JP6341791B2 - 単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および分散型電源装置 - Google Patents

単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および分散型電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、分散型電源装置が電力系統から切り離され単独運転しているか否かを検出する単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および、当該制御装置を備えた分散型電源装置に関する。
分散型電源装置における単独運転は、電力系統が停止しているとき、分散型電源装置が独立して運転され、局所的な系統負荷に電力が供給されている状態である。電力系統の停止は、工事または事故といった要因によって引き起こされる。
電力系統に接続される分散型電源には、太陽光発電装置、風力発電装置、エンジン発電機、電力貯蔵装置、燃料電池が代表的なものである。これらの分散型電源では、太陽電池、蓄電池、燃料電池といった特性または性質の異なる電力供給手段を電力系統に接続させて使用するため、周波数および電圧を電力系統に適合させるインバータ機能と、電力系統の異常を検出する保護装置とを内蔵したパワーコンディショナが数多く提案されている。
以上に説明した電力供給手段と、直流を交流に変換するパワーコンディショナとを備えた分散型電源装置を電力系統に連系させて、例えば家電製品に給電する分散型電源装置が実用化されている。
この種の分散型電源装置では、電力系統の停電時および作業停電時において、電力系統における工事作業の安全を確保するため、分散型電源装置側のインバータの動作を停止させるか、または、開閉器を作動させて連系を解除することにより、分散型電源装置を電力系統から解列させて、分散型電源装置の単独運転を防止する機能が不可欠である。なお、この機能は、単独運転検出機能と呼ばれている。
単独運転を検出する方式の1つとして、電力系統に無効電力を注入する手法が既に提案されている。この手法を用いた単独運転検出装置では、注入した無効電力によって引き起こされる周波数変動を検知して、分散型電源装置の単独運転を検出することが行われる。
一方、電力系統に無効電力を注入する手法では、単独運転検出装置から無効電力を注入しているにもかかわらず、注入している無効電力と、負荷の無効電力とがバランスしているときは、分散型電源装置が単独運転になっても、注入している無効電力によって周波数変動を引き起すことができなくなる、という現象があった。すなわち、電力系統に無効電力を注入する手法では、単独運転が検出されずに単独運転状態が継続されてしまう場合があるという課題があった。
上記のような技術的背景の下、制御装置からの注入無効電力と負荷における無効電力(以下「負荷無効電力」と称する)とがバランスして単独運転状態が発生し、且つ、単独運転検出のための無効電力の注入が不足する場合において、既に注入している無効電力(以下「既注入無効電力」と称する)に対して、さらに追加で注入する無効電力(以下「追加注入無効電力」もしくは「追加無効電力」と称する)の注入を可能としたことにより、分散型電源装置の単独運転を検出することができる単独運転検出方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
この特許文献1の手法では、既注入無効電力と負荷無効電力とがバランスして、単独運転検出のための無効電力の注入が不足する場合に、既注入無効電力と追加注入無効電力とが相殺されないように、既注入無効電力の位相の進みまたは遅れと、追加注入無効電力の位相の進みまたは遅れとを一致させる制御が行われる。
特開2009−11037号公報
上述の通り、特許文献1の手法では、既注入無効電力の位相の進みまたは遅れと、追加注入無効電力の位相の進みまたは遅れとを一致させる制御が行われるが、分散型電源装置が1台のみであれば、無効電力が相殺されることはない。
