JP6358324B2 - トリフルオロエチレンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トリフルオロエチレンの製造方法に係り、特に、1,1,1,2−テトラフルオロエタンからトリフルオロエチレンを効率的に製造する方法に関する。
トリフルオロエチレン(HFO−1123)は、地球温暖化係数(GWP)が小さいため、温室効果ガスであるジフルオロメタン(HFC−32)や1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)に代わる新しい冷媒として、近年大きな期待が寄せられている。
なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称(冷媒番号等)を記す。また、必要に応じて化合物名に代えて、その略称を用いる。
従来から、HFO−1123の製造方法として、比較的安価な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を原料とする方法が知られている。例えば、特許文献1および特許文献2には、HFC−134aを金属フッ化物や金属酸化物を触媒として脱フッ化水素反応させて、HFO−1123を得る方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された製造方法では、HFC−134aの転化率をあげるために、HFC−134aに窒素を多量に混合した状態で反応を行うため、反応終了後得られる生成ガス(例えば、反応器からの出口ガス)中に窒素が多く含まれる。そのため、該生成ガス中に目的とするHFO−1123の含有割合が少なく、生産性が十分に高いとはいえなかった。また、前記生成ガス中に窒素を多く含むため、HFO−1123の精製やHFC−134aおよび窒素の回収のような、その後のプロセスの負荷が大きく、電気代等のユーティリティーコストが高く、前記精製や回収に大きな設備が必要である、などの問題があった。
したがって、安価な原料であるHFC−134aを使用し、温室効果ガスに代わる新しい冷媒として有用なHFO−1123を製造するに当たり、HFC−134aの転化率を向上させ、かつ生産性の高い効率的な製造方法が求められている。
特開2010−533151号公報 特表平10−505337号公報
本発明は、上記観点からなされたものであり、安価な原料であるHFC−134aを使用し、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を向上させるとともに、HFO−1123の生産性が高い製造方法を提供することを目的とする。
本発明のHFO−1123の製造方法は、HFC−134aのガスまたは希釈ガスで希釈されたHFC−134aのガス(ただし、希釈ガスとHFC−134aの合計量に対するHFC−134aの割合は50モル%以上である)を、第1の脱フッ化水素反応触媒に接触させて、前記HFC−134aの一部をHFO−1123に転化し、
次いで、前記反応により得られた反応生成ガスからフッ化水素を除去し、
その後、フッ化水素が除去された反応生成ガスを第2の脱フッ化水素反応触媒に接触させて、HFC−134aの少なくとも一部をHFO−1123に転化することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、比較的安価な原料であるHFC−134aからHFO−1123を製造するに当たり、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率が十分に高い。また、反応の結果得られる反応生成ガス中のHFO−1123の含有割合が高く、HFO−1123の生産性が高い。
本発明の製造方法に使用される反応装置の一例を示す図である。 比較例3〜6に使用される反応装置を示す図である。
本明細書において、以下、「HFC−134aのガスまたは希釈ガスで希釈されたHFC−134aのガス(ただし、希釈ガスとHFC−134aの合計量に対するHFC−134aの割合は50モル%以上である)」を原料ガスという。
また、「第1の脱フッ化水素反応触媒」を「触媒(1)」といい、「第2の脱フッ化水素反応触媒」を「触媒(2)」という。
さらに、原料ガスを触媒(1)と接触させてHFC−134aの一部をHFO−1123に転化させる反応を行う工程を「工程(I)」といい、工程(I)における反応により得られた反応生成ガスからフッ化水素を除去する工程を「工程(II)」といい、フッ化水素を除去した反応生成ガスを触媒(2)と接触させて、未反応のHFC−134aの少なくとも一部をHFO−1123に転化させる反応を行う工程を「工程(III)」という。
本発明において、触媒(1)または触媒(2)との接触下におけるHFC−134aの脱フッ化水素反応によるHFO−1123の生成は、いずれも下記反応式(1)で表わすことができる。
Figure 0006358324
HFC−134aのガスを触媒(1)または触媒(2)と接触させると、HFC−134aの2個の炭素原子のうちでフッ素原子が3個結合した炭素原子に結合したフッ素原子の1個と、もう一方の炭素原子に結合した水素原子の1個とが、同時に脱離する脱フッ化水素反応が生じる。そして、このようなHFC−134aの脱フッ化水素反応により、HFO−1123とフッ化水素が同時に生成する。
このようなHFC−134aの脱フッ化水素反応は、平衡反応であり、可逆的に進行するので、生成するフッ化水素を反応系から除去することで、HFC−134aの脱フッ化水素反応の転化率を上げることができる。
したがって、本発明の製造方法において、原料ガス中のHFC−134aの一部をHFO−1123に変換し、得られた反応生成ガス中のフッ化水素を除去することで、その後に反応生成ガスを触媒(2)と接触させる際に、フッ化水素が減少した分だけ反応式(1)の可逆反応が目的物であるHFO−1123側に偏るために、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を十分に高くすることができる。
また、本発明の製造方法において希釈ガスを含む原料ガスを使用する場合には、工程(III)終了後に得られるガス中の希釈ガスの含有割合が少なく、相対的にHFO−1123の含有割合を高くすることができる。したがって、その後のHFO−1123の精製や、HFC−134aおよび希釈ガスの回収プロセスの負荷が低減でき、生産性に優れる。
本発明の製造方法は、工程(I)と工程(II)および工程(III)をこの順で有する方法であれば、工程(I)から工程(III)までが連続的に行われる全連続式の製造方法であってもよいし、工程(I)、工程(II)および工程(III)の3つの工程のうちの1つまたは2つの工程がバッチ式工程で、他の工程が連続的に行われる一部連続式の製造方法であってもよい。さらに、3つの工程がともにバッチ式工程である全バッチ式の製造方法であってもよい。
