JP6351028B2 - 整流装置用多孔板、整流装置および流量計測装置 - Google Patents

整流装置用多孔板、整流装置および流量計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、整流装置用多孔板、2枚の多孔板を配置して円管内の流れを整流する整流装置、およびこの整流装置を備えた流量計測装置に関する。
空気、水、石油類の流体を取り扱う分野では、様々な種類の流量計が使用されている。具体的には、流量計は体積流量計と質量流量計とに大別され、体積流量計には実測式(例えば回転子形などの自力式、サーボ式)や推測式(例えば差圧式、タービン式、渦式、電磁式、超音波式など)がある。一方、質量流量計には直接式(例えば熱式、コリオリ式など)や、所定条件下で簡易的に流量を求める間接式がある。
ここで、例えば推測式の流量計は、十分に発達した管内流れ(発達流、管内乱流速度分布ともいう)の条件下で校正した後に使用される。よって、流量計の上流には十分な直管長が必要になるが、プラントの大型化による配管の大口径化や設置スペースの合理化を図る場合、十分な直管長の確保が困難になる。そのため、例えば特許文献1には、流量計の上流に整流装置を備える技術が開示されている。
一方、この特許文献1の整流装置は1枚の多孔板で形成されており、旋回を伴う流れに対する整流効果は期待できない。詳しくは、エルボ、ジョイント、バルブなどの配管要素を取り付けた配管では旋回流や偏流が発生しやすく、その整流装置には、旋回成分を除去する機能と、じょう乱(不均一な流れ)の影響を消去する機能とが要求されるものの、1枚の多孔板では双方の機能を備えられないからである。そこで、例えば非特許文献1には、旋回流とじょう乱の影響を同時に除去する整流装置が開示されている。
この非特許文献1の整流装置は2枚の多孔板で形成されている。そして、旋回成分を除去すること、上流側の流れが下流側の流れに影響を与えないこと、下流側の流れが十分に発達した管内乱流速度分布を持つことの三条件を満たすために、旋回整流用の多孔板を上流側に、速度分布用の多孔板を下流側にそれぞれ配置している。これにより、偏りを伴う旋回流を取り除き、短い直管長で十分に発達した管内乱流速度分布を得る。
特公昭51−37022号公報
門 久義、外4名、「多孔板を用いた整流装置の研究」、日本機械学会論文集(B編)、1985年1月、51巻、461号、p.106−114
しかしながら、特許文献1や非特許文献1のいずれも、例えば差圧式の絞り流量計の流量計測に必要な十分に発達した管内乱流速度分布を得るための整流装置であるので、例えば推測式の超音波流量計の流量計測に必要な軸速度分布が均一な流れ(管内平均流速ともいう)に基づいて流量計測を行う場合、測定精度の向上を図り難いという問題がある。
また、2枚の多孔板による整流装置を用いるにあたり、その抵抗係数がISO5167に示されている抵抗係数の値(例えばK=5.0)では実用的ではない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、管内平均流速に基づいて流量計測を行う場合、測定精度の向上を達成できる整流装置用多孔板、整流装置および流量計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、円管内の流れを整流する整流装置用多孔板であって、該多孔板は、所定厚のプレートと、該プレートを貫通して設けられ、各孔の直径が互いに等しい複数個の貫通円孔とを有し、該貫通円孔は、前記プレートの中心に配置される1個の中央孔と、該中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第1同心孔と、該第1同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第2同心孔と、該第2同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第3同心孔と、該第3同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される12個の第4同心孔と、該第4同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される24個の第5同心孔とからなることを特徴としたものである。
