JP6344351B2 - エンジンのオイルレベル計測装置 - Google Patents

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Description

ここに開示された技術は、エンジンのオイルレベル計測装置に関するものである。
従来より、エンジンのオイルパン内のオイルレベルを計測する計測装置が知られている。
例えば、特許文献1に係るオイルレベル計測装置は、オイルパン内のオイルレベルを実測するレベルセンサを備えている。さらに、このオイルレベル計測装置は、オイルレベルの計測精度を向上させるために、レベルセンサの実測値をエンジン回転速度及び油温に基づいて補正している。
特開2014−227942号公報
ところで、エンジン運転中においては、オイルパン内のオイルはエンジン内部に供給されており、その分だけオイルパン内のオイルレベルを低下する。特許文献1に係るオイルレベル計測装置は、前述の如く、レベルセンサの実測値をエンジン回転速度及び油温に基づいて補正しているものの、その計測精度にはさらなる改善の余地がある。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルレベルの計測精度を向上させることにある。
ここに開示された技術は、オイルパン内のオイルレベルをエンジン運転中に計測するオイルレベル計測装置が対象である。このオイルレベル計測装置は、オイルパン内のオイルレベルを実測するレベルセンサと、オイルポンプからエンジン内部に供給されるオイルの供給量を求める供給量取得部と、前記レベルセンサの実測値を前記供給量取得部により求められた供給量に基づいて補正することによって前記オイルパン内のオイルレベルを推定する推定部とを備え、前記オイルポンプは、容量が調整可能に構成されており、前記供給量取得部は、前記オイルポンプの容量と前記エンジンの回転速度とに基づいて前記供給量を求める
この構成によれば、供給量取得部がオイルポンプからエンジン内部に供給されるオイルの供給量を求める。そして、推定部は、求められた供給量に基づいてレベルセンサの実測値を補正する。つまり、エンジン内部に供給されるオイルの供給量に基づいてレベルセンサの実測値を補正するので、単にエンジン回転速度でレベルセンサの実測値を補正する場合と比べて、エンジン内部に循環又は残留しているオイル量の影響をより精度良く考慮して、オイルパン内のオイルレベルを計測することができる。
また、オイルポンプは、可変容量型である。このようなオイルポンプの吐出量は、オイルポンプの容量及びエンジン回転速度に応じて変化する。エンジン内部に供給されるオイルの供給量は、オイルポンプの吐出量と相関している。そのため、エンジン内部に供給されるオイルの供給量をオイルポンプの容量とエンジン回転速度とに基づいて求めることによって、オイルポンプの吐出量を考慮して、オイルの供給量を精度良く求めることができる。
また、オイルレベル計測装置は、オイルの粘度に関連する値を検出する粘度検出部をさらに備え、前記推定部は、前記供給量取得部により求められた前記供給量と前記粘度検出部の検出値とに基づいて前記レベルセンサの実測値を補正することによって前記オイルパン内のオイルレベルを推定するようにしてもよい。
この構成によれば、レベルセンサの実測値は、エンジン内部へのオイルの供給量だけでなく、オイルの粘度に基づいても補正される。オイルの粘度が低下すると、エンジン内部でのオイルの漏れ量が多くなり、エンジン内部からオイルパンへのオイルのリターン量が大きくなる。つまり、エンジン運転中においてエンジン内部に残留するオイルの残留量は、エンジン内部へのオイルの供給量とオイルパンへのリターン量との収支に依存する。前記の構成によれば、レベルセンサの実測値をオイルの粘度に基づいて補正するので、オイルパンへのリターン量も正確に考慮して、オイルレベルを推定することができる。
さらに、前記供給量取得部は、前記オイルポンプの容量と前記エンジンの回転速度と前記粘度検出部の検出値とに基づいて前記供給量を求めるようにしてもよい。
この構成によれば、オイルポンプの吐出量は、オイルポンプの容量、エンジン回転速度及びオイルの粘度に応じて変化する。エンジン内部に供給されるオイルの供給量は、オイルポンプの吐出量と相関している。そのため、エンジン内部に供給されるオイルの供給量をオイルポンプの容量とエンジン回転速度と粘度に関連する値とに基づいて求めることによって、オイルポンプの吐出量を考慮して、オイルの供給量を精度良く求めることができる。
また、前記粘度検出部は、オイルの粘度に関連する値としてオイルの油温を検出する油温検出部であってもよい。
油温は、オイルの粘度と相関がある。油温が高くなれば、粘度は低下する一方、油温が低くなれば、粘度は増大する。つまり、油温を検出することによって、実質的にオイルの粘度を検出することができる。それに加えて、油温は、オイルの体積とも相関がある。油温が高くなれば、オイルは膨張して体積が大きくなる一方、油温が低くなれば、オイルは収縮して体積が小さくなる。つまり、レベルセンサの実測値を油温に基づいて補正することによって、オイルの粘度と共にオイルの体積変動も考慮して、オイルレベルを精度良く推定することができる。
さらに、記油温検出部は、前記エンジン内部に供給されたオイルの油温を検出する第1油温センサと、前記オイルパン内のオイルの油温を検出する第2油温センサとを含んでいてもよい。
エンジン運転中においては、エンジン内部に供給されたオイルの油温とオイルパン内のオイルの油温とが異なり得る。具体的には、エンジン運転中はエンジンが高温となるため、エンジン内部に供給されたオイルの油温の方がオイルパン内のオイルの油温よりも高くなる。そして、エンジン内部でのオイルの漏れ量は、エンジン内部に供給されたオイルの油温により大きく依存する一方、オイルパン内のオイルの体積変動は、オイルパン内のオイルの油温に大きく依存する。つまり、第1油温センサと第2油温センサとで異なる場所の油温を検出することによって、エンジン内部でのオイルの漏れ量とオイルパン内でのオイルの体積変動とをそれぞれ適した油温を用いて考慮することができ、その結果、オイルレベルを精度良く推定することができる。
また、オイルレベル計測装置は、前記エンジン内部に供給されたオイルの油圧を検出する油圧検出部をさらに備え、前記推定部は、前記油圧検出部により検出された油圧が所定の閾値以下の場合にオイルレベルの推定を実行するようにしてもよい。
この構成によれば、オイルパン内の油面が比較的安定しているときにオイルレベルを実測及び推定するので、オイルレベルを精度良く計測することができる。つまり、油圧が高いときには、エンジン内部に供給されるオイルの供給量が多く、その分、オイルパン内のオイル量の変動も大きいので、オイルパン内の油面、即ち、オイルレベルの変動が比較的大きい。さらに、油圧が高いときはエンジンの運転状態が高負荷高回転の場合が多く、そのような場合にはクランクシャフトによるオイルパン内のオイルの攪拌も激しく、このことによってもオイルパン内の油面の変動が比較的大きくなる。油圧が低いときにオイルレベルの推定を実行することによって、油面の変動が大きい時にオイルレベルの実測及び推定を行うことを避けることができる。これにより、オイルレベルの計測精度をより向上させることができる。
前記オイルレベル計測装置によれば、オイルレベルの計測精度を向上させることができる。
図1は、エンジンの概略構成を示す図である。 図2は、オイル供給装置の油圧回路図である。 図3は、レベルセンサをオイルパン内に設けた様子を示すエンジンの部分断面図である。 図4は、レベルセンサの概略構成を示す縦断面図である。 図5は、図4のV−V線における断面図である。 図6は、ECUの油圧制御及びオイルレベル計測に関する機能ブロック図である。 図7は、吐出量マップのイメージ図である。 図8は、補正量マップのイメージ図である。 図9は、オイルパン内のオイル量に対するオイルレベルの関係であるオイルレベル特性を示す図である。 図10は、オイルレベル判定手順を示すフローチャートである。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るエンジン100の概略構成を示す。
