JP6354446B2 - プリフォームの製造方法及び繊維強化複合材料成形品の製造方法 - Google Patents

プリフォームの製造方法及び繊維強化複合材料成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、所望の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、シート状のプリプレグを雄雌型の狭圧により所定形状に賦形するプリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた繊維強化複合材料成形品の製造方法に関する。
従来、例えば強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させてなるシート状のプリプレグを成形型内で加熱、加圧することで、所定形状の繊維強化樹脂成形品を得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記繊維強化樹脂成形品を製造する際、これが曲面を含む三次元形状を有するような場合には、シート状のプリプレグから最終成形品の形状を考慮した所定形状のプリフォームを、本成形に先立って予め賦形する技術も知られている。
プリフォームの賦形方法としては、例えば、シワの発生を抑制するために、プリプレグに雌雄型の狭圧方向に対して略垂直方向に張力を加えながら賦形して所望のプリフォームを得る方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
再公表WO2004/018186号公報 特開2014−051077号
しかしながら、上記先行技術にて自動車のバケットシート1のような深絞り複雑形状(例えば、図1)の賦形を行う場合、プリプレグのどの場所に張力を付与すればシワの発生を抑制することができるのかを判断することが非常に困難であった。
また、何度かの試行錯誤でシワの抑制が可能となる張力付与位置を特定できたとしても、積層構成が変われば同様の試行錯誤を始めから実施する必要があるため、所望の賦形品を得るための作業工数が増加し、コストアップするという問題もあった。
また、プリプレグ中の強化繊維の方向に対してどの方向に張力を付与すればより少ない荷重でシワの発生を抑制できるのかについても不明であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、シワの発生を防ぐために必要な、プリプレグへ張力を付与する位置と張力の方向を精度よく予測することで効率的にプリフォームに発生するシワの回避を可能とするプリフォームの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、
(1)所望の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、シート状のプリプレグを雄雌型の狭圧により所定形状に賦形するプリフォームの製造方法であって、賦形性解析ソフトウェアを用いたシミュレーションによって算出される織物プリプレグのせん断変形角度が15°以上となるプリプレグの場所に、賦形前に正方形であった織物の単位構造が、前記シミュレーションによりせん断変形して形成される略菱形の四辺形の長い方の対角線の方向に張力を加えながら賦形するプリフォームの製造方法である。
また、本発明の第二の態様は、
)上記(1)載のプリフォームの製造方法によって製造されたプリフォームを成形型で圧縮成形することで、立体形状を有する繊維強化複合材料成形品を得る繊維強化複合材料成形品の製造方法である。
本発明のプリフォームの製造方法は、プリフォームに発生するシワを効率的に回避することを可能とする。
本発明の実施形態の一例に係る成形品形状図である。 本発明の実施形態の一例に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態の一例に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態の一例に係るせん断変形角度を説明する図である。 本発明の実施形態の一例に係るせん断変形角度を説明する図である。 本発明の実施形態の一例に係る積層体を示す平面図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態の一例を示す工程図である。
まず、本発明のプリフォームの製造方法における第一段階である張力付与位置の特定方法について説明する。以下の工程[1]、[2]により張力を付与する位置を特定することができる。
[1]賦形したい形状の3次元CADデータを入手、または作成する。
[2]賦形性解析ソフトウェアを用いて前記3次元CADデータを織物プリプレグで賦形することを想定したシミュレーションを行い、賦形時における織物プリプレグのせん断変形角度が15°以上となる場所を特定する。
(3次元CADデータの入手、または作成)
