JP6348370B2 - スチールブレーカー被覆用ゴム組成物及びトラック・バスタイヤ - Google Patents

スチールブレーカー被覆用ゴム組成物及びトラック・バスタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、スチールブレーカー被覆用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したスチールブレーカー被覆部材を有するトラック・バスタイヤに関する。
近年、輸送業界では、燃料代の高騰に伴う経費増大、環境規制の導入による出費増大の理由から低燃費性に優れたタイヤが望まれている。近年、低燃費化の要請はますます大きくなり、燃費向上の更なる検討が不可欠である。
トラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物についても低tanδ化による低発熱化が求められているが、一方で高度な耐久性能を求められることから充填剤の配合量の調整などで低発熱性と耐久性能のバランスを取ることになる。
トラック・バスタイヤ用ゴム組成物の充填剤としては、補強性が良好であるという点でカーボンブラックが汎用されている。カーボンブラック配合で低燃費性を改善する場合、粒子径の大きいカーボンブラックを使用する、カーボンブラック量を少なくするといった方法が考えられるが、この場合、ゴム強度すなわち耐久性能が低下するという点で改善の余地がある。
カーボンブラックをシリカに置換することで低燃費性を改善できることも知られているが、シリカはカーボンブラックと比較して補強性が劣るため、ゴム強度などが低下するという点で改善の余地がある。
低燃費性を改善する方法として、シリカ配合においてゴムに特定の極性基を付加することによってシリカの分散性を高める方法が記載されているが、上述の低燃費化の技術はいずれもスチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムに対して効果を発揮するものであり、スチールブレーカー被覆用ゴムに一般的に用いられる天然ゴム(高純度化天然ゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム)などのイソプレン系ゴムに対して、その効果は充分ではなかった。
通常、タイヤ用ゴム組成物にはスチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムとともにイソプレン系ゴムが配合されており、特に、優れたゴム強度が求められるトラック・バスタイヤに使用されるゴム組成物においては、主としてイソプレン系ゴムが配合されている。そのため、イソプレン系ゴムに対して有効な低燃費化の技術が求められている。
本発明は、前記課題を解決し、イソプレン系ゴムを含むゴム組成物の低燃費性を改善し、更に、良好な耐久性及びスチールコード接着性も得られるトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製したスチールブレーカー被覆部材を有するトラック・バスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、窒素吸着比表面積が20〜130m/gのカーボンブラックと、有機酸コバルトと、下記式(I)で表される化合物と、オイルとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量が60〜100質量%であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が15〜100質量部、前記オイルの含有量が2質量部以上、前記有機酸コバルトの含有量がコバルトに換算して0.05〜1.00質量部であり、前記カーボンブラック100質量部に対する下記式(I)で表される化合物の含有量が0.1〜20質量部であるトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物に関する。
Figure 0006348370
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
上記ゴム成分100質量部に対して、硫黄を2.5〜6.0質量部含有することが好ましい。
式(I)で表される化合物が下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006348370
Figure 0006348370
Figure 0006348370
上記金属イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオンであることが好ましい。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が60〜130m/gであり、上記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50〜70質量部であり、
上記カーボンブラック100質量部に対する式(I)で表される化合物の含有量が0.5〜5質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したスチールブレーカー被覆部材を有するトラック・バスタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムと、特定のカーボンブラックと、有機酸コバルトと、式(I)で表される化合物と、オイルとを所定量含有するトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物であるので、低燃費性、耐久性及びスチールコード接着性がバランス良く改善されたトラック・バスタイヤを提供できる。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴムと、特定のカーボンブラックと、有機酸コバルトと、式(I)で表される化合物と、オイルとを含有する。式(I)で表される化合物は、末端の窒素官能基がカーボンブラック表面に存在するカルボキシル基などの官能基と反応することでカーボンブラックと結合することができ、また、炭素−炭素二重結合の部分がポリマーラジカルとの反応や硫黄架橋を伴う反応によりポリマーと結合することができる。そのため、カーボンブラックの分散性を向上させ、かつその良好な分散状態を使用中も維持することができる。更に、ポリマーが式(I)で表される化合物を介してカーボンブラックを拘束しているため、発熱性を抑えることができる。これらの作用を有する式(I)で表される化合物を、特定のカーボンブラックと、有機酸コバルトと、オイルとともに、イソプレン系ゴムを含むゴム組成物に配合することで、該ゴム組成物の低燃費性を改善し、更に、良好な耐久性及びスチールコード接着性も得られる。なお、式(I)で表される化合物を配合すると、加硫速度が若干早くなる傾向があるが、スチールコード接着性に対する影響は軽微である。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴムを含有する。イソプレン系ゴムは、混練り中にポリマー鎖が切断されてラジカルが発生する。この発生したラジカルを式(I)で表される化合物が捕捉することにより、ポリマー鎖と式(I)で表される化合物とが結合することができる。