エンジン100は、エンジン本体1と、エンジン本体1に空気を供給する吸気系と、エンジン本体1から排気ガスを排出する排気系と、大型ターボ過給機34及び小型ターボ過給機35と、エンジン本体1に潤滑油(以下、「オイル」という)を供給するオイル供給装置200(図1では、図示省略)と、後述するオイルパン13内のオイルレベルを計測するオイルレベル計測装置と、エンジン100の全体を制御するECU60とを備えている。
エンジン本体1は、軽油を主成分とした燃料が供給されるディーゼルエンジンである。エンジン本体1は、複数の気筒11a(1つのみ図示)が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、オイルが貯溜されたオイルパン13とを有している。このエンジン本体1の各気筒11a内には、ピストン14が往復動可能にそれぞれ嵌挿されていて、このピストン14の頂面にはリエントラント形の燃焼室14aを区画するキャビティが形成されている。このピストン14は、コンロッド14bを介してクランクシャフト15と連結されている。
シリンダヘッド12には、燃焼室14aに連通する吸気ポート16及び排気ポート17が形成されている。また、シリンダヘッド12には、燃料を噴射するインジェクタ18と、エンジン本体1の冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ19と、吸気ポート16を開閉する吸気バルブ110と、排気ポート17を開閉する111とが設けられている。インジェクタ18は、その燃料噴射口が燃焼室14aの天井面から該燃焼室14aに臨むように配設されている。
また、シリンダヘッド12には、吸気バルブ110及び排気バルブ111のそれぞれの弁特性を変更する可変バルブタイミング機構(以下、「VVT」と称する)が設けられている(図1では、図示省略)。吸気側VVTは電動式であり,排気側VVTは油圧式である。
さらに、シリンダヘッド12には、吸気バルブ110及び排気バルブ111のそれぞれのバルブクリアランスを油圧により自動的にゼロに調整する油圧ラッシュアジャスタ(Hydraulic Lash Adjuster、以下、「HLA」と称する)が設けられている(図1では、図示省略)。尚、第1気筒11a及び第4気筒11aに設けられたHLAは、それぞれ吸気バルブ110及び排気バルブ111の動作を停止させる弁停止機構を備えている。エンジン100は、全気筒運転時には、第1〜第4気筒11aの全ての吸気バルブ110及び排気バルブ111を作動させる一方、減気筒運転時には、第1及び第4気筒11aの吸気バルブ110及び排気バルブ111の作動を停止させ、第2及び第3気筒11aの吸気バルブ110及び排気バルブ111を作動させる。
エンジン本体1の一側面には、吸気系を構成する吸気通路20が各気筒11aの吸気ポート16に連通するように接続されている。一方、エンジン本体1の他側面には、排気系を構成する排気通路30が各気筒11aの排気ポート17に連通するように接続されている。
吸気系は、吸入空気を濾過するエアクリーナ21と、空気を冷却するインタークーラ22と、前記各気筒11aの燃焼室14aへの吸入空気量を調節するスロットル弁23と、サージタンク24とを含んでいる。サージタンク24よりも下流側の吸気通路20は、各気筒11a毎に分岐する独立通路とされ、これら各独立通路の下流端が各気筒11aの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。
排気系は、排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置31と、サイレンサ32とを含んでいる。排気通路30の上流側の部分は、各気筒11a毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該各独立通路が集合する集合部とを含んでいる。排気浄化装置31は、酸化触媒31aと、DPF31bとを有しており、上流側から、この順に並んでいる。酸化触媒31aは、排気ガス中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOが生成する反応を促すものである。DPF31bは、エンジン100の排気ガス中に含まれる煤等のPMを捕集するものであって、例えば、炭化ケイ素(SiC)やコーディエライト等の耐熱性セラミック材によって形成されたウォールフロー型フィルタ、或いは耐熱性セラミックス繊維によって形成された三次元網目状フィルタである。
吸気通路20と排気通路30とは、排気ガスの一部を吸気通路20に還流するためのEGR通路33によって接続されている。このEGR通路33には、排気ガスの吸気通路20への還流量を調整するためのEGR弁33a及び排気ガスをエンジン冷却水によって冷却するためのEGRクーラ33bとが配設されている。
大型ターボ過給機34は、吸気通路20に配設された大型コンプレッサ34aと、排気通路30に配設された大型タービン34bとを有している。大型コンプレッサ34aは、吸気通路20におけるエアクリーナ21とインタークーラ22との間に配設されている。一方、大型タービン34bは、排気通路30における排気マニホールドと酸化触媒31aとの間に配設されている。
小型ターボ過給機35は、吸気通路20に配設された小型コンプレッサ35aと、排気通路30に配設された小型タービン35bとを有している。小型コンプレッサ35aは、吸気通路20における大型コンプレッサ34aの下流側に配設されている。一方、小型タービン35bは、排気通路30における大型タービン34bの上流側に配設されている。
小型ターボ過給機35は、相対的に小型のものであり、大型ターボ過給機34は、相対的に大型のものである。すなわち、大型ターボ過給機34の大型タービン34bの方が小型ターボ過給機35の小型タービン35bよりもイナーシャが大きい。
吸気通路20には、小型コンプレッサ35aをバイパスする小型吸気バイパス通路36が接続されている。この小型吸気バイパス通路36には、該小型吸気バイパス通路36へ流れる空気量を調整するための小型吸気バイパス弁36aが配設されている。
排気通路30には、小型タービン35bをバイパスする小型排気バイパス通路37と、大型タービン34bをバイパスする大型排気バイパス通路38とが接続されている。小型排気バイパス通路37には、該小型排気バイパス通路37へ流れる排気量を調整するためのレギュレートバルブ37aが配設され、大型排気バイパス通路38には、該大型排気バイパス通路38へ流れる排気量を調整するためのウエストゲートバルブ38aが配設されている。
〈オイル供給装置〉
次に、オイル供給装置200について図2を参照しながら説明する。図2に、オイル供給装置200の油圧回路図を示す。
オイル供給装置200は、クランクシャフト15によって回転駆動される可変容量型のオイルポンプ41と、オイルポンプ41に接続され、オイルが流通する給油路5とを有している。オイルポンプ41は、エンジン100による駆動される補機である。
オイルポンプ41は、公知の可変容量型のオイルポンプであり、クランクシャフト15により駆動される。オイルポンプ41は、シリンダブロック11の下面に取り付けられ、オイルパン13内に収容された状態となっている。詳しくは、オイルポンプ41は、クランクシャフト15に回転駆動される駆動シャフト41aと、駆動シャフト41aに連結されたロータ41bと、ロータ41bから半径方向へ進退自在に設けられた複数のベーン41cと、前記ロータ41b及びベーン41cを収容し、ロータ41bの回転中心に対する偏心量が調整されるように構成されたカムリング41dと、ロータ41bの回転中心に対する偏心量が増大する方向へカムリング41dを付勢するスプリング41eと、ロータ41bの内側に配置されたリング部材41fと、ロータ41b、ベーン41c、カムリング41d、スプリング41e及びリング部材41fを収容するハウジング41gとを有している。
図示は省略するが、駆動シャフト41aの一端部は、ハウジング41gの外方へ突出し、該一端部には、従動スプロケットが連結されている。従動スプロケットには、タイミングチェーンが巻回されている。このタイミングチェーンは、クランクシャフト15の駆動スプロケットにも巻回されている。こうして、ロータ41bは、タイミングチェーンを介してクランクシャフト15に回転駆動される。
