JP6344948B2 - 殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法 - Google Patents

殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法などに関する。
従来、例えば、グローブボックスなどの培養室内で、細胞、微生物などの培養を行っている。培養室は、常に清浄に保つ必要があるため、細胞などの培養を行う前には培養室内の殺菌を行う必要がある。
例えば、特許文献1には、培養室内の殺菌を行う培養装置が開示されている。特許文献1に記載の培養装置は、培養室内に殺菌ガスを供給する殺菌ガス発生装置と、紫外線を照射する紫外線発生装置とを備える。特許文献1に記載の培養装置では、培養室内に殺菌ガスを供給した後、紫外線を照射して殺菌ガスを分解することで、殺菌ガス濃度を低減する。これにより、殺菌時間を短縮することができる。
特開2007−259715号公報
しかしながら、上記従来の培養装置では、紫外線の届かないところに存在する液化した殺菌ガスを分解することは難しい。このため、残った殺菌ガスにより殺菌時間の延長、あるいは、細胞、微生物などの培養物に悪影響を及ぼすという問題がある。
そこで、本発明は、より短期間で殺菌成分を除去することができる殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る殺菌成分除去装置は、排出口を有し、殺菌成分が噴霧された作業室内の前記殺菌成分を除去する殺菌成分除去装置であって、前記殺菌成分とは異なる霧状の液体を前記作業室内に供給する第1噴霧器を備える。
本発明によれば、より短期間で殺菌成分を除去することができる。
実施の形態1に係る除菌環境維持システムを示す構成図である。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムにおける作業室の一例を示す外観図である。 実施の形態1に係る水及び過酸化水素の揮発時間の比較結果を示す図である。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムの動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る殺菌成分除去方法の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る殺菌成分除去方法の別の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る殺菌成分除去方法の別の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る殺菌成分除去方法の別の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムの作業室内の工程毎の様子を示す図である。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムの作業室内の工程毎の様子を示す図である。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムの作業室内の工程毎の様子を示す図である。 実施の形態1に係る除菌環境維持システムの作業室内の工程毎の様子を示す図である。 実施の形態1に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図である。 実施の形態1に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図の一部拡大図である。 実施の形態2に係る除菌環境維持システムを示す構成図である。 実施の形態2に係るプラズマによる過酸化水素の低減効果を示す図である。 実施の形態2に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図である。 実施の形態2に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図の一部拡大図である。 実施の形態2に係るプラズマ発生器の一例を示す構成図である。 実施の形態2に係るプラズマ発生器の電極部の一例を示す構成図である。 実施の形態2に係るプラズマ発生器の電極部の別の一例を示す構成図である。 実施の形態3に係る除菌環境維持システムの一例を示す構成図である。 実施の形態3に係る除菌環境維持システムの別の一例を示す構成図である。 実施の形態の変形例に係る除菌環境維持システムの一例を示す構成図である。 実施の形態の変形例に係る除菌環境維持システムの別の一例を示す構成図である。
(本発明の概要)
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る殺菌成分除去装置は、排出口を有し、殺菌成分が噴霧された作業室内の前記殺菌成分を除去する殺菌成分除去装置であって、前記殺菌成分とは異なる霧状の液体を前記作業室内に供給する第1噴霧器を備える。
これにより、霧状の液体により殺菌成分の気化を促進し、気化した殺菌成分を排出口から排出することができる。したがって、より短期間で殺菌成分を除去することができる。なお、本明細書において、「除去」とは、殺菌成分を完全に消滅させることだけではなく、十分に少なくすることを含む。つまり、「除去」とは、殺菌成分を「無害化」することを意味する。例えば、「除去」又は「無害化」とは、培養対象となる細胞、又は、微生物(培養物)に影響を与えない程度まで殺菌成分を低減することを含む。
また、例えば、前記第1噴霧器は、液化した前記殺菌成分の気化を促進する物質を含む前記霧状の液体を前記作業室内に供給してもよい。
これにより、液体が気化を促進する物質を含むので、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、例えば、前記第1噴霧器は、前記殺菌成分を分解する活性種を含む前記霧状の液体を前記作業室内に供給してもよい。
これにより、殺菌成分の気化を促進するだけでなく、殺菌成分を活性種によって分解することで、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、例えば、前記殺菌成分除去装置は、さらに、前記液体を前記第1噴霧器に供給する液体源と、プラズマを発生することで、前記液体源に貯められた前記液体内に前記活性種を生成させるプラズマ発生器とを備えてもよい。
これにより、プラズマにより活性種を効率良く生成することができるので、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、本発明の一態様に係る除菌装置は、上記の殺菌成分除去装置を備え、前記第1噴霧器は、さらに、霧状の前記殺菌成分を前記作業室内に供給する。
これにより、1つの噴霧器を用いて殺菌成分と液体とを噴霧するので、殺菌成分と液体とを同じところに噴霧することができる。したがって、殺菌成分と液体との接触確率を高めることができ、気化をより促進し、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
また、例えば、上記の殺菌成分除去装置と、霧状の前記殺菌成分を前記作業室内に供給する第2噴霧器とを備えてもよい。
これにより、噴霧前に殺菌成分と液体とが接触するのを防止することができるので、液体による促進効果をより高めることができる。したがって、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、本発明の一態様に係る除菌環境維持システムは、上記の殺菌成分除去装置、又は、上記の除菌装置と、前記作業室と、前記排出口を介して前記作業室内の気体を排出する排出装置とを備える。