本発明のゴム組成物は、下記式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 0006348370
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
、Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。
、Rのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などを挙げることができる。
、Rのアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基などを挙げることができる。
、Rとしては、好ましくは、水素原子、アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基であり、更に好ましくは、水素原子である。すなわち、上記式(I)で表される化合物は、下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物であることが好ましく、下記式(I−1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006348370
Figure 0006348370
Figure 0006348370
上記式(I)、(I−1)、(I−2)、(I−3)において、金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられ、ナトリウムイオンであることが好ましい。
式(I)で表される化合物の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.1質量部未満であると、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。式(I)で表される化合物の含有量は、20質量部以下、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。20質量部を超えると、充分な加工性を確保できないおそれがある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、高純度天然ゴム(HPNR)などが挙げられ、NRを好適に使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、60質量%以上、好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。60質量%未満であると、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴム以外に他のゴム成分を使用してもよい。他のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、特定の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックを含有する。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、20m/g以上、好ましくは60m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。20m/g未満では、充分な耐久性(Hs、破断時伸び及び耐亀裂成長性)を確保できないおそれがある。カーボンブラックのNSAは、130m/g以下、好ましくは120m/g以下、より好ましくは115m/g以下である。130m/gを超えると、カーボンブラック由来の発熱が大きくなること、及び、式(I)で表される化合物との反応が進行しにくくなることにより、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、好ましくは60cm/100g以上、より好ましくは70cm/100g以上、更に好ましくは100cm/100g以上である。60cm/100g未満では、充分な耐久性(Hs、破断時伸び及び耐亀裂成長性)を確保できないおそれがある。カーボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは140cm/100g以下である。140cm/100gを超えると、充分な低燃費性及び破断時伸びを確保できないおそれがある。
カーボンブラックのpHは、好ましくは7.9以下、より好ましくは7.8以下、更に好ましくは7.7以下、特に好ましくは7.6以下である。7.9を超えると、カーボンブラックの酸性官能基量が少ないため、式(I)で表される化合物との反応性(相互作用)が小さくなり、低燃費性などを充分に改善できないおそれがある。カーボンブラックのpHは、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上である。3.0未満であると、ゴム組成物のpHが低くなることにより、加硫剤の活性が低下し、架橋効率が低下する傾向がある。
カーボンブラックの揮発分は、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上である。0.8質量%未満では、式(I)で表される化合物との反応性(相互作用)が小さくなり、低燃費性などを充分に改善できないおそれがある。カーボンブラックの揮発分は、好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。3.5質量%を超えると、加硫工程で揮発分の大部分を揮発させ、ポロシティーが発生しなくなるまで加硫し続けることが必要となるため、加硫時間が長くなり、生産効率が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBP吸油量、pH、揮発分はJIS K6221(1982)に、カーボンブラックのNSAはJIS K6217(2001)に記載の方法で測定される値である。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、15質量部以上、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。15質量部未満であると、充分なHsを確保できないおそれがある。カーボンブラックの含有量は、100質量部以下、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、ゴムが硬くなり過ぎて破断時伸びが低下し、かえって耐久性が低下するおそれがある。また、低燃費性が悪化するおそれもある。
