JP6349163B2 - オルガノポリシロキサンプレポリマー、オルガノポリシロキサンポリマーゲル、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、半導体封止構造 - Google Patents

オルガノポリシロキサンプレポリマー、オルガノポリシロキサンポリマーゲル、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、半導体封止構造 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサンプレポリマー、および、それを加熱固化することによって得られるオルガノポリシロキサンポリマーゲル、オルガノポリシロキサンプレポリマーを含有するSiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、および、オルガノポリシロキサンポリマーゲルによって封止された半導体封止構造に関する。
電気部品であるパワーモジュール(半導体)において、その構造が比較的大きくなった際には、素子を含む回路全体を非常に柔らかい樹脂にて封止するゲル封止構造が取られる。比較的小型であれば、エポキシ樹脂によるパッケージング、所謂ディスクリート構造が取られるが、名刺サイズを超える場合には安定した生産が困難と言われている。素子がSi(シリコン)である現在、ゲル封止にはシリコーン樹脂など汎用的な弾性材料が用いられている。しかし近年、SiCまたはGaNを用いた次世代のパワーモジュールの開発、実用化が加速し、ゲル封止の材料に求められる耐熱温度も非常に高くなってきている。
これまでは、上記の通りパワーモジュールのゲル封止の材料として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の汎用樹脂が用いられてきた。これら汎用樹脂は歴史も長く、生産性、加工性に優れ、安価で安定した供給が可能である。
しかし、上述の通り、素子として高温動作が有効であるSiCやGaNといった半導体が採択されるにあたり、200℃以上で連続使用が可能で絶縁性の高い新たな弾性体が要求されるようになってきた。SiCやGaNパワーモジュールでは、要求される耐熱維持温度が従来の180℃から200℃以上に上昇し、素子近傍では250℃以上の高温に耐えることが要求されている。そして、このような200℃前後の高温下ではエポキシ樹脂やシリコーン樹脂といった汎用樹脂は、熱劣化による亀裂や破壊、密着性不良による素子やパッケージからの剥離といった多くの問題が顕著に現れるようになってきた。
シリコーン樹脂は、一般に200℃以上の耐熱性を有すると云われている。しかし、配合される固化(硬化)触媒や添加剤による熱的反応や電気絶縁性低下、固化(硬化)を優先するための付加重合による熱的に弱いC−C結合の形成など、1,000時間以上の連続使用環境下での硬度上昇や材料破壊、パッケージとの密着性低下といった問題が顕著化している。特に多くのシリコーン樹脂の固化(硬化)原理である付加重合は、C−C結合の形成が避けられず、どうしても熱劣化や光劣化が発生してしまう。よって、市場ではこれら汎用樹脂に替わる封止材が求められていた。
上記のような昨今のSiCやGaNといった半導体パワーモジュール用封止材への用途に関し、近年は、比較的耐熱性の高いシロキサンポリマーに無機成分を組み込むことにより特性を向上させた有機−無機ハイブリッド組成物が開発されている。
有機−無機ハイブリッド組成物は、有機成分に相当するポリジメチルシロキサン(以下、「PDMS」と略す場合がある。)の骨格構造の柔軟性、撥水性、離型性等の特性と、無機成分の耐熱性、機械的構造の強さ等の特性を兼ね備えた材料であり、該有機−無機ハイブリッド組成物の固化体は、連続使用温度200℃以上の高い耐熱性と柔軟性、更に高い電気絶縁性や高周波での低誘電性等の優れた電気特性を有する材料である(特許文献1〜6)。
有機−無機ハイブリッド材料は、レーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、LEDプリントヘッド(LPH)、チャージカップルドデバイス(CCD)、インスレイテッドゲイトビポーラートランジスタ(IGBT)等に組み込まれている半導体素子や結線の封止材としての使用が検討されてきた。
特開平1−113429号公報 特開平2−182728号公報 特開平4−227731号公報 特開2009−292970号公報 再公表WO2010/090280号公報 再公表WO2012/023618号公報
ところが、ポリオルガノシロキサン系有機−無機ハイブリッド材料は、耐熱性は比較的高いものがあるが、原料のPDMSの分子量分布の幅が広く、合成された有機−無機ハイブリッド自体も幅広い分子量分布を有する。すなわち、得られたハイブリッドゾル中に、反応性の低い高分子成分や反応に寄与できない低分子成分が存在している。そのため、固化体(ゲル)を得るには活性の高い金属化合物触媒を用いて強制的に固化(ゲル化)させる必要がある。しかし、活性の強い金属化合物触媒は固化後も固化体内部に残存し、その後は熱的環境で固化体の結合破壊に寄与してしまう。よって、PtやSn、Biといった活性の高い固化触媒を使用する場合、200℃以上で使用される材料では残存させないことが望ましい。
このような問題を避けるため、原料として用いるPDMSは分子量分布が狭いことが求められる。分子量分布が狭いPDMSを作製する手法には、リビング重合法がある。この手法では、分子量分布の比較的狭いPDMSを作製することが可能である。
また、分子量分布の狭いPDMSを使用しても、200℃〜250℃、あるいはそれ以上の高温環境下にて連続的に使用可能な封止材を得るには、さらに耐熱維持性やパワーモジュールに用いられる各種材料との接着性を改善する必要がある。
そこで、本発明の目的は、耐熱性および柔軟性に優れ、200℃〜250℃、あるいはそれ以上の高温環境下において長時間連続的に使用しても特性変化が少なく、熱ストレスによるクラックが発生しにくいゲルとなるオルガノポリシロキサンプレポリマーとそれを加熱固化することによって得られるオルガノポリシロキサンポリマーゲル、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、および、半導体封止構造を提供することである。
本発明は、従来の問題点を解決し、SiCやGaN半導体素子を使用する次世代パワーモジュールの封止材として有用な、高温環境下で連続使用可能であり、かつ、電気絶縁特性に優れたオルガノポリシロキサンプレポリマー、および、それを加熱固化することによって得られるオルガノポリシロキサンポリマーゲル、オルガノポリシロキサンプレポリマーを含有するSiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、および、オルガノポリシロキサンポリマーゲルによって封止された半導体封止構造を提供することを目的とする。なお、本明細書では、SiCまたはGaNパワーモジュールを半導体パワーモジュール、または、単にパワーモジュールと表記することがある。
本発明者らの検討の結果、200℃以上の高温環境下で連続使用可能で、かつ電気絶縁特性に優れた材料を作製するには、主原料である両末端シラノール基ポリジメチルシロキサンの分子量分布が重要であることが見出された。分子量分布の評価には、分子量分布指数として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が用いられるが、この数値が1.4を超えると固化体を得る際に活性の高い固化触媒を必要とし、その結果耐熱維持性が著しく低下するおそれがある。1.4以下であれば、比較的熱的に安定した特性を示すが、1.2以下であれば固化の際の条件を更に緩和すること、すなわち低温、短時間での固化が可能となりさらに好ましく、200℃以上における高温下での耐熱維持特性を鑑みると、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.1以下であることが一層好ましい。
なお、本明細書中において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC法)により測定した分子量を示す。
本発明に従ったオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)は、下記(A−1)と、下記(B−1)、(B−2)及び(B−3)からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)とが縮合反応することによって生成される。