本発明のプリフォームの製造方法において張力を付与する位置を特定するときは、賦形したい形状の3次元CADデータが必要である。
3次元CADデータが手元に存在する場合はそれを用いればよい。3次元CADデータが手元にない場合は、レイアウトマシン(例えば、東京貿易テクノシステム株式会社製、製品名:レイアウトマシン 96AS)を用いて、所望の間隔で賦形したい形状の座標データを計測し、そのデータを3次元CADソフトウェア(例えば、Siemens PLM Software社製、製品名:NX)へ入力することで3次元CADデータを得ることが可能であるし、光学式の3次元測定器(例えば、OTTO Vision Technology Gmbh社製、製品名:kolibri move)を用いて賦形したい形状を計測し、当該データを3次元CADソフトウェアへ取り込むことで3次元CADデータを得ることも可能である。いずれの方法によっても構わないが、データを簡便に作成できることから光学式の3次元測定器を用いることが好ましい。
(賦形性解析ソフトウェアを用いたシミュレーション)
前記3次元CADデータを賦形性解析ソフトウェア(例えば、Siemens PLM Software社製、製品名:Fibersim)を用いてプリプレグで賦形することを想定したシミュレーションを行うことができる。
具体的には、図1に示すような自動車のバケットシート1の3次元CADデータに対して、前記賦形性解析ソフトウェア内の項目「Material」で「PPG−PL−3K」を選択し、項目「Fiber Spacing factor」の値を0.5以下で入力した後、「Net Productivity」を選択して所望のシミュレーションを行うことができる。
「Material」は、所望の形状へ賦形する際に使用する材料を指す。本発明にて使用する材料はプリプレグであることから、「Material」には3K平織の織物プリプレグを指す「PPG−PL−3K」を選択することが好ましい。
「Fiber Spacing Factor」は、シミュレーションを行う際に使用するメッシュの大きさを指す。賦形する形状の大きさに合わせて適宜選択すればよいが、シミュレーションの精度の観点から0.5以下の値を入力することが好ましい。
(せん断変形角度)
前記シミュレーションを行うことで、図2A、図2Bに示すようにバケットシート形状内におけるプリプレグのせん断変形角度分布2を得ることができる(図2A、図2Bではせん断角度0°以上15°未満の領域を2A、同15°以上30°未満の領域を2B、同30°以上の領域を2Cとして、ハッチ濃度で示している。)。
ここで言う「せん断変形角度」とは、図3に示すように、経糸3Aと緯糸3Bとからなる角度4A(90°)に、賦形シミュレーションによって図4に示すように生じる変化4Bのことであり、前記賦形性解析ソフトウェア上では「Limit Angle」と称するものである。
前記せん断変形角度が大きいほど、所望の形状へプリプレグを賦形する際に要求される変形量が大きくシワが発生しやすいことを意味している。従って、この大きな変形量を求められる場所を選択し能動的にバイアス方向に張力を付与してせん断変形を起こしやすくすることでより効率的にシワの発生を抑制することが可能となる。ここでいうバイアス方向は、賦形前に正方形であった織物の単位構造が、賦形シミュレーションによりせん断変形して形成される略菱形の四辺形の長い方の対角線の方向である。
(張力を付与する位置の特定)
前記せん断変形角度が15°以上となるプリプレグの場所に張力を付与することが好ましい。
本発明者らの経験によると、前述した条件のもと実施したシミュレーション結果で、せん断変形角度が0°以上15°未満となる領域は問題なく賦形可能であること、同じくせん断変形角度が15°以上30°未満となる領域は賦形に際して注意が必要であること、同じくせん断変形角度が30°以上は人手による賦形では賦形困難であることを示している。従って、せん断変形角度が15°以上となる場所に張力を付与しながら賦形することで、シワを回避することが有効である。
前記賦形性解析ソフトウェアでシミュレーション終了後、「Generate Flat Pattern」を選択することで、2次元展開された平面形状9のCADデータを得ることができる。その際、「Markers」機能を用いて、立体形状の状態で張力を付与する位置を予めマーキングしたうえで平面形状のCADデータを得ておくことが好ましい。
具体的には、図2Aに示すせん断変形角度が15°以上となる位置5A,6A,7A(2カ所),8Aの部分は、「Markers」機能を用いることで、平面形状9へ2次元展開する際、図5に示すように5B,6B,7B(2カ所),8Bとマーキングすることが可能となる。また5B,6B,7B(2カ所),8Bに対して平面形状9の中央軸から左右対称となる5C,6C,7C(2カ所),8Cも同時にマーキングすることが可能である。
次に、この発明のプリフォームの製造方法の第二段階について説明する。本発明の第二段階は以下の工程[1]〜[6]を順次経てプリフォームを製造するものである。