ロータ41bが回転する際に各ベーン41cは、カムリング41dの内周面上を摺動する。これにより、ロータ41b、隣り合う2つのベーン41c、カムリング41d及びハウジング41gによってポンプ室(作動油室)41iが区画される。
ハウジング41gには、ポンプ室41i内へオイルを吸入する吸入口41jが形成されると共に、ポンプ室41iからオイルが吐出される吐出口41kが形成されている。吸入口41jには、オイルストレーナ41lが接続されている。オイルストレーナ41lは、オイルパン13に貯留されたオイルに浸漬されている。つまり、オイルパン13に貯留されたオイルがオイルストレーナ41lを介して吸入口41jからポンプ室41i内へ吸入される。一方、吐出口41kには、給油路5が接続されている。つまり、オイルポンプ41により昇圧されたオイルは、吐出口41kから給油路5へ吐出される。
カムリング41dは、所定の支点回りに揺動するようにハウジング41gに支持されている。スプリング41eは、該支点回りの一方側へカムリング41dを付勢している。また、カムリング41dとハウジング41gとの間には圧力室41mが区画される。圧力室41mには、外部からオイルが供給されるように構成されている。カムリング41dには、圧力室41m内のオイルの油圧が作用している。そのため、カムリング41dは、スプリング41eの付勢力と圧力室41mの油圧とのバランスに応じて揺動し、ロータ41bの回転中心に対するカムリング41dの偏心量が決まる。カムリング41dの偏心量に応じて、オイルポンプ41の容量が変化し、オイルの吐出量が変化する。
圧力室41mには、後述するオイル制御弁44からオイルが供給される。つまり、オイルポンプ41は、オイル制御弁44によって容量が制御される。
給油路5は、パイプ並びに、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12に穿設された流路で形成されている。給油路5は、シリンダブロック11において気筒列方向に延びるメインギャラリ5aと、オイルポンプ41とメインギャラリ5aとを接続する第1連通路5bと、メインギャラリ5aからシリンダヘッド12まで延びる第2連通路5cと、シリンダヘッド12において吸気側と排気側との間を略水平方向に延びる第3連通路5dと、メインギャラリ5aから分岐する制御用給油路5eと、第3連通路5dから分岐する第1〜第5給油路5f〜5jとを有している。
第1連通路5bは、オイルポンプ41の吐出口41kに接続されている。第1連通路5bには、オイルフィルタ42及びオイルクーラ43がオイルポンプ41側から順に設けられている。つまり、オイルポンプ41から第1連通路5bへ吐出されたオイルは、オイルフィルタ42で濾過され、オイルクーラ43で油温が調整された後、メインギャラリ5aへ流入する。
メインギャラリ5aには、4つのピストン14の背面側にオイルを噴射するオイルジェット51aと、クランクシャフト15を回転自在に支持する5つの軸受部の軸受メタル52aと、4つのコンロッド14bが回転自在に連結されたクランクピンに配置された軸受メタル52bと、油圧式チェーンテンショナへオイルを供給するオイル供給部53aと、タイミングチェーンにオイルを噴射するオイルジェット51bと、メインギャラリ5aを流通するオイルの油圧を検出する油圧センサ50aと、第1油温センサ50bとが接続されている。油圧センサ50aは、油圧検出部の一例である。第1油温センサ50bは、粘度検出部の一例である。メインギャラリ5aには、オイルが常時供給されている。オイルジェット51aは、逆止弁とノズルとを有し、所定値以上の油圧が作用すると、逆止弁が開弁し、ノズルからオイルを噴射する。
制御用給油路5eは、メインギャラリ5aから分岐し、オイル制御弁44を介してオイルポンプ41の圧力室41mに接続されている。制御用給油路5eには、オイルフィルタ55aが設けられている。メインギャラリ5aのオイルの一部は、制御用給油路5eを通り、オイル制御弁44によって油圧が調整された後、オイルポンプ41の圧力室41mに流入する。つまり、オイル制御弁44によって圧力室41mの圧力が調整される。
オイル制御弁44は、リニアソレノイドバルブである。オイル制御弁44は、入力される制御信号のデューティ比に応じて、圧力室41mに供給するオイルの流量を調整する。オイル制御弁44は、容量制御部の一例である。
第2連通路5cは、メインギャラリ5aと第3連通路5dとを連通させている。メインギャラリ5aを流通するオイルは、第2連通路5cを通って、第3連通路5dへ流入する。第3連通路5dへ流入したオイルは、第3連通路5dを介して、シリンダヘッド12の吸気側と排気側へ分配される。
第1給油路5fには、吸気側のカムシャフトのカムジャーナルを支持する軸受メタルのオイル供給部53bと、吸気側のカムシャフトのスラスト軸受のオイル供給部53cと、吸気側の弁停止機構付きHLAのピボット機構57bと、吸気側の弁停止機構無しHLA57aと、吸気側のオイルシャワー54aと、吸気側VVTの摺動部のオイル供給部53dとが接続されている。
第2給油路5gには、排気側のカムシャフトのカムジャーナルを支持する軸受メタルのオイル供給部53eと、排気側のカムシャフトのスラスト軸受のオイル供給部53fと、排気側の弁停止機構付きHLAのピボット機構57eと、排気側の弁停止機構無しHLA57dと、排気側のオイルシャワー54bとが接続されている。
第3給油路5hは、第1方向切換弁56aを介して、排気側VVT112に接続されている。また、第3給油路5hには、排気側のカムシャフトの軸受メタルのオイル供給部53eのうち最前部に位置するオイル供給部53eが接続されている。第3給油路5hにおける第1方向切換弁56aの上流側には、オイルフィルタ55bが接続されている。第1方向切換弁56aによって、排気側VVT112へ供給されるオイル流量が調整される。
第4給油路5iは、第2方向切換弁56bを介して第1気筒の弁停止機構付きHLAの弁停止機構57c及び弁停止機構付きHLAの弁停止機構57fに接続されている。第4給油路5iにおける第2方向切換弁56bの上流側には、オイルフィルタ55cが接続されている。第2方向切換弁56bによって、第1気筒の弁停止機構57c及び弁停止機構57fへのオイル供給が制御される。
第5給油路5jは、第3方向切換弁56cを介して第4気筒の弁停止機構付きHLAの弁停止機構57c及び弁停止機構付きHLAの弁停止機構57fに接続されている。第5給油路5jにおける第3方向切換弁56cの上流側には、オイルフィルタ55dが接続されている。第3方向切換弁56cによって、第4気筒の弁停止機構57c及び弁停止機構57fへのオイル供給が制御される。
エンジン100の各部に供給されたオイルは、図示しないドレイン油路を通ってオイルパン13に滴下し、オイルポンプ41により再び還流される。
〈オイルレベル計測装置〉
続いて、オイルレベル計測装置について説明する。
オイルレベル計測装置は、オイルパン13内のオイルレベル(油面高さ)を実測するレベルセンサ8と、オイルの油温を検出する第1油温センサ50b及び第2油温センサ13aと、給油路5の油圧を検出する油圧センサ50aと、オイルポンプ41から給油路5に供給されるオイルの供給量を求める供給量取得部66と、オイルパン13内のオイルレベルを推定する推定部67と、インストルメントパネルに設けられ、オイルレベルを表示するオイルインジケータ45とを有している。オイルレベル計測装置は、オイルパン13内のオイルレベルを計測し、オイルの交換又は補充の必要性がある場合にはオイルインジケータ45に警告表示をさせる。供給量取得部66及び推定部67は、ECU60によって構成されている。
油圧センサ50a及び第1油温センサ50bは、前述の如く、給油路5に設けられている。つまり、油圧センサ50aは、給油路5における油圧(即ち、エンジン内部に供給されたオイルの油圧)を検出し、第1油温センサ50bは、給油路5における油温(即ち、エンジン内部に供給されたオイルの油温。以下、「第1油温」と称する。)を検出する。第2油温センサ13aは、オイルパン13内に設けられている。つまり、第2油温センサ13aは、オイルパン13内の油温(以下、「第2油温」と称する)を検出する。尚、第2油温センサ13aは、レベルセンサ8に組み込まれていてもよい。