工程(I)が連続式工程である場合、原料ガスと触媒(1)との接触の場(例えば、加熱した反応器)への供給は、原料ガスと触媒(1)のいずれの供給も連続的に行ってもよいし、原料ガスと触媒(1)の一方の供給のみを連続的に行い、もう一方はバッチ式で供給してもよい。整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、触媒(1)をバッチ式で反応器に供給した後、その反応器に原料ガスを連続的に供給することが好ましい。
上記工程(I)と同様に、工程(II)も、連続式工程であってもよいし、バッチ式工程であってもよい。しかし、整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、工程(II)は連続式工程であることが好ましい。
さらに、工程(III)も、同様に、連続式工程であってもよいし、バッチ式工程であってもよい。
工程(III)が連続式工程である場合、フッ化水素除去後の反応生成ガスと触媒(2)の接触の場(例えば、加熱した反応器)への供給は、いずれの供給も連続的に行ってもよいし、一方の供給のみを連続的に行い、もう一方はバッチ式で供給してもよい。整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、触媒(2)をバッチ式で反応器に供給した後、その反応器にフッ化水素除去後の反応生成ガスを連続的に供給することが好ましい。
以下、工程(I)、工程(II)および工程(III)についてさらに説明する。
<工程(I)>
工程(I)では、原料ガスを触媒(1)と接触させて、原料ガス中のHFC−134aをHFO−1123に転化させる。
(原料ガス)
原料ガスは、HFC−134aのガス、または、希釈ガスで希釈されたHFC−134aのガスからなる。希釈ガスで希釈されたHFC−134aのガスである場合、希釈ガスとHFC−134aの合計に対するHFC−134aの含有割合は50モル%以上である。
原料ガス中のHFC−134aと希釈ガスの合計量に対するHFC−134aの含有割合は、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を十分に高くし、かつ工程(I)で得られる反応生成ガス中のHFO−1123の含有割合を高くするという観点から、50モル%以上である。HFC−134aの含有割合は、70モル%以上が好ましく、70〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましく、95〜100モル%が特に好ましく、99〜100モル%が最も好ましい。
希釈ガスは、本発明における脱フッ化水素反応やフッ化水素の除去において消費されない化合物であればよく、窒素、アルゴン、ヘリウム、トリフルオロメタン(HFC−23)、HFC−32、テトラフルオロメタン(HFC−14)等が挙げられる。希釈ガスとしては特に窒素が好ましい。
原料ガス中には、HFC−134aと希釈ガス以外の化合物であって、かつ、脱フッ化水素反応を阻害するおそれが少ない化合物が含まれていてもよい。これらは、希釈ガスとみなしうる化合物であってもよく、フッ化水素除去に際にフッ化水素と同様に除去される化合物(たとえば、塩化水素等の酸性物質)であってもよい。例えば、HFC−134aの製法等に由来する不純物でありかつ原料のHFC−134aに含まれていた、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、HFC−125、2,2,2,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、酸素、塩素、塩化水素等が挙げられる。
原料ガス中の、HFC−134aと希釈ガス以外の化合物(ただし、希釈ガスとみなしうる化合物は希釈ガスとする)の量は、触媒劣化の副反応を抑制するという観点や、不要な副生物を抑制してその後の精製工程の負荷を減らすという観点から、原料ガスに対して0〜10モル%が好ましく、0〜5モル%がより好ましく、0〜1モル%が最も好ましい。
さらに、原料ガス中には目的物であるHFO−1123を含んでいてもよいが、原料ガス中に含有されたHFO−1123は、反応式(1)で表される平衡反応において、HFO−1123が生成する反応の逆反応が生起する要因となる。このような観点から、原料ガス中のHFO−1123の含有割合は、0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%がより好ましく、0〜5モル%が最も好ましい。
また、原料ガス中にはフッ化水素が含まれていてもよいが、上記と同様の理由により、その量は1モル%以下であることが好ましい。
(触媒(1))
工程(I)で用いられる触媒(1)は、HFC−134aの脱フッ化水素反応に対して触媒作用を有する。触媒(1)としては、金属単体、金属酸化物、金属ハロゲン化物等が挙げられる。これらの中でも、HFC−134aを効率よくHFO−1123に転化できることから、金属酸化物または金属ハロゲン化物が好ましい。触媒(1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属単体、金属酸化物、金属ハロゲン化物を構成する金属としては、遷移金属元素、第12族金属元素、第13族金属元素が挙げられる。中でも、第6族金属元素、第8族金属元素、第10族金属元素、第12族金属元素、第13族金属元素が好ましく、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウムがさらに好ましい。
金属単体触媒は、上記した金属の1種であってもよく、2種以上の金属の合金であってもよい。
金属酸化物触媒は、上記した金属の1種の酸化物であってもよく、2種以上の金属の複合酸化物であってもよい。
金属ハロゲン化物は、上記した金属の1種のハロゲン化物であってもよく、2種以上の金属の複合ハロゲン化物であってもよい。
触媒(1)としては、具体的には、コバルト、ニッケル、パラジウム、酸化クロム(クロミア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、フッ化鉄、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化クロム、塩化クロム、ジルコニア等が挙げられる。これらの中でも、HFC−134aを効率よくHFO−1123に転化できる点で、アルミナ、三フッ化アルミニウムおよびクロミアが好ましい。