[1]プリプレグを賦形性解析ソフトウェアにて決定した形状に切断する。
[2]切断済みプリプレグを積層し積層体を得た後、それをプリフォーム型に配置する
[3]シミュレーションにより特定した積層体の場所をクランプする。
[4]クランプしたまま積層体を加熱機で加熱する。
[5]加熱した積層体に張力を付与し、積層体をプリフォーム型で挟圧して賦形する。
[6]張力を徐荷してクランプを外した後、プリフォーム型を開き、賦形した積層体を取り出す。
但し、プリプレグ1枚を賦形する場合は、上記の工程[2]中の積層操作を省略し、1枚のプリプレグを積層体と称することとする。
(プリプレグ)
本発明のプリフォームの製造方法に用いることができるプリプレグの形態は、強化繊維が一方向に引き揃えられたUDプリプレグであってもよいし、強化繊維が製織された織物プリプレグであってもよい。
(強化繊維)
プリプレグを構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。これらの中でも比強度および比弾性に優れることから、炭素繊維が好ましい。
(熱硬化性樹脂)
プリプレグを構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硬化後の強度を高くできることから、エポキシ樹脂が好ましい。
プリプレグ中には、硬化剤、離型剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、充填材などの各種添加剤などが含まれてもよい。
(プリプレグを賦形性解析ソフトウェアにて決定した形状に切断)
前記プリプレグを切断する方法としては、カッティングプロッターを用いて前記平面形状9のCADデータに基づいて切断することが好ましい。その際、CADデータ生成時にマーキングしておいた張力付与位置5B,5C,6B,6C,7B(2カ所),7C(2カ所),8B,8Cが明確になるようにしておくことが好ましい(図5)。
(切断したプリプレグの積層)
次に前記切断したプリプレグを所望の構成、枚数となるように積層し積層体を製作する。本発明のプリフォームの製造方法に用いられるプリプレグの積層構成としては、一方向積層でも直交積層でも疑似等方積層でも構わないが、プリプレグがUDプリプレグである場合には賦形時にプリプレグが裂けることなくせん断変形しやすい点から直交積層とすることが好ましい。
またプリプレグの積層枚数は2〜30枚であることが好ましい。プリプレグの積層枚数が2枚以上であれば、充分な強度の成形品を得ることができ、30枚以下であれば、積層のコストを抑えることができる。プリプレグが織物プリプレグで ある場合は、1枚のプリプレグを積層体として扱うこともできる。
次に図6に示すようにプリフォーム型(雌型10及び雄型20)に積層体30を配置する。
(プリフォーム型)
本実施形態例におけるプリフォーム型は、型でプリプレグの積層体を挟圧したときに積層体30を所望の形状に賦形できるようなプリフォーム型であれば、いかなる形式、材質のものでであってもこの発明のプリフォームの製造方法に用いることができる。
図7では、上型に雌型10、下型に雄型20を用いているが、それが反対になっていても構わないし、また、どちらが可動型であっても構わない。
プリフォーム型の材質は金属、ケミカルウッドなどプリプレグを賦形することができるものであれば特に制限はないが、材料が安価であること、加工が容易であることからケミカルウッドであることが好ましい。
次いで図7A、図7Bに示すように、シミュレーションにて特定した積層体30の箇所5B,5C,6B,6C,7B(2カ所),7C(2カ所),8B,8Cを張力付与手段40にてクランプして、次いで図8に示すように、積層体30を加熱機50で加熱した後に張力を付与する。
(張力付与手段)
張力付与手段40は、プリプレグの積層体の必要箇所をチャックするクランプ41と雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向に張力を付与する張力付与機構42とチャック位置を狭圧方向に移動できる位置可動機構43とを有することが好ましい。
クランプ41の材質としては、プリフォーム温度で変形せず、また、加熱して軟化したプリプレグを十分チャックできるものであれば特に制限はないが、加工性や入手のしやすさからプラスチック製品であることが好ましい。
クランプ方式としては、バネ式やエアシリンダー式などが挙げられるが、クランプ力を大きくしやすいことからエアシリンダー式であることが好ましい。
積層体30をクランプ41にてチャックした後、張力付与機構42にて雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向に張力を付与することが望ましい。
張力を付与する方式としては、エアシリンダー方式や巻きバネ方式などが挙げられるが、荷重を受けた際にスムーズに移動できる点から巻きバネ方式が望ましい。また、張力付与機構42により、積層体30に付与する張力としては、1〜50Nであることが好ましい。