しかしながら、単独運転検出装置は、個々の分散型電源装置ごとに設ける必要があるため、例えば2つの分散型電源装置がある場合には、2台の単独運転検出装置を有する構成となる。このような2台の単独運転検出装置を有する構成において、例えば系統周波数偏差が「0」の付近では、周波数計測にバラツキがあるために、それぞれの分散型電源装置において、一方の分散型電源装置では、例えば進み位相の追加無効電力を注入し、他方の分散型電源装置では、遅れ位相の無効電力を注入することが起こり得る。この場合、追加注入した無効電力が相殺されて、電力変動を引き起すことができなくなり、結果として、単独運転が検出されずに単独運転状態が継続されてしまうという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電力系統に注入する無効電力が相殺されるのを抑止し、無効電力と負荷無効電力とがバランスしても確実に単独運転を検出することがきる単独運転検出装置および単独運転検出方法ならびに、単独運転検出用の制御装置および分散型電源装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、前記電力系統で生起する電気的変動に基づいて、前記電力系統に連系する分散型電源装置の単独運転を検出するように構成された単独運転検出用の制御装置であって、前記制御装置は、前記電気的変動を計測する計測部と、前記計測部が計測した計測値に基づいて、前記制御装置によって制御される電力変換手段によって注入された既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたとき、前記電力系統に予め設定された位相の無効電力を予め設定された第1の期間追加注入する制御を行う無効電流注入制御部と、前記計測部の計測値に基づいて単独運転の判定を行う単独運転判定部と、前記無効電流注入部の演算結果に基づいて前記既注入無効電力と追加注入された追加注入無効電力とが干渉しているか否かを判定する無効電力干渉判定部と、を備え、前記無効電力干渉判定部は、無効電力を追加注入した追加注入時点における周波数偏差の値と、前記第1の期間よりも短い第2の期間の経過時点における周波数偏差の値との差の絶対値により、前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力との間の干渉を判定し、前記無効電流注入制御部は、前記無効電力干渉判定部の判定結果が干渉していると判定したときは、前記追加注入無効電力の位相を反転させた位相の追加注入無効電力を、改めて前記第1の期間注入する制御を行い、前記無効電力干渉判定部の判定結果が干渉していないと判定したときは、前記追加注入無効電力の注入時点から前記第1の期間が経過するまでの残り期間、前記追加注入無効電力と同位相の追加無効電力の注入を継続する制御を行うことを特徴とする。
この発明によれば、電力系統に注入する無効電力が相殺されるのを抑止し、無効電力と負荷無効電力とがバランスしても確実に単独運転を検出することがきる、という効果を奏する。
本実施の形態に係る単独運転検出方法が適用される分散型電源装置の構成を示す図 電力系統に多数台の分散型電源装置が連系する場合の一例を示すイメージ図 本実施の形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図 本実施の形態に係る無効電力量演算部が無効電力量を演算する際の特性カーブを示す図 無効電力干渉判定部における動作を説明するためのフローチャート 既注入無効電力と追加無効電力とが干渉する場合の動作波形を示す図 既注入無効電力と追加無効電力とが干渉しない場合の動作波形を示す図
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法、制御装置、単独運転検出装置および分散型電源装置について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る単独運転検出方法が適用される分散型電源装置の構成を示す図である。実施の形態に係る分散型電源装置1は、電力供給手段5およびパワーコンディショナ10を有して構成され、パワーコンディショナ10は、インバータ11および単独運転検出装置16を有して構成され、単独運転検出装置16は、インバータ制御部12、制御装置13、連系リレー14および電流検出器15を有して構成される。
電力供給手段5は、例えば太陽電池、ガスエンジン発電機であり、直流電力を発電して電力変換手段であるパワーコンディショナ10に供給する。
電力供給手段5は、パワーコンディショナ10を介して電力系統2と接続される。パワーコンディショナ10は、電力供給手段5が発電した直流電力を交流電力に変換する電力変換機能を有する。パワーコンディショナ10が変換した交流電力は、電力系統2に供給される他、例えば一般家電機器である負荷3にも供給される。
インバータ11は、パワーコンディショナ10における電力変換機能を担う。インバータ制御部12は、電力系統2の出力電圧および、インバータ11と電力系統2との間に流れる電流に基づいてインバータ11を制御する。
