JP6337617B2 - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6337617B2
JP6337617B2 JP2014110388A JP2014110388A JP6337617B2 JP 6337617 B2 JP6337617 B2 JP 6337617B2 JP 2014110388 A JP2014110388 A JP 2014110388A JP 2014110388 A JP2014110388 A JP 2014110388A JP 6337617 B2 JP6337617 B2 JP 6337617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid ejecting
cartridge
installation surface
groove
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014110388A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015223774A (ja
Inventor
大樹 花神
大樹 花神
勇 富樫
勇 富樫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014110388A priority Critical patent/JP6337617B2/ja
Publication of JP2015223774A publication Critical patent/JP2015223774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6337617B2 publication Critical patent/JP6337617B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、インク等の液体を収容するカートリッジを固定するための構造に関する。
インク等の液体を収容する複数のカートリッジを固定するための各種の構造が従来から提案されている。例えば特許文献1には、複数のノズルからインクを噴射するヘッド本体と、ヘッド本体が固定されるヘッドホルダとを具備する記録ヘッドが開示されている。ヘッドホルダは、複数のインクカートリッジの各々が装着される複数の装着部(空間)を含み、カートリッジに挿入されるインク供給針が各装着部に形成される。複数の装着部で形成される空間の端部には、装着部内に付着したインクを外部に排出するためのインク溝が形成される。
特開2003−072053号公報
しかし、特許文献1の技術のもとでは、装着部内に付着したインクが、ヘッドホルダの端部のインク溝に到達するまでの長時間にわたり装着部内に滞留するから、装着部からインク溝以外の箇所に漏出する可能性がある。携帯型の印刷装置では特に、記録ヘッドの方向が変化(例えば天地が逆転)し易いから、装着部内に滞留したインクがインク溝以外の箇所に移動するという前述の問題は深刻化する。以上の事情を考慮して、本発明は、カートリッジから流出した液体を迅速に排出することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体噴射ヘッドは、液体を収容する複数のカートリッジが固定される固定体であって、複数のカートリッジに対向する設置面と、設置面から突出する複数の供給部とを含む固定体と、複数のカートリッジの各々から各供給部に供給される液体を複数のノズルから噴射する液体噴射部とを具備し、固定体は、複数のカートリッジのうち第1カートリッジに対向する第1領域と第1カートリッジとは別体の第2カートリッジに対向する第2領域とにわたり連続するように各供給部の外径を下回る溝幅で設置面に形成された溝部と、溝部の内側にて当該固定体を貫通する貫通孔とを含む。以上の構成では、第1領域と第2領域とにわたり連続する溝部が固定体の設置面に形成され、溝部の内側に貫通孔が形成される。したがって、固定体の設置面に溝部が形成されない構成と比較して、設置面に付着した液体を貫通孔に誘導して迅速に排出することが可能である。また、溝部の溝幅が供給部の外径を下回る構成により溝部の内側における液体の滞留が抑制されるから、液体を効率的に排出できるという効果は格別に顕著である。なお、供給部毎に外径が相違する構成では、設置面上の複数の供給部のうち外径が最大である供給部の当該外径を下回る溝幅で溝部が形成される。また、各供給部が平面視で円形以外の形状(例えば長円形や楕円形)である場合には最大径(当該供給部に外接する円形の外径)を下回る溝幅で溝部が形成される。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、溝部は、複数の供給部の各々を包囲する複数の包囲部と、複数の包囲部を相互に連結する経路部とを含む。以上の態様では、各供給部を包囲する複数の包囲部を相互に連結する形状に経路部が形成されるから、各供給部の近傍に付着した液体を効果的に排出できるという利点がある。
[態様3]
態様1または態様2の好適例(態様3)において、固定体は、複数の供給部とは反対側に突出するように形成されて貫通孔に連通する排出管を含む。以上の態様では、各供給口とは反対側に突出する形状で貫通孔に連通する排出管が形成される。したがって、排出管が形成されない構成と比較して液体を効果的に外部に排出することが可能である。
[態様4]
態様3の好適例(態様4)において、排出管の先端面のうち、当該排出管の軸線に対する周方向の位置が相違する第1部位と第2部位とは、軸線の方向に沿った位置が相違する。以上の態様では、排出管の先端面の第1部位と第2部位とで軸線の方向に沿った位置が相違するから、排出管の先端面の近傍におけるメニスカスの発生が防止される。したがって、排出管の内側の液体を迅速に外部に排出できるという利点がある。
[態様5]
態様3または態様4の好適例(態様5)に係る液体噴射ヘッドは、液体噴射部に電気的に接続される第1配線基板と、第1配線基板に設置されて当該第1配線基板に電気的に接続される可撓性の第2配線基板とを具備し、排出管は、設置面に対する平面視で第1配線基板および第2配線基板に重ならない。以上の態様では、設置面に対する平面視で排出管は第1配線基板および第2配線基板に重ならないから、排出管から排出された液体が第1配線基板や第2配線基板に付着する可能性を低減することが可能である。
[態様6]
態様5の好適例(態様6)において、第2配線基板は、第1配線基板から第1方向に沿って延在し、排出管は、第1方向に直交する第2方向において第1配線基板または第2配線基板に重なる領域内に位置する。以上の態様では、第2方向において第1配線基板または第2配線基板に重なる領域内に排出管が位置するから、当該領域該に排出管を形成した構成と比較して第2方向における液体噴射ヘッドのサイズが縮小されるという利点がある。
[態様7]
態様1から態様6の何れかに係る液体噴射ヘッドの好適例(態様7)において、固定体は、第1領域と第2領域との間で当該設置面から突出する隔壁部を含み、溝部は、設置面に対する平面視で隔壁部に交差する方向に沿って延在する連通部を含む。以上の態様では、固定体の設置面に隔壁部が形成されるから、カートリッジの誤装着を防止できるという利点がある。