第2の技術手段は、前記円管の内径をDとした場合、前記第1同心孔を前記プレートの中心から0.26Dで規定される前記同心円上に、前記第2同心孔を前記プレートの中心から0.42Dで規定される前記同心円上に、前記第3同心孔を前記プレートの中心から0.54Dで規定される前記同心円上に、前記第4同心孔を前記プレートの中心から0.68Dで規定される前記同心円上に、前記第5同心孔を前記プレートの中心から0.92Dで規定される前記同心円上にそれぞれ配置することを特徴としたものである。
第3の技術手段は、前記第3同心孔が、その両側で隣接する前記第4同心孔に連通されることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、上流用多孔板および下流用多孔板を備えた整流装置であって、前記上流用多孔板が、所定厚のプレートと、該プレートを貫通して設けられ、各孔の直径が互いに等しい複数個の貫通円孔とを有し、前記上流用多孔板の貫通円孔は、隣接する相互の距離が前記プレートの中心では小さく前記プレートの周辺ほど大きくされ、前記下流用多孔板が、上記のいずれかの整流装置用多孔板であることを特徴としたものである。
第5の技術手段は、上記の整流装置を備えると共に、前記下流用多孔板の下流に管内平均流速に基づいて流量計測を行う流量計を配置した流量計測装置であることを特徴としたものである。
本発明によれば、1個の中央孔、各6個の第1〜第3同心孔、12個の第4同心孔、そして、その外側に24個の第5同心孔からなる貫通円孔を設けているため、円管の壁付近の流速が大きくなり、管内平均流速に近い速度分布が得られるので、軸速度分布が超音波流量計の測定結果に一致可能になる。このため、例えば、超音波流量計や熱式流量計等のような管内平均流速に基づいて流量計測を行う場合には、測定精度の向上を図ることが可能になる。
本発明の整流装置を備えた配管構成を説明する斜視図である。 図1の整流装置を説明する部分断面図である。 図2の上流用多孔板を説明する正面図等である。 図2の下流用多孔板を説明する正面図である。 第2の実施形態の下流用多孔板を説明する正面図である。 本実施例、比較例に対する旋回角を説明する図である。 本実施例、比較例に対する軸速度分布を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の整流装置用多孔板、整流装置および流量計測装置の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の整流装置を備えた配管構成を説明する斜視図である。
配管構成1は、例えば空間二重曲り管路であり、管路入口10から管路出口15までが円形断面(例えば内径D=100mm)である。管路入口10は図1に示すZ軸の負方向に向けて開口し、管路出口15はY軸の正方向に向けて開口している。
配管構成1は、管路入口10と管路出口15との間に、第1エルボ11、第2エルボ12、整流装置13、流量計14を有している。
管路入口10から第1エルボ11の始端までの距離は例えば発達流が得られる助走区間25Dで示すことができる。第1エルボ11の始端はZ軸の負方向に向けて開口し、第1エルボ11の終端はX軸の負方向に向けて開口している。第1エルボ11の終端から第2エルボ12の始端までの距離は例えばDで示すことができる。第2エルボ12の始端はX軸の正方向に向けて開口し、第2エルボ12の終端はY軸の正方向に向けて開口している。なお、第1,2エルボ11,12の曲率半径は、比較的強い旋回流を発生するために、例えば0.62Dに設定されている。
