《第1実施形態》
<車両用情報提供システムS>
図1は、本実施形態に係る車両用情報提供システムSの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の車両用情報提供システムSは、電動機13を駆動源とする車両A(複数存在する)にそれぞれ搭載される車載装置1と、車両Aの所有者が所持する端末装置2と、データセンタBが有する車両用情報提供装置3と、を備える。本例の端末装置2は、後述するように車載装置1のナビゲーション装置18に含ませてもよいが、以下においては車載装置1とは別のものとして構成した実施形態で本発明を説明する。また車両Aには、電動機13のみを駆動源とする電気自動車のほか、電動機13と内燃機関の両方を駆動源とするハイブリッド車も含まれるが、以下においては電動機13のみを駆動源とする電気自動車の実施形態で本発明を説明し、ハイブリッド車特有の構成等についてはその都度特記することとする。
車載装置1と車両用情報提供装置3、端末装置2と車両用情報提供装置3のそれぞれは、通信回線を介して各種情報の送受信を行う。通信回線としては、たとえば、携帯電話網、無線LAN網、DSRC(Dedicated Short Range Communications)網および電力線通信網などが挙げられる。また、車載装置1および車両用情報提供装置3のそれぞれが、フラッシュメモリ等の着脱式の記憶媒体に各種情報を記録し、記録した各種情報を、通信機能を有する端末経由で送受信する構成としてもよい。
<車載装置1>
本実施形態の車載装置1は、処理プログラムが格納されたROMと、各データを一時記憶するためのRAMと、処理プログラムにしたがって演算処理を実行するCPUを含むハードウェアで構成され、機能的には、アクセル開度検出部4、位置検出部5、スイッチ状態検出部6、気温検出部7、高度検出部8、車速検出部9、エアコン使用量検出部10、電池残量検出部11および運転者検出部12を備える。
アクセル開度検出部4は、自車両Aのアクセル開度を検出し、検出結果の情報を後述する車両制御部15に出力する。位置検出部5は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信したGPS信号に基づいて自車両Aの現在位置(たとえば、緯度・経度)を検出し、検出結果の情報を後述するナビゲーション装置18に出力する。
スイッチ状態検出部6は、自車両Aのパワースイッチ(EVシステムをON/OFFして電気自動車を走行可能/不能状態にするスイッチ。ハイブリッド車にあってはイグニッションスイッチ)のスイッチ状態を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。なお、パワースイッチのスイッチ状態としては、たとえば、走行用バッテリ14からの電力供給が許可されてEVシステムが始動するオン状態と、走行用バッテリ14からの電力供給が禁止されてEVシステムが停止するオフ状態がある。気温検出部7は、自車両Aの現在位置の気温(外気温度など)を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。
高度検出部8は、自車両Aの現在位置の高度(平均海水面から鉛直方向への距離,海抜)を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。車速検出部9は、自車両Aの車速を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。エアコン使用量検出部10は、自車両Aのエアコン使用量を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。ここで、電動機13のみを駆動源とする電気自動車にあっては、冷房用コンプレッサが電動機13とは別の電動機により駆動されたり、暖房用ヒータとして電熱ヒータが用いられたりし、内燃機関を駆動源とする車両とは異なりエアコンシステムでも電力を消費する。したがってこうした車両Aのエアコン使用量としては、たとえば冷房用コンプレッサや暖房用ヒータで消費する電力がある。
電池残量検出部11は、車両Aに搭載され駆動源である電動機13に電力を供給するための走行用バッテリ14の電池残量を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。運転者検出部12は、自車両Aの運転者の運転者ID(固有識別子)を検出し、検出結果の情報を後述する走行履歴記録部19に出力する。運転者IDとしては、たとえば運転者を一意に特定するための番号等がある。
本実施形態の車載装置1は、車両制御部15、充放電制御部16、充放電回路部17、ナビゲーション装置18および走行履歴記録部19をさらに備え、それぞれ以下のように構成されている。
車両制御部15は、アクセル開度検出部4が出力した情報(アクセル開度)を取得し、取得した情報を走行履歴記録部19に出力する。また、車両制御部15は、取得した情報(アクセル開度)に基づき、アクセル開度に応じた電力を電動機13に供給させる制御指令を充放電制御部16に出力する。
充放電制御部16は、車両制御部15からの制御指令に従って、走行用バッテリ14が蓄えている電力を電動機13に供給するための制御指令を充放電回路部17に出力する。また、充放電制御部16は、走行用バッテリ14の充電状態および充電時間を検出し、検出結果の情報を走行履歴記録部19に出力する。充電状態としては、たとえば、充電中であるか、非充電中であるかの区別が挙げられる。また、充電時間としては、たとえば、充電を開始してから充電を終了するまでの時間がある。
充放電回路部17は、充放電制御部16からの制御指令に従って、走行用バッテリ14が蓄えている電力を電動機13に供給する。これにより、電動機13は駆動力を発生する。逆に、充放電回路部17は、充放電制御部16からの制御指令に従って電動機13にて発生する回生電力を走行用バッテリ14に蓄電する。また、充放電回路部17は、充電コネクタ20を介して充電装置21と接続される。このような充電装置21としては、たとえば、車両A外部の充電施設Cに備えられ、走行用バッテリ14を充電するための電力を供給するための装置が挙げられる。そして、充放電回路部17は、充電コネクタ20に充電装置21が接続されることで、充電装置21から電力が供給され、これにより走行用バッテリ14が充電される。
ナビゲーション装置18は、位置検出部5が出力した情報、すなわち車両Aの現在位置である緯度・経度を取得し、取得した情報(車両Aの現在位置である緯度・経度)に基づき、運転者が入力した出発地点POから目的地点PDまでの案内ルートにしたがって車両Aを案内する案内情報を運転者に提示する。また、ナビゲーション装置18は、取得した情報および案内ルートを走行履歴記録部19に出力する。
走行履歴記録部19は、各種検出部6〜12、車両制御部15、充放電制御部16およびナビゲーション装置18が出力した情報に基づき、走行履歴情報記録処理を実行する。
走行履歴情報記録処理においては、後述する第1走行履歴情報(走行時基本情報、移動情報および車両状態情報を含む情報,図3のステップS102〜S105)および第2走行履歴情報(充電時基本情報および充電情報を含む情報,図3のステップS108〜S110)を記録する。そして、走行履歴記録部19は、記録した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を車両用情報提供装置3に送信する。なお、第1走行履歴情報および第2走行履歴情報ならびに走行履歴情報記録処理の詳細については後述する。ちなみに、第1走行履歴情報のうち、走行時基本情報は、車両IDの情報、運転者IDの情報、気温の情報および現在の日時の情報を含む情報、移動情報は、緯度経度の情報、高度の情報および走行ルートの情報(走行位置情報)を含む情報、車両状態情報は、車速の情報、アクセル開度の情報、エアコン使用量の情報、および消費電力の情報(消費電力情報)を含む情報である。また、第2走行履歴情報のうち、充電時基本情報は、気温の情報および現在の日時の情報を含む情報、充電情報は、緯度経度の情報(充電経由地点情報、充電位置情報)、充電量の情報、および充電時間の情報を含む情報である。
<端末装置2>
一方、端末装置2は、処理プログラムが格納されたROMと、各データを一時記憶するためのRAMと、処理プログラムにしたがって演算処理を実行するCPUを含むハードウェアで構成され、機能的には、目的地点等入力部22、ルート演算部23および表示部24を備える。なお、端末装置2としては、たとえば、車両Aの所有者が所持する携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等が挙げられる。
目的地点等入力部22は、端末装置2の利用者から出発地点PO、目的地点PD、電池残量(たとえば、該利用者が所有する車両Aの走行用バッテリ14の電池残量)および運転者ID(たとえば、該利用者を特定する運転者ID)の入力を受け付ける。そして、目的地点等入力部22は、受け付けた出発地点PO、目的地点PD、電池残量および運転者IDの情報をルート演算部23に出力する。
ルート演算部23は、目的地点等入力部22から出力された情報、具体的には、出発地点POおよび目的地点PDの情報に基づき、ルート提供処理を実行する。このルート提供処理において、ルート演算部23は、提示ルートの検索要求(以下、提示ルート検索要求とも呼ぶ)を車両用情報提供装置3に送信する。また、ルート演算部23は、提示ルート、該提示ルートを走行する際に消費する消費電力および該提示ルートを走行する際に経由する充電施設Cの位置(以下、充電経由地点PCとも呼ぶ)の情報を車両用情報提供装置3から受信する。そして、ルート演算部23は、車両用情報提供装置3から該情報を受信すると、受信した情報を表示させる制御信号を表示部24に出力する。つまり、本実施形態の車両用情報提供システムSは、利用者が電気自動車の運転を開始する際に出発地点と目的地点を入力すると、それまでに蓄積された実際の走行データに基づいて利用者の計画ルートに類似する提示ルートを検索し、この提示ルートに加えて消費電力と経由する充電施設を利用者に喚起するシステムであり、これにより利用者は走行計画の適切さを事前に確認することができるものである。ルート提供処理の詳細については後述する。
ちなみに、本実施形態において、提示ルートとは、入力された出発地点、目的地点及び必要に応じて各種の経由地点に対して、走行履歴情報を参照して車両用情報提供装置3から提供される走行ルートをいい、これに対して計画ルートとは、入力された出発地点、目的地点及び必要に応じて各種の経由地点に対して、距離や時間などの所定条件によって定められる走行ルートをいい、これら提示ルートと計画ルートを含めて走行ルートと称する。
なお本実施形態では、端末装置2がルート提供処理を実行する例を示すが、他の構成を採用することもできる。すなわち、たとえば、位置検出部5、ルート演算部23および表示部24を、車両Aに搭載されたナビゲーション装置18で実現し、これによりルート提供処理を実行する構成としてもよい。
図2Aは、端末装置2の表示部24による表示内容の一例を示す図である。表示部24は、図2Aに示すように、ルート演算部23が出力した制御指令に従って、利用者が入力した出発地点POと目的地点PDに加えて、これらの間の提示ルートR、該提示ルートRを走行する際に経由する充電経由地点PCを地図上に描画するとともに、該提示ルートRを走行する際に消費する消費電力(kW・h)および航続可能距離(km)の数値情報を画面の隅に表示する。これにより、端末装置2の利用者は、車両Aを目的地点PDまで走行させる際の消費電力、航続可能距離、充電経由地点PCを事前に確認することができる。
<車両用情報提供装置3>
図1に戻り、データセンタBに設置された車両用情報提供装置3は、処理プログラムが格納されたROMと、各データを一時記憶するためのRAMと、処理プログラムにしたがって演算処理を実行するCPUを含むハードウェアで構成され、機能的には、地図情報記憶部25と、走行履歴蓄積部26と、履歴統計処理部27を備える。地図情報記憶部25は、車両Aが走行する地域の地図情報を予め記憶している。地図情報としては、たとえば、道路網を表現するノードやリンク、車両Aに備えらえた走行用バッテリ14を充電するための充電施設Cの位置、有料道路や有料道路に付設されている施設位置の情報等が挙げられる。