触媒(1)のBET法により測定した比表面積(以下、BET比表面積という。)は、50〜400m/gが好ましい。触媒(1)のBET比表面積が上記範囲であれば、HFC−134aが高い反応速度で反応し、反応効率が良好であるうえに、粒子の密度が小さすぎることがないので、飛散しにくくハンドリング性が良好である。触媒(1)のBET比表面積は、200〜400m/gがより好ましい。
触媒(1)は、担体に担持されていてもよい。ここでいう担体とは、前記触媒(1)を担持させることにより、触媒(1)と原料ガスとの反応効率を向上させるためのものであり、担体自体が触媒活性を有していてもよい。担体としては、例えば、アルミナ担体、ジルコニア担体、シリカ担体、シリカアルミナ担体、活性炭に代表されるカーボン担体、硫酸バリウム担体、炭酸カルシウム担体等が挙げられる。活性炭としては、例えば、木材、木炭、果実ガラ、ヤシガラ、泥炭、亜炭、石炭等の原料から調製した活性炭等が挙げられる。
触媒(1)は、転化率向上の観点から、予め活性化処理されていることが好ましい。活性化処理の方法としては、加熱下または非加熱下で触媒(1)を活性化処理剤と接触させる方法が挙げられる。活性化処理剤としては、例えば、酸素、フッ化水素、塩化水素、含フッ素炭素化合物等が挙げられ、これらの中でも含フッ素炭素化合物が好ましい。含フッ素炭素化合物としては、例えば、HFC−134a、HFO−1123、トリクロロフルオロメタン(HFC−11)、ジクロロフルオロメタン(HFC−21)、クロロジフルオロメタン(HFC−22)、テトラフルオロエチレン(FO−14)等が挙げられる。
なお、副反応の抑制および触媒(1)の耐久性向上等の点から、活性化処理剤を希釈するために、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
触媒(1)に対しては、このような反応前の活性化処理の他に、再活性化処理を行うことができる。すなわち、転化反応において触媒(1)の活性が低下し、原料成分であるHFC−134aの転化率や、目的物であるHFO−1123の選択率が低下したときには、触媒(1)を再び活性化処理することが好ましい。再活性化処理により、触媒(1)の活性を再生させて触媒(1)を再利用することができる。
再活性化処理の方法としては、使用前の活性化処理と同様に、触媒(1)を加熱下または非加熱下で前記活性化処理剤と接触させる方法が挙げられる。
(原料ガスと触媒(1)との接触)
原料ガスと触媒(1)との接触において、触媒(1)は、固体の状態(固相)で原料ガスと接触してもよいし、あるいは、触媒(1)を分散可能な液状の媒体に分散された状態(液相)で原料ガスと接触してもよい。触媒(1)を分散させる液状の媒体としては、例えば、水、メタノールやエタノールのようなアルコール、四塩化炭素等の塩素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等が挙げられる。液状の媒体に分散された状態の触媒(1)に原料ガスを接触させる場合は、原料ガスの圧力が高くなりすぎて高温での反応が困難であることから、固相をなす触媒(1)と原料ガスを接触させることが好ましい。
以下、工程(I)について、反応器内に連続的に供給される原料ガスが、反応器内にバッチ式で投入された固相の触媒(1)と接触する態様について説明するが、本発明の製造方法における工程(I)は、このような態様に限定されない。
原料ガスを固相の触媒(1)と連続的に接触させて反応させる実施形態においては、原料ガスの各成分の単位時間当たりの流量を制御することで、原料ガスにおけるHFC−134aの含有割合(モル%)を制御することができる。
(反応器および反応条件)
工程(I)で、原料ガスと触媒(1)を接触させ反応させる反応器(以下、第1の反応器ともいう。)としては、後述する温度および圧力に耐えるものであれば、形状および構造は特に限定されず、例えば、円筒状の縦型反応器を用いることができる。第1の反応器の材質としては、ガラス、鉄、ニッケル、鉄またはニッケルを主成分とする合金等が挙げられる。第1の反応器は、器内を加熱する電気ヒータ等の加熱手段を備えていてもよい。
第1の反応器内に投入されて固相をなす触媒(1)は、固定床型、流動床型のいずれの形式で収容されていてもよい。また、固定床型である場合、水平固定床型と垂直固定床型のいずれであってもよいが、原料ガスが多成分で構成される混合ガスの場合、比重差による各成分の濃度分布の発生を防止しやすいことから、垂直固定床型であることが好ましい。
原料ガスは、常温のまま第1の反応器に導入してもよいが、反応器内での反応性を高めるために、第1の反応器に導入する前に加熱(予熱)してから供給することが好ましい。予熱を行う場合、原料ガスは80〜150℃の温度に加熱してから第1の反応器に供給することが好ましい。
第1の反応器に導入された原料ガスは、第1の反応器内で固相をなす触媒(1)と接触する。第1の反応器内の温度は、反応性向上および触媒の寿命向上の観点から、接触温度として50〜500℃が好ましく、200〜500℃がより好ましく、300〜450℃が特に好ましい。第1の反応器内の圧力は、ゲージ圧で0〜2MPaが好ましい。第1の反応器内での原料ガスと触媒(1)との接触時間は、0.1〜500秒間が好ましく、0.5〜50秒間がより好ましく、5〜30秒間が特に好ましい。
(工程(I)で得られる反応生成ガス)
工程(I)では、第1の反応器の出口ガスとして、HFO−1123と未反応のHFC−134aを含む反応生成ガス(以下、反応生成ガス(1)という。)を得る。反応生成ガス(1)は、目的物であるHFO−1123以外に、未反応のHFC−134a、原料ガスに含まれる希釈ガス、および工程(I)で生成したそれら以外の化合物(以下、副生化合物という。)を含んでいてもよい。反応生成ガス(1)に含有される副生化合物としては、フッ化水素、E/Z−1,2−ジフルオロエチレン(E/Z−HFO−1132)、1,1−ジフルオロエチレン(HFO−1132a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ノルマルブテン、2−ノルマルブテン、イソブテン、フルオロエチレン(HFO−1141)、3,3−ジフルオロプロペン(HFO−1252zf)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、E/Z−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(E/Z−HFO−1234ze)、ヘキサフルオロプロピレン(FO−1216)、HFC−125、HFC−134、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ca)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)、HFC−32、トリフルオロメタン(HFC−23)およびフルオロメタン(HFC−41)、一酸化炭素、二酸化炭素、水等が挙げられる。なお、上記において、E/ZはE体とZ体の混合物を意味する。