整流装置13は、詳細な構造は図2等で説明するが、第2エルボ12の終端から例えば距離2Dの位置に配置されている。整流装置13から管路出口15までは直管で形成されており、流量計14は整流装置13の終端から例えば距離8Dの位置に配置されている。なお、整流装置13の終端から管路出口15までの距離は例えば10Dで示すことができる。
(第1の実施形態)
図2は、図1の整流装置を説明する部分断面図であり、流量計14以降を除き、第2エルボ12の下流側を断面図で示している。
整流装置13は、上流側の旋回整流用多孔板20および下流側の速度分布用多孔板30による2枚の多孔板を備えている。旋回整流用多孔板20は主として旋回成分を除去する機能を有しており、第2エルボ12の終端から旋回整流用多孔板20の始端までの距離は上述したように2Dで示すことができる。
また、図2に示すように、旋回整流用多孔板20の始端をY=0とし、このY=0となる断面の中心を座標の原点(X,Y,Z)=(0,0,0)としている。
一方、速度分布用多孔板30は主としてじょう乱を除去する機能を有し、速度分布用多孔板30の始端は、旋回整流用多孔板20の終端から距離Lの位置に配置されている。
なお、旋回整流用多孔板20が本発明の上流用多孔板に、速度分布用多孔板30が本発明の下流用多孔板にそれぞれ相当する。
流量計14は、速度分布用多孔板30の終端からの距離Lとすると、上述のように例えば8Dで示すことができる。流量計14には、管内平均流速に基づいて流量計測を行うもの、例えば超音波流量計や熱式流量計が配置されている。
図3は、図2の上流用多孔板を説明する正面図等であり、図3(A)は旋回整流用多孔板20の正面図を、図3(B)は旋回整流用多孔板20の断面図を示している。
旋回整流用多孔板20は、円板状のプレート21と、このプレート21を貫通して穿設された貫通円孔22とを有している。貫通円孔22は、非特許文献1に示された構造と同様に例えば計35個で構成され、かつ上流側のエッジ部分が面取りされており、いずれも同一の孔径dで形成されている。
ただし、貫通円孔22の孔径dは例えば10mmに設定されている。なお、旋回整流用多孔板20の開口比βは0.56である。また、プレート21の板厚tは0.13Dで示すことができる。
ここで、旋回整流用多孔板20は、その抵抗係数Kが半径方向で均一な値を持ち、その流出角係数αが零になるように設計されており、貫通円孔22は、隣接する相互の距離がプレート21の中心では小さく、プレート21の周辺ほど大きくなっている。
詳しくは、図3(A)に示すように、貫通円孔22は、ZX座標の第1象限(プレート21の1/4円に相当する)内に12個設けられている。各孔をZX座標で表わせば、まず、第1番目の孔h1(Z,X)=(0,0)、第2番目の孔h2(Z,X)=(0,0.142D)、第3番目の孔h3(Z,X)=(0,0.283D)、第4番目の孔h4(Z,X)=(0,0.423D)と示すことができる。
続いて、第5番目の孔h5(Z,X)=(0.129D,0.078D)、第6番目の孔h6(Z,X)=(0.134D,0.225D)、第7番目の孔h7(Z,X)=(0.156D,0.381D)、第8番目の孔h8(Z,X)=(0.252D,0)、第9番目の孔h9(Z,X)=(0.255D,0.146D)、第10番目の孔h10(Z,X)=(0.288D,0.288D)、第11番目の孔h11(Z,X)=(0.396D,0)、第12番目の孔h12(Z,X)=(0.400D,0.151D)と示すことができる。
そして、これらをZX軸に対して線対称の位置、言い換えると、貫通円孔をZX座標の第2〜第4象限にも展開すると、計35個の貫通円孔22が、プレート21の中心では孔の分布が密になるのに対し、プレート21の周辺では孔の分布が疎になっている。
なお、この図3では、1枚のプレートからなる旋回整流用多孔板の例を挙げて説明したが、重量軽減や材料の節約を図るために、プレートにチューブを嵌合させて板厚tの旋回整流用多孔板を形成してもよい。また、旋回整流用多孔板をフランジ間に挟み込む場合、最外周に位置する貫通円孔(例えばh4,h7,h10,h11,h12)とプレートの外周縁との間には、孔を設けない領域が形成されていてもよい。
