層を備えるので、高浸透圧場を形成して標的組織を確実に治療することができるインプラントデバイスおよびインプラントデバイス植え込み具を提供することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係るインプラントデバイスの構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係るインプラントデバイス植え込み具の構成を示す断面図である。 インプラントデバイス植え込み具からインプラントデバイスを離脱させる様子を示す図である。 インプラントデバイスが生体内の腫瘍組織に植え込まれる様子を段階的に示す図である。 コーティング層が分解される様子を示す断面図である。 コーティング層が剥離される様子を示す断面図である。 実施の形態2に係るインプラントデバイスの構成を示す断面図である。 実施の形態2の変形例に係るインプラントデバイスの構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るインプラントデバイス植え込み具の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るインプラントデバイス植え込み具からインプラントデバイスを離脱させる様子を示す断面図である。 実施の形態3の変形例に係るインプラントデバイス植え込み具の構成を示す断面図である。 実施の形態3の他の変形例に係るインプラントデバイス植え込み具の構成を示す断面図である。 実施の形態1〜3の変形例に係るインプラントデバイスの構成を示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るインプラントデバイス1の構成を示す。このインプラントデバイス1は、生体内の標的組織に植え込まれるもので、円錐形状に形成され、高浸透圧場形成剤2と、膨潤層3と、コーティング層4とを有する。インプラントデバイス1は、生体内の標的組織まで挿入可能な大きさで形成され、例えば、標的組織が前立腺肥大を引き起こす腫瘍組織である場合には、高さが0.1cm〜3cm、好ましくは、0.3cm〜1cmで、幅が0.1cm〜2cm、好ましくは、0.25cm〜1cmとなるように形成することができる。
高浸透圧場形成剤2は、円錐形状を有し、インプラントデバイス1の内部に配置されている。高浸透圧場形成剤2は、生体内の体液に溶解した際に標的組織に対して浸透圧が高くなるように濃度調整された材料から構成され、生体内の標的組織に対して高浸透圧場を形成するものである。高浸透圧場形成剤2としては、生体内で分解される材料から構成されることが好ましく、例えば、生体内で分解される糖類、塩類および高分子などから構成することができる。
コーティング層4は、高浸透圧場形成剤2を覆うように一様な厚さで形成され、インプラントデバイス1の最外部に配置されている。コーティング層4は、インプラントデバイス1が生体内に挿入されて標的組織まで到達するまでの間に、内部に配置された高浸透圧場形成剤2が外部に流出することを防ぐためのものである。コーティング層4は、生体内に存在するマクロファージおよび体液などの分解物質により分解される材料、いわゆる生体分解性の材料から構成され、インプラントデバイス1を生体内に留置した際、徐々に生分解するポリマーであって、人間または動物の生体に悪影響を及ぼさないポリマーであれば特に限定されないが、生体安定性が高いものが好ましく、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、桂皮酸、および桂皮酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの重合体、前記重合体を構成する単量体が任意に共重合されてなる共重合体、並びに前記重合体および/または前記共重合体の混合物であることが好ましい。これらの中でも、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、あるいは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)がさらに好ましい。生体内で分解することを考慮すると、医学的に安全なものがよいからである。なお、本明細書における「混合物」とは、ポリマーアロイなどの複合物なども含む広い概念である。
ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、あるいは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)は、市販のものを購入しても合成してもよく、合成する場合は、例えば、L−乳酸、D−乳酸およびグリコール酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリドから必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、およびD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。