[態様8]
態様7の好適例(態様8)において、隔壁部は、第1カートリッジおよび第2カートリッジの少なくとも一方に形成された突起に嵌合する切欠部を挟んで相互に離間する第1壁部と第2壁部とを含み、連通部は、第1壁部と第2壁部との間に形成される。以上の態様では、隔壁部の切欠が、カートリッジの装着と連通部の形成とに兼用されるから、固定体の構造が簡素化されるという利点がある。
[態様9]
態様8の好適例(態様9)において、隔壁部のうち設置面とは反対側の縁部における切欠部の間隔は、当該縁部からみて設置面側における当該切欠部の間隔よりも広い。以上の構成によれば、切欠部のうち設置面とは反対側の間隔が設置面側の間隔と比較して広いから、固定体に対するカートリッジの固定が容易化されるという利点がある。
[態様10]
態様1から態様9の何れかに係る液体噴射ヘッドの好適例(態様10)において、第1カートリッジは1種類の液体を収容し、第2カートリッジは複数種の液体を収容し、設置面の第2領域には、前記第2カートリッジの各液体に対応する複数の供給部が形成される。以上の態様では、第2カートリッジが複数種の液体を収容するから、液体の種類毎(例えばインクの色毎)の個別のカートリッジを固定体に装着する構成と比較して液体噴射ヘッドが小型化されるという利点がある。
[態様11]
態様10の好適例(態様11)において、溝部は、設置面に対する平面視で、第2領域内の複数の供給部のうち一部の供給部と他の供給部との間に位置する部分を含む。以上の態様では、第2領域内の各供給部の間に位置する部分を含むように溝部が形成されるから、例えば第2領域内の全部の供給部に対して一方側のみに溝部を形成した構成と比較して溝部の合計長が短縮されるという利点がある。
[態様12]
本発明の好適な態様(態様12)に係る液体噴射装置は、前述の各態様(態様1から態様11の何れか)に係る液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドを搭載して移動するキャリッジとを具備する。前述の各態様に係る液体噴射ヘッドによれば、固定体に付着した液体が迅速に排出されるから、以上の液体噴射装置によれば、液体の付着に起因した不具合を有効に防止できるという利点がある。なお、液体噴射装置の好例は、印刷用紙等の媒体にインクを噴射する印刷装置であるが、本発明に係る液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。
[態様13および態様14]
態様12の好適例(態様13)において、液体噴射ヘッドの固定体は、設置面を含む底
面部と、底面部のうち特定の開放縁以外の周縁にて設置面から突出する外壁部とを含
み、キャリッジは、底面部のうち開放縁の側面に対向する対向部を含む。以上の態様では
、固定体の開放縁には外壁部が形成されないから、固定体の全周縁にわたり外壁部が形成
された構成と比較して固定体を小型化することが可能である。また、複数のカートリッジ
と溝部の底面との間隔が、底面部のうち開放縁の側面と対向部との間隔よりも広い構成(
態様14)によれば、各カートリッジと溝部の底面との間ではメニスカスの発生を抑制し
て液体を効率的に貫通孔に排出し、開放縁の側面と対向部との間ではメニスカスを発生さ
せて液体の流出を低減できるという利点がある。
[態様15]
態様12から態様14の何れかの好適例(態様15)に係る液体噴射ヘッドは、キャリッジを媒体に対して移動させる移動機構と、キャリッジが待機位置に存在する状態で液体噴射部の複数のノズルを封止する封止体と、貫通孔を介して排出された液体を吸収する吸収体と、媒体を挟んでキャリッジとは反対側に設置され、キャリッジ側の表面に、媒体に対向する複数の突起部が形成された媒体支持部とを具備し、封止体と吸収体とは、キャリッジを移動させた場合の貫通孔の軌跡上に位置し、複数の突起部は、貫通孔の軌跡上に位置しない。以上の態様では、貫通孔を介して排出された液体を吸収体で迅速に吸収することが可能である。他方、媒体支持部の複数の突起部は貫通孔の軌跡上に位置しないから、貫通孔から排出された液体が突起部(さらには媒体)に付着する可能性を低減することが可能である。
[態様16]
本発明の別態様(態様16)に係る液体噴射装置は、排出管を具備する各態様(態様3から態様6の何れか)の液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドを搭載して移動するキャリッジとを具備し、キャリッジには、排出管が貫通する貫通孔が形成される。以上の態様では、液体噴射ヘッドの排出管をキャリッジの貫通孔に挿入して先端面をキャリッジの外部に露出させることが可能である。したがって、排出管から排出された液体がキャリッジの内部に付着する可能性を低減することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る印刷装置の構成図である。 液体噴射ヘッドおよびキャリッジの斜視図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 液体噴射ヘッドを媒体側からみた平面図である。 固定体の平面図である。 図5におけるVI-VI線の断面図である。 カートリッジが固定された状態の固定体の平面図である。 隔壁部に形成された切欠部の説明図である。 供給部の近傍の断面図である。 溝部の断面図である。 溝部の平面図である。 排出管の断面図および平面図である。 液体噴射ヘッドがキャリッジに搭載された状態の断面図である。 液体噴射ヘッドがキャリッジに搭載された状態の平面図である。 第2実施形態に係る印刷装置の構成図である。 図15におけるXVI-XVI線の断面図である。 変形例に係る溝部の断面図である。 変形例に係る溝部の断面図である。 変形例に係る固定体の平面図である。 変形例に係る固定体の平面図である。 変形例に係る固定体の平面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット方式の印刷装置100の部分的な構成図である。印刷装置100は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体200に噴射して画像を形成する液体噴射装置であり、図1に例示される通り、制御装置12と搬送機構14と移動機構16と液体噴射ヘッド20とキャリッジ30とを具備する。第1実施形態の印刷装置100は、携帯型の印刷装置(モバイルプリンター)である。
図2は、液体噴射ヘッド20およびキャリッジ30の斜視図である。図1および図2に例示される通り、液体噴射ヘッド20は、インクを収容する複数のカートリッジC(C1,C2)とともにキャリッジ30に搭載される。第1実施形態では、1種類のインクを収容する第1カートリッジC1と、複数種のインクを収容する第2カートリッジC2とが液体噴射ヘッド20に装着される。第1カートリッジC1には、ブラック(K)のインクを収容する単一の収容空間RKが形成される。他方、第2カートリッジC2には、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)の各色のインクが収容された3個の収容空間R(RC,RM,RY)が相互に独立に形成される。以上に説明した通り、第2カートリッジC2は複数種のインクを収容するから、インクの色毎にカートリッジが個別に用意される構成と比較して印刷装置100(液体噴射ヘッド20)が小型化されるという利点がある。