(A−1):両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンであって、数平均分子量(Mn)が概ね18,000〜60,000あり、かつ分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.4以下であるもの。
(B−1):アリール基を含有するアルコキシシランモノマー。
(B−2):(B−1)が有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物。
(B−3):(B−2)同士による、又は(B−2)と(B−1)による縮合反応生成物。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)においては、(A−1)と(B−1)の配合比(A−1)/(B−1)が0.15〜2(モル比)であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)においては、(A−1)と(B−1)の合計量に対するSn系化合物の添加量が50ppm以下であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)は、上述のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)に、下記(A−2)をさらに縮合反応させることによって生成されることが好ましい。
(A−2):両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサンであって、数平均分子量(Mn)が概ね15,000〜60,000であり、かつ分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.3以下であるもの。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)においては、(A−1)と(A−2)の配合比(A−1)/(A−2)が2〜20(モル比)であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)においては、(A−1)、(A−2)及び(B−1)の合計量に対するSn系化合物の添加量が50ppm以下であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)においては、(B−1)のアリール基が、フェニル基、トリル基、ナフチル基、スチリル基及びビフェニル基からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)は、チタンのアルコキシド類を触媒として縮合されたものであることが好ましい。
本発明に従ったオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、上述のいずれかのオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含むゾルを加熱固化させることによって得られる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、厚さ10mmの板状体に成形した場合に、250℃の環境下で1,000時間経過後における重量減少率が10%以下であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、厚さ10mmの板状体に成形した場合に、250℃の環境下で1,000時間経過後における、1/4円すいを用いて測定し標準円すいを用いたちょう度に換算したちょう度(JIS K 2220)が30以上であることが好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、250℃の環境下で500時間経過後における体積抵抗率(JIS K 6249)が1014Ω・cm以上であることが好ましい。
本発明に従ったSiCまたはGaNパワーモジュール用封止材は、上記のいずれかのオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含有する。
本発明に従った半導体封止構造は、上記のいずれかのオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)によってSiCまたはGaNパワーモジュールを封止したものである。
以上のように、本発明によれば、耐熱性および柔軟性に優れ、200℃〜250℃、あるいはそれ以上の高温環境下において長時間連続的に使用しても特性変化が少なく、熱ストレスによるクラックが発生しにくいゲルとなるオルガノポリシロキサンプレポリマーとそれを加熱固化することによって得られるオルガノポリシロキサンポリマーゲル、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、および、半導体封止構造を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
<両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)>
本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の合成に使用するポリジメチルシロキサン(PDMS)(A−1)は、その両末端に後述の化合物(B)と反応可能なシラノール基を有するものであり、一般式(1)で表される。
Figure 0006349163
ここにmは240〜810の整数である。
PDMS(A−1)には、数平均分子量(Mn)が概ね18,000〜60,000の範囲にあるものを使用する。数平均分子量(Mn)を概ね18,000以上にすることで、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含むゾルを比較的短時間で加熱固化(ゲル化)することができる。また得られたゲルの機械的特性(柔軟性)を向上させることが可能で、高温から低温まで温度変化の熱衝撃緩和を可能とした熱維持性を確保することができ、封止体として用いる固化体のクラック発生が低減される。また数平均分子量(Mn)を概ね60,000以下にすることで、高粘度のPDMSを所定の溶媒で希釈する必要がなくなり、該溶媒の揮発による収縮を無くすことができる。耐熱維持特性及び粘度等を考慮すると、より好ましい数平均分子量は、概ね20,000〜40,000である。
PDMS(A−1)には、分子量分布指数(Mw/Mn)が1.4以下であるものが使用される。なお、PDMS(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以下であり、さらに好ましくは1.1以下である。PDMS(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn)が1.4以下であれば、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゲル体、すなわち、オルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が長期にわたって耐熱性を維持することが可能となる。さらに、PDMS(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn)が1.2以下、さらには1.1以下であると、200℃以上の高温下における耐熱維持特性に特に優れたオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が得られる。
PDMS(A−1)の製法は、特に限定されないが、アルキルリチウムを開始剤として使用し、リビングアニオン重合法によって合成することにより、分子量分布指数(Mw/Mn)が1.4以下、さらには1.2以下、1.1以下といった狭い分子量分布を有するものが作製可能となる。
<両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(A−2)>
本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の合成に(A−1)と併用することができる両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)(A−2)は、その両末端に後述の化合物(B)と反応可能なアルコキシシリル基を有するものであり、一般式(2)で表される。このPDMS(A−2)を併用することにより、両末端の加水分解性基の作用により、固化速度を速めたり、パワーモジュールに用いられる各種材料との接着性を改善することができる。
Figure 0006349163