本発明のゴム組成物は、加硫助剤及びスチールコード接着促進剤として、有機酸コバルトを含有する。有機酸コバルトとしては、例えば、ステアリン酸コバルト、ホウ素ネオデカン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルトなどが挙げられ、粘度低減効果を有するという点ではステアリン酸コバルトが好ましい。
有機酸コバルトの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、コバルトに換算して0.05質量部以上、好ましくは0.08質量部以上、より好ましくは0.15質量部以上である。0.05質量部未満では、スチールコード接着性を充分に確保できないおそれがある。有機酸コバルトの含有量は、コバルトに換算して1.00質量部以下、好ましくは0.50質量部以下、より好ましくは0.30質量部以下、更に好ましくは0.20質量部以下である。1.00質量部を超えると、酸化劣化後の破断時伸びが低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、オイルを含有する。式(I)で表される化合物に加えて、オイルを配合することにより、特にトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物において、本発明の効果が良好に得られ、特に低燃費性について相乗的に改善できる。
オイルとしては、例えば、パラフィンオイル、アロマオイル、ナフテンオイルなどを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、アロマオイルが好ましい。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。5質量部を超えると、スチールコード接着性が低下し、また、式(I)で表される化合物とカーボンブラック表面の官能基との反応が阻害されるおそれがある。また、該含有量は、2質量部以上である。2質量部未満であると、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。
ここで、オイルの含有量には、不溶性硫黄等に含まれるオイル分も含まれる。
本発明のゴム組成物は、硫黄を含有することが好ましい。硫黄としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは3.5質量部以上である。2.5質量部未満であると、スチールコード接着性を充分に確保できないおそれがある。また、ゴム組成物が充分に加硫されず、必要とする耐久性が得られないおそれもある。硫黄の含有量は、好ましくは6.0質量部以下である。6.0質量部を超えると、酸化劣化による硬化が促進され、破断時伸び、耐久性が低下するおそれがある。
なお、硫黄の含有量は、可溶性硫黄及び不溶性硫黄由来の硫黄分の総量であり、硫黄含有カップリング剤由来の硫黄分は含まない。これは、スチールブレーカー被覆用ゴム組成物においては、加硫剤として比較的多量の硫黄が配合されることにより、硫黄含有カップリング剤由来の硫黄分はゴム組成物中に放出されないためである。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫促進剤としては特に限定されず、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)を筆頭にタイヤ工業において一般的なものを使用できるが、環境負荷が小さいという点から、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド(TBSI)、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BEHZ)、N,N−ジ(2−メチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BMHZ)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(ETZ)が好ましく、TBSIがより好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜2質量部である。
本発明のゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
本発明のゴム組成物は、トラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆部材に使用される。
ブレーカーとは、ケースのタイヤ半径方向外側に配される部材であり、具体的には、特開2003−94918号公報の図3、特開2006−273934号公報の図1、特開2004−161862号公報の図1等に示される部材である。
本発明のトラック・バスタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でスチールブレーカー被覆部材やタイガムの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明のトラック・バスタイヤを製造できる。
本発明のトラック・バスタイヤは、なかでも、破断時伸びを最大限に確保するため、天然ゴムの含有量を100質量%としたオールスチールタイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:TSR20
化合物I:住友化学(株)製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸ナトリウム(下記式で表される化合物)
Figure 0006348370
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸:住友化学(株)製のS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(下記式で表される化合物)
Figure 0006348370
カーボンブラック:コロンビアカーボン社製のStatex N220(NSA:114m/g、DBP吸油量:114cm/100g、pH:7.5、揮発分:1.8質量%)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140(アロマオイル)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のcost−F(コバルト含有量:9.5質量%、ステアリン酸含有量:90.5質量%)
硫黄:四国化成(株)製のミュークロンOT−20(20%オイル含有不溶性硫黄)
加硫促進剤:フレキシス(株)製のサントキュアーTBSI(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド)
(実施例及び比較例)
(ベース練り工程1)
