JP6347404B2 - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機における画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機における画像形成装置においては、記録媒体上に転写された画像を定着させるための定着装置が備えられている。
定着装置においては、熱によって記録媒体上のトナーを加熱融解し、トナー画像を記録媒体へ定着させる方法が一般的に用いられている。定着装置には、画像を定着させる定着部材や、ヒータなどの加熱部材、およびヒータによる熱を定着部材に伝達する伝熱部材等が配置されている。
この様な定着装置においては、加熱部材において発生した熱を定着部材へ効率的に伝達することにより、装置の省エネルギー化や定着動作の高速化をすることが課題となる。
特許文献1(特開平4−44083号公報)では、図11(a)に示すように、加圧ローラ200とフィルム201の間に、記録媒体が案内され、加熱融解および加熱される事により、記録媒体上にトナー画像が定着される。フィルム201は耐熱性のフィルムで、ステー202によって張架されている。加熱体203は、ヒータ基盤203a、発熱体203b、表面保護層203c等からなる。表面保護層203cは、フィルム201に当接し、発熱体203bによる発熱をフィルム201へ伝達する。加熱体203の周囲および加熱体203の上部には断熱部材204が配置されており、加熱体203の熱を周囲に伝達しにくくし、フィルム201への熱伝達性を向上させている。
特許文献1の発明では、表面保護層203cとフィルム201が、加熱体203の幅方向(図の左右方向)全面にわたって当接している。しかし、図11(b)に示すように、フィルム201に当接する表面保護層203cの面Cには、その表面温度に大きな差があり、面Cの発熱体203bに対応する範囲Bおよびその周辺で温度が高く、範囲Bから離れるほど温度は低くなる。
この為、発熱体203bによる発熱が表面保護層203cからフィルム201へ伝達されて、フィルム201が高温になると、面Cの表面温度の低い部分で、熱の逆流が起こり、フィルム201から表面保護層203cへ熱の伝達がされてしまう。これにより、フィルム201の加熱が阻害され、定着動作の効率が低下するという問題があった。
この様な事情から、本発明では、効率的に定着部材への伝熱ができ、省エネルギー化および定着動作の高速化を実現できる定着装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、記録媒体上の画像を定着させる定着部材と、発熱部を有する加熱部材と、前記加熱部材からの熱を前記定着部材に伝達する伝熱部材とを有する定着装置において、前記加熱部材および前記伝熱部材の間に、両者に当接して配置され、前記加熱部材の熱を前記伝熱部材に伝達する当接部材を有し、前記加熱部材は、前記伝熱部材側の面に、前記発熱部を有する発熱領域と前記発熱部を有しない非発熱領域とを備え、前記当接部材は、前記加熱部材の前記伝熱部材側の面のうち、前記発熱領域が設けられた範囲に対応するように設けられ、前記当接部材は、前記発熱領域に当接し、かつ、前記非発熱領域と前記伝熱部材との間に所定の空隙を設ける定着装置を特徴とするものである。
本発明の定着装置では、当接部材が、加熱部材の発熱領域に当接して、発熱領域から熱を伝達され、伝達された熱を伝熱部材に伝達する。そして、当接部材は、加熱部材の非発熱領域と伝熱部材の間に所定の空隙を設けるスペーサとしての機能も同時に果たす。これにより、伝熱部材から加熱部材の非発熱領域への熱の逆流が防止でき、発熱部で発生した熱を定着部材へ効率的に伝達する事ができる。
画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 加熱部材の概略構成図である。 定着装置の斜視図である 定着ベルトの軸方向の温度分布を示した概略図である。 定着ベルトへの熱伝達の課題を示した断面図である。 本発明の第一実施形態の定着装置を示した断面図である。 シート部材から加熱部材への熱の逆流を示した図である。 本発明の第二実施形態の定着装置を示した断面図である。 本発明の別の構成を示した概略図である。 従来の画像形成装置の概略構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
(画像形成装置の説明)
図1に示すように、画像形成装置1は、露光部2、画像形成部3、転写部4、給紙部5、搬送路6、定着装置7、及び排出部8等により構成されている。
露光部2は、画像形成装置1の上部に位置しており、レーザ光等を発光する光源や各種光学系により構成されている。具体的には、図示しない画像取得手段から得られた画像データに基づいて作成される画像の色分解成分毎のレーザ光を、後述する画像形成部3の感光体に向けて照射することで、感光体の表面を露光するものである。