ここにnは195〜805の整数である。Rは炭素数が1〜3のアルキル基であって、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基から選択されるが、全て同一のものでも、部分的にあるいは全て異なっていてもよい。Rは、反応性、安全面および反応制御の観点から、エチル基であることが最も好ましい。Xは酸素または炭素数2以下のアルキレン基であって、同一のものでも、異なっていてもよい。
PDMS(A−2)には、数平均分子量(Mn)が概ね15,000〜60,000の範囲にあるものを使用することが好ましい。数平均分子量(Mn)を概ね15,000以上にすることで、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含むゾルを加熱固化して得られるゲルの機械的特性(柔軟性)を向上させることが可能で、高温から低温まで温度変化の熱衝撃緩和を可能とした熱維持性を確保することができ、封止体として用いられるゲルのクラック発生が低減される。また数平均分子量(Mn)を概ね60,000以下にすることで、高粘度のPDMSを所定の溶媒で希釈する必要がなくなり、希釈に用いた溶媒の揮発による収縮を無くすことができる。耐熱維持特性と粘度等を考慮すると、より好ましい数平均分子量は、概ね18,000〜40,000である。
PDMS(A−2)には、分子量分布指数(Mw/Mn)が1.3以下であるものを使用することが好ましい。なお、PDMS(A−2)の分子量分布指数(Mw/Mn)は、より好ましくは1.1以下である。PDMS(A−2)の分子量分布指数(Mw/Mn)が1.3以下であれば、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の固化体であるオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が長期にわたって耐熱性を維持することが可能となる。さらに、PDMS(A−2)の分子量分布指数(Mw/Mn)が1.1以下であると、200℃以上の高温下における耐熱維持特性に特に優れたオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が得られる。
式(2)中のXは、酸素または炭素数2以下のアルキレン基から選ばれる。耐熱性を考慮すると酸素であることが好ましいが、(A−2)としての純度、分子量分布の狭さ等を考慮すると、炭素数2以下のアルキレン基、特にエチレン基であることが好ましい。また、式(2)中のRは、炭素数が1〜3のアルキル基から選択される。安定性、反応性を考慮すると、Rはエチル基であることが最も好ましい。
<平均分子量の測定>
PDMS(A−1)およびPDMS(A−2)の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC法)により測定し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比を分子量分布指数とした。標準試料としてポリスチレンを用い、ポリスチレン換算分子量を測定した。
なおGPC法によるポリスチレン換算分子量測定は、以下の測定条件で行うものとする。
a)測定機器:SIC Autosampler Model 09
Sugai U−620 COLUMN HEATER
Uniflows UF−3005S2B2
b)検出器 :MILLIPORE Waters 410
Differential Refractometer
c)カラム :Shodex KF806M×2本
d)オーブン温度:40℃
e)溶離液 :テトラヒドロフラン(THF) 1.0mL/min
f)標準試料:ポリスチレン
g)注入量 :100μL
h)濃度 :0.020g/10mL
i)試料調製:2,6−ジ−tert−ブチル−p−フェノール(BHT)が0.2重量%添加されたTHFを溶媒として、室温で攪拌して溶解させた。
j)補正 :検量線測定時と試料測定時とのBHTのピークのずれを補正して、分子量計算を行った。
<化合物(B)>
本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の合成には、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)と、さらに目的によって併用することができる両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(A−2)と円滑に反応することができるアリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)が使用される。(B−1)は一般式(3)で表される。
Figure 0006349163
ここにArはアリール基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。
式(3)中のアリール基は、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、スチリル基、ナフチル基等から選択されることが好ましい。熱的安定性、反応性を考慮すると、Arはフェニル基、トリル基であることが好ましく、フェニル基であることが最も好ましい。また、Rは炭素数1〜3のアルキル基であって、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基から選択されるが、全て同一のものでも、部分的にあるいは全て異なっていてもよい。Rは、反応性、安全面および反応制御の観点から、エチル基であることが最も好ましい。なお、排気設備など合成環境が充実し、作製されたゾルのゲル化(固化)においてもメタノールの発生を問題としないのであれば、反応性の早いメトキシ基を使用することも望ましい。
PDMS(A−1)および必要に応じてPDMS(A−2)との縮合反応に際して、アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)は、アルコキシ基が完全に又は部分的に加水分解されることで、完全又は部分加水分解物(B−2)となり得る。さらに、アルコキシ基の完全又は部分加水分解物(B−2)同士による、又はアリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)とアルコキシ基の完全又は部分加水分解物(B−2)とによる、縮合反応生成物(B−3)が存在し得る。これらを考慮し、本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の合成において、化合物(B)としては、(B−1)、(B−2)及び(B−3)からなる群から選ばれた少なくとも1種が反応に供される。
本発明においては、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を合成するとき、アリール基、好ましくはフェニル基がPDMS(A−1)およびPDMS(A−2)(以下、これらを合わせて「PDMS(A)」という。)のメチル基を置換して存在するのではなく、(B−1)構造中に存在していることが重要である。一般的にフェニル基を含有する化合物、特に、ケイ素系化合物は耐熱性に優れているが、本発明では(B―1)自身の耐熱性のみではなく、主骨格であるPDMS(C中のA由来部分)の熱劣化を抑制し耐熱性を向上させる効果がある。しかしこの効果は、フェニル基等がPDMS(A)の主骨格にある場合には固化後の硬度上昇に繋がり、弾性体としての特性が著しく阻害されてしまう。そのため、化合物(B−1)にアリール基を持たせ主骨格であるPDMS(A)と反応させる。
<オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)>
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾルの製造〕
本発明においては前記したように、PDMS(A:A−1、A−2)と、アリール基を含有するアルコキシシランモノマーに基づく(B−1)、(B−2)及び(B−3)からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)と、を縮合反応させることによって、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)が生成される。
縮合反応には、通常Pt、Bi、Sn系の触媒が用いられることが一般的である。しかしこれら金属化合物触媒は合成後も残存し、固化後の耐熱環境で熱劣化の触媒効果を発現する。しかしながら、両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(A−2)を併用する場合は、加熱固化時にはSn系化合物の固化触媒としての効果が著しい。よって、Sn系化合物触媒は必要最小限の量であることが求められ、(A−1)、(A−2)及び(B−1)の合計量に対し、Sn系化合物の添加量は合計で50ppm以下であることが好ましい。また、(A−2)を併用しない場合でも、(A−1)と(B−1)の合計量に対し、Sn系化合物の添加量は合計で50ppm以下であることが好ましい。
