JP6340682B2 - スピーカ及びスピーカ用筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、二重壁構造のスピーカ及び当該スピーカに適用されるスピーカ用筐体に関する。
通常、スピーカは、入力される電気信号に応じて空気を振動させて前方に音波(以下、「前方波」という)を放射するスピーカユニットと、当該スピーカユニットを支持する筐体と、を備える。筐体は、スピーカユニットの後方に放射される上記前方波とは逆位相の不要な音波(以下、「後方波」という)が、前方波と干渉することを防止するために、スピーカユニットの後方の空間を遮蔽するような形状となっている。
しかし、このようなスピーカでは、スピーカユニットの後方から放射される後方波によって、筐体内側の空間が圧力変動することで振動し、さらにその空間の振動に励起されることで筐体の壁面が振動する。そして、筐体の壁面が振動することで筐体の外部の空気が振動して、筐体の外部に音波が伝播する。このような筐体を介した音波の伝播が生じると、筐体から外部に放射される音波が、スピーカユニットの前方に放射された前方波に干渉するため、問題となる。
この問題について、筐体の壁部を極端に厚くして剛性を高めることで、筐体の壁面の振動を抑制する方法が考えられる。しかし、この方法では、筐体の重量が著しく増大するという別の問題が生じる。
そこで、特許文献1及び2では、二重壁構造とした筐体の内壁部及び外壁部の間に、振動の伝播を抑制する真空の密閉空間を設けることによって、筐体を介した音波の伝播を抑制したスピーカが提案されている。これらのスピーカでは、筐体の重量を著しく増大させることなく、筐体を介した音波の伝播を抑制することができる。
実開昭63−15691号公報 特開2003−92791号公報
二重壁構造の筐体では、内壁部と外壁部との間に密閉空間が存在する。そのため、後方波によって励起された内壁部に垂直な振動が、この密閉空間を介して外壁部に伝播することは、抑制することができる。しかし、二重壁構造の筐体には、密閉空間を介さずに外壁部に伝播する振動がある。具体的には、後方波により励起された内壁部の振動が、内壁部と外壁部との接続部分を介して内壁部から外壁部に伝播する振動(以下、「回り込み伝播振動」という)や、スピーカユニットと筐体との接触部分を介してスピーカユニットから筐体に対して直接的に伝播する振動(以下、「直接伝播振動」という)であり、これらの振動によって外壁部が振動してしまう。
このように、筐体を単に二重壁構造にするだけでは、外壁部の振動を十分に抑制することは困難である。そのため、二重壁構造の筐体では、内壁部や外壁部の壁面に沿って伝播する振動を抑制することが、必要になる。なお、二重壁構造の内壁部や外壁部の壁面に沿って伝搬する振動には、伝播方向に対して平行な振動である縦波(疎密波)と、伝播方向に対して垂直な振動である横波と、がある。このうち、縦波は、壁面に平行な振動であり、壁面の周囲の空気を振動させ難いため、ほとんど問題にはならない。しかし、横波は、壁面に垂直な振動であり、壁面の周囲の空気を振動させて筐体の外部に音波を生じさせる主な原因であるため、重大な問題となる。
この点、特許文献1で提案されているスピーカでは、スピーカユニットから外壁部に至る振動伝播経路上に、振動を吸収するための弾性体を設けることで、外壁部に伝播する振動を抑制している。しかしながら、このスピーカでは、回り込み伝播振動を抑制するために、外壁部及び内壁部の接合部に弾性体を設ける必要があるため、衝撃や経年劣化等によって密閉空間の真空が破れる危険性が高い構造となっている(特許文献1の第2図参照)。
また、特許文献2で提案されているスピーカのような、エンクロージャ固定補強材を備えた構造では、外壁部における振動(特に、直接伝播振動)の抑制が不十分となる。そのため、この構造のスピーカでは、外壁部の振動に起因する音波への悪影響を抑制する場合、外壁部のさらに外側に吸音材を設け、さらにその外側に当該吸音材を保持するための意匠ケースを設けることが必須になり、スピーカの構造が無用に大型化及び複雑化してしまう。したがって、スピーカの構造を小型化及び簡略化する観点では、外壁部に生じた振動に起因する音波への悪影響を事後的に抑制するよりも、外壁部に生じる振動を事前に抑制することが可能な構造を採用した方が、好ましいと言える。
そこで、本発明は、簡易な構造で、回り込み伝播振動及び直接伝播振動の双方を抑制することによって、筐体を介した音波の伝播を抑制するスピーカ及びスピーカ用筐体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、スピーカユニットと筐体を備えたスピーカであって、前記筐体は、一部が開口して内側に空間を有する内壁部と、一部が開口するとともに内側に有する空間内に前記内壁部が配置される外壁部と、を備えるとともに、前記内壁部及び前記外壁部のそれぞれの開口した端部が一体化されて周縁部が形成され、前記内壁部及び前記外壁部の間が密閉空間となる二重壁構造であり、前記スピーカユニットの少なくとも一部が、前記周縁部から前記内壁部の内側の空間に向かう方向に離間した位置で、前記内壁部に螺合して支持され、前記周縁部の、前記周縁部を外周とする開口面に対して垂直な断面における形状が、前記内壁部の内側の空間に向かう方向とは反対方向に向かうにしたがって、前記内壁部及び前記外壁部が漸近するV字状を含むことを特徴とするスピーカを提供する。
このスピーカによれば、スピーカユニットが、内壁部に垂直な方向成分を有した方向で、内壁部に接触することになる。そのため、内壁部に垂直な方向成分を有した方向に対してインピーダンスが大きく、横波が外壁部に向かって伝播し難い領域を、内壁部に設けることができる。したがって、スピーカユニットの後方波によって励起されることで、主として横波となる回り込み伝播振動を、抑制することが可能となる。
また、内壁部に垂直な方向の振動(即ち、横波)は、内壁部のインピーダンスが比較的小さいために内壁部に伝播し易く、内壁部に平行な方向の振動(即ち、縦波)は、内壁部のインピーダンスが比較的大きいために内壁部に伝播し難い。ここで、スピーカユニットを内壁部に螺合させると、スピーカユニットの主たる振動方向(即ち、前方波を放射する方向)が内壁部に平行な方向に近づく。これにより、スピーカユニットから内壁部に伝播する直接伝播振動が、主として縦波となるが、上記のように縦波は内壁部に伝播し難いため、直接伝播振動を低減することができる。したがって、直接伝播振動を抑制することが可能となる。
また、仮に、回り込み伝播振動または直接伝播振動として、縦波が外壁部に伝播したとしても、縦波は外壁部の周囲の空気を振動させ難いため、外壁部から放射される音波は極めて小さいものとなる。さらに、仮に、縦波の一部が、外壁部に伝播する途中で横波に変化したとしても、その変化の際に振動のエネルギーが減少するため、外壁部から放射される音波は極めて小さいものとなる。
また、このスピーカによれば、筐体に対してスピーカユニットを着脱自在にすることが可能となる。そのため、ユーザが、特性が異なる種々のスピーカユニット及び筐体の中から好みのものを選択的に組み合わせて、自らの嗜好に合致した特性のスピーカを得ることが可能となる。
また、このスピーカによれば、筐体によるスピーカユニットの支持状態を、任意に調整することが可能となる。例えば、スピーカユニットの螺進量を大きくすることで、スピーカユニットの後方であって内壁部に囲まれた空間の容積(空気の体積)を小さくしたり、スピーカユニットの螺進量を小さくすることで、当該空間の容積を大きくしたりすることが可能となる。そして、このような調整を行うことにより、スピーカユニットの共振状態を変化させることが可能となる。