走行履歴蓄積部26は、車載装置1から送信された第1走行履歴情報(走行時基本情報、移動情報および車両状態情報を含む情報,図3のステップS102〜S105)および第2走行履歴情報(充電時基本情報および充電情報を含む情報,図3のステップS108〜S110)に基づいて、履歴情報蓄積処理を実行する。具体的には、履歴情報蓄積処理において、走行履歴蓄積部26は、車載装置1が送信した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を順次受信(取得)する。そして、走行履歴蓄積部26は、受信した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を走行履歴情報として蓄積する。
履歴統計処理部27は、端末装置2から送信された提示ルート検索要求、地図情報記憶部25が記憶している地図情報および走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)を参照して、走行履歴統計処理を実行する。この走行履歴統計処理において、まず、履歴統計処理部27は、ルート演算部23から送信された提示ルート検索要求に基づき、地図情報記憶部25が記憶している地図情報を参照して、出発地点POから目的地点PDまでの計画ルートを検索し取得する。計画ルートとしては、出発地点POから目的地点PDまで到達できるルートであればよく、特に限定されないが、たとえば出発地点POと目的地点PDとを最短時間で走行可能な走行ルートや最短距離で走行する走行ルートが検索される。
続いて、走行履歴統計処理において、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報)を参照して、検索(取得)した計画ルートと同一または類似の提示ルートを決定する。なお、このような提示ルートの決定方法については後述する。続いて、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)を参照して、決定した提示ルートを走行する際に、車両Aが実際に消費した消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地点を決定する。そして、履歴統計処理部27は、決定した提示ルート、消費電力および充電経由地点の情報を車載装置1に送信(提供)する。これにより、車載装置1は、履歴統計処理部27が出力した情報に基づいて、提示ルート、提示ルートを走行する際に消費した消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地点を消費電力の情報を提示する。走行履歴統計処理の詳細については後述する。
<車両用情報提供システムSの情報処理>
上述した車載装置1と、端末装置2と、車両用情報提供装置3を備える車両用情報提供システムSは、図2Bに示す関係で各種情報処理を実行する。すなわち、車載装置1は走行履歴情報記録処理(ステップS10)を実行し、車両用情報提供装置3は履歴蓄積処理(ステップS30)及び走行履歴統計処理(ステップS40)を実行し、端末装置2はルート提供処理(ステップS20)を実行する。
これらステップS10,S20,S30,S40の関係を概説すると、複数の車両A,A…のそれぞれに設けられた車載装置1は、ステップS10にて自車両の走行ルートに応じた走行履歴情報(走行時基本情報・移動情報・車両状態情報を含む第1走行履歴情報と、充電時基本情報・充電情報を含む第2走行履歴情報)を取得し、これを車両用情報提供装置3に送信する。車両用情報提供装置3は、ステップS30にて、複数の車両A,A…からこうした走行履歴情報を受信し、これを蓄積する。これにより、車両用情報提供装置3には多数の走行履歴情報が蓄積される。
一方、ステップS20にて、これからドライブしようとする利用者は、端末装置2を用いて出発地点及び目的地点と、必要に応じて経由地点を入力し、これら出発地点、目的地点及び経由地点の情報を車両用情報提供装置3に送信する。車両用情報提供装置3は、ステップS40にて、これら出発地点、目的地点及び経由地点の情報を用いて、その走行ルート(計画ルートともいう)と同一又は類似の走行ルートを、蓄積された走行履歴情報から検索し、ヒットした走行ルート(提示ルートともいう)とこれに関連する走行履歴情報を端末装置2に送信する。そして、ステップS20にて、これら提示ルート及び関連情報を受信した端末装置2は、これらの情報を表示する。これにより利用者は、自車両の出発地点、目的地点及び経由地点に応じた走行ルートのほか、バッテリの消費電力や充電のための経由地点などの情報を出発前に確認することができる。以下、これら走行履歴情報記録処理(ステップS10)、ルート提供処理(ステップS20)、履歴蓄積処理(ステップS30)、走行履歴統計処理(ステップS40)のサブルーチンを説明する。
<走行履歴情報記録処理>
図3は、図2Bの走行履歴情報記録処理(ステップS10)のサブルーチンを示すフローチャートである。走行履歴情報記録処理は、車載装置1の走行履歴記録部19により実行され、この走行履歴記録部19は、予め定められた設定時間(たとえば、10ミリ秒)が経過するたびに走行履歴情報記録処理を実行する。
まず、図3に示すように、ステップS101では、走行履歴記録部19は、運転者が車両Aの運転を開始したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、スイッチ状態検出部6が出力した情報(パワースイッチのスイッチ状態)に基づき、パワースイッチがオン状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、パワースイッチがオン状態であると判定した場合には(ステップS101=Yes)、運転者が車両Aの運転を開始したと判定し、ステップS102に進む。一方、走行履歴記録部19は、パワースイッチがオフ状態であると判定した場合には(ステップS101=No)、運転者が車両Aの運転を開始していないと判定し、ステップS107に進む。
運転者が車両Aの運転を開始したと判定されたステップS102において、走行履歴記録部19は、車両Aを特定する車両IDの情報、運転者検出部12から出力された運転者IDの情報、気温検出部7から出力された気温の情報および現在の日時の情報を走行時基本情報として記録する。すなわち、本実施形態において、走行時基本情報は、車両IDの情報、運転者IDの情報、気温の情報および現在の日時の情報を含む情報である。なお、現在の日時の情報は、車両Aに搭載された時計による日時情報又は位置検出部5により検出されるGPS信号に含まれる日時情報を用いることができる。
続いてステップS103に進み、走行履歴記録部19は、位置検出部5、高度検出部8から出力された緯度経度の情報および高度の情報、ならびに走行ルートの情報(以下、走行位置情報とも呼ぶ)を移動情報として記録する。すなわち、本実施形態において、移動情報は、緯度経度の情報、高度の情報および走行ルートの情報(走行位置情報)を含む情報である。走行ルートとしては、たとえば、ナビゲーション装置18が提示する案内ルートに沿って車両Aが走行するものと考えられるため、ナビゲーション装置18が出力した情報(案内ルート)を採用することができる。
続いてステップS104に進み、走行履歴記録部19は、各検出部4,8,9,10から出力された車速の情報、アクセル開度の情報およびエアコン使用量の情報を車両状態情報として記録する。なお、走行履歴記録部19は、ナビゲーション装置18が案内する案内ルートに沿った走行を終えた場合には、案内ルートを走行した際に消費した消費電力の情報(以下、消費電力情報とも呼ぶ)も車両状態情報に含めて記録する。すなわち、本実施形態において、車両状態情報は、車速の情報、アクセル開度の情報、エアコン使用量の情報、および消費電力の情報(消費電力情報)を含む情報である。消費電力の算出方法としては、たとえば、案内ルートの出発地点POを出発したときの電池残量から走行ルートの目的地点PDに到達したときの電池残量を減算することにより求めることができる。
続いてステップS105に進み、走行履歴記録部19は、走行履歴記録部19が記録している走行時基本情報、移動情報および車両状態情報を含む情報を第1走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する(車両用情報提供装置3は、図5のステップS301にてこれを受信し蓄積する)。続いてステップS106に進み、走行履歴記録部19は、運転者が車両Aの運転を終了したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、スイッチ状態検出部6から出力されたパワースイッチのスイッチ状態の情報に基づき、パワースイッチがオフ状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、パワースイッチがオフ状態であると判定した場合には(ステップS106=Yes)、運転者が車両Aの運転を終了したと判定し、ステップS107に進む。一方、走行履歴記録部19は、パワースイッチがオン状態であると判定した場合には(ステップS106=No)、運転者が車両Aの運転を終了していないと判定し、ステップS102に戻り、運転者が車両Aの運転を終了したと判定されるまで、ステップS102〜S106の処理を繰返し実行する。
運転者が車両Aの運転を終了したと判定されたステップS107では、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14の充電を開始したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、充放電制御部16から出力された走行用バッテリ14の充電状態の情報に基づき、走行用バッテリ14が充電状態であるか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態であると判定した場合には(ステップS107=Yes)、走行用バッテリ14の充電を開始したと判定し、ステップS108に進む。一方、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態ではないと判定した場合には(ステップS107=No)、走行用バッテリ14の充電を開始していないと判定し、ステップS101に戻り、車両Aの運転が開始される(ステップS101=Yes)か、あるいは走行用バッテリ14の充電が開始される(ステップS107=Yes)まで、ステップS101,S107の処理を繰返し実行する。
ステップS107において走行用バッテリ14の充電が開始されるとステップS108に進み、走行履歴記録部19は、気温検出部7から出力された気温の情報および現在の日時の情報を充電時基本情報として記録する。すなわち、本実施形態において、充電時基本情報は、気温の情報および現在の日時の情報を含む情報である。
続いてステップS109に進み、走行履歴記録部19は、位置検出部5、電池残量検出部11、充放電制御部16から出力された緯度経度の情報(以下、充電経由地点情報、充電位置情報とも呼ぶ)、充電量の情報、および充電時間の情報を充電情報として記録する。すなわち、実施形態において、充電情報は、緯度経度の情報(充電経由地点情報、充電位置情報)、充電量の情報、および充電時間の情報を含む情報である。
続いてステップS110に進み、走行履歴記録部19は、走行履歴記録部19が記録している充電時基本情報および充電情報を含む情報を第2走行履歴情報として車両用情報提供装置3に送信する(車両用情報提供装置3は、図5のステップS301にてこれを受信し蓄積する)。その際、走行履歴記録部19は、第2走行履歴情報を、上述したステップS105において送信した第1走行履歴情報と対応付けて、車両用情報提供装置3に送信する。これにより、車両Aが走行した走行ルートと該走行ルートを走行した際に経由した充電経由地点とが対応付けられることとなる。