膨潤層3は、高浸透圧場形成剤2を覆うように一様な厚さで形成され、高浸透圧場形成剤2とコーティング層4の間に配置されている。膨潤層3は、コーティング層4が分解されて局所的に消失した時に生体内の体液に接触して膨潤するもので、この膨潤によりコーティング層4を連鎖的に剥離することができる。膨潤層3としては、高吸水性樹脂が好適に用いられ、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいは、イソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
次に、インプラントデバイス1を生体内の標的組織に植え込むためのインプラントデバイス植え込み具について説明する。
図2に、インプラントデバイス植え込み具の構成を示す。このインプラントデバイス植え込み具は、インプラントデバイス1を保持するインプラントデバイス保持部材5と、インプラントデバイス保持部材5に対して移動されることによりインプラントデバイス保持部材5に保持されたインプラントデバイス1をインプラントデバイス保持部材5から離脱させるインプラントデバイス離脱部材6とを有する。
インプラントデバイス保持部材5は、円筒部材7と、円筒部材7の先端に配置され且つインプラントデバイス1のコーティング層4に刺すことでインプラントデバイス1を保持する複数の保持ピン8とを有する。
円筒部材7は、インプラントデバイス1を生体内の標的組織まで挿入するために細長く延びた形状を有し、例えば、標的組織が前立腺肥大を引き起こす腫瘍組織である場合には、尿道に挿入できるように直径が3mm〜20mm、好ましくは、5mm〜15mmで、基端から先端までの長さが20cm〜60cm、標準で40cm程度となるように形成することができる。円筒部材7の内部には、基端から先端まで延びる内管7aが形成されている。円筒部材7は、可撓性を有する材料から構成されることが好ましく、例えば樹脂材料から構成することができる。
複数の保持ピン8は、円錐形状を有し、その先端部がインプラントデバイス1のコーティング層4に突き刺されている。
インプラントデバイス離脱部材6は、円筒部材7の内部に形成された内管7aにスライド可能に挿入された押し出し部材9からなる。押し出し部材9は、図3に示すように、円筒部材7に対して前進することにより、複数の保持ピン8により円筒部材7の先端に保持されているインプラントデバイス1を前方へ押し出すことができる。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
まず、図2に示すように、インプラントデバイス1の後端部11に対してインプラントデバイス保持部材5の先端に配置された複数の保持ピン8を突き刺すことにより、インプラントデバイス1をインプラント保持部材5に保持させる。
続いて、インプラントデバイス植え込み具は、先端に保持されたインプラントデバイス1を先頭にして生体管腔を介して生体内に挿入され、インプラントデバイス1を標的組織まで挿入する。例えば、標的組織が前立腺肥大を引き起こす腫瘍組織である場合には、インプラントデバイス植え込み具は、尿道を介してインプラントデバイス1を前立腺肥大の腫瘍組織まで挿入する。
この時、インプラントデバイス1の外表面は、コーティング層4で覆われているため、内部に配置された高浸透圧場形成剤2が外部に流出することを抑制し、尿道に存在する正常組織を損傷することなくインプラントデバイス1を前立腺肥大の腫瘍組織まで挿入することができる。
インプラントデバイス1が腫瘍組織に到達すると、インプラントデバイス植え込み具は、図4(A)に示すように、そのまま腫瘍組織T内にインプラントデバイス1を先端部10から植え込むように前進する。ここで、インプラントデバイス1は、円錐形状を有するため先端部10に向かって縮径されており、インプラントデバイス1を標的組織T内にスムーズに植え込むことができる。
このようにして、図4(B)に示すように、インプラントデバイス1が、先端部10から後端部11まで完全に標的組織T内に植え込まれると、操作者が基端側からインプラントデバイス離脱部材6の押し出し部材9を操作して、押し出し部材9をインプラントデバイス保持部材5の円筒部材7に対して前進させることにより、円筒部材7がインプラントデバイス1の後端部11を前方へ押し出す。これにより、図4(C)に示すように、インプラントデバイス1の後端部11から複数の保持ピン8が引き抜かれて、インプラントデバイス1がインプラント保持部材5の先端部から離脱される。
インプラントデバイス1が先端部から離脱されたインプラントデバイス植え込み具は、生体管腔を介して生体内から引き出される。
このようにして、前立腺肥大の腫瘍組織Tに完全に植え込まれたインプラントデバイス1は、コーティング層4が生体分解性の材料、例えば生体内に存在するマクロファージMにより分解される材料から構成されているため、図5に示すように、コーティング層4が腫瘍組織Tに存在するマクロファージMにより分解される。この時、腫瘍組織T内には尿道などの生体管腔内と比較して多くのマクロファージMが存在するため、インプラントデバイス1を腫瘍組織T内に植え込むことによりコーティング層4の分解が急速に進行する。すなわち、コーティング層4は、インプラントデバイス1が腫瘍組織T内に植え込まれる前までは分解が抑制され、腫瘍組織T内に植え込まれることにより分解が急速に進行することになる。
