JP6340590B2 - 換気装置 - Google Patents

換気装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6340590B2
JP6340590B2 JP2014128754A JP2014128754A JP6340590B2 JP 6340590 B2 JP6340590 B2 JP 6340590B2 JP 2014128754 A JP2014128754 A JP 2014128754A JP 2014128754 A JP2014128754 A JP 2014128754A JP 6340590 B2 JP6340590 B2 JP 6340590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
room
humidity
control unit
ventilation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014128754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016008750A (ja
Inventor
茂俊 堀切
茂俊 堀切
加藤 務
務 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2014128754A priority Critical patent/JP6340590B2/ja
Publication of JP2016008750A publication Critical patent/JP2016008750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6340590B2 publication Critical patent/JP6340590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ventilation (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

本発明は、浴室など室内の換気や湿気などの排出に使用される換気装置に関するものである。
従来、この種の換気装置は、浴室において水滴を除去しにくい天井の乾燥を効率よく行うように循環送風するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その換気装置について図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、換気装置101は室内の空気を吸い込む吸込口102と室外へ排気する排気口103と、室内の天井に沿わせて風を吹き出すことができる第一の吹出口104や室内の複数の方向に開口する第二の吹出口105からなる。浴室の乾燥運転のときには、第一の吹出口104から室内で空気が滞留しやすく乾燥しにくい天井に沿って風を送風することで、天井に付着した水滴の乾燥を促進するようにしたものである。
特開2005−345068号公報 北本勝ひこ編著「改訂版 分子麹菌学」公益財団法人日本醸造協会、平成24年1月20日発行
このような従来の換気装置においては、室内に吹き出す空気の湿度が露点よりも下がってしまうと、室内で局所的に風速が大きい箇所で水滴の蒸発が促進されるため、部分的に水滴の付着がない状態になる。カビの成長には、温度や栄養素の他に、酸素、高湿度空気の条件が全て必要であることが古くから知られている。そのため、カビの表面に水滴が付着している状態は、成長に必要な酸素が遮断され、一時的に成長が低下した状態であると考えられる。従来の換気装置は、室内の水滴を部分的に除去するように乾燥を行うが、先に乾燥した部分では遮断されていた酸素が供給されるようになり、さらに他の部位に残っている水滴の蒸発に由来する高湿度空気が当たり続けることになるため、この部分に付着しているカビは酸素と高湿度空気を得て逆に成長しやすくなるといえる。
一方、室内で水滴が付着し、カビが発生しやすい場所としては浴室が知られている。
浴室に頻繁に見られるカビは、クロカビなどの種類であるが、これらは浴室に付着した汚れなどを栄養源とし、シャワーなどで飛び散った水滴や、湯気による湿気により、室内が高湿度となることによって繁殖すると考えられている。そのため、浴室を、換気扇を用いて換気することによって、湿気を排出し、カビの生育を抑制できることは当該者のみならず一般に良く知られた事実である。
さて、一般にカビは、液相中では代謝、成長に関わる活動が低下し、成長に適さないが気相中では成長が促進されると言われている(非特許文献1)。例えば醸造の分野では、同じ糸状菌に属するコウジカビを液相で取り扱うとよい麹にならず、米の分解がうまく進まないのに対し、液体に浸さずに水分を抑えた気相中で取り扱うと分解が進む。近年は、遺伝子発現レベルでもこのような性質の違いが明らかにされており、一例としてアミラーゼ遺伝子の発現量は、気相中で培養したものでは高く、液相中では発現が大きく低下することが確認されている(非特許文献1)。このように、液相中ではカビの代謝、成長に関わる活動が低下し、成長に適さないと考えられており、コウジカビ、クロカビなど種類を問わず、カビ全般に認められる特徴とされている。