続いてステップS111に進み、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14の充電を終了したか否かを判定する。具体的には、走行履歴記録部19は、充放電制御部16から出力された走行用バッテリ14の充電状態の情報に基づき、走行用バッテリ14が充電状態でないか否かを判定する。そして、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態でないと判定した場合には(ステップS111=Yes)、走行用バッテリ14の充電を終了したと判定し、走行履歴情報記録処理を終了する。一方、走行履歴記録部19は、走行用バッテリ14が充電状態であると判定した場合には(ステップS111=No)、走行用バッテリ14の充電を終了していないと判定し、ステップS108に戻り、走行用バッテリ14の充電を終了したと判定されるまで、ステップS108〜S111の処理を繰返し実行する。
<ルート提供処理>
図4は、図2Bのルート提供処理(ステップS20)のサブルーチンを示すフローチャートである。ルート提供処理は、端末装置2のルート演算部23により実行され、このルート演算部23は、目的地点等入力部22に、出発地点PO、目的地点PD、電池残量および運転者IDの情報が入力されると、以下に説明するルート提供処理を実行する。
図4に示すように、まずステップS201において、ルート演算部23は、目的地点等入力部22から出力された出発地点PO、目的地点PD、電池残量および運転者IDの情報を取得する。続いてステップS202に進み、ルート演算部23は、提示ルート検索要求を車両用情報提供装置3に送信する。具体的には、ルート演算部23は、上述したステップS201で取得した出発地点PO、目的地点PD、電池残量および運転者IDの情報とともに、提示ルート検索要求を車両用情報提供装置3に送信する(車両用情報提供装置3は図6のステップS401にてこれを受信する)。
ステップS202においてルート演算部23から車両用情報提供装置3に提示ルート検索要求が出力されると、車両用情報提供装置3は、図6に示す処理手順(ステップS401〜S411)で提示ルートを演算して決定し、これを端末装置2のルート演算部23に送信する(詳細は図6を参照して後述する)。次にステップS203に進み、ルート演算部23は、車両用情報提供装置3から送信された提示ルートの情報、消費電力の情報および充電経由地点の情報含む情報を受信する(図6のステップS411から)。なお、ステップS202において、提示ルートを決定できなかった場合には、ルート演算部23は、提示ルートの情報に代えて、計画ルートの情報を受信する。
続いてステップS204に進み、ルート演算部23は、ステップS203において、提示ルートの情報を受信したか否かの判定を行う。そして、ルート演算部23は、提示ルートの情報を受信したと判定した場合には(ステップS204=Yes)、ステップS205に進む。一方、ルート演算部23は、提示ルートの情報に代えて、計画ルートの情報を受信したと判定した場合には(ステップS204=No)、ステップS207に進む。
提示ルートの情報を受信したと判定した場合にはステップS205に進み、ステップS205において、ルート演算部23は、上述したステップS203で取得した情報(提示ルートの情報、消費電力の情報および充電経由地点の情報)のうち、提示ルートの情報および充電経由地点の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力する。続くステップS206において、ルート演算部23は、上述したステップS203で取得した情報(提示ルートの情報、消費電力の情報および充電経由地点の情報)のうち、消費電力の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力した後、ルート提供処理を終了する。これにより、表示画面に対して図2Aに示す表示が行われることとなる。
一方、提示ルートの情報を受信しなかったと判定した場合には、ステップS207に進み、ステップS207において、ルート演算部23は、上述したステップS203で取得した情報(計画ルートの情報、消費電力の情報および充電経由地点の情報)のうち、計画ルートの情報および充電経由地点の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力する。
続くステップS208において、ルート演算部23は、上述したステップS203で取得した情報(計画ルートの情報、消費電力の情報および充電経由地点の情報)のうち、消費電力の情報を表示させる制御指令を表示部24に出力した後、ルート提供処理を終了する。これにより、表示画面に対して図2Aに示すような表示が行われることとなる。
<履歴蓄積処理>
図5は、図2Bの履歴蓄積処理(ステップS30)のサブルーチンを示すフローチャートである。履歴蓄積処理は、車両用情報提供装置3の走行履歴蓄積部26で実行され、走行履歴蓄積部26は、ルート演算部23から第1走行履歴情報または第2走行履歴情報を受信すると履歴蓄積処理を実行する。
図5のステップS301では、走行履歴蓄積部26は、車載装置1の走行履歴記録部19から受信した第1走行履歴情報または第2走行履歴情報を走行履歴情報として蓄積し、履歴蓄積処理を終了する。その際、走行履歴蓄積部26は、渋滞有無、曜日、季節、天気、走行時間帯、エアコンの消費電力、走行消費電力および平均速度の各情報も走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)に含めて蓄積する。
渋滞有無の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の日時および走行ルートにおいて渋滞有無の検出を行い、この検出した渋滞情報を用いることができる。また、曜日の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の日時が属する曜日が挙げられる。さらに、季節の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の日時が属する季節がある。また、天気の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の日時および緯度経度における天気を検出し、検出した情報を用いることができる。
さらに、時間帯の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の日時が属する時間帯が挙げられる。また、エアコンの消費電力の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれるエアコンのオン/オフの情報、およびエアコンの単位時間当たりの消費電力の情報が挙げられる。また、走行消費電力の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる走行時の電池残量の単位時間当たりの減少量が挙げられる。さらに、平均速度の情報としては、たとえば、第1走行履歴情報に含まれる車速の設定時間(たとえば、10分)における平均値が挙げられる。
なお、本実施形態では、走行履歴記録部19が、ナビゲーション装置18から出力された案内ルートの情報を走行ルートとする例を示したが、他の構成を採用することもできる。たとえば、第1走行履歴情報の走行ルートのうちに車両Aが実際には異なるルートを走行した部分がある場合には、走行履歴蓄積部26が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報(緯度経度)に基づき、車両Aが実際に走行した走行ルートに補正する。これにより、走行履歴蓄積部26は、車両Aが実際に走行した走行ルートの情報を蓄積する。
実際に走行したルートの情報としては、一般的なデッドレコニング後の緯度経度数列、あるいは道路リンク列、さらにはマップマッチング後の緯度経度数列あるいは道路リンク列を採用することができる。デッドレコニングとは、たとえば位置検出部5で検出したGPS緯度経度を、車速検出部9の速度情報に応じて補正した位置情報である。さらには図示しないジャイロセンサ(加速度センサ)の情報を加味することで、補正精度を高める方法も知られているのでこれを用いてもよい。また、マップマッチングとは、位置検出部5の検出したGPS緯度経度もしくは上記デッドレコニング後の緯度経度と、ナビゲーション装置18が保有する道路リンク、ノード情報と、ナビゲーション案内中であれば案内ルートの情報とを併せ見て、道路上を走行しているか否か、道路上の場合はどの道路上を通過したかを判定した上で、尤もらしい道路上の場所を検出する方法として知られている。
本実施形態において、車載装置1から出力された走行ルートの情報を蓄積する際に、走行ルートの端点となる開始点と終了点を抽出し、端点の情報のみを蓄積したサブデータベース又はテーブル形式のデータを生成してもよい。2つの端点の位置とその間の走行路が同じ走行ルートであっても、一方の端点から他方の端点へ走行する場合と、他方の端点から一方の端点へ走行する場合とではバッテリの消費電力が異なる場合があるからである。たとえば、2つの端点の高度が異なる場合には上り坂と下り坂が逆になり、上り坂が多い方がバッテリの消費電力が多くなる。また、2つの端点の高度が同じであっても上り車線と下り車線では渋滞の程度が相違することがあり、渋滞の程度が大きいほど走行時間が長くなってバッテリの消費電力が多くなる。このため、走行ルートの開始点と終了点を区別してサブデータベースに蓄積してもよい。このサブデータベース(端点サブデータベースと称する)の情報は、同一・類似ルートを検索する順序を決定する際に用いることができ、具体的には図8のステップS703の処理に用いることができる。詳細は後述する。
<走行履歴統計処理>
図6は、図2Bの走行履歴統計処理(ステップS40)のサブルーチンを示すフローチャートである。走行履歴統計処理は、車両用情報提供装置3の履歴統計処理部27により実行され、この履歴統計処理部27は、端末装置2が送信した提示ルート検索要求(図4のステップS202)を受信すると以下の履歴統計処理を実行する。
図6に示すように、まずステップS401では、履歴統計処理部27は、受信した提示ルート検索要求から出発地点POおよび目的地点PDを取得する。続いて、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、取得した出発地点POから目的地点PDまでの計画ルートを検索(取得)する。計画ルートとしては、出発地点POから目的地点PDまで到達できるようなルートであればよく、特に限定されないが、たとえば、出発地点POと目的地点PDとを最短時間で走行可能な走行ルートや、最短距離で走行する走行ルートや、高速道路・有料道路を利用する走行ルートや、一般道を利用する走行ルートなどが必要に応じて設定される。
なお、本実施形態では、車両用情報提供装置3に備えられた履歴統計処理部27が、計画ルートを検索(取得)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。たとえば、車載装置1に備えられたナビゲーション装置18が、計画ルートを検索する構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置18が、計画ルートの検索結果を履歴統計処理部27に送信し、履歴統計処理部27が、ナビゲーション装置18から送信された計画ルートを受信(取得)するように構成すればよい。
続いてステップS402に進み、履歴統計処理部27は、受信した提示ルート検索要求にしたがって電池残量の情報を取得する。電池残量の情報の取得方法としては、端末装置2からデータセンタBを経由して車両Aの電池残量検出部11に問い合わせる方法としてもよいし、利用者が任意の電池残量を入力する方法としてもよい。前者の方法によれば、実際にこれから出発する際に直近の電池残量に基づく計算ができるため、現時点の状態に則した結果を得ることができる。また、後者の方法によれば、利用者が事前に電池残量を指定することができるため、たとえば、電池が100%充電になってから出発することを想定して結果を得ることができる。