このような理由から、本発明では、Ti、Zr等のアルコキシド類を縮合触媒として使用することが好ましい。特にTi系のアルコキシド類を用いた場合には、合成後に上述のような熱劣化を加速させるような触媒効果を発現しない。Ti系縮合触媒の例としては、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンニウムジ−2−エチルへキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)等が挙げられる。その中でも特に発色の少ないテトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等の使用が好ましい。
チタンアルコキシド類は、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)1モルに対し、0.08〜0.2モル量を用いることが好ましい。0.08モル未満では、固化しなくなるおそれがあり、0.2モルを超えても効果は変わらない。チタンアルコキシド類の添加量は、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)1モルに対し、0.09〜0.15モルであることがより好ましい。
縮合反応を行う際には、アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)の安定的な加水分解を行うために、反応に使用する容器内に不活性ガスを充満した雰囲気下で加熱することによって、加水分解および縮合反応を行うことが望ましい。不活性ガスとしては、窒素ガスや希ガス類である第18族元素(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等)が挙げられる。また、これらガスを複合して用いてもよい。加水分解の方法としては、反応系に適量な水分を滴下あるいは噴霧するか、水蒸気を導入するなど種々の手法を用いることができる。
オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)は、不活性ガス雰囲気下で、アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)と、PDMS(A:A−1、A−2)とを含有する混合物を縮合触媒存在下で縮合反応させることにより得られる。
縮合反応に際しては、PDMS(A)と化合物(B)とを均一かつ効率良く反応させるため、PDMS(A)と化合物(B)との混合物に各種有機溶剤を添加することができる。相溶性及び加熱固化する際の揮発性を考慮すると、添加する有機溶剤は、tert−ブチルアルコール、ヘプタン、トルエン、キシレン等が好ましい。
上記したように、制御された加水分解を受けた化合物(B)は、アリール基を含有するアルコキシシランモノマーが有するアルコキシ基の一部が−OH基になっていると考えられ、不活性ガスの存在下にて加熱することによって、PDMS(A−1)の両末端に存在するシラノール基やPDMS(A−2)の両末端に存在するアルコキシ基(または加水分解されて生成したシラノール基)と脱水または脱アルコールを伴う縮合反応を起こす。
アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)に基づく化合物(B)は、過剰の水分が存在すると、該アルコキシシランモノマーが有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物(B−2)同士の縮合、又は(B−2)と(B−1)との縮合を加速してしまい、クラスターを形成しやすくなる。よってPDMS(A)とアリール基を含有するアルコキシシランモノマーに基づく化合物(B)とを均一に反応させてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を安定的に合成するには、水分量を厳密に管理した不活性ガス雰囲気下とすることが極めて重要となる。
〔配合比〕
両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)と、アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)との配合比((A−1)/(B−1))は、モル比で0.15〜2の範囲(PDMS(A−1)が1molに対して、化合物(B−1)を0.5〜6.7mol添加)に設定されることが好ましい。(A−1)/(B−1)のモル比が上記の範囲であれば、縮合反応が円滑に行われ、(B−1)が多い場合、柔軟性が損なわれるおそれがある。B−1が少ない場合は、耐熱維持性が悪くなり固化しにくくなる。配合比((A−1)/(B−1))は、モル比で0.25〜1.5の範囲であることがより好ましい。
両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)と併用して、両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(A−2)を用いる場合には、配合比((A−1)/(A−2))は、モル比で2〜20の範囲(PDMS(A−1)が1molに対して、PDMS(A−2)を0.05〜0.5mol添加)に設定されることが好ましい。上記範囲よりも(A−2)の添加量が少ないと、固化速度を遅延させ、また、パワーモジュールに用いられる各種材料との接着性を改善する効果が小さくなるおそれがある。逆に、上記範囲よりも(A−2)の添加量が多い場合は、耐熱維持特性が低下するおそれがある。配合比((A−1)/(A−2))は、モル比で4〜10の範囲であることがより好ましい。
なお、ここで言うモル比とは、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC法)により測定したPDMS(A−1及びA−2)の数平均分子量(Mn)と、アリール基を含有するアルコキシシランモノマー(B−1)の平均分子量に基づいて計算したモル比である。
<オルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)>
本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾルのみを加熱固化させる、又は場合によってはオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾルを、制限された量の固化触媒の存在下にて加熱固化することによって得られた固化体である。オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)に使用されたPDMS(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn)を1.4以下、好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下としたことにより、化合物(B)との縮合反応を円滑に完了することができるため、加熱固化を従来よりも効率よく進行させることが可能である。その結果、耐熱維持特性に優れたオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が得られる。
また、PDMS(A−2)を併用する場合、その分子量分布指数(Mw/Mn)を1.3以下、好ましくは1.1以下としたことにより、PDMS(A−1)と同様耐熱維持特性に優れたオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)が得られる。
さらにオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾルを固化触媒(金属化合物触媒)存在下で固化(加熱固化)することができ、低温、短時間での処理が可能となる。金属化合物触媒としては、ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート等が挙げられるが、ジブチル錫ジラウレートが、特にPDMS(A−2)添加時のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の固化時に効果が大きい。
<パワーモジュール構造>