制御装置13は、電力系統2が出力する電圧の電圧値である系統電圧、電力系統2が出力する電圧に含まれる高調波成分の電圧である高調波歪電圧および、電力系統2が出力する電圧の周波数である系統周波数を計測する。制御装置13は、計測した系統電圧、高調波歪電圧および系統周波数に基づいて、連系リレー14をオンオフ制御するための制御信号を生成して連系リレー14に出力すると共に、電力系統2に注入無効電力を注入するための電流指令値を生成してインバータ制御部12に出力する。なお、注入無効電力は、既注入無効電力と追加注入無効電力とを総称する用語である。制御装置13の機能を更に詳細に説明すると以下の通りである。
制御装置13は、計測した系統周波数に基づいて、予め設定された期間内において、系統周波数偏差を演算すると共に、演算した系統周波数偏差に基づいて電力系統に注入すべき無効電力を演算する。演算された無効電力は、電力系統2に注入される一方で、計測した系統周波数、系統電圧および高調波電圧歪に基づいて、系統周波数偏差が予め設定された期間において、連続して一定以下となる状態が継続しているような系統周波数に実質変化が無く、かつ、系統電圧または高調波電圧歪が予め設定された変動範囲を超える変化でもって変動したという条件(以下必要に応じて「急変条件」と称する)が成立するか否かを判定する。急変条件が成立する場合には、既注入無効電力に加えて、追加注入無効電力を注入する制御を行う。
図2は、電力系統に多数台の分散型電源装置が連系する場合の一例を示すイメージ図である。単独運転検出装置における単独運転検出手法には、大きく分けて能動方式と、受動方式とがあるが、本実施の形態の単独運転検出装置のように無効電力を注入する方式は、能動方式である。能動方式において、単独運転検出装置による単独運転検出を行うまでの時間は、0.5秒から1.0秒を要すると言われている。一方、この数値範囲は、柱上変圧器22の配下にある柱上変圧器22を含まない「(1)住宅単位」での単独運転を想定した特性である。分散型電源が少量普及の段階では、このような数値の検出特性でも問題にならなかった。
しかしながら、近時においては、分散型電源が普及期に入っており、図2に示すような、多数台の分散型電源装置が連系する状況下に推移している。多数台の分散型電源装置が連系している場合、柱上変圧器22を含む「(2)柱上変圧器単位」、区分開閉器24を含む「(3)区分開閉器単位」および、例えば電力会社の変電所に設けられる遮断器26を含む「(4)フィーダー単位」において、単独運転の可能性がある。
したがって、「(2)柱上変圧器単位」、「(3)区分開閉器単位」および「(4)フィーダー単位」といった高圧系においても有用に動作する単独運転検出装置および単独運転検出方法が要請されている。本実施の形態に係る制御装置13の機能は、高圧系においても有用に動作するという要請に応えることができるものである。以下、図3を参照し、制御装置13の機能を詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る制御装置13の機能構成の一例を示すブロック図である。まず、制御装置13には、電力系統2が出力する電圧の波形信号が入力される計測部30が設けられる。計測部30は、系統電圧計測部131、高調波歪検出部132および周波数計測部133を有してなる。系統電圧計測部131は、波形信号に基づいて電力系統2が出力する電圧の電圧値である系統電圧を計測する。高調波歪検出部132は、波形信号に基づいて電力系統2が出力する電圧に含まれる高調波成分の電圧値である高調波歪電圧を計測する。周波数計測部133は、波形信号に基づいて電力系統2が出力する電圧の周波数である系統周波数を計測する。
単独運転判定部134は、周波数計測部133の計測値から単独運転の判定を行い、当該判定結果に基づいて連系リレー14をオンオフ制御するための制御信号である単独運転検出信号を生成して連系リレー14に出力する。周波数偏差演算部135は、周波数計測部133の計測値に基づいて、現在の系統周波数の移動平均値と、過去の系統周波数の移動平均値とを算出すると共に、これらの各算出値を用いて系統周波数偏差を演算する。無効電力量演算部136は、周波数偏差演算部135が演算した系統周波数偏差を用いて、電力系統2に注入する無効電力量を演算する。
制御装置13は、さらに無効電力注入判定部137を備えている。無効電力注入判定部137は、系統周波数偏差が上記第2の周期の間、連続して一定以下となる状態が継続し、系統周波数に実質変化が無く、かつ、高調波電圧歪または系統電圧が予め設定された変動範囲を超える変化をしたときに、高調波電圧歪または系統電圧が単独運転発生に起因して急変したと判断し、追加無効電力を注入する制御を行う。