また、このスピーカによれば、周縁部が、急峻に折れ曲がる形状となることで、周縁部を振動が通過し難くなる。そのため、回り込み伝播振動及び直接伝播振動を抑制することが可能になる。そして、振動の通過を抑制する観点から、この周縁部は、鋭角でV字状に折れ曲がる形状であると、好ましい。
さらに、上記特徴のスピーカにおいて、前記スピーカユニットに設けられて前記内壁部に螺合するネジ山の外径が、前記内壁部の内側の空間から前記周縁部を外周とする開口面に向かうにつれて、次第に大きくなると、好ましい。
このスピーカによれば、スピーカユニットの螺進に従い、スピーカユニットが内壁部に押し付けられる。即ち、スピーカユニットの螺進に従い、内壁部に垂直な方向成分を有する方向に沿った応力が内壁部に対して加えられることになる。したがって、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、前記内壁部及び前記外壁部に囲まれる空間外に突出して折り返されたV字状であると、好ましい。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、1回だけ折り曲げられたV字状であると、好ましい。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、70°よりも小さい角度で折り曲げられたV字状であると、好ましい。
これらのスピーカによれば、周縁部における振動の通過を、効果的に抑制することが可能となる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記スピーカユニットは、振動板と、入力される電気信号に応じて前記振動板を駆動して振動させる駆動部と、少なくとも前記駆動部を支持するユニット支持部と、を備え、前記ユニット支持部が、前記内壁部に螺合して支持されてもよい。
さらに、上記特徴のスピーカにおいて、前記周縁部を外周とする開口面から前記内壁部の内側の空間に向かう方向を後方、前記後方の反対方向を前方とするとき、前記ユニット支持部の少なくとも一部が、前記振動板の前記前方の端部よりも前記後方となる位置で、前記内壁部に螺合して支持されると、好ましい。
このスピーカによれば、ユニット支持部及び内壁部の螺合位置と周縁部との距離を、長くすることができる。そのため、回り込み伝播振動を減衰するための距離を長くすることで、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能となる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記周縁部を外周とする開口面から前記内壁部の内側の空間に向かう方向を後方、前記後方の反対方向を前方とするとき、前記スピーカユニットの前記前方の端部が、前記周縁部よりも前記前方に位置していてもよい。
このスピーカでは、周縁部よりも前方にスピーカユニットが存在するため、スピーカユニットが放射する前方波の一部が、周縁部によって不要に反射または散乱されることで、正常に放射された前方波に干渉することを、防止することが可能になる。また、上記干渉を回避することができるため、周縁部の形状を、任意の形状(特に、回り込み伝播振動及び直接伝播振動を抑制するために適した形状)にすることが可能になる。
さらに、上記特徴のスピーカにおいて、前記スピーカユニットの外縁が、前記周縁部の前記前方まで延伸しているとともに、前記周縁部から離間していると、好ましい。
このスピーカによれば、スピーカユニットの外縁が周縁部に接触しないため、直接伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記内壁部が有底筒状であり、前記内壁部の軸心が、前記周縁部を外周とする開口面を通過するものであってもよい。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記内壁部に、内側の空間内に向かって突出する段差部が設けられ、前記内壁部の内側の空間内に挿入された前記スピーカユニットの端部が、前記段差部に当接した状態で、前記スピーカユニットが前記内壁部に螺合して支持されると、好ましい。
このスピーカによれば、内壁部の内側の空間内におけるスピーカユニットの位置を、容易に決定することが可能となる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記スピーカユニットに設けられて前記内壁部に螺合するネジ山と、前記内壁部に設けられて前記スピーカユニットに螺合するネジ山と、のそれぞれが、螺進方向に垂直な面に対して傾いたフランクを有しており、前記内壁部の内側の空間内に挿入された前記スピーカユニットの端部が、前記段差部に当接した状態で、前記スピーカユニットが前記内壁部に支持されると、好ましい。
このスピーカによれば、スピーカユニットを段差部に接触させる(特に、強く締結して押し付ける)ことで、段差部からスピーカユニットに対して、締結方向とは逆方向(螺進方向と平行であり、内壁部の内側の空間から開口面に向かう方向)の応力が加えられる。すると、スピーカユニット側のネジ山のフランクから、当該フランクに接触している内壁部側のネジ山のフランクに対して、当該フランクに垂直な方向の応力が加えられる。このとき、内壁部側のネジ山のフランクが、螺進方向に垂直な面(即ち、内壁部に垂直な面)に対して傾いていることから、当該応力は、内壁部に垂直な方向成分(内壁部を外側に押し付ける方向成分)を有するものとなる。したがって、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
また、上記特徴のスピーカにおいて、前記内壁部及び前記外壁部の間の前記密閉空間の気圧が、大気圧よりも低いと、好ましい。
このスピーカによれば、密閉空間を介して内壁部から外壁部に伝播する振動を、抑制することが可能となる。また、内壁部及び外壁部の間の密閉空間が負圧になると、内壁部が外壁部側に引っ張られることで、内壁部に応力が加えられる。そのため、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明は、一部が開口して内側に空間を有する内壁部と、一部が開口するとともに内側に有する空間内に前記内壁部が配置される外壁部と、を備え、前記内壁部及び前記外壁部のそれぞれの開口した端部が一体化されて周縁部が形成され、前記内壁部及び前記外壁部の間が密閉空間となる二重壁構造であり、スピーカユニットの少なくとも一部を、前記周縁部から前記端部側とは反対側に離間した位置で、前記内壁部に螺合させて支持するための支持構造が、前記内壁部に設けられ、前記周縁部の、前記周縁部を外周とする開口面に対して垂直な断面における形状が、前記端部側に向かうにしたがって、前記内壁部及び前記外壁部が漸近するV字状を含むことを特徴とするスピーカ用筐体を提供する。