本発明に係るオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)およびオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)の主な用途としては、封止材の材料が挙げられる。封止材の具体例として、例えば半導体素子を保護するために封止材で被覆するゲル封止型パワーモジュール等が挙げられる。また基板上面に実装された素子にあっては、基板表面に設けられた端子と素子に設けられた端子とを結線(ワイヤーボンディング)により電気的に接続するが、素子とともに結線も封止材によって被覆される。
本発明のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を主成分とする封止材料を使用する場合、少なくともパワーモジュールパッケージに封止材を注入することで、半導体素子及びボンディングワイヤーを封止する。このとき、封止材中に気泡が入らないように注意が必要であり、封入後には素早く真空脱泡処理をすることが望ましい。またパッケージの構造にもよるが、一気に100℃前後の高温炉に入れることで、気泡を抜く方法もある。その後、封止材を注入した素子を高温炉(「オーブン」とも呼ぶ。)に入れて加熱し、封止材をゲル化することにより、所望の形状の封止構造とする。
本発明に係るオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)およびオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)からなる封止材は、180℃〜250℃の高温下の環境においても、半導体素子やワイヤーボンディングから発する熱による割れ(クラック)や剥離という破壊現象が発生せず、素子の破壊や、ワイヤーボンディングの断線、絶縁性が劣化するという問題が発生しないので、高品質な半導体素子を提供することができる。
本発明によるオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)およびオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、耐熱性の要求されるパワーモジュールの封止材料として有用である。また本発明によるオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)およびオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、シリコーン系材料に比べて耐熱性が高く、PDMS(A)の分子量分布幅を狭くすることで熱的に安定かつ固化しやすい封止材を提供でき、SiC、GaNといった高い耐熱性を必要とする次世代パワーモジュールの封止材として有用である。
本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)のちょう度(JIS K 2220)は、初期値80〜100であるが、250℃で1,000時間経過後も硬化し難い。ゲル封止のパワーモジュールは、電極端子と半導体素子の電気的接続用ボンディングワイヤに対する温度衝撃等に起因する機械的ストレスを抑制するため、ケース内を弾性率の低いゲルで封止する。封止材の柔らかさの指標としてちょう度が用いられる。ちょう度はJIS K 2220で規定されており、今回は1/4円すいで測定を行った。応力緩和のためにはちょう度30以上が好ましいとされている。
ゲル封止に限らず、封止材には絶縁性が必要となる。絶縁性を担保するために必要な項目として、体積抵抗率と誘電率がある。従来のシリコーンは体積抵抗率が初期は1015Ω・cmであるが、250℃の環境下で500時間経過すると、1010〜1011Ω・cmまで劣化する。本発明のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)は、誘電率はシリコーンとほぼ同等であるが、体積抵抗率が1017Ω・cmオーダーの高い絶縁性を示し、250℃の環境下で500時間経過しても変化は小さく、1014〜1017Ω・cmオーダーを維持することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例における「部」、「%」は特記のない限りいずれも質量基準(質量部、質量%)である。
[実施例1〜2]
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾル液の調製〕
攪拌装置、温度計、滴下ラインを取り付けた反応容器に、窒素ガスを十分に充満させた。このとき、窒素ガスとして、窒素ガス製造装置(ジャパンユニックス社製UNX−200)によって製造したものを用いた。
窒素ガスを十分に充満させた反応容器内に、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS−1)(A−1)とフェニルトリエトキシシラン(B−1)を投入し、攪拌しながら60℃まで昇温し、プレポリマー混合液1を作製した。
別途、窒素ガスを十分に充満させた容器に、縮合触媒であるテトラ(2−エチルヘキシル)チタネートと脱水エタノールを混合して、縮合触媒液2を作製しておく。
プレポリマー混合液1が60℃であることを確かめ、縮合触媒液2を添加して充分に混合し、18時間かけてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C’)を合成した。
このオルガノポリシロキサンプレポリマー(C’)を含むゾルに両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS−2)(A−2)と金属化合物触媒であるジブチル錫ジラウレートを加え、オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を得た。
なお、各実施例で使用したPDMS−1(A−1)、PDMS−2(A−2)及びフェニルトリエトキシシラン(B−1)の種類、質量と、それぞれのモル比、縮合触媒量、縮合触媒のA−1に対するモル比、金属化合物触媒量、脱水エタノール量は、下記の通りである。なお、上記反応においては、攪拌が充分行われる条件を見出す必要がある。攪拌の際に、反応液が外気に触れすぎると、反応が促進され白化物が生じる可能性もあり注意が必要である。
(実施例1)
PDMS−1(A−1);JNC社製、FM9927(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.09
フェニルトリエトキシシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
PDMS−2(A−2);JNC社製、FM8826、数平均分子量(Mn)=20,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.06
モル比;PDMS−1(A−1)が445g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が6.5gで、PDMS−1(A−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:1.94。
モル比;PDMS−1(A−1)が445g、PDMS−2(A−2)が50gで、PDMS−1(A−1)PDMS−2(A−2)のモル比が1:0.18
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)1g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬20g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.13
金属化合物触媒;ジブチル錫ジラウレート(共同薬品社製)0.02g。(A−1)、(A−2)及び(B−1)の合計量501.5gに対して、39.9ppm
(実施例2)
PDMS−1(A−1);JNC社製、FM9926(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=23,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.10
フェニルトリエトキシシランシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
PDMS−2(A−2);JNC社製、FM8826、数平均分子量(Mn)=20,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.06
モル比;PDMS−1(A−1)が252g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が6gで、PDMS−1フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:2.28。
モル比;PDMS−1(A−1)が252g、PDMS−2(A−2)が44.7gで、PDMS−1(A−1)PDMS−2(A−2)のモル比が1:0.20