〈レベルセンサ〉
まず、レベルセンサ8の構成について、図3〜5を参照しながら説明する。図3は、レベルセンサをオイルパン内に設けた様子を示すエンジンの部分断面図である。図4は、レベルセンサの概略構成を示す縦断面図である。図5は、図4のV−V線における断面図である。
レベルセンサ8は、超音波式のレベルセンサであり、超音波を用いてオイルレベルを実測する。レベルセンサ8は、図3に示すように、オイルパン13内の車両前後方向の略中央部であって、車両横方向(左右方向)一方側寄りに配置されている。レベルセンサ8は、オイル収容部81と、ベース部82とを有している。
オイル収容部81は、後述する第1オイル開口83aから流入したオイルを収容する。オイル収容部81は、第1ラビリンス室区画部83と、第2ラビリンス室区画部84と、送受信器収容部85と、検出管86と、エア抜き管87とを有している。オイル収容部81の外側には、複数のリブ98が形成されている。
第1ラビリンス室区画部83及び第2ラビリンス室区画部84は、有蓋円筒状に形成されている。第2ラビリンス室区画部84は、第1ラビリンス室区画部83よりも径が大きい。送受信器収容部85は、有蓋円筒状に形成されている。送受信器収容部85は、第2ラビリンス室区画部84よりも径が大きい。そして、第1ラビリンス室区画部83、第2ラビリンス室区画部84及び送受信器収容部85は、その軸が互いに一致するように上側からこの順に配置されている。
送受信器収容部85は、送受信器88を収容している。この送受信器88は、検出管86に対応するように配置されている。送受信器88は、超音波パルスを検出管86内のオイルの油面に向かって発信し、該油面から反射されてきた反射波を受信することで、送受信器88から超音波パルスを検出管86内の油面に向かって発信してから、該油面から反射されてきた反射波を送受信器88(検出部)で受信するまでの間の時間を計測する。
前記検出管86は、細長い円筒状に形成されている。検出管86は、その下端開口が送受信器収容部85内に臨むように、送受信器収容部85の天井壁(「第2ラビリンス室区画部84の底壁」ともいう)におけるその中心から若干ずれた部分に上側に突設されている。検出管86は、第1ラビリンス室区画部83の天井壁及び第2ラビリンス室区画部84の天井壁(「第1ラビリンス室区画部83の底壁」ともいう)を貫通している。
第1ラビリンス室区画部83、第2ラビリンス室区画部84の天井壁及び検出管86により区画された空間は第1ラビリンス室89を、第2ラビリンス室区画部84、送受信器収容部85の天井壁及び検出管86により区画された空間は第2ラビリンス室90を、それぞれ構成している。なお、第1ラビリンス室89及び第2ラビリンス室90は、レベルセンサ8内のオイルレベルの変動を抑制する本発明に係るダンピング手段を構成している。
第1ラビリンス室区画部83の周壁における検出管86とは反対側の部分の下端寄りには、第1オイル開口83aが形成されている。この第1オイル開口83aからオイルパン13内のオイルは、第1ラビリンス室89内に流入出可能になっている。
第1ラビリンス室区画部83及び検出管86の間における第1オイル開口83aの近傍には、第1ラビリンス室89内を第1ラビリンス室区画部83及び検出管86と共に区画する区画板91が設けられている。この区画板91は、第1ラビリンス室区画部83の天井壁及び第2ラビリンス室区画部84の天井壁に接している。
第2ラビリンス室区画部84の天井壁における区画板91の近傍であって、該区画板91に対して第1オイル開口83aとは反対側の部分には、第2オイル開口84aが形成されている。この第2オイル開口84aから第1ラビリンス室89内のオイルは、第2ラビリンス室90内に流入出可能になっている。
第1ラビリンス室区画部83の周壁の内周面には、径方向内側に延びる複数の第1抵抗板92が互いに間隔を空けて配設されている。各第1抵抗板92は、第1ラビリンス室区画部83の天井壁及び第2ラビリンス室区画部84の天井壁に接している。各第1抵抗板92は、検出管86との間に間隙が形成されている。
検出管86の外周面には、径方向外側に延びる複数の第2抵抗板93が互いに間隔を空けて配設されている。各第2抵抗板93は、周方向に隣り合う第1抵抗板92の間に配置されている。各第2抵抗板93は、第1ラビリンス室区画部83の天井壁及び第2ラビリンス室区画部84の天井壁に接している。各第2抵抗板93は、第1ラビリンス室区画部83の周壁との間に間隙が形成されている。
そして、第1オイル開口83aから第1ラビリンス室89内に流入したオイルは、該第1ラビリンス室89内において第1抵抗板92及び第2抵抗板93によって形成された迷路を通って第2オイル開口84a側に蛇行して流れ、第2オイル開口84aから第2ラビリンス室90内に流入する。このとき、第1ラビリンス室89内に流入したオイルの流れは、第1抵抗板92及び第2抵抗板93によって抵抗が与えられる。これにより、検出管86内の油面の高周波変動が抑制され、検出管86内のオイルレベルの変動が抑制される。
なお、第2ラビリンス室90の構成及び作用は、第1ラビリンス室89の構成及び作用とほぼ同様である。つまり、第2オイル開口84aから第2ラビリンス室90内に流入したオイルは、該第2ラビリンス室90内において図示しない抵抗板によって形成された迷路を通って蛇行して流れ、送受信器収容部85の天井壁に形成された第3オイル開口85aから送受信器収容部85内に流入する。このとき、第2ラビリンス室90内に流入したオイルの流れは、抵抗板によって抵抗が与えられる。
また、第1オイル開口83aからオイル収容部81内に流入したオイルは、第1ラビリンス室89、第2ラビリンス室90、送受信器収容部85を通って、検出管86内に流入する。このとき、検出管86内のオイルレベルは、オイルパン13内のオイルレベルの変動に対応して変動する。つまり、検出管86内のオイルレベルは、オイルパン13内のオイルレベルにほぼ一致する。
前記エア抜き管87は、細長い円筒状に形成されている。エア抜き管87は、検出管86よりも径が小さい。エア抜き管87は、その下端開口が第1ラビリンス室89内に臨むように、第1ラビリンス室区画部83の天井壁における中心から検出管86とは反対側に若干ずれた部分に上側に突設されている。
エア抜き管87の上端部には、該上端部を覆うように第1キャップ部材94が設けられている。この第1キャップ部材94は、有蓋円筒状に形成されている。
そして、第1オイル開口83aからオイル収容部81内に流入したオイルは、第1ラビリンス室89を通って、エア抜き管87内に流入する。このとき、エア抜き管87内のオイルレベルは、オイルパン13内のオイルレベルの変動に対応して変動する。つまり、エア抜き管87内のオイルレベルは、オイルパン13内のオイルレベルにほぼ一致する。
また、オイル収容部81内に流入したオイルに含まれる空気は、エア抜き管87を通って、第1キャップ部材94の下端開口からオイル収容部81外に排出される。このように、オイルに含まれる空気をオイル収容部81外に排出するのは、オイルに空気が含まれると、超音波パルスが乱反射し、レベルセンサ8の検出精度が低下するからである。
検出管86及びエア抜き管87の上端部には、該上端部を覆うように第2キャップ部材95が設けられている。この第2キャップ部材95は、有蓋有底円筒状に形成されている。そして、第2キャップ部材95は、オイルパン13内のオイルが検出管86内にその上端開口から流入することを防止している。
第2キャップ部材95の天井壁には、エア開口95aが形成されている。このエア開口95aから検出管86内の空気は、オイル収容部81外に流出入可能になっている。検出管86及び第1キャップ部材94は、第2キャップ部材95の底壁を貫通している。
前記ベース部82は、オイル収容部81を支持している。ベース部82は、オイルパン13の底壁に固定されている。ベース部82は、ベース本体82aと、コネクタ部82bとを有している。
ベース本体82aは、中空に形成されている。ベース本体82aは、回路基板96を収容している。この回路基板96は、送受信器88に電気的に接続されている。回路基板96は、送受信器88によって計測された、超音波パルスの発信から反射波の受信までの間の時間に基づいて、送受信器88と検出管86内の油面との間の距離を算出(演算)する。これにより、検出管86内のオイルレベルが検出される。