図1の制御装置12は、印刷装置100の各要素を統括的に制御する。液体噴射ヘッド20は、各カートリッジCから供給されるインクを制御装置12による制御のもとで媒体200に噴射する。搬送機構14は、制御装置12による制御のもとで媒体200をY方向(副走査方向)に搬送し、移動機構16は、制御装置12による制御のもとでキャリッジ30をX方向(主走査方向)に往復させる。媒体200の搬送とキャリッジ30の往復とに並行して液体噴射ヘッド20が媒体200にインクを噴射することで媒体200の表面に所望の画像が形成される。なお、X-Y平面(媒体200の表面に平行な平面)に垂直な方向を以下ではZ方向と表記する。液体噴射ヘッド20によるインクの噴射方向(鉛直方向の下向き)がZ方向に相当する。
図3は、液体噴射ヘッド20の分解斜視図である。なお、第1カートリッジC1と第2カートリッジC2とが図3では便宜的に併記されている。図3に例示される通り、液体噴射ヘッド20は、固定体22と流路板24と配線基板26と液体噴射部28とを含んで構成される。固定体22を挟んで各カートリッジCとは反対側に流路板24が配置され、流路板24と液体噴射部28との間に配線基板26が配置される。
図4は、液体噴射ヘッド20をZ方向の正側(媒体200側)からみた平面図である。図3および図4に例示される液体噴射部28は、複数のノズルNからインクを噴射するヘッドユニットである。第1実施形態の液体噴射部28は、複数のノズルNが2列に形成されたノズル板282と、相異なるノズルNに対応する圧力室および圧電素子の複数組(図示略)とを具備する。なお、図3ではノズル板282が便宜的に分離して図示されている。液体噴射部28の各圧力室には、各カートリッジCから供給されたインクが充填される。駆動信号の供給により圧電素子を振動させて圧力室内の圧力を変動させることで、圧力室内のインクが各ノズルNから噴射される。
図3に例示される通り、液体噴射部28には可撓性の2個の配線基板284が固定される。各配線基板284は、液体噴射部28とは反対側の端部が配線基板26に固定されて当該配線基板26に電気的に接続される。配線基板26は、駆動信号および電源電圧を液体噴射部28に供給するための配線が形成された基板(リジッド基板)である。配線基板26は、流路板24のうち固定体22とは反対側の表面に固定される。図3および図4に例示される通り、配線基板26の表面のうち液体噴射部28からみてX方向の負側の領域にはY方向に長尺なコネクター262が実装され、可撓性の配線基板27(FFC:Flexible Flat Cable)がコネクター262に接続される。配線基板27は、配線基板26のコネクター262からX方向の負側(液体噴射部28とは反対側)に延在する。配線基板27は、外部装置(例えば印刷装置100に印刷を指示するコンピュータ)と配線基板26とを電気的に接続する。
図3の固定体22は、複数のカートリッジC(第1カートリッジC1,第2カートリッジC2)が固定される構造体であり、例えば樹脂材料の射出成型で一体的に形成される。図5は、Z方向の負側(各カートリッジC側)からみた固定体22の平面図であり、図6は、図5におけるVI-VI線の断面図である。図6では流路板24が便宜的に併記されている。図5および図6に例示される通り、第1実施形態の固定体22は、底面部40と外壁部42と隔壁部44と突起部46と複数の供給部48(48K,48C,48M,48Y)とを含んで構成される。
底面部40は、略矩形の平板状の要素であり、Z方向の負側に位置する表面(以下「設置面」という)40Aが各カートリッジCに対向する。外壁部42は、底面部40の周縁に形成されて設置面40AからZ方向の負側に突出する要素であり、背壁部421と側壁部422と側壁部423とを含んで構成される。背壁部421は、底面部40の周縁にてX方向に沿って延在し、側壁部422および側壁部423は、背壁部421の両端部からY方向に沿って延在する。以上の説明から理解される通り、外壁部42は、底面部40の全周縁のうち背壁部421とは反対側に位置する周縁(以下「開放縁」という)40B以外の周縁(3辺)に形成されて設置面40Aから突出する。すなわち、外壁部42に包囲されるとともに開放縁40Bにて開放された空間が設置面40Aの面上に形成される。以上のように開放縁40Bに外壁部42を形成しない構成によれば、開放縁40Bを含む底面部40の全周縁にわたり外壁部42を形成した構成と比較して、固定体22のY方向のサイズが縮小されるという利点がある。
隔壁部44および突起部46は、外壁部42と同様に設置面40AからZ方向の負側に突出する。隔壁部44は、側壁部422との間に所定の間隔(第1カートリッジC1の横幅に相当する寸法)をあけた位置でY方向に沿って延在し、突起部46は、隔壁部44と側壁部423との間でY方向に沿って延在する。底面部40の設置面40Aのうち隔壁部44を挟んで一方側(側壁部422側)の領域(以下「第1領域」という)A1は第1カートリッジC1に対向し、他方側(突起部46側)の領域(以下「第2領域」という)A2は第2カートリッジC2に対向する。すなわち、第1領域A1と第2領域A2との間で隔壁部44が設置面40Aから突出する。隔壁部44は、設置面40Aを第1領域A1と第2領域A2とに仕切る要素とも換言され得る。
図7は、固定体22に各カートリッジCを固定した状態の平面図である。図7に例示される通り、第1カートリッジC1は、側壁部422と隔壁部44との間で第1領域A1を底面とする空間に設置され、第2カートリッジC2は、隔壁部44と側壁部423との間で第2領域A2を底面とする空間に設置される。第2カートリッジC2の底面(収容空間RCと収容空間RMとの間)には切欠部(スリット)52が形成され、当該切欠部52に固定体22の突起部46が挿入された状態で第2カートリッジC2は設置面40Aに固定される。以上の説明から理解される通り、隔壁部44および突起部46は、各カートリッジCの誤装着を防止する要素として機能する。
図5および図6に例示される通り、隔壁部44には切欠部Dが形成される。具体的には、第1実施形態の隔壁部44は、切欠部Dを挟んで相互に離間する第1壁部441と第2壁部442とを包含する。図8は、隔壁部44のうち切欠部Dの近傍を拡大した構成図である。図8に例示される通り、隔壁部44(第1壁部441,第2壁部442)のうち設置面40Aとは反対側の周縁(上面)における切欠部Dの間隔(第1壁部441と第2壁部442との間隔)d1は、設置面40A側(図6の例示では設置面40Aの面上)における切欠部Dの間隔d2よりも広い(d1>d2)。図5に例示される通り、側壁部422および側壁部423にも、隔壁部44と同様の形状の切欠部Dが形成される。
図7から理解される通り、第1カートリッジC1は、側面に形成された突起部54が側壁部422の切欠部Dと隔壁部44の切欠部Dとに嵌合した状態で固定体22に固定される。同様に、第2カートリッジC2は、側面に形成された突起部54が隔壁部44の切欠部Dと側壁部423の切欠部Dとに嵌合した状態で固定体22に固定される。前述の通り、設置面40Aとは反対側の周縁における各切欠部Dの間隔d1は設置面40A側の間隔d2を上回るから、固定体22に対する装着時にカートリッジCの各突起部54を切欠部Dに容易に挿入することが可能である。また、突起部54を各切欠部Dに嵌合させることで各カートリッジCのY方向の位置が所定の位置に確定(位置決め)される。