これにより、作業室内の気体、具体的には、気化した殺菌成分を効率良く排出することができるので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
また、例えば、前記除菌環境維持システムは、さらに、前記作業室内に気体を供給する供給装置を備えてもよい。
これにより、作業室内に気体の流れを作ることができ、より効率良く作業室内の気体を排出することができる。
また、本発明の一態様に係る殺菌成分除去方法は、排出口を有し、殺菌成分が噴霧された作業室内の前記殺菌成分を除去する殺菌成分除去方法であって、前記殺菌成分とは異なる霧状の液体を前記作業室内に供給する液体供給ステップを含む。
これにより、霧状の液体により殺菌成分の気化を促進し、気化した殺菌成分を排出口から排出することができる。したがって、より短期間で殺菌成分を除去することができる。
また、例えば、前記液体供給ステップでは、前記作業室内の気体を前記排出口から排出しながら、前記霧状の液体を前記作業室内に供給してもよい。
これにより、気体の排出と、液体の噴霧(すなわち、殺菌成分の気化の促進)とを同時に行うので、殺菌成分の除去時間をさらに短縮することができる。
また、例えば、前記殺菌成分除去方法は、さらに、前記液体供給ステップの前に、前記霧状の液体を前記作業室内に供給することなく、前記作業室内の気体を前記排出口から排出する気体排出ステップを含んでもよい。
これにより、作業室内に充満している気化した殺菌成分を前もって排出するので、その後の噴霧により効果的に殺菌成分の気化を促進することができる。したがって、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
また、例えば、前記気体排出ステップと、前記液体供給ステップとを繰り返してもよい。
これにより、気体の排出を行いながら、液体の噴霧を間欠的に行うことで、殺菌成分の気化を促進しつつ、効果的に気体を排出することができるので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
また、例えば、前記液体供給ステップでは、前記作業室内の気体の流れが、前記殺菌成分が前記作業室内に供給されたときの気体の流れと同じ状況下で、前記霧状の液体を前記作業室内に供給してもよい。
これにより、殺菌成分を噴霧するときと液体を噴霧するときとの気体の流れを同じにすることで、殺菌成分と液体とを略同じ場所に噴霧することができる。したがって、殺菌成分と液体との接触確率を高めることができ、気化をより促進し、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
[1.除菌環境維持システムの概要]
まず、実施の形態1に係る除菌環境維持システムの概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る除菌環境維持システム10を示す構成図である。図2は、実施の形態1に係る除菌環境維持システム10における作業室の一例を示す外観図である。
本実施の形態に係る除菌環境維持システム10は、殺菌成分を作業室に供給して作業室の除菌を行い、除菌に用いた殺菌成分を除去する除菌装置を備える。具体的には、除菌環境維持システム10では、除菌後の作業室に液体を噴霧して、液化した殺菌成分の気化を促進する。これにより、より短期間で殺菌成分を除去することができる。
図1に示すように、除菌環境維持システム10は、除菌装置100と、作業室200と、排出装置300と、供給装置310とを備える。
[1−1.作業室]
作業室200は、排出口201と、吸気口202とを有する筐体である。例えば、作業室200は、細胞、微生物などの培養物の培養を行う培養室である。具体的には、作業室200は、図2に示すようなグローブボックスであり、外気と遮断された状況下で作業が可能となるように、内部に手だけが入れられるように設計された容器である。例えば、作業室200の内圧は、大気圧より少し高い圧力に保たれている。
排出口201は、作業室200内の気体を外部に排出するための開口部である。排出口201は、例えば、排出装置300の動作に連動して開閉可能である。排出口201は、例えば、作業室200の下部に設けられている。
吸気口202は、作業室200内に気体を外部から導入するための開口部である。吸気口202は、例えば、供給装置310の動作に連動して開閉可能である。吸気口202は、例えば、作業室200の上部に設けられている。
なお、排出口201及び吸気口202が設けられる位置は、上記の例に限らない。例えば、排出口201及び吸気口202は、作業室200の上面、側面、下面のいずれに設けられてもよい。また、作業室200は、排出口201及び吸気口202の一方又は両方を複数有してもよい。また、排出口201及び吸気口202には、気体中の水分を吸収するフィルタなどを設けてもよい。
[1−2.排出装置]
排出装置300は、排出口201を介して作業室200内の気体を排出する装置である。具体的には、排出装置300は、作業室200内に気化した殺菌成分などを含む気体を、排出口201を介して作業室200の外部へ排出する。例えば、排出装置300は、ファンなどの空気を送る送風機である。
[1−3.供給装置]
供給装置310は、吸気口202を介して作業室200内に気体を供給する装置である。具体的には、供給装置310は、作業室200の外部の空気を、吸気口202を介して作業室200内に供給する。例えば、供給装置310は、ファンなどの空気を送る送風機である。
供給装置310は、排出装置300とともに、作業室200内に気体の流れを作ることができる。これにより、作業室200内に気化した殺菌成分は、気体の流れに沿って排出口201から作業室200の外部へ排出される。このように、気体の流れを作ることにより作業室200内の気体を排出する処理を、以下では、「エアレーション」と記載する場合がある。
[2.除菌装置]
除菌装置100は、殺菌成分を用いて作業室200内を除菌し、除菌に用いた殺菌成分を除去する装置である。図1に示すように、除菌装置100は、殺菌成分除去装置110と、殺菌成分源140とを備える。
[2−1.殺菌成分除去装置]
殺菌成分除去装置110は、殺菌成分が噴霧された作業室200内の殺菌成分を除去する装置である。殺菌成分除去装置110は、噴霧器120と、液体源130と、配管部150とを備える。
[2−1−1.噴霧器]
噴霧器120は、殺菌成分とは異なる霧状の液体を作業室200内に供給する第1噴霧器の一例である。例えば、噴霧器120は、スプレーノズルを備え、数ミクロンから数十ミクロン程度に細かい霧状の液体を作業室200内に噴霧(ミスト散布)する。
具体的には、噴霧器120には、液体源130に貯められた液体が、配管部150を介して供給される。そして、噴霧器120は、供給された液体を霧状にして作業室200内に噴霧する。例えば、噴霧器120は、霧状の純水を作業室200内に噴霧する。
また、噴霧器120は、さらに、霧状の殺菌成分を作業室200内に供給する。具体的には、噴霧器120には、殺菌成分源140に貯められた液体状の殺菌成分が、配管部150を介して供給される。そして、噴霧器120は、供給された液体状の殺菌成分を霧状にして作業室200内に噴霧する。
[2−1−2.液体源]
液体源130は、液体を噴霧器120に供給する。液体源130は、例えば、液体を貯めるタンクなどの箱状体である。図1に示すように、液体源130は、作業室200の外部に配置されている。なお、液体源130は、作業室200内に配置されてもよい。液体源130と噴霧器120とは、配管部150によって接続されている。
液体は、殺菌成分の気化を促進するための液体である。つまり、液体が殺菌成分に接触することで、例えば、殺菌成分の蒸発温度が下がり、殺菌成分の気化が促進される。一例として、液体は、殺菌成分と混合することで共沸を引き起こすような物質でもよい。