上記特徴のスピーカ、及び、上記特徴のスピーカ用筐体では、スピーカユニットが内壁部に螺合して支持されるという簡易な構造で、回り込み伝播振動及び直接伝播振動の双方を抑制することによって、筐体を介した音波の伝播を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係るスピーカの模式的な斜視図。 図1のA−A断面を示す断面図。 図1のスピーカの分解斜視図。 本発明の実施形態に係るスピーカの第1実施例について示す断面図。 本発明の実施形態に係るスピーカの第2実施例について示す断面図。 本発明の実施形態に係るスピーカの第3実施例について示す断面図。 実験方法について示す側面図。 それぞれの試料の形状について示す側面図。 試料Vにおける振動の測定結果について示すグラフ。 試料Uにおける振動の測定結果について示すグラフ。 試料Cにおける振動の結果について示すグラフ。 試料逆Sにおける振動の測定結果について示すグラフ。 試料Sにおける振動の測定結果について示すグラフ。 図8に示すそれぞれの試料(板厚:0.5mm)の減衰度について示すグラフ。 図8に示すそれぞれの試料(板厚:1.0mm)の減衰度について示すグラフ。 それぞれの試料の形状について示す側面図。 図16に示すそれぞれの試料(板厚:0.5mm)の減衰度について示すグラフ。 図16に示すそれぞれの試料(板厚:1.0mm)の減衰度について示すグラフ。 本発明の実施形態に係るスピーカの第4実施例について示す断面図。 本発明の実施形態に係るスピーカの第5実施例について示す断面図。 本発明の実施形態に係るスピーカ用筐体の製造方法の一例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るスピーカ用筐体の製造方法の一例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るスピーカ用筐体の製造方法の一例を示す斜視図。 図21〜23に示す製造方法によって製造されたスピーカ用筐体の断面図。
<基本構成>
最初に、本発明の実施形態に係るスピーカの基本的な構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスピーカの模式的な斜視図である。また、図2は、図1のA−A断面を示す断面図である。また、図3は、図1のスピーカの分解斜視図である。
図1〜3に示すように、スピーカ1は、スピーカユニット10と筐体20を備える。スピーカユニット10は、入力される電気信号に応じて空気を振動させることで、音波を放射するものである。また、筐体20は、スピーカユニット10を支持するものである。
以下、図1〜3において、筐体20から見てスピーカユニット10が設けられている方向を前方(図1〜3中の上方向)、スピーカユニット10から見て筐体20が配置されている方向を後方(図1〜3中の下方向)とする。
スピーカユニット10は、振動板11と、駆動部12と、ユニット支持部13と、エッジ部14と、を備える。
振動板11は、薄い板状であり、例えば樹脂や紙、金属などの弾性材料から成る。振動板11は、一端が駆動部12に接続され、他端がエッジ部14に接続された状態で、これらに支持される。また、振動板11には、駆動部12を覆うように、センターキャップ111が設けられている。なお、センターキャップ111は、振動板11と同じ材料で成るものであってもよいし、振動板11とは異なる材料で成るものであってもよい。
駆動部12は、例えば磁石及びコイルを備えた構成である。駆動部12は、入力される電気信号に応じて発生する電磁力で、駆動部12に接続されている振動板11が往復運動するように前方及び後方に駆動する。これにより、振動板11(センターキャップ111を含む)が振動して、振動板11の前方に向けて音波(前方波)が放射されるとともに、振動板11の後方に向けて音波(後方波)が放射される。
ユニット支持部13は、スピーカユニット10のフレームであり、例えば樹脂や金属などから成る。ユニット支持部13の内側には、振動板11、駆動部12及びエッジ部14がそれぞれ配置される。また、ユニット支持部13は、駆動部12及びエッジ部14をそれぞれ支持する。ここで、ユニット支持部13の後方の端部は、一部が開口しており、残部によって駆動部12が支持されている。そのため、振動板11から放射された後方波は、筐体20の内側の空間内に進入する。
エッジ部14は、薄い膜状であり、例えば布やウレタン等の柔軟な材料から成る。このエッジ部14が、一端が駆動部12に接続された振動板11の他端に接続されることで、振動板11の前方の空間と後方の空間とが隔絶される。
筐体20は、一部が開口して内側に空間を有する内壁部21と、一部が開口するとともに内側に有する空間内に内壁部21が配置される外壁部22と、を備える。内壁部21及び外壁部22のそれぞれの開口した端部は、一体化されて周縁部23が形成されている。これにより、筐体20は、内壁部21及び外壁部22の間が密閉空間となる二重壁構造となっている。なお、周縁部23とは、筐体20における最も前方側の端部である。
ここで、周縁部23を外周とする面を、開口面24とする。このとき、開口面24から内壁部21の内側の空間に向かう方向が後方、その反対方向が前方となる。
図1〜3に例示した筐体20は、内壁部21及び外壁部22が有底筒状(より具体的には、一方の端部が開口するとともに他方の端部が閉じて底となる円筒状)であり、内壁部21及び外壁部22の軸心が、開口面24を通過する(より具体的には、円筒の軸心と開口面24とが垂直に交差する)ものである。また、図2に示すA−A断面は、内壁部21及び外壁部22の軸心を通る断面(即ち、開口面24に垂直な断面)である。
筐体20には、鉄系材料(例えば、ステンレスなどの鋼材)、アルミニウム系材料、マグネシウム系材料、チタン系材料、銅系材料(例えば、黄銅)、金や銀を含む材料など、金属材料を適用することができる。また、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)、ソアノール(登録商標)、X−BARRIER(登録商標)などの樹脂系材料や、ガラスやセラミックスなどの金属材料以外の無機材料を適用することも可能である。さらに、例えばガスバリアフィルムと基材(例えば、樹脂材料)とを組み合わせた複合材料も適用可能である。なお、筐体20を成す材料として、これら以外の材料を適用してもよいが、剛性が高い材料など振動を抑制することが可能な性質を有する材料を適用すると、好ましい。
スピーカ1では、スピーカユニット10の少なくとも一部が、内壁部21に螺合して支持される。具体的に例えば、内壁部21の内側の空間内に挿入されるユニット支持部13の外側面に設けられたネジ山131と、内壁部21に設けられたネジ山211と、が螺合することによって、スピーカユニット10が内壁部21に固定されて支持される。このとき、スピーカユニット10に設けられたネジ山131のフランク1311と、内壁21に設けられたネジ山211のフランク2111と、が当接する。なお、「フランク」とは、ネジ山の山頂と谷底とを接続する面である。また、ユニット支持部13の少なくとも一部は、振動板11の前方の端部(エッジ部14に接続される端部)よりも後方となる位置で、内壁部21に螺合して支持される。
また、スピーカユニット10の前方の端部は、周縁部23よりも前方に位置している。さらに、スピーカユニット10の外縁は、周縁部23の前方まで延伸しているとともに、周縁部23から離間している。
本例のスピーカ1では、スピーカユニット10が、内壁部21に垂直な方向成分を有した方向で、内壁部21に接触することになる。そのため、内壁部21に垂直な方向成分を有した方向に対してインピーダンスが大きく、横波が外壁部22に向かって伝播し難い領域(本例では、ユニット支持部13が螺合により接触する領域)を、内壁部21に設けることができる。したがって、スピーカユニット10の後方波によって励起されることで、主として横波となる回り込み伝播振動を、抑制することが可能となる。