<工程(II)>
工程(II)では、工程(I)で得られた反応生成ガス(1)中のフッ化水素を除去する。
工程(I)で得られた反応生成ガス(1)は、そのまま工程(II)で用いてもよいが、工程(I)と工程(II)との間に他の処理工程を挟み、反応生成ガス(1)に対して他の処理を行ったものを工程(II)で用いてもよい。ここで、他の処理とは、フッ化水素の除去以外の処理で、反応生成ガス(1)中の水分以外の組成を変化させない処理である。他の処理としては、例えば、タンクへの保管、コンプレッサーによる圧縮、加熱、冷却、水分除去等の処理が挙げられる。
(フッ化水素の除去)
反応生成ガス(1)からフッ化水素を除去する方法としては、蒸留、吸着、二相分離、洗浄等の方法が挙げられる。
蒸留は、反応生成ガス(1)を蒸留してフッ化水素を除去する方法である。蒸留は、常圧下、加圧下または減圧下で実施可能であるが、分離効率向上の観点から、加圧下で実施することが好ましい。
吸着は、反応生成ガス(1)を吸着剤と接触させ、フッ化水素を吸着剤に吸着させて除去する方法である。吸着剤は、固相をなしていてもよいし、吸着剤が溶解しない液状の媒体に分散された状態(液相)であってもよい。吸着剤としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。フッ化水素を効率的に除去できることから、フッ化ナトリウムの使用が特に好ましい。
二相分離は、反応生成ガス(1)を加圧下に液相で、HFO−1123やHFC−134aを含む有機相とフッ化水素を含む酸相の二相に分離させ、相分離した酸相を除去する方法である。
洗浄は、反応生成ガス(1)を水溶液に接触させてフッ化水素を除去する方法である。フッ化水素の除去効率が高いことから、アルカリ水溶液の使用が好ましい。また、アルカリ水溶液としては、難溶性の塩を生じにくいことから、水酸化カリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液の使用が特に好ましい。アルカリ水溶液の濃度としては5〜40質量%が好ましい。アルカリ水溶液の濃度が下限値以上であれば、フッ化水素を効率的に除去でき、上限値以下であれば、塩が析出しにくく、結果配管の閉塞が生じ難いことから好ましい。なお、アルカリ水溶液を使用して洗浄する方法では、フッ化水素とともに、反応生成ガス(1)中に含まれる塩化水素、二酸化炭素等の酸性成分も除去される。
(工程(II)で得られる反応生成ガス)
工程(II)のフッ化水素の除去処理によって、反応生成ガス(1)から少なくともフッ化水素の含有割合が低減された反応生成ガス(以下、被処理ガス(2)という。)が得られる。すなわち、工程(II)により、HFO−1123と未反応のHFC−134a、および希釈ガスや前記副生化合物等を含有する混合ガスであり、フッ化水素の含有割合が反応生成ガス(1)に比べて低減された被処理ガス(2)が得られる。なお、工程(II)で得られる被処理ガス(2)においては、フッ化水素以外に、塩化水素、二酸化炭素等の酸性成分の含有割合や、前記その他の化合物の中で酸性成分以外の化合物の含有割合が、反応生成ガス(1)よりも低減される場合がある。
工程(II)で得られた被処理ガス(2)は、そのまま工程(III)に導入してもよいが、工程(II)と工程(III)との間に他の処理工程を挟み、被処理ガス(2)に対して他の処理を行ったものを工程(III)に導入してもよい。ここで、他の処理とは、フッ化水素の除去以外の処理で、被処理ガス(2)中の水分以外の組成を変化させない処理である。他の処理としては、例えば、タンクへの保管、コンプレッサーによる圧縮、加熱、冷却、水分除去等の処理が挙げられる。工程(III)おける転化率向上の観点から、工程(II)と工程(III)との間に水分除去の工程を設けることが好ましい。水分除去の方法としては、例えば、ゼオライトやアルミナなどの吸着剤による吸着等の方法を採ることができる。
<工程(III)>
工程(III)では、工程(II)で得られた被処理ガス(2)、または被処理ガス(2)に対して前記した他の処理を行って得られた被処理ガス(以下、まとめて被処理ガス(2)という。)を、触媒(2)と接触させて、被処理ガス(2)中のHFC−134aをHFO−1123に転化させる。
工程(III)で使用する触媒(2)は、HFC−134aの脱フッ化水素反応に対して触媒作用を有するものである。この触媒(2)としては、工程(I)で使用する触媒(1)として例示したものと同じものを例示することができる。前記したように、工程(III)で使用する触媒(2)は、工程(I)で使用する触媒(1)と同種のものであっても、異種のものであってもよい。また、工程(III)で使用する触媒(2)と工程(I)で使用する触媒(1)は、同一種類の触媒であってもよい。
工程(III)で使用する触媒(2)の活性化処理方法、再活性化処理方法は、工程(I)で使用する触媒(1)と同様である。
(被処理ガス(2)と触媒(2)との接触)
被処理ガス(2)と触媒(2)との接触において、触媒(2)は、工程(I)における触媒(1)と同様に、固体の状態(固相)で被処理ガス(2)と接触してもよく、あるいは、触媒(2)を分散可能な液状の媒体に分散された状態(液相)で被処理ガス(2)と接触してもよい。触媒(2)は固相をなすことが好ましい。
以下、工程(III)についても、反応器内に連続的に供給される被処理ガス(2)が、反応器内にバッチ式で投入された固相の触媒(2)と接触する態様について説明するが、本発明の製造方法における工程(III)は、このような態様に限定されない。
(反応器および反応条件)
工程(III)で、被処理ガス(2)と触媒(2)を接触させ反応させる反応器(以下、第2の反応器ともいう。)としては、工程(I)で原料ガスと触媒(1)を接触させ反応させる第1の反応器と同様な形状および構造のものを挙げることができる。第2の反応器は、器内を加熱する電気ヒータ等の加熱手段を備えていてもよい。
触媒(2)は、第2の反応器内に固定床型または流動床型のいずれの形式で収容されていてもよく、固定床型である場合、水平固定床型と垂直固定床型のいずれであってもよいが、垂直固定床型であることが好ましい。
工程(II)で得られた被処理ガス(2)は、常温のまま第2の反応器に導入してもよいが、第2の反応器内での反応性を高めるために、第2の反応器に導入する前に加熱(予熱)してから供給することが好ましい。予熱を行う場合、被処理ガス(2)は80〜150℃の温度に加熱してから第2の反応器に供給することが好ましい。