画像形成部3は、露光部2の下方に位置しており、画像形成装置1に対して着脱可能に構成された複数のプロセスユニット31を備えている。各プロセスユニット31は、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能な、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の表面を一様に帯電させる帯電ローラ33と、感光体ドラム32の表面にトナーを供給する現像装置34と、感光体ドラム32の表面をクリーニングするための感光体クリーニングブレード35等で構成されている。
なお、各プロセスユニット31は、カラー画像の色分解成分であるイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの異なる色に対応した4つのプロセスユニット31(31Y,31C,31M,31Bk)からなっており、これらは異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっているため、符号は省略している。
転写部4は、画像形成部3の直下に位置する。この転写部4は、駆動ローラ41及び従動ローラ42に周回走行可能に張架されている無端状の中間転写ベルト43、中間転写ベルト43の表面をクリーニングするクリーニングブレード44、各プロセスユニット31の感光体ドラム32に対して中間転写ベルト43を挟んだ対向位置に配置されている一次転写ローラ45等で構成されている。各一次転写ローラ45はそれぞれの位置で中間転写ベルト43の内周面を押圧しており、中間転写ベルト43の押圧された部分と各感光体ドラム32とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。
また、中間転写ベルト43の駆動ローラ41と、中間転写ベルト43を挟んで駆動ローラ41に対向した位置には二次転写ローラ46が配設されている。二次転写ローラ46は中間転写ベルト43の外周面を押圧しており、二次転写ローラ46と中間転写ベルト43とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。更に、クリーニングブレード44によってクリーニングされた廃トナーを収容する廃トナー容器47が、中間転写ベルト43の下方に図示しない廃トナー移送ホースを介して配設されている。
給紙部5は、画像形成装置1の下部に位置しており、記録媒体としての記録用紙Pを収容した給紙カセット51や、給紙カセット51から記録用紙Pを搬出する給紙ローラ52等からなっている。
搬送路6は、給紙部5から搬出された記録用紙Pを搬送する搬送経路であり、一対のレジストローラ61の他、後述する排出部8に至るまで、図示しない搬送ローラ対が搬送路6の途中に適宜配置されている。
定着装置7は、加熱部材71によって加熱される定着部材としての定着ベルト72、その定着ベルト72を加圧可能な加圧ローラ73等を有している。
排出部8は、画像形成装置1の搬送路6の最下流に設けられる。この排出部8には、記録用紙Pを外部へ排出するための一対の排紙ローラ81と、排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ82とが配設されている。
以下、図1を参照して上記の画像形成装置1の基本的動作について説明する。
画像形成装置1において、画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット31Y,31C,31M,31Bkの感光体ドラム32の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム32に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。各感光体ドラム32上には静電潜像が形成され、各現像装置34に蓄えられたトナーが、現像ローラ36によって感光体ドラム32に供給されることにより、静電潜像は顕像であるトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
次いで、転写部4の駆動ローラ41が図の反時計回りに回転駆動されることにより、中間転写ベルト43が図の矢印Aで示す方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ45には、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ45と各感光体ドラム32との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各プロセスユニット31Y,31C,31M,31Bkの感光体ドラム32上に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト43上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト43の表面には、フルカラーのトナー画像が形成される。一次転写後の感光体ドラム32に残されたトナー等は、感光体クリーニングブレード35によって除去され、廃トナー容器47に収容される。