次いで、ステップS403に進み、ステップS403では、履歴統計処理部27により、類似ルート検索処理が実行される。図8は、図6のステップS403のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。履歴統計処理部27は、ステップS701にて、受信した提示ルート検索要求に含まれる出発地点POおよび目的地点PDに基づいて、出発地域ROおよび目的地域RDを設定する。提示ルート検索要求に経由地点PWが含まれている場合は経由地域RWも設定する。
図7は、本実施形態の類似ルートの検索方法を説明するための図である。図7(A)に示すように、本実施形態においては、履歴統計処理部27は、出発地点POを中心にした半径rOの円形状の範囲を出発地域ROに設定し、かつ、目的地点PDを中心にした半径rDの円形状の範囲を目的地域RDに設定する。また経由地点PWを中心にした半径rWの円形状の範囲を経由地域RWに設定する。なお、出発地点、目的地点、経由地点から出発地域、目的地域、経由地域をそれぞれ設定する方法は、一定半径の円形範囲に限定されず、たとえば正多角形など所定の幾何学形状としてもよい。
次のステップS702において、履歴統計処理部27は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点PO、目的地点PDおよび経由地点PWに基づいて、類似ルートの検索範囲(換言すれば検索除外範囲)を設定する。走行履歴蓄積部26に蓄積されている走行ルートのデータ数が膨大であったり、道路自体が複雑な地域で走行路の組合せが多数存在したりする場合など、検索結果に意図しない走行ルートが含まれることがあるが、本実施形態では、こうした意図しない提示ルート、換言すれば利用者が設定した出発地点PO、目的地点PDおよび経由地点PWとの距離的関係や時間的関係が希薄な走行ルートを提示ルートとして提供するのを抑制又は禁止する。このため、少なくとも出発地点POと目的地点PDとの距離的関係又は時間的関係に対して所定の閾値以上となる提示ルートの提供を抑制又は禁止する。なお、提示ルートの提供を抑制又は禁止するためには、以下に説明するように、類似ルートの検索範囲を限定する方法と、検索範囲は従来どおり全範囲とし、得られた検索結果を限定して提供する方法がありいずれを採用してもよい。
少なくとも出発地点POと目的地点PDとの距離的関係又は時間的関係に対して所定の閾値以上となる提示ルートの提供を抑制するための具体的手段は、種々考えられる。図9A〜図9C,図10A〜図10D,図11A〜図11Bはその具体例を説明するための道路図である。
図9Aに示す第1例は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線の距離Lに対して、所定倍率(たとえばLのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は禁止するものである。出発地点POと目的地点PDと間に高低差がある場合はこれを考慮した距離Lとしてもよい。出発地点POと目的地点PDとのそれぞれは緯度・経度の情報と高度情報を含むので直線距離Lを算出することができ、これに所定倍率Nを乗じた値NLを倍率閾値に設定する。そして、ステップS703などにおいて走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行距離が倍率閾値NL以上となるものを除外する。これにより、遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
なお、図9Aには図示しないが、提示ルート検索要求に経由地点PWが含まれている場合は、出発地点POと経由地点PWを結ぶ直線の距離L1と、経由地点と目的地点を結ぶ直線の距離L2とを加算した距離L1+L2に所定倍率Nを乗じた値N(L1+L2)を倍率閾値に設定し、ステップS703などにおいて、走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行距離が倍率閾値N(L1+L2)以上となるものを除外すればよい。また、複数の経由地点PWが含まれる場合も同様にして倍率閾値を設定すればよい。
図9Bに示す第2例は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとから得られる計画ルートの距離Lに対して、所定倍率(たとえばLのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は禁止するものである。この計画ルートは、上述したとおり車両用情報提供装置3の履歴統計処理部27により演算され、地図情報記憶部25が記憶している地図情報を参照して、出発地点POから目的地点PDまでの、たとえば出発地点POと目的地点PDとを最短時間で走行可能な走行ルートや最短距離で走行する走行ルートが計画ルートとして抽出される。この計画ルートには走行距離情報が含まれるので、これに所定倍率Nを乗じた値NLを倍率閾値に設定する。そして、ステップS703などにおいて、走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行距離が倍率閾値NL以上となるものを除外する。これにより、遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
なお、図9Bには図示しないが、提示ルート検索要求に一又は複数の経由地点PWが含まれている場合であっても、得られる計画ルートもこの経由地点PWを通過する走行ルートであるため、計画ルートの走行距離Lに対して所定倍率Nを乗じたNLを倍率閾値として設定すればよい。
図9Cに示す第3例は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとから得られる計画ルートに対し、これに類似する走行ルートを検索し、その中で最も走行距離が短い走行ルートの走行距離Lを基準にし、この最短距離Lに対して、所定倍率(たとえばLのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は禁止するものである。たとえば、同図に示すように、計画ルートに対して3つの提示ルート(類似ルート)が抽出され、これら3つの提示ルートのうち最短距離の走行ルートが提示ルート2であった場合には、この提示ルート2の走行距離Lに所定倍率Nを乗じた値NLを倍率閾値に設定し、たとえばステップS710などにおいて、最終的に抽出された第3走行ルートの中から、その走行ルートの走行距離が倍率閾値NL以上となるものを除外する。これにより、遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
なお、図9Cには図示しないが、提示ルート検索要求に一又は複数の経由地点PWが含まれている場合であっても、得られる提示ルートルートもこの経由地点PWを通過する走行ルートであるため、最短の提示ルートの走行距離Lに対して所定倍率Nを乗じたNLを倍率閾値として設定すればよい。また、複数の提示ルートから基準となる提示ルートを決定するのは最短距離に限定されず、同一走行ルートの本数、すなわち走行ルートの頻度が最も高いものとしてもよい。
図9B及び図9Cに示す第2例及び第3例において、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとから得られる計画ルートや提示ルート(類似ルート)に、走行路以外に走行ルートの属性が含まれることがある。たとえば、走行ルートの属性としては有料道路か一般道路かといったものが含まれる。このように走行ルートの属性が含まれる場合には、属性ごとに異なる倍率N1,N2を設定してもよい。そしてこの場合には、検索された提示ルートが有料道路を通過するものについては倍率N1を用い、倍率閾値N1L以上の提示ルートを除外する一方で、検索された提示ルートが有料道路を通過しない一般道路を通過するものについては倍率N2を用い、倍率閾値N2L以上の提示ルートを除外することができる。
以上の図9A〜図9Cに示す第1例〜第3例は、出発地点POと目的地点PDとの「距離的関係」に対して所定の閾値以上となる提示ルートの提供を抑制するための具体的手段であるが、これを出発地点POと目的地点PDとの「時間的関係」に対して所定の閾値以上となる提示ルートの提供を抑制する手段に代替することもできる。すなわち、図9Aに示す第1例については、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線の距離Lを所定速度V(Vは一定値)で走行した場合の走行時間Tに対して、所定倍率(たとえばTのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は禁止するようにしてもよい。そして、ステップS703などにおいて走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行時間が倍率閾値NT以上となるものを除外する。これにより、時間がかかり過ぎる(時間的に遠回りになる)走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
なお、図9Aには図示しないが、提示ルート検索要求に経由地点PWが含まれている場合は、出発地点POと経由地点PWを結ぶ直線距離を所定速度Vで走行した場合の走行時間T1と、経由地点と目的地点を結ぶ直線距離を同じく所定速度Vで走行した場合の走行時間T2とを加算した走行時間T1+T2に所定倍率Nを乗じた値N(T1+T2)を倍率閾値に設定し、ステップS703などにおいて、走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行時間が倍率閾値N(T1+T2)以上となるものを除外すればよい。また、複数の経由地点PWが含まれる場合も同様にして倍率閾値を設定すればよい。
同様に、図9Bに示す第2例については、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとから得られる計画ルートの走行時間Tに対して、所定倍率(たとえばTのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は
禁止するようにしてもよい。そして、ステップS703などにおいて、走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートの走行時間が倍率閾値NT以上となるものを除外する。これにより、時間がかかり過ぎる(時間的に遠回りになる)走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
同様に、図9Cに示す第3例については、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDとから得られる計画ルートに対し、これに類似する走行ルートを検索し、その中で最も走行時間が短い走行ルートの走行時間Tを基準にし、この最短時間Tに対して、所定倍率(たとえばTのN倍(Nは正数))以上となる走行ルートについては、提示ルートとしての提供を抑制又は禁止するようにしてもよい。たとえば、同図に示すように、計画ルートに対して3つの提示ルート(類似ルート)が抽出され、これら3つの提示ルートのうち最短時間の走行ルートが提示ルート2であった場合には、この提示ルート2の走行時間Tに所定倍率Nを乗じた値NTを倍率閾値に設定し、たとえばステップS710などにおいて、最終的に抽出された第3走行ルートの中から、その走行ルートの走行時間が倍率閾値NT以上となるものを除外する。これにより、時間がかかり過ぎる(時間的に遠回りになる)走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
図10A〜図10Dに示す例は、計画ルートに類似する走行ルートを検索する際の検索範囲を限定する具体例である。これら第4例〜第7例は、検索範囲を矩形の検索範囲に限定するものである。