液体は、例えば、水(純水、HO)である。なお、液体は、純水ではなく、水道水でもよく、あるいは、予め所定の化合物を含んだ水でもよい。例えば、液体は、液化した殺菌成分の気化を促進する物質を含んでもよい。気化を促進する物質は、例えば、硝酸などである。また、例えば、気化を促進する物質は、対象の殺菌成分を溶かすことができ、かつ、沸点を下げることが可能な物質であり、具体的には、アルコールでもよい。
液体源130は、例えば、配管部150に液体を送り出すためのポンプなどの送液装置を備える。これにより、液体源130は、配管部150を介して噴霧器120に液体を供給することができる。
[2−1−3.配管部]
配管部150は、例えば、パイプ、チューブ又はホースなどの管状の部材から構成される。また、配管部150は、三叉に分岐しており、噴霧器120、液体源130及び殺菌成分源140のそれぞれに接続されている。つまり、配管部150は、液体源130に貯められた液体、及び、殺菌成分源140に貯められた殺菌成分を噴霧器120に供給するための経路を構成している。
なお、配管部150の分岐と液体源130との間には、殺菌成分源140から供給される殺菌成分が液体源130に混入しないように、例えば、弁などが設けられている。同様に、配管部150の分岐と殺菌成分源140との間にも、液体源130から供給される液体が殺菌成分源140に混入しないように、例えば、弁などが設けられている。
[2−2.殺菌成分源]
殺菌成分源140は、殺菌成分を噴霧器120に供給する。殺菌成分源140は、例えば、殺菌成分を貯めるタンクなどの箱状体である。図1に示すように、殺菌成分源140は、作業室200の外部に配置されている。なお、殺菌成分源140は、作業室200内に配置されてもよい。殺菌成分源140と噴霧器120とは、配管部150によって接続されている。
殺菌成分は、例えば、過酸化水素水(H)である。殺菌成分は、作業室200内の除菌を行うための成分を含む液体又はガスである。例えば、殺菌成分は、塩素(Cl)などでもよい。あるいは、殺菌成分は、エチレンオキサイド、ホルマリン、グルタルアルデヒド、過酢酸などでもよい。
殺菌成分源140は、例えば、配管部150に殺菌成分を送り出すためのポンプなどの送液装置を備える。これにより、殺菌成分源140は、配管部150を介して噴霧器120に殺菌成分を供給することができる。
[3.液体の揮発時間]
続いて、本実施の形態に係る液体及び殺菌成分の揮発時間について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る水及び過酸化水素水の揮発時間の比較結果を示す図である。
ここでは、ガラス基板上に1滴(3μl、5μl、10μl)の水及び過酸化水素水(35%)を滴下し、室温で放置し、蒸発するまでの時間を測定した。なお、後で説明するプラズマ処理水も比較のために示している。
図3に示すように、過酸化水素水が蒸発するには、水及びプラズマ処理水のおよそ5倍の時間を要することが分かる。なお、プラズマ処理水を用いる例については、実施の形態2で詳細に説明する。
[4.動作]
続いて、本実施の形態に係る除菌環境維持システム10の動作について、図4〜図6Dを用いて説明する。まず、除菌環境維持システム10の全体の動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態に係る除菌環境維持システム10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、図4に示すように、噴霧器120が殺菌成分を作業室200内に供給する(S100)。具体的には、殺菌成分源140が、一定期間、又は、一定量の殺菌成分を噴霧器120に供給する。噴霧器120は、供給された殺菌成分を作業室200内に噴霧する。
作業室200内に殺菌成分を供給した後、所定の期間(殺菌期間)待機する(S110)。具体的には、作業室200内に供給された殺菌成分が作業室200内を除菌するのに十分な期間だけ待機する。例えば、殺菌期間は、15分である。なお、作業室200内に噴霧された殺菌成分は、一部が気化して作業室200内に溜まっていく。
そして、殺菌期間の経過後、殺菌成分除去装置110が、殺菌成分を除去する(S120)。つまり、殺菌成分除去装置110は、作業室200内の殺菌成分を、培養物に影響を与えない程度まで十分に低減する。
殺菌成分を除去する方法は、以下に示す第1モードから第4モードの4つのモードがある。以下では、4つのモードについて図4を参照しながら図5A〜図6Dを用いて順に説明する。
[4−1.第1モード(排出→噴霧+排出)]
まず、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第1モードについて、図5A及び図6Aを用いて説明する。第1モードでは、最初に気体の排出を行った後、気体の排出を行いながら霧状の液体の供給(すなわち、殺菌成分の気化の促進)を行う。
図5Aは、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第1モードを示すフローチャートである。図6Aは、第1モードにおける作業室200内の工程毎の様子を示す図である。
図6Aの(a)に示すように、噴霧器120が殺菌成分(H)を作業室200内に供給する(図4のS100)。所定の殺菌期間、待機(そのまま放置)することで(S110)、図6Aの(b)に示すように、作業室200内には、噴霧された殺菌成分が気化することにより、作業室200内に気体の殺菌成分が充満する。殺菌期間は、例えば、10〜15分である。これにより、殺菌成分が作業室200内に行き渡り、作業室200を適切に除菌することができる。
殺菌期間の経過後、除菌環境維持システム10では、除菌に用いた殺菌成分の除去を行う(S120)。
図5Aに示すように、まず、気体の供給及び排出(すなわち、エアレーション)を開始する(S121)。具体的には、供給装置310が作業室200内に気体を供給するとともに、排出装置300が作業室200内の気体を排出する。これにより、図6Aの(c)に示すように、作業室200内に放出された気化した殺菌成分が外部に排出される。
所定の排出期間、そのまま待機することで(S122)、図6Aの(d)に示すように、作業室200内の殺菌成分は低減される。排出期間は、例えば、5〜10分である。なお、このとき、まだ気化していない殺菌成分、すなわち、液化した殺菌成分が作業室200内に残っている。
次に、図6Aの(e)に示すように、噴霧器120が霧状の液体の噴霧を開始する(S123)。このとき、エアレーションは行ったままである。そして、所定の噴霧期間、そのまま待機する(S124)。つまり、霧状の液体の噴霧、すなわち、殺菌成分の気化の促進と、気体の排出とを同時に行う。噴霧期間は、例えば、3分である。液体の噴霧量は、例えば、5mlである。これにより、液化したままの殺菌成分の気化が促進されて、作業室200内に気化した殺菌成分が放出される。
そして、最後に、霧状の液体の供給とエアレーションとを停止する(S125)。具体的には、噴霧器120が液体の噴霧を停止し、供給装置310が作業室200内への気体の供給を停止し、排出装置300が作業室200内からの気体の排出を停止する。なお、排出装置300及び供給装置310は、噴霧器120が液体の噴霧を停止した後、所定の期間(例えば、10分など)を経過後にエアレーションを停止してもよい。
なお、第1モードにおいて、気体の供給及び排出の停止、すなわち、エアレーションの停止とは、気体の流れを完全に停止させることを必ずしも意味しない。実際には、わずかに気体の供給及び排出を行うことで、作業室200の内部と外部との間で空気を循環させている。なお、後述する他のモードについても同様である。