すなわち、従来のように換気装置を使用すると、換気を行っている最中には、前述の通り、先に乾いた部分に付着していたカビが高湿度空気と酸素に直接曝されるため、全て乾燥するまでの間はカビの成長に好適な条件となってしまう。カビは、少しずつ成長を繰り返していき、蓄積したものがやがて汚れとして視認できるようになるという特徴がある。例え、換気装置を運転して浴室を乾燥している最中であっても、日々繰り返されることによって、いずれカビが汚れとして発生してしまうことになるため、そのような方法では、長期的にはカビの成長を防ぐことが困難であるという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、結露して高湿度になった室内において、換気運転中に室内が部分的に乾燥して室内の内面が気相中に露出し、カビの成長が促進されないように室内を平均的に乾かす換気運転を行う換気装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、室内の空気を吸い込む吸い込み口と、吸い込んだ空気を再び前記室内に吹き出す吹き出し口と、室外に連通して前記室内の空気を排気する排気口と、を備えた本体と、前記本体内に前記吸い込み口と前記吹き出し口および前記排気口を連通する風路と、前記風路内にあって前記吹出し口および前記排気口への通風量の割合を調整するダンパーと、前記風路内へ前記室内の空気を流す送風部と、前記室内の空気の湿度を検知する湿度センサと、前記室内に吹出す空気の風向を制御する風向制御部と、前記湿度センサの信号をもとに、前記風向制御部と前記ダンパーと前記送風部の動作を制御する制御部を備えた換気装置において、前記室内に水滴が付着しているときに、前記制御部が、前記風向制御部の風向を前記室内下方に設定し、前記湿度センサによって検知した室内の湿度が露点以下になるように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して前記室内の下方の換気を行う第一の工程と、前記第一の工程につづいて、前記風向制御部が風向を前記室内の広い範囲に向くように設定し、前記湿度センサによって検知した前記室内の湿度が露点以上を継続するように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して、前記湿度センサによって検知した湿度が露点以下となるまで換気を行う第二の工程と、前記第二の工程につづいて、前記ダンパーを調整して換気風量を最大に調整して換気を行う第三の工程と、を行い、前記室内に付着した水滴および残留する高湿度空気を排出することを特徴とする換気装置としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、室内の空気を吸い込む吸い込み口と、吸い込んだ空気を再び前記室内に吹き出す吹き出し口と、室外に連通して室内の空気を排気する排気口と、を備えた本体と、前記本体内に前記吸い込み口と前記吹き出し口および前記排気口を連通する風路と、前記風路内にあって前記吹き出し口および前記排気口への通風量の割合を調整するダンパーと、前記風路内へ前記室内の空気を流す送風部と、前記室内の空気の湿度を検知する湿度センサと、前記室内に吹出す空気の風向を制御する風向制御部と、前記湿度センサの信号をもとに、前記風向制御部と前記ダンパーと前記送風部の動作を制御する制御部を備えた換気装置において、前記室内に水滴が付着しているときに、前記制御部が、前記風向制御部の風向を前記室内下方に設定し、前記湿度センサによって検知した室内の湿度が露点以下になるように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して前記室内の下方の換気を行う第一の工程と、前記第一の工程につづいて、前記風向制御部が風向を前記室内の広い範囲に向くように設定し、前記湿度センサによって検知した前記室内の湿度が露点以上を継続するように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して、前記湿度センサによって検知した湿度が露点以下となるまで換気を行う第二の工程と、前記第二の工程につづいて、前記ダンパーを調整して換気風量を最大に調整して換気を行う第三の工程と、を行い、前記室内に付着した水滴および残留する高湿度空気を排出するものであり、室内の内面に付着したカビが高湿度空気に触れる時間が短くなるため、換気中のカビの生育を抑制し、室内を清潔に保つ事ができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1の換気装置の構成を示す断面図 (a)同換気装置の第一の工程を示す図、(b)同換気装置の第二の工程を示す図、(c)同換気装置の第三の工程を示す図 同換気装置の制御部の第一の工程を示すフローチャート 同換気装置の制御部の第二の工程、第三の工程を示すフローチャート 同換気装置によるカビの抑制効果を示す図 従来の換気装置の構成を示す断面図