図4は、図2の下流用多孔板を説明する正面図であり、図4(A)は速度分布用多孔板30の正面図を、図4(B)は孔の配列を説明するために、速度分布用多孔板30の一部分(30°)を抜き出した図を示している。
速度分布用多孔板30は、円板状のプレート31と、このプレート31を貫通して穿設された貫通円孔32とを有する。貫通円孔32は、例えば計55個で構成され、いずれも同一の孔径dで形成されている。
ただし、貫通円孔32の孔径dは、旋回整流用多孔板20と同様に例えば10mmに設定され、非特許文献1に開示の孔径7mmよりも大きくされている。なお、速度分布用多孔板30の開口比βは0.54である。また、プレート31の板厚tは0.035Dで示すことができる。
ここで、速度分布用多孔板30は、その抵抗係数Kが半径方向で均一な値を持ち、その流出角係数αも均一な値になるように設計されており、貫通円孔32は、非特許文献1に示された構造の設計法に従って複数の同心円上に孔を設けている。
詳しくは、図4(A)に示すように、貫通円孔32は、1個の中央孔H0がプレート31の中心に設けられ、この中央孔H0の周囲に例えば5重の同心円が設定されている。
まず、第1同心孔H1は例えば6個からなり、中央孔H0と同心円上にて等間隔(例えば60°毎)で配置されている。図4(B)に示すように、第1同心孔H1に関する同心円の半径r1は0.26Dで示すことができる。
第2同心孔H2は例えば6個からなり、第1同心孔H1の外側であって中央孔H0と同心円上にて等間隔(例えば60°毎)で配置されている。第2同心孔H2に関する同心円の半径r2は0.42Dで示すことができる。第3同心孔H3も例えば6個からなり、第2同心孔H2の外側であって中央孔H0と同心円上にて等間隔(例えば60°毎)で配置されている。第3同心孔H3に関する同心円の半径r3は0.54Dで示すことができる。
次に、第4同心孔H4は例えば12個からなる。第4同心孔H4は、第3同心孔H3の外側であって中央孔H0と同心円上にて等間隔(例えば30°毎)で配置されている。第4同心孔H4に関する同心円の半径r4は0.68Dで示すことができる。
ただし、第5同心孔H5は、非特許文献1のような12個ではなく、例えば24個からなり、第4同心孔H4の外側であって中央孔H0と同心円上にて等間隔(例えば15°毎)で配置されている。このため、非特許文献1の構造に比べて円管の壁付近の流速を大きくすることができる。第5同心孔H5に関する同心円の半径r5は0.92Dで示すことができる。
なお、速度分布用多孔板30は、各孔の大径化を図って多孔板の製造を容易にするために、非特許文献1の構造に比べて同心円の数を減らすと共に、同心円の半径の値を変更している。また、この図4でも、1枚のプレートからなる速度分布用多孔板の例を挙げて説明するが、重量軽減や材料の節約を図るために、プレートにチューブを嵌合させて板厚tの速度分布用多孔板を形成してもよい。また、速度分布用多孔板をフランジ間に挟み込む場合、最外周に位置する貫通円孔(例えばH5)とプレートの外周縁との間には、孔を設けない領域が形成されていてもよい。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の下流用多孔板を説明する正面図であり、図5(A)は速度分布用多孔板40の正面図を、図5(B)は孔の配列を説明するために、速度分布用多孔板40の一部分(30°)を抜き出した図を示している。
速度分布用多孔板40も、速度分布用多孔板30と同様に、1枚のプレート41(板厚t=0.035D)に同一の孔径d(例えば10mm)の貫通円孔42を有しているが、貫通円孔42は例えば計43個で構成されている。
具体的には、貫通円孔42は、貫通円孔32と同様に1個の中央孔H0の周囲に例えば5重の同心円が設定され、同心円の半径r1〜r5も貫通円孔32と同じ値であるが、図5に2点鎖線で示した第3同心孔H3と第4同心孔H4との間隔が狭くなっていることが分かる。そこで、第3同心孔H3は、プレート41の周方向で見て、その両側で隣接する第4同心孔H4に連通されている。このため、貫通円孔42は、図4の貫通円孔32に比べて12個少なくなり、計43個になる。なお、速度分布用多孔板40の開口比βは0.58である。