第2の反応器に導入された被処理ガス(2)は、第2の反応器内で固相の触媒(2)と接触する。第2の反応器内の温度は、反応性向上および触媒の寿命向上の観点から、50〜500℃が好ましく、200〜500℃がより好ましく、300〜450℃が特に好ましい。第2の反応器内の圧力は、ゲージ圧で0〜2MPaが好ましい。第2の反応器内での被処理ガス(2)と触媒(2)との接触時間は、0.1〜500秒間が好ましく、0.5〜50秒間がより好ましく、5〜30秒間が特に好ましい。
(工程(III)で得られる反応生成ガス)
工程(III)において、第2の反応器からの出口ガスとして、HFO−1123を含む反応生成ガス(以下、反応生成ガス(3)という。)が得られる。反応生成ガス(3)には、原料ガスに希釈ガスが含まれていた場合には希釈ガスが含まれ、通常はさらに未反応のHFC−134aおよび工程(I)〜(III)で生成した副生化合物を含まれる。反応生成ガス(3)に含有される新たに副生した化合物としては、反応生成ガス(1)中の副生化合物として記載した化合物と同じ化合物を挙げることができる。
反応生成ガス(3)中のHFO−1123の含有割合は、反応生成ガス(1)中のHFO−1123の含有割合よりも増加する。
反応生成ガス(3)は、そのまま各種の用途に使用することが可能であるが、精製により目的物であるHFO−1123の含有割合を上げて用いることが好ましい。精製方法としては、蒸留、吸着、酸性水溶液、塩基性水溶液または中性水溶液による洗浄等の公知の方法が挙げられる。反応生成ガス(3)に含まれるHFO−1123以外の上記成分は、前記手段で分離し、望まれる程度に除去することができる。前記精製方法の中でも、常圧下、加圧下または減圧下で蒸留する方法が好ましい。これらの圧力下での蒸留により、高純度のHFO−1123を得ることができる。また、反応生成ガス(3)中から分離されたHFC−134aは、原料ガスの一部としてリサイクルが可能である。
反応生成ガス(3)中には未反応のHFC−134aを含んでいなくてもよいが、本発明においては、原料ガスから反応生成ガス(3)までのHFC−134aの転換率は、通常、3〜25モル%であることより、反応生成ガス(3)中には、通常、比較的多量の未反応のHFC−134aを含む。したがって、反応生成ガス(3)からフッ化水素を除去し、フッ化水素が除去された被処理ガスを触媒(1)と同様の脱フッ化水素反応触媒に接触させて被処理ガス中のHFC−134aの少なくとも一部をHFO−1123に転換することができる。
本発明では、このようなフッ化水素除去とHFC−134aのHFO−1123への転換を繰り返して反応生成ガス中のHFO−1123の割合を高めることができる。いいかえれば、本発明の製造方法では、前記工程(I)〜工程(III)の後に、さらに工程(II)と同様なフッ化水素除去工程とを設けた後、工程(III)と同様なHFC−134aを反応させる工程との組合せを1回以上繰り返してもよい。
しかし、反応生成ガス中のHFO−1123の割合が高くなると、前記したように、反応式(1)で表される平衡反応において、HFO−1123が生成する反応の逆反応が生起する要因となる。したがって、フッ化水素除去工程とHFC−134aを反応させる工程との組合せを繰り返す回数は、HFC−134aの転化率の上昇が認められる程度までとすることが好ましい。
<反応装置>
本発明において、HFO−1123の製造に使用される反応装置の一例を、図1に示す。図1に示す反応装置1は、工程(I)を実施するための電気ヒータ等の加熱手段を備えた1段目反応器2と、工程(II)を実施するためのアルカリ水溶液トラップ3と、工程(III)を実施するための電気ヒータ等の加熱手段を備えた2段目反応器4をそれぞれ備える。なお、1段目反応器2および2段目反応器4において、加熱手段の設置は必須ではない。
1段目反応器2内には、触媒5が垂直固定床をなすように収容されている。また、1段目反応器2の入口側である上部には、電気ヒータ等の加熱手段を備えた1段目予熱混合器6が、原料ガス供給ライン7によって接続されている。原料ガス供給ライン7にも電気ヒータ等の加熱手段が設けられることが好ましい。
1段目予熱混合器6には、HFC−134aを供給するHFC−134a供給ライン8と希釈ガスを供給する希釈ガス供給ライン9が、それぞれ接続されている。HFC−134aおよび希釈ガスは、それぞれHFC−134a供給ライン8および希釈ガス供給ライン9により1段目予熱混合器6に導入され、1段目予熱混合器6内で混合されかつ所定の温度に加熱された後、原料ガス供給ライン7によって1段目反応器2に供給される。
なお、HFC−134a供給ライン8と希釈ガス供給ライン9とを、1段目予熱混合器6の前で連結し、HFC−134aと希釈ガスとを混合してから1段目予熱混合器6に供給するようにしてもよい。また、HFC−134a供給ライン8と希釈ガス供給ライン9の少なくとも一方に、電気ヒータ等を備えた予熱器(プレヒータ)を設置し、そのラインで供給されるHFC−134aと希釈ガスの少なくとも一方を予熱してから、1段目予熱混合器6に導入するようにしてもよい。
1段目反応器2の出口側である下部には、電気ヒータ等の加熱手段を備えた1段目反応器出口ライン10により、アルカリ水溶液トラップ3が接続されている。そして、このアルカリ水溶液トラップ3の出口には、脱水装置11が接続され、脱水装置11は電気ヒータ等の加熱手段を備えた2段目予熱混合器13に接続されている。2段目予熱混合器13は、中間原料ガス供給ライン14によって、2段目反応器4に接続されている。1段目反応器の出口から導出されるガスは、アルカリ水溶液トラップ3によりフッ化水素等の酸成分を除去され、次いで脱水装置11により水分を除去されてから2段目予熱混合器13に導入される。そして、2段目予熱混合器13内で所定の温度に加熱された後、中間原料ガス供給ライン14によって2段目反応器4に供給される。
2段目反応器4内には、触媒12が垂直固定床をなすように収容されている。2段目反応器4の出口側である下部には、電気ヒータ等の加熱手段を備えた2段目反応器出口ライン15が接続され、この2段目反応器出口ライン15は、フッ化水素を捕捉する固体物質が充填されたフッ化水素捕捉管16に接続されている。そして、2段目反応器4の出口から導出されるガスは、フッ化水素捕捉管16によりフッ化水素が除去された後、サンプリングバッグ17に集められ、ガスクロマトグラフィー(GC)のような分析装置により、含有成分が分析され定量される。