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)0.6g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬12g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.097
金属化合物触媒;ジブチル錫ジラウレート(共同薬品社製)0.015g。A−1)、(A−2)及び(B−1)の合計量302.7gに対して、49.6ppm
[実施例3〜6]
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾル液の調製〕
攪拌装置、温度計、滴下ラインを取り付けた反応容器に、窒素ガスを十分に充満させた。このとき、窒素ガスとして、窒素ガス製造装置(ジャパンユニックス社製UNX−200)によって製造したものを用いた。
窒素ガスを十分に充満させた反応容器内に、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)(A−1)とフェニルトリエトキシシランシラン(B−1)を投入し、攪拌しながら60℃まで昇温し、プレポリマー混合液1を作製した。
別途、窒素ガスを十分に充満させた容器に、金属化合物触媒であるテトラ(2−エチルヘキシル)チタネートと脱水エタノールを混合して、縮合触媒液2を作製しておく。
プレポリマー混合液1が60℃であることを確かめ、縮合触媒液2を添加して充分に混合し、18時間かけてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を合成した。
なお、各実施例で使用したPDMS(A−1)及びフェニルトリエトキシシラン(B−1)の種類、質量と、それぞれのモル比、縮合触媒量、A−1に対する縮合触媒のモル比、脱水エタノール量は、下記の通りである。なお、上記反応においては、攪拌が充分行われる条件を見出す必要がある。攪拌の際に、反応液が外気に触れすぎると、反応が促進され白化物が生じる可能性もあり注意が必要である。
(実施例3)
PDMS(A−1);JNC社製、FM9927(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.09
フェニルトリエトキシシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
モル比;PDMS(A−1)が492g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が7.5gで、PDMS(A−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:2.03。
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)1g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬20g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.12
(実施例4)
PDMS(A−1);JNC社製、FM9926(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=23,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.10
フェニルトリエトキシシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
モル比;PDMS(A−1)が292.2g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が6.9gで、PDMS(A−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:2.26。
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)0.9g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬18g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.13
(実施例5)
PDMS(A−1);JNC社製、FM9927(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.09
フェニルトリエトキシシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
モル比;PDMS(A−1)が495.5g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が3.5gで、PDMS(A−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:0.94。
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)0.85g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬10g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.097
(実施例6)
PDMS(A−1);JNC社製、FM9927(分子蒸留装置による溶媒除去処理品)、数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.09
フェニルトリエトキシシラン(B−1);東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37
モル比;PDMS(A−1)が484.5g、フェニルトリエトキシシラン(B−1)が14.5gで、PDMS(A−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比が1:3.98。
縮合触媒;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)1g、脱水エタノール;和光純薬工業社製・特級試薬10g
モル比;PDMS−1(A−1)縮合触媒のモル比が1:0.12
[比較例1]
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾル液の調製〕
攪拌装置、温度計、滴下ラインを取り付けた反応容器に、窒素ガスを十分に充満させた。このとき、窒素ガスとして、窒素ガス製造装置(ジャパンユニックス社製UNX−200)によって製造したものを用いた。
窒素ガスを十分に充満させた反応容器内に、両末端にシラノール基を有するモメンティブ社製ポリジメチルシロキサン(PDMS)YF3057(数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.59)(A’−1)492gとフェニルトリエトキシシラン(東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37)(B−1)7.5gを投入し、攪拌しながら60℃まで昇温し、プレポリマー混合液1を作製した。PDMS(A’−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比は1:2.03である。
別途、窒素ガスを十分に充満させた容器に、縮合触媒であるテトラ(2−エチルヘキシル)チタネート(マツモトファインケミカル社製TA−30、分子量=564.75)1gと脱水エタノール(和光純薬工業社製・特級試薬)10gを混ぜて、縮合触媒液2を作製しておく。PDMS−1(A’−1)縮合触媒のモル比は1:0.12である。
オルガノポリシロキサンプレポリマー混合液1が60℃であることを確かめ、縮合触媒液2を添加して充分に混合し、18時間かけてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を合成した。
[比較例2]
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾル液の調製〕
攪拌装置、温度計、滴下ラインを取り付けた反応容器に、窒素ガスを十分に充満させた。このとき、窒素ガスとして、窒素ガス製造装置(ジャパンユニックス社製UNX−200)によって製造したものを用いた。