なお、エアレーションの停止中、すなわち、わずかに空気が循環される状態で、例えば、培養物の培養などが行われる。つまり、エアレーションが停止され、かつ、殺菌成分及び液体が噴霧されていない状態が、除菌環境維持システム10における通常モード(培養モード)である。
以上のように、第1モードでは、液体供給ステップ、すなわち、噴霧期間(S124)の前に、霧状の液体を作業室200内に供給することなく、作業室200内の気体を排出口201から排出する気体排出ステップ、すなわち、排出期間(S122)を含む。
これにより、作業室200内の気体の排出を行いながら、噴霧器120が霧状の液体を噴霧して殺菌成分の気化を促進するので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。また、最初に、充満した殺菌成分を排出することで、液化した殺菌成分を効果的に気化させることができる。
[4−2.第2モード(噴霧+排出)]
次に、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第2モードについて、図5B及び図6Bを用いて説明する。第2モードでは、最初から気体の排出と霧状の液体の供給とを同時に行う。
図5Bは、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第2モードを示すフローチャートである。図6Bは、第2モードにおける作業室200内の工程毎の様子を示す図である。なお、殺菌期間が経過するまでの処理は第1モードと同じであるので、説明を省略する(図4、図6Bの(a)及び(b)を参照)。
図5Bに示すように、まず、霧状の液体の供給と、気体の供給及び排出とを開始する(S221)。具体的には、図6Bの(c)に示すように、供給装置310が作業室200内に気体を供給するとともに、排出装置300が作業室200内の気体を排出し、かつ、噴霧器120が霧状の液体を作業室200内に供給する。つまり、作業室200内のエアレーションを開始すると同時に、噴霧器120による霧状の液体の供給、すなわち、殺菌成分の気化の促進を開始する。
そして、所定の噴霧期間、そのまま待機する(S124)。つまり、霧状の液体の噴霧、すなわち、殺菌成分の気化の促進と、気体の排出とを同時に行う。
最後に、霧状の液体の供給とエアレーションとを停止する(S125)。具体的には、噴霧器120が液体の噴霧を停止し、供給装置310が作業室200内への気体の供給を停止し、排出装置300が作業室200内からの気体の排出を停止する。なお、液体の噴霧を停止した後、一定期間経過後にエアレーションを停止してもよい。
以上のように、第2モードでは、液体供給ステップ、すなわち、噴霧期間(S124)では、作業室200内の気体を排出口201から排出しながら、霧状の液体を作業室200内に供給する。
これにより、作業室200内の気体の排出を行いながら、噴霧器120が霧状の液体を噴霧して殺菌成分の気化を促進するので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
[4−3.第3モード(間欠)]
次に、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第3モードについて、図5C及び図6Cを用いて説明する。第3モードでは、気体の排出を行っている間に、間欠的に霧状の液体を供給する。
図5Cは、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第3モードを示すフローチャートである。図6Cは、第3モードにおける作業室200内の工程毎の様子を示す図である。なお、噴霧期間が経過するまでの処理(S124まで)は第1モードと同じであるので、説明を省略する(図4、図6Cの(a)〜(e)を参照)。
図5Cに示すように、所定の噴霧期間、霧状の液体の噴霧を行った後、霧状の液体の供給のみを停止する(S325)。具体的には、図6Cの(d)に示すように、供給装置310は作業室200内に気体を供給し続け、かつ、排出装置300は作業室200内の気体を排出し続けた状態で、噴霧器120が液体の噴霧を停止する。これにより、霧状の液体の噴霧によって放出された気体の殺菌成分を作業室200外へ排出する。
殺菌成分の除去処理が終了でなければ(S126でNo)、エアレーションを維持(S122)したまま、噴霧の開始(S123)、待機(S124)、噴霧の終了(S325)を繰り返す。除去処理を終了するか否かの判断基準は、例えば、除去処理の開始からの時間などである。例えば、除去処理の開始から予め定められた期間が経過した場合に、除去処理を終了する。
あるいは、判断基準は、霧状の液体を噴霧した回数でもよい。例えば、予め定められた回数の噴霧を行った後に、除去処理を終了してもよい。また、判断基準は、殺菌成分の濃度でもよい。例えば、除菌環境維持システム10が殺菌成分の濃度を測定するセンサを備えていてもよい。この場合、殺菌成分の濃度が十分に低下したことを検知した場合に、除菌処理を終了してもよい。
除菌処理を終了する場合(S126でYes)、一定期間、そのまま待機した後(S127)、気体の供給及び排出を停止する(S128)。なお、一定期間そのまま待機するのは、最後の噴霧により気化した殺菌成分を排出するためである。
以上のように、第3モードでは、気体排出ステップ、すなわち、排出期間(S122)と、液体供給ステップ、すなわち、噴霧期間(S124)とを繰り返す。
これにより、気体の排出を行いながら液体の噴霧を間欠的に行うことで、殺菌成分の気化を促進しつつ、効果的に気体を排出することができるので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
[4−4.第4モード(気流条件)]
次に、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第4モードについて、図5D及び図6Dを用いて説明する。第4モードでは、殺菌成分を噴霧するときの気流の条件と、霧状の液体を噴霧するときの気流の条件とを同じにする。
図5Dは、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法の第4モードを示すフローチャートである。図6Dは、第4モードにおける作業室200内の工程毎の様子を示す図である。なお、排出期間が経過するまでの処理(S122まで)は第1モードと同じであるので、説明を省略する(図4、図6Dの(a)〜(d)を参照)。
図5Dに示すように、所定の排出期間、気体の排出を行った後、気体の供給と排出とを停止する(S128)。具体的には、供給装置310が作業室200内への気体の供給を停止し、かつ、排出装置300が作業室200内の気体の外部への排出を停止する。
そして、図6Dの(e)に示すように、噴霧器120が霧状の液体の噴霧を開始する(S123)。そして、所定の噴霧期間、そのまま待機する(S424)。エアレーションは停止されているので、噴霧期間中は、作業室200内への霧状の液体の噴霧のみが行われる。そして、噴霧期間の経過後に、噴霧器120は、液体の噴霧を停止する(S425)。
殺菌成分の除去処理が終了でなければ(S126でNo)、エアレーション(S121、S122及びS128)と霧状の液体の噴霧(S123、S424及びS425)とを繰り返す。
除菌処理を終了する場合(S126でYes)、一定期間、気体の供給及び排出を行った後、気体の供給及び排出を停止する(S429)。
以上のように、第4モードでは、液体供給ステップ、すなわち、噴霧期間(S424)では、作業室200内の気体の流れが、殺菌成分が作業室200内に供給されたときの気体の流れと同じ状況下で、霧状の液体を作業室200内に供給する。