前記コネクタ部82bは、ベース本体82aの側壁から外側に突設されている。コネクタ部82bは、中空に形成されている。コネクタ部82bは、コネクタ97を収容している。このコネクタ97は、回路基板96とECU60とを電気的に接続する。
ECU60は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース、メモリ及びこれらのユニットを接続するパスを有するプロセッサで構成されている。ECU60は、各種センサからの検出結果が入力される。例えば、ECU60には、エンジン100の冷却水の温度を検出する水温センサSW1、エンジン100が吸入する空気量を検出するエアフローセンサSW2、燃焼室14aに供給される空気の圧力を検出する過給圧センサSW3、クランクシャフト15の回転角度を検出するクランク角センサSW4、車両の車速を検出する車速センサSW5、車両の前後方向の加速度を検出する前後GセンサSW6、車両の横方向の加速度を検出する横GセンサSW7、油圧センサ50a、第1油温センサ50b、第2油温センサ13a及びレベルセンサ8が接続されている。
ECU60は、これらの検出結果に基づいてエンジン100の運転状態を判定し、エンジン100及びオイル供給装置200を制御する。例えば、ECU60は、主にエンジン回転速度及びアクセル開度に基づいて目標トルクを決定し、この目標トルクを発生するように、インジェクタ18による燃料噴射を制御する。
また、ECU60による制御の1つには、オイルパン13内のオイルレベルの計測がある。以下、ECU60によるオイルレベルの計測について説明する。図6に、ECU60の、油圧制御及びオイルレベル計測に関する機能ブロック図を示す。尚、図6においては、油圧制御及びオイルレベル計測に必要な要素を中心に図示している。
ECU60は、オイル供給装置200を制御する油圧制御部61と、オイルパン13内のオイルレベルを計測する計測部62と、記憶部63と、オイルレベルの正常・異常を判定する判定部64とを有している。
油圧制御部61は、各種検出結果に基づいてエンジン100の運転状態を判定し、判定した運転状態に応じてオイル制御弁44、第1方向切換弁56a、第2方向切換弁56b及び第3方向切換弁56cを制御する。例えば、油圧制御部61は、エンジン100の運転状態に応じて、オイルポンプ41の吐出量制御を行う。具体的には、油圧制御部61は、エンジン100の運転状態に応じた目標油圧を設定し、油圧センサ50aにより検出される油圧が目標油圧となるようにオイル制御弁44を介してオイルポンプ41を制御する。油圧制御部61は、オイル制御弁44に供給する制御信号のデューティ比を調整することによって、オイルポンプ41の容量を制御する。
計測部62は、オイルパン13内のオイルレベルをエンジン100の運転中に計測する。計測部62は、レベルセンサ8の検出値(実測値)を抽出(サンプリング)する抽出部65と、オイルポンプ41から給油路5に供給されるオイルの供給量を求める供給量取得部66と、オイルパン13内のオイルレベルを推定する推定部67とを有している。
抽出部65は、抽出条件が成立しているときに、該成立時におけるレベルセンサ8の検出値(出力生データ)を抽出(サンプリング)する。
ここで、抽出条件とは、レベルセンサ8の検出値の抽出が妥当と判定し得る所定の条件である。本実施形態では、(1)レベルセンサ8とECU60の通信が正常状態であること、(2)油圧センサ50aにより検出される給油路5の油圧が所定の閾値以下であること、(3)エンジン回転数が750〜3000rpmであること、(4)車速が5km/h以上であること、(5)オイルパン13内の第2油温が20〜120℃であること、(6)前後方向の加速度が0.2G未満であること、及び、(7)横方向の加速度が0.2G(所定値)未満であることをもって、抽出条件成立としている。
前記条件(1)を設定したのは、レベルセンサ8やECU60が異常状態で、オイルレベル平均値を算出することを防止するためである。
前記条件(2)を設定したのは、油圧が高い場合には、オイルの循環量が多いためにオイルパン13内のオイル量の変動が大きいことに加え、エンジン100の運転状態が高負荷高回転の場合が多く、クランクシャフト15によるオイルパン13内のオイルの攪拌が激しいため、油面の変動が大きいからである。
前記条件(3)を設定したのは、エンジン回転数が高回転になると、エアレーションが増大したり、クランクシャフトやチェーンの回転によって油面が攪乱されたりするため、オイルレベルの検出精度が低下するからである。なお、エンジン回転数の上限値(3000rpm)は、油圧のロー制御、ハイ制御の切換え時におけるエンジン回転数に基づいて設定されている。一方、下限値(750rpm)は、例えば、アイドル回転数に基づいて設定されている。
前記条件(4)を設定したのは、停車時にオイルレベルを検出すると、車両が傾斜にあるとき、オイルレベルの検出精度が低下するからである。一方、走行時には、規則的な傾斜を連続走行する頻度が低いため、オイルレベルの検出精度は低下しない。
前記条件(5)の油温範囲は、エンジン100の暖機完了前にドライビングサイクルを完了する短距離・短時間走行時における油温を含む範囲に設定されている。特に、短距離・短時間走行を繰り返し行うと、油温が低温であるため、オイル中に混入した燃料が蒸発せず、オイルの希釈が進み、オイルレベルが増加していく。一方で、油温が低温すぎると、オイルの粘度や循環特性が不安定になるという弊害が生じる。そこで、油温の下限値(20℃)は、短距離・短時間走行時における油温の上昇特性とその走行時間、前記弊害に基づいて設定されている。一方、上限値(120℃)は、高速走行時における油温に基づいて設定されている。
前記条件(6)を設定したのは、前後方向の加速度が大きくなると、オイルレベルの変動が大きくなるため、オイルレベルの安定検出に不向きだからである。また、「0.2G未満」に設定したのは、車両走行時には、前後方向の加速度が0.2G未満である割合が高く、オイルレベル平均値の算出の、母数確保に大きな影響を及ぼさないからである。
前記条件(7)を設定したのは、横方向の加速度が大きくなると、油面の変動が大きくなるため、オイルレベルの安定検出に不向きだからである。また、「0.2G未満」に設定したのは、車両走行時には、横方向の加速度が0.2G未満である割合が高く、オイルレベル平均値の算出の、母数確保に大きな影響を及ぼさないからである。なお、エンジン100が車両の前部に横置き搭載されると共に、レベルセンサ8が、オイルパン13内の車両前後方向中央部であって、車両横方向一方側寄りに配置されているため、横方向の加速度の方が前後方向の加速度よりも、油面の変動に大きな影響を及ぼす。
上記各抽出条件に加え、車両の停車時の傾斜状態をGセンサなどで検出し、車両が略水平状態にあるときは、オイルレベルを検出し、この検出値を利用して車両走行時のオイルレベルの推定に用いるようにしてもよい。
以上のように、抽出部65は、レベルセンサ8の検出値から、油面不安定時における検出値、及び、レベルセンサ8による検出不可時における検出値を選別、除去し、それ以外の検出値を抽出する。
但し、抽出部65は、車両走行時に、横方向の加速度が0.2G(所定値)以上になったとき(例えば、横方向の加速度が0.2G以上である状態の継続時間が5秒未満であるとき)には、再び0.2G未満になった(戻った)時から7秒(所定期間)の間、抽出条件が成立していても、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。