図5および図6に例示された複数の供給部48(48K,48C,48M,48Y)は、各カートリッジCから供給されるインクが流入する供給口である。具体的には、設置面40Aの第1領域A1には供給部48Kが形成され、第2領域A2には供給部48Cと供給部48Mと供給部48Yとが形成される。第2領域A2の供給部48Cと供給部48Mと供給部48Yとは、設置面40Aに対する平面視で(すなわちZ方向からみて)2次元的(平面的)に配置される。したがって、例えば供給部48Cと供給部48Mと供給部48YとがX方向に1次元的に配列する構成と比較して、液体噴射ヘッド20のX方向のサイズが縮小されるという利点がある。図3から理解される通り、設置面40Aに対する各供給部48の高さは、設置面40Aに対する隔壁部44および突起部46の高さ、および、外壁部42(側壁部422,側壁部423)の高さを下回る。
図9は、カートリッジC(C1,C2)が固定体22に固定された状態における任意の1個の供給部48(48K,48C,48M,48Y)の近傍の断面図である。図9に例示される通り、供給部48は、設置面40AからZ方向の負側に突出する略円筒状の部分である。各供給部48の周囲にはシール材471が設置され、略円形状のフィルター472が各供給部48の先端面(上面)に例えば溶着により固定される。なお、図9以外の各図面ではシール材471およびフィルター472の図示を便宜的に省略した。
図7および図9に例示される通り、各カートリッジCの底面には円筒状の接続部56が収容空間R毎に形成される。具体的には、第1カートリッジC1の底面には収容空間RKに対応する接続部56が形成され、第2カートリッジC2の底面には各収容空間R(RC,RM,RY)に対応する3個の接続部56が形成される。図9に例示される通り、各接続部56の内側には、収容空間Rから供給されるインクを保持する多孔質材料の保持部材58が設置される。供給部48の先端面に設置されたフィルター472に保持部材58が面接触(圧接)した状態で各カートリッジCは固定体22に固定される。固定体22に固定されたカートリッジCの接続部56の先端面がシール材471を押圧することで接続部56の内側の空間が封止される。
各カートリッジCの収容空間Rに貯留されたインクは、保持部材58からフィルター472を通過して供給部48の内部に供給される。例えば、第1カートリッジC1の収容空間RKに貯留されたブラック(K)のインクは供給部48Kに供給される。同様に、第2カートリッジC2の収容空間RCに貯留されたシアン(C)のインクは供給部48Cに供給され、収容空間RM内のマゼンタ(M)のインクは供給部48Mに供給され、収容空間RY内のイエロー(Y)のインクは供給部48Yに供給される。
図3の流路板24は、固定体22のうち設置面40Aとは反対側の表面に固定される。図6および図9に例示される通り、流路板24と固定体22との間には、各供給部48の内部の空間に連通する流路242が形成される。各供給部48に供給されたインクは流路242を経由して液体噴射部28に供給される。
図5および図6に例示される通り、固定体22の設置面40Aには、設置面40Aに付着したインクを誘導して外部に排出するための溝部(排出溝)60が形成される。図5(および後掲の図11)では、溝部60に便宜的に網掛が付加されている。図10は、溝部60の断面図(図4のX-X線の断面図)である。図10に例示される通り、溝部60は、設置面40Aに対して窪んだ部分である。第1実施形態の溝部60は、設置面40Aに略平行な平面状の底面60Aと、底面60Aに対して所定の角度(典型的には直角)をなす側面60Bとで形成される矩形状の角溝である。溝部60の深さ(側面60Bの高さ)Hは、例えば0.1mm程度に設定される。
第1実施形態における溝部60の溝幅Wに着目する。溝幅Wは、溝部60が延在する方向に直交する方向の寸法(相互に対向する各側面60B間の距離)である。図5から理解される通り、第1実施形態の溝部60の溝幅Wは各供給部48の外径φ(φ1,φ2)を下回る。図5では、第1領域A1内の供給部48Kの外径φ1と第2領域A2内の供給部48(48C,48M,48Y)の外径φ2とが例示されている。外径φ1は外径φ2を上回る(φ1>φ2)。溝部60の溝幅Wは、供給部48Kの外径φ1を下回る寸法に設定され、より好適には、第2領域A2内の各供給部48(48C,48M,48Y)の外径φ2を下回る寸法に設定される。設置面40A上にされた供給部48の外径φの最小値を下回るように溝部60の溝幅Wが選定されるとも換言され得る。
図11は、設置面40A上の溝部60に着目した平面図である。図11に例示される通り、第1実施形態の溝部60は、各供給部48に対応する複数の包囲部62と、複数の包囲部62を相互に連結する形状の経路部64とを包含する。
各包囲部62は、設置面40Aに対する平面視で供給部48を包囲する略円環状の部分である。図9に例示される通り、各供給部48に対応するシール材471は、溝部60の底面60Aに接触した状態で溝部60の内側(各側面60B間)に配置される。図9では、溝部60の底面60AとカートリッジC(接続部56の先端面)との間隔が符号δ1で表記されている。
図11に例示される通り、第1実施形態の経路部64は、第1溝部641と第2溝部642と連通部644と排出部646とを含んで構成される。第1溝部641は設置面40Aの第1領域A1に形成され、第2溝部642と排出部646とは第2領域A2に形成される。連通部644は、第1溝部641と第2溝部642とを相互に連結する部分であり、図11に例示される通り、設置面40Aに対する平面視で隔壁部44に交差するX方向に沿って延在する。具体的には、連通部644は、図8および図11から理解される通り、設置面40Aのうち隔壁部44の第1壁部441と第2壁部442との間の領域(隔壁部44の切欠部Dに対応する領域)を通過するようにX方向に延在して第1領域A1の第1溝部641と第2領域A2の第2溝部642とを相互に連通させる。すなわち、第1実施形態の固定体22の設置面40Aには、第1領域A1と第2領域A2とにわたり連続するように溝部60が形成される。
以上に例示した通り、第1実施形態の溝部60は、設置面40Aのうち隔壁部44の切欠部Dに対応した領域を通過する連通部644を包含する。すなわち、隔壁部44の切欠部Dは、カートリッジCの装着(Y方向の位置決め)と連通部644の形成とに兼用される。以上の構成によれば、カートリッジCの装着用の切欠部と連通部644の形成用の切欠部とを隔壁部44に個別に形成した構成と比較して固定体22の構造が簡素化されるという利点がある。
第2溝部642は、直線状に形成された基幹部671と、第2領域A2内の相異なる包囲部62に対応する複数(3個)の分岐部672とを含んで構成される。基幹部671は、第2領域A2内の3個の供給部48(48C,48M,48Y)のうち供給部48C(および供給部48M)と供給部48Yとの間を通過するようにX方向に沿って直線状に延在する部分である。各分岐部672は、基幹部671から分岐した部分であり、基幹部671と各包囲部62とを相互に連結する。第1実施形態の各分岐部672は、基幹部671から包囲部62側にY方向に沿って延在するとともに基幹部671とは反対側の端部が当該包囲部62に連結される。