このように、第3同心孔H3と第4同心孔H4とを近接配置する場合、各孔の大径化を図って第3同心孔H3と第4同心孔H4とを連通させるので、各孔を連通させない場合に比べて速度分布用多孔板の製造が容易になる。
続いて、上記整流装置の解析結果について説明する。本解析で検討した整流装置には、図3で説明した旋回整流用多孔板20および図5で説明した速度分布用多孔板40を組み合わせている。そして、旋回整流用多孔板20の終端から速度分布用多孔板40の始端までの距離L=Dに設定した整流装置(以下、本実施例Aとする)と、旋回整流用多孔板20の終端から速度分布用多孔板40の始端までの距離L=2Dに設定した整流装置(以下、本実施例Bとする)と、図3で説明した旋回整流用多孔板20のみの整流装置(以下、比較例とする)とについて、本実施例A,Bは速度分布用多孔板40の終端からの距離L=8Dの位置における整流効果を、比較例は旋回整流用多孔板20の終端からの距離L=8Dの位置における整流効果を検討した(図6、図7)。
図6は、本実施例、比較例に対する旋回角を説明する図であり、図6(A)は垂直(X)方向に対する旋回流の流れ角を、図6(B)は水平(Z)方向に対する旋回流の流れ角をそれぞれ示している。なお、φ=tan−1(U/V)、φ=tan−1(W/V)、Uは速度のX成分、Vは速度のY成分、Wは速度のZ成分であり、図6(A)の縦軸はφの絶対値、図6(B)の縦軸はφの絶対値を示している。Rは配管の半径であり、図6(A),(B)の横軸はX座標やZ座標での測定位置を無次元化している。
図6の実線は旋回角2°を示し、旋回流の影響が推測式流量計の測定精度に影響を及ぼさないと考えられている値である。なお、図6の破線は多孔板なしの場合の解析値である。
上記の比較例は、図6(A),(B)に●で示しており、図6の破線よりは旋回成分を除去できるものの、図6の実線付近の値で現れているので、1枚の多孔板で偏りを伴う旋回流を除去するのは難しいことが分かる。
これに対し、図6(A),(B)に○で示すように、本実施例A(L=D)は、比較例に比べて小さな値が多く現れている。さらに図6(A),(B)に□で示すように、本実施例B(L=2D)は、本実施例Aに比べて小さな値が多く現れている。このため、本実施例A,Bはいずれも旋回成分を除去する機能に優れ、特に、本実施例Bが旋回成分を除去するために有効な整流装置であることが分かる。
図7は、本実施例、比較例に対する軸速度分布を説明する図であり、図7(A)は本実施例Aの軸速度分布を、図7(B)は本実施例Bの軸速度分布を、図7(C)は比較例の軸速度分布をそれぞれ示している。なお、Vmは管内平均流速であり、図7(A)〜(C)の縦軸は軸方向速度Vを無次元化している。
また、軸方向速度分布の測定には、例えば4測線の伝搬時間逆数差法による超音波流量計を用い、発達流を生成させるために助走区間を十分に設け、作動流体にはガソリンを用いて測定レイノルズ数Re=10〜10の範囲で測定した。すなわち、計測している流速は、超音波が伝搬していく経路上の平均流速(線平均流速)であるため、流量補正係数によって管内平均流速(面の平均流速)に補正した後に、管路断面積を乗じて流量を算出している。測定間隔はマイクロ秒のオーダであるが、ここでは、速度分布の傾向を把握するために測定値(14,550個)を平均した。本解析では、流体を空気(粘性係数μ=1.822×10−5Pa・s、密度ρ=1.205kg/m)とし、レイノルズ数を上記の測定レイノルズ数の範囲(10〜10)の下限に近い値(7.3×10)とした。
上記の比較例は、図7(C)に●で示す垂直面(X/R)上の軸方向速度、○で示す水平面(Z/R)上の軸方向速度が、◇で示す超音波流量計の測定結果に一致しないことが分かる。
これに対し、図7(A)に●や○で示すように、本実施例A(L=D)は、V/Vm=1.0の位置に集中し、比較例に比べて◇で示す超音波流量計の測定結果に一致する箇所が多く現れている。さらに図7(B)に●や○で示すように、本実施例B(L=2D)は、本実施例Aに比べて◇で示す超音波流量計の測定結果に一致する箇所が多く現れている。