単独運転判定部134の出力である単独運転検出信号と、出力電流制御部139の出力である電流指令値とが、制御装置13の出力である。繰り返しになるが、単独運転検出信号は連系リレー14に出力され、電流指令値はインバータ制御部12に出力される。
ここで、周波数計測部133および周波数偏差演算部135の動作について補足する。
周波数計測部133は、電力系統2の系統周波数を計測周期単位で順次計測する。計測周期単位の一例は、例えば5m秒単位である。なお、電力系統2の系統周波数を50Hzとした場合、1系統周期は20m秒であるため、系統周期単位は、電力系統2の系統周期の1/3以下、例えば、5m秒単位にすることが望ましい。
周波数偏差演算部135においては、周波数計測部133で順次計測した計測周期単位(5m秒単位)の整数倍の周期に基づき、連続する予め設定された移動平均時間分の移動平均値を順次算出する。計測周期単位(5m秒単位)の整数倍の周期の一例は、例えば40m秒である。なお、予め設定された移動平均時間は、系統周期の一周期である20m秒よりも長く、かつ、所望する検出速度である例えば100m秒よりも短い時間を条件とすることが好ましく、例えば40m秒に設定する。
制御装置13は、さらに加算部138および出力電流制御部139を備えている。加算部138は、無効電力量演算部136からの演算無効電力と、無効電力注入判定部137からの追加無効電力とを加算して出力電流制御部139に出力する。出力電流制御部139は、加算部138の出力に応じた電流指令値をインバータ制御部12へ出力する制御を行う。
以上に説明した、周波数偏差演算部135、無効電力量演算部136、無効電力注入判定部137、加算部138および出力電流制御部139は、制御装置13における無効電流注入制御部32を構成する。
制御装置13は、さらに無効電力干渉判定部140を備えている。無効電力干渉判定部140は、周波数偏差演算部135からの系統周波数偏差と、無効電力注入判定部137の出力とに基づいて、後述する判定動作を行い、判定結果を無効電力注入判定部137に出力する。無効電力注入判定部137は、無効電力干渉判定部140の判定結果、すなわち無効電力注入に関する再判定結果に従い、無効電力の注入制御を行うための制御信号を生成する。
図4は、無効電力量演算部136が無効電力量Qを演算する際の特性カーブを示す図であり、系統周波数偏差Δfに対する無効電力量Qの関係を示している。なお、縦軸に示される無効電力量Qは、単独運転検出のための既注入無効電力に対応している。
図4に示す特性カーブは制御装置13内に組み込まれ、無効電力量演算部136によって参照される。無効電力量演算部136は、系統周波数偏差Δfが正のときには位相進みの無効電力量Qを算出し、系統周波数偏差Δfが負のときには位相遅れの無効電力量Qを算出する。その結果、基本動作としては、系統周波数偏差Δfが正のときには、インバータ制御部12にて位相進みの無効電力が生成されて電力系統2に注入され、系統周波数偏差Δfが負のときには、インバータ制御部12にて位相遅れの無効電力が生成されて電力系統2に注入される。
なお、図4に示される特性カーブは、系統周波数偏差Δf1において、変化特性が切り替えられるようになっている。具体的に説明すると、系統周波数偏差Δfが小さいときには、系統周波数偏差Δfの変化に対する無効電力量Qの変化割合を小さくして、電力系統2に出力される無効電力量が少なくなる特性となっている。一方、系統周波数偏差Δfが大きいときには、系統周波数偏差Δfの変化に対する無効電力量Qの変化割合を大きくし、電力系統2に出力される無効電力量Qが多くなる特性となっている。無効電力量演算部136は、図4の特性カーブに従うように周波数偏差演算部135が算出した系統周波数偏差Δfに基づいて無効電力量Qを算出する。
つぎに、無効電力干渉判定部140による無効電力の注入制御について、図5から図7の各図面を参照して説明する。図5は、無効電力干渉判定部140における動作を説明するためのフローチャートである。図6は、既注入無効電力と追加無効電力とが干渉する場合の動作波形を示す図であり、図7は、既注入無効電力と追加無効電力とが干渉しない場合の動作波形を示す図である。これら図6および図7のそれぞれにおいて、(a)は系統周波数偏差Δf、(b)は追加注入無効電力、(c)は既注入無効電力の動作波形を示している。
