JP6341828B2 - 蓄電モジュールを組み合わせた蓄電装置 - Google Patents
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Description
この二次電池システムは、鉄道車両の分野においても、ディーゼルエンジンで駆動される発電機と二次電池システムを組み合わせて、モータに電力を供給するハイブリッド鉄道車両や、電気車に搭載して、回生負荷が無いときにその回生電力を二次電池に吸収する電車システム、さらに、架線レス化を目的に、駅間は二次電池システムを電源として走行し、駅で二次電池システムへの充電を行う、電車線と二次電池システムのハイブリッド電車などの用途として、省エネルギー化を図るため広く利用されている。
特許文献1に記載の構成例として、図8に蓄電装置箱の断面構造を示す。
図8において、20は蓄電装置箱、21は蓄電セル、22は冷却ファン、23a、23bは絶縁材、24はヒートシンク、25a、25bは側板である。図8の例では蓄電モジュールを鉛直方向に4段実装している。側板25a、25bは冷却風の風壁になっており、冷却風は図8に示すようにヒートシンク24を通るようにして、蓄電セル21を冷却するようにしている。また蓄電モジュール同士の間、蓄電装置箱と蓄電モジュールの間には絶縁材23a、23bが設けられている。この構成により、絶縁性能を確保しつつ、高い冷却性能を有する蓄電装置を実現している。
このため、温度ばらつきによって高温となって、劣化が進んだ蓄電セルあるいは蓄電モジュールが直列に接続され、充放電電流が流れると、劣化した蓄電セルのみ過充電あるいは過放電状態になる。過充電あるいは過放電状態が繰り返されると、その蓄電セルあるいは蓄電モジュールはさらに劣化が進んでいく。劣化が進むと、蓄電セルの機能が基準を満たさなくなったり、短絡故障が起きるなどして、鉄道車両のシステムに組み込まれるような場合では、システム故障となることから、結果としてシステム全体の寿命が縮まることになる。
特許文献1に記載の構成例では、蓄電セルをヒートシンクにより間接的に冷却しているため、冷却効率をより向上させることが課題となる。加えて、ヒートシンクが必要なことや、絶縁材が蓄電モジュールごとに実装されており、冷却性能や絶縁性能が確保できていても機器が大型化するという課題がある。また、蓄電モジュールを多段積みとする場合には、縦方向の寸法が大型化し、鉄道車両の床下に艤装できなくなる。さらに、蓄電装置箱にモジュールを収納して、ユニット単位で冷却を行う場合、蓄電モジュールの上段側の温度が高くなり、蓄電モジュール間の温度ばらつきと電流ばらつきが拡大していってしまう。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明の蓄電装置においては、複数の蓄電セルの直列接続、並列接続、あるいは、直列接続と並列接続を組み合わせ、所定の電位とした蓄電モジュールと、絶縁材と、冷却ユニットとを備え、前記蓄電モジュールは、蓄電セルの胴体部周辺に沿って冷却風路を有するケース内に前記蓄電セルを配列したものであり、前記蓄電モジュールを複数組み合わせて直列接続するとともに、前記ケースのそれぞれに設けた冷却風取入口に、前記冷却ユニットからの冷却風が直接導入されるよう配列し、前記蓄電モジュールと、前記蓄電モジュール及び前記冷却ユニットを収納する蓄電装置箱との間に絶縁材を設けるとともに、各蓄電モジュールと、前記冷却ユニットとの間に絶縁材を介して一体ユニットとした。
また、高い冷却性能を確保しつつ、蓄電セルあるいは蓄電モジュール間の温度差を小さくすることができ、さらに、必要最小限の絶縁材で絶縁性能を確保できるので、必要な冷却性能および絶縁性能と小型化を同時に実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の実施例1に関わる蓄電装置の構造例を示す図である。
図1において、1は、後述するように、複数の蓄電セルを組み合わせてケース内に配列することで構成される蓄電モジュール、7は冷却ファンユニット、14aは冷却ファンユニット7に設置される冷却ファン、6は蓄電モジュール1と冷却ファンユニット7を収納する蓄電装置箱、2は蓄電モジュール1と冷却ファンユニット7間の絶縁材、3a、3bは蓄電モジュール1と蓄電装置箱6間の絶縁材、9は蓄電装置箱と蓄電モジュールを接続するためのフレーム、15は冷却ファンを接続するためのフレームである。
また、16は蓄電モジュール1、冷却ファンユニット7、絶縁材2、そして、絶縁材3a、3bを一体化して固定した一体ユニットである。
なお、図1では、冷却ユニットとして、ファンを搭載した冷却ファンユニットの例を示しているが、ダクト等によって外部からの冷却風を取り入れるユニットであってもよい。
まず、鉛直方向の蓄電モジュールの回路接続に対応する実装について説明する。図3は、蓄電回路の接続例を示している。
これは、鉛直方向に実装されている蓄電モジュールは、冷却風によって冷却され、蓄電モジュール間の温度ばらつきが無くなるように動作するが、蓄電装置箱6内では、暖かい空気が上段側に、そして、冷たい空気が下段側に分布するようになる。これにより、上段側の蓄電モジュール1aの温度が下段側の蓄電モジュール1nよりも温度が高くなる。リチウムイオン電池などの蓄電セルは、温度が高いほど内部抵抗が低下するため、上段側の蓄電モジュール1aの抵抗が下段側に対し小さくなり、蓄電モジュール1nよりも蓄電モジュール1aのほうが多くの電流が流れることになる。
ただし、蓄電モジュール同士を直列接続すると、総合的な出力電圧は、各蓄電モジュールの出力電圧と、蓄電モジュール数の積となるため、各蓄電モジュールにおける複数の蓄電セルの接続に際し、直列と並列を組み合わせ、各蓄電モジュールの出力電圧を所定の電位に調整する。