また、内壁部21に垂直な方向の振動(即ち、横波)は、内壁部21のインピーダンスが比較的小さいために内壁部21に伝播し易く、内壁部21に平行な方向の振動(即ち、縦波)は、内壁部21のインピーダンスが比較的大きいために内壁部21に伝播し難い。ここで、スピーカユニット10を内壁部に螺合させて接触させると、スピーカユニット10の主たる振動方向(即ち、前方波を放射する方向)が内壁部21に平行な方向に近づく。これにより、スピーカユニット10から内壁部21に伝播する直接伝播振動が、主として縦波となるが、上記のように縦波は内壁部21に伝播し難いため、直接伝播振動を低減することが可能となる。したがって、直接伝播振動を抑制することが可能となる。
また、仮に、回り込み伝播振動または直接伝播振動として、縦波が外壁部22に伝播したとしても、縦波は外壁部22の周囲の空気を振動させ難いため、外壁部22から放射される音波は極めて小さいものとなる。さらに、仮に、縦波の一部が、外壁部22に伝播する途中で横波に変化したとしても、その変化の際に振動のエネルギーが減少するため、外壁部から放射される音波は極めて小さいものとなる。
以上のように、本発明の実施形態に係るスピーカ1は、スピーカユニット10が内壁部21に螺合して支持されるという簡易な構造で、回り込み伝播振動及び直接伝播振動の双方を抑制することによって、筐体20を介した音波の伝播を抑制することが可能となる。
また、上記のように、スピーカユニット10が内壁部21に螺合して支持されるようにすると、筐体20に対してスピーカユニット10を着脱自在にすることが可能となる。そのため、ユーザが、特性が異なる種々のスピーカユニット10及び筐体20の中から好みのものを選択的に組み合わせて、自らの嗜好に合致した特性のスピーカ1を得ることが可能となる。ここで、スピーカユニット10及び筐体20の特性には、音質に関する特性(例えば、振動板11の材料や、スピーカユニット10の後方であって内壁部21に囲まれた空間の容量(空気の体積)など)の他に、色や形状などの外見上の特性も含まれる。
また、スピーカユニット10が内壁部21に螺合して支持されるようにすると、筐体20によるスピーカユニット10の支持状態を、任意に調整することが可能となる。例えば、スピーカユニット10の螺進量を大きくすることで、スピーカユニット10の後方であって内壁部21に囲まれた空間の容積(空気の体積)を小さくしたり、スピーカユニット10の螺進量を小さくすることで、当該空間の容積を大きくしたりすることが可能となる。そして、このような調整を行うことにより、スピーカユニット10の共振状態を変化させることが可能となる。
また、スピーカ1では、ユニット支持部13及び内壁部21の後方寄りの螺合位置と周縁部23との距離を、長くすることができる。そのため、回り込み伝播振動を減衰するための距離を長くすることで、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能となる。
さらに、スピーカ1では、周縁部23よりも前方にスピーカユニット10が存在するため、スピーカユニット10が放射する前方波の一部が、周縁部23によって不要に反射または散乱されることで、正常に放射された前方波に干渉することを、防止することが可能になる。また、上記干渉を回避することができるため、周縁部23の形状を、任意の形状(特に、回り込み伝播振動及び直接伝播振動を抑制するために適した形状)にすることが可能になる。さらに、スピーカ1では、スピーカユニット10の外縁が周縁部23に接触しないため、直接伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
なお、図2及び3では、ネジ山131及びネジ山211のそれぞれが3周分形成される構造について例示しているが、ネジ山131,211が1周分または2周分だけ形成される構造としてもよいし、4周分以上形成される構造としてもよい。また、ネジ山131,211のそれぞれの数が、異なっていてもよい。また、図2及び3では、ネジ山131,211のそれぞれが、1本かつ連続した形状である場合について例示しているが、ネジ山131,211は、途中で分断される形状であってもよいし、複数本が平行にねじれた多重螺旋状であってもよい。
また、スピーカ1の構造は、スピーカユニット10が内壁部21に螺合して支持される構造である限り、どのような構造であってもよい。
<実施例>
次に、上述した基本構成のスピーカ1をベースとして、種々の変形を加えた各種実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下では、上述した基本構成と同様の部分については説明を省略し、それぞれの実施例における特徴的な部分についてのみ説明する。また、後述するそれぞれの実施例は、それぞれの特徴部分を任意に組み合わせて実施することが可能である。
[第1実施例]
図4は、本発明の実施形態に係るスピーカの第1実施例について示す断面図であり、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
図4に示すように、本例のスピーカ1Aでは、上述した基本構成のスピーカ1と同様に、ユニット支持部13の外側面に設けられたネジ山132と、内壁部21に設けられたネジ山212と、が螺合することによって、スピーカユニット10が内壁部21に固定されて支持される。このとき、スピーカユニット10に設けられたネジ山132のフランク1321と、内壁21に設けられたネジ山212のフランク2121と、が当接する。
ただし、本例のスピーカ1Aでは、スピーカユニット10側のネジ山132の外径が、内壁部21の内側の空間から開口面24に向かうにつれて、次第に大きくなる。また、本例のスピーカ1Aでは、スピーカユニット10側のネジ山132の外径に合わせて、内壁部21側のネジ山212の内径も、内壁部21の内側の空間から開口面24に向かうにつれて、次第に大きくなる。
このように、スピーカユニット10側のネジ山132の外径が、内壁部21の内側の空間から開口面24に向かうにつれて次第に大きくなるようにすると、スピーカユニット10の螺進に従い、スピーカユニット10が内壁部21に押し付けられる。即ち、スピーカユニット10の螺進に従い、内壁部に垂直な方向成分を有する方向に沿った応力が内壁部21に対して加えられることになる。したがって、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
[第2実施例]
図5は、本発明の実施形態に係るスピーカの第2実施例について示す断面図であり、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
図5に示すように、本例のスピーカ1Bでは、内壁部21に、内側の空間内に向かって突出するネック部213(段差部)が設けられている。そして、内壁部21の内側の空間内に挿入されたスピーカユニット10の端部が、ネック部213に当接した状態で、スピーカユニット10が内壁部21に支持される。
ただし、本例のスピーカ1Bでは、それぞれのネジ山131,211が、谷側が太く山側が細い形状であり、螺進方向(図中上下方向)に垂直な面に対して傾いたフランク1311,2111を有しているものとする。具体的に例えば、ネジ山131,211が、三角ネジや台形ネジにおけるネジ山であると、好ましい。