具体的には、図6Dの(a)及び(e)に示すように、噴霧器120が殺菌成分を噴霧する期間と、噴霧器120が液体を噴霧する期間とでは、作業室200内の気体の流れが同じである。例えば、殺菌成分の噴霧中、及び、液体の噴霧中は、エアレーションが停止されている。このとき、上述したように、実際には、わずかに気体の供給及び排出を行うことで、作業室200の内部と外部との間で空気を循環させている。このように、作業室200内で気体の流れがほとんどない状態で、殺菌成分の噴霧と霧状の液体の噴霧とを行う。
これにより、殺菌成分と霧状の液体とをほとんど同じ場所に噴霧することができるので、殺菌成分と液体との接触確率を高めることができる。したがって、殺菌成分の気化がより促進されて、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
[5.効果など]
続いて、本実施の形態に係る殺菌成分除去装置110による効果について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7A及び図7Bは、本実施の形態に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図、及び、その一部拡大図である。具体的には、図7Bは、図7Aにおいて過酸化水素濃度が0〜10ppmの範囲を示している。
図7A及び図7Bは、第3モードで殺菌成分の除去を行った場合の殺菌成分(過酸化水素)の濃度を示している。12分頃から65分頃までエアレーションを行っており、この間に、4回、霧状の液体の噴霧を行っている。噴霧される液体は、約5mlの純水であり、約3分間で噴霧される。また、過酸化水素濃度は、作業室200内の濃度を示している。
なお、噴霧される液体の量は、例えば、作業室200の容積に依存する。具体的には、作業室200の容積が大きい程、噴霧器120は、多くの量の液体を噴霧する。例えば、噴霧される液体の量は、作業室200の容積に比例してもよい。例えば、噴霧器120は、作業室200の容積が20Lの場合に、5mlの液体を噴霧する。
図7Aに示すように、エアレーションの開始と略同時に過酸化水素濃度が急激に低下している。そして、霧状の液体の噴霧が行われる度に、過酸化水素濃度が上昇している。これにより、霧状の液体が噴霧されることで、液化していた過酸化水素が気化したことが分かる。気化した過酸化水素は、エアレーションにより作業室200外に排出されるので、過酸化水素濃度は、上昇後すぐに低下している。
霧状の液体の噴霧の回数を重ねる度に、過酸化水素濃度の上昇量は低下している。したがって、気化する過酸化水素の量、すなわち、液化している過酸化水素の量が低減していることが分かる。4回目の液体の噴霧の後は、過酸化水素濃度はほとんど上昇しておらず、液化した過酸化水素の量が十分に低減されていることが分かる。
なお、エアレーションの停止後、図7Bに示すように、残った過酸化水素の一部が気化して、過酸化水素濃度が上昇している。しかしながら、最終的には、液体を噴霧した場合の過酸化水素濃度(約6ppm)が、液体を噴霧しなかった場合の過酸化水素濃度(約7.5ppm)よりも低くなっている。
以上のように、本実施の形態に係る殺菌成分除去装置110は、排出口201を有し、殺菌成分が噴霧された作業室200内の殺菌成分を除去する殺菌成分除去装置110であって、殺菌成分とは異なる霧状の液体を作業室200内に供給する噴霧器120を備える。また、本実施の形態に係る殺菌成分除去方法は、排出口201を有し、殺菌成分が噴霧された作業室200内の殺菌成分を除去する殺菌成分除去方法であって、殺菌成分とは異なる霧状の液体を作業室200内に供給する液体供給ステップを含む。
これにより、霧状の液体により殺菌成分の気化を促進し、気化した殺菌成分を排出口201から排出することができる。したがって、より短期間で殺菌成分を除去することができる。
また、例えば、噴霧器120は、液化した殺菌成分の気化を促進する物質を含む霧状の液体を作業室200内に供給してもよい。
これにより、液体が気化を促進する物質を含むので、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、本実施の形態に係る除菌装置100は、殺菌成分除去装置110を備え、噴霧器120は、さらに、霧状の殺菌成分を作業室200内に供給する。
これにより、1つの噴霧器120が殺菌成分と液体とを噴霧するので、殺菌成分と液体とを同じように噴霧することができる。具体的には、殺菌成分と液体とを略同じ場所に噴霧することができる。したがって、液体と殺菌成分との接触確率を高めることができ、液体による殺菌成分の気化を促進することができる。
また、本実施の形態に係る除菌環境維持システム10は、殺菌成分除去装置110、又は、除菌装置100と、作業室200と、排出口201を介して作業室200内の気体を排出する排出装置300とを備える。
これにより、作業室200内の気体、具体的には、気化した殺菌成分を効率良く排出することができるので、殺菌成分の除去時間を短縮することができる。
また、例えば、除菌環境維持システム10は、さらに、作業室200内に気体を供給する供給装置310を備える。
これにより、作業室200内に気体の流れを作ることができ、より効率良く作業室200内の気体を排出することができる。
(実施の形態2)
[1.除菌環境維持システムの概要]
まず、実施の形態2に係る除菌環境維持システムの概要について、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態に係る除菌環境維持システム20を示す構成図である。なお、以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施の形態に係る除菌環境維持システム20は、実施の形態1に係る除菌環境維持システム10と比較して、除菌装置100の代わりに除菌装置400を備える点が異なっている。具体的には、除菌装置400は、殺菌成分除去装置110の代わりに、殺菌成分除去装置410を備える点が異なっている。図8に示すように、殺菌成分除去装置410は、図1に示す殺菌成分除去装置110と比較して、新たに配管部450と、プラズマ発生器460とを備える点が異なっている。
[1−1.配管部]
配管部450は、例えば、パイプ、チューブ又はホースなどの管状の部材から構成される。配管部450は、プラズマ発生器460と液体源130とを接続する。このとき、配管部450は、液体源130に貯められる液体を循環させる循環経路を構成する。プラズマ発生器460は、この循環経路上に設けられている。
具体的には、配管部450は、液体源130に貯められる液体をプラズマ発生器460に供給し、かつ、プラズマ発生器460によって処理された液体(プラズマ処理液)を液体源130に供給する。
[1−2.プラズマ発生器]
プラズマ発生器460は、配管部450を介して供給される液体中にプラズマを発生させる。プラズマ発生器460は、液体中にプラズマを発生させることで、液体に活性種を供給する。なお、プラズマ発生器460は、液体源130に貯められる液体に直接プラズマを発生させてもよい。つまり、殺菌成分除去装置410は、配管部450を備えていなくてもよい。
例えば、プラズマ発生器460は、所定の間隔をあけて配置された一対の放電電極(高電圧用電極及び低電圧用電極)を備える。一対の放電電極は、配管部450内に露出している。言い換えると、一対の放電電極は、液体の循環経路上に設けられている。プラズマ発生器460は、例えば、一対の放電電極間に2〜50kV/cm、100Hz〜20kHzの負極性の高電圧パルスを印加することで、液体中に放電を行う。
この放電のエネルギーによる液体中の水分の蒸発、及び、放電により発生する衝撃波による水分の気化により、液体中の一対の放電電極付近に気泡が発生する。プラズマ発生器460は、当該気泡内にプラズマを発生させ、発生させたプラズマによって活性種を生成し、液体に供給する。