ところで、横方向の加速度が0.2G以上になったときには(例えば、車両の旋回時)、オイルパン13内のオイルの片寄りによってレベルセンサ8内の油面が低周波変動し、レベルセンサ8内のオイルレベルが変動する。ここで、レベルセンサ8では、ラビリンス室89,90(ダンピング手段)を設けることによって、レベルセンサ8内の油面の高周波変動を抑制するため、横方向の加速度の発生時には、レベルセンサ8内のオイルがオイルパン13へ流出しないものの、油面の低周波変動に対し、レベルセンサ8の応答遅延が発生する。このため、横方向の加速度が再び0.2G未満になり、オイルパン13内のオイルの片寄りがなくなっても、レベルセンサ8内の油面がほぼ安定する(レベルセンサ8が正常状態になる)まで時間を要する。つまり、横方向の加速度が再び0.2G未満になっても、その後しばらくの間、レベルセンサ8の検出値は、横方向の加速度(油面の低周波変動)の影響を受ける。そこで、車両走行時に、横方向の加速度が0.2G以上になったときには、再び0.2G未満になった時から7秒の間、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。なお、「7秒」と設定したのは、実験を予め行うと、横方向の加速度の発生時における油面の低周波変動に対し、レベルセンサ8の応答遅延時間が約7秒だったからである。
さらに、抽出部65は、車両走行時に、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が5秒(所定時間)以上継続したときには、再び0.2G未満になった(復帰した)時から30秒(第2所定期間)の間、抽出条件が成立していても、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。
ところで、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が比較的長時間継続したとき(例えば、比較的長時間、一定方向に旋回走行しているとき)、特に、オイルパン13内のオイルレベルが後述するLレベルに近付く又は達したときには、オイルパン13内のオイルの片寄りによってレベルセンサ8がオイルから暴露し、レベルセンサ8内のオイルが第1オイル開口83aからオイルパン13へと流出すると共に、空気がレベルセンサ8内に流入する。このとき、横方向の加速度が再び0.2G未満になり、オイルパン13内のオイルの片寄りがなくなっても、オイルがレベルセンサ8内に再び流入し且つ油面がほぼ安定する(レベルセンサ8が正常状態になる)まで時間を要する。そこで、車両走行時に、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が5秒以上継続したときには、再び0.2G未満になった時から30秒の間、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。なお、「30秒」に設定したのは、実験を予め行うと、レベルセンサ8内のオイルがすべて流出したときに、レベルセンサ8が正常状態になるまで約30秒を要したからである。また、この「30秒」には、レベルセンサ8の応答遅延時間(7秒)が含まれている。
以上のように、抽出部65は、抽出条件が成立しているときに、レベルセンサ8の検出値から、横方向の加速度が0.2G以上になったときにおいて再び0.2G未満になった時から7秒の間に検出されたもの、及び、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が5秒以上継続したときにおいて再び0.2G未満になった時から30秒の間に検出されたもの以外のものを抽出する。
供給量取得部66は、オイルポンプ41から給油路5に供給されるオイルの供給量をエンジン回転速度及びオイルポンプ41の容量に基づいて推定する。詳しくは、図7に示すような吐出量マップが記憶部63に記憶されている。吐出量マップでは、エンジン回転速度及びオイルポンプ41の容量に応じたオイルポンプ41の吐出量が規定されている。通常、エンジン回転速度が高くなるほど、クランクシャフト15に回転駆動される駆動シャフト41aの回転速度も上昇するので、オイルポンプ41の吐出量は大きくなる。また、オイルポンプ41の容量が大きいほど、オイルポンプ41の吐出量は大きくなる。吐出量マップは、予め実験等によって求められ、記憶部63に記憶されている。尚、本実施形態では、オイルポンプ41の容量として、油圧制御部61からオイル制御弁44へ出力される制御信号のデューティ比が用いられている。
さらに、オイルポンプ41の吐出量は、油温、即ち、オイルの粘度によっても変動する。つまり、油温が低くなると、オイルの粘度が低下し、オイルポンプ41の吐出量は大きくなる。そこで、記憶部63には、このような吐出量マップが油温(即ち、オイルの粘度)ごとに記憶されている。
供給量取得部66は、第2油温センサ13aの検出結果に基づいてオイルパン13内の第2油温に対応する吐出量マップを記憶部63から読み出す。そして、供給量取得部66は、クランク角センサSW4によって検出されたエンジン回転速度数及びオイル制御弁44への制御信号のデューティ比を吐出量マップに照らし合わせて、オイルポンプ41の吐出量を取得する。つまり、供給量取得部66は、オイルポンプ41から給油路5に供給されるオイルの供給量をエンジン回転速度及びオイルポンプ41の容量に加えて、油温に基づいて推定する。尚、供給量取得部66は、吐出量マップを選択する際の油温として第2油温を用いているが、給油路5内の第1油温を用いてもよく、さらには、第1油温及び第2油温の両方を用いてもよい。
次いで、推定部67は、抽出部65によって抽出されたレベルセンサ8の検出値を、供給量取得部66により取得されたオイルの供給量に基づいて補正し、オイルパン13内のオイルレベルを推定する。つまり、エンジン100の運転中はオイルポンプ41によってオイルパン13内のオイルが汲み上げられ、エンジン内部に供給されているので、エンジン100の運転中(即ち、オイルポンプ41の作動中)のオイルパン13内のオイルレベルは、エンジン内部に残留するオイルの残留量の分、エンジン100の停止中(即ち、オイルポンプ41の停止中)に比べて低下している。さらに、エンジン100の運転中のオイルの油温は、エンジン100の停止中から変動しており(通常、高くなっている)、油温が変化すると、オイルは膨張又は収縮するのでオイルの体積が変動する。これによっても、エンジン100の運転中のオイルパン13内のオイルレベルは、エンジン100の停止中から変動している。そのため、推定部67は、エンジン100の運転中に抽出されたレベルセンサ8の検出値を、給油路5へのオイル供給量及び油温に基づいて補正することによってエンジン100の停止中におけるオイルレベル(以下、「停止時オイルレベル」という)を推定する。
推定部67は、レベルセンサ8の検出値が抽出部65に抽出されるごとに、その検出値を補正して停止時オイルレベルを求める。さらに、推定部67は、停止時オイルレベルを平均することによって停止時オイルレベルを最終的に推定する。
具体的には、推定部67は、エンジン100の運転中のオイルパン13内のオイル量をエンジン100の停止中のオイル量に補正するための補正量を油温とオイルポンプ41の吐出量とに基づいて求める。前述の如く、エンジン100の運転中のオイルパン13内のオイル量は、エンジン内部へのオイルの残留量と油温変化によるオイルの体積変動とに起因して、エンジン100の停止中のオイル量から変動している。推定部67は、油温とオイルポンプ41の吐出量とに基づいてオイルの残留量とオイルの体積変動を考慮してオイル量の補正量を求めている。
詳しくは、オイルの残留量は、エンジン内部へのオイルの供給量とエンジンからオイルパン13へのオイルのリターン量との収支に依存する。本実施形態の給油路5にはリリーフ弁等の油圧を調整する部品が設けられていないので、オイルポンプ41の吐出量は、給油路5に供給されるオイルの供給量に相当する。また、オイルのリターン量は、オイルの粘度に依存する。つまり、オイルの粘度が低下すると、エンジン内部でのオイルの漏れ量が多くなり、エンジン内部からオイルパンへのオイルのリターン量が大きくなる。そして、オイルの粘度は、油温に相関しているので、すなわち、オイルのリターン量は、油温に依存する。そこで、推定部67は、オイルポンプ41の吐出量と油温とに基づいて、エンジン内部へのオイルの供給量とエンジンからのオイルのリターン量とを考慮して、オイル量の補正量を求める。
オイルの体積変動は、油温に依存している。油温が高くなれば、オイルは膨張して体積が大きくなる一方、油温が低くなれば、オイルは収縮して体積が小さくなる。そこで、推定部67は、油温に基づいてオイルの体積変動を考慮して、オイル量の補正量を求める。