このように、内壁部21にネック部213を設けると、内壁部21の内側の空間内におけるスピーカユニット10の位置を、容易に決定することが可能となる。また、ネック部213を設けることによって、周縁部23の前方に位置するユニット支持部13の一部が、スピーカユニット10の螺進によって周縁部23に接触することを防止することができる。そのため、直接伝播振動を抑制することが可能となる。
また、スピーカユニット10をネック部213(段差部)に接触させる(特に、強く締結して押し付ける)と、ネック部213からスピーカユニット10に対して、締結方向とは逆方向(螺進方向と平行であり、内壁部21の内側の空間から開口面24に向かう方向。図中の上方向。)の応力が加えられる。すると、スピーカユニット10側のネジ山131のフランク1311から、当該フランク1311に接触している内壁部21側のネジ山211のフランク2111に対して、当該フランク2111に垂直な方向の応力が加えられる。このとき、内壁部21側のネジ山211のフランク2111が、螺進方向に垂直な面(即ち、内壁部21に垂直な面)に対して傾いていることから、当該応力は、内壁部21に垂直な方向成分(内壁部21を外側に押し付ける方向成分)を有するものとなる。したがって、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能になる。
なお、ネック部213(段差部)は、内壁部21の内側の空間内に挿入されたスピーカユニット10の端部に当接することができる形状(即ち、内壁部21の内側の空間内に突出して、段差を形成する形状)であれば、上述した効果を得ることができる。そのため、ネック部213(段差部)は、上述した効果が得られる限りにおいて、どのような形状としてもよい。例えば、内壁部21の後方部分の内径が、前方部分の内径よりも小さくなっている形状(換言すると、図5のネック部213が後方まで延びて内壁部21の底面に達している形状)であってもよい。また例えば、ネック部213(段差部)は、内壁部21の内側の全周に対して設けられるものであってもよいし、内壁部21の内側に対して部分的に設けられるものであってもよい。
また、上述の第1実施例のスピーカ1A(図4参照)に対して、本例のスピーカ1Bと同様にネック部213(段差部)を設けた場合も、本例のスピーカ1Bと同様に、回り込み伝播振動を効果的に低減することが可能となる。
[第3実施例]
図6は、本発明の実施形態に係るスピーカの第3実施例について示す断面図であり、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
図6に示すように、本例のスピーカ1Cでは、周縁部231の、開口面24に対して垂直な断面(A−A断面、図1参照)における形状が、V字状となっている。具体的に例えば、周縁部231は、前方(図中の上方向)に向かうにしたがって、内壁部21及び外壁部22が漸近する形状となっている。
このように、周縁部231を、急峻に折れ曲がる形状とすると、周縁部231を振動が通過し難くなる。そのため、内壁部21から外壁部22に伝播する振動を抑制することが可能になる。このとき、振動の通過を効果的に抑制する観点から、この周縁部23は、図6に例示するように鋭角でV字状に折れ曲がる形状にすると、好ましい。
なお、このような形状の周縁部231は、例えば、図6に示すように内壁部21及び外壁部22の端部が所定の角度を有して接触するように配置した上で、これらの接触した端部を溶接やろう付けなどによって接合することによって、形成することができる。
また、周縁部231について、どのような方法で内壁部21及び外壁部22を一体化して形成してもよい。具体的に例えば、内壁部21及び外壁部22の一方または双方を、それぞれの端部が漸近するように曲げ、接触した端部を溶接やろう付けなどによって接合することで、周縁部231を形成してもよい。
また、上述したV字状の周縁部231による振動の通過抑制効果を検証するために、実験を行った。この実験の結果について、以下図面を参照して説明する。
図7は、実験方法について示す側面図である。図7に示すように、今回行った実験は、中央部を屈曲させた板状の試料の一方の端部を固定し、その固定した端部側に衝撃を与えて、中央部を挟んだ両側に生じる振動をひずみゲージSG1,SG2によってそれぞれ測定するものである。ここで、試料の屈曲した中央部が周縁部に相当し、衝撃が加えられる固定された端部側(以下、内側という)が内壁部に相当し、その反対側(以下、外側という)が外壁部に相当する。
本実験に使用するそれぞれの試料は、周縁部の形状のみに起因する振動の通過抑制効果について確認するために、溶接等を行うことなく曲げ加工のみで作製されている。また、ひずみゲージSG1,SG2間における試料の長さは、試料の形状とは関係なく全て100mmとし、試料の中央部から等距離となる位置にひずみゲージSG1,SG2が配置されている。また、それぞれの試料の幅は10mmであり、試料の板厚は0.5mmと1.0mmの2種類である。
また、図8は、それぞれの試料の形状について示す側面図である。図8に示すように、この実験で使用した試料の形状は、全部で5種類である。図8(a)に示す試料は、中央部が鋭角(本例では20°)に折り曲げられたV字状の試料(以下、「試料V」という)である。図8(b)に示す試料は、中央部が折られることなく曲面状に曲げられたU字状の試料(以下、「試料U」という)である。図8(c)に示す試料は、中央部の内側部分及び外側部分の2箇所で90°に折り曲げられたC字状の試料(以下、「試料C」という)である。図8(d)に示す試料は、中央部の内側部分が鋭角に折り曲げられるとともに外側部分が曲面状に凹凸に曲げられた逆S字状の試料(以下、「試料逆S」という)である。図8(e)に示す試料は、中央部の外側部分が鋭角に折り曲げられるとともに内側部分が曲面状に凹凸に曲げられたS字状の試料(以下、「試料S」という)である。
図9は、試料Vにおける振動の測定結果について示すグラフである。図10は、試料Uにおける振動の測定結果について示すグラフある。図11は、試料Cにおける振動の測定結果について示すグラフである。図12は、試料逆Sにおける振動の測定結果について示すグラフである。図13は、試料Sにおける振動の測定結果について示すグラフである。なお、図9〜13のそれぞれにおいて、(a)のグラフは、ひずみゲージSG1の測定結果(内側における振動の測定結果)を示しており、(b)のグラフは、ひずみゲージSG2の測定結果(外側における振動の測定結果)を示している。
また、図9〜13のそれぞれにおいて、(a)及び(b)に示すグラフは、ひずみゲージSG1に振動が到達した時間を0として規定するとともに、ひずみゲージSG1の測定結果における最大変位が1となるように規格化したものである。さらに、図9〜13のそれぞれにおいて、(a)のグラフにおける変位のピークを結んだ破線(即ち、内側における振幅の時間的な変動を示す線)を、(a)及び(b)のグラフに表示している。また、図9〜13に示すグラフは、板厚が0.5mmの試料における振動の測定結果を示したものである。
図9〜13に示すグラフでは、振動発生直後(例えば、0から0.2秒程度まで)において、試料の形状に起因する振動の通過抑制効果が特に強く表れている。一方、振動発生から時間が経過するほど(例えば、0.2秒以降では)、振動の通過抑制効果よりも試料の固有振動等の影響の方が強く表れている。そこで、以下では、振動の測定結果の中でも、振動発生直後の部分に特に着目して、それぞれの試料の形状に起因する振動の通過抑制効果について評価する。