本発明の製造方法によれば、希釈ガスを大量に用いることなく、134aの転化率およびHFO−1123の選択率を十分に高くすることができる。また、得られる反応生成ガス中のHFO−1123の含有割合を高くすることができるので、HFO−1123の生産性を上げることができる。
本発明の製造方法により得られたHFO−1123は、温室効果ガスであるHFC−32やHFC−125に代わる冷媒として、また圧電素子やフィルムのような機能性材料の原料モノマーおよび合成用中間体として有用である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<反応装置>
実施例1〜8および比較例1,2では、図1に示す反応装置(以下、反応装置(1)という。)を用いた。また、比較例3〜6では、図2に示す反応装置(以下、反応装置(2)という。)を用いた。
(反応装置(1))
この反応装置1において、1段目反応器2および2段目反応器4としてはいずれも、インコネル600(スペシャルメタルズ社の商品名)製で内径15.75mm×高さ400mmの垂直固定床反応器を用いた。1段目反応器2内および2段目反応器4内には、各実施例および比較例で示す触媒を、それぞれ100mmの高さで充填した。これらの反応器内は、それぞれ電気炉により別々に加熱した。
1段目反応器2の入口側である上部に接続された原料ガス供給ライン7および1段目予熱混合器6は、それぞれリボンヒーターによって100℃に加熱した。HFC−134aおよび希釈ガスである窒素は、それぞれHFC−134a供給ライン8および希釈ガス供給ライン9に設置されたマスフローコントローラー(図示を省略。)で流量を調整し混合した後、1段目予熱混合器6に供給するように構成した。
1段目反応器2の出口側である下部には、電気ヒータを備えた1段目反応器出口ライン10を接続し、このラインの先に、アルカリ水溶液トラップ3である10質量%水酸化カリウム水溶液槽、およびペレット状のモレキュラーシーブス3A(純正化学株式会社製、1/8インチペレット)が70g充填された脱水装置11を順に接続した。そして、脱水装置11の出口側に接続された2段目予熱混合器13、およびこの2段目予熱混合器13と2段目反応器4とを接続する中間原料ガス供給ライン14は、それぞれリボンヒーターによって100℃に加熱した。
また、図示を省略したが、脱水装置11の先に分岐ラインを設け、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)製のサンプリングバックによるガス採取およびガスの組成分析をGCで行うように構成した。
2段目反応器4の出口側である下部に接続された2段目反応器出口ライン15は、リボンヒーターによって100℃に加熱し、このラインの先には、1/16インチのフッ化ナトリウムペレット28gを充填したフッ化水素捕捉管16を接続した。フッ化水素捕捉管16の先には、PVdF製のサンプリングバッグ17を接続し、ガス採取およびガスの組成分析をGCで行うように構成した。
(反応装置(2))
反応装置(2)においては、1段目の反応器だけを設けた。すなわち、図2に示す反応装置21では、HFC−134a供給ライン6、希釈ガス供給ライン7、1段目予熱混合器6、原料ガス供給ライン7、および1段目反応器2を、それぞれ図1に示す反応装置1と同様に構成した。そして、1段目反応器2の下部に接続された1段目反応器出口ライン10を、フッ化ナトリウムペレット28gを充填したフッ化水素捕捉管16を経てサンプリングバッグ17に接続した。そして、1段目反応器2からの出口ガスを連続的に取り出し、フッ化水素捕捉管16を通した後、サンプリングバッグ17に接続し、ガス採取およびガスの組成分析をGCで行うように構成した。
<分析条件>
出口ガスの組成分析には、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いた。カラムは、DB−1(アジレント・テクノロジー株式会社製、長さ60m×内径250μm×厚さ1μm)を用いた。検出器はFIDを用いた。
<線速度>
線速度は空塔速度を意味し、ガスが流通する反応器が内部に充填物が入っていない空塔であると仮定し、流量(体積流量)を空塔である反応器の断面積で割ることで算出した。
線速度(空塔速度)(cm/s)=流量(cm/s)/断面積(cm
合成例1(クロミア触媒の調製)
1100gのCr(NO・9HOと150gのMg(NO・6HOを2.5リットルの水に溶解し、28質量%の水酸化アンモニウム水溶液2000gを加えた。これを撹拌しながら、70℃に加熱した4リットルの水に添加し、水酸化物を沈殿させ、ろ過により沈殿物を得た。次いで、得られた沈殿物を純水で洗浄後、420℃で5時間焼成して酸化物の粉末を得た。得られた酸化物の粉末を打錠成形機によって直径5mm、高さ5mmの円筒状に成形し、クロミア触媒を調製した。
[実施例1]
反応装置(1)の1段目反応器と2段目反応器に、それぞれアルミナ触媒(触媒化成社製、商品名:ACBM−1、形状:粒径2mm球状)の15gを充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で5時間加熱して乾燥させた。
次いで、1段目反応器と2段目反応器の器内温度をいずれも350℃とし、HFC−134aを1.21mmol/min、窒素を1.21mmol/minの流量で混合した原料ガスを、1段目反応器に供給した。HFC−134aおよび窒素を連続的に流し続け、7時間後に2段目反応器からの出口ガス(以下、単に出口ガスという。)の組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。7時間後の出口ガスの組成をGCにより分析した。
そして、GCでの分析で得られた出口ガス中の各成分のモル比率(モル%)と、1段目反応器に供給される原料ガス中のHFC−134aと窒素のモル比率(モル%)を基にして、HFC−134aの転化率(反応率)、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率(モル%)をそれぞれ次のようにして求めた。
以下の計算式において、(HFC−134a)INは、窒素ガスを除いた入口ガスにおけるHFC−134aのモル比率(モル%)、(HFC−134a)outおよび(HFO−1123)outは、それぞれ窒素ガスを除いた出口ガスにおけるHFC−134aおよびHFO−1123のモル比率(モル%)を表す。また、(NINは、窒素ガスを含めた原料ガス中の窒素ガスのモル比率(モル%)を表す。
なお、出口ガス中の各成分のモル比率は、GCで同定された各成分の面積比(ただし、窒素は検出されないため除く。)に対して、組成比のわかった標準物質を用いて測定した検出感度ファクターをかけることで算出した。また、原料ガス中のHFC−134aと窒素のモル比率は、HFC−134aと窒素の流量比より算出した。