このように、推定部67は、油温とオイルポンプ41の吐出量とに基づいてオイルの残留量とオイルの体積変動とを総合的に考慮してオイル量の補正量を求めている。このとき、推定部67は、油温として、給油路5の油温である第1油温とオイルパン13内の油温である第2油温との両方を用いている。オイルのリターン量に影響が大きい油温は、第1油温であり、オイルパン13内のオイルの体積変動に影響が大きい油温は、第2油温である。つまり、推定部67は、オイルの残留量とオイルの体積変動とを考慮する際に、それぞれに適した油温を用いる。これにより、オイルの残留量とオイルの体積変動とをより精度良く考慮して、オイル量の補正量を求めることができる。
記憶部63に、図8に示すような補正量マップが記憶されている。補正量マップでは、オイルポンプ41の吐出量及び油温に応じたオイル量の補正量が規定されている。尚、図8では、油温を1つだけ図示しているが、実際には、給油路5の第1油温とオイルパン13の第2油温とが考慮される。すなわち、補正量マップには、オイル供給量と第1油温と第2油温との3つのパラメータに対するオイル量の補正量が規定されている。補正量マップは、予め実験等によって求められ記憶部63に記憶されている。尚、本実施形態では、エンジン100の暖機完了後(油温は約80℃)にイグニッションOFFにして5分放置した時におけるオイルパン13内のオイルの状態をエンジン100の停止中のオイルパン13内のオイルの状態とみなし、補正量が求められている。
推定部67は、補正量マップを記憶部63から読み出す。そして、推定部67は、供給量取得部66により取得されたオイル供給量(即ち、オイルポンプ41の吐出量)、第1油温センサ50bからの第1油温及び第2油温センサ13aからの第2油温を補正量マップに照らし合わせて、オイル量の補正量を取得する。
さらに、記憶部63には、図9に示すようなオイルパン13内のオイル量に対するオイルレベルの関係を示したオイルレベル特性が記憶されている。オイルパン13の断面積は、オイルパン13内の高さに応じて変化すると共に、オイルパン13内にはオイルポンプ41やレベルセンサ8等の部品及び構造体が存在する。そのため、オイルパン13内のオイル量が或る一定量だけ変動したとしても、そのときのオイルパン13内のオイルレベル(即ち、油面の高さ)によってオイルレベルの変動量が異なる。そのため、オイルパン13内のオイルレベルは、図9に示すように、オイル量に対して非線形に変化する。このオイルレベル特性は、予め実験等によって求められ、記憶部63に記憶されている。
尚、このオイルレベル特性は、オイルパン13の形状並びにその内部の部品及び構造体に依存するので、オイルレベルがオイル量に対して線形的に変化するオイルパンも存在し得る。
推定部67は、まず、オイルレベル特性を記憶部63から読み出す。そして、レベルセンサ8の検出値をオイルレベル特性に照らし合わせて、該検出値に相当するオイル量を求める。推定部67は、求めたオイル量に前述のオイル量の補正量を加算することによって、エンジン100の停止中のオイルパン13内のオイル量を推定する。その後、推定部67を、エンジン100の停止中のオイル量をオイルレベル特性に照らし合わせて、停止時オイルレベルを求める。この停止時オイルレベルは、前述の如く、エンジン100の暖機完了後(油温は約80℃)にイグニッションOFFにして5分放置した時におけるオイルパン13内のオイルレベルの推定値である。
こうして、推定部67は、停止時オイルレベルを推定する。計測部62は、推定部67により推定された停止時オイルレベルをオイルインジケータ45に表示させる。これにより、運転者は、常時、オイルパン13内の停止時オイルレベルを知得することができる。
判定部64は、計測部62により計測された停止時オイルレベルに基づいて、オイルは交換又は補充の要否を判定する。具体的には、判定部64は、計測部62により計測された停止時オイルレベルを平均し、停止時オイルレベルの平均値に基づいてオイルの交換又は補充の要否を判定する。
詳しくは、判定部64は、停止時オイルレベルが3000データ分、得られた時、及び、100km走行した時のうちいずれか早い方の時に、その時までに得られた停止時オイルレベルを平均する。
このように停止時オイルレベルの平均値を算出すると、油面を変動させる走行時外乱(例えば、前後方向の加速度や横方向の加速度等)の影響が除外される。つまり、一定の時間走行すると、前方向の加速度と後方向の加速度の発生頻度、及び、左方向の加速度と右方向の加速度の発生頻度が、それぞれほぼ同等となり、前後方向、横方向の加速度による油面の変動が相殺される。つまり、車両が水平な状態でエンジン100が停止しているときのオイルレベルが得られる。
判定部64は、停止時オイルレベルの平均値が所定の上限値以上であるか判定すると共に、該停止時オイルレベルの平均値が所定の下限値以下であるかを判定する。本実施形態では、上限値は、図3に示すXレベルに設定され、下限値は、図3に示すLレベルに設定されている。Xレベルは、オイルパン13内のオイルの通常上限レベルFよりも高いレベルである。これは、エンジン100がディーゼルエンジンであり、DPF31bの後処理のためにポスト噴射が行われるためである。ディーゼルエンジンでは、ポスト噴射の際の未燃燃料がオイルパン13内に貯留し得る。つまり、オイルパン13内には、オイルに加えて未燃燃料が存在する分だけ通常上限レベルFよりも高いXレベルが、オイルパン13で許容し得る上限のオイルレベルに設定される。
判定部64は、停止時オイルレベルの平均値が上限値以上であると2回連続して判定したとき、又は、停止時オイルレベルの平均値が下限値以下であると2回連続して判定したときには、オイルの交換又は補充が必要であるとして、オイルインジケータ45へ制御信号を出力し、オイルインジケータ45に警告表示をさせる。これにより、運転者にオイルの交換又は補充の必要性を報知する。
尚、停止時オイルレベルの平均値の算出及びオイルレベルの判定では、オイルの交換又は補充が必要であると判定されるまで、ロジックをリセットせずに継続する。複数のドライビングサイクルを跨ぐときも同様である。
次いで、ECU60のオイルレベル判定手順について図10を参照しながら説明する。図10は、オイルレベル判定手順を示すフローチャートである。
抽出部65は、ステップS1において、レベルセンサ8の検出値等を読み込む。続くステップS2において、抽出部65は、前述の抽出条件が成立しているときに、レベルセンサ8の検出値を抽出する。但し、横方向の加速度が0.2G以上になったときには、再び0.2G未満になった時から7秒の間、抽出条件が成立していても、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。さらに、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が5秒以上継続したときには、再び0.2G未満になった時から30秒の間、抽出条件が成立していても、レベルセンサ8の検出値を抽出しない。
ステップS3では、供給量取得部66は、オイルの供給量を取得すると共に、推定部67は、抽出されたレベルセンサ8の検出値をオイルの供給量及び油温に基づいて補正して、停止時オイルレベルを求める。推定部67は、オイルインジケータ45へ制御信号を出力し、オイルインジケータ45に停止時オイルレベルを表示させる。
その後、推定部67は、ステップS4において、停止時オイルレベルが3000データ分、得られたか、又は、100km走行したか否かを判定する。停止時オイルレベルが3000データ分、得られておらず、且つ、100km走行していない場合は、フローは、ステップSA1へ戻り、レベルセンサ8の検出値等の読み込みからの処理を繰り返す。
一方、停止時オイルレベルが3000データ分、得られた、又は、100km走行した場合は、推定部67は、ステップS5において、停止時オイルレベルを平均する。
続くステップS6では、判定部64は、ステップS5で得られた停止時オイルレベルの平均値Laveが所定の上限値L1以上であるか否かを判定すると共に、停止時オイルレベルの平均値Laveが所定の下限値L2以下であるか否かを判定する。停止時オイルレベルの平均値Laveが上限値L1より小さく且つ下限値L2よりも大きい場合には、フローはステップS1に戻る。このとき、停止時オイルレベルのデータ数のカウント及び走行距離の計測は、リセットされる。