図11の排出部646は、第2溝部642(具体的には供給部48Mに対応する分岐部672)に連結される。第1実施形態の排出部646は、第2溝部642からX方向に沿って直線状に延在し、第2溝部642とは反対側の端部が固定体22の周縁(側壁部423)の近傍に位置する。図6および図11に例示される通り、排出部646のうち固定体22の周縁側の端部の内側(溝部60の底面60A)には、固定体22を貫通する貫通孔68が形成される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の固定体22には、溝部60(具体的には排出部646)の内側で固定体22を貫通する貫通孔68が形成される。具体的には、複数の包囲部62の各々から経路部64を経由して貫通孔68に到達する経路が形成される。第1実施形態では、第1領域A1と第2領域A2とにわたる溝部60の全体に対して1個の貫通孔68が形成される。
図3および図6に例示される通り、固定体22のうち設置面40Aとは反対側の表面には排出管69が形成される。排出管69は、各供給部48とは反対側(Z方向の正側)に突出する管体(典型的には円管)である。排出管69の内側の空間は貫通孔68に連通する。図3および図6に例示される通り、第1実施形態の排出管69は、流路板24に形成された貫通孔244に挿入される。
図4から理解される通り、排出管69は、設置面40Aに対する平面視で配線基板26および配線基板27の何れにも重ならない位置に形成される。具体的には、配線基板26を挟んで配線基板27とは反対側に排出管69が位置する。すなわち、排出管69(貫通孔68)の軸線Lの延長線上に配線基板26および配線基板27は存在しない。したがって、排出管69から排出されたインクが配線基板26や配線基板27の配線に付着する(ひいては各配線を短絡させる)可能性を低減することが可能である。また、図4から理解される通り、排出管69は、Y方向において配線基板26または配線基板27に重なる帯状の領域(配線基板26および配線基板27をX方向に投影した範囲)Qの内側に位置する。したがって、排出管69を領域Qの外側に形成した構成と比較して液体噴射ヘッド20のY方向のサイズが縮小されるという利点がある。
以上に説明した貫通孔68および排出管69は、設置面40Aに付着したインクを外部に排出するための流路(排出路)を構成する。例えば、各カートリッジCの接続部56と固定体22の供給部48との連結箇所から漏出して溝部60の内側に付着したインクは、溝部60内(特に底面60Aと各側面60Bとが交差する角部)に発生する毛管力の作用で溝部60に沿って流動し、排出部646の貫通孔68に到達したインクが貫通孔68から排出管69を経由して外部に排出される。以上に説明した通り、第1実施形態の固定体22には、各供給部48とは反対側に突出する形状で貫通孔68に連通する排出管69が形成される。したがって、排出管69が形成されない構成と比較すると、設置面40A上のインクを効果的に外部に排出することが可能である。
図12は、排出管69の断面図および平面図(Z方向の正側からみた端面)である。図12に例示される通り、第1実施形態の排出管69の先端(固定体22とは反対側の端部)は、単純な平面の円環状ではなく、切欠(段差)が形成された形状である。具体的には、排出管69の先端面のうち、当該排出管69の軸線(中心軸)Lに対する周方向の位置が相違する第1部位69Aと第2部位69Bとでは軸線Lの方向(Y方向)に沿った位置が相違する。第1部位69Aと第2部位69Bとの間に軸線Lの方向の段差が形成された構成とも換言され得る。排出管69の先端面を単純な平面とした構成では、設置面40Aから排出管69の内側に到達したインクのメニスカスが排出管69の先端面の近傍に形成されてインクが排出管69から排出され難いという問題が発生し得る。第1実施形態では、排出管69の先端面に段差が形成されるから、排出管69の内側におけるメニスカスの発生を防止する(メニスカスを決壊させる)ことが可能である。したがって、排出管69の内側のインクを迅速に外部に排出できるという利点がある。
図2に例示される通り、以上に説明した液体噴射ヘッド20を搭載するキャリッジ30は、上面が開放された略箱形の構造体である。具体的には、第1実施形態のキャリッジ30は、略矩形の平板状の底面部32と、底面部32の周縁からZ方向の負側に突出して底面部32の面上の空間を包囲する矩形枠状の外壁部34とを含んで構成される。
図13は、液体噴射ヘッド20がキャリッジ30に搭載された状態の断面図(排出管69の軸線Lを包含するX-Z平面に平行な断面)である。図13に例示される通り、キャリッジ30の底面部32には開口部322と貫通孔324とが形成される。開口部322は、液体噴射部28の外形に対応する形状の開口である。液体噴射ヘッド20がキャリッジ30に搭載された図13の状態では、液体噴射部28が開口部322の内側に位置することで液体噴射部28の複数のノズルN(ノズル板282)がキャリッジ30の底面部32から露出する。また、キャリッジ30の底面部32の貫通孔324には固定体22の排出管69が挿入される。したがって、排出管69の先端面は貫通孔324を介してキャリッジ30の外側に露出する。
以上の構成によれば、排出管69を経由して排出されるインクがキャリッジ30(例えば底面部32の表面や外壁部34の内壁面)に付着する可能性を低減することが可能である。第1実施形態では、流路板24とキャリッジ30との間に配線基板26や配線基板27が介在するから、排出管69から排出されたインクがキャリッジ30の底面部32の表面に流出すると、配線基板26や配線基板27の各配線に付着して短絡等の原因となり得る。したがって、排出管69から排出されるインクがキャリッジ30に付着する可能性を低減できるという効果は格別に有効である。
図13に例示される通り、印刷装置100は、封止体(キャップ)182と吸収体184とを具備する。液体噴射部28の複数のノズルNが媒体200に対向する範囲の外側の待機位置(キャリッジ30の往復範囲の端部)にキャリッジ30が存在する状態では、図13に例示される通り、液体噴射部28のノズル板282が封止体182に密着することで複数のノズルNが封止される。複数のノズルNが封止された状態では、封止体182の内側に負圧を発生させることで各ノズルNから強制的にインクを排出する吸引動作が各ノズルNの清掃のために実行される。他方、吸収体184は、インクを吸収可能な材料(例えば多孔質材料)で形成され、キャリッジ30が待機位置に存在する状態で排出管69に対向する位置(すなわち排出管69の軸線Lの延長線上)に配置される。したがって、待機位置で排出管69から排出されたインクは吸収体184により吸収される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、移動機構16がキャリッジ30を移動させた場合の貫通孔68(排出管69)の軌跡上に封止体182と吸収体184とが設置される。