図9に示すように、試料Vでは、試料の内側で測定される振動の振幅と比較して、試料の外側で測定される振動の振幅が、顕著に小さくなっている。これに対して、図10〜13に示すように、試料U、試料C、試料逆S及び試料Sでは、一定程度は振幅が小さくなっているように見えるが、試料Vのように振幅が顕著に小さくなるものではない。
ここで、それぞれの試料における振幅の減少の度合を、減衰度を用いて定量的に評価する。減衰度とは、測定開始から0.2秒間において、試料の内側で測定される振動の変位の二乗和を、試料の外側で測定される振動の変位の二乗和で除した値である。
図14及び15は、図8に示すそれぞれの試料における減衰度について示したグラフである。図14は、板厚が0.5mmの試料の減衰度について示すグラフであり、図15は、板厚が1.0mmの試料の減衰度について示すグラフである。なお、図14及び15のグラフに示す減衰度は、図8に示す5つの形状のそれぞれについて同形状の試料を5個ずつ作製し、同形状の5個の試料に対して上述の実験を5回行うことで合計25の測定結果を得て、その25の測定結果から算出された25の減衰度を平均化することで得られたものである。
図14及び15に示すように、試料Vは、他の試料と比較して、減衰度が顕著に小さくなっている。なお、図15に示すように、板厚1.0mmの試料だけを見ると、試料Cの減衰度が試料Vと同程度まで小さくなっている。ただし、試料Vは、板厚が0.5mmであっても1.0mmであっても、他の試料と比較して減衰度が顕著に小さくなっている。
このように、周縁部231をV字状にすることによって、振動の通過を効果的に抑制することが可能であることが分かる。
ところで、試料逆Sや試料Sについて、折り曲げられた部分にのみ着目すると、試料Vと同じように鋭角に折り曲げられたV字状であるとも言える。しかし、試料Vと比較すると、試料逆Sや試料Sは振動の通過抑制効果が小さい。
この要因について、試料逆Sや試料Sでは、試料Vとは異なり、中央部が内側及び外側に囲まれる空間内に突出して折り返されていることが挙げられる。そのため、試料逆Sや試料Sのような形状では、V字状となる部分で振動の通過が抑制されても、全体的にバネのような形状になるため、不要な振動が発生して振動の通過抑制効果が小さくなり得る(例えば、図12のグラフにおける0.2秒以降の部分参照)。
そこで、周縁部231をV字状にする場合において、効果的に振動の通過を抑制することができる形状について検証するために、上述した実験(図7参照)と同様の実験を行った。この実験の結果について、以下図面を参照して説明する。
図16は、それぞれの試料の形状について示す側面図である。図16に示すように、この実験で使用した試料の形状は、全部で4種類である。図16(a)に示す試料は、中央部が内側及び外側に囲まれる空間外に突出して20°で折り返されたV字状の試料(以下、「試料V20」という)であって、図7(a)に示す試料と同じ試料である。図16(b)に示す試料は、中央部が内側及び外側に囲まれる空間外に突出して70°で折り返されたV字状の試料(以下、「試料V70」という)である。図16(c)に示す試料は、中央部が内側及び外側に囲まれる空間外に突出して120°で折り返されたV字状の試料(以下、「試料V120」という)である。図16(d)に示す試料は、中央部が内側及び外側に囲まれる空間内に突出して30°で折り返されたM字状の試料(以下、「試料M」という)である。
図17及び18は、図16に示すそれぞれの試料における減衰度について示したグラフである。図17は、板厚が0.5mmの試料の減衰度について示すグラフであり、図18は、板厚が1.0mmの試料の減衰度について示すグラフである。なお、図17及び18のグラフに示す減衰度は、図14及び15のグラフに示す減衰度と同じ方法で算出したものである。
図17及び18に示すように、試料Mは、他のV字状の試料と比較して、減衰度がそれほど小さくなっていない。即ち、鋭角でV字状に折り曲げた形状のみから成る試料であっても、内側及び外側に囲まれる空間内に突出して折り返される形状であると、振動の通過抑制効果が小さくなってしまうことが分かる。換言すると、鋭角でV字状に折り曲げた形状のみから成る試料であっても、複数回折り曲げられた形状であると、振動の通過抑制効果が小さくなってしまうことが分かる。
さらに、図17及び18に示すように、試料V20、試料V70及び試料V120の実験結果を比較すると、折り曲げの角度が小さい試料ほど(即ち、急峻に折り曲げた試料ほど)、振動の通過抑制効果が大きいことが分かる。特に、折り曲げの角度が比較的大きい試料V70や試料V120と比較して、折り曲げの角度が比較的小さい試料V20では、振動の通過抑制効果が顕著に大きくなっていることが分かる。そのため、振動の通過抑制効果を大きくする観点では、折り曲げの角度を70°よりも小さくすると好ましいことが分かる。
したがって、周縁部231を、内壁部21及び外壁部22に囲まれる空間外に突出するとともに1回だけ折り曲げられたV字状にすることで、振動の通過を効果的に抑制することが可能となる。また、周縁部231を、70°よりも小さい角度で折り曲げられたV字状にすることで、振動の通過を効果的に抑制することが可能となる。
[第4実施例]
図19は、本発明の実施形態に係るスピーカの第4実施例について示す断面図であり、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
図19に示すように、本例のスピーカ1Dでは、内壁部21及び外壁部22の間の密閉空間の気圧が、負圧(大気圧よりも低い圧力、例えば、10−2Pa以上10Pa以下程度)になる。具体的に、本例のスピーカ1Eは、外壁部22の一部(図19に示す例では底部)を貫通する排気口221と、排気口221を塞ぐように設けられる封止材25と、封止材25の外面を覆うように設けられる保護板26と、を備える。
封止材25は、例えば、錫単体や錫及び銀の合金、銅及び亜鉛の合金などから成るろう材であり、少なくとも筐体20を成す材料よりも融点が低い材料から成る。また、保護板26は、例えば筐体20と同じ材料から成る。
本例のスピーカ1Dを作製する場合、まず、筐体20を入れたキャビネットを真空引きすることにより、排気口221を介して内壁部21及び外壁部22の間の空間を減圧する。次に、キャビネット内の温度を上げて封止材25を溶融(軟化)させ、排気口221に封止材25を密着させて封止した後に、キャビネットの温度を下げる。これにより、内壁部21及び外壁部22の間が密閉空間となり、負圧の状態で維持される。そして、キャビネットから筐体20を取り出して、封止材25の外面を覆うように、溶接やろう付けなどによって保護板26を外壁部22に接合する。
このように、内壁部21及び外壁部22の間の密閉空間を負圧にすると、密閉空間を介して内壁部21から外壁部22に伝播する振動を、抑制することが可能となる。また、内壁部21及び外壁部22の間の密閉空間が負圧であると、内壁部21が外壁部22側に引っ張られることで、内壁部21に応力が加えられる。そのため、回り込み伝播振動を効果的に抑制することが可能となる。
なお、内壁部21及び外壁部22の間の密閉空間が負圧ではない(即ち、密閉空間内に空気等のガスが封入されている)場合でも、密閉空間内の気体がダンパとして作用するため、密閉空間を介して内壁部21から外壁部22に伝播する振動を、ある程度は抑制することが可能である。
[第5実施例]