一方、画像形成動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部5の給紙ローラ52が回転駆動することによって、給紙カセット51に収容された記録用紙Pが搬送路6に送り出される。搬送路6に送り出された記録用紙Pは、レジストローラ61によってタイミングを計られて、二次転写ローラ46とそれに対向する駆動ローラ41との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ46には、中間転写ベルト43上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト43上のトナー画像が記録用紙P上に一括して転写される。
トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置7へと搬送され、加熱部材71によって加熱されている定着ベルト72と加圧ローラ73とによって記録用紙Pが加熱及び加圧されてトナー画像が記録用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された記録用紙Pは、定着ベルト72から分離され、図示しない搬送ローラ対によって搬送され、排出部8において排紙ローラ81によって排紙トレイ82へと排出される。また、転写後の中間転写ベルト43上に付着している残留トナーは、クリーニングブレード44等によって除去される。除去されたトナーは、図示しないスクリューや廃トナー移送ホース等により廃トナー容器47へ搬送され回収される。
以上の説明は、記録用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット31Y,31C,31M,31Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニット31を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
(定着装置の説明)
図2に示すように、定着装置7は、加熱部材71、定着ベルト72、加圧ローラ73、伝熱部材としての曲面部材101、曲面部材101の回転軸102、加圧部材103、スプリング104、ステー105、ニップ形成部材106、温度センサー107等からなる。
定着ベルト72は、外径が30mmで厚みが40μmのSUS製の基体と、この基体の表面に被覆された弾性層を有している。 弾性層は、シリコーンゴムで形成されており厚みは100μmである。
定着ベルト72の表面には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成されている。定着ベルト72の基体はポリイミドとしてもよい。
加圧ローラ73は、外径が30mmで厚みが2mmの鉄製の芯金と、この芯金の表面に被覆された弾性層を有している。 弾性層はシリコーンゴムで形成されており、厚みは5mmである。 弾性層の表面には、離型性を高めるために厚みが40μm程度のフッ素樹脂層を形成するのが望ましい。
加圧ローラ73は、図示しない加圧手段によって定着ベルト72の側へ加圧され、定着ベルト72を介してニップ形成部材106に当接している。この加圧ローラ73と定着ベルト72とが圧接する箇所では、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ73は、画像形成装置1本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ73が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト72に伝達され、定着ベルト72が従動回転するようになっている。
後述する加熱部材71の発熱部71aの熱を伝達された定着ベルト72は、ニップ部Nへ運ばれてきた記録用紙Pを加圧ローラ73との間で加圧及び加熱することにより、記録用紙Pの表面上のトナー画像を定着させる。
ステー105は回転軸102を一端側に保持しており、曲面部材101は、回転軸102を中心に回転可能に構成されている。また、ステー105は、回転軸102を保持する側とは反対側の端部においてニップ形成部材106を保持している。そして、曲面部材101およびニップ形成部材106は、定着ベルト72を張架している。スプリング104は、一端をステー105に固定し、他端を加圧部材103に固定して加圧部材103を加熱部材71および定着ベルト72の側へ押圧している。