図14は、液体噴射ヘッド20がキャリッジ30に搭載された状態の平面図である。図14に例示される通り、キャリッジ30の外壁部34は、固定体22の外壁部42(背壁部421,側壁部422,側壁部423)に対向する部分と、固定体22の底面部40のうち外壁部42が形成されない開放縁40Bに対応した側面に対向する部分(以下「対向部」という)342とを包含する。図9に図示された溝部60の底面60AとカートリッジCとの間隔δ1は、図14に拡大して図示された固定体22の側面(開放縁40B)と対向部342の表面との間隔δ2よりも広い(δ1>δ2)。具体的には、固定体22の側面と対向部342の表面との間隙内にインクが進入した場合に当該間隙内でメニスカスが形成されるように間隔δ2は選定され、溝部60の底面60AとカートリッジCとの間隙内に付着したインクではメニスカスが形成されないように間隔δ1は選定される。以上の構成によれば、溝部60の底面60AとカートリッジCとの間隙にはメニスカスが形成され難いから、当該間隙内に付着したインクを迅速に溝部60に流動させて貫通孔68から排出することが可能である。他方、固定体22の側面と対向部342の表面との間隙にはメニスカスが形成され易い(インクが間隙内に滞留し易い)から、当該間隙内に付着したインクが媒体200側に流出する可能性を低減することが可能である。
以上に説明した通り、第1実施形態では、第1領域A1と第2領域A2とにわたり連続する溝部60が設置面40Aに形成され、溝部60(排出部646)の内側に貫通孔68が形成されるから、溝部60が形成されない構成と比較して、設置面40Aに付着したインクを貫通孔68に誘導して迅速に排出することが可能である。第1実施形態では特に、溝部60の溝幅Wが供給部48の外径φを下回る構成(溝部60内の空間の容積が低減された構成)により溝部60の内側におけるインクの滞留が抑制されるから、効率的にインクを排出できるという効果は格別に顕著である。
なお、各カートリッジCと固定体22の供給部48との連結箇所でインクの漏出が発生し易いという傾向がある。第1実施形態では、各供給部48の各々を包囲する複数の包囲部62を相互に連結する形状に経路部64が形成されるから、各供給部48の近傍に漏出したインクを効果的に排出できるという利点がある。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各構成において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図15に例示される通り、第2実施形態の印刷装置100は、第1実施形態と同様の要素に加えて媒体支持部80を具備する。媒体支持部80は、搬送機構14によりY方向に搬送される媒体200を支持する平板状の構造体(プラテン)であり、媒体200を挟んでキャリッジ30とは反対側(媒体200の裏側)に位置する。待機位置のキャリッジ30に対向するように封止体182と吸収体184とが設置された構成は第1実施形態と同様である。
図16は、図15におけるXVI-XVI線の断面図である。図16に例示される通り、第2実施形態の媒体支持部80は、略平板状の基体部82と、基体部82の表面(媒体200との対向面)に設置された複数の突起部84および吸収体86とを含んで構成される。複数の突起部84の各々は、例えば樹脂材料で形成されて基体部82の表面から突出するリブであり、印刷時に媒体200に接触することで当該媒体200を支持する。図15では、X方向に沿って複数の突起部84を2列に配置した構成が例示されている。媒体支持部80の吸収体86は、インクを吸収可能な材料(例えば多孔質材料)で形成され、基体部82の表面のうち突起部84以外の領域(各突起部84の間隔)に配置される。
図15には、印刷時に移動機構16がキャリッジ30を移動させた場合の貫通孔68(排出管69)の軌跡Pが図示されている。第1実施形態と同様に、封止体および吸収体86は、基体部82に対する平面視(または設置面40Aに対する平面視)で貫通孔68の軌跡P上に位置する。他方、図15から理解される通り、媒体支持部80の複数の突起部84は、基体部82に対する平面視で貫通孔68の軌跡P上に位置しない。すなわち、移動可能な範囲内の何れの箇所にキャリッジ30が位置する状態でも、排出管69(貫通孔68)の軸線Lの延長線上に突起部84は存在しない。
印刷時に排出管69から流出したインクが突起部84に付着すると、当該突起部84に接触する媒体200の裏面(印刷面とは反対側)にもインクが付着し得る。第2実施形態では、貫通孔68の軌跡P上に突起部84は存在しないから、媒体支持部80にキャリッジ30が対向する状態で排出管69からインクが落下した場合でも、当該インクは突起部84には付着せずに吸収体86に到達して吸収される。したがって、排出管69がキャリッジ30の外部に露出する構成にも関わらず、排出管69から落下したインクが突起部84を介して媒体200に付着する可能性を低減できるという利点がある。
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)溝部60の断面形状は図10の例示(矩形状の角溝)に限定されない。例えば、図17に例示されるように設置面40Aに対する傾斜面を相互に交差させた三角形状の角溝や、図18に例示されるように曲面(円弧面)で構成される丸溝を溝部60として設置面40Aに形成することも可能である。ただし、溝部60の内側に付着したインクを貫通孔に誘導する毛管力を充分に確保するという観点からは、図10や図17のように断面が角部を含む角溝が好適である。
(2)溝部60の平面形状は前述の各形態での例示に限定されない。例えば図19から図21に例示される形状の溝部60を固定体22の設置面40Aに形成することも可能である。なお、図19から図21では、溝部60が太線で簡略的に図示され、貫通孔68(排出管69)が円形で図示されている。
図19の例示では、供給部48Kに対応する包囲部62から貫通孔68までX方向に沿って直線状に延在する部分(第1溝部641,第2溝部642,連通部644,排出部646)を包含するように溝部60が形成される。図20の例示では、供給部48Cと供給部48Mとを挟む両側に溝部60が形成される。図20の構成によれば、設置面40Aのうち各供給部48からみてY方向の負側の部位に付着したインクを効率的に貫通孔68に誘導することが可能である。図21の例示では、設置面40Aに形成された全部の供給部48(48K,48C,48M,48Y)に対して一方側(Y方向の負側)に位置するように溝部60が形成される。
なお、前述の各形態(図11)で例示したように、第2領域A2内の一部の供給部48(48C,48M)と他の供給部48Yとの間に溝部60(基幹部671)を形成した構成によれば、図21の例示のように全部の供給部48に対して一方側のみに溝部60を形成した構成と比較して複数の分岐部672の合計長(溝部60の総延長)が短縮される。溝部60内の空間の容積が小さいほど溝部60の内側におけるインクの滞留が抑制されて貫通孔68から効率的にインクを排出できるから、設置面40A上のインクを迅速に排出するという観点からは、図21の構成よりも、図11に例示した第1実施形態の構成のほうが有利である。
(3)前述の各形態では、第1カートリッジC1と第2カートリッジC2とを例示したが、固定体22に固定されるカートリッジの個数は任意である。例えば前述の各形態では、第2カートリッジC2が複数種のインクを収容したが、インクの種類毎に別個のカートリッジを固定体22に固定する構成も採用され得る。