本発明の請求項1記載の換気装置は、室内の空気を吸い込む吸い込み口と、吸い込んだ空気を再び前記室内に吹き出す吹き出し口と、室外に連通して前記室内の空気を排気する排気口と、を備えた本体と、前記本体内に前記吸い込み口と前記吹き出し口および前記排気口を連通する風路と、前記風路内にあって前記吹き出し口および前記排気口への通風量の割合を調整するダンパーと、前記風路内へ前記室内の空気を流す送風部と、前記室内の空気の湿度を検知する湿度センサと、前記室内に吹出す空気の風向を制御する風向制御部と、前記湿度センサの信号をもとに、前記風向制御部と前記ダンパーと前記送風部の動作を制御する制御部を備えた換気装置において、前記室内に水滴が付着しているときに、前記制御部が、前記風向制御部の風向を室内下方に設定し、前記湿度センサによって検知した前記室内の湿度が露点以下になるように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して前記室内の下方の換気を行う第一の工程と、前記第一の工程につづいて、前記風向制御部が風向を前記室内の広い範囲に向くように設定し、前記湿度センサによって検知した前記室内の湿度が露点以上を継続するように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して、前記湿度センサによって検知した湿度が露点以下となるまで換気を行う第二の工程と、前記第二の工程につづいて、前記ダンパーを調整して換気風量を最大に調整して換気を行う第三の工程と、を行い、前記室内に付着した水滴および残留する高湿度空気を排出するものである。
これにより、第一の工程で、水滴の付着が多い室内下方部分に対して、集中的に風を当てるとともに、室内へ比較的湿度が低い空気を多く導入することによって、下方の水分が蒸発しやすくなるため、短い時間で付着量の多い下方部分の水分量を減少させることができる。続けて第二の工程では、室内全体に付着している水滴の乾きムラがみられないようにするため、換気風量を抑えて室内に循環させる吹き出し風量を増加し、高湿度の空気を室内内面に平均的に当てることによって、室内全体をむらなく高湿度の空気環境としつつ、部分的に室内の乾燥が促進されることを抑えて、室内の内面への水滴の付着がなくなるまで、均一に水分の除去を行い続けることができる。また第三の工程では、室内の内面への水滴の付着がなくなったのちに速やかに高湿度空気を排出することができ、室内の内面が高湿度空気に直接曝される時間を短くすることができる。これらの工程を順番に行うことによって、室内の内面に付着したカビが高湿度空気に触れる時間が短くなるため、換気中のカビの生育を抑制し、室内を清潔に保つ事ができるという効果を奏する。
また、請求項2記載の換気装置は、制御部が、湿度センサによって検知した室内の湿度が露点であるかを判定する露点判定部を備え、前記露点判定部によって判定した結果に基づきダンパーを調整するという構成にしてもよい。
これにより、制御部は換気風量と吹き出し風量の設定を適切に制御することができることとなるので、精度よく換気を行うことができるという効果を奏する。
また、請求項3記載の換気装置は、制御部は、第一の工程からあらかじめ定めた一定の時間が経過した後に第二の工程に移行するという構成にしてもよい。
これにより、使用者あるいは設計者が、使用環境を考慮して容易に移行時期を設定することができ、操作の手間を減らすことができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、換気装置1は、換気する対象の室内に接するか連通するように配された本体2からなり、例えば室内の天井に本体2の下面が接するように配置すると、室内に換気装置1が突出せず、室内を広く活用できるうえ、換気送風の効率が優れるため好ましい。尚、換気装置1を設置する室内とは、水滴が発生し、内面に付着してしまう場所であり、住宅であれば例えば浴室などがこれに該当する。
本体2の室内側には、室内の空気を吸い込む吸い込み口3と、吸い込んだ空気を再び室内側に戻す吹き出し口4が備えられている。吸い込み口3は、室内の空気を吸い込みやすいよう面積を広くとることが好ましいが、本体2内部に手等が直接入ることを防ぐために、スリット状や格子状の形状にしてもよい。この吸い込み口3と吹き出し口4は、例えば同一の成型されたパネル上に配すると、施工性がよくなるため好ましい。
本体2内部には、吸い込み口3と吹き出し口4を連通する風路5が設けられ、さらに室内の空気を吸い込んで送り出す送風部であるファン6を備える。ファン6はモーターなどの回転で動作し、構造としてはシロッコ型、ターボ型、クロスフロー型などが知られており、特に限定されるものではない。このファン6が回転すると、吸い込み口3から室内の空気が本体2内に吸い込まれ、風路5を通って吹き出し口4に向かうか、または風路5から分岐して室外に連通している排気口7を通って室外に排気される。