図3は、加熱部材71を図2の方向Dから見た図である。加熱部材71は、発熱部71aと、熱伝導性の低いガラス材で形成され、発熱部71aの周囲を囲う様に配置される基板71bからなる。加熱部材71の幅(図の左右方向の長さ)、つまり基板71bの幅が10mmに対して、発熱部71aの幅が3mmであり、加熱部材71の幅方向の中央に発熱部71aが配置されている。発熱部71aにはサーマルヒータ等が用いられる。
基板71bは熱伝導性の低いガラス材で形成され、発熱部71aの周囲を覆って、曲面部材101が配置される側とは反対側に配置されることにより、発熱部71aの熱を加圧部材103の側へ伝達しにくくし、発熱部71aから曲面部材101への伝熱を効率的に行うことができる。
加圧部材103は、発熱部71aが配置される側と反対側から加熱部材71を保持している。加圧部材103は、発熱部71aと対応する位置に、加熱部材71と部分的に非接触にするための隙間103aを有する。
隙間103aを設ける事により、発熱部71aの熱を加圧部材103の方向へ伝達しにくくし、発熱部71aと対応する位置に設ける事で、発熱部71aから加圧部材103への伝熱経路を長くし、熱を伝達しにくくする事ができる。
また、加圧部材103と加熱部材71は面接触しており、スプリング104が、加圧部材103を介して加熱部材71を押圧することで、スプリング104から加熱部材71への押圧の方向が安定する。
加圧部材103は、加熱部材71の熱がスプリング104を経てステー105に伝熱されるのを防止する為に、熱伝導性の低い樹脂部材により構成することが望ましい。
加圧部材103に保持された加熱部材71は、スプリング104の付勢によって曲面部材101の方向へ押圧されており、曲面部材101は、加熱部材71に押圧されて定着ベルト72へ押し当てられている。
このスプリング104の付勢により、加熱部材71は曲面部材101に当接し、発熱部71aの熱を曲面部材101へ伝達することができる。
曲面部材101は、ステー105に固定された回転軸102を中心に回転可能であって、スプリング104から付勢されることで定着ベルト72の方向へ回転しようとする力が働き、この定着ベルト72の方向へ回転しようとする力によって定着ベルト72を押圧し、定着ベルト72を張架している。
この様に、スプリング104の付勢力は、発熱部71aの熱を伝達させるための押圧力として機能すると同時に、定着ベルト72を張架する為の押圧力としても機能している。
定着ベルト72の内周面上には温度センサー107が設けられている。温度センサー107が検知した定着ベルト72の表面温度は、温度センサー107に接続された制御手段108に伝えられる。
制御手段108は、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータによって構成される。制御手段108は発熱部71aの電源109に接続されている。制御手段108は、温度センサー107によって検知された定着ベルト72の表面温度に応じて、発熱部71aの発熱の有無を切り換え、定着ベルト72の表面温度を調整する。
図4に示すように、加熱部材71は、加圧ローラ73の軸方向において、定着ベルト72の内周面に複数配置されている。画像が形成される記録用紙Pの大きさや形成される画像範囲に応じて、定着ベルト72を軸方向において部分的に加熱し、省エネルギー化を図る事ができる。
曲面部材101は、定着ベルト72への伝熱を効率的に行う為に、アルミなどの熱伝導性のよい部材で構成される事が望ましい。
図5に示すように、幅の狭い記録用紙Pが連続的に画像形成される場合には、定着ベルト72の軸方向の被加熱領域Eに対して、記録用紙Pが通過しない定着ベルト72の被加熱領域Eの両端部72fが生じ、この部分で記録用紙Pへの熱の伝達が行われない。このため、図5の上側に示す定着ベルト72の軸方向の表面温度が示すように、両端部72fの部分だけ周囲に比べて高温になる可能性がある。
曲面部材101を熱伝導性のよい部材で構成することにより、高温になった両端部72fの熱が曲面部材101へ逆流しやすくなり、定着ベルト72が部分的に高温になることを抑制する事ができる。
(本発明の課題)
図6に、加熱部材71の発熱部71aの周辺の構造について示す。
加熱部材71は発熱部71aを有し、この部分から発生させた熱を曲面部材101へ、そして曲面部材101から定着ベルト72へ伝達する。
加熱部材71は、スプリング104からの付勢によって定着ベルト72の方向へ押圧されており、発熱部71aは曲面部材101に当接している。また、加熱部材71から定着ベルト72へ押し当てされる方向を安定させるために、曲面部材101には凹部101cが設けられている。
この様な定着装置においては、装置全体の省エネルギー化および定着動作の高速化のために、加熱部材71の熱を定着ベルト72へ効率的に伝達することが一つの課題となる。そして、加熱部材71の熱を定着ベルト72へ効率に伝達するには、発熱部71aと曲面部材101の間で効率よく熱の伝達が行われる事が必要である。