(4)前述の各形態では、第1領域A1と第2領域A2とにわたる溝部60の全体に対して第2領域A2内に1個の貫通孔68を形成したが、貫通孔68(排出管69)の個数や位置は以上の例示に限定されない。例えば、第1領域A1に1個の貫通孔68を形成した構成(第2領域A2には貫通孔68を形成しない構成)や、第1領域A1と第2領域A2との双方に貫通孔68を形成した構成が採用され得る。また、第1溝部641や第2溝部642や連通部644に貫通孔68を形成した構成や、各包囲部62に貫通孔68を形成した構成も採用され得る。したがって、溝部60の排出部646は省略され得る。
(5)前述の各形態では、各カートリッジCの接続部56に対して略円筒状の供給部48を接触させる構成を例示したが、設置面40AからZ方向の負側に突出する針状の供給部を各カートリッジCに挿入する構成(特許文献1と同様の接続構造)も採用され得る。
(6)各ノズルNからインクを噴射させる要素は前述の圧電素子に限定されない。例えば、加熱による気泡の発生で圧力室内の圧力を変動させてインクをノズルNから噴射させる発熱素子を圧電素子の代わりに利用することも可能である。圧電素子や発熱素子は、圧力室の内部の圧力を変化させる要素(圧力発生素子)として包括され、圧力を変化させる方式(ピエゾ方式/サーマル方式)や具体的な構成の如何は本発明において不問である。
(7)以上の各形態で例示した印刷装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
100……印刷装置(液体噴射装置)、200……媒体、12……制御装置、14……搬送機構、16……移動機構、182……封止体、184……吸収体、20……液体噴射ヘッド、22……固定体、24……流路板、26……配線基板、27……配線基板、28……液体噴射部、N……ノズル、30……キャリッジ、32……底面部、34……外壁部、342……対向部、40……底面部、40A……設置面、40B……開放縁、42……外壁部、421……背壁部、422,423……側壁部、44……隔壁部、441……第1壁部、442……第2壁部、46……突起部、48(48K,48C,48M,48Y)……供給部、60……溝部、60A……底面、60B……側面、62……包囲部、64……経路部、641……第1溝部、642……第2溝部、644……連通部、646……排出部、671……基幹部、672……分岐部、68……貫通孔、69……排出管、69A……第1部位、69B……第2部位、80……媒体支持部、82……基体部、84……突起部、86……吸収体、A1……第1領域、A2……第2領域、D……切欠部、C(C1,C2)……カートリッジ、54……突起部。

Claims (16)

  1. 液体を収容する複数のカートリッジが固定される固定体であって、前記複数のカートリッジに対向する設置面と、前記設置面から突出する複数の供給部とを含む固定体と、
    前記複数のカートリッジの各々から前記各供給部に供給される液体を複数のノズルから噴射する液体噴射部とを具備し、
    前記固定体は、
    前記複数のカートリッジのうち第1カートリッジに対向する第1領域と前記第1カートリッジとは別体の第2カートリッジに対向する第2領域とにわたり連続するように前記各供給部の外径を下回る溝幅で前記設置面に形成された溝部と、
    前記溝部の内側にて当該固定体を貫通する貫通孔とを含む
    液体噴射ヘッド。
  2. 前記溝部は、
    前記複数の供給部の各々を包囲する複数の包囲部と、
    前記複数の包囲部を相互に連結する経路部とを含む
    請求項1の液体噴射ヘッド。
  3. 前記固定体は、前記複数の供給部とは反対側に突出するように形成されて前記貫通孔に連通する排出管を含む
    請求項1または請求項2の液体噴射ヘッド。
  4. 前記排出管の先端面のうち、当該排出管の軸線に対する周方向の位置が相違する第1部位と第2部位とは、前記軸線の方向に沿った位置が相違する
    請求項3の液体噴射ヘッド。
  5. 前記液体噴射部に電気的に接続される第1配線基板と、
    前記第1配線基板に設置されて当該第1配線基板に電気的に接続される可撓性の第2配線基板とを具備し、
    前記排出管は、前記設置面に対する平面視で前記第1配線基板および前記第2配線基板に重ならない
    請求項3または請求項4の液体噴射ヘッド。
  6. 前記第2配線基板は、前記第1配線基板から第1方向に沿って延在し、
    前記排出管は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1配線基板または前記第2配線基板に重なる領域内に位置する
    請求項5の液体噴射ヘッド。
  7. 前記固定体は、前記第1領域と前記第2領域との間で当該設置面から突出する隔壁部を含み、
    前記溝部は、前記設置面に対する平面視で前記隔壁部に交差する方向に沿って延在する連通部を含む
    請求項1から請求項6の何れかの液体噴射ヘッド。
  8. 前記隔壁部は、前記第1カートリッジおよび前記第2カートリッジの少なくとも一方に形成された突起に嵌合する切欠部を挟んで相互に離間する第1壁部と第2壁部とを含み、
    前記連通部は、前記第1壁部と前記第2壁部との間に形成される
    請求項7の液体噴射ヘッド。
  9. 前記隔壁部のうち前記設置面とは反対側の縁部における前記切欠部の間隔は、当該縁部からみて前記設置面側における当該切欠部の間隔よりも広い
    請求項8の液体噴射ヘッド。
  10. 前記第1カートリッジは1種類の液体を収容し、
    前記第2カートリッジは複数種の液体を収容し、
    前記設置面の前記第2領域には、前記第2カートリッジの各液体に対応する複数の供給部が形成される
    請求項1から請求項9の何れかの液体噴射ヘッド。
  11. 前記溝部は、前記設置面に対する平面視で、前記第2領域内の複数の供給部のうち一部の供給部と他の供給部との間に位置する部分を含む
    請求項10の液体噴射ヘッド。
  12. 請求項1から請求項11の何れかの液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを搭載して移動するキャリッジと
    を具備する液体噴射装置。
  13. 前記液体噴射ヘッドの前記固定体は、前記設置面を含む底面部と、前記底面部のうち特定の開放縁以外の周縁にて前記設置面から突出する外壁部とを含み、
    前記キャリッジは、前記底面部のうち前記開放縁の側面に対向する対向部を含む
    請求項12の液体噴射装置。
  14. 前記複数のカートリッジと前記溝部の底面との間隔は、前記底面部のうち前記開放縁の側面と前記対向部との間隔よりも広い
    請求項13の液体噴射装置。
  15. 前記キャリッジを媒体に対して移動させる移動機構と、
    前記キャリッジが待機位置に存在する状態で前記液体噴射部の複数のノズルを封止する封止体と、
    前記貫通孔を介して排出された液体を吸収する吸収体と、
    前記媒体を挟んで前記キャリッジとは反対側に設置され、前記キャリッジ側の表面に、前記媒体に対向する複数の突起部が形成された媒体支持部と