風路5内には、吹き出し口4と排気口7に方向が分岐しており、この位置にそれぞれへの通風量を調整するダンパー8を備える。通風量の調整には、このダンパー8の位置や角度を調整し、それぞれの風路の開口面積を変更することで行う。ダンパー8は、構造としては例えば板状などであり、それぞれの風路に個別に設けても良いが、例えば、一つのダンパー8で二つの風路を調整できるようにすると、構造が単純化し、制御も容易になるため好ましい。尚、ダンパー8の調整には、角度を設定できるステッピングモーターなどの位置決め手段を用いるか、電磁石のように電気的に開閉制御を行うなど方法を用いることができるが、電気的制御で行えるものであればこの限りではない。
吹き出し口4には、室内に吹き出す空気の方向を制御するための風向制御部であるルーバー9を設ける。ルーバー9は、例えば板状の構造などであり、吹き出し風を向けたい方向に平行になるように向けて風を面に沿わせて流すことで風向制御を行う。このルーバー9は、可動式として、状況に応じて風向を変更することができるようにすることが好ましく、例えば、回転式などで面の方向を調整すると、少ないアクチュエータで制御することができるため好ましい。
室内の空気の湿度を検知するために、風路5内に湿度センサ10を設ける。湿度センサ10は、室内の湿度の値や変化から、結露の状態や乾燥状態を間接的に検出することができる手段であり、例えば、高分子抵抗式、高分子容量式、酸化アルミ容量式、塩化リチウム式、アスマン通風式乾湿計などが知られており、いずれに限定されるものではないが、相対湿度を検知でき、コストが安いことなどから、高分子抵抗式が好ましい。尚、湿度センサ10の検知情報を補完するために、近い位置に温度センサを設置し、組み合わせて使用することも有用である。
この換気装置1のファン6の運転や停止、ダンパー8の動作、ルーバー9の動作や、湿度センサ10による湿度の検出は、電子部品からなる制御基板である制御部11で行う。使用者が容易に操作しやすいよう、リモコンなどの操作部にスイッチを設けて制御できるようにしてもよい。制御部11は、ファン6の運転や停止だけでなく、回転数を切り替えたり、ダンパー8の角度やルーバー9の角度を調整できるようにしてもよく、マイコン制御を用いると、詳細な条件の設定や、それぞれの稼動部の動作制御が容易に行えるようになるため好ましい。
浴室など、室内に水滴が付着して換気装置1を動作させる前は、使用状況に応じ、室内の下方、特に床やその周辺の壁に水滴が多く付着している。これは、浴室の場合、シャワーの使用によって、噴出させた湯水が直接床や壁に付着し、残留するためである。
一方、それ以外の天井やその周辺の壁などは噴出された湯水が直接あたることはなく、蒸気が結露して水滴化した状態になる。このような水滴は非常に細かく、見た目には薄く雲ってみえるような状態となる。
すなわち、換気装置1の使用前は、室内の下方に付着した水滴が多く存在していることになる。
カビは酸素要求性が高いため、高湿度環境下の気相では容易に生育し、液相では生育が一時的に抑制されると考えられる。そのため、室内も全面液相を維持しつつ、部分的に乾燥することがないように制御することが、カビの抑制につながると考えられる。
そこで、制御部11が、湿度センサ10で検知した室内の湿度に基づき、換気風量と吹き出し風量を順次制御して換気を行うこととする。以下、図2(a)〜(c)で一例を説明する。
室内の乾燥を均等に行うためには、前述の通り、水滴の多い下方から乾燥が促進されるようにすると換気効率の点から好ましい。
そのため、はじめに、室内下方の水滴を減少させる第一の工程(図2(a))を行う。まず、室内に結露などの水滴の付着、湿気の滞留がある状態で使用者が換気装置1を起動し、室外に空気を排気させ、それに伴って室外の湿度が低い空気を室内に流入させる。室外の空気が流入する経路は、開放したドアや窓であるか、あるいは給気するためにスリット状に設けたガラリ等である。換気開始直後、湿度センサ10が検知する室内の空気の湿度はほぼ露点である相対湿度100%近い値を示す。室内の水分量が多く、または流入する空気の量が少ないと、室内で直ちに水蒸気が飽和してしまうため、乾燥が促進されない。そのため、湿度センサ10が検知する湿度が露点以下となるようにダンパー8を調整して換気風量を増加し、乾燥を促進できるようにする。このとき、ダンパー8の調整だけでは湿度が下がらない場合、ファン6の回転数を増加し、全体の風量を増加させるようにしてもよい。同時に、吹き出し口4からは、吸い込んだ室内の空気の一部を吹き出す。第一の工程では室内の下方の水滴を特に減少させたいため、吹き出し風を室内下方に集中的に送風し、乾燥を促進する。ルーバー9を室内の下方に向け、あるいは室内の下方の一定範囲に方向を変動させることで、室内の下方への送風を効率的に行うようにしてもよい。室内の下方への送風を維持しつつ、所定の時間、換気装置1の運転を継続し、室内の下方の水分を減少させる。