また、張力付与機構42にてプリプレグの積層体に付与する張力は、雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向であり、かつ、プリプレグの繊維方向に対してバイアス方向であることが、少ない荷重でシワの発生を効果的に回避できることから好ましい。
具体的には、例えば、図7Bに示される張力付与位置8B、8Cには、クランプ41を用いて図中の斜下方向に張力が付与されているが、これは、図2Aの8A部分におけるメッシュ(織物の単位構造)が賦形シミュレーションにより伸長されている方向と合致するように決めたものである。
積層体30をクランプしたまま所定の温度まで加熱した後張力を付与し、位置可動機構43にてチャック位置を型の狭圧方向に可動とすることが望ましい。
可動方式としては、エアシリンダー方式や巻きバネ方式などが挙げられるが、型の狭圧方向(一般的な装置では上下方向)の荷重を受けた際にスムーズに移動できる点から巻きバネ方式が望ましい。図7Aでは、張力付与手段40の自重を支えるよう巻きバネが配置さえており、型の狭圧時に積層体30から受けた荷重に合わせてチャック位置が動くようになっている。
(加熱機)
加熱機50は、賦形前に積層体30を軟化させるために加熱するものである。加熱方式としては、例えば、熱風式、赤外線式などが挙げられるが、加熱時間を短縮できる点から赤外線式が好ましい。
またこの加熱機50は、加熱するときのみ積層体30の上部に位置し、それ以外のときは雌型10の動作の妨げにならないように場所に位置している。
また、積層体30の加熱温度は40〜80℃であることが好ましい。加熱温度を40℃以上にすれば、所定のプリフォームの形状に容易に成形でき、80℃以下にすれば、プリフォーム製造時の熱硬化性樹脂の硬化を避けることができる。
その後図9で示すように、雌型10が下降して、積層体30を雄型20と雌型10とで挟圧して積層体30を賦形する。その際、張力付与機構42にて雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向でバイアス方向に適切な張力を付与しながら、型の狭圧に合わせてプリプレグが引き込まれている。また、位置可動機構43にて型の狭圧に合わせてチャック位置が可動している。
また、挟圧時の圧力は0.01〜0.1MPaであることが好ましい。圧力を0.01MPa以上にすれば、所定のプリフォームの形状に容易に成形でき、0.1MPa以下にすれば、プリフォームの製造装置を単純化することができる。
ついで図10で示すように、張力を徐荷してクランプ41を外した後、雌型10が上昇して、図11に示すように、雄型20から賦形された積層体30を取り出す。
以上説明したプリフォームの製造方法では、プリフォーム型(雌型10と雄型20)に積層体30を配置した後、シミュレーションにより特定したプリプレグの場所を張力付与手段40のクランプ41にてチャックする。
その後、積層体30を加熱機50で加熱した後、張力付与機構42にて雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向に、またバイアス方向に張力を付与する。最後に位置可動機構43にてクランプ位置を雄雌型の狭圧方向に移動できるようにした後、プリフォーム型を狭圧してプリプレグを賦形する。
このように、賦形性解析ソフトウェアを用いて3次元形状に織物プリプレグを賦形することを想定したシミュレーションを行い、賦形時における織物プリプレグのせん断変形角度が15°以上となる場所を特定し、その位置にプリプレグの繊維方向に対してバイアス方向に張力を付与しながらプリプレグの賦形を行うことで、プリフォームに発生するシワを効率的に回避することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す自動車のバケットシート1を賦形するため、光学式の3次元測定器(OTTO Vision Technology Gmbh社製、製品名:kolibri move)を用いてバケットシート1の形状を計測し、前記計測データを3次元CADソフトウェア(Siemens PLM Software社製、製品名:NX)に入力することで、バケットシート1の3次元CADデータを得た。
前記3次元CADデータを賦形性解析ソフトウェア(Siemens PLM Software社製、製品名:Fibersim)を用いて、ソフトウェア内の項目「Material」で「PPG−PL−3K」を選択し、項目「Fiber Spacing factor」の値を「0.2」を入力して、項目「Net Productivity」を選択して所望のシミュレーションを行い、図2A、図2Bに示すようにバケットシート1内におけるプリプレグのせん断変形角度分布2を得た。(せん断変形角度0°以上15°未満を2Aとして、同15°以上30°未満を2Bとして、同30°以上を2Cとして図示した)。