図5において、無効電力注入判定部137は、追加無効電力を注入するかどうかを判定する(ステップS1)。このステップS1の判定処理では、上述したごとく、周波数偏差演算部135で演算した系統周波数偏差Δfに基づく既注入無効電力と負荷無効電力とがバランスしているか否かが判定される。ここで、既注入無効電力と負荷無効電力とがバランスしていないと判定された場合(ステップS1,No)には、ステップS1の判定処理を繰り返す。一方、既注入無効電力と負荷無効電力とがバランスしていると判定された場合(ステップS1,Yes)には、予め設定された位相値の位相遅れを有する追加注入無効電力が出力される(ステップS2)。
ステップS2の処理による注入タイミングは、図6では、タイミングt0である。タイミングt0では、図6(a)に示すように、系統周波数偏差Δfがプラスであることが示され、追加注入無効電力の位相は、図6(b)に示すように、遅れ位相であることが示されている。このように、無効電力注入判定部137による動作では、系統周波数偏差Δfの符号に関わらず、無効電力注入判定部137から出力される無効電力の位相が、予め設定された遅れ側の位相に設定されている。
無効電力注入判定部137の出力は、図3に示すように無効電力干渉判定部140に入力されている。この構成により、無効電力干渉判定部140は、無効電力注入判定部137の出力変化から追加無効電力の注入タイミングt0を知ることができる。無効電力干渉判定部140は、注入タイミングt0を知り得てから以降の処理を制御する。なお、本実施の形態では、無効電力注入判定部137からの追加注入無効電力の出力期間は、系統周期の3周期分としているが、3周期分でなくてもよいことは言うまでもない。
無効電力干渉判定部140は、注入タイミングt0から上記3周期が経過する前の期間である系統周期で2周期分の期間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。なお、図6において、t0から2周期分の期間をt1として示している。ここで、2周期分の期間が経過していなければ(ステップS3,No)、ステップS2の判定処理を繰り返す。一方、2周期分の期間が経過していれば(ステップS3,Yes)、ステップS4に移行する。
ステップS4では、まず、無効電力干渉判定部140は、判定タイミングt1における周波数偏差Δft1と注入タイミングt0のときの系統周波数偏差Δft0との差の絶対値|Δft0−Δft1|の値が、予め設定された判定値未満か否かを判定する。判定値の一例は、例えば0.5Hzである。無効電力干渉判定部140は、さらに判定値未満か否かの判定結果に基づいて、追加無効電力と既注入無効電力との間の干渉の有無を判定する。
さらに、ステップS4において、無効電力干渉判定部140は、例えば図6(a)に示すように、|Δft0−Δft1|の値が判定値未満であれば、追加無効電力が既注入無効電力で相殺されて干渉していると判断し、追加注入無効電力が遅れ位相であるので既注入無効電力の位相が進み側であると判定する。
無効電力干渉判定部140は、既注入無効電力における位相の判定結果に基づいて、追加無効電力の位相を既注入無効電力の位相に一致させるため、追加無効電力の注入方向を進み側に変更し(ステップS5)、ステップS5で変更した注入方向の情報を示す信号、すなわち追加無効電力の位相を進み側に変更した旨を示す信号を無効電力注入判定部137に通知する。
無効電力注入判定部137は、無効電力干渉判定部140からの通知を受けて、追加無効電力の注入方向を変更する。
無効電力干渉判定部140は、追加無効電力の注入方向変更後から系統周期で、例えば3周期分の時間が経過したかどうかを判定する(ステップS6)。3周期分の時間が経過していなければ(ステップS6,No)、ステップS5,S6の処理を繰り返し、3周期分の時間が経過していれば(ステップS6,Yes)、3周期分の時間が経過した旨を示す信号を無効電力注入判定部137に通知する。
無効電力注入判定部137は、3周期分の時間が経過した旨を示す信号入力に応答して、追加無効電力の注入を停止し(ステップS9)、追加無効電力の注入停止後から系統周期で、例えば5周期分の時間が経過したかどうかを判定する(ステップS10)。5周期分の時間が経過していなければ(ステップS10,No)、ステップS9,S10の処理を繰り返し、5周期分の時間が経過していれば(ステップS10,Yes)、ステップS1の処理に戻る。
一方、ステップS4において、無効電力干渉判定部140は、例えば図7(a)に示すように、|Δft0−Δft1|の値が判定値以上であれば、追加無効電力が既注入無効電力で相殺されておらず干渉していないと判断し(ステップS4,No)、追加無効電力の注入方向を変更しないとする旨の信号を無効電力注入判定部137に通知する。