窒素ガスを十分に充満させた反応容器内に、両末端にシラノール基を有するモメンティブ社製ポリジメチルシロキサン(PDMS)YF3057(数平均分子量(Mn)=32,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.59)(A’−1)295.5gとフェニルトリエトキシシラン(東京化成工業社製・特級試薬、分子量=240.37)(B−1)4.5gを投入し、攪拌しながら140℃まで昇温し、金属化合物触媒であるジブチル錫ジラウレート(共同薬品社製)0.036gを添加し8時間かけてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を合成した。PDMS(A’−1)フェニルトリエトキシシラン(B−1)のモル比は1:2.03である。ジブチル錫ジラウレートの添加量は、(A’−1)、(B−1)の合計量300gに対して、120ppmである。
[比較例3]
〔オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)のゾル液の調製〕
攪拌装置、温度計、滴下ラインを取り付けた反応容器に、窒素ガスを十分に充満させた。このとき、窒素ガスとして、窒素ガス製造装置(ジャパンユニックス社製UNX−200)によって製造したものを用いた。
窒素ガスを十分に充満させた反応容器内に、両末端にシラノール基を有し分子骨格内にフェニル基を有するモメンティブ社製ポリジメチルシロキサン(PDMS)YF3804(数平均分子量(Mn)=6,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=2.05)(A’−3)240.3gとエチルシリケート(多摩化学工業株式会社製、シリケート40の精製品:テトラエトキシシランの直鎖状4〜6量体であるオリゴマー、平均分子量=745)(B’−1)59.7gを投入し、攪拌しながら140℃まで昇温し、金属化合物触媒であるジブチル錫ジラウレート(共同薬品社製)0.3gを添加し、8時間かけてオルガノポリシロキサンプレポリマー(C’)を合成した。PDMS(A’−3)エチルシリケート:シリケート40(B’−1)のモル比は1:2.00である。
固化剤として、大気中でJNC社製PDMS、FM9925(分子蒸留装置による溶媒除去処理品、数平均分子量(Mn)=10,000、分子量分布指数(Mw/Mn)=1.12)24.9g、オクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチックス亜鉛 Zn:18%)2.26g、および2−エチルヘキサン酸ジルコニル(日本化学産業製 ニッカオクチックスジルコニウム Zr:12%)2.84gとtert−ブチルアルコール3.0gを混合し、計33gの液を調製した。これを合成したオルガノポリシロキサンプレポリマー(C’)に加え、均一に混合しオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を得た。ジブチル錫ジラウレートの添加量は、(A’−3)、(B’−1)、固化剤の不揮発成分の合計量330gに対して、909ppmである。
[ちょう度評価の試験方法]
JIS K 2220に準じ、ちょう度計を用いて測定を行った。ちょう度計に取り付けた円すいを、実施例及び比較例にて作製された厚さ10mmのオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)の固化体試料(オルガノポリシロキサンポリマーゲル(D))に落下させ、5秒間に進入した深さ(ちょう度)を読み取り、次式に基づいて計算し数値化した。用いる円すい(コーン)は、1/4円すいである。1/4円すいを用いたちょう度の換算式を以下に示す。
P=3.75p+24
ここで、Pは求めるちょう度、pは1/4円すいを用いて得られたちょう度(5秒間に進入した深さ)である。
<耐熱性の評価1:重量減少率>
〔評価用試料の作製〕
直径100mm、深さ20mmのアルミカップ内に固化後の厚みが10mmになるように実施例1〜6、比較例1〜3で合成したオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を充填し、表1の条件で焼成固化した。アルミカップから得られたゲルを取り出し、重量減少率評価用試料とした。
Figure 0006349163
〔評価方法〕
(質量測定評価)
質量測定評価は、各実施例、各比較例の試料を、それぞれ対流式の乾燥炉にて大気中で200℃及び250℃の環境下にて1,000時間保管し、電子天秤〔メトラー・トレド社製 NewClassicMF(Model:ML204)〕にて質量(重量)を測定し、元の質量(重量)に対して減少した質量(重量)の変化率(質量(重量)減少率)[〔質量(重量)変化率(%)=(初期の質量(重量)−所定時間経過後の質量(重量))/初期の質量(重量)〕×100]を測定した。その結果を表2に示す。
<耐熱性の評価2:硬度変化>
実施例1〜5及び比較例1〜4で合成したオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を直径20mmのガラスシャーレに固化後の厚みが10mmになるように充填し、表1に記載する焼成プロファイルにて焼成した。作製した試料を200℃及び250℃で1,000時間保管し、JIS K 2220で規定される測定方法に準じ、1/4円すいでちょう度測定を行った。ちょう度計は、ELEX SCIENTIFIC CO.,LTD製 EX−210ED DEGITAL PENTROMETERを使用した。測定結果を表2に示す。
<電気絶縁性の評価>
50mm角、厚さ0.8mmのアルミ板の中央部に、40mm角で厚み100〜200μmの膜を製膜し、250℃で500時間保管し、JIS K 6249記載の手法に準じ、500Vを1分間印加し、その時の抵抗値を測定した。使用した測定器は、HIOKI製ディジタル超絶縁/微小電流計 DSM−8104とHIOKI製平板試料用電極 SME−8311である。測定結果を表2に示す。
Figure 0006349163
〔評価結果〕
実施例1〜6の試料においては、250℃の雰囲気で1,000時間保管した後も重量減少率は10%以下であり、体積抵抗率は1015Ω・cm以上であった。また、両末端にトリエトキシシリル基を有するポリジメチルシロキサンを添加した実施例1及び2は、200℃、250℃保管において、ちょう度、重量減少ともにほとんど差がなく、体積抵抗も実施例3〜6に比べ2桁高い結果となった。
一方、比較例1の試料は、分子量分布指数(Mw/Mn)が1.59と大きく、重量減少率大であり、柔軟性が不足しており、体積抵抗率も低い値であった。
また、比較例2の試料は、Sn系触媒を用いているが、280℃までの熱処理では硬化しなかった。
また、比較例3の試料は、フェニル基がPDMS分子骨格中存在するため、柔軟性が不足していることが分かる。
〔まとめ〕
以上の結果から、分子量分布を1.4以下にし、分子量を18,000以上にすることで、200℃以上での重量減少及びクラック等の発生もなく、硬度上昇も抑えられることがわかる。
実施例1と実施例2より、末端にトリエトキシシリル基を有するPDMSを添加することにより、固化温度・時間が抑えられ、末端にトリエトキシシリル基を有するPDMSの効果が確認できた。250℃で500時間の保管後の体積抵抗率が他の実施例より2桁高いことから、架橋点が多くなることによる絶縁性の向上が得られたと考えられる。
以上のように、本発明によれば、耐熱性および柔軟性に優れ、200℃〜250℃、あるいはそれ以上の高温環境下において長時間連続的に使用しても特性変化が少なく、熱ストレスによるクラックが発生しにくいゲルとなるオルガノポリシロキサンプレポリマーとそれを加熱固化することによって得られるオルガノポリシロキサンポリマーゲル、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材、および、半導体封止構造を提供することができる。
本発明において用いられる両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)(A−1)は、分子量分布指数(Mw/Mn)が1.4以下の狭い分子量分布を有していることが必要である。
PDMS(A−1)の製法に制約はないが、分子量分布を狭く作製する手法としてはリビング重合法が望ましい。リビング重合法を用いたPDMSは、分子量分布指数を1.4以下、さらに1.2以下、さらには1.1以下にすることが可能である。
PDMS(A−1)は、数平均分子量(Mn)が概ね18,000〜60,000とされる。数平均分子量(Mn)を概ね18,000〜60,000とすることで、最終的な加熱固化体の硬度を低下させ、柔軟性を付与することが可能となり、引張試験による切断時伸び150%以上の特性を有することが可能となる。このような機械的特性の加熱固化体は熱ストレスの緩和能力を発揮し、長期にわたって耐熱性を維持することができる。なお、より高い耐熱維持特性及び粘度等の観点から、数平均分子量は概ね20,000〜40,000であることがさらに好ましい。また、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.4以下であることが求められ、1.2以下、さらには1.1以下であることが好ましい。