このように、本実施例A,Bはいずれも例えば、超音波流量計や熱式流量計等のような管内平均流速に基づいて流量計測を行う場合には、再現性や繰り返し性試験において優れた性能を発揮することが分かる。この結果、本実施例A,Bによれば、管内平均流速に基づいて流量計測を行う流量計による測定精度の向上を達成でき、かつ、実用的な整流装置を提供できる。
また、整流装置の抵抗係数Kについては、本実施例Aの場合はK=3.94に、本実施例Bの場合はK=3.98になる。ここで、例えば本実施例Bの値を挙げて考察すると、比較例の場合(K=1.5〜2.3)に比べて1.73〜2.65倍になるが、ISO5167に記載されている抵抗係数(例えばK=5.0)よりも小さな値であるので、十分に実用的な整流装置であることが分かる。
なお、上記の試験結果は、図5で説明した速度分布用多孔板40を用いているが、これは貫通円孔の加工のし易さを考慮して採用したものであり、図4で説明した速度分布用多孔板30を用いても同様の試験結果が得られると考えられる。
1…配管構成、10…管路入口、11…第1エルボ、12…第2エルボ、13…整流装置、14…流量計、15…管路出口、20…旋回整流用多孔板、21…プレート、22…貫通円孔、30,40…速度分布用多孔板、31,41…プレート、32,42…貫通円孔。

Claims (5)

  1. 円管内の流れを整流する整流装置用多孔板であって、
    該多孔板は、所定厚のプレートと、該プレートを貫通して設けられ、各孔の直径が互いに等しい複数個の貫通円孔とを有し、
    該貫通円孔は、前記プレートの中心に配置される1個の中央孔と、該中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第1同心孔と、該第1同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第2同心孔と、該第2同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される6個の第3同心孔と、該第3同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される12個の第4同心孔と、該第4同心孔の外側で前記中央孔と同心円上にて等間隔で配置される24個の第5同心孔とからなることを特徴とする整流装置用多孔板。
  2. 前記円管の内径をDとした場合、前記第1同心孔を前記プレートの中心から0.26Dで規定される前記同心円上に、前記第2同心孔を前記プレートの中心から0.42Dで規定される前記同心円上に、前記第3同心孔を前記プレートの中心から0.54Dで規定される前記同心円上に、前記第4同心孔を前記プレートの中心から0.68Dで規定される前記同心円上に、前記第5同心孔を前記プレートの中心から0.92Dで規定される前記同心円上にそれぞれ配置することを特徴とする請求項1に記載の整流装置用多孔板。
  3. 前記第3同心孔が、その両側で隣接する前記第4同心孔に連通されることを特徴とする請求項1又は2に記載の整流装置用多孔板。
  4. 上流用多孔板および下流用多孔板を備えた整流装置であって、
    前記上流用多孔板は、所定厚のプレートと、該プレートを貫通して設けられ、各孔の直径が互いに等しい複数個の貫通円孔とを有し、前記上流用多孔板の貫通円孔が、隣接する相互の距離が前記プレートの中心では小さく前記プレートの周辺ほど大きくされ、
    前記下流用多孔板が、請求項1から3のいずれか1項に記載の整流装置用多孔板であることを特徴とする整流装置。
  5. 請求項4に記載の整流装置を備えると共に、前記下流用多孔板の下流に管内平均流速に基づいて流量計測を行う流量計を配置したことを特徴とする流量計測装置。
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