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーに、NRと、化合物I又はS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸と、30質量部程度のカーボンブラックとを投入して2分間混練りした後、残りのカーボンブラックと、オイルと、老化防止剤と、酸化亜鉛とを投入して更に3分間混練りし、150℃で排出することで、マスターバッチを得た。
(ベース練り工程2)
得られたマスターバッチにステアリン酸コバルトを添加し、上記バンバリーミキサーで3分間混練りし、130℃で排出することで、混練り物を得た。
(仕上げ練り工程)
得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールで2分間混練りし、105℃で排出することで、未加硫ゴム組成物を得た。
(加硫工程)
得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、スチールコードを得られた未加硫ゴム組成物で被覆してブレーカーの形状に成形したのち、他のタイヤ部材と貼り合せ、150℃で30分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:11R22.5)を作製した。
得られた加硫ゴム組成物、及び試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%の条件下で、上記加硫ゴム組成物の損失正接tanδを測定し、tanδの値について比較例1を100として指数表示(tanδ指数)した。指数が小さいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(引張試験)
上記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、室温にて引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)(新品時)を測定した。また、上記加硫ゴム組成物を空気雰囲気のオーブンに入れ、80℃で168時間を酸化劣化させた後、同様の方法で破断時伸びEB(%)(酸化劣化後)を測定した。それぞれの数値について比較例1を100として指数表示(破断時伸び指数)した。指数が大きいほど、機械的強度が高く、破断時伸び(耐久性)に優れることを示す。
(接着試験)
上記加硫ゴム組成物について、剥離試験用サンプルを用いて接着試験を行い、剥離後のゴム被覆率(スチールコードとゴム間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合)(新品時)を測定し、5点満点で表示(接着評点)した。また、上記加硫ゴム組成物を温度80℃、湿度95%の条件下で150時間、湿熱劣化させた後、同様の方法で剥離後のゴム被覆率(湿熱劣化後)を測定し、5点満点で表示(接着評点)した。5点は全面が覆われ、0点は全く覆われていない状態を示す。評点が大きいほど、スチールコード接着性に優れることを示す。
(残存耐久性試験)
試験用タイヤを10トントラックに接着して30万km走行させたのちに、試験用タイヤのブレーカー部をサンプリングし、サンプリングしたものを用いて、接着試験を行い、剥離後のゴム被覆率(スチールコードとゴム間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合)(新品時)を測定し、5点満点で表示(残存耐久性評点)した。5点は全面が覆われ、0点は全く覆われていない状態を示し、「−」は試験を行っていないことを示す。評点が大きいほど、残存耐久性(耐久性)に優れることを示す。
Figure 0006348370
表1より、イソプレン系ゴムと、特定のカーボンブラックと、有機酸コバルトと、式(I)で表される化合物と、オイルとを所定量含有する実施例は、低燃費性、耐久性及びスチールコード接着性がバランス良く改善された。
特に、比較例1、4、5と実施例1との比較により、所定量の式(I)で表される化合物のみを用いた場合や、所定量のオイルのみを用いた場合に比べて、式(I)で表される化合物とオイルとを所定量含有する場合に、低燃費性の改善において、足し合わせ以上の改善効果(相乗効果)が得られることが分かった。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、窒素吸着比表面積が20〜130m/gのカーボンブラックと、有機酸コバルトと、下記式(I)で表される化合物と、オイルとを含有し、
    前記ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量が60〜100質量%であり、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が15〜100質量部、前記オイルの含有量が2質量部以上、前記有機酸コバルトの含有量がコバルトに換算して0.05〜1.00質量部であり、
    前記カーボンブラック100質量部に対する下記式(I)で表される化合物の含有量が0.1〜20質量部であるトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物。
    Figure 0006348370
    (式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、硫黄を2.5〜6.0質量部含有する請求項1記載のトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物。
  3. 前記式(I)で表される化合物が下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物である請求項1又は2記載のトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物。
    Figure 0006348370
    Figure 0006348370
    Figure 0006348370
  4. 前記金属イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオンである請求項1〜3のいずれかに記載のトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が60〜130m/gであり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50〜70質量部であり、
    前記カーボンブラック100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量が0.5〜5質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のトラック・バスタイヤのスチールブレーカー被覆用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したスチールブレーカー被覆部材を有するトラック・バスタイヤ。
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