[HFC−134a転化率(モル%)]
HFC−134a転化率とは、反応によりHFC−134aがHFO−1123を含む他の成分に転化し消費された割合をいう。ここで、反応は、1段目反応器内での反応と2段目反応器内での反応を合わせた全体をいう。HFC−134a転化率は、以下の式により算出される。
HFC−134a転化率(モル%)={1−(HFC−134a)out/(HFC−134a)IN}×100
[HFO−1123選択率(モル%)]
HFO−1123選択率とは、反応したHFC−134aのうちで、HFO−1123に転化した割合をいう。HFO−1123選択率は、以下の式により算出される。
HFO−1123選択率(モル%)=
(HFO−1123)out/{1−(HFC−134a)out/(HFC−134a)IN}×100
[出口ガス中のHFO−1123存在率(モル%)]
出口ガス中のHFO−1123存在率とは、窒素を含む出口ガス中のHFO−1123の存在割合をいい、以下の式により算出される。
HFO−1123存在率(モル%)=
(HFO−1123)out×{1−(NIN/100}
これらの算出結果を、反応条件(反応装置の種類、1段目反応器に供給されるHFC−134a流量と窒素流量およびモル比(HFC−134a:窒素)、反応器内温度、線速、および合計接触時間)とともに、表1に示す。
なお、反応器内温度は、1段目反応器および2段目反応器の器内温度であり、実測値である。また、線速は、1段目反応器に供給される原料ガスの線速である。さらに、合計接触時間は、1段目反応器と2段目反応器のそれぞれにおける触媒との接触時間の合計である。
[実施例2〜4および比較例1〜2]
反応装置(1)を使用し、反応条件のいくつかを表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、実施例2〜3および比較例2においては7時間経過後の、実施例4においては20時間経過後の、比較例1においては14時間経過後の、それぞれ出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率(反応率)、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
反応装置(2)の1段目反応器に、アルミナ触媒15g(触媒化成社製、商品名:ACBM−1、形状:粒径2mm球状)を充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で5時間加熱して乾燥させた。
次いで、1段目反応器の温度を350℃とし、HFC−134aを1.21mmol/min、窒素を1.21mmol/minの流量で混合した原料ガスを、1段目反応器に供給した。HFC−134aをおよび窒素を連続的に流し続け、7時間後に出口ガスの組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。7時間後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率(反応率)、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表1に示す。
[比較例4]
反応装置(2)を使用し、表1に示す反応条件で比較例3と同様にして反応を行った。そして、7時間経過後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率(反応率)、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006358324
[実施例5]
反応装置(1)の1段目反応器と2段目反応器に、それぞれ三フッ化アルミニウム触媒(関東化学社製、特級、形状:粉末状)17gを充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で7時間加熱して乾燥させた。
次いで、1段目反応器と2段目反応器の器内温度をいずれも400℃とし、HFC−134aを2.24mmol/minの流量で1段目反応器に供給した。HFC−134aを連続的に流し続け、7時間後に出口ガスの組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。7時間後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を、反応条件とともに表2に示す。
[実施例6]
反応装置(1)を使用し、表2に示す反応条件で実施例5と同様にして連続的に反応を行った。そして、7時間経過後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
反応装置(2)の1段目反応器に、三フッ化アルミニウム触媒(関東化学社製、特級、形状:粉末状)17gを充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で7時間加熱して乾燥させた。
次いで、1段目反応器の温度を400℃とし、HFC−134aを2.24mmol/minの流量で反応器に供給した。HFC−134aを連続的に流し続け、7時間後に出口ガスの組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。7時間後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、実施例と同様にして求めた。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006358324
[実施例7]
反応装置(1)の1段目反応器と2段目反応器に、合成例1で得られたクロミア触媒22gと同じクロミア触媒29gをそれぞれ充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で乾燥させた。なお、1段目反応器は6時間乾燥し、2段目反応器は7時間乾燥した。
次いで、1段目反応器と2段目反応器の器内温度をいずれも400℃とし、HFC−134aを4.47mmol/minの流量で1段目反応器に供給した。HFC−134aを連続的に流し続け、20時間後に出口ガス組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。20時間後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、実施例と同様にしてそれぞれ求めた。得られた結果を、反応条件とともに表3に示す。
[実施例8]