無効電力注入判定部137は、無効電力干渉判定部140からの通知を受け、図7(b)に示すように、遅れ位相の無効電力の注入を、タイミングt1から系統周期でさらに、例えば1周期分継続する(ステップS7)。
無効電力干渉判定部140は、追加無効電力の注入が系統周期で1周期分の時間が経過したかどうか判定する(ステップS8)。1周期分の時間が経過していなければ(ステップS8,No)、ステップS7,S8の処理を繰り返し、1周期分の時間が経過していれば(ステップS8,Yes)、ステップS9の処理に移行して、追加無効電力の注入を停止する。以後の動作は、上述した通りである。
以上説明したように、本実施の形態では、電力系統における系統周波数偏差に基づいて電力系統に追加無効電力を既注入無効電力として注入すると共にこの既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたときには電力系統に、系統周波数偏差の符号に関わらず、予め定めた位相である遅れ位相の無効電力である追加無効電力を、第1の期間として、例えば系統周期で3周期分、追加注入する。なお、系統周波数偏差、すなわち系統周波数の変動は、電力系統で生起する電気的変動の一例であり、系統周波数偏差に代えて、系統電圧の変動を表す系統電圧偏差、高調波成分の変動を表す高調波歪電圧偏差を判定指標として用いてもよい。
そして、上記第1の期間が経過するまでには、追加無効電力の注入後から第1の期間よりも短い期間である、例えば系統周期で2周期分の時間である第2の期間が経過した後に、追加注入無効電力が既注入無効電力で相殺され干渉しているかどうかを判定する。この判定は、判定タイミングt1における周波数偏差Δft1と、注入タイミングt0のときの系統周波数偏差Δft0との間の差の絶対値|Δft0−Δft1|に基づいて行う。この判定の結果、判定時点での|Δft0−Δft1|の値が判定値未満の場合は、既注入無効電力の位相が、追加注入無効電力の位相とは逆位相になっていて干渉しているという判定を行い、追加注入無効電力の位相を反転させた位相の追加注入無効電力を、改めて上記第1の期間、注入するので、追加注入無効電力が既注入無効電力で相殺されずに済み、追加注入無効電力で無効電力バランスを崩して単独運転検出することが可能となる。
また、上記判定時点での|Δft0−Δft1|の値が判定値より大きいときは、既注入無効電力の位相が、追加注入無効電力の位相と同位相であり干渉していないと判定し、追加注入無効電力注入後から上記第1の期間経過するまでの残り期間である1周期分、同位相で追加注入無効電力の注入を継続するので、無効電力バランスを追加注入無効電力で効果的に崩して単独運転検出を確実に実施することが可能となる。
なお、上記の処理において、系統周波数偏差、すなわち系統周波数の変動は、電力系統における電気的変動の一例であり、系統周波数偏差に代えて、系統電圧の変動を表す系統電圧偏差、高調波成分の変動を表す高調波歪電圧偏差を判定指標として用いてもよい。
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略して構成してもよいことは言うまでもない。
1 分散型電源装置、2 電力系統、3 負荷、5 電力供給手段、10 パワーコンディショナ、11 インバータ、12 インバータ制御部、13 制御装置、14 連系リレー、15 電流検出器、16 単独運転検出装置、22 柱上変圧器、24 区分開閉器、26 遮断器、30 計測部、32 無効電流注入制御部、131 系統電圧計測部、132 高調波歪検出部、133 周波数計測部、134 単独運転判定部、135 周波数偏差演算部、136 無効電力量演算部、137 無効電力注入判定部、138 加算部、139 出力電流制御部、140 無効電力干渉判定部。

Claims (8)

  1. 電力系統で生起する電気的変動に基づいて、前記電力系統に連系する分散型電源装置の単独運転を検出するように構成された単独運転検出用の制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記電気的変動を計測する計測部と、
    前記計測部が計測した計測値に基づいて、前記制御装置によって制御される電力変換手段によって注入された既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたとき、前記電力系統に予め設定された位相の無効電力を予め設定された第1の期間追加注入する制御を行う無効電流注入制御部と、