図20は、本発明の実施形態に係るスピーカの第5実施例について示す断面図であり、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
図20に示すように、本例のスピーカ1Eでは、筐体20の一部(本例では底部の中央)に内壁部21及び外壁部22を貫通する貫通孔27を設け、この貫通孔27内にバスレフポート28が設けられている。ただし、貫通孔27及びバスレフポート28が設けられたとしても、内壁部21及び外壁部22の間の空間は密閉空間であり、筐体20は二重壁構造である。
このように、筐体20に貫通孔27及びバスレフポート28が設けられたとしても、上述した基本構成のスピーカ1や第1〜第4実施例のスピーカ1A〜1Dと同様に、筐体20を介した音波の伝播を効果的に抑制することが可能である。
なお、筐体20が二重壁構造であれば、上記のような貫通孔27及びバスレフポート28に限らず、筐体20に対してどのような変形を加えてもよい。
<製造方法>
次に、本発明の実施形態に係るスピーカ用筐体の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。図21〜23は、本発明の実施形態に係るスピーカ用筐体の製造方法の一例を示す斜視図である。また、図24は、図21〜23に示す製造方法によって製造されたスピーカ用筐体の断面図である。なお、図25〜27は、筐体が製造される工程を、図21、図22、図23の順番で示したものである。また、図24は、図2に示した断面(A−A断面、図1参照)に相当する断面について示すものである。
本例の製造方法では、まず、図21に示すように、内壁部胴部21X及び内壁部底部21Yを作製する。内壁部胴部21Xは、例えば、板材に曲げ加工を施すことで筒状とした後、継目を溶接やろう付けなどによって接合することで作製することができる。また、ネジ山211は、接合して筒状となった内壁部胴部21Xに対して、ロールフォーミング加工を施すことで形成することができる。また、内壁部底部21Yは、例えば、板材に絞り加工を施すことで作製することができる。
このとき、内壁部胴部21Xの開口している少なくとも一方の端部の形状と、内壁部底部21Yの開口した端部の形状と、は略等しいものとなるようにする。そして、内壁部胴部21X及び内壁部底部21Yの、形状を略等しくしたそれぞれの端部を、溶接やろう付けなどによって接合することで、内壁部21を作製する。
次に、図22に示すように、外壁部胴部22Xを作製する。外壁部胴部22Xは、例えば、内壁部胴部21Xと同様に板材に曲げ加工を施すことで筒状とした後、継目を溶接やろう付けなどによって接合し、さらに一方の端部に対して口絞り加工を施すことで作製することができる。
そして、外壁部胴部22Xの口が狭い端部と内壁部21の開口した端部とが揃った入れ子状態になるように、外壁部胴部22Xの内側の空間内に内壁部21を挿入する。そして、外壁部胴部22Xの口が狭い端部及び内壁部21の開口した端部を、溶接やろう付けなどによって一体化して接合する。これにより、周縁部23が形成される。なお、本例の製造方法で形成される周縁部23は、上述した第4実施例(図6参照)の周縁部231と同様の形状となる。
次に、図23に示すように、外壁部底部22Yを作製する。例えば、外壁部底部22Yは、板材に絞り加工と逆絞り加工を順番に施すことで作製することができる。そして、外壁部底部22Yの開口した端部を、外壁部胴部22Xの周縁部23が形成されていない端部側から挿入した後、外壁部底部22Yの外周の折り返し部分を、外壁部胴部22Xの内側に対して溶接やろう付けなどによって接合する。以上により、図24に示すような、筐体20が作製される。
なお、図21〜23に示した筐体20の作製方法は一例に過ぎず、この方法とは別の方法で筐体20を作製することも可能である。例えば、本例の製造方法では、内壁部胴部21Xの作製時にネジ山211を形成する場合について例示しているが(図21参照)、ネジ山211は、どのようなタイミング、方法で形成してもよい。具体的に例えば、図24に示すように内壁部21及び外壁部22の接合が完了した状態で、内壁部21に対して切削加工を施すことで、ネジ山211を形成してもよい。
<変形等>
上述したスピーカ1,1A〜1E及び筐体の製造方法の説明では、内壁部21及び外壁部22の断面が円形の有底筒状であり、内壁部21の軸心が開口面24を通過する筐体20について例示している。しかしながら、内壁部21及び外壁部22の形状は、この例の限りではない。例えば、内壁部21の軸心が開口面24を通過しない筐体20であってもよい。具体的に例えば、開口面24(周縁部23)の内径が、内壁部21の胴部の内径と比較して小さくなっているとともに、開口面24(周縁部23)が内壁部21の軸心から外れた偏心位置にある有底筒状の筐体20であってもよい。さらに、内壁部21及び外壁部22の形状は、断面が円形の有底筒状に限られるものではなく、どのような形状であってもよい。具体的に例えば、断面が楕円形や多角形等の有底筒状であってもよいし、砲弾型等の底が平面ではないものであってもよい。
また、上述したスピーカ1,1A〜1Eでは、直接伝播振動を抑制するために、ユニット支持体13の外側面が、周縁部23に接触しないような形状(周縁部23付近の外径が部分的に小さくなっている形状)となっている。しかし、ユニット支持体13の外側面の形状はこの例の限りではなく、周縁部23に接触するような形状を採用してもよい。
また、上述したスピーカ1,1A〜1Eにおいて、内壁部21及び外壁部22を溶接やろう付けなどによって接合させて一体化することで、周縁部23,231が形成されると説明したが、その接合方法はどのようなものであってもよい。具体的に例えば、内壁部21及び外壁部22のそれぞれの端部を、向かい合わせまたは同じ向きに曲げて重ね、その重ねた部分を溶接やろう付けなどによって接合することで、周縁部23,231を形成してもよい。また例えば、内壁部21及び外壁部22の一方の端部を曲げ、他方の端部または側面に当接させ、その当接させた部分を溶接やろう付けなどによって接合することで、周縁部23,231を形成してもよい。また例えば、内壁部21及び外壁部22の一方または双方をクランク状に曲げて端部を重ね、その重ねた部分を溶接やろう付けなどによって接合することで、周縁部23,231を形成してもよい。また例えば、内壁部21及び外壁部22のそれぞれの離間した端部に、架橋用の材料を配置して溶接やろう付けなどによって接合することで、周縁部23,231を形成してもよい。
さらに、内壁部21及び外壁部22を接合せずに、周縁部23,231を形成することも可能である。例えば、元々一体的である1つの板材に対して、絞り加工や曲げ加工を行うことによって、接合を要することなく周縁部23,231を形成してもよい。この場合、必要に応じて、周縁部23,231以外の場所を、溶接やろう付けなどによって接合してもよい。
また、上述したスピーカ1,1A〜1Eは、スピーカユニット10が内壁部21にのみ接触して、外壁部22には接触しない構造であるが、本発明は、スピーカユニット10が外壁部22に対して接触する構造を完全に排除するものではない。例えば、スピーカユニット10が、内壁部21に接触して支持されたときに、スピーカユニット10の一部が外壁部22に接触する構造であってもよい。このような構造であっても、スピーカユニット10が主として内壁部21に接触して支持されるものであれば、スピーカユニット10と外壁部22との接触を最小限に留めることができるため、直接伝播振動を十分に抑制することが可能である。