コーティング層4は、マクロファージMによる分解により局部的に消失し、コーティング層4の外側と膨潤層3とを連通する複数の連通孔12が形成される。
この連通孔12の形成により、図6(A)に示すように、生体内の体液Fが、連通孔12を介してコーティング層4の内側に流入し、膨潤層3に接触する。膨潤層3は、連通孔12から流入する体液Fを内部に取り込み、図6(B)に示すように、外部に向かって***13するように膨潤してコーティング層4を持ち上げる。膨潤層3は、複数の連通孔12が形成されたそれぞれの個所において***13してコーティング層4を次々と持ち上げることによりコーティング層4を連鎖的に剥離する。
このように、コーティング層4の内側に膨潤層3を配置することにより、連通孔12を起点としてコーティング層4を迅速に剥離することができる。
コーティング層4が剥離されることにより、膨潤層3は、腫瘍組織T内において全表面が露出すると共に体液Fと接触して全体が膨潤される。続いて、腫瘍組織T内に露出された膨潤層3を介して、図6(C)に示すように、腫瘍組織T内の体液Fが高浸透圧場形成剤2内に流入することにより高浸透圧場形成剤2が溶解されて高濃度の高浸透圧場形成溶液Pを生成すると共に、生成された高浸透圧場形成溶液Pが膨潤層3を介して外側に流出される。高浸透圧場形成溶液Pの流出により腫瘍組織Tの周囲に高浸透圧場が形成され、この高浸透圧場の浸透圧に応じて腫瘍組織Tの細胞内に含まれる水分が外部に流出することにより腫瘍組織Tを破壊することができる。
この時、膨潤層3の膨潤によりコーティング層4が迅速に剥離されるため、高浸透圧場形成溶液Pが局所的に流出して高浸透圧場形成溶液Pの濃度が低下することを抑制し、腫瘍組織Tに対して高浸透圧場を確実に形成することができる。
本実施の形態によれば、腫瘍組織Tに対して高浸透圧場を形成することにより腫瘍組織Tを確実に治療することができる。
実施の形態2
実施の形態1において、インプラントデバイス1のコーティング層4は、一様な厚さで形成されていたが、高浸透圧場形成剤2を覆うように配置されていればよく、これに限られるものではない。
例えば、図7に示すように、コーティング層21は、局部的に薄く形成された複数の窪み22を有することができる。これにより、コーティング層21には、複数の窪み22が形成された個所において短時間のうちに連通孔12が形成されるため、インプラントデバイス1を腫瘍組織Tに植え込むことによりコーティング層21をより迅速に剥離することができる。
また、図8に示すように、コーティング層21は、複数の貫通孔23を有することもできる。
本実施の形態によれば、コーティング層21に複数の窪み22または複数の貫通孔23を形成することにより、インプラントデバイス1を腫瘍組織Tに植え込んだ際にコーティング層21をより迅速に剥離することができる。このため、インプラントデバイス1内から高浸透圧場形成溶液Pが局所的に流出することが抑制され、腫瘍組織Tに対して高浸透圧場をより確実に形成することができる。
なお、本実施の形態において、コーティング層21には、複数の窪み22または複数の貫通孔23が形成されたが、1つの窪みまたは1つの貫通孔を形成してもよい。
実施の形態3
実施の形態1および2において、インプラントデバイス植え込み具は、円筒部材7と、円筒部材7の先端に配置された複数の保持ピン8と、円筒部材7の内部にスライド可能に挿入された押し出し部材9とから構成されたが、インプラントデバイス1を保持するインプラントデバイス保持部材5と、インプラントデバイス保持部材5に対して移動されることによりインプラントデバイス保持部材5に保持されたインプラントデバイス1をインプラントデバイス保持部材5から離脱させるインプラントデバイス離脱部材6とを備えていればよく、これに限られるものではない。
例えば、図9に示すように、インプラントデバイス植え込み具は、インプラントデバイス1を貫通することでインプラントデバイス1を保持する針状部材31からなるインプラントデバイス保持部材5と、内部に針状部材31がスライド可能に挿入され且つ針状部材31に対して前進することで針状部材31に保持されているインプラントデバイス1を針状部材31の先端32から前方へ押し出す円筒部材33からなるインプラントデバイス離脱部材6とを有することができる。
円筒部材33は、インプラントデバイス1を生体内の標的組織まで挿入するために細長く延びた形状を有する。また、円筒部材33の内部には、針状部材31を挿入するために基端から先端まで延びる内管33aが形成されている。
針状部材31は、円筒部材33の内部に形成された内管33aにスライド可能に挿入されて、先端32が円筒部材33の先端から突出するように配置されている。針状部材31の先端32は、前方に向かって徐々に縮径するように形成されており、先端32を生体内の標的組織内に刺し入れることにより、インプラントデバイス1を標的組織に容易に埋め込むことができる。