そこで、発熱部71aと曲面部材101の間に、熱伝導性の良いグリス等の塗布剤を塗布する構成が考えられる。グリスを塗布する事により、発熱部71aと曲面部材101の間で熱の伝達がされやすくなり、定着ベルト72へ効率的に熱の伝達を行う事ができる。
しかし、グリスなどの塗布剤を塗布する構成では、グリスの塗布具合にムラがあると、塗布が薄い部分で熱伝達が十分に行われず、その部分で発熱部71aが局所的に高温になり、発熱部71aの部分的な損耗が起きる可能性がある。また、発熱部71aによってグリスが加熱される事により、グリスから揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound)やサブミクロン(0.1μm)以下の超微粒子(Ultra Fine Particle)が発生する可能性がある。
(本発明の第一実施形態の定着装置)
そこで、本発明の第一実施形態の定着装置においては、図7に示すように、発熱部71aと曲面部材101の熱伝導性を向上させるために、グリスなどの塗布剤を塗布する事に代えて、両者の間に、熱伝導性に優れた部材からなる、当接部材としてのシート部材110を設けている。また、加熱部材71と曲面部材101の間には、空隙Fが設けられている。
シート部材110は、加熱部材71のシート部材110側の面である隣接面71cに当接し、隣接面71cと当接する面と反対側の面を曲面部材101の凸部101bに当接させている。発熱部71aにおいて発生した熱は、発熱部71aからシート部材110へ、そしてシート部材110から曲面部材101へと伝達され、曲面部材101から定着ベルト72へ伝達される。
本発明の構成では、熱伝導性に優れたシート部材110を発熱部71aと曲面部材101の間に設けることにより、発熱部71aから曲面部材101への熱の伝達を効率的に行う事ができる。
シート部材110には、熱伝導性が高く、柔軟性および可撓性にも優れた、多孔質性の金属紙や発泡アルミニウム、炭素繊維紙などが用いられる。
シート部材110に可撓性に優れた物質を用いる事により、スプリング104からの付勢によってシート部材110が曲面部材101へ押し当てられる際に、シート部材110が弾性変形し、曲面部材101および加熱部材71に対して、隙間を作らずに当接させる事ができる。
シート部材110を用いた構成では、曲面部材101および加熱部材71との間で隙間を作ることもなければ、発熱部71aによって加熱される事によって揮発性有機化合物や超微粒子が発生する事もなく、前述したグリスを用いた構成における課題を解決する事ができる。
また、シート部材110は、加熱部材71の隣接面71cのうち、発熱部71aを有する部分である発熱領域71dにのみ当接し、発熱部71aを有しない部分である非発領域71eに当接しない構成とすることで熱伝達の効率を向上させている。隣接面71cにおいて、発熱領域71dの両側に非発熱領域71eを有している。
ここで仮に、本発明との構成の比較として、シート部材110が図8に示すような隣接面71cの全面に当接するような構成の場合を考える。
基板71bは、発熱部71aの熱を加圧部材103の側へできるだけ伝達させないために、熱伝導性の低いガラス材で構成されている。このため、発熱部71aからシート部材110へ熱が伝達される事により、シート部材110は基板71bよりも高温になる。
シート部材110が基板71bよりも高温になると、発熱部71aからシート部材110へ伝達された熱の一部が、非発熱領域71eから基板71bへ逆流する。これにより、発熱部71aからシート部材110を介しての曲面部材101への熱の伝達効率が低下してしまう。
これに対して本発明の構成では、シート部材110が非発熱領域71eと接触しない事により、シート部材110が発熱部71aから伝達された熱を非発熱領域71eに逆流させる事がない。
これにより、発熱部71aからシート部材110への熱の伝達が効率的に行われ、シート部材110から曲面部材101へ、そして曲面部材101から定着ベルト72へ効率的に熱が伝達される。
また、シート部材110を発熱部71aと曲面部材101の間に挟むことにより、発熱部71aの非発熱領域71eと曲面部材101の非発熱領域71eに対向する面101aとの間に、空隙Fを設けている。空隙Fを設ける事により、シート部材110から熱を伝達された曲面部材101の面101aから、加熱部材71の非発熱領域71eへ熱が逆流する事がなく、曲面部材101へ効率的な熱伝達が行われる。
シート部材110は曲面部材101の凸部101bに当接する。凸部101bを曲面部材101に設ける事で、シート部材110の曲面部材101に対する当接位置を凸部101bに限定でき、その当接位置が安定する。また、空隙Fをシート部材110の厚み以上の長さでとる事ができる為、より確実に曲面部材101と基板71bの間に空隙Fを設けて両者を非接触とする事ができる。