一方、停止時オイルレベルの平均値Laveが上限値L1以上であるか、又は下限値L2以下である場合には、判定部64は、ステップS7において、停止時オイルレベルの平均値Laveが上限値L1以上である、又は、下限値L2以下であるとの判定(即ち、NG判定)が2回続いたか否かを判定する。NG判定が1回目の場合は、誤判定を防止するために、停止時オイルレベルの平均値Laveをもう1回(1サイクル)算出すべく、フローはステップS1に戻る。
一方、NG判定が2回連続の場合は、判定部64は、ステップS8において、オイルインジケータ45へ制御信号を出力し、オイルインジケータ45に警告表示をさせる。
尚、オイルインジケータ45の警告表示後にイグニッションOFFにすると、オイルインジケータ45は消灯する。その後、オイル補充、又はオイル交換がされ、ロジックがリセットされると、再びイグニッションONになったときに、オイルインジケータ45は警告表示を行わない。一方、オイル補充、又はオイル交換がされないと、再びイグニッションONになったときに、オイルインジケータ45は警告表示を再度行う。
以上のように、オイル計測装置は、オイルパン13内のオイルレベルを実測するレベルセンサ8と、オイルポンプ41からエンジン内部に供給されるオイルの供給量を求める供給量取得部66と、レベルセンサ8の実測値を供給量取得部66により求められた供給量に基づいて補正することによってオイルパン13内のオイルレベルを推定する推定部67とを備えている。
この構成によれば、供給量取得部66がオイルポンプ41からエンジン内部に供給されるオイルの供給量に相当するオイルポンプ41の吐出量を求める。そして、推定部67は、求められた吐出量に基づいてレベルセンサ8の実測値を補正する。つまり、エンジン内部に供給されるオイルの供給量に基づいてレベルセンサ8の実測値を補正するので、単にエンジン回転速度でレベルセンサ8の実測値を補正する場合と比べて、エンジン内部に循環又は残留しているオイル量の影響をより精度良く考慮して、オイルパン13内のオイルレベルを計測することができる。
また、オイルレベル計測装置は、第1油温センサ50bをさらに備え、推定部67は、供給量取得部66により求められた供給量と第1油温センサ50bの検出温度とに基づいてレベルセンサ8の実測値を補正することによってオイルパン13内のオイルレベルを推定する。
この構成によれば、レベルセンサ8の実測値は、エンジン内部へのオイルの供給量だけでなく、油温に基づいても補正される。油温が高くなると、オイルの粘度が低下し、エンジン内部でのオイルの漏れ量が多くなり、エンジン内部からオイルパン13へのオイルのリターン量が大きくなる。レベルセンサ8の実測値を油温に基づいて補正することによって、オイルパン13へのリターン量も正確に考慮して、オイルレベルを推定することができる。
オイルポンプ41は、オイル制御弁44の制御により容量が調整可能に構成されており、供給量取得部66は、オイルポンプ41の容量とエンジン100の回転速度と油温とに基づいてオイルポンプ41の吐出量、即ち、オイルの供給量を求める。
この構成によれば、オイルポンプ41は、可変容量型である。このようなオイルポンプの吐出量は、オイルポンプの容量とエンジン回転速度と油温とに基づいて求めることができる。つまり、オイルポンプの吐出量を精度良く考慮して、オイルの供給量を精度良く求めることができる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、エンジン100の燃料を軽油を主成分としたものにしたが、これに限らず、例えば、ガソリン又はアルコール燃料(例えば、エタノール燃料)を用いるエンジンであってもよい。また、その場合には、オイルレベルの上限値は、Xレベルではなく、Fレベルに設定され得る。
また、前記実施形態では、抽出条件が成立しているときに、レベルセンサ8の検出値から、横方向の加速度が0.2G以上になったときにおいて再び0.2G未満になった時から7秒の間に検出されたもの、及び、横方向の加速度が0.2G以上で且つその方向が一定方向である状態が5秒以上継続したときにおいて再び0.2G未満になった時から30秒の間に検出されたもの以外のものを抽出しているが、これに限られるものではない。これらの検出値も除外せずに抽出してもよい。あるいは、これらの検出値の、オイルレベル平均値の算出に対する影響を横方向の加速度が0.2G未満のときよりも小さくする構成であってもよい。また、前述の0.2G、7秒等の数値は、任意の値に設定し得る。
また、レベルセンサ8の検出値の抽出条件は、一例に過ぎず、何れかの条件を省略したり、別の条件を追加してもよい。
さらに、オイルレベルの判定においては、停止時オイルレベルを平均しているが、平均ではなく、推定される停止時オイルレベルのそれぞれによってオイルレベルの判定を行ってもよい。また、停止時オイルレベルを平均する場合、平均を実行する条件(3000データ又は100km走行)は、任意に設定し得る。また、オイルインジケータ45に表示される停止時オイルレベルは、平均値であってもよい。
また、前記実施形態では、判定部10cによって2回連続してNG判定されたときに、オイルインジケータ45に警告表示をさせたが、これに限らず、例えば1回、NG判定されたときに、オイルインジケータ45に警告表示をさせてもよい。
以上説明したように、ここに開示された技術は、エンジンのオイルレベル計測装置について有用である。
100 エンジン
200 オイル供給装置
13 オイルパン
13a 第2油温センサ
41 オイルポンプ
44 オイル制御弁
50a 油圧センサ
50b 第1油温センサ
66 供給量取得部
67 推定部
8 レベルセンサ

Claims (6)

  1. オイルパン内のオイルレベルをエンジン運転中に計測するオイルレベル計測装置であって、
    オイルパン内のオイルレベルを実測するレベルセンサと、
    オイルポンプからエンジン内部に供給されるオイルの供給量を求める供給量取得部と、
    前記レベルセンサの実測値を前記供給量取得部により求められた供給量に基づいて補正することによって前記オイルパン内のオイルレベルを推定する推定部とを備え
    前記オイルポンプは、容量が調整可能に構成されており、
    前記供給量取得部は、前記オイルポンプの容量と前記エンジンの回転速度とに基づいて前記供給量を求めることを特徴とするオイルレベル計測装置。
  2. 請求項1に記載のオイルレベル計測装置において、
    オイルの粘度に関連する値を検出する粘度検出部をさらに備え、
    前記推定部は、前記供給量取得部により求められた前記供給量と前記粘度検出部の検出値とに基づいて前記レベルセンサの実測値を補正することによって前記オイルパン内のオイルレベルを推定するオイルレベル計測装置。
  3. 請求項2に記載のオイルレベル計測装置において
    記供給量取得部は、前記オイルポンプの容量と前記エンジンの回転速度と前記粘度検出部の検出値とに基づいて前記供給量を求めることを特徴とするオイルレベル計測装置。
  4. 請求項2又は3に記載のオイルレベル計測装置において、
    前記粘度検出部は、オイルの粘度に関連する値としてオイルの油温を検出する油温検出部であることを特徴とするオイルレベル計測装置。
  5. 請求項4に記載のオイルレベル計測装置において、
    前記油温検出部は、前記エンジン内部に供給されたオイルの油温を検出する第1油温センサと、前記オイルパン内のオイルの油温を検出する第2油温センサとを含むことを特徴とするオイルレベル計測装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載のオイルレベル計測装置において、
    前記エンジン内部に供給されたオイルの油圧を検出する油圧検出部をさらに備え、
    前記推定部は、前記油圧検出部により検出された油圧が所定の閾値以下の場合にオイルレベルの推定を実行することを特徴とするオイルレベル計測装置。
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