インプラントデバイス1は、円錐形状を有すると共に中央部に針状部材31を先端部10から後端部11まで貫通させるための中央孔34を有する。また、インプラントデバイス1は、中央孔34の周囲を囲むように、高浸透圧場形成剤35と、高浸透圧場形成剤35を覆うコーティング層36と、高浸透圧場形成剤35とコーティング層36の間で高浸透圧場形成剤35を覆う膨潤層37とが配置されている。
ここで、高浸透圧場形成剤35は、直角三角形を中央孔34の周りに回転させた回転体形状を有する。膨潤層37は高浸透圧場形成剤35を一様な厚さで覆うように配置され、コーティング層36は膨潤層37を一様な厚さで覆うように配置されている。また、コーティング層36は、中央孔34に露出する部分、すなわち針状部材31に対向する部分に、貫通孔38を有する。
次に、この実施の形態3の動作について説明する。
まず、図9に示すように、インプラントデバイス1の中央孔34に針状部材31を挿入することにより、インプラントデバイス1を針状部材31に保持させる。
続いて、インプラントデバイス植え込み具は、先端に保持されたインプラントデバイス1を先頭にして生体内の標的組織、例えば前立腺肥大の腫瘍組織Tまで挿入される。そして、インプラントデバイス1を貫通する針状部材31の先端32が腫瘍組織T内に刺し入れられ、続いて針状部材31に保持されたインプラントデバイス1が腫瘍組織T内に植え込まれる。針状部材31は、先端32が前方に向かって徐々に縮径するように形成されているため、腫瘍組織T内に容易に刺し入れることができ、続いて侵入されるインプラントデバイス1を腫瘍組織T内に容易に植え込むことができる。
インプラントデバイス1が、先端部10から後端部11まで腫瘍組織T内に植え込まれると、図10に示すように、円筒部材33が針状部材31に対して前進することで針状部材31に保持されているインプラントデバイス1が針状部材31の先端32から前方へ押し出されて、インプラントデバイス1が針状部材31の先端部から離脱される。
このようにして、前立腺肥大の腫瘍組織T内に植え込まれたインプラントデバイス1は、コーティング層36が腫瘍組織Tに存在するマクロファージMにより分解される。この時、コーティング層36には、中央孔34に露出する部分に貫通孔38が形成されているため、体液Fが流入し難い中央孔34内においても膨潤層37を膨潤させることができ、コーティング層36を腫瘍組織T内に露出する外側だけでなく中央孔34に露出する内側についても完全に剥離することができる。
このように、コーティング層36を剥離することにより腫瘍組織Tに対して高浸透圧場が形成され、腫瘍組織Tを破壊することができる。
本実施の形態によれば、腫瘍組織Tに対して高浸透圧場を形成することにより腫瘍組織Tを確実に治療することができる。また、針状部材31の先端32を腫瘍組織T内に刺し入れた後に続いてインプラントデバイス1が腫瘍組織T内に植え込まれるため、インプラントデバイス1を腫瘍組織T内に容易に植え込むことができる。
なお、針状部材31は、複数のインプラントデバイスを連ねて貫通することで複数のインプラントデバイスを保持することもできる。
例えば、図11に示すように、針状部材31は、3つのインプラントデバイス1a〜1cを連ねて貫通することで3つのインプラントデバイス1a〜1cを保持することができる。インプラントデバイス1a〜1cは、針状部材31に沿って1列に配列されており、高浸透圧場形成剤35a〜35cと、コーティング層36a〜36cと、膨潤層37a〜37cとを有する。
このように、針状部材31に対して複数のインプラントデバイスを保持させることにより、生体内の腫瘍組織T内に一度に複数のインプラントデバイスを植え込むことができ、腫瘍組織Tの治療効果を向上させることができる。
また、本実施の形態において、インプラントデバイス1は、図12に示すように、実施の形態1のインプラントデバイス1を用いることもできる。すなわち、高浸透圧場形成剤2と膨潤層3とコーティング層4とを有する円錐形状のインプラントデバイス1に針状部材31を貫通させることで針状部材31にインプラントデバイス1を保持させ、この状態で、インプラントデバイス1を先頭にして生体内の標的組織まで挿入した後、針状部材31に対して円筒部材33を前進させて針状部材31の先端部からインプラントデバイス1を離脱させればよい。
なお、インプラントデバイス1を生体内に挿入する際には、インプラントデバイス1に針状部材31が貫通しているので、高浸透圧場形成剤2および膨潤層3は、コーティング層4および針状部材31によって生体内の体液Fから隔離された状態にあり、体液Fがインプラントデバイス1内に浸入することが防止される。そして、標的組織まで挿入されたインプラントデバイス1を針状部材31から離脱させると、インプラントデバイス1に針状部材31が貫通していた貫通孔が残り、この貫通孔を通して体液Fがインプラントデバイス1内に浸入し、膨潤層3を膨潤させてコーティング層4を剥離することができる。
また、実施の形態1〜3において、インプラントデバイス1は、円錐形状に形成されていたが、生体内の標的組織に植え込むことができればよく、これに限られるものではない。