図10Aに示す第4例は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)と、これら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートと、を含む矩形検索範囲1(又は矩形検索範囲2)を超える提示ルートの提供を抑制又は禁止するものである。同図において、矩形検索範囲1は、出発地点POと目的地点PDと計画ルートとを含む矩形検索範囲を示し、矩形検索範囲2は、出発地域ROと目的地域RDと計画ルートとを含む矩形検索範囲を示す。いずれの矩形検索範囲1,2を設定してもよい。提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PD、及びこれら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートには、緯度・経度情報が含まれるので、この緯度・経度情報から最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを緯度経度方向に沿って矩形に結ぶことにより図示する矩形検索範囲1を生成することができる。また矩形検索範囲2については、出発地点POと目的地点PDの緯度・経度情報とそれぞれの半径rO,rDとから最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを緯度経度方向に沿って矩形に結ぶことにより図示する矩形検索範囲2を生成することができる。
そして、ステップS703などにおいて走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートが矩形検索範囲1又は2を超えるものを除外する。これにより、距離的又は時間的に遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
図10Bに示す第5例は、上記第4例と同様に、提示ルート検索要求に含まれる出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)と、これら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートと、を含む矩形検索範囲1(又は矩形検索範囲2)を超える提示ルートの提供を抑制又は禁止するものであるが、矩形の外形線が出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線に平行又は垂直な線分で構成され、緯度・経度方向には限らない点で第4例とは相違する。この第5例においても、同図において、矩形検索範囲1は、出発地点POと目的地点PDと計画ルートとを含む矩形検索範囲を示し、矩形検索範囲2は、出発地域ROと目的地域RDと計画ルートとを含む矩形検索範囲を示し、いずれの矩形検索範囲1,2を設定してもよい。
提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PD、及びこれら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートには、緯度・経度情報が含まれるので、この緯度・経度情報から最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを図示するように出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線に平行又は垂直な線分で取り囲む最小の矩形を求めることにより矩形検索範囲1を生成することができる。また矩形検索範囲2については、出発地点POと目的地点PDの緯度・経度情報とそれぞれの半径rO,rDとから最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線に平行又は垂直な線分に沿って矩形に結ぶことにより図示する矩形検索範囲2を生成することができる。
図10Cに示す第6例は、上記第4例及び第5例と同様に、提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと、目的地点PDと、これら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートと、を含む矩形検索範囲1を超える提示ルートの提供を抑制又は禁止するものであるが、矩形の外形線が出発地点POと目的地点PDとのそれぞれを中心とする扇形の半径線分で構成され、緯度・経度方向や出発地点POと目的地点PDとを結ぶ直線に平行又は垂直方向には限らない点で第4例及び第5例とは相違する。ここで、出発地点POを中心とする一方の扇形の半径と、目的地点PDを中心とする他方の扇形の半径は、等しくても異なっていてもよい。2つの扇形の半径を等しくすることで、設定される矩形検索範囲が菱形になるので、出発地点PO及び目的地点PDの一方に偏ることのない均一な範囲にすることができる。
図10Dに示す第7例は、提示ルート検索要求に経由地点PWが含まれている場合の矩形検索範囲の設定方法を示す例である。一又は複数の経由地点PWが含まれている場合であっても、経由地点PWを出発地点PO及び目的地点PDと同等に取り扱うことにより、上述した第4例〜第6例と同様に矩形検索範囲を設定することができる。すなわち、図10Dの第7例は、図10Aの第4例に経由地点PWが追加された例に相当するが、出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)と、これら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートとに加え、経由地点PW(又は経由地域RW)をも含む矩形検索範囲1(又は矩形検索範囲2)とすればよい。同図において、矩形検索範囲1は、出発地点POと目的地点PDと計画ルートと経由地点PWとを含む矩形検索範囲を示し、矩形検索範囲2は、出発地域ROと目的地域RDと計画ルートと経由地域RWとを含む矩形検索範囲を示す。いずれの矩形検索範囲1,2を設定してもよい。
提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PDと経由地点PW、及びこれら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートには、緯度・経度情報が含まれるので、この緯度・経度情報から最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを緯度経度方向に沿って矩形に結ぶことにより図示する矩形検索範囲1を生成することができる。また矩形検索範囲2については、出発地点POと目的地点PDと経由地点PWの緯度・経度情報とそれぞれの半径rO,rD,rWとから最小経度、最大経度、最小緯度及び最大緯度を抽出し、これらを緯度経度方向に沿って矩形に結ぶことにより図示する矩形検索範囲2を生成することができる。
そして、ステップS703などにおいて走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートが矩形検索範囲1又は2を超えるものを除外する。これにより、距離的又は時間的に遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
なお、上述した第4例〜第7例において、計画ルートに代えて、計画ルートに類似するものとして検索された提示ルートのうち、最短距離の提示ルート、最頻値の提示ルート、最小消費電力の提示ルートを抽出し、これらいずれかの提示ルートと、出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)とを含む矩形の範囲を矩形検索範囲としてもよい。
計画ルートに類似する走行ルートを検索する際の検索範囲を限定する場合に、図10A〜図10Dに示すように矩形の検索範囲1,2には限定されない。図11A〜図11Bに示す第8例〜第9例は、検索範囲を計画ルートから幅方向に所定距離の範囲に限定するものである。
図11Aに示す第8例は、提示ルート検索要求に含まれる出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)と、これら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートと、を含み、出発地点PO(又は出発地域RO)と目的地点PD(又は目的地域RD)と計画ルートとから幅方向の両側にそれぞれ所定距離mの範囲を検索範囲に設定するものである。提示ルート検索要求に含まれる出発地点POと目的地点PD、及びこれら出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートには、緯度・経度情報が含まれるので、この緯度・経度情報からそれぞれ幅方向に所定距離mの位置座標を算出し、これらを結ぶことにより図示する検索範囲を生成することができる。
そして、ステップS703などにおいて走行ルートの開始点が出発地域ROに存在する走行ルートの中から、その走行ルートが検索範囲を超えるものを除外する。これにより、距離的又は時間的に遠回りになる走行ルートなど意図しない走行ルートを提示ルートとして提供することを抑制することができる。
図10Bは、出発地点PO及び目的地点PDから得られる計画ルートが複数抽出された場合を示す第9例であり、この場合は、計画ルート1と計画ルート2のそれぞれについて幅方向に所定距離mの範囲を算出し、これらを合わせた最大範囲を検索範囲とする。
なお、上述した第8例〜第9例において、計画ルートに代えて、計画ルートに類似するものとして検索された提示ルートのうち、最短距離の提示ルート、最頻値の提示ルート、最小消費電力の提示ルートを抽出し、これらいずれかの提示ルートと、出発地点PO(又は出発地域RO)と、目的地点PD(又は目的地域RD)とを含む矩形の範囲を矩形検索範囲としてもよい。
図8のステップS703に戻り、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)のうちから、設定した出発地域ROおよび目的地域RD内に、開始点および終了点を有する走行ルートを検索し、検索した走行ルートを類似ルートとして抽出する。具体的には、ステップS703にて、蓄積された走行ルートの中から開始点が出発地域ROに存在する走行ルートを抽出し、存在する場合はステップS704へ進んでその走行ルートを第1走行ルートとして一時的に記憶するが、存在しない場合は類似ルートではないとしてステップS711へ進む。
このステップS703の処理を実行する際に、上述した図9A〜図9Bの第1例〜第2例の倍率閾値NL,NTによって、開始点は出発地域ROに存在するものの倍率閾値NL.NT以上となる走行ルートを除外し、第1走行ルートとして一時的に記憶しないこととする。同様に、図10A〜図11Bの第4例〜第9例の検索範囲の設定によって、開始点は出発地域ROに存在するものの検索範囲を超える走行ルートを除外し、第1走行ルートとして一時的に記憶しないこととする。
次いでステップS705にて、第1走行ルートのうち、終了点が目的地域RDに存在する走行ルートを抽出し、存在する場合はステップS706へ進んでその走行ルートを第2走行ルートとして一時的に記憶するが、存在しない場合は類似ルートではないとしてステップS711へ進む。類似ルートとして設定する。次いでステップS707にて、第2走行ルートのうち、経由地域RWを通過する走行ルートを抽出し、存在する場合はステップS708へ進んでその走行ルートを第3走行ルートとして一時的に記憶するが、存在しない場合は類似ルートではないとしてステップS711へ進む。なお、経由地点PWの設定がされていない場合はステップS707の処理を行わないで、そのままステップS708へ進む。
ステップS709では検索範囲内の全ての走行ルートについて検索が終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップS703へ戻ってステップS703〜S709の処理を繰り返し、終了した場合はステップS710へ進む。ステップS710では、第3走行ルートとして一時的に記憶されている走行ルートを類似ルート(提示ルート)として出力する。たとえば、図7(B)に示す例においては、出発地点POと目的地点PDとを結ぶ計画ルートに対して、2つの「類似ルート1」および「類似ルート2」が検出された例を示している。