この様に、本発明の構成では、シート部材110を設ける事により、発熱部71aで発生させた熱を逆流させる事がなく、効率的に定着ベルト72へ熱を伝達する事ができる。
なお、図4でも示したように、本発明の定着装置7では、定着ベルト72の軸方向に複数の加熱部材71を有する構成である。そして、加熱部材71が軸方向に配置される数だけスプリング104が配置され、加熱部材71を曲面部材101の側へ押圧している。
シート部材110は、全ての加熱部材71に対して必ずしも1対1で設ける必要はない。例えば、定着ベルト72の軸方向において、両端部のみ定着ベルト72に熱が伝達されにくい事情がある場合に、両端部に配置される加熱部材71に対してのみ、シート部材110を設ける構成とすることも可能である。また、加熱部材71が軸方向に複数設けられた構成に限らず、一つのみの構成にも適用可能である。
(本発明の第二実施形態の定着装置)
本発明の第一実施形態の構成では、シート部材110が発熱部71aと曲面部材101の間に配置され、曲面部材101が非発熱領域71eと当接せず、両者の間に空隙Fを有する構成としたが、部分的に曲面部材101と非発熱領域71eが当接する構成であってもよい。
本発明の第二実施形態では、図9に示すように、曲面部材101が凹部101cの片側(図の左側)に当接部101dを有する。当接部101dは、発熱領域71dの両側に配置される非発熱領域71eの片方(図の左側)に当接し、こちら側に空隙Fを有しない。
第二実施形態の構成では、第一実施形態の定着装置と比較して、発熱部71aからシート部材110を経て曲面部材101へ伝達された熱の一部が、当接部101dから基板71bの非発熱領域71eへ逆流する為、定着ベルト72への熱の伝達効率は低下する。
しかし、第一実施形態の様に両側に空隙Fを有する構成よりも、当接部101dに基板71bが当接することにより、加熱部材71およびシート部材110の曲面部材101に対する当接が安定する。また、空隙Fが存在しない構成よりも定着ベルト72への熱伝達の効率は良い。
なお、本発明のこれまでの構成では、シート部材110が隣接面71cの発熱領域71dにのみ当接する構成とした。しかし、例えば図10に示すように、シート部材110の幅が、発熱部71aの幅に比べてわずかに広く、シート部材110が部分的に非発熱領域71eに当接する構成としてもよい。シート部材110が非発熱領域71eに部分的に当接する構成であっても、非発熱領域71eと当接しない部分を設ける事により、シート部材110から加熱部材71への熱の逆流を減らし、定着ベルト72への熱伝達の効率を向上させる効果が同様に得られる。さらに、発熱部71aの近傍の基板71bも同様に高温であるため、シート部材110から基板71bへの熱の逆流は限定的であると考えられる。また、空隙Fを有する事により、曲面部材101から基板71bへの熱の逆流を防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
1 画像形成装置
7 定着装置
71 加熱部材
71a 発熱部
71b 基板
71c 隣接面
71d 発熱領域
71e 非発熱領域
72 定着ベルト(定着部材)
101 曲面部材(伝熱部材)
101b 凸部
101d 当接部
104 スプリング
110 シート部材(当接部材)
特開平4−44083号公報

Claims (7)

  1. 記録媒体上の画像を定着させる定着部材と、発熱部を有する加熱部材と、前記加熱部材からの熱を前記定着部材に伝達する伝熱部材とを有する定着装置において、
    前記加熱部材および前記伝熱部材の間に、両者に当接して配置され、前記加熱部材の熱を前記伝熱部材に伝達する当接部材を有し、
    前記加熱部材は、前記伝熱部材側の面に、前記発熱部を有する発熱領域と前記発熱部を有しない非発熱領域とを備え、
    前記当接部材は、前記加熱部材の前記伝熱部材側の面のうち、前記発熱領域が設けられた範囲に対応するように設けられ、
    前記当接部材は、前記発熱領域に当接し、かつ、前記非発熱領域と前記伝熱部材との間に所定の空隙を設けることを特徴とする定着装置。
  2. 前記伝熱部材は、前記当接部材に当接する凸部を有する請求項1記載の定着装置。
  3. 前記当接部材は、前記加熱部材の前記伝熱部材側の面のうち、前記発熱領域にのみ当接する請求項1あるいは2いずれか1項に記載の定着装置。
  4. 前記当接部材が可撓性の部材からなる請求項1から3いずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記当接部材が多孔質性の金属材からなる請求項4記載の定着装置。
  6. 前記当接部材が炭素繊維材からなる請求項4記載の定着装置。
  7. 請求項1から6いずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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