例えば、図13に示すように、インプラントデバイス41は、ひし形の回転体形状となるように形成することができる。すなわち、インプラントデバイス41は、ひし形の回転体形状となるように形成された高浸透圧場形成剤42と、高浸透圧場形成剤42を一様な厚さで覆うコーティング層43と、高浸透圧場形成剤42を一様な厚さで覆うように高浸透圧場形成剤42とコーティング層43の間に配置された膨潤層44とを有する。
実施の形態1〜3と同様に、インプラントデバイス41は、先端部45が前方に向かって縮径する形状を有するため、インプラントデバイス41を標的組織内にスムーズに植え込むことができる。また、インプラントデバイス41は、後端部46が後方に向かって縮径する形状を有するため、インプラントデバイス41が標的組織内に完全に植え込まれた際に、インプラントデバイス41の幅に起因して標的組織に形成される開口を小さくすることができる。すなわち、インプラントデバイス41の後端部46は、円錐形状に形成された実施の形態1〜3のインプラントデバイス1の後端部11に対して幅が小さいため、インプラントデバイス41の植え込みにより標的組織に形成される開口を小さく閉じることができる。このため、高浸透圧場形成剤42が標的組織の外側に流出することを抑制すると共に、開口を介して標的組織内に細菌等が侵入することを抑制することができる。
1,1a〜1c,41 インプラントデバイス、2,35,35a〜35c,42 高浸透圧場形成剤、3,37,37a〜37c,44 膨潤層、4,21,36,36a〜36c,43 コーティング層、5 インプラントデバイス保持部材、6 インプラントデバイス離脱部材、7 円筒部材、7a 内管、8 保持ピン、9 、押し出し部材、10,45 インプラントデバイスの先端部、11,46 インプラントデバイスの後端部、12 連通孔、13 ***、22 窪み、23,38,38a〜38c 貫通孔、31 針状部材、32 針状部材の先端、33 円筒部材、33a 内管、34 中央孔、T 腫瘍組織、M マクロファージ、F 体液、P 高浸透圧場形成溶液。

Claims (8)

  1. 生体内の標的組織に植え込まれるインプラントデバイスであって、
    前記標的組織に対して高浸透圧場を形成する高浸透圧場形成剤と、
    前記高浸透圧場形成剤を覆う生体分解性のコーティング層と、
    前記高浸透圧場形成剤を覆うように前記高浸透圧場形成剤と前記コーティング層の間に配置され且つ前記コーティング層が局部的に消失して生体内の体液に接触したときに膨潤して前記コーティング層を連鎖的に剥離する膨潤層と
    を備えたことを特徴とするインプラントデバイス。
  2. 前記コーティング層が、局部的に薄く形成された少なくとも1つの窪みを有する請求項1に記載のインプラントデバイス。
  3. 前記コーティング層が、少なくとも1つの貫通孔を有する請求項1に記載のインプラントデバイス。
  4. 円錐形状を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインプラントデバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインプラントデバイスを生体内の前記標的組織に植え込むためのインプラントデバイス植え込み具であって、
    前記インプラントデバイスを保持するインプラントデバイス保持部材と、
    前記インプラントデバイス保持部材に対して移動されることにより前記インプラントデバイス保持部材に保持された前記インプラントデバイスを前記インプラントデバイス保持部材から離脱させるインプラントデバイス離脱部材と
    を備えたことを特徴とするインプラントデバイス植え込み具。
  6. 前記インプラントデバイス保持部材は、円筒部材と、前記円筒部材の先端に配置され且つ前記インプラントデバイスの前記コーティング層に刺すことで前記インプラントデバイスを保持する複数の保持ピンとを有し、
    前記インプラントデバイス離脱部材は、前記円筒部材の内部にスライド可能に挿入され且つ前記円筒部材に対して前進することで前記複数の保持ピンにより前記円筒部材の先端に保持されている前記インプラントデバイスを前方へ押し出す押し出し部材からなる請求項5に記載のインプラントデバイス植え込み具。
  7. 前記インプラントデバイス保持部材は、前記インプラントデバイスを貫通することで前記インプラントデバイスを保持する針状部材からなり、
    前記インプラントデバイス離脱部材は、内部に前記針状部材がスライド可能に挿入され且つ前記針状部材に対して前進することで前記針状状部材に保持されている前記インプラントデバイスを前記針状部材の先端から前方へ押し出す円筒部材からなる請求項5に記載のインプラントデバイス植え込み具。
  8. 前記針状部材は、複数の前記インプラントデバイスを連ねて貫通することで複数の前記インプラントデバイスを保持する請求項7に記載のインプラントデバイス植え込み具。
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