なお、本実施形態において、出発地域ROおよび目的地域RDの大きさ(広さ)を規定する半径rO、半径rDとしては、予め定められた距離(たとえば、5km)に設定することができる。本実施形態によれば、このように類似ルートを検索する際に、所定の範囲を有する出発地域ROおよび目的地域RDといった一定範囲を設定することで、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)中に、対応する類似ルートが無いという状況を低減することができ、これにより、類似ルートを適切に設定することが可能となる。また逆に、この範囲を一定範囲に限定することで、すなわちあまりに広範な範囲を設定しないことで、類似ルートの検索負荷を軽減し検索時間を短縮することができる。
図6のステップS403に戻り、このようにして検索してヒットした類似ルートを提示ルートとして設定する。なお、提示ルートの数は、特に限定されず、1つであっても複数であってもよい。また、類似ルートが検出された場合には、検出された全ての類似ルートを提示ルートに設定してもよく、あるいは検出された全ての類似ルートのうちから、所定の条件に応じて、1又は2以上の類似ルートを選択し、これを提示ルートとしてもよい。所定の条件としては、たとえば、走行時期(季節、気温)、走行時エアコン使用有無等の条件を考慮し、現在の条件に近い類似ルートを選択する方法などが挙げられる。あるいは、消費電力の大小を考慮して、類似ルートを選択してもよい(たとえば、類似ルートのうち、消費電力が最大のものと最小のものとを選択する等)。
なお、ステップS403において、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似ルートが存在しない場合、すなわち、出発地域ROおよび目的地域RD内に、開始点および終了点を有する走行ルートが存在しない場合には、類似ルートの抽出を断念する。類似ルートの抽出を断念した場合は該当するフラグをセットするなどして一時的にその旨を記憶する。
なお、図8に示す本例の類似ルート検索処理において、検索負荷(検索時間など検索コストともいえる)を極力軽減するため、以下の手順を採用してもよい。すなわち、走行履歴蓄積部26に蓄積された走行ルートの開始点と終了点をそれぞれ抽出し、そのデータ数を記憶した端点サブデータベースを事前に生成しておき、ステップS703を処理する前に、端点データベースに蓄積された走行履歴情報の端点の情報を利用し、出発地域ROに存在する開始点(類似開始点)のデータ数NOと、目的地域RDに存在する終了点(類似終了点)のデータ数NDとを抽出する。端点サブデータベースには、経度・緯度情報からなる開始点情報と終了点情報とを区別して蓄積しておくことで、出発地域を特定するとその範囲内に存在する開始点情報が即座に抽出され、目的地域を特定するとその範囲内に存在する終了点情報が即座に抽出される。
次いで、抽出された出発地域ROに存在する開始点のデータ数NOと、目的地域RDに存在する終了点のデータ数NDとの大小を比較し、データ数が少ない方の地域RO,RDがどちらであるかを判定する。そして、開始点のデータ数NOが終了点のデータ数NDより少ない場合は、図8のステップS703,S705に示すように出発地域から検索を始め、そうでない場合、すなわち終了点のデータ数NDが開始点のデータ数NOより少ない場合は、図8のステップS703とS705の順序を逆にして目的地域から検索を始めるようにしてもよい。このように、走行履歴蓄積部26に蓄積された走行データの端点のデータ数を判定し、最初にデータ数の少ない端点について該当する走行データを抽出し、当該抽出された走行データのうち他方の端点が該当するか否かを判定すれば、最小の検索負荷で類似ルートを抽出することができる。
図6のステップS404に戻り、履歴統計処理部27は、上述したステップS403の処理によって類似ルート(提示ルート)を決定できたか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、類似ルートを決定できたと判定した場合には(ステップS404=Yes)、ステップS405に進む。一方、履歴統計処理部27は、類似ルートを決定できなかったと判定した場合には(ステップS404=No)、ステップS407に進む。
ステップS404において、類似ルートを決定できたと判定された場合にはステップS405に進み、ステップS405では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちから、該類似ルートを含む第1走行履歴情報を検索し、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地点)のうち、検索した第1走行履歴情報に対応付けられている第2走行履歴情報から充電経由地点を抽出する。
続いてステップS406に進み、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報(消費電力の情報)のうちから、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)を走行した際に消費した消費電力を抽出する。たとえば、上述したステップS403において、類似ルートである提示ルートが決定された場合には、履歴統計処理部27は、該類似ルートを含む第1走行履歴情報のうちから消費電力を抽出する。
ステップS404において、類似ルート(提示ルート)を決定できなかったと判定された場合には、ステップS407に進み、ステップS407では、履歴統計処理部27は、自車両Aの理論性能に基づいて、上述したステップS401で検索した計画ルートを走行する際に消費する消費電力(以下、理論消費電力とも呼ぶ)を算出する。具体的には、履歴統計処理部27は、計画ルートの全長と予め定めた単位距離当たりの消費電力との乗算結果を理論消費電力とし、ステップS408に進む。
続いてステップS408に進み、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、上述したステップS401で検索した計画ルートの近傍に存在する充電施設Cの位置を抽出し、ステップS409に進む。計画ルートの近傍に存在する充電施設Cとしては、計画ルート沿いに存在する充電施設Cや、計画ルートから設定距離(たとえば、20m)以内にある充電施設Cなどが挙げられる。
次いで、ステップS409では、履歴統計処理部27は、上述したステップS402で取得した電池残量に基づき、充電経由地点抽出処理(図12参照)を実行する。充電経由地点抽出処理では、履歴統計処理部27は、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点のうちから、送信元端末装置2に送信(提供)する充電経由地点を抽出する。送信元端末装置2としては、たとえば、この履歴統計処理の開始の契機となった提示ルート検索要求の送信元の端末装置2が挙げられる。また、充電経由地点抽出処理では、車両Aが目的地点に到達できない可能性を判定し、目的地点に到達できない可能性があると判定した場合にはその旨を警告する到達不能警告を行うことを決定する。
図12は、図6のステップS409の充電経由地点抽出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図12に示すように、まずステップS501では、履歴統計処理部27は、上述したステップS402で取得した電池残量が、上述したステップS406またはS407で抽出した消費電力(以下、抽出消費電力とも呼ぶ)より大きいか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、電池残量が抽出消費電力より大きいと判定した場合には(ステップS501=Yes)、ステップS502に進む。一方、履歴統計処理部27は、電池残量が抽出消費電力以下であると判定した場合には(ステップS501=No)、ステップS505に進む。
ステップS501において、電池残量が抽出消費電力より大きいと判定した場合には、ステップS502に進み、ステップS502では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地点)を参照して、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点のうちに、実績充電経由地点があるか否かを判定する。実績充電経由地点としては、複数台の車両Aのうちの少なくとも1台が実際に充電を行ったことがある充電施設Cの位置が挙げられる。そして、履歴統計処理部27は、実績充電経由地点があると判定した場合には(ステップS502=Yes)、ステップS503に進む。
なお履歴統計処理部27は、実績充電経由地点がないと判定した場合には(ステップS502=No)、充電経由地点を抽出せずに、充電経由地点抽出処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行用バッテリ14の電池残量が十分であり、かつ、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点のうちに、実績充電経由地点がない場合には、実績充電経由地点の情報を送信元端末装置2に送信(提供)しない。実績充電経由地点は、特定の個人もしくは法人の専用充電施設であることも考えられるため、統計処理により公共の充電施設であることが確実な施設を優先的に抽出することが望ましい。たとえば、別途公共充電施設データベースを持つ構成とし、このデータと同地点の実績であるものを抽出する方法、あるいは、異なる名義(法人、個人含む)の複数車両(たとえば、5台以上等)が同一地点で充電の実績がある充電施設を抽出する方法等が考えられる。また、これらのデータを活用する際に、利用可能時間帯を加味することで、当該経由地の到達予想時間帯に実際に利用可能な充電施設を優先して経由するように選定することが望ましい。
一方、実績充電経由地点があると判定した場合には、ステップS503に進み、ステップS503では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第2走行履歴情報(充電経由地点)を参照して、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点のうちから実績充電経由地点を抽出した後、充電経由地点抽出処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行用バッテリ14の電池残量が十分であり、かつ、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点のうちに、実績充電経由地点がある場合には、実績充電経由地点の情報のみを送信元端末装置2に送信(提供)する。
また、上述したステップS501において、電池残量が抽出消費電力以下であると判定した場合には、ステップS504に進み、ステップS504では、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)の近傍に充電施設Cが存在するか否かを判定する。提示ルートの近傍に存在する充電施設Cとしては、提示ルート沿いに存在する充電施設Cや、提示ルートから設定距離(例えば、20m)以内にある充電施設Cが挙げられる。そして、履歴統計処理部27は、提示ルートの近傍に充電施設Cが存在すると判定した場合には(ステップS504=Yes)、ステップS505に進む。一方、履歴統計処理部27は、提示ルートの近傍に充電施設Cがないと判定した場合には(ステップS504=No)、ステップS506に進む。
なお、上述したステップS403で提示ルートを決定できなかった場合には、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、上述したステップS401で検索した計画ルートの近傍に充電施設Cが存在するか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、計画ルートの近傍に充電施設Cが存在すると判定した場合には(ステップS504=Yes)、ステップS505に進む。一方、履歴統計処理部27は、計画ルートの近傍に充電施設Cがないと判定した場合には(ステップS504=No)、ステップS506に進む。