第一の工程に続いて、浴室全体の結露水を除去するために、第二の工程を設ける(図2(b))。第二の工程では、第一の工程とは逆に、特定の位置の乾燥を促進しないよう、室内が露点に近い高湿度になるように湿度センサ10で検知しながら換気風量を低下させる。
水滴の蒸発は、主に風速と周辺の相対湿度、および温度に依存することが知られており、周辺の相対湿度が飽和状態になると、蒸発速度を減少させることができる。第二の工程は、これを利用して、室内の湿度を高い状態に保って徐々に換気を行うものである。
また、換気風量の調整をダンパー8で行うため、換気風量を低下させると、相対的に循環する吹き出し風量が増加することになる。風向を室内の広い範囲に設定できるようにし、例えば、ルーバー9を一定の速度でスイングさせることは、風の分布や温度、湿度の分布を均一化させて室内の水滴の蒸発を平均的に行うことができるので好ましい。この状態で換気運転を行うと、しだいに水滴が蒸発して、最終的には浴室内が偏ることなく平均的に乾燥する。
水滴がなくなると、室内は徐々に湿度が減少し、湿度センサ10の検知する値も低下してくる。このときの室内の空気は、湿気を含んでカビの成長を促進する可能性があるため、速やかに排出できるよう第三の工程に移行させる(図2(c))。
第三の工程では、循環風を停止し、換気風量を最大化して速やかに湿気を排出するようにする。室内に滞留する湿気を含んだ空気も排出されると、しだいに湿度が下がらなくなり、一定の値を保つようになると、室外の空気と同等とみなし、換気装置1を停止させ、完了する。
このように第一の工程から第三の工程を連続して行うことにより、カビを抑制する換気運転とすることができる。
湿度センサ10で検知した湿度に基づき、露点であるかどうかを判定するために、制御部11内に、基準値と参照して判定する露点判定部12を備える。図3および図4は、制御部11による換気運転の第一の工程、および第二の工程、第三の工程を示すフローチャートの一例である。
第一の工程(図3(STEP1))では、換気装置1を起動したのち、制御部11は、まず機器の動作と同時かその前後にタイマーを起動させるとよい。運転開始後、ファン6を起動し、送風を開始して、室内の空気を装置内に吸い込む。このとき、換気風量(Fn)と吹き出し風量のバランスをダンパー8で調整する。制御部11は、湿度センサ10で湿度を読み取り、読み取った値(Hm)と基準値(Hd)とを露点判定部12で比較しながら換気風量(Fn)と吹き出し風量のバランスをダンパー8で調整を行う。尚、使用条件によっては、露点を下回らないことも想定されるため、制御アルゴリズムとしては、例えば風量を複数の設定値を設け、その設定から選択するようにして、最大設定になったらそれ以上増やさないような方法にすると、装置の動作が精度よく安定して実施できるため都合が良い。
第一の工程は、下方に付着した大粒の水滴が小さくなって、天井などの結露と同程度の大きさになるまで行うことが望ましい。室内の乾燥をさせすぎると、室内の乾き具合にムラが生じてしまうため、第一の工程は、第二の工程の前の予備運転にとどめることがよい。そのため、水滴が完全に乾かさないうちに、例えばタイマーの基準値(Tz)を設けて一定時間で第二の工程に切り替わるようにするか、あるいは湿度センサ10の値などから乾燥状態を推定し、自動で切り替わるようなアルゴリズムを用いるとよい。尚、前記基準値(Tz)は、あらかじめ決定して記憶させておくか、いくつか条件を設定しておいて、リモコンなどの操作手段から使用者が選択できるようにすると使い勝手がよくなるため好ましい。
第二の工程では(図4(STEP2))、室内吹き出し風量を増やして室内の湿度を露点に近づけるため、はじめに換気風量(Fn)を下げる。第一の工程と同様に、制御部11は、湿度を検知しながら露点判定部12の判定が露点(露点判定基準値Hd)に近づくようにダンパー8を調整して換気風量(Fn)の調整を行う。このとき、換気風量(Fn)が設定の最小値まで下がった場合は、それ以上下がらないような設定にするとよい。第二の工程は、最後に室内の水分が全て蒸発すると、その時点から湿度が低下し始める。そこで、湿度センサ10でその変化(湿度の読み取った値(Hm)が再び露点判定基準値(Hd)より小さくなったとき)を検知し、第三の工程へと移行させると、必要以上に運転させることを防ぐことができ、消費電力を節約できるため好ましい。
第三の工程では、室内の水滴を蒸発させる必要がないため、吹き出し風を最小化するか、あるいは停止させ、換気風量(Fn)を最大化して高湿度空気の滞留を速やかに排出するような動作をさせることがカビ抑制の観点から好ましい。
湿気が排出されたのち、室内の湿度を検知して、停止させるようにするとよく、例えば、図4(STEP3)に示すように、あらかじめ測定していた室内の湿度を乾燥基準値(HK)として記憶させておき、湿度の読み取った値(Hm)と比較して同等まで達したときに停止させるか、あるいはカビの成長の観点から、成長しない湿度まで低下した場合に停止させるなどの方法を用いることができる。尚、カビの成長しない湿度とは、およそ70%以下であるが、室内の分布を考慮して60%と少し低めに設定しておいてもよい。カビの成長しない湿度への低下を検知して停止させることで、過剰な機器の運転による消費電力を削減できるという効果が期待できる。