活性種は、例えば、ヒドロキシルラジカル(OH)(以降、「OHラジカル」と記載)、オゾン、スーパーオキシドアニオン(O )、ヒドロペルオキシルラジカル(HO)、NOラジカル、亜硝酸(HNO)、水素ラジカル(H)、酸素ラジカル(O)、一価酸素イオン(O)などである。
また、プラズマ発生器460は、活性種を供給するだけでなく、殺菌成分の気化を促進する物質を液体に供給する。例えば、プラズマ発生器460は、プラズマを発生させた時に液体に硝酸などを供給する。
これにより、液体源130には、活性種と、殺菌成分の気化を促進する物質とを含む液体が貯められる。具体的には、液体源130には、OHラジカル及び硝酸を含むプラズマ処理水が貯められる。したがって、本実施の形態では、噴霧器120は、プラズマ処理水を作業室200内に噴霧する。
[2.プラズマ処理水]
ここで、本実施の形態に係るプラズマ処理水による殺菌成分(過酸化水素)の低減効果について、図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態に係るプラズマによる過酸化水素の低減効果を示す図である。具体的には、図9は、4mlの純水又はプラズマ処理水に約280ppmの過酸化水素を供給して、数分放置した後の過酸化水素濃度を測定した結果を示している。
図9に示すように、純水中の過酸化水素濃度に大きな変化はない。これに対して、数分放置しただけで、プラズマ処理水中の過酸化水素濃度は大きく低下している。これにより、プラズマ処理水によって、過酸化水素の分解が進んでいることが分かる。したがって、過酸化水素を分解することで、より短期間で殺菌成分の除去を行うことができる。
[3.効果など]
続いて、本実施の形態に係る殺菌成分除去装置410による効果について、図10A及び図10Bを用いて説明する。図10A及び図10Bは、本実施の形態に係る過酸化水素濃度の時間変化を示す図、及び、その一部拡大図である。具体的には、図10Bは、図10Aにおいて過酸化水素濃度が0〜10ppmの範囲を示している。
図10A及び図10Bは、図7A及び図7Bの場合と同じ状況下で殺菌成分の除去を行った場合について示している。図10Aに示すように、霧状のプラズマ処理水が噴霧された後、過酸化水素濃度が上昇している。
ここで、図7Aの場合とは異なり、2回目以降のプラズマ処理水の噴霧では、ほとんど過酸化水素濃度が上昇していない。したがって、1回目のプラズマ処理水の噴霧によって、純水の場合よりも、より多くの過酸化水素が気化又は分解されたことが分かる。
また、図10Bに示すように、最終的には、プラズマ処理水を噴霧した場合の過酸化水素濃度が、液体を噴霧しなかった場合の過酸化水素濃度よりも低くなっている。また、図7Bと比較して分かるように、プラズマ処理水を噴霧した場合の過酸化水素濃度(約4ppm)は、純水を噴霧した場合の過酸化水素濃度(約6ppm)よりも低くなっている。
以上のように、本実施の形態に係る殺菌成分除去装置410では、噴霧器120は、殺菌成分を分解する活性種を含む霧状の液体を作業室200内に供給する。
これにより、殺菌成分の気化を促進するだけでなく、殺菌成分を活性種によって分解することで、殺菌成分の除去時間をさらに短縮することができる。
また、例えば、殺菌成分除去装置410は、さらに、液体を噴霧器120に供給する液体源130と、プラズマを発生することで、液体源130に貯められた液体内に活性種を生成させるプラズマ発生器460とを備える。
これにより、プラズマにより活性種を効率良く生成することができるので、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
[4.気体供給器を備えるプラズマ発生器]
なお、プラズマの発生を促進するために、プラズマ発生器460に気体供給器が設けられていてもよい。気体供給器は、例えば、ポンプなどであり、空気などの気体を液体中に供給することで、液体中に気泡を生成する。気体供給器は、空気ではなく、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス又は酸素ガスなどを供給してもよい。
気体供給器は、具体的には、プラズマ発生器460の一対の放電電極間に空気を供給する。そして、プラズマ発生器460は、気体供給器によって生成される気泡中に放電することで、プラズマを発生させる。なお、気体供給器は、例えば、プラズマ発生器460の放電の開始より前に、又は、放電の開始と同時に、気体の供給を開始する。
ここで、気体供給器が設けられた場合のプラズマ発生器460の詳細な構成について、図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態に係るプラズマ発生器460を示す構成図である。
図11に示すように、プラズマ発生器460は、電源500と、第1電極部510と、第2電極部520とを備える。
電源500は、第1電極部510と第2電極部520との間に電圧を印加する。例えば、電源500は、第1電極部510と第2電極部520との間に2〜50kV/cm、100Hz〜20kHzの負極性の高電圧パルスを印加する。
第1電極部510は、一対の放電電極の一方である。第1電極部510の一部が、液体中に露出している。例えば、第1電極部510は、配管部450の壁を貫通するように設けられている。
また、第1電極部510には、気体供給器470が接続されている。気体供給器470から供給される気体は、第1電極部510が液体中に露出した部分近傍に気泡として発生する。詳細な構成については、図12A及び図12Bを用いて後で説明する。
第2電極部520は、一対の放電電極の他方である。第2電極部520の一部が、液体中に露出している。例えば、第2電極部520は、配管部450の壁を貫通するように設けられている。第1電極部510と第2電極部520との間に高電圧が印加されることで、液体中にプラズマを発生する。なお、第2電極部520は、例えば、銅、アルミニウム又は鉄などで構成される。
ここで、第1電極部510の詳細な構成について、図12Aを用いて説明する。図12Aは、本実施の形態に係るプラズマ発生器460の電極部の一例を示す図である。
図12Aに示すように、第1電極部510は、金属電極部511と、金属ネジ部512と、絶縁体513と、保持ブロック514とを備える。
金属電極部511は、図11に示すように、配管部450内に配置される。つまり、金属電極部511は、配管部450内の液体中に露出している。金属電極部511は、金属ネジ部512に圧入することによって、一体化させて形成される。なお、金属電極部511は、絶縁体513の開口部518より外方に突出しないように設けられている。
金属電極部511は、例えば、直径0.95mmの棒状部材であり、タングステンから構成される。なお、金属電極部511の直径は、これに限らず、プラズマが発生する程度の直径であればよく、例えば、直径2mm以下でもよい。また、金属電極部511の材料は、タングステンに限らず、他の耐プラズマ性の金属材料でもよい。耐久性は悪化するが、金属電極部511は、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金から構成されてもよい。
金属ネジ部512は、例えば、直径3mmの棒状部材であり、鉄から構成される。なお、金属ネジ部512の直径は、これに限らず、例えば、金属電極部511より大きければよい。また、金属ネジ部512の材料も、鉄に限らず、例えば、一般的なネジに用いられる材料である、銅、亜鉛、アルミニウム、スズ及び真鍮などでもよい。なお、金属ネジ部512と金属電極部511とは、同一の材料、及び、同一のサイズで構成されてもよく、あるいは、異なる材料、及び、異なるサイズで構成されてもよい。