ステップS504において、提示ルートの近傍に充電施設Cが存在すると判定した場合には、ステップS505に進み、ステップS505では、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、類似ルート(提示ルート)の近傍に存在する充電施設Cの位置(以下、推奨近傍充電経由地点とも呼ぶ)を抽出した後、充電経由地点抽出処理を終了する。また、上述したステップS403で類似ルート(提示ルート)を決定できなかった場合には、履歴統計処理部27は、地図情報記憶部25が記憶している地図情報に基づき、計画ルートの近傍に存在する推奨近傍充電経由地点を抽出する。これにより、履歴統計処理部27は、走行用バッテリ14の電池残量が不十分であり、かつ、推奨近傍充電経由地点が存在する場合には、推奨近傍充電経由地点の情報のみを送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、ステップS504において、提示ルートの近傍に充電施設Cが存在しないと判定した場合には、ステップS506に進み、ステップS506では、履歴統計処理部27は、到達不能警告を行うことを決定した後、充電経由地点抽出処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行用バッテリ14の電池残量が不十分であり、かつ、推奨近傍充電経由地点が存在しない場合には、推奨近傍充電経由地点(充電経由地点)の情報を送信元端末装置2に送信(提供)しない。
図6に戻り、充電経由地抽出処理が終わるとステップS410に進み、履歴統計処理部27は、車両Aの運転者の電力消費傾向に基づき、消費電力補正処理(図13参照)を実行する。消費電力補正処理では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうち、提示ルート検索要求が含んでいる運転者IDが特定した運転者の第1走行履歴情報を参照して、類似ルート(提示ルート)を走行した際に消費する消費電力を算出する。続いて、履歴統計処理部27は、算出した消費電力に基づいて、上述したステップS405またはS408で抽出した消費電力を補正する。
図13は、図6のステップS410の消費電力補正処理のサブルーチンを示すフローチャートである。図13に示すように、まずステップS601では、履歴統計処理部27は、受信した提示ルート検索要求から運転者ID(運転者を特定する情報)を取得する。続いて、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちに、取得した運転者IDと同一の運転者IDを含んでいる第1走行履歴情報(以下、送信元走行履歴情報とも呼ぶ)があるか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、送信元走行履歴情報があると判定した場合には(ステップS601=Yes)、ステップS603に進む。一方、履歴統計処理部27は、送信元走行履歴情報がないと判定した場合には(ステップS601=No)、ステップS602に進む。
ステップS601において、送信元走行履歴情報があると判定した場合には、ステップS602に進み、ステップS602では、履歴統計処理部27は、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力をそのまま補正後の消費電力(以下、補正後消費電力とも呼ぶ)とし、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうちに、送信元走行履歴情報がない場合には、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力の情報をそのまま送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、ステップS601において、送信元走行履歴情報がないと判定した場合には、ステップS603に進み、ステップS603では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、上述したステップS403で抽出した類似ルートと同一の走行ルート(以下、同一走行ルートとも呼ぶ)があるか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、同一走行ルートがあると判定した場合には(ステップS603=Yes)、ステップS604に進む。一方、履歴統計処理部27は、同一走行ルートがないと判定した場合には(ステップS603=No)、ステップS606に進む。なお、同一走行ルートとして、上述したステップS403で抽出した類似ルートと同一であると判断できるものであればよく、誤差範囲と判断できるような量であれば、相違部分があってもよい。
ステップS603において、同一走行ルートがあると判定した場合には、ステップS604に進み、ステップS604では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちから、同一走行ルートを走行した際に消費した消費電力を抽出する。続いて、履歴統計処理部27は、抽出した消費電力を補正用消費電力とする。
続いてステップS605に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS604で算出した補正用消費電力に基づいて、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法としては、たとえば、消費電力を補正用消費電力で置換する方法、消費電力と補正用消費電力との平均値を算出する方法、消費電力bと補正用消費電力aとの差cを用いてa±cと表現する方法がある。続いて、履歴統計処理部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とした後、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、同一走行ルートがある場合には、同一走行ルートを走行した際に消費した消費電力で補正を行い、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、上述したステップS603において、同一走行ルートがないと判定した場合には、ステップS606に進み、ステップS606では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似種別走行ルートがあるか否かを判定する。類似種別走行ルートとしては、たとえば、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)と道路種別が同一または類似の走行ルートがある。なお、上述したステップS403で類似ルート(提示ルート)を決定できなかった場合には、上述したステップS401で検索した計画ルートを類似種別走行ルートとする。そして、履歴統計処理部27は、類似種別走行ルートがあると判定した場合には(ステップS606=Yes)、ステップS607に進む。一方、履歴統計処理部27は、類似種別走行ルートがないと判定した場合には(ステップS606=No)、ステップS610に進む。
ステップS606において、類似種別走行ルートがあると判定した場合には、ステップS607に進み、ステップS607では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似種別走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似種別電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS608に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS607で算出した類似種別電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計処理部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
続いてステップS609に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS608で算出した補正用消費電力に基づいて、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は、上述したステップS605と同様の方法とすることができる。続いて、履歴統計処理部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とし、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似種別走行ルートがある場合には、類似種別電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、上述したステップS606において、類似種別走行ルートがないと判定した場合には、ステップS610に進み、ステップS610では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似距離走行ルートがあるか否かを判定する。類似距離走行ルートとしては、たとえば、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)と全長が同一または類似の走行ルートがある。なお、上述したステップS403で類似ルート(提示ルート)を決定できなかった場合には、上述したステップS401で検索した計画ルートを類似距離走行ルートとする。たとえば、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、提示ルートの全長との差が設定値(例えば、±100m)未満の走行ルートがあるか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、類似距離走行ルートがあると判定した場合には(ステップS610=Yes)、ステップS611に進む。一方、履歴統計処理部27は、類似距離走行ルートがないと判定した場合には(ステップS610=No)、ステップS614に進む。
ステップS610において、類似距離走行ルートがあると判定した場合には、ステップS611に進み、ステップS611では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似距離走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似距離電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS612に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS611で算出した類似距離電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計処理部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