反応装置(1)を使用し、表3に示す反応条件で実施例7と同様にして連続的に反応を行った。そして、7時間経過後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、実施例1と同様にしてそれぞれ求めた。得られた結果を表3に示す。
[比較例6]
反応装置(2)の1段目反応器に、合成例1で得られたクロミア触媒22gを充填し、窒素ガスを300sccmで供給しながら300℃で6時間加熱して乾燥させた。
次いで、1段目反応器の温度を400℃とし、HFC−134aを2.24mmol/minの流量で反応器に供給した。HFC−134aを連続的に流し続け、7時間後に出口ガス組成が安定化したことを確認し、反応を終了した。7時間後の出口ガスの組成をGCにより分析し、HFC−134aの転化率、HFO−1123の選択率、および出口ガス中のHFO−1123の存在率を、実施例1と同様にしてそれぞれ求めた。得られた結果を反応条件とともに表3に示す。
Figure 0006358324
表1、表2および表3から、反応装置(1)を使用してHFC−134aの含有率が50モル%以上の原料ガスを連続的に供給し、HFC−134aの反応を2段で行うとともに、1段目の反応と2段目の反応との間で水酸化カリウム水溶液によるフッ化水素除去を行った実施例1〜8では、反応装置(2)を使用し、HFC−134aの反応を1段で行った比較例3〜6に比べて、出口ガス中のHFO−1123の存在率が高くなっていることがわかる。
また、比較例1および2では、反応装置(1)を使用してHFC−134aの反応を2段で行っているが、HFC−134aの含有率が50モル%未満の原料ガスが1段目反応器に供給されているので、出口ガス中のHFO−1123の存在率が実施例に比べて低くなっていることがわかる。
本発明の製造方法によれば、HFC−134aからHFO−1123を効率よく安定的に製造することができる。また、安価な原料であるHFC−134aを用いる点から、工業的製造方法として有用である。
なお、2014年3月27日に出願された日本特許出願2014−066058号の明細書、特許請求の範囲、要約書および図面の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1,21…反応装置、2…1段目反応器、3…アルカリ水溶液トラップ、4…2段目反応器、5,12…触媒、6…1段目予熱混合器、7…原料ガス供給ライン、8…HFC−134a供給ライン、9…希釈ガス供給ライン、10…1段目反応器出口ライン、11…脱水装置、13…2段目予熱混合器、14…中間原料ガス供給ライン、15…2段目反応器出口ライン、16…フッ化水素捕捉管、17…サンプリングバッグ。

Claims (12)

  1. 1,1,1,2−テトラフルオロエタンのガスまたは希釈ガスで希釈された1,1,1,2−テトラフルオロエタンのガス(ただし、希釈ガスと1,1,1,2−テトラフルオロエタンの合計量に対する1,1,1,2−テトラフルオロエタンの割合は50モル%以上である)を、第1の脱フッ化水素反応触媒に接触させて、前記1,1,1,2−テトラフルオロエタンの一部をトリフルオロエチレンに転化し、
    次いで、前記反応により得られた反応生成ガスからフッ化水素を除去し、
    その後、フッ化水素が除去された反応生成ガスを第2の脱フッ化水素反応触媒に接触させて、1,1,1,2−テトラフルオロエタンの少なくとも一部をトリフルオロエチレンに転化する
    ことを特徴とするトリフルオロエチレンの製造方法。
  2. 前記1,1,1,2−テトラフルオロエタンと希釈ガスの合計量に対する1,1,1,2−テトラフルオロエタンの含有割合が70モル%以上である、請求項1に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  3. 前記希釈ガスが窒素ガスである、請求項1または2に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  4. 前記第1の脱フッ化水素反応触媒および前記第2の脱フッ化水素反応触媒が、それぞれ独立に、金属、金属酸化物および金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる触媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  5. 前記第1の脱フッ化水素反応触媒および前記第2の脱フッ化水素反応触媒が、それぞれ独立に、酸化アルミニウム、三フッ化アルミニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物からなる触媒である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  6. 前記第1の脱フッ化水素反応触媒および前記第2の脱フッ化水素反応触媒が同一種類の触媒である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  7. 1,1,1,2−テトラフルオロエタンと第1の脱フッ化水素反応触媒の接触温度および1,1,1,2−テトラフルオロエタンと第2の脱フッ化水素反応触媒の接触温度が、いずれも、50〜500℃である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  8. 前記接触温度が、いずれも、300〜450℃である、請求項7に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  9. 1,1,1,2−テトラフルオロエタンと第1の脱フッ化水素反応触媒の接触時間および1,1,1,2−テトラフルオロエタンと第2の脱フッ化水素反応触媒の接触時間が、いずれも、0.1〜500秒である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  10. 前記接触時間が、いずれも、5〜30秒である、請求項9に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  11. 前記反応生成ガスをアルカリ水溶液と接触させることによりフッ化水素の除去を行う、請求項1〜10のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
  12. フッ化水素が除去された前記反応生成ガスから水分を除去し、その後、水分が除去された反応生成ガスを第2の脱フッ化水素反応触媒に接触させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの製造方法。
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