また、必要であれば、例えばスピーカユニット10と筐体20の間に、振動を抑制するための弾性体等を設けてもよい。ただし、本発明の実施形態におけるスピーカ1は、筐体を介した音波の伝播を抑制することが可能な構造であるため、設けるべき弾性体は僅かなもので足りる。例えば、上記のように、スピーカユニット10と外壁部22との接触を許容するスピーカの場合において、スピーカユニット10と外壁部22との間に弾性体を設けてもよい。この場合、直接伝播振動をさらに抑制することが可能となる。
また、スピーカユニット10が、バッフル板を備えた構成であってもよい。例えば、スピーカユニット10が、その前方側の端部かつ振動板11の周囲に、バッフル板が設けられた構成であってもよい。この場合、バッフル板は、スピーカユニット10の一部を成すものとなる。また、この場合、バッフル板がユニット支持部13と一体となって、内壁部21に接触して支持されてもよい。
本発明は、二重壁構造のスピーカ及び当該スピーカに適用されるスピーカ用筐体に対して、好適に利用することができる。
1,1A〜1E : スピーカ
10 : スピーカユニット
11 : 振動板
111 : センターキャップ
12 : 駆動部
13 : ユニット支持部
131,132 : ネジ山(スピーカユニット側)
1311,1321 : フランク
14 : エッジ部
20 : 筐体
21 : 内壁部
211,212 : ネジ山(内壁部側)
2111,2121 : フランク
213 : ネック部(段差部)
21X : 内壁部胴部
21Y : 内壁部底部
22 : 外壁部
221 : 排気孔
22X : 外壁部胴部
22Y : 外壁部底部
23,231 : 周縁部
24 : 開口面
25 : 封止材
26 : 保護板
27 : 貫通孔
28 : バスレフポート

Claims (14)

  1. スピーカユニットと筐体を備えたスピーカであって、
    前記筐体は、一部が開口して内側に空間を有する内壁部と、一部が開口するとともに内側に有する空間内に前記内壁部が配置される外壁部と、を備えるとともに、前記内壁部及び前記外壁部のそれぞれの開口した端部が一体化されて周縁部が形成され、前記内壁部及び前記外壁部の間が密閉空間となる二重壁構造であり、
    前記スピーカユニットの少なくとも一部が、前記周縁部から前記内壁部の内側の空間に向かう方向に離間した位置で、前記内壁部に螺合して支持され
    前記周縁部の、前記周縁部を外周とする開口面に対して垂直な断面における形状が、前記内壁部の内側の空間に向かう方向とは反対方向に向かうにしたがって、前記内壁部及び前記外壁部が漸近するV字状を含むことを特徴とするスピーカ。
  2. 前記スピーカユニットに設けられて前記内壁部に螺合するネジ山の外径が、前記内壁部の内側の空間から前記周縁部を外周とする開口面に向かうにつれて、次第に大きくなることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、前記内壁部及び前記外壁部に囲まれる空間外に突出して折り返されたV字状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ。
  4. 前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、1回だけ折り曲げられたV字状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピーカ。
  5. 前記周縁部の、前記開口面に対して垂直な断面における形状が、70°よりも小さい角度で折り曲げられたV字状であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のスピーカ。
  6. 前記スピーカユニットは、振動板と、入力される電気信号に応じて前記振動板を駆動して振動させる駆動部と、少なくとも前記駆動部を支持するユニット支持部と、を備え、
    前記ユニット支持部が、前記内壁部に螺合して支持されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスピーカ。
  7. 前記周縁部を外周とする開口面から前記内壁部の内側の空間に向かう方向を後方、前記後方の反対方向を前方とするとき、
    前記ユニット支持部の少なくとも一部が、前記振動板の前記前方の端部よりも前記後方となる位置で、前記内壁部に螺合して支持されることを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
  8. 前記周縁部を外周とする開口面から前記内壁部の内側の空間に向かう方向を後方、前記後方の反対方向を前方とするとき、
    前記スピーカユニットの前記前方の端部が、前記周縁部よりも前記前方に位置することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスピーカ。
  9. 前記スピーカユニットの外縁が、前記周縁部の前記前方まで延伸しているとともに、前記周縁部から離間していることを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
  10. 前記内壁部が有底筒状であり、前記内壁部の軸心が、前記周縁部を外周とする開口面を通過することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスピーカ。
  11. 前記内壁部に、内側の空間内に向かって突出する段差部が設けられ、
    前記内壁部の内側の空間内に挿入された前記スピーカユニットの端部が、前記段差部に当接した状態で、前記スピーカユニットが前記内壁部に螺合して支持されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスピーカ。
  12. 前記スピーカユニットに設けられて前記内壁部に螺合するネジ山と、前記内壁部に設けられて前記スピーカユニットに螺合するネジ山と、のそれぞれが、螺進方向に垂直な面に対して傾いたフランクを有しており、
    前記内壁部の内側の空間内に挿入された前記スピーカユニットの端部が、前記段差部に当接した状態で、前記スピーカユニットが前記内壁部に支持されることを特徴とする請求項11に記載のスピーカ。
  13. 前記内壁部及び前記外壁部の間の前記密閉空間の気圧が、大気圧よりも低いことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のスピーカ。
  14. 一部が開口して内側に空間を有する内壁部と、
    一部が開口するとともに内側に有する空間内に前記内壁部が配置される外壁部と、を備え、
    前記内壁部及び前記外壁部のそれぞれの開口した端部が一体化されて周縁部が形成され、前記内壁部及び前記外壁部の間が密閉空間となる二重壁構造であり、
    スピーカユニットの少なくとも一部を、前記周縁部から前記端部側とは反対側に離間した位置で、前記内壁部に螺合させて支持するための支持構造が、前記内壁部に設けられ
    前記周縁部の、前記周縁部を外周とする開口面に対して垂直な断面における形状が、前記端部側に向かうにしたがって、前記内壁部及び前記外壁部が漸近するV字状を含むことを特徴とするスピーカ用筐体。
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