一方、図1では、後述する冷却方式により冷却性能を確保しているため、ヒートシンクは実装しておらず、ヒートシンクとの絶縁は不要である。また蓄電モジュールのフレーム電位を、直列接続された蓄電モジュールの組合せ単位で同電位とすることにより、蓄電モジュール単位での絶縁が不要となる。このため、直列接続された蓄電モジュールの組合せ単位で絶縁すればよく、絶縁材の数量を減らし、コンパクト化することができる。
ただし、従来例のように冷却ファンユニット7と蓄電モジュールの間に間隙があると、冷却効率が悪くなるため、図1に示すように絶縁材2によって冷却ファンユニット7と蓄電モジュール間を絶縁させ、冷却風ができるだけ外部に漏れずに蓄電モジュール内の蓄電セルに送風されるようにした構成が望ましい。また、蓄電モジュール1a、フレーム9、絶縁材2、3a、3b、そして、冷却ファンユニット7を一体化して、一体ユニット16としている。
図5において、10は蓄電セル、11は電極接続線、12a、12bは、蓄電モジュール1のケースに設けた風壁、13a、13bは冷却風路を示す。図5(a)に、図1におけるA方向を示した蓄電モジュールの構成を示す。
風壁12aは蓄電モジュール1の内部に、直線的に並んだ蓄電セル10の列の電極接続部に沿って設けたものである。風壁12bは、複数の蓄電セルの列間に設けたものであり、風壁12a、12bは、蓄電モジュール1の長手方向(図5(a)における左右方向)において、冷却風入口端から出口端に到るまで、冷却風を遮断する。
蓄電セルはセルの胴体部が最も発熱するため、冷却風をセルの胴体部に集中させることで、取り入れる外気温との温度差が大きくなり、冷却効率を向上することが可能となる。さらに、この構造によれば、風壁12aによって、電極面11には風が当たらないため、電極部の汚損を防止でき、電極汚損による絶縁劣化や導電性の低下を防ぐ効果もある。
なお、図1、図5では冷却風の向きが冷却ファンにより吸気する向きとしているが、冷却ファンから冷却風を排気し、蓄電モジュールに送る構成でもよい。また、冷却ファンの風量を、温度が高くなる上段側で大きくすることで、更なる温度均一化を図るようにしてもよい。
図6は、本発明の実施例2に関わる蓄電装置の構成例を示す図である。実施例1との構成の違いは、冷却ファンユニット7の冷却ファンを1台の構成(冷却ファン14aのみ)としていることである。これにより、ファン台数を減らすことができ、ファンへの配線数も減すことができるため、経済的である。その際、ファンから導入あるいは吸引される冷却風が、各蓄電モジュールに均等に分配されるよう、ファンと各蓄電モジュールの間に分配ダクトを設けたり、蓄電モジュールの冷却風取入口の面積を下方から上方に向けて順次大きくすることにより、さらに温度の均一化を図ることが可能となる。
図7は、本発明の実施例3の蓄電装置の構成例を示す図である。実施例1との構成の違いは、蓄電モジュールの水平方向左右にも絶縁材3cを有した構成としている。これによって一体ユニット16間のスペースを縮小でき、更に小型化した蓄電装置箱を実現できる。
例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
3a、3b、3c・・・対蓄電装置箱間の絶縁材、5、2・・・冷却ファン、
6・・・蓄電装置箱、7・・・冷却ファンユニット、
8・・・蓄電モジュールを搭載するためのフレーム、
9・・・蓄電装置箱と蓄電モジュールを接続するためのフレーム、
10・・・蓄電セル、11・・・電極接続線、12a、12b・・・風壁、
13a、13b・・・冷却風路、14a、14b・・・冷却ファン、
15・・・冷却ファンを搭載するためのフレーム、16・・・一体ユニット
Claims (6)
- 複数の蓄電セルの直列接続、並列接続、あるいは、直列接続と並列接続を組み合わせ、所定の電位とした蓄電モジュールと、絶縁材と、冷却ユニットとを備え、
前記蓄電モジュールは、蓄電セルの胴体部周辺に沿って冷却風路を有するケース内に前記蓄電セルを配列したものであり、
前記蓄電モジュールを複数組み合わせて直列接続するとともに、前記ケースのそれぞれに設けた冷却風取入口に、前記冷却ユニットからの冷却風が直接導入されるよう配列し、前記蓄電モジュールと、前記蓄電モジュール及び前記冷却ユニットを収納する蓄電装置箱との間に絶縁材を設けるとともに、各蓄電モジュールと、前記冷却ユニットとの間に絶縁材を介して一体ユニットとしたことを特徴とする蓄電装置。 - 請求項1に記載の蓄電装置において、
前記一体ユニットを、鉛直方向、水平方向、あるいは鉛直方向と水平方向を組み合わせて積層したことを特徴とする蓄電装置。 - 請求項1または2に記載の蓄電装置において、
前記冷却ユニットは、各蓄電モジュール毎に設けた冷却ファンユニットであることを特徴とする蓄電装置。 - 請求項3に記載の蓄電装置において、
前記冷却ファンユニットは、前記蓄電モジュールのうち、上段側のファン風量が下段側ファン風量より大きく設定されていることを特徴とする蓄電装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記蓄電モジュール内部に、前記冷却ユニットからの冷却風に沿って直線的に配列された蓄電セルの列における電極接続部位置に対応して、風壁を設けたことを特徴とする蓄電装置。 - 請求項4に記載の蓄電装置において、
前記蓄電セルが複数列設けられ、各列間に、前記冷却ユニットからの冷却風に沿って、
風壁を設けたことを特徴とする蓄電装置。
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