    前記計測部の計測値に基づいて単独運転の判定を行う単独運転判定部と、
    前記無効電流注入制御部の演算結果に基づいて、前記既注入無効電力と追加注入された追加注入無効電力とが干渉しているか否かを判定する無効電力干渉判定部と、を備え、
    前記無効電力干渉判定部は、無効電力を追加注入した追加注入時点における周波数偏差の値と、前記第1の期間よりも短い第2の期間の経過時点における周波数偏差の値との差の絶対値により、前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力との間の干渉を判定し、
    前記無効電流注入制御部は、
    前記無効電力干渉判定部の判定結果が干渉していると判定したときは、前記追加注入無効電力の位相を反転させた位相の追加注入無効電力を、改めて前記第1の期間注入する制御を行い、
    前記無効電力干渉判定部の判定結果が干渉していないと判定したときは、前記追加注入無効電力の注入時点から前記第1の期間が経過するまでの残り期間、前記追加注入無効電力と同位相の追加無効電力の注入を継続する制御を行うことを特徴とする制御装置。
  2. 前記無効電力干渉判定部は、前記追加注入無効電力注入時点の周波数偏差の値と、前記第2の期間の経過時点の周波数偏差の値との差の絶対値が判定値未満の場合には前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力とが干渉していると判定し、前記判定値以上の場合は、前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力とが干渉していないと判定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記電気的変動が、系統周波数変動、系統電圧変動、または高調波変動であることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記第1の期間は系統周期の3倍の期間であり、前記第2の期間は前記系統周期の2倍の期間であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 分散型電源装置が電力系統から切り離されて単独運転しているか否かを検出する単独運転検出装置であって、請求項1から4の何れか1項に記載の制御装置を備えたことを特徴とする単独運転検出装置。
  6. 請求項5に記載の単独運転検出装置を備えたことを特徴とする分散型電源装置。
  7. 電力系統で生起する電気的変動に基づいて、前記電力系統に連系する分散型電源装置の単独運転を検出するようにした単独運転検出方法であって、
    前記電気的変動に基づいて前記電力系統に無効電力を注入する第1ステップと、
    前記第1ステップによって注入された既注入無効電力が負荷無効電力とバランスしたとき、前記電力系統に予め設定された位相の追加無効電力を予め設定された第1の期間追加注入する第2ステップと、
    前記第2ステップでの追加注入時点における周波数偏差の値と、前記第1の期間よりも短い第2の期間の経過時点における周波数偏差の値との差の絶対値により、前記既注入無効電力と前記第2ステップによって追加注入された追加注入無効電力とが干渉しているか否かを判定する第3ステップと、
    前記第3ステップでの判定結果より、干渉していると判定したときは、追加注入無効電力の位相を反転させた位相の追加注入無効電力を、改めて前記第1の期間注入する第4ステップと、
    前記第3ステップでの判定結果より、干渉していないと判定したときは、前記第2ステップでの追加注入時点から前記第1の期間が経過するまでの残り期間、前記第2ステップで注入した追加注入無効電力と同位相の追加無効電力の注入を継続する第5ステップと、
    を含むことを特徴とする単独運転検出方法。
  8. 前記第3ステップでの判定は、前記追加注入無効電力注時点の周波数偏差の値と、前記第2の期間の経過時点の周波数偏差の値との差の絶対値が判定値未満の場合には前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力とが干渉していると判定し、前記判定値以上の場合は、前記既注入無効電力と前記追加注入無効電力とが干渉していないと判定することを特徴とする請求項7に記載の単独運転検出方法。
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