    を具備し、
    前記封止体と前記吸収体とは、前記キャリッジを移動させた場合の前記貫通孔の軌跡上に位置し、前記複数の突起部は、前記貫通孔の軌跡上に位置しない
    請求項12から請求項14の何れかの液体噴射装置。
  16. 請求項3から請求項6の何れかの液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを搭載して移動するキャリッジとを具備し、
    前記キャリッジには、前記排出管が貫通する貫通孔が形成される
    液体噴射装置。
JP2014110388A 2014-05-28 2014-05-28 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Active JP6337617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014110388A JP6337617B2 (ja) 2014-05-28 2014-05-28 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014110388A JP6337617B2 (ja) 2014-05-28 2014-05-28 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015223774A JP2015223774A (ja) 2015-12-14
JP6337617B2 true JP6337617B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=54840925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014110388A Active JP6337617B2 (ja) 2014-05-28 2014-05-28 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6337617B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6801278B2 (ja) 2016-07-15 2020-12-16 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP6744994B2 (ja) * 2017-06-09 2020-08-19 ローランドディー.ジー.株式会社 カートリッジホルダおよびインクジェットプリンタ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0924618A (ja) * 1995-07-10 1997-01-28 Canon Inc インクジェット記録装置
JP2003072053A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JP2004074680A (ja) * 2002-08-21 2004-03-11 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド
JP2007001125A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Seiko Epson Corp 廃液チューブおよびインクジェット式プリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015223774A (ja) 2015-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10618297B2 (en) Tank and liquid ejection device
US11376851B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP6341004B2 (ja) 流路部材、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンター
KR20170051319A (ko) 액체 토출 장치 및 헤드
JP6349948B2 (ja) 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置
JP2005319817A (ja) 記録装置
JP6264109B2 (ja) 液体収容容器
JP6337617B2 (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
US11007789B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US20200198349A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US9950526B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP2006240150A (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP6992270B2 (ja) 液体吐出ヘッドのキャッピング方法、液体吐出装置の製造方法、液体吐出装置
JP2012240292A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2004074678A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド
JP2004074676A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド
US20230202185A1 (en) Liquid Ejecting Head And Liquid Ejecting Apparatus
JP5402687B2 (ja) 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP2018069675A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2017043061A (ja) 液体供給ユニット
EP3705296A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP6163966B2 (ja) 液体収容容器およびその蓋体
JP2004074680A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド
JP2004074679A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射ヘッド
JP2005212221A (ja) 液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6337617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150