金属ネジ部512には、貫通孔515が形成されている。貫通孔515は、絶縁体513によって囲まれている空間516と繋がっている。気体供給器470から供給される気体は、貫通孔515を通って空間516に供給される。そして、貫通孔515から供給された気体によって、金属電極部511が覆われる。
ここで、金属ネジ部512に形成された貫通孔515が1つのみの場合、金属電極部511の重力方向に向かって下側から気体が供給されるように貫通孔515が形成される。これにより、金属電極部511を気体で覆いやすくすることができる。貫通孔515の直径は、例えば、0.3mmである。
金属ネジ部512の外周には、ネジ部517が設けられている。例えば、ネジ部517は、雄ネジである。
絶縁体513は、金属電極部511を囲うように設けられている。絶縁体513は、金属電極部511との間に空間516を形成する。例えば、絶縁体513は、内径が1mmの管状部材である。絶縁体513は、例えば、アルミナセラミックであるが、マグネシア、石英又は酸化イットリウムなどでもよい。
絶縁体513は、開口部518を有する。開口部518は、配管部450の液体中に気泡を発生させるときに、気泡の大きさを調整する。例えば、開口部518の直径は、絶縁体513の内径に等しく、1mmである。
なお、開口部518は、絶縁体513の端面に設けられているが、絶縁体513の側面に設けられてもよい。また、複数の開口部518が絶縁体513に設けられてもよい。
上述したように、気体供給器470から空間516内に供給された気体によって金属電極部511は覆われるので、金属電極部511は、配管部450内の液体に直接接触しない。これにより、金属電極部511は、容易に放電し、容易にプラズマを発生させることができる。
保持ブロック514は、金属ネジ部512及び絶縁体513を保持するための部材である。保持ブロック514には、ネジ部519が設けられている。ネジ部519は、例えば、雌ネジであり、金属ネジ部512のネジ部517と螺合する。金属ネジ部512を回転させることで、絶縁体513と金属電極部511との位置関係を調整することができる。
以上に示すように、気体供給器470は、プラズマ発生器460が備える一対の放電電極の一方(金属電極部511)の根元近傍に気体を供給する。これにより、金属電極部511を気体で覆うことができるので、放電を容易に行うことができ、容易にプラズマを発生させることができる。
なお、本実施の形態に係るプラズマ発生器460は、上述した第1電極部510の代わりに、図12Bに示す第1電極部510aを備えてもよい。
図12Bに示す第1電極部510aは、図12Aに示す第1電極部510aと比較して、金属電極部511及び金属ネジ部512の代わりに、金属電極部511a及び金属ネジ部512aを備える点が異なっている。以下では、異なる点を中心に説明する。
金属電極部511aは、中空状の電極である。例えば、金属電極部511aは、外形0.99mmのタングステン製のコイル状の電極である。なお、金属電極部511aは、コイル状に限らず、中空の棒状部材でもよい。
金属ネジ部512aは、例えば、直径1mmの大きな貫通孔515aが金属ネジ部512aの軸中心部分に形成されている。金属電極部511aは、例えば、貫通孔515aに螺合させて接続されている。
このように、貫通孔515aを大きくすることができるので、貫通孔515aを容易に形成することができ、製造コストを低減することができる。
以上のように、プラズマ発生器460が気体供給器470を備える場合は、供給された気体によって発生する気泡中にプラズマを発生させるので、プラズマを効率良く発生させることができる。したがって、例えば、短期間で多くの活性種を液体中に供給することができる。
(実施の形態3)
[1.除菌環境維持システムの概要]
まず、実施の形態3に係る除菌環境維持システムの概要について、図13A及び図13Bを用いて説明する。図13A及び図13Bはそれぞれ、本実施の形態に係る除菌環境維持システム30及び31を示す構成図である。
図13A及び図13Bに示す除菌環境維持システム30及び31ではそれぞれ、実施の形態1及び2に係る除菌環境維持システム10及び20と比較して、除菌装置が備える噴霧器の個数が異なっている。
具体的には、除菌環境維持システム30及び31はそれぞれ、除菌装置100及び400の代わりに、除菌装置600及び601を備える点が異なっている。より具体的には、除菌装置600及び601はそれぞれ、殺菌成分除去装置110及び410の代わりに、殺菌成分除去装置610及び611を備える点と、新たに、噴霧器621及び配管部651を備える点とが異なっている。殺菌成分除去装置610及び611はそれぞれ、噴霧器120及び配管部150の代わりに、噴霧器620及び配管部650を備える。
[1−1.噴霧器]
噴霧器620は、殺菌成分とは異なる霧状の液体を作業室200内に供給する第1噴霧器の一例である。噴霧器620は、噴霧器120と異なり、殺菌成分を噴霧せずに、霧状の液体のみを噴霧する。
例えば、図13Aに示す噴霧器620は、霧状の純水を噴霧する。また、図13Bに示す噴霧器620は、霧状のプラズマ処理水を噴霧する。
噴霧器621は、霧状の殺菌成分を作業室200内に供給する第2噴霧器の一例である。例えば、噴霧器621は、スプレーノズルを備え、数ミクロンから数十ミクロン程度に細かい霧状の殺菌成分を作業室200内に噴霧(ミスト散布)する。
具体的には、噴霧器621には、殺菌成分源140に貯められた液体状の殺菌成分が、配管部651を介して供給される。そして、噴霧器621は、供給された液体状の殺菌成分を霧状にして作業室200内に噴霧する。
[1−2.配管部]
配管部650及び651は、例えば、パイプ、チューブ又はホースなどの管状の部材から構成される。配管部650は、噴霧器620と液体源130とを接続する。配管部651は、噴霧器621と殺菌成分源140とを接続する。
したがって、配管部650内には、液体源130からの液体(純水又はプラズマ処理水)のみが流れる。また、配管部651内には、殺菌成分源140からの殺菌成分のみが流れる。よって、実施の形態1及び2とは異なり、配管部内で液体と殺菌成分とが接触することを防止することができる。
[2.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る除菌装置600又は601では、殺菌成分除去装置610と、霧状の殺菌成分を作業室200内に供給する噴霧器621とを備える。
これにより、噴霧前に殺菌成分と液体とが接触するのを防止することができるので、液体による促進効果をより高めることができる。したがって、殺菌成分の除去時間をより短縮することができる。
また、液体がプラズマ処理水である場合、殺菌成分と接触することにより、プラズマ処理水が殺菌成分を分解してしまう。これに対して、図13Bに示すように、2個の噴霧器と2本の配管部を備えることで、殺菌成分の噴霧前にプラズマ処理水に接触することを防止し、殺菌成分の殺菌力の低下を抑制することができる。
(変形例)
以下では、上記の実施の形態に係る除菌環境維持システムの変形例について、図14A及び図14Bを用いて説明する。図14A及び図14Bはそれぞれ、本変形例に係る除菌環境維持システム40及び41を示す構成図である。
本変形例に係る除菌環境維持システム40及び41はそれぞれ、図1及び図13Aに示す除菌環境維持システム10及び30と比較して、排出装置300と、供給装置310とを備えない点が異なっている。つまり、本変形例に係る除菌環境維持システム40及び41では、エアレーションを行わない。