前記シミュレーション終了後、項目「Generate Flat Pattern」を選択して、図5に示すように2次元展開された平面形状9のCADデータを得た。その際に、図2Aに示す前記せん断変形角度が15°以上となる位置5A,6A,7A(2カ所),8Aを「Markers」機能を用いてマーキングし、それぞれに対応する位置を図5に示す5B,6B,7B(2カ所),8Bとして特定した。また、5B,6B,7B(2カ所),8Bに対して平面形状9の中央軸に対して左右対称となる位置を5C,6C,7C(2カ所),8Cとして特定した。
次に一方向に引き揃えた炭素繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグシート(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TR391E250S、1枚あたりの厚み:0.22mm)を準備した。
カッティングプロッターを用いて前記プリプレグシートを、図5の矢印方向が、炭素繊維の配向方向と一致するように、すなわち、炭素繊維の配向角度が0°となるように、平面形状9と同一の形状に3枚切断した。更に、図5の矢印方向が、炭素繊維の配向方向と直交するように、すなわち、炭素繊維の配向角度が90°となるように、平面形状9と同一の形状に2枚切断した。
この切断したプリプレグシートを炭素繊維の配向方向が0°/90°/0°/90°/0°となるように積層して、積層体30を作製した。
次に、成形機に図6に示すように可動型として上型に雌型10を配置し、固定型として下型に雄型20を配置し、前記積層体30を雄型20の上に配置した。
その後、図7A、図7Bに示すように、前記シミュレーションにて特定したせん断変形角度が15°以上となる積層体30の場所5B,5C,6B,6C,7B(2カ所),7C(2カ所),8B,8Cを張力付与手段40のクランプ41にてチャックした。
その後、赤外線ヒーター(加熱機50)を積層体30の上部に配置し、積層体30を約60℃になるように加熱して軟化させた(図8)。その後、張力付与機構42にて雄雌型の狭圧方向に対して略垂直方向で、シミュレーションで特定したバイアス方向に張力を付与した。このとき張力付与機構42に設置されている巻きバネの張力を20Nに設定した。
その後、位置可動機構43にてチャック位置を型の狭圧方向に移動できるようにした後、図9に示すように、雌型10が下降して、雄型20と雌型10とを狭圧して積層体30を賦形した。
その後、図10に示すように、張力付与機構42の張力を徐荷してクランプ41を外したのち、雌型10を上昇させ、図11に示すように、雄型20から積層体30を脱型した。脱型された積層体30は、シワなく所望の形状に賦形されていた。
このプリフォームを140℃まで 加熱している圧縮成形用の下型に配置し、これを上型で挟み10分間保持して、加熱 加圧を行うことで、繊維強化樹脂成形品を得た。得られた成形品は強度、外観に優れていた。
(比較例1)
前記シミュレーションにて特定した5B,5C,6B,6C,7B(2カ所),7C(2カ所),8B,8Cを選択せず、せん断変形角度が0°以上15°未満となる領域から10箇所を選択して張力を付与したこと以外は、実施例1と同様の方法でプリフォームを製造した。得られたプリフォームにはシワが多発している状態であった。
また、このプリフォームを実施例1と同様の方法で圧縮成形したところ、得られた成形品は強度、外観が優れなかった。
1 バケットシート
2 せん断変形角度分布
2A せん断変形角度:0°以上15°未満
2B せん断変形角度:15°以上30°未満
2C せん断変形角度:30°以上
3A UDプリプレグの0°方向(クロスプリプレグの経糸方向)
3B UDプリプレグの90°方向(クロスプリプレグの緯糸方向)
4A UDプリプレグの0°方向と90°方向とからなる角度(=90°)
4B せん断変形角度
5A,6A,7A,8A せん断変形角度が15°以上の位置
5B,5C,6B,6C,7B,7C,8B,8C 張力付与位置
9 平面形状
10 雌型
20 雄型
30 積層体
40 張力付与手段
41 クランプ
42 張力付与機構
43 位置可動機構
50 加熱機

Claims (2)

  1. 所望の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、シート状のプリプレグを雄雌型で狭圧することにより所定形状に賦形するプリフォームの製造方法であって、
    賦形性解析ソフトウェアを用いたシミュレーションによって算出される織物プリプレグのせん断変形角度が15°以上となるプリプレグの場所に、賦形前に正方形であった織物の単位構造が、前記シミュレーションによりせん断変形して形成される略菱形の四辺形の長い方の対角線の方向に張力を加えながら賦形するプリフォームの製造方法。
  2. 請求項1記載のプリフォームの製造方法によって製造されたプリフォームを成形型で圧縮成形することで、立体形状を有する繊維強化複合材料成形品を得る繊維強化複合材料成形品の製造方法。
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