本発明においては、PDMS(A−1)と縮合反応させる成分として、(B−1)アリール基を含有するアルコキシシランモノマー、(B−2)アリール基を含有するアルコキシシランモノマーが有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物、(B−3)アリール基を有するアルコキシシランモノマー有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物同士による縮合反応生成物、又はアリール基を含有するアルコキシシランモノマーが有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物とアリール基を含有するアルコキシシランモノマーによる縮合反応生成物、の(B−1)、(B−2)及び(B−3)からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)が反応に供される。PDMS(A−1)の分子量分布が狭いことに加えて、PDMS(A−1)とアリール基を含有するアルコキシシラン(B−1)またはそれに基づく(B)とを縮合反応させて生成したオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)は、固化反応の均質化、固化時間の短縮が可能で、耐熱性、柔軟性及び絶縁性を併せ持つ弾性体(ゲル)を得ることができる。
オルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を固化(ゲル化)させる際は、特に固化を促進させる目的で金属化合物触媒を用いる必要はなく、60〜100℃にて予備乾燥した後、150〜200℃にて固化させることが可能である。もちろん、必要に応じて各種の金属化合物触媒を用いて固化させてもよい。
また、本発明においては、ポリジメチルシロキサンとして、両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(A−1)の他に、両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサン(A−2)を用いることも可能である。(A−1)同様加熱固化体の柔軟性、耐熱維持特性の観点から、数平均分子量(Mn)が概ね15,000〜60,000であり、かつ分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.3以下であるものが好ましく用いられる。
[変更例]
本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。また上記実施例においては、これに限定されるものではなく、異なった種類・特性の有機金属化合物を使用してもよい。
本発明のオルガノポリシロキサンポリマーは、耐熱性(柔軟性)、耐熱維持特性に優れた固化物(封止体)を与えるものであり、特にSiC、GaN半導体パワーモジュールやその他の発熱性素子部材用の封止材、または接着剤として有用である事から、産業上の利用可能性がある。

Claims (17)

  1. 下記(A−1)と、下記(B−1)、(B−2)及び(B−3)からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(B)とが縮合反応することによって生成されることを特徴とするオルガノポリシロキサンプレポリマー。
    (A−1):リビングアニオン重合法によって合成された両末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンであって、数平均分子量(Mn)が18,000〜60,000であり、かつ分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.4以下であるもの。
    (B−1):アリール基を含有するアルコキシシランモノマー。
    (B−2):(B−1)が有するアルコキシ基の完全又は部分加水分解物。
    (B−3):(B−2)同士による、又は(B−2)と(B−1)の縮合反応生成物。
  2. 前記(A−1)と前記(B−1)の配合比(A−1)/(B−1)が0.15〜2(モル比)である請求項1に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  3. 前記(A−1)と(B−1)の合計量に対して50ppm以下のSn系化合物を添加して縮合反応することによって生成された、請求項1または請求項2に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマーに、下記(A−2)をさらに縮合反応させることによって生成される、オルガノポリシロキサンプレポリマー。
    (A−2):両末端にトリアルコキシシリル基を有するポリジメチルシロキサンであって、数平均分子量(Mn)が15,000〜60,000であり、かつ分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.3以下であるもの。
  5. 前記(A−1)と前記(A−2)の配合比(A−1)/(A−2)が2〜20(モル比)である請求項4に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  6. 前記(A−1)、(A−2)及び(B−1)の合計量に対して50ppm以下のSn系化合物を添加して縮合反応することによって生成された、請求項4または請求項5に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  7. 前記(B−1)のアリール基が、フェニル基、トリル基、ナフチル基、スチリル基及びビフェニル基からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  8. チタンのアルコキシド類を触媒として縮合されたものである、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  9. 前記(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.2以下である、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  10. 前記(A−1)の分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.1以下である、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  11. 前記(A−2)の分子量分布指数(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量)が1.1以下である、請求項4から請求項10までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含むゾル加熱固化物である、オルガノポリシロキサンポリマーゲル。
  13. 厚さ10mmの板状体に成形した場合に、250℃の環境下で1,000時間経過後における重量減少率が10%以下である、請求項12に記載のオルガノポリシロキサンポリマーゲル。
  14. 厚さ10mmの板状体に成形した場合に、250℃の環境下で1,000時間経過後における、1/4円すいを用いて測定し標準円すいを用いたちょう度に換算したちょう度(JIS K 2220)が30以上である、請求項12または請求項13に記載のオルガノポリシロキサンポリマーゲル。
  15. 250℃の環境下で500時間経過後における体積抵抗率(JIS K 6249)が1014Ω・cm以上である、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンポリマーゲル。
  16. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンプレポリマー(C)を含有する、SiCまたはGaNパワーモジュール用封止材。
  17. 請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンポリマーゲル(D)によってSiCまたはGaNパワーモジュールを封止したことを特徴とする半導体封止構造。
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