続いてステップS613に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS612で算出した補正用消費電力に基づいて、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は、上述したステップS605と同様の方法とする。続いて、履歴統計処理部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とし、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似距離走行ルートがある場合には、類似距離電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、上述したステップS610において、類似距離走行ルートがないと判定した場合には、ステップS614に進み、ステップS614では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、類似平均速度走行ルートがあるか否かを判定する。類似平均速度走行ルートとしては、たとえば、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)と平均速度が同一または類似の走行ルートがある。
なお、上述したステップS403で類似ルート(提示ルート)を決定できなかった場合には、上述したステップS401で検索した計画ルートを類似平均速度走行ルートとする。たとえば、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報(走行ルート)のうちに、提示ルートの平均速度との差が設定値(たとえば、±5km/h)未満の走行ルートがあるか否かを判定する。そして、履歴統計処理部27は、類似平均速度走行ルートがあると判定した場合には(ステップS614=Yes)、ステップS615に進む。一方、履歴統計処理部27は、類似平均速度走行ルートがないと判定した場合には(ステップS614=No)、ステップS618に進む。
ステップS614において、類似平均速度走行ルートがあると判定した場合には、ステップS615に進み、ステップS615では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、類似平均速度走行ルートの単位距離当たりの消費電力(以下、類似平均速度電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS616に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS615で算出した類似平均速度電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計処理部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
続いてステップS617に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS616で算出した補正用消費電力に基づいて、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は、上述したステップS605と同様の方法とすることができる。続いて、履歴統計処理部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とし、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報のうちに、類似平均速度走行ルートがある場合には、類似平均車速電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
一方、上述したステップS614において、類似平均速度走行ルートがないと判定した場合には、ステップS618に進み、ステップS618では、履歴統計処理部27は、走行履歴蓄積部26が蓄積している送信元走行履歴情報を参照して、すべての送信元走行履歴情報の走行ルートの単位距離当たりの消費電力の平均値(以下、平均電力消費率とも呼ぶ)を算出する。
続いてステップS619に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS618で算出した平均電力消費率と計画ルートの全長とを乗算する。そして、履歴統計処理部27は、乗算結果を補正用消費電力とする。
続いてステップS620に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS619で算出した補正用消費電力に基づいて、上述したステップS406またはS407で算出した消費電力を補正する。消費電力の補正方法は、上述したステップS605と同様の方法とすることができる。続いて、履歴統計処理部27は、補正した消費電力を補正後消費電力とし、消費電力補正処理を終了する。これにより、履歴統計処理部27は、上述したステップS603、S606、S610およびS614の判定がいずれも「No」となった場合には、平均電力消費率で消費電力を補正し、補正後の消費電力を送信元端末装置2に送信(提供)する。
図6に戻り、消費電力補正処理が終わるとステップS411に進み、履歴統計処理部27は、上述したステップS403で決定した類似ルート(提示ルート)、上述したステップS409で抽出した充電経由地点および上述したステップS410で補正した消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)した後、走行履歴統計処理を終了する。なお、履歴統計処理部27は、上述したステップS403で提示ルートを決定できなかった場合には、上述したステップS401で検索した計画ルート、上述したステップS409で抽出した充電経由地点および上述したステップS407で算出した消費電力(理論消費電力)の情報を送信する。また、履歴統計処理部27は、上述したステップS409で到達不能警告を行うことを決定した場合には到達不能警告を表示させる制御指令も送信元端末装置2に送信(提供)する。
なお、本実施形態では、上述したステップS409で抽出した充電経由地点、および上述したステップS410で補正した消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。たとえば、上述したステップS405またはS408で取得した充電経由地点、および上述したステップS410で補正する前の消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する構成としてもよい。
以上のように、本実施形態では、履歴統計処理部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報のうち、指定した運転者の第1走行履歴情報基づき、検索した計画ルートを走行した際に消費する消費電力を算出する。続いて、履歴統計処理部27が、算出した消費電力に基づいて、抽出した消費電力を補正する。続いて、履歴統計処理部27が、補正した消費電力の情報を提供する。そのため、運転者の運転特性を考慮した消費電力を取得できる。そのため、より適切な消費電力の情報を提供できる。
また本実施形態では、車両用情報提供装置3が、電動機13を駆動源とする車両Aの車載装置1から走行位置情報、消費電力情報および充電位置情報の少なくとも1つを順次取得して走行履歴情報(第1走行履歴情報、第2走行履歴情報)として蓄積する。そして、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報を参照して、計画ルートと同一または類似の類似ルートを検索し、検出した類似ルートを提示ルートとして決定する。続いて、車両用情報提供装置3が、蓄積した第1走行履歴情報および第2走行履歴情報を参照して、決定した提示ルート(類似ルート)を走行する際に消費する消費電力および提示ルート(類似ルート)を走行する際に経由する充電経由地点を検出する。続いて、車両用情報提供装置3が、決定した提示ルート(類似ルート)の情報、並びに決定した消費電力および充電経由地点の情報を提供する。そのため、実際の環境に則した消費電力の情報、充電経由地点の情報を提供できる。
なお、本実施形態では、車両用情報提供装置3が、提示ルート(類似ルート)を実際に車両Aが走行した際に消費した消費電力および充電経由地点の両方を決定(抽出)する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、車両用情報提供装置3が、消費電力および充電経由地点の少なくとも1つを決定する構成としてもよい。この場合、車両用情報提供装置3は、提示ルート(類似ルート)とともに、決定した消費電力または充電経由地点のみを提供(送信)する。
特に本実施形態によれば、出発地点POと目的地点PDとの距離的関係又は時間的関係に対して所定の閾値以上となる提示ルートの提供を抑制するので、距離的又は時間的に遠回りになる走行ルートなど利用者にとって意図しない検索結果が排除され、利用者に対して必要かつ適切な情報のみを提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態において、出発地点POと目的地点PDとの距離に応じて、出発地域ROおよび目的地域RDの大きさを変更する(距離が遠いほど、大きくする)態様としたり、あるいは、出発地点POから目的地点PDまで到達するための所要時間(走行時間)に応じて、出発地域ROおよび目的地域RDの大きさを変更する(所要時間が長いほど、大きくする)態様としたりしてもよい。
また、上述した実施形態において、履歴統計処理部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している第1走行履歴情報を参照して、提示ルート(類似ルート)を走行する際における、消費電力を運転者毎に決定する構成としてもよい。この場合、履歴統計処理部27が、提示ルートおよび充電経由地点の情報とともに、決定した運転者毎の消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する。これにより、送信元端末装置2は、図14に示すように、受信した情報に基づき、提示ルートおよび充電経由地点に加え、最大の消費電力(消費電力MAX)、最小の消費電力(消費電力MIN)および平均の消費電力(平均消費電力)を表示画面に表示する。特に、このような構成によれば、提示ルートを走行する際の消費電力を運転者毎に算出し、算出した消費電力のうちの、最大の消費電力、最小の消費電力および平均の消費電力を提供する。そのため、利用者が、運転者毎の消費電力のばらつき度合いを把握することが可能となる。
また、上述した実施形態では、表示部24が、提示ルート(類似ルート)とともに、消費電力および充電経由地点を表示する例を示したが、他の構成を採用することもできる。たとえば、表示部24が、消費電力や充電経由地点の抽出に用いた第1走行履歴情報および第2走行履歴情報が含む渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の情報も併せて表示する構成としてもよい。
具体的には、端末装置2が、渋滞有無、走行速度、走行高度、季節、気温、天気、走行時間帯、走行消費電力およびエアコンの消費電力の少なくとも1つ(以下、検索用状態量とも呼ぶ)の入力を受け付ける。続いて、端末装置2が、受け付けた検索用状態量の情報を車両用情報提供装置3に送信する。続いて、車両用情報提供装置3(履歴統計処理部27)が、端末装置2が送信した情報を受信すると、受信した情報から検索条件状態量を検索条件として取得する。続いて、履歴統計処理部27が、走行履歴蓄積部26が蓄積している走行履歴情報のうち、取得した検索条件に適合する走行履歴情報を参照して、決定した提示ルートを走行する際に消費する消費電力および提示ルートを走行する際に経由する充電経由地点を決定する。続いて、履歴統計処理部27が、提示ルート(類似ルート)、消費電力および充電経由地点の情報とともに、取得した検索条件の情報を送信元端末装置2に送信(提供)する。
これにより、送信元端末装置2は、図15に示すように、受信した情報に基づき、提示ルート、消費電力および充電経由地点に加え、消費電力および充電経由地点の決定に用いた検索条件を表示画面に表示する。このような構成によれば、提示ルート、消費電力および充電経由地点とともに、消費電力や充電経由地点の決定に用いた検索条件を提供する。そのため、利用者が、消費電力や充電経由地点の決定に用いた検索条件を把握できる。
なお、上述した実施形態における車両用情報提供装置3の履歴統計処理部27が、本発明の計画ルート取得部および提示情報提供部に相当する。