この場合であっても気化した殺菌成分は、排出口201から作業室200の外部に排出される。液体を噴霧することで殺菌成分の気化を促進することができるので、液体を噴霧しない場合に比べて、短期間で殺菌成分を除去することができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記の実施の形態1では、殺菌成分除去装置110が噴霧器120を1つのみ備える例について説明したが、これに限らない。殺菌成分除去装置110は、複数の噴霧器120を備えてもよい。このとき、実施の形態3とは異なり、複数の噴霧器120が液体源130(及び、殺菌成分源140)に接続されて、液体(及び、殺菌成分)を噴霧する。これにより、単位時間当たりの噴霧量を増やすことができる。
また、例えば、上記の実施の形態1では、殺菌成分除去装置110が液体源130及び殺菌成分源140を1つずつ備える構成に付いて説明したが、これに限らない。殺菌成分除去装置110は、液体源130及び殺菌成分源140の少なくとも一方を複数備えてもよい。
例えば、殺菌成分除去装置110は、複数の液体源130と、複数の殺菌成分源140とを備えてもよい。このとき、噴霧器120は、液体及び殺菌成分を選択して噴霧してもよい。
例えば、複数の液体源130には、互いに異なる液体が貯められる。複数の液体源130のそれぞれに貯められる液体は、例えば、複数の殺菌成分源140に貯められる殺菌成分に対応する。具体的には、複数の液体源130のそれぞれに貯められる液体は、対応する殺菌成分の気化の促進効果が高い液体である。
例えば、上述したように、過酸化水素水を殺菌成分として用いる場合は、硝酸を含む水を気化促進用の液体として利用する。あるいは、ホルマリン(沸点が約100度)を殺菌成分として用いる場合は、より沸点の低いアルコールを気化促進用の液体として利用することができる。このとき、次亜塩素酸を利用することでホルマリンを分解することもできる。また、過酢酸(沸点が約105度)を殺菌成分として用いる場合は、水又はアルコールを気化促進用の液体として利用することができる。なお、エチレンオキサイドは、水を利用することで分解することもできる。
これにより、利用する殺菌成分に応じて液体を変更することができるので、気化の促進効果が高い液体を利用することができる。したがって、殺菌成分の気化をより促進し、殺菌成分の除去時間を低減することができる。
また、例えば、上記の各実施の形態では、液体源130及び殺菌成分源140がそれぞれ噴霧器120などに液体又は殺菌成分を供給する構成について説明したが、これに限らない。例えば、噴霧器120が、液体源130及び殺菌成分源140のそれぞれから液体又は殺菌成分を吸い上げるようにして取得してもよい。この場合、噴霧器120は、液体源130及び殺菌成分源140のいずれかを択一的に選んで、液体又は殺菌成分を取得する。
また、例えば、上記の実施の形態2では、プラズマ発生器460を用いて液体中に活性種を供給したが、これに限らない。プラズマに限らず、熱、光又は放射線などを利用して、活性種を発生させてもよい。
また、例えば、上記の各実施の形態では、噴霧器120を作業室200の上部に設ける例について説明したが、これに限らない。噴霧器120は、作業室200内に液体又は殺菌成分を噴霧することができれば、どこに配置されてもよい。例えば、作業室200の下部に設けられ、上方に向けて液体又は殺菌成分を噴霧してもよい。あるいは、吸気口202の近辺に設けられてもよい。この場合、噴霧した液体又は殺菌成分を、エアレーションによる気体の流れに乗せて作業室200内に供給することができる。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明は、より短期間で殺菌成分を除去することができる殺菌成分除去装置、除菌装置、除菌環境維持システム及び殺菌成分除去方法として利用でき、例えば、細胞などの培養装置、グローブボックス、インキュベータなどに利用することができる。
10、20、30、31、40、41 除菌環境維持システム
100、400、600、601 除菌装置
110、410、610、611 殺菌成分除去装置
120、620、621 噴霧器
130 液体源
140 殺菌成分源
150、450、650、651 配管部
200 作業室
201 排出口
202 吸気口
300 排出装置
310 供給装置
460 プラズマ発生器
470 気体供給器
500 電源
510、510a 第1電極部
520 第2電極部
511、511a 金属電極部
512、512a 金属ネジ部
513 絶縁体
514 保持ブロック
515、515a 貫通孔
516 空間
517、519 ネジ部
518 開口部

Claims (13)

  1. 排出口を有し、殺菌成分が噴霧された作業室内の前記殺菌成分を除去する殺菌成分除去装置であって、
    噴霧された前記殺菌成分が前記作業室内に液化して残った状態で、前記殺菌成分とは異なる霧状の液体を前記作業室内に噴霧する第1噴霧器を備える
    殺菌成分除去装置。
  2. 前記第1噴霧器は、液化した前記殺菌成分の気化を促進する物質を含む前記霧状の液体を前記作業室内に噴霧する
    請求項1に記載の殺菌成分除去装置。
  3. 前記第1噴霧器は、前記殺菌成分を分解する活性種を含む前記霧状の液体を前記作業室内に噴霧する
    請求項1又は2に記載の殺菌成分除去装置。
  4. 前記殺菌成分除去装置は、さらに、
    前記液体を前記第1噴霧器に供給する液体源と、
    プラズマを発生することで、前記液体源に貯められた前記液体内に前記活性種を生成させるプラズマ発生器とを備える
    請求項3に記載の殺菌成分除去装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺菌成分除去装置を備え、
    前記第1噴霧器は、さらに、霧状の前記殺菌成分を前記作業室内に噴霧する
    除菌装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺菌成分除去装置と、
    霧状の前記殺菌成分を前記作業室内に噴霧する第2噴霧器とを備える
    除菌装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺菌成分除去装置、又は、請求項5若しくは6に記載の除菌装置と、
    前記作業室と、
    前記排出口を介して前記作業室内の気体を排出する排出装置とを備える
    除菌環境維持システム。
  8. 前記除菌環境維持システムは、さらに、前記作業室内に気体を供給する供給装置を備える
    請求項7に記載の除菌環境維持システム。
  9. 排出口を有し、殺菌成分が噴霧された作業室内の前記殺菌成分を除去する殺菌成分除去方法であって、
    噴霧された前記殺菌成分が前記作業室内に液化して残った状態で、前記殺菌成分とは異なる霧状の液体を前記作業室内に噴霧する液体噴霧ステップを含む
    殺菌成分除去方法。
  10. 前記液体噴霧ステップでは、前記作業室内の気体を前記排出口から排出しながら、前記霧状の液体を前記作業室内に噴霧する
    請求項9に記載の殺菌成分除去方法。
  11. 前記殺菌成分除去方法は、さらに、
    前記液体噴霧ステップの前に、前記霧状の液体を前記作業室内に噴霧することなく、前
    記作業室内の気体を前記排出口から排出する気体排出ステップを含む
    請求項10に記載の殺菌成分除去方法。
  12. 前記気体排出ステップと、前記液体噴霧ステップとを繰り返す
    請求項11に記載の殺菌成分除去方法。
  13. 前記液体噴霧ステップでは、前記作業室内の気体の流れが、前記殺菌成分が前記作業室内に噴霧されたときの気体の流れと同じ状況下で、前記霧状の液体を前記作業室内に噴霧する
    請求項9に記載の殺菌成分除去方法。
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