また、図5は、この換気装置1を使用して換気した室内に付着させた本実施の形態の換気装置によるカビの菌糸の長さの変化13と、従来の換気装置101を使用して換気した室内に付着させた従来の換気装置によるカビの菌糸の長さの変化14の測定結果の一例を示す。
前記測定では、まずPDA培地上で前培養したカビ(Cladosporium cladosporioides)の胞子を採取して、グルコースなどを含む栄養液とともに樹脂製の試験片に塗布し、これを、浴室内の壁面に貼り付けた。さらに、浴槽への湯張り、温水シャワーの噴霧を1日1回行って水滴を付着させるとともに、結露を発生させた。その後、一定時間後に試験片を取り出して、顕微鏡でカビの菌糸を観察し、長さを測定した。測定の結果を比較すると、カビの菌糸は、従来の換気装置101の方法で行うと長さが成長しつづけるのに対し、本発明の換気装置1を使用すると、日数が経過しても菌糸の長さが一定以上にならなかった。このような方法で評価したところ、本発明の換気装置1がカビの成長を抑制することが確認できた。
なお、実施の形態において、換気装置1を設けたが、換気機能をもつ乾燥機や暖房機などとしても良い。
なお、本発明の対象とする室内とは、水滴を発生させる場所であり、浴室や洗濯室、汚物などの処理室、車両や機械等の洗浄室あるいは洗浄工程を行う区画、散水設備を有する水や空気などの浄化装置内部などを対象としても良い。
本発明にかかる換気装置は、水滴が付着した室内を換気乾燥するときにカビの成長を抑制することを可能とするものであるので、浴室などの室内で使用される換気装置によるカビ等の微生物制御技術、環境改善技術として有用である。
1 換気装置
2 本体
3 吸い込み口
4 吹き出し口
5 風路
6 ファン
7 排気口
8 ダンパー
9 ルーバー
10 湿度センサ
11 制御部
12 露点判定部
13 本実施の形態の換気装置によるカビの菌糸の長さの変化
14 従来の換気装置によるカビの菌糸の長さの変化

Claims (3)

  1. 室内の空気を吸い込む吸い込み口と、
    吸い込んだ空気を再び室内に吹き出す吹き出し口と、
    室外に連通して前記室内の空気を排気する排気口と、
    を備えた本体と、
    前記本体内に前記吸い込み口と前記吹き出し口および前記排気口を連通する風路と、
    前記風路内にあって前記吹き出し口および前記排気口への通風量の割合を調整するダンパーと、
    前記風路内へ前記室内の空気を流す送風部と、
    前記室内の空気の湿度を検知する湿度センサと、
    前記室内に吹出す空気の風向を制御する風向制御部と、
    前記湿度センサの信号をもとに、前記風向制御部と前記ダンパーと前記送風部の動作を制御する制御部と、
    を備えた換気装置において、
    前記室内に水滴が付着しているときに、前記制御部が、前記風向制御部の風向を前記室内の下方に設定し、前記湿度センサによって検知した室内の湿度が露点以下になるように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して前記室内の下方の換気を行う第一の工程と、
    前記第一の工程につづいて、前記風向制御部が風向を前記室内の広い範囲に向くように設定し、前記湿度センサによって検知した前記室内の湿度が露点以上を継続するように前記ダンパーを調整して換気風量と吹き出し風量を調整して、前記湿度センサによって検知した湿度が露点以下となるまで換気を行う第二の工程と、
    前記第二の工程につづいて、前記ダンパーを調整して換気風量を最大に調整して換気を行う第三の工程と、を行い、
    前記室内に付着した水滴および残留する高湿度空気を排出することを特徴とする換気装置。
  2. 制御部は、
    湿度センサによって検知した室内の湿度が露点であるかを判定する露点判定部を備え、前記露点判定部によって判定した結果に基づきダンパーを調整することを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
  3. 制御部は、
    第一の工程からあらかじめ定めた一定の時間が経過した後に第二の工程に移行することを特徴とする請求項1または2に記載の換気装置。
JP2014128754A 2014-06-24 2014-06-24 換気装置 Active JP6340590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128754A JP6340590B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 換気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128754A JP6340590B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 換気装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016008750A JP2016008750A (ja) 2016-01-18
JP6340590B2 true JP6340590B2 (ja) 2018-06-13

Family

ID=55226425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014128754A Active JP6340590B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 換気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6340590B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114916322B (zh) * 2022-05-06 2023-07-21 佳木斯大学 一种新型智能环流通风小型储粮仓及其监测方法
CN114705002B (zh) * 2022-06-08 2022-09-16 浙江力夫传感技术有限公司 一种湿度传感器用辅助装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4202105B2 (ja) * 2002-12-06 2008-12-24 パナソニックエコシステムズ株式会社 浴室の乾燥方法及び浴室乾燥装置
JP2005345068A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Max Co Ltd 浴室乾燥機
JP4247636B2 (ja) * 2006-02-24 2009-04-02 Toto株式会社 浴室乾燥機
JP2009041862A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Toto Ltd 室内用除湿装置
JP5211811B2 (ja) * 2008-04-07 2013-06-12 パナソニック株式会社 浴室暖房乾燥機
JP2012202679A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Tokyo Electric Power Co Inc:The 乾燥システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016008750A (ja) 2016-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3169941A1 (en) Ventilation and drying system and method of using the same
JP2017215112A (ja) 加湿装置
JP6340590B2 (ja) 換気装置
CN113587397B (zh) 空调***控制方法
KR20070102972A (ko) 응축수로 가습 장치한 에어컨
JP5135942B2 (ja) ミストサウナ装置
JP6198415B2 (ja) 浴室用カビ抑制運転方法及びミストサウナ機能付浴室暖房乾燥機
JP2014217810A (ja) ミスト発生装置
JP2021132997A (ja) 物干しシステム
JP2014204864A (ja) ミスト発生装置
JP6817909B2 (ja) 加湿装置
JP6082619B2 (ja) ミスト発生装置
JP2007225207A (ja) 浴室乾燥機
CN110715427A (zh) 空调器及其控制方法、控制装置
JP6006164B2 (ja) ミスト発生装置
JP4935462B2 (ja) ミストサウナ装置
JP6847122B2 (ja) 加湿装置
JP7040958B2 (ja) 加湿装置
JP2011147687A (ja) 洗濯物乾燥システムおよび送風装置
JP6510955B2 (ja) 加湿装置
JP2007271160A (ja) 蒸気発生装置
CN205559327U (zh) 一种节能的卫生间排气扇
JP2013061106A (ja) 浴室暖房乾燥機
JP2021132996A (ja) 物干しシステム
JP2017089962A (ja) 換気装